(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ホストプロセッサと複数の通信路で接続可能に構成され、表示パネルの複数のソース線を駆動可能に構成され、前記ホストプロセッサから前記通信路を通して供給される画像データに基づいて、前記表示パネルの前記ソース線を駆動可能な、液晶表示ドライバICであって、
前記複数の通信路に接続可能な複数の通信インターフェース回路と、
前記複数のソース線のそれぞれを駆動する複数の駆動回路と、
前記複数の駆動回路のそれぞれの入力に接続され、各駆動回路に供給するデータを保持する複数のラッチと、
前記複数の通信インターフェース回路でそれぞれ受信された複数の画像データ出力のそれぞれを、前記複数のラッチのうち、どのラッチに供給するかを選択可能な第1セレクタ回路とを備え、
前記複数の通信インターフェース回路と、前記複数の駆動回路と、前記複数のラッチと、前記第1セレクタ回路とが、単一半導体基板上に形成された、液晶表示ドライバIC。
請求項1において、前記複数の通信インターフェース回路のうち少なくとも1つの通信インターフェース回路から出力される画素データの数をカウントする、ピクセルデータカウンタをさらに備え、前記第1セレクタ回路は、前記ピクセルデータカウンタのカウント値に基づいて、通信インターフェースとラッチとの間の画像データの供給関係を変更可能に構成される、液晶表示ドライバIC。
請求項3において、前記複数のビデオアダプタのうち少なくとも1つのビデオアダプタから出力される画素データの数をカウントする、ピクセルデータカウンタをさらに備え、前記第1セレクタ回路は、前記ピクセルデータカウンタのカウント値に基づいて、ビデオアダプタとラッチとの間の画像データの供給関係を変更可能に構成される、液晶表示ドライバIC。
請求項1において、メモリとメモリインターフェース回路をさらに備え、前記メモリインターフェース回路は、前記複数の通信インターフェース回路から出力される画素データを前記メモリに書き込み、書き込まれた画素データを前記メモリから読み出して前記第1セレクタ回路に供給可能に構成される、液晶表示ドライバIC。
請求項1から請求項9のうちのいずれか1項において、前記通信路は、MIPI/DSIの規格に準拠する1本のクロックレーンと4本のデータレーンを含んで構成される、液晶表示ドライバIC。
請求項1において、前記複数の通信インターフェース回路のうち、前記複数の通信路に接続されない通信インターフェース回路を、低消費電力状態に設定することができる、液晶表示ドライバIC。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0020】
〔1〕<DSIポートとソース線出力の間のセレクタ>
本発明に係る液晶表示ドライバIC(10)は、ホストプロセッサ(30)と複数の通信路(31)で接続可能に構成され、表示パネル(20)の複数のソース線(22、例えば表示パネル20がWQGXAのときS1〜S2400)を駆動可能に構成される。前記液晶表示ドライバICは、前記ホストプロセッサから前記通信路を通して供給される画像データに基づいて、前記表示パネルの前記ソース線を駆動する。
【0021】
前記液晶表示ドライバICは、前記複数の通信路に接続可能な複数の通信インターフェース回路(3_1〜3_m)と、前記複数のソース線のそれぞれを駆動する複数の駆動回路(6_1〜6_n)と、前記複数の駆動回路のそれぞれの入力に接続され、各駆動回路に供給するデータを保持する複数のラッチ(5_1〜5_n)と、第1セレクタ回路(1)とを備える。前記第1セレクタ回路は、前記複数の通信インターフェース回路でそれぞれ受信された複数の画像データ出力のそれぞれを、前記複数のラッチのうち、どのラッチに供給するかを選択可能に構成される。
【0022】
これにより、本発明に係る液晶表示ドライバICは、表示画像を左右反転させる機能を損なうことなく、ホストプロセッサと接続される通信路の並列数と、駆動可能な表示パネルの解像度についての汎用性を有することができる。即ち、複数の通信インターフェース回路のうちの必要な数の通信インターフェース回路から、所望の位置のソース線を駆動するための駆動回路への、画像データの伝送経路を、自由に構成することができ、使用する通信インターフェース回路の数、即ちポート数と、駆動されるソース線の数と位置を自由に関係づけることができる。
【0023】
〔2〕<ピクセルデータウンタ>
本発明の一実施形態に係る液晶表示ドライバIC(10)は、項1において、前記複数の通信インターフェース回路のうち少なくとも1つの通信インターフェース回路から出力される画素データの数をカウントする、ピクセルデータカウンタ(7)をさらに備える。前記第1セレクタ回路は、前記ピクセルデータカウンタのカウント値に基づいて、通信インターフェースとラッチとの間の画像データの供給関係を変更可能に構成される。
【0024】
これにより、要求されるバンド幅を得るために使用する通信インターフェースの数が、当該液晶表示ドライバICに備えられている通信インターフェースの数よりも少ない場合であっても、ピクセルデータカウンタが接続された通信インターフェース回路で受信される画像データについて、その入力される順序に応じて表示される位置を選択することができる。
【0025】
例えば、接続される表示パネルの解像度が低い場合である。このような場合には、要求されるバンド幅を得るために使用する通信インターフェースの数が、当該液晶表示ドライバICに備えられている通信インターフェースの数よりも少ない。また、駆動されるソース線の数が、当該液晶表示ドライバICに備えられている駆動回路の数よりも少ない。このように低解像度の表示パネルが接続される場合において、接続される表示パネルのソース線に接続される駆動回路の位置を、任意に設定することができる。
【0026】
また、例えば、通信路における画像データがデータ圧縮されて伝送されるために、使用する通信インターフェースの数が、当該液晶表示ドライバICに備えられている通信インターフェースの数よりも少ない場合も同様である。低解像度の表示パネルが接続される場合において、接続される表示パネルのソース線に接続される駆動回路の位置を、任意に設定することができる。
【0027】
〔3〕<入力側セレクタ+出力側セレクタ>
本発明の一実施形態に係る液晶表示ドライバIC(10)は、項1において、第2セレクタ回路(2)と複数のビデオアダプタ(Slot_1〜Slot4)(4_1〜4_n)とコマンドアダプタ(9)と制御レジスタ(8)とをさらに備える。
【0028】
前記第2セレクタは、前記複数の通信インターフェース回路でそれぞれ受信された複数の画像データ出力のそれぞれを、前記複数のラッチに代えて前記複数のビデオアダプタのうち、どのビデオアダプタに供給するかを選択可能に構成される。
【0029】
前記複数のビデオアダプタは、前記通信インターフェースで受信されたデータから画像データを抽出して、前記第1セレクタに供給する。
【0030】
前記コマンドアダプタは、前記複数のビデオアダプタのうちの1個のビデオアダプタに接続され、前記通信インターフェースで受信されたデータからコマンドを抽出して、抽出した前記コマンドに基づく値を前記制御レジスタに設定する。
【0031】
前記第1セレクタは、前記複数のビデオアダプタでそれぞれ抽出された複数の画像データ出力のそれぞれを、前記複数のラッチのうち、どのラッチに供給するかを、前記制御レジスタに設定された値に基づいて選択可能に構成される。
【0032】
これにより、ホストプロセッサがコマンドを伝送する通信路と、コマンドを抽出して当該液晶表示ドライバICの制御レジスタにその内容を反映させることができるビデオアダプタとの関係を、自由に切替えることができる。ホストプロセッサと当該液晶表示ドライバICの実装上の位置関係が180°回転された場合であっても、通信路を交差させることなく、接続することができる。
【0033】
〔4〕<入力側セレクタ+ピクセルデータカウンタ+出力側セレクタ>
本発明の一実施形態に係る液晶表示ドライバIC(10)は、項3において、前記複数のビデオアダプタのうち少なくとも1つのビデオアダプタから出力される画素データの数をカウントする、ピクセルデータカウンタ(7)をさらに備え、前記第1セレクタ回路は、前記ピクセルデータカウンタのカウント値に基づいて、ビデオアダプタとラッチとの間の画像データの供給関係を変更可能に構成される。
【0034】
これにより、項2と項3に記載される効果を共に奏する液晶表示ドライバICを提供することができる。
【0035】
〔5〕<端子による、コマンドが入力される通信インターフェース回路の指定>
本発明の一実施形態に係る液晶表示ドライバIC(10)は、項3または項4において、1個以上の第2セレクタ制御端子(PIN_2)をさらに備える。
【0036】
前記第2セレクタ回路は、前記第2セレクタ制御端子に設定される値に基づいて、前記複数の通信インターフェース回路のうちのどの通信インターフェース回路で受信されたデータを、前記コマンドアダプタに供給するかを選択可能に構成される。
【0037】
これにより、表示パネルに実装されたときの端子固定によって、液晶表示ドライバICに対して、接続される複数の通信路の中からコマンドを含むデータが送信されてくる通信路を選んで、コマンドアダプタの接続されているビデオアダプタに接続されるように、第2セレクタを制御することができる。
【0038】
〔6〕<RAM>
本発明の一実施形態に係る液晶表示ドライバIC(10)は、項1から項5のうちのいずれか1項において、メモリ(11)とメモリインターフェース回路(12)をさらに備える。前記メモリインターフェース回路は、前記複数の通信インターフェース回路から出力される画素データを前記メモリに書き込み、書き込まれた画素データを前記メモリから読み出して前記第1セレクタ回路に供給可能に構成される。
【0039】
これにより、フレームメモリを内蔵する液晶表示ドライバICにおいても同様に、項1から項5に記載される効果を奏する液晶表示ドライバICを提供することができる。
【0040】
〔7〕<コマンドによる、接続される表示パネルの指定>
本発明の一実施形態に係る液晶表示ドライバIC(10)は、項1から項6のうちのいずれか1項において、コマンドアダプタ(9)と、1ビット以上の第1セレクタ制御ビット(F/B)を含む制御レジスタ(8)とをさらに備える。
【0041】
前記コマンドアダプタは、前記複数の通信インターフェース回路のうち少なくとも1つの通信インターフェース回路で受信されるコマンドに基づく設定値を、前記制御レジスタの前記第1セレクタ制御ビットに書き込み可能に構成される。
【0042】
前記第1セレクタ回路は、前記第1セレクタ制御ビットに格納される設定値に基づいて、前記複数の通信インターフェース回路でそれぞれ受信された複数の画像データ出力のそれぞれを、前記複数のラッチのうち、どのラッチに供給するかを選択する。
【0043】
これにより、ホストプロセッサは、複数の通信路のうちの少なくとも1つを使って、液晶表示ドライバICに対してコマンドを発行することにより、液晶表示ドライバICに対して、接続される表示パネルのサイズ(解像度)などの種類に適する制御を、実行させることができる。
【0044】
〔8〕<端子による、接続される表示パネルの指定>
本発明の一実施形態に係る液晶表示ドライバIC(10)は、項1から項6のうちのいずれか1項において、1個以上の第1セレクタ制御端子(PIN_1)をさらに備える。
【0045】
前記第1セレクタ回路は、前記第1セレクタ制御端子に設定される値に基づいて、前記複数の通信インターフェース回路でそれぞれ受信された複数の画像データ出力のそれぞれを、前記複数のラッチのうち、どのラッチに供給するかを選択する。
【0046】
これにより、表示パネルに実装されたときの端子固定によって、液晶表示ドライバICに対して、接続される表示パネルのサイズ(解像度)などの種類に適する制御を、実行させることができる。
【0047】
〔9〕<コマンドと端子による、接続される表示パネルの指定>
本発明の一実施形態に係る液晶表示ドライバIC(10)は、項1から項6のうちのいずれか1項において、コマンドアダプタ(9)と、1ビット以上の第1セレクタ制御ビットを含む制御レジスタ(8)と、1個以上の第1セレクタ制御端子(PIN_1)とをさらに備える。
【0048】
前記コマンドアダプタは、前記複数の通信インターフェース回路のうち少なくとも1つの通信インターフェース回路で受信されるコマンドに基づく設定値を、前記制御レジスタの前記第1セレクタ制御ビットに書き込み可能に構成される。
【0049】
前記第1セレクタ回路は、前記第1セレクタ制御ビットに格納される設定値と前記第1セレクタ制御端子に設定される値とに基づいて、前記複数の通信インターフェース回路でそれぞれ受信された複数の画像データ出力のそれぞれを、前記複数のラッチのうち、どのラッチに供給するかを選択する。
【0050】
これにより、ホストプロセッサから発行されるコマンドと、第1セレクタ制御端子の状態との組合せにより、液晶表示ドライバICに対して、接続される表示パネルのサイズ(解像度)などの種類に適する制御を、実行させることができる。
【0051】
〔10〕<MIPI/DSI準拠の通信路>
本発明の一実施形態に係る液晶表示ドライバIC(10)は、項1から項9のうちのいずれか1項において、前記通信路は、MIPI/DSIの規格に準拠する1本のクロックレーン(CLKX_j;j=1〜4)と4本のデータレーン(DATAXi_j;i=1〜4、j=1〜4)を含んで構成される。
【0052】
これにより、MIPI/DSIの規格に準拠する複数のポートを備える、ホストプロセッサに接続可能な、液晶表示ドライバICを提供することができる。
【0053】
〔11〕<不使用の通信インターフェースのサスペンド>
本発明の一実施形態に係る液晶表示ドライバIC(10)は、項1において、前記複数の通信インターフェース回路のうち、前記複数の通信路に接続されない通信インターフェース回路を、低消費電力状態に設定することができる。
【0054】
これにより、不使用の通信インターフェース回路による、無駄な電力の消費を抑えることができる。
【0055】
〔12〕<不使用の駆動回路のサスペンド>
本発明の一実施形態に係る液晶表示ドライバIC(10)は、項1において、前記複数の駆動回路のうち、前記複数のソース線に接続されない駆動回路を、低消費電力状態に設定することができる。
【0056】
これにより、不使用の駆動回路による、無駄な電力の消費を抑えることができる。
【0057】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0058】
〔実施形態1〕<基本的な構成(DSIポートとソース線出力の間のセレクタ)>
図1は、本発明に係る液晶表示ドライバICの基本的な構成を表すブロック図である。
【0059】
本発明に係る液晶表示ドライバIC10は、特に制限されないが、例えば、公知のCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor field effect transistor)半導体集積回路の製造技術を用いて、シリコンなどの単一半導体基板上に形成される。液晶表示ドライバIC10は、ホストプロセッサ30と1式または複数の通信路で並列に接続されることが可能で、ホストプロセッサ30から前記通信路を通して供給される画像データに基づいて、表示パネル20に接続されて複数のソース線を駆動することができる。
【0060】
液晶表示ドライバIC10は、複数の通信路を使って並列に接続されることを可能とするため、複数のポートPort_1〜Port_mを備える。各ポートには、複数の通信インターフェース回路(DSI_1〜m)3_1〜3_mが設けられ、データアダプタを内蔵するスロット(Slot_1〜m)4_1〜4_mに接続される。ポートを構成する各信号はパッド13により、ホストプロセッサ30と接続される。液晶表示ドライバIC10は、接続される表示パネルの複数のソース線(例えばS1〜S2400)を駆動するための、駆動回路6_1〜6_nと、その入力データを保持するラッチ5_1〜5_nを備える。各駆動回路6_1〜6_nの出力は、パッド14により表示パネル20と接続される。
【0061】
本発明に係る液晶表示ドライバIC10は、スロット(Slot_1〜m)4_1〜4_mの出力と駆動回路6_1〜6_nに接続されるラッチ5_1〜5_nの接続関係を、選択する制御が可能なセレクタ1を備える。セレクタ1は、複数のポートPort_1〜Port_mに設けられた通信インターフェース回路(DSI_1〜m)3_1〜3_mでそれぞれ受信された複数の画像データ出力のそれぞれを、前記複数のラッチ5_1〜5_nのうち、どのラッチに供給するかを選択する制御を行う。セレクタ1は、例えば、m個の1:n選択回路(例えばクロスバースイッチ)で構成することができる。また、n個のラッチをいくつかのグループに分け、スロットごとにどのグループに画像データを供給可能かを選択することができるように構成することもできる。前者によれば、自由度を向上することができ、後者によれば、セレクタ1の回路規模を小さく抑えることができる。
【0062】
接続され駆動されるソース線の本数は、接続される表示パネル20のサイズや解像度によって決まるので、これに基づいて、使用すべき駆動回路6_1〜6_nとラッチ5_1〜5_nを決める。また、接続される表示パネル20のサイズや解像度によって、ホストプロセッサ30から画像データを供給するときの、データ転送に必要なバンド幅を算出することができるので、1系統の通信路当たりのデータ転送量から、並列して使用すべき通信路の数、即ちポート数を算出することができる。
【0063】
上記1系統の通信路は、例えば、MIPI/DSIの規格に準拠する1本のクロックレーンと4本のデータレーンを含んで構成される。これにより、液晶表示ドライバIC10を、MIPI/DSIの規格に準拠する複数のポートを備えるホストプロセッサに、接続可能に構成することができる。
【0064】
不使用の通信インターフェース回路3、スロット4、ラッチ5、駆動回路6は、低消費電力状態に設定することにより、液晶表示ドライバIC10の消費電力を低減することができる。低消費電力状態は、例えば、不使用の回路に供給するバイアス電流を下げる、或いは、不使用の回路に対する電源供給を遮断するなどの方法により、実装することができる。
【0065】
本発明に係る液晶表示ドライバIC10を含んだ、液晶表示装置100の構成例について説明する。
【0066】
液晶表示ドライバIC10は、
図1に示されるm=4、n=2400の場合の例である。即ち、4ポートの通信路に接続可能なように、4個の通信インターフェース回路(DSI_1〜4)3_1〜3_4と、4個のスロット(Slot_1〜4)4_1〜4_4とを備える。各ポートは、MIPI/DSIの規格に準拠する1本のクロックレーンCLKXと4本のデータレーンDATAX0〜DATAX3で構成され、パッド13_1〜13_4を備える。また、最大1600RGBで2400本のソース線を持つ液晶パネル20を駆動することができるように、2400個ずつのラッチ5_1〜5_2400と駆動回路6_1〜6_2400と2400個のパッド14とを備える。例えば表示パネル20がWQGXAである場合の例である。
【0067】
図2は、液晶表示ドライバIC10と、通信ポートを4ポート持つホストプロセッサ30と、1600RGBの表示パネル20とが接続されて構成された、液晶表示装置100を表すブロック図である。ホストプロセッサ3は、パッド31_1〜31_4を備え、対応する液晶表示ドライバIC10のパッド13_1〜13_4と、電気的に接続されることにより、ホストプロセッサ30と液晶表示ドライバIC10は、MIPI/DSIの規格に準拠する4ポートの通信路を使って並列に接続される。表示パネル20は、例えば低温ポリシリコンによる液晶表示パネルで、RGB各1600本、合計4800本のソース線23が、2本ずつマルチプレクスされて、2400本のソース線22(S1〜S2400)によって、液晶表示ドライバIC10と接続される。液晶表示ドライバIC10の出力パッドは、説明の便宜のため600個ずつ4つのグループに分け、14_1〜14_4と呼ぶ。
図2では図示を省略するが、パッド14_1、14_2、14_3、14_4には、ラッチ5_1〜5_600、5_601〜5_1200、5_1201〜5_1800、5_1801〜5_2400と、駆動回路6_1〜6_600、6_601〜6_1200、6_1201〜6_1800、6_1801〜6_2400とが、それぞれ接続されている。
【0068】
図2に示される液晶表示装置100の動作について説明する。
【0069】
表示パネル20の1ライン当たりRGB各1600個、合計4800個の画素に表示される画像データを、R1〜R1600、G1〜G1600、B1〜B1600と呼ぶ。1ライン当たり合計4800個の画像データは、例えばポート1〜4に4等分されて並列に伝送される。即ち、画像データR1とG1とB1〜R400とG400とB400は、ポート1を使って伝送され、画像データR401とG401とB401〜R800とG800とB800は、ポート2を使って伝送され、画像データR801とG801とB801〜R1200とG1200とB1200は、ポート3を使って伝送され、画像データR1201とG1201とB1201〜R1600とG1600とB1600は、ポート4を使って伝送される。ポート1を使って伝送された画像データR1とG1とB1〜R400とG400とB400は、通信インターフェース(DSI_1)3_1を介してスロット4_1に転送され、スロット4_1のデータアダプタにより、通信パケットから画像データとして抽出される。抽出された画像データR1とG1とB1〜R400とG400とB400は、セレクタ1を介してラッチ5_1〜5_400に順次書き込まれる。ラッチ5_1〜5_400に書き込まれた画像データR1とG1とB1〜R400とG400とB400は、駆動回路6_1〜6_400によって、対応する電圧レベルに変換され、その電圧レベルを持つ駆動信号としてソース線S1〜S600が駆動される。
【0070】
図2に示した例では、ソース線S1〜S2400は時分割で使用される。1組のラッチ5と駆動回路6も同様に、1ライン期間中に2個の画像データを1本のソース線に出力する。例えば、ラッチ5_1には、1ライン期間中に画像データR1とG1とが順次入力され、それぞれが対応する電圧レベルに変換され、その電圧レベルを持つ駆動信号としてソース線S1が駆動される。1本のソース線S1を時分割して伝送される画像データR1とG1とに基づく駆動信号は、表示パネル20上のデマルチプレクサ21で分離され、画素毎にRGB3本のソース線のうち対応する色のソース線23を駆動する。隣接するソース線S2を並列に使って、1ライン期間中に画像データB1とR2が伝送され、以下同様に、ソース線S3を使って画像データG2とB2、ソース線S4を使って画像データR3とG3が、それぞれ伝送される。
【0071】
以上のように、セレクタ1は、スロット4_1で抽出された画像データを、ラッチ5_1〜5_400に順次転送することにより、ポート1を通して受信された画像データR1とG1とB1〜R400とG400とB400に基づく駆動信号を、S1〜S600に出力する。他のポートについても同様に、セレクタ1は、スロット4_2で抽出された画像データを、ラッチ5_401〜5_800に順次転送することにより、ポート2を通して受信された画像データR401とG401とB401〜R800とG800とB800に基づく駆動信号を、S601〜S1200に出力する。セレクタ1は、スロット4_3で抽出された画像データを、ラッチ5_801〜5_1200に順次転送することにより、ポート3を通して受信された画像データR801とG801とB801〜R1200とG1200とB1200に基づく駆動信号を、S1201〜S1600に出力する。さらに、セレクタ1は、スロット4_4で抽出された画像データを、ラッチ5_1201〜5_1600に順次転送することにより、ポート4を通して受信された画像データR1201とG1201とB1201〜R1600とG1600とB1600に基づく駆動信号を、S1601〜S2400に出力する。
【0072】
画像データR1〜R1600、G1〜G1600、B1〜B1600は、1ラインの左から右に並ぶ画素の画像データである。上述の動作では、ホストプロセッサ30から伝送される画像データを、左右反転せずにそのまま表示する。これに対して、液晶表示ドライバIC10内で左右反転させて表示することもできる。左右反転させるためには、セレクタ1は、スロット4_1で抽出された画像データを、ラッチ5_1600〜5_1201に順次転送することにより、ポート1を通して受信された画像データR1とG1とB1〜R400とG400とB400に基づく駆動信号を、S2400〜S1601に出力する。左右反転が指定されていない上述の場合には左端に表示される、画像データR1とG1とB1が、左右反転が指定されたときには表示パネル20の右端に表示される。セレクタ1は、スロット4_4で抽出された画像データを、ラッチ5_400〜5_1に順次転送することにより、ポート4を通して受信された画像データR1201とG1201とB1201〜R1600とG1600とB1600に基づく駆動信号を、S400〜S1に出力する。左右反転が指定されていない上述の場合には右端に表示される画像データR1600とG1600とB1600が、左右反転が指定されたときには表示パネル20の左端に表示される。中央部分の2ポートについても同様に、画像データが左右反転したラッチ5に供給されるように、セレクタ1が制御される。セレクタ1は、スロット4_2で抽出された画像データを、ラッチ5_1800〜5_1201に順次転送することにより、ポート2を通して受信された画像データR401とG401とB401〜R800とG800とB800に基づく駆動信号を、S1800〜S1201に出力し、スロット4_3で抽出された画像データを、ラッチ5_1200〜5_601に順次転送することにより、ポート3を通して受信された画像データR801とG801とB801〜R1200とG1200とB1200に基づく駆動信号を、S600〜S1201に出力する。
【0073】
これにより、セレクタ1を制御することで、ホストプロセッサ30から出力される画像データの出力ポートや出力順序はそのままで、画像の左右を反転させて表示することができる。
【0074】
図3は、液晶表示ドライバIC10と、通信ポートを2ポート持つホストプロセッサ30と、1600RGBの表示パネル20とが接続されて構成された、液晶表示装置100を表すブロック図である。ホストプロセッサ30は、パッド31_1〜31_2を備え、対応する液晶表示ドライバIC10のパッド13_1〜13_2と、電気的に接続されることにより、ホストプロセッサ30と液晶表示ドライバIC10は、MIPI/DSIの規格に準拠する2ポートの通信路を使って並列に接続される。液晶表示ドライバIC10のパッド13_3〜13_4は使用されない。表示パネル20、及び表示パネル20と液晶表示ドライバIC10との接続関係は、
図2と同様であるので説明を省略する。
【0075】
図3に示される液晶表示装置100の動作について説明する。
【0076】
1ライン当たり合計4800個の画像データは、
図2の例では4等分されて伝送されるが、
図3の例では、例えばポート1〜2に2等分されて並列に伝送される。即ち、画像データR1とG1とB1〜R800とG800とB800は、ポート1を使って伝送され、画像データR801とG801とB801〜R1600とG1600とB1600は、ポート2を使って伝送される。ポート1を使って伝送された画像データR1とG1とB1〜R800とG800とB800は、通信インターフェース(DSI_1)3_1を介してスロット4_1に転送され、スロット4_1のデータアダプタにより、通信パケットから画像データとして抽出される。抽出された画像データR1とG1とB1〜R800とG800とB800は、セレクタ1を介してラッチ5_1〜5_1200に順次書き込まれる。ラッチ5_1〜5_1200に書き込まれた画像データR1とG1とB1〜R800とG800とB800は、駆動回路6_1〜6_1200によって、対応する電圧レベルに変換され、その電圧レベルを持つ駆動信号としてソース線S1〜S1200が駆動される。
【0077】
以上のように、セレクタ1は、スロット4_1で抽出された画像データを、ラッチ5_1〜5_1200に順次転送することにより、ポート1を通して受信された画像データR1とG1とB1〜R800とG800とB800に基づく駆動信号を、S1〜S1200に出力する。ポート2についても同様に、セレクタ1は、スロット4_2で抽出された画像データを、ラッチ5_1201〜5_2400に順次転送することにより、ポート2を通して受信された画像データR801とG801とB801〜R1600とG1600とB1600に基づく駆動信号を、S1201〜S2400に出力する。
【0078】
これに対して、表示する画像を左右反転させるためには、セレクタ1は、スロット4_1で抽出された画像データを、ラッチ5_2400〜5_1201に順次転送することにより、ポート1を通して受信された画像データR1とG1とB1〜R800とG800とB800に基づく駆動信号を、S2400〜S1201に出力し、スロット4_2で抽出された画像データを、ラッチ5_1200〜5_1に順次転送することにより、ポート2を通して受信された画像データR801とG801とB801〜R1600とG1600とB1600に基づく駆動信号を、S1200〜S1に出力する。
【0079】
これにより、セレクタ1を制御することで、ホストプロセッサ30から出力される画像データの出力ポートや出力順序はそのままで、画像の左右を反転させて表示することができる。なお、MIPI/DSIは、1本のクロックレーンと最大4本のデータレーンを備え、1Gbps/laneのデータ転送量を実現するので、1本のクロックレーンと4本のデータレーンからなる1ポートによるデータ転送のバンド幅は、4Gbpsである。これに対し、WQXGAは1600RGB×2560ラインの解像度で、各画素に8bit×RGB3色の24ビットの画像データを割り当て、60fps(毎秒60フレーム:60frame/s)で動画の画像データを転送するとき、必要な転送レートは、1600×2560×24×60=5.49Gbpsとなる。この場合、ホストプロセッサ30と液晶表示ドライバIC10との接続は、2ポートあれば足りる。3ポート以上の通信インターフェース(DSI_1〜4)3_1〜3_4とスロット4_1〜4_4とを備えた液晶表示ドライバIC10において、この
図3のように2ポートのみを使用する場合には、使用しない通信インターフェース(DSI_3〜4)3_3〜3_4とスロット4_3〜4_4は、低消費電力状態に遷移させて待機させるとよい。例えば、電源の供給を遮断してもよく、あるいは、通信インターフェース(DSI_3〜4)3_3〜3_4の受信回路のバイアス電流を遮断または最小限に絞ることによって、低消費電力状態に遷移させることができる。
【0080】
図4は、液晶表示ドライバIC10と、通信ポートを1ポート持つホストプロセッサ30と、800RGBの表示パネル20とが接続されて構成された、液晶表示装置100を表すブロック図である。
図2と
図3に示した例と比べて、接続される表示パネル20のライン方向(水平方向)の解像度は、半分の800RGBの例である。解像度が低いで、通信路のバンド幅も狭くて良いので、通信はMIPI/DSIに準拠する1ポートのみの例を示す。ホストプロセッサ30は、パッド31_1を備え、対応する液晶表示ドライバIC10のパッド13_1と、電気的に接続される。液晶表示ドライバIC10のパッド13_2〜13_4は使用されない。表示パネル20は、
図2、
図3に示したのと同様に、例えば低温ポリシリコンによる液晶表示パネルであり、水平方向の解像度は
図2、
図3に示した表示パネル20の1/2である。即ち、RGB各400本、合計2400本のソース線23が、2本ずつマルチプレクスされて、1200本のソース線22(S1〜S1200)によって、液晶表示ドライバIC10と接続される。液晶表示ドライバIC10の出力パッドは、
図2、
図3と同様に、説明の便宜のため600個ずつ4つのグループに分けられ、14_1〜14_4と呼ばれ、図示は省略されるが、パッド14_1、14_2、14_3、14_4には、ラッチ5_1〜5_600、5_601〜5_1200、5_1201〜5_1800、5_1801〜5_2400と、駆動回路6_1〜6_600、6_601〜6_1200、6_1201〜6_1800、6_1801〜6_2400とが、それぞれ接続されている。駆動すべき表示パネル20のソース線22は、S1〜S1200の合計1200本である。パッドのグループ14_1に属する600個のパッドは、S1〜S600に接続され、グループ14_4に属する600個のパッドは、S601〜S1200に接続される。中央部分のグループ14_2と14_3に属する1200個のパッドは、ソース線に接続されず、よって、ラッチ5_601〜5_1800と駆動回路6_601〜6_1800は、使用されない。使用されないラッチ5_601〜5_1800と駆動回路6_601〜6_1800は、低消費電力状態に遷移させて待機させるとよい。例えば、クロックの供給を止め又は電源の供給を遮断してもよく、あるいは、駆動回路6_601〜6_1800の出力回路及び/又は昇圧回路のバイアス電流を遮断または最小限に絞ることによって、低消費電力状態に遷移させることができる。
【0081】
図4に示した例では、2400個のパッド14_1、14_2、14_3、14_4のうち、両端の600個ずつ合計1200個のパッド14_1と14_4を表示パネル20との接続に使用し、中央付近のパッド14_2と14_3を不使用としたが、使用するパッドの選択は任意である。パッド14_1、14_2、14_3、14_4のようなソース線駆動パッドは、液晶表示ドライバICでは一般に、長辺の片側に配列される。表示パネル20上の液晶表示ドライバICのソース線の配線22は、液晶表示ドライバICにおいて使用するパッドをできるだけ分散させることにより、配線の混雑を緩和することができる。
図4に示すように、両端寄りのパッド14_1と14_4を表示パネル20との接続に使用し、中央付近のパッド14_2と14_3を不使用とすることにより、例えば片側寄りのパッド14_1と14_2を使用し、他端寄りのパッド14_3と14_4を不使用とする場合よりも、表示パネル20上の液晶表示ドライバICのソース線22の混雑が緩和される。
【0082】
図4に示される液晶表示装置100の動作について説明する。
【0083】
1ライン当たり合計4800個の画像データが、
図2の例では4等分され、
図3の例では等分されて並列に伝送されるが、
図4の例では1ライン当たり半分の合計2800個の画像データが、1ポートのみを使って伝送される。即ち、画像データR1とG1とB1〜R800とG800とB800は、全てポート1を使って伝送され、他のポート2〜4は使用されない。使用されないポート2〜4の通信インターフェース(DSI_2〜4)3_2〜3_4とスロット4_2〜4_4は、低消費電力状態に遷移させて待機させるとよい。ポート1を使って伝送された画像データR1とG1とB1〜R800とG800とB800は、通信インターフェース(DSI_1)3_1からスロット4_1に転送され、スロット4_1のデータアダプタにより、通信パケットの中から画像データとして抽出される。抽出された画像データR1とG1とB1〜R800とG800とB800のうち、画像データR1とG1とB1〜R400とG400とB400は、セレクタ1を介してラッチ5_1〜5_600に順次書き込まれ、画像データR401とG401とB401〜R800とG800とB800は、セレクタ1を介してラッチ5_1801〜5_2400に順次書き込まれる。ラッチ5_1〜5_600に書き込まれた画像データR1とG1とB1〜R400とG400とB400は、駆動回路6_1〜6_600によって、対応する電圧レベルに変換され、その電圧レベルを持つ駆動信号としてソース線S1〜S600が駆動される。ラッチ5_1801〜5_2400に書き込まれた画像データR401とG401とB401〜R800とG800とB800は、駆動回路6_1801〜6_2400によって、対応する電圧レベルに変換され、その電圧レベルを持つ駆動信号としてソース線S601〜S1200が駆動される。
【0084】
以上のように、セレクタ1は、スロット4_1で抽出された画像データを、ラッチ5_1〜5_600とラッチ5_1801〜5_2400に順次転送することにより、ポート1を通して受信された画像データR1とG1とB1〜R800とG800とB800に基づく駆動信号を、パッド14_1と14_4を介してS1〜S1200に出力する。
【0085】
これに対して、表示する画像を左右反転させるためには、セレクタ1は、スロット4_1で抽出された画像データを、上記とは逆の順序で、ラッチ5_2400〜5_1201とラッチ5_600〜5_1に順次転送することにより、ポート1を通して受信された画像データR1とG1とB1〜R800とG800とB800に基づく駆動信号を、S2400〜S1801とS600〜S1に出力する。
【0086】
これにより、セレクタ1を制御することで、ホストプロセッサ30から出力される画像データの出力ポートや出力順序はそのままで、画像の左右を反転させて表示することができる。
【0087】
以上説明したように、本発明に係る液晶表示ドライバIC10は、表示画像を左右反転させる機能を損なうことなく、ホストプロセッサ30と接続される通信路の並列数と、駆動可能な表示パネル20の解像度についての汎用性を有することができる。即ち、複数の通信インターフェース回路のうちの必要な数の通信インターフェース回路(DSI_1〜DSI_m)3_1〜3_mから、所望の位置のソース線を駆動するための駆動回路6_1〜6_mへの、画像データの伝送経路を、自由に構成することができ、使用する通信インターフェース回路の数、即ちポート数と、駆動されるソース線の数と位置を自由に関係づけることができる。
【0088】
〔実施形態2〕<入力側のセレクタ>
ホストプロセッサ30と液晶表示ドライバIC10とを、複数の通信路を使って並列接続する場合に発生する、本願の発明者によって見出された、新たな課題について説明する。
【0089】
ホストプロセッサ30は、一般に、液晶表示ドライバIC10に対して制御コマンドを送って、内部に設けられた制御レジスタに適宜パラメータを設定することにより、液晶表示ドライバIC10の動作を制御し、また、内部のステータスレジスタからデータを読み出すことにより、液晶表示ドライバIC10の動作状態を監視する。このような通信は、画像データの転送に先立って、或いは、画像データの転送と時分割で、同じ通信路を使って実行される。ホストプロセッサ30と液晶表示ドライバIC10との間に複数の通信路を並列に設けた場合、上記のような制御のための通信は、いずれか1つの通信路のみを使って実行されれば良い。このとき、ホストプロセッサ30が制御のための通信を行うポートをマスターポートと呼び、他のポートをスレーブポートと呼ぶことにする。液晶表示ドライバIC10において、マスターポートに接続される通信インターフェース3は、画像データを抽出するデータアダプタだけでなく、上記のような制御コマンドを抽出することができる、コマンドアダプタをも含んで構成されるスロット4に接続される必要がある。そのような液晶表示ドライバIC10のポートをポート1とし、他のポートには、コマンドアダプタは接続されていないものとする。液晶表示ドライバIC10において、通信ポートに接続される一連のパッド13は、ソース線に接続されるパッド14が配置される辺とは逆側の辺に、各ポートごとにまとめて順に配置されるのが一般的であると考えられる。以下に液晶表示ドライバIC10が通信ポートを2ポート備える場合を例に採って説明する。
【0090】
図5は、本発明に係る液晶表示ドライバIC10とホストプロセッサ30と表示パネル20との1つの接続例による液晶表示装置100であり、表示パネル20のホストプロセッサ30に近い辺に液晶表示ドライバIC10が実装された状態を表す、斜視図である。液晶表示ドライバIC10は、表示パネル20に下辺側に、例えばフリップチップ実装され、ホストプロセッサ30とはフレキシブルプリント基板31_1と31_2とで接続される。液晶表示ドライバIC10の上辺側にはソース線に接続されるパッド14が配置されており、表示パネル20のソース線と配線され、下辺側には通信路に接続されるポート1とポート2のパッドが配置されている。ホストプロセッサ30の左辺側に、マスターポートが配置されており、これと接続されるポート1は、同じく左辺側に配置されている。
【0091】
一方、同じ液晶表示ドライバIC10とホストプロセッサ30と表示パネル20との組合せであっても、液晶表示ドライバIC10がホストプロセッサ30とは反対側の、表示パネル20の上辺側に実装される場合が考えられる。
【0092】
図6は、本発明に係る液晶表示ドライバIC(2ポート)10とホストプロセッサ30と表示パネル20との別の接続例による液晶表示装置100であり、表示パネル20のホストプロセッサ30から遠い辺に液晶表示ドライバIC10が実装された状態を表す、斜視図である。液晶表示ドライバIC10は、表示パネル20に上辺側に、例えばフリップチップ実装され、ホストプロセッサ30とはフレキシブルプリント基板31_3と31_4とで接続される。液晶表示ドライバIC10の下辺側にはソース線に接続されるパッド14が配置されており、表示パネル20のソース線と配線され、上辺側には通信路に接続されるポート1とポート2のパッドが配置されている。
図5の場合と比較して、180°回転して実装されるので、ポート1は右辺側に、ポート2は左辺側に配置される。一方、ホストプロセッサ30は、
図5に示したのと同じ向きで実装され、表示パネル20の左辺側にマスターポートが配置され右辺側にスレーブポートが配置されている。フレキシブルプリント基板31_3と31_4を、交差させることは、実装上許されない場合がほとんどであるため、ホストプロセッサ30のマスターポートはフレキシブルプリント基板31_3によって液晶表示ドライバIC10のポート2と接続され、スレーブポートはフレキシブルプリント基板31_4によって液晶表示ドライバIC10のポート1と接続される。
【0093】
液晶表示ドライバIC10がポート1にのみ、コマンドアダプタを含んで構成されるスロット4が接続されるとすると、
図6に示す場合に、ホストプロセッサ30のマスターポートから送出される制御コマンドを、液晶表示ドライバIC10が適切に受信することができないという問題が発生する。
【0094】
MIPI/DSIでは、1系統のポートの範囲内で、複数個配列されるパッドの配置を、左右反転させる機能が規定されているが、複数のポートを並列接続する場合については、特に考慮されていない。
【0095】
図7は、実施形態2に係る液晶表示ドライバICの構成を表すブロック図である。
【0096】
本実施形態に係る液晶表示ドライバIC10は、
図1に示した液晶表示ドライバIC10の構成に加えて、さらに、入力側セレクタ2とコマンドアダプタ9と制御レジスタ8とをさらに備える。混同を避けるため、実施形態1で説明したセレクタ1は、以降、出力側セレクタ1と呼ぶ。
【0097】
液晶表示ドライバIC10は、複数の通信路を使って並列に接続されることを可能とするため、複数のポートPort_1〜Port_mを備え、各ポートに通信インターフェース回路(DSI_1〜m)3_1〜3_mが設けられる。スロット(Slot_1〜m)4_1〜4_mは、それぞれデータアダプタを内蔵しており、そのうちのスロット1(Slot_1)4_1には、さらにコマンドアダプタ9が接続される。コマンドアダプタ9には制御レジスタ8が接続される。液晶表示ドライバIC10は、実施形態1とは異なり、通信インターフェース回路(DSI_1〜m)3_1〜3_mとスロット(Slot_1〜m)4_1〜4_mとの間に、入力側セレクタ(SEL_2)2を備える。入力側セレクタ2は、通信インターフェース回路(DSI_1〜m)3_1〜3_mでそれぞれ受信された複数の画像データ出力のそれぞれを、スロット(Slot_1〜m)4_1〜4_mのうち、どのスロットに供給するかを選択可能に構成される。スロット(Slot_1〜m)4_1〜4_mに内蔵されるビデオアダプタは、受信したデータから画像データを抽出して、出力側セレクタ1に供給する。コマンドアダプタ9は、複数のスロット(Slot_1〜m)4_1〜4_mのうちの少なくとも1個、
図7ではスロット1(Slot_1)4_1に接続され、入力側セレクタ2によって選択された通信インターフェース(DSI_1〜mのうちのいずれか1つ)で受信されたデータからコマンドを抽出して、抽出したコマンドに基づく値を制御レジスタ8に設定する。制御レジスタ8はステータス情報を含んで構成されても良く、コマンドアダプタ9は、ステータス情報をリードする命令を受信したときは、制御レジスタ8からステータス情報を読み出して、入力側セレクタ2によって選択された通信インターフェース(DSI_1〜mのうちのいずれか1つ)を介してホストプロセッサ30に応答することができるように構成されてもよい。ステータス情報は、制御レジスタ8に含まれるのではなく、別個のステータスレジスタを備えてもよい。
【0098】
出力側セレクタ1は、スロット(Slot_1〜m)4_1〜4_mに内蔵されるビデオアダプタでそれぞれ抽出された複数の画像データ出力のそれぞれを、複数のラッチ5_1〜5_nのうち、どのラッチに供給するかを、制御レジスタ8に設定された値(例えばF/B)に基づいて選択可能に構成される。出力側セレクタ1の選択制御を行う制御信号は、制御レジスタ8に設定された値(例えばF/B)に加え、液晶表示ドライバIC10の端子PIN_1から供給してもよい。
【0099】
入力側セレクタ2を設けたことにより、ホストプロセッサ30がコマンドを伝送する通信路と、コマンドを抽出して当該液晶表示ドライバIC10の制御レジスタ8にその内容を反映させることができるビデオアダプタ9との関係を、自由に切替えることができる。ホストプロセッサ30と当該液晶表示ドライバIC10の実装上の位置関係が180°回転された場合であっても、例えばフレキシブルプリント基板による通信路を交差させることなく接続することができる。
【0100】
入力側セレクタ2は、端子PIN_2に設定される値に基づいて、通信インターフェース回路(DSI_1〜m)3_1〜3_mのうちのどの通信インターフェース回路で受信されたデータを、スロット(Slot_1〜m)4_1〜4_mのうち、どのスロットに供給するかを選択可能に構成される。これにより、表示パネル20に実装されたときの端子固定によって、液晶表示ドライバIC10に対して、接続される複数の通信路の中からコマンドを含むデータが送信されてくる通信路を選んで、コマンドアダプタの接続されているスロットに接続されるように、入力側セレクタ2を制御することができる。
【0101】
図8は、実施形態2に係る液晶表示ドライバICの構成例(2ポート)を表すブロック図である。
【0102】
液晶表示ドライバIC10は、2つのポートPort_1とPort_2を備え、各ポートに通信インターフェース回路(DSI_1とDSI_2)3_1と3_2が設けられている。スロット4_1と4_2は、それぞれデータアダプタを内蔵しており、そのうちのスロット4_1には、さらにコマンドアダプタ9が接続され、コマンドアダプタ9には制御レジスタ8が接続される。通信インターフェース回路(DSI_1とDSI_2)3_1と3_2と、スロット4_1と4_2との間には、入力側セレクタ2が設けられ、端子PIN_2により、コマンドアダプタ9が接続されたスロット4_1に、通信インターフェース回路(DSI_1とDSI_2)3_1と3_2のうちのどちらを接続するかを選択制御される。ホストプロセッサ30のマスターポートが、フレキシブルプリント基板の交差などなしに接続されるポートが、2つのポートPort_1とPort_2のうちのどちらであるかは、実装設計の段階で明らかになるので、その段階で端子PIN_2の論理固定の値を指定する。
【0103】
液晶表示ドライバIC10は、これまで例示したのと同様に、例えば2400本のソース線を駆動することができるように、出力パッド14、駆動回路6、ラッチ5をそれぞれ2400個ずつ備える。
図8では、2400本のソース線を、S1〜S1200とS1201〜S2400の2つのグループに分け、液晶表示ドライバIC10は、S1〜S1200を駆動するための、出力パッド14_1、駆動回路6_1、ラッチ5_1それぞれ1200個と、S1201〜S2400を駆動するための、出力パッド14_2、駆動回路6_2、ラッチ5_2それぞれ1200個とを備える。2つのグループに分けることにより、出力側セレクタ1を単純な回路で構成することができる。スロット(Slot_1〜2)4_1〜4_2で抽出される画像データを、ラッチ5_1に書き込むかラッチ5_2に書き込むかの2通りと、左右反転なしに入力された順序で書き込むか、左右反転するために逆順で書き込むかの2通りの組み合わせで、基本的に4通りの制御をすれば足りるからである。例えば接続される表示パネル20について複数のサイズ(解像度)に適応できるようにするためには、この4通りをベースとして必要な制御を追加すればよい。
【0104】
〔実施形態3〕<入力側のピクセルデータカウンタ>
図9は、実施形態3に係る液晶表示ドライバIC10の構成を表すブロック図である。
図7に示した、実施形態2に係る液晶表示ドライバIC10の構成に加えて、ピクセルデータカウンタ7が設けられている。他の構成は、実施形態2について
図7を引用して説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。ピクセルデータカウンタ7は、スロット1(Slot_1)4_1の出力に接続され、スロット1(Slot_1)4_1から出力される画像データの数をカウントし、所定の数になったときに、制御信号をアサートして出力側セレクタ1を制御する。
【0105】
これにより、要求されるバンド幅を得るために使用する通信インターフェースの数が、液晶表示ドライバIC10に備えられている通信インターフェースの数よりも少ない場合であっても、ピクセルデータカウンタ7が接続された通信インターフェース回路(
図9ではスロット1(Slot_1)4_1)で受信される画像データについて、その入力される順序に応じて表示される位置を選択することができる。
【0106】
例えば、接続される表示パネルの解像度が低い場合である。このような場合には、要求されるバンド幅を得るために使用する通信インターフェースの数が、当該液晶表示ドライバICに備えられている通信インターフェースの数よりも少ない。また、駆動されるソース線の数が、当該液晶表示ドライバICに備えられている駆動回路の数よりも少ない。このように低解像度の表示パネルが接続される場合において、接続される表示パネルのソース線に接続される駆動回路の位置を、任意に設定することができる。
【0107】
例えば、
図4に例示される液晶表示装置100のように、液晶表示ドライバIC10が備える4ポートの通信インターフェースのうち1ポートのみが使用され、2400本のソース線を駆動するための2400個のパッド14_1〜14_4のうち、両端の600個ずつ合計1200個のパッド14_1と14_4が800RGBの表示パネル20との接続に使用される場合に有効である。ポート1から入力される画像データ画像データR1とG1とB1〜R800とG800とB800は、全てポート1を使って伝送される。そのうち、画像データR1とG1とB1〜R400とG400とB400は、出力側セレクタ1を介してラッチ5_1〜5_600に順次書き込まれて駆動回路6_1〜6_600から出力される。画像データR401とG401とB401〜R800とG800とB800は、出力側セレクタ1を介してラッチ5_1801〜5_2400に順次書き込まれて駆動回路6_1801〜6_2400から出力される。ラッチ5と駆動回路6とパッド14を、例えば600個ずつの4つのグループに分けて制御すれば、出力側セレクタ1の制御が単純化される。ラッチ5を、5_1〜600と、5_601〜1200と、5_1201〜5_1800と、5_1801〜2400の4グループに分け、出力側セレクタ1は第1〜第4グループのいずれかに出力できるように選択制御されればよい。このとき、上の例では、ピクセルデータカウンタ7による画像データのカウント値が、R1とG1とB1〜R400とG400とB400のときは、出力側セレクタ1から第1グループに出力されるように制御する。その後、400RGBを超えたときに出力側セレクタ1の制御信号を切替え、画像データR401とG401とB401〜R800とG800とB800が第4グループのラッチ5_1801〜2400に出力されるように制御する。出力側を上記のように4グループに分けたときは、出力先を選択するための制御信号は2ビットで済み、制御回路は単純化される。より多くのグループに分けた場合には、出力側セレクタ1の制御は多少複雑になるが、使用する出力パッドの選択の自由度が向上する。ピクセルデータカウンタ7を設けて1つのポートから入力される一連の画像データの途中から、出力側セレクタ1の出力先を切替えることにより、使用する出力パッドの選択の自由度を向上させることができる。ピクセルデータカウンタ7は、1つのポートにのみ設ける例を示したが、複数のポートに設けても良い。
【0108】
ピクセルデータカウンタ7を設けたことによる別の効果について説明する。通信路における画像データがデータ圧縮されて伝送されるために、使用する通信インターフェースの数が、当該液晶表示ドライバICに備えられている通信インターフェースの数よりも少ない場合も同様である。接続される表示パネル20の解像度が低い場合に、使用する出力パッドの選択の自由度を向上させることができる。
【0109】
図10は、実施形態3に係る液晶表示ドライバICの構成例(2ポート)を表すブロック図である。
図8に示した、実施形態2に係る液晶表示ドライバIC10の構成に加えて、ピクセルデータカウンタ7が設けられている。他の構成は、実施形態2について
図8を引用して説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。ピクセルデータカウンタ7は、スロット1(Slot_1)4_1の出力に接続され、スロット1(Slot_1)4_1から出力される画像データの数をカウントし、所定の数になったときに、制御信号をアサートして出力側セレクタ1を制御する。
図8と同様に、出力側セレクタ1の出力を2グループに分けた例を示した。即ち、2400本のソース線を、S1〜S1200とS1201〜S2400の2つのグループに分け、液晶表示ドライバIC10は、S1〜S1200を駆動するための、出力パッド14_1、駆動回路6_1、ラッチ5_1それぞれ1200個と、S1201〜S2400を駆動するための、出力パッド14_2、駆動回路6_2、ラッチ5_2それぞれ1200個とを備える。これをさらに多くのグループに分けることにより、出力側セレクタ1の選択の自由度を向上することができる。
【0110】
図11は、端子PIN_2による入力側セレクタ2の切替え動作の例を説明する真理値表である。端子PIN_2が「0」のとき、スロット1(Slot_1)4_1には通信インターフェース回路(DSI_1)3_1が接続され、スロット2(Slot_2)4_2には通信インターフェース回路(DSI_2)3_2が接続される。端子PIN_2が「1」のときには、スロット1(Slot_1)4_1には通信インターフェース回路(DSI_2)3_2が接続され、スロット2(Slot_2)4_2には通信インターフェース回路(DSI_1)3_1が接続される。
【0111】
実施形態2で説明したのと同様に、表示パネル20に実装されたときの端子PIN_2の固定によって、液晶表示ドライバIC10に対して、接続される2系統の通信路の中からコマンドを含むデータが送信されてくる通信路を選んで、コマンドアダプタの接続されているスロット1(Slot_1)4_1に接続されるように、入力側セレクタ2を制御することができる。これにより、ホストプロセッサ30と当該液晶表示ドライバIC10の実装上の位置関係が180°回転された場合であっても、例えばフレキシブルプリント基板による通信路を交差させることなく接続することができる。
【0112】
図12は、端子PIN_1による出力側セレクタ1の切替え動作の例を説明する真理値表である。端子PIN_1により、使用する入力ポート数を指定する。2ポート使用する場合にはPIN_1を「0」に設定し、1ポートのみ使用する場合にはPIN_1を「1」に設定する。制御レジスタ8に設定されるF/Bビットにより、画像の左右反転を行うか否かが設定される。左右反転を行うときにはF/Bに「1」を設定し、反転しない場合にはF/Bに「0」を設定する。
【0113】
PIN_2=0,PIN_1=0でF/B=0のとき、通信インターフェース回路(DSI_1)3_1から入力される画像データが、スロット1(Slot_1)4_1を経てラッチ5_1に書き込まれ、通信インターフェース回路(DSI_2)3_2から入力される画像データが、スロット2(Slot_2)4_2を経てラッチ5_2に書き込まれる。左右反転を行うF/B=1の場合には、出力側セレクタ2を切替えて、通信インターフェース回路(DSI_1)3_1から入力される画像データが、スロット1(Slot_1)4_1を経てラッチ5_2に書き込まれ、通信インターフェース回路(DSI_2)3_2から入力される画像データが、スロット2(Slot_2)4_2を経てラッチ5_1に書き込まれる。一方、PIN_2=1の場合には、PIN_1=0でF/B=0のとき、通信インターフェース回路(DSI_2)3_2から入力される画像データが、スロット1(Slot_1)4_1を経てラッチ5_1に書き込まれ、通信インターフェース回路(DSI_1)3_1から入力される画像データが、スロット2(Slot_2)4_2を経てラッチ5_2に書き込まれる。左右反転を行うF/B=1の場合には、出力側セレクタ2を切替えて、通信インターフェース回路(DSI_2)3_2から入力される画像データが、スロット1(Slot_1)4_1を経てラッチ5_2に書き込まれ、通信インターフェース回路(DSI_1)3_1から入力される画像データが、スロット2(Slot_2)4_2を経てラッチ5_1に書き込まれる。
【0114】
PIN_1=1が設定され、1ポートのみ使用する場合には、PIN_2=0でF/B=0のときには、通信インターフェース回路(DSI_1)3_1から入力される画像データは、スロット1(Slot_1)4_1を経て、ピクセルデータカウンタ7のカウント値がRGB1201未満の間はラッチ5_1に書き込まれ、ピクセルデータカウンタ7のカウント値がRGB1201以上になると、ラッチ5_2に書き込まれる。一方、PIN_2=0で左右反転を行うF/B=1のときには、通信インターフェース回路(DSI_1)3_1から入力される画像データは、スロット1(Slot_1)4_1を経て、ピクセルデータカウンタ7のカウント値がRGB1201未満の間はラッチ5_2に書き込まれ、ピクセルデータカウンタ7のカウント値がRGB1201以上になると、ラッチ5_1に書き込まれる。また、PIN_2=1では、F/B=0のときには、通信インターフェース回路(DSI_2)3_2から入力される画像データが、スロット1(Slot_1)4_1を経て、ピクセルデータカウンタ7のカウント値がRGB1201未満の間はラッチ5_1に書き込まれ、ピクセルデータカウンタ7のカウント値がRGB1201以上になると、ラッチ5_2に書き込まれる。一方、PIN_2=0で左右反転を行うF/B=1のときには、ピクセルデータカウンタ7のカウント値がRGB1201未満の間はラッチ5_1に書き込まれる。
【0115】
以上、真理値表に規定した「1」または「0」の設定は、単なる例示であって、他の設定であってもよく、また、正論理でも負論理でもよい。
【0116】
〔実施形態4〕<RAM内蔵の液晶表示ドライバIC>
図13は、実施形態4に係る、RAM内蔵の液晶表示ドライバICの構成を表すブロック図である。
図7に示した、実施形態2に係る液晶表示ドライバIC10の構成に加えて、RAM11とメモリインターフェース12が設けられている。メモリインターフェース12は、スロット(Slot_1〜m)4_1〜4_mから入力される画像データをRAM11に書き込み、書き込まれた画像データをRAM11から読み出して出力側セレクタ1に供給する。他の構成は、実施形態2について
図7を引用して説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。RAM11は画像のフレームメモリとして機能する。例えば、一度転送されRAM11に格納された静止画の画像データを、繰り返し読み出して表示するなどの機能を提供することができる。
【0117】
図14は、実施形態4に係る、RAM内蔵の液晶表示ドライバICの構成例(2ポート)を表すブロック図である。
図8に示した、実施形態2に係る液晶表示ドライバIC10の構成に加えて、RAM11とメモリインターフェース12が設けられている。他の構成は、実施形態2について
図8を引用して説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。メモリインターフェース12は、書き込みラッチW_latch_1とW_latch_2と、読み出しラッチR_latch_1とR_latch_2とを備える。メモリインターフェース12は、スロット(Slot_1〜2)4_1〜4_2から入力される画像データを、一旦、書き込みラッチW_latch_1とW_latch_2に取り込んだ後にRAM11に書き込み、書き込まれた画像データをRAM11から読み出しラッチR_latch_1とR_latch_2に読み出して、出力側セレクタ1に供給する。
【0118】
これにより、RAM11をフレームメモリとして内蔵する液晶表示ドライバIC10においても、上述の実施形態2に記載される液晶表示ドライバICと同様の効果を奏する液晶表示ドライバICを提供することができる。
【0119】
図15は、実施形態4に係る、RAM内蔵かつピクセルデータカウンタ搭載の液晶表示ドライバICの構成を表すブロック図である。
図13を引用して上述した液晶表示ドライバIC10の構成に加えて、ピクセルデータカウンタ7が設けられている。他の構成は上述の通りであるので、ここでの説明は省略する。ピクセルデータカウンタ7は、メモリインターフェース12の出力に接続され、その1つ若しくは複数の出力チャネルから出力される画像データの数をカウントし、所定の数になったときに、制御信号をアサートして出力側セレクタ1を制御する。
【0120】
図16は、実施形態4に係る、RAM内蔵かつピクセルデータカウンタ搭載の液晶表示ドライバICの構成例(2ポート)を表すブロック図である。
図14を引用して上述した液晶表示ドライバIC10の構成に加えて、ピクセルデータカウンタ7が設けられている。他の構成は上述の通りであるので、ここでの説明は省略する。ピクセルデータカウンタ7は、メモリインターフェース12の読み出しラッチR_RATCH_1の出力に接続され、出力される画像データの数をカウントし、所定の数になったときに、制御信号をアサートして出力側セレクタ1を制御する。
【0121】
これにより、RAM11をフレームメモリとして内蔵する液晶表示ドライバIC10においても、上述の実施形態3に記載される液晶表示ドライバICと同様の効果を奏する液晶表示ドライバICを提供することができる。
【0122】
図17は、実施形態4に係るRAM内蔵の液晶表示ドライバICにおける、端子による入力側セレクタの切替え動作の例を説明する、真理値表である。
図11に示した真理値表と同様に、端子PIN_2が「0」のとき、スロット1(Slot_1)4_1には通信インターフェース回路(DSI_1)3_1が接続され、スロット2(Slot_2)4_2には通信インターフェース回路(DSI_2)3_2が接続される。端子PIN_2が「1」のときには、スロット1(Slot_1)4_1には通信インターフェース回路(DSI_2)3_2が接続され、スロット2(Slot_2)4_2には通信インターフェース回路(DSI_1)3_1が接続される。
【0123】
図18は、実施形態4に係るRAM内蔵かつピクセルデータカウンタ搭載の液晶表示ドライバICにおける、端子による出力側セレクタの切替え動作の例を説明する、真理値表である。
図12に示した真理値表と同様に、端子PIN_1により、使用する入力ポート数を指定する。2ポート使用する場合にはPIN_1を「0」に設定し、1ポートのみ使用する場合にはPIN_1を「1」に設定する。制御レジスタ8に設定されるF/Bビットにより、画像の左右反転を行うか否かが設定される。左右反転を行うときにはF/Bに「1」を設定し、反転しない場合にはF/Bに「0」を設定する。
【0124】
PIN_2=0,PIN_1=0でF/B=0のとき、通信インターフェース回路(DSI_1)3_1から入力される画像データが、スロット1(Slot_1)4_1を経て書き込みラッチW_RATCH_1に書き込まれ、そのデータが読み出しラッチR_RATCH1に読み出された後に、ラッチ5_1に転送される。通信インターフェース回路(DSI_2)3_2から入力される画像データが、スロット2(Slot_2)4_2を経て書き込みラッチW_RATCH_2に書き込まれ、そのデータが読み出しラッチR_RATCH2に読み出された後に、ラッチ5_2に転送される。その他の場合を含め、通信インターフェース回路(DSI_1〜2)3_1〜2から入力される画像データが、スロット(Slot_1〜2)4_1〜2を経てラッチ5_1〜2に転送される途中に、書き込みラッチW_RATCH_1〜2に書き込まれ、そのデータが読み出しラッチR_RATCH1〜2に読み出される、RAMへの一時書き込み追加される点のみが異なる。
【0125】
以上、真理値表に規定した「1」または「0」の設定は、単なる例示であって、他の設定であってもよく、また、正論理でも負論理でもよい。
【0126】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0127】
例えば、液晶表示パネル20にタッチパネルが積層され、液晶表示ドライバICにタッチコントローラが内蔵されてもよい。また、端子PIN_1とPIN_2に代えて、ヒューズや不揮発性メモリを搭載することもできる。