(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
掃除機本体と、前記掃除機本体に接続されたホースと、前記ホースに接続された手元操作部と、前記手元操作部と接続された延長管と、前記延長管に取り付けられる吸込具とを備えた掃除機において、
前記吸込具は内部に回転清掃体と、前記回転清掃体を回転駆動する電動機とを有しており、前記電動機のハウジング内に設置された2つのマグネットと、前記マグネット配置位置と90度位置をずらした前記ハウジングの外周に鋼板材を配置し、前記鋼板材は前記ハウジングより漏れている磁力を利用して前記ハウジングへ取り付けられていることを特徴とする電気掃除機。
請求項1記載の電気掃除機において、前記ハウジングに設けた鋼板材は、その一部を前記ハウジングへ固定するリアキャップに引っ掛けることで固定することを特徴とすることによる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一つの実施形態について添付図面を参照して説明するが、吸込具において、回転清掃体110(
図3(a)参照)が配置される側を前側、吸口継手10B(
図3(a)参照)が接続される側を後側として説明する。
【0013】
図2に示すように、電気掃除機1は掃除機本体2と、この掃除機本体2に接続されたホース3と、ホース3に接続された手元操作部4と、手元操作部4と接続された延長管5と、延長間5に取付られる吸込具10とを備えて構成されている。
【0014】
掃除機本体2の内部には、図示しない吸引力を発生させる吸い込み用電動送風機や、この吸い込み用電動送風機の吸引力で集塵した塵埃を収容する集塵部等が内蔵されており、手元操作部4のハンドル部に設けられた運転スイッチSWの操作等によって吸い込み用電動送風機の運転が制御されるようになっている。
【0015】
ホース3の一端は掃除機本体2の集塵部と連通するように掃除機本体2の接続口2aに接続され、ホース3の他端は手元操作部4に接続されている。延長管5は二つの管体5a、5bから構成されて伸縮可能であり、管体5aの一端が手元操作部4の他端に接続されている。
吸込具10は
図3(b)に示すように、下面(掃除面)に吸込口100が開口され、この吸込口100内に回転清掃体110が配置されている。この回転清掃体110は駆動手段としての後記する電動機120により回転駆動される。
【0016】
吸込具10は
図2に示すように、下部分を形成する下ケース11、および下ケース11の上部に被着された上ケース12を備える吸口本体10Aと、吸口本体10Aの後方に取り付けられ、内部に空気の通路R1(
図4参照)が形成された吸口継手10Bとを備える。これらの下ケース11、上ケース12および吸口継手10Bの主たる部品は、軽量で硬質の材料、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂材料で形成されている。
【0017】
ここで、吸口継手10Bには、
図3(a)に示すように、他端部(吸口本体10A側)に回動軸7が設けられており、吸口継手10Bは、この回動軸7が、下ケース11と上ケース12との間に挟みこまれてこれらに支持されることにより、吸口本体10Aに対して上下方向に回動可能に設けられている。また、吸込具10は回動部7bを中心として左右方向に回動可能に設けられている。
【0018】
更に、吸口継手10Bには、後部側に図示しない接触ピンが設けられており、この接触ピンを介して吸込具10の電動機120に電力が供給されるようになっている。
【0019】
また、吸口本体10Aには、前部から左右側方にかけて、下ケース11と上ケース12との間にバンパー8が介設されている。バンパー8はゴムや合成ゴム等の弾性材料から形成されており、使用時に吸口本体10A内の気密を保持するとともに、電気掃除機1の使用時に吸口本体10Aが家具等に衝突した際に、当該家具等への傷付きと吸口本体10Aへの衝撃を吸収するようになっている。
【0020】
下ケース11の下面に開口する吸込口100は断面略湾曲凹状とされており、
図4に示すように、吸込口100の後方には吸込通路101が開口形成されている。この吸込通路101は吸口継手10Bの前記した通路R1(
図4(b)参照)に連通している。また、11b、11cはブラシカバーであり、更に、
図4(b)にあるように下ケース11にはブラシ駆動スイッチ11aと車輪11dが取り付けられている。下ケース11の前側吸込口100には回転清掃体110画配置されている。
図5において、参照番号113はローラ部材であり、113‘はそのローラ部材の外周側端部である。
【0021】
また、下ケース11と上ケース12との間には、
図6(a)に示すように隔壁13eを隔てて電動機収容室13が形成されており、この電動機収容室13に電動機120が収容されている。
【0022】
図6(a)、(b)において、110は回転清掃体であり、この回転清掃体110は回転清掃体の軸部110aに軸支されている。11点は筒状基体であり、これは回転清掃体110を構成し、これに清掃部材112a、112b、112cが取り付けられている。112a、112bは清掃部材112aの外周である。
【0023】
参照番号13は電動機収容室であり、電動機収容室13内に電動機支持部13a、13b、13c、13dが配置されている。また、参照番号125は電動機のカバー部材である。回転清掃体110の一端には大径の歯付きプーリ130が取り付けられ、また電動機120の回転軸には小径の歯付きプーリ131が取り付けられており、両者は歯付きベルト132で連動されている。したがって、電動機の回転が回転清掃体110に伝えられるようになっている。また、歯付きベルト132はテンショナー133でその張力が調整されるようになっている。参照番号124aは電動機の回転軸である。
【0024】
尚、電動機収容室13は
図7に示すように、隔壁13eに設けられた開口部13e’を通じて、電動機収容室13の前方に設けられる後記する通路R3に連通している。
【0025】
また、電動機収容室13は、下ケース11の中央部側に形成された通路R4を通じて、吸口継手10Bの回動軸7の端部開口7aに連通している。回動軸7は吸口本体10Aの内部に設けられた通路R1に連通している。
【0026】
尚、電動機収容室13には、
図7に示すように、仕切り部13fが設けられており、電動機収容室13に電動機120を収容した状態で、仕切り部13fによって、電動機収容室13が左右に仕切られるようになっている。つまり、仕切り部13fを隔てて、図中右側の室に開口122bが位置し、図中左側の室に開口122cが位置するようになっており、電動機120内(ハウジング122内)を介して左右の室が連通している。
【0027】
尚、下ケース11の下面には、
図5に示すように、ブラシ駆動スイッチ11a、ブラシカバー11b,11c、車輪11dが設けられている。
【0028】
ブラシ駆動スイッチ11aは、吸込具10の下面が清掃面に接触しているか否かを検出するスイッチである。ブラシ駆動スイッチ11aは、車輪を備え、この車輪がばね等の付勢手段によって常に下ケース11の下面から突出するように設けられている。
【0029】
そして、車輪が飛び出して清掃面と接触していないと検出されたときには、吸込具10に備わる制御基板10C(
図7参照)によって電動機120が停止される。また、車輪が押し込まれて清掃面と接触していると検出されたときには、制御基板10C(
図7参照)によって電動機120が駆動される。
【0030】
また、ブラシカバー11b,11cは、下ケース11に対して取り外し可能であり、これらを下ケース11から取り外すことによって回転清掃体110の取り外しが可能となる。
【0031】
車輪11dは、手元操作部4で操作される前後動や回転操作の応力を受けて吸込具10の底面を清掃面に密着させ、これにより吸込具10の操作性能を向上する役割をなすものである。また、下ケース11と上ケース12との間には、
図6(a)に示すように、電動機120を冷却するための後記する冷却用空気が通流する通路S1が形成されている。
【0032】
吸込口100に配置される回転清掃体110は、
図6(a)に示すように、筒状基体111と、この筒状基体111の外周面から径方向に突出するようにして固定された繊維等による刷毛状の清掃部材112a〜112cが径方向に突出するようにして固定され構成されている。清掃部材112a〜112cは回転清掃体110の軸方向に沿ってそれぞれ螺旋状に設けられており、清掃面との接触を可能としてその回転駆動力により清掃面の塵埃を掻き出すように作用する。
【0033】
清掃面がフローリングなどの場合は、回転清掃体110に対する摩擦抵抗が少ないため、電動機120にかかる負荷が小さいが、清掃面がじゅうたんなどの場合は、回転清掃体110に対する摩擦抵抗が大きいため、電動機120にかかる負荷が大きくなる。よって、電動機120は、回転清掃体110がじゅうたんなどに接した場合にも回転できるだけのトルクが必要である。
【0034】
ここで、清掃部材112a〜112cの長さや数、また、それぞれの断面形状等は適宜設定することができる、また、清掃部材の何本かを、ゴム等の軟質材からなるブレードとしても良い。
【0035】
本実施形態では、
図5,
図6(a)に示すように、毛足の長い清掃部材112a,112bの外周側端部112a’,112b’は、回転清掃体110の両端部分に設けた表面が刷毛等の軟質材で構成されている円筒状のローラ部材113(
図3参照)の外周側端部113’より、長くなるように設定されている。
【0036】
これにより、清掃面と清掃部材112a〜112cの十分なラップ量を確保し、塵埃の掻き出し力や拭き機能を有するようにすると共に、吸込具10を清掃面においたときには、清掃部材が撓み、ローラ部材113が清掃面に接触し、吸込具10が自ら進む力を発生する。そのため、軽い力で吸込具を操作可能となる。
【0037】
尚、回転清掃体110の上部側に、吸込口100における負圧の大きさによって撓んで開口する、図示しない吸気口を形成して、上ケース12の上方空間に浮遊する塵埃を吸込口100内に取り込むように構成してもよい。
【0038】
回転清掃体110は、その 軸方向両端部に延出する図示しない軸を有しており、これらの軸が吸込口100の内側両端に設けられた図示しない軸受けに支持されることで、吸込口100内に回転自在に設けられている。尚、回転清掃体110の一端には、電動機120からの回転駆動力を受ける大径プーリ130(
図6(b)参照)が設けられている。
【0039】
そして、回転清掃体110に掻き出された塵埃は、
図4(b)に示すように、吸込口100から吸込通路101を通じて吸口継手10Bの前記した通路R1に運ばれ、その後、延長管5(
図2参照)やホース3を通じて掃除機本体2の図示しない集塵室に吸引される。
【0040】
図7にあるように、電動機収容室13は、吸口本体10Aの左右方向では腕部10A1内に形成されている。電動機120は、電動機120から飛び出した軸部124aが吸口本体10Aの外側に位置し、カバー部材125が吸口本体10Aの中央側に位置するように配置される。
【0041】
電動機収容室13内には、電動機120を支持するための支持部13a,13bが下ケース11に形成され、支持部13c,13dが上ケース12に形成されている。各支持部13a〜13dは、いずれも、電動機120の一端部に設けられるカバー部材125(
図1参照)の四隅部分をそれぞれ支持するようになっている。
【0042】
尚、カバー部材125と各支持部13a〜13dとの間には、隙間S1がそれぞれ形成されるようになっており、この隙間S1は、電動機120を冷却した後の冷却用空気の通り道として機能するようになっている。
【0043】
一方、吸口本体10Aの他方の腕部10A2には、
図7に示すように、後部側に基板収容室14が設けられており、この基板収容室14には、電動機120を駆動制御するための制御基板10Cが配置されている。この基板収容室14を形成する上ケース12の後部には、スリット12a(
図11参照、以下同じ)が形成されており、このスリット12aを通じて上ケース12の後方から冷却用の空気が導入されるようになっている。
【0044】
また、基板収容室14には、吸口本体10Aの後端部に設けられた後端スリット150(
図11参照)から導入された冷却用の空気も流入するように構成されている。
【0045】
基板収容室14は、前側の隔壁14aに設けられた開口部14bを通じて下ケース11の上面と上ケース12との間に形成される通路R3に連通している。この通路R3は、腕部10A1側において、電動機収容室13を仕切る隔壁13eに設けられた開口部13e’(
図9参照)を通じて電動機収容室13に連通している。尚、
図9において14a,13eは隔壁であり、また14b, 13e’は開口部であり、15はユニットカバーである。
【0046】
電動機120は、
図1及び
図10に示すように、フロントキャップ121と、フロントキャップ121に一端部が固定される断面(断面の輪郭)が略小判形状とされたハウジング122と、ハウジング122の他端部に取り付けられるリアキャップ123と、ハウジング122内に配置され、フロントキャップ121およびリアキャップ123に回転自在に支持される回転軸である電動機軸124a
を有するアーマチュア124と、リアキャップ123の端部に被せられるカバー部材125と、を有している。
【0047】
またハウジング122は吸気開口122bと排気開口122c及び122dを有している。123cはリアキャップ123に設けた段差面である。ハウジング122の曲面部の内側には、
図12(b)に示すようにマグネット122aが接着材及び、U字スプリング201により固定されている。
【0048】
ここで、ハウジング122には、マグネット122aの短幅方向の中央位置と一致した略長方形の長孔202を電動機の軸方向に設けている(
図1,
図14(a),
図14(b)参照)。ここで、長孔202の幅(電動機軸に直交する方向の幅長さ)は広すぎるとトルクの減少を招くため、
図13に示すようなシミュレーション結果より、モータ幅(電動機軸に直交する方向の幅長さ)の15%付近が望ましく、軽量化優先の際でも、30%以下にする必要がある。
【0049】
本実施例では、片側の曲面部にのみ長孔202を設けているが、両側に長孔202を設けても良い。また、長孔202の形状は長方形に限らず、円形状の孔をモータの軸方向に並べる等の方法でも構わない。この際は長孔の形状はどのような形状でも構わないが、製作の観点から見ると長方形の長孔が最も適している。
【0050】
ハウジング122には、フロントキャップ121側の外周面に、冷却用の空気をハウジング122内に導入するための吸気開口122bが形成されている。
【0051】
また、ハウジング122のリアキャップ123側には、冷却用の空気をハウジング122内から排出するための排気開口122cが形成されている。さらに、ハウジング122内でマグネット122aとコア124bとの間には、
図12(b)に示すように、電動機120(ハウジング122)の内部へ流入する、後記する冷却用の空気が流れる隙間S3が形成されている。
【0052】
更に、ハウジング122の平面側へは鋼板材301を取付けている。鋼板材301はその一部をリアキャップに引っ掛けると共に、ハウジング122より漏れている磁力を利用しハウジング122へ取付けられている。
【0053】
フロントキャップ121は、
図10(c)に示すように、ハウジング122の一端部に取り付けられる側面視で略小判形状を呈しており、中央部には、アーマチュア124の軸部124aを支持するための軸受け部121aが設けられている。
【0054】
アーマチュア124は、
図12(c)に示すように、出力軸となる軸部124aを有し、軸部124aにコア124bと、コンミテータ124cが固着されている。コア124bは、鉄心片を積層して製造され、軸部124aを中心にして放射状に延びる複数(例えば、本実施形態では7個)のティース124d(
図12(b)参照、以下同じ)を有する。
【0055】
ティース124dは、軸方向から見て略T字状に形成されており、これらティース124d間に軸方向に長い蟻溝状のスロット(例えば、本実施形態では7個)が形成されている。ティース124dには、スロットを介してコイルが巻装されている。
【0056】
リアキャップ123は、
図1、
図10(a)に示すように、ハウジング122の端部に装着される有底円筒状を呈しており、
図12(c)に示すように、底部123dの中央部分に、アーマチュア124の軸部124aの端部が挿入されて支持される軸受け部123aが設けられている。
【0057】
また、リアキャップ123の端部には、
図1、
図10(b)に示すように、電動機用基板123bが装着されている。この電動機用基板123bは、カバー部材125で周縁部が覆われるようになっている。尚、カバー部材125は、リアキャップ123の段差面123cに装着されるようになっている。
【0058】
リアキャップ123の底部123dの内側には、
図12(a)、
図14(b)に示すように、ブラシ部127が設けられている。ブラシ部127は、略環状とされたブラシホルダ127aと、このブラシホルダ127aに摺動自在に収容された導電性のブラシ127bと、を有している。ブラシ127bは、アーマチュア124のコンミテータ124cのセグメント124fに摺接するようになっており、底部123dに突設された支軸126aに保持されたばね部材126bによってコンミテータ124cに向けて付勢されている。尚、ばね部材126bの先端部126c(
図12(a)参照)は、ブラシ127bに向けて折曲されている。
【0059】
本実施形態では、
図12(a)に示すように、コンミテータ124cを挟んで2つのブラシ部127を有しており、電動機120の軸方向から見ると、2つのブラシ127bは、ハウジング122の略小判形状の対角線上に配置されている。断面が略四角形状の電動機収容室13に対しても対角線上に配置されることとなる。
【0060】
そして、各ブラシ127bの外周側端面127cは、ハウジング122の略小判形状よりも外周側に位置しており、かつ、ハウジング122の略小判形状が内接する四角形(図中二点鎖線で図示した四角形)よりも内周側に位置している。
【0061】
つまり、
図15(a)に示すように、断面略四角形状の電動機収容室13内において、ハウジング122の略小判形状の対角線上において、ハウジング122の外側に形成される隅部のデッドスペースDSに、2つのブラシ127bを逃がすようにして配置することができる。これによって、その分、電動機収容室13の高さ寸法H1を小さくすることができる。
【0062】
図15(b)は、比較例として、断面略小判形状のハウジング122の長径上に、2つのブラシ127bを配置した例であり、本実施形態と同様に2つのブラシ127bを配置すると、長径方向の外側に2つのブラシ127bが突出してしまい、この突出する分、電動機収容室13の高さ寸法H1が大きくなってしまう。
【0063】
この場合、
図15(a)に二点鎖線で示すように、断面略小判形状のハウジング122の長径上に設けた2つのブラシ127b’を短く設定すれば、電動機収容室13の高さ寸法H1内に2つのブラシ127b’を収容することができるが、その分、2つのブラシ127b’がブラシ127bに比べて短くなってしまい、ブラシ127b’の長寿命化を図ることができない。
【0064】
これに対して、本実施形態では、
図12(a)に示すように、ハウジング122の略小判形状の対角線上において、各ブラシ127bの外周側端面127cが、ハウジング122の略小判形状よりも外周側に位置しており、かつ、ハウジング122の略小判形状が内接する四角形T(図中二点鎖線で図示した四角形)よりも内周側に、2つのブラシ127bを配置した構成としたので、前記した比較例(
図15(b))と同様の長さを有した2つのブラシ127bをそのまま電動機120に用いることができ、ブラシ127bの長寿命化、ひいては電動機120の長寿命化を図ることが可能である。
【0065】
尚、ブラシ部127は、2つ設けたものに限られることはなく、ハウジング122の略小判形状が内接する四角形Tの四隅に対応して4つ設けてもよい。
【0066】
電動機120は、カバー部材125の弾力性を利用して下ケース11および上ケース12により形成される電動機収容室13に収容されている。ここで、カバー部材125は合成ゴム等の弾力性を有する材料でできている。したがって、電動機120の振動が下ケース11および上ケース12に伝わり難い構造となっている。
【0067】
尚、フロントキャップ121にも、
図1に示すように、合成ゴム等の弾力性を有するブッシュ128が装着され、このブッシュ128を介して、下ケース11に設けられた支持部11f及び、ユニットカバー15に設けられた支持部15fにフロントキャップ121側が支持されるようになっている(
図7参照)。したがって、電動機120は、フロントキャップ121側においても防振構造が採られている。
【0068】
そして、電動機120の軸部124aには、
図6(b)に示すように、小径プーリ131が装着されるとともに、回転清掃体110の端部の軸部110aには、大径プーリ130が装着されている。これらの間に歯付きベルト132が架け渡されて、小径プーリ131から大径プーリ130に動力が伝達される。また、歯飛びを防止するため、小径プーリ131及び大径プーリ130と歯付きベルト132の噛合う歯数を多くするために、テンショナー133を設けている。
【0069】
次に、電動機120に電流が流れた際のハウジング122に設けた長い長孔202について
図16に示す電動機の簡易図で説明する。
【0070】
マグネット122aによる発生する磁界をHMとし、
図16の位置において、コイルに電流が流れるとすると、コイルを流れることによって発生する磁束はHC1,HC2となる。
【0071】
磁束HM、磁束HC1及び磁束HC2共に、電磁鋼板から出来ているハウジング122を磁気回路としているが、
図16においてコイルに電流を流すことにより生じる実線で示す磁束の流れと、マグネット122aによって生じる磁束の流れを矢印で示しているが図面を2つの直交する線分で4分割してみると第2象限と第4象限、つまり図示のS部において、コイルによる磁束HC1及び磁束HC2がマグネットによる磁束HMと逆向きとなっており、コイルによって生じる磁束HC1及び磁束HC2がマグネットから発生する磁束HMを弱めてしまっている。
【0072】
そのため、本実施例においては、磁束HC1を弱めるために、ハウジング122の幅方向(電動機軸と直交する方向)の円弧部の中央に、電動機120の軸方向に長い長方形の長孔202を設けている。これにより、磁束HC1の磁気回路が途中で途切れるため、磁束HC1が弱まることで磁束HMを弱める影響が少なくなる。
【0073】
尚、ハウジング122は平板状の鋼板を折り曲げて端部をつき合わせて製作するが、この突き合せ部に長孔202を設けるとハウジング122の成形維持効果が損なわれる恐れがある場合は、突き合せ部と反対側の面に長孔202を設けることで対応するのが実際的である。
【0074】
ただ、この突き合せ部の成形維持効に問題なければ、磁束HC2においても上述した長孔202と対向(対角線上)するハウジング位置に同様の長孔を設けることによって同様の効果を得ることができる。
【0075】
一方磁束HMへの影響においては、円弧状のマグネットであるため磁束密度が小さいマグネット122aの円弧の頂点を長孔202の中央と一致させているため影響は殆ど無い。そのため、長孔202を追加することで、軽量化とトルク向上を効率を落とさずに行うことが出来る。
【0076】
長方形の長孔202の仕様であるが、幅の長さ(電動機軸に直交する方向の長さ)については
図13に示すようなシミュレーション結果より、電動機幅(電動機軸に直交する方向の幅長さ)の15%付近以下が望ましいものであるが、必ずしもこれに限定されず、その製品仕様によって適切に選択されれば良いものである。
【0077】
また、長孔202の長さ(電動機軸方向の長さ)であるが、
図12(c)ではマグネット122aの軸方向長さの約半分程度の長さに設定してあるが、これについても必ずしもこれに限定されず、その製品仕様によって適切に選択されれば良いものである。
【0078】
更に、付随的な効果として、長孔を設けることにより電動機のハウジングの重量を軽くすることが可能となるため電動機軽量化が期待できるものである。
【0079】
ここで、軽量化を目的に磁気回路となっているハウジング122を薄くすると、ハウジング122が飽和してしまい、磁束HMが小さくなることから、トルクが減少し効率が悪化する。そのため、マグネット122aより生じる磁束が集まる位置(マグネット122aを配置している箇所と90度ずらした位置)に、鋼板材301を配置することにより、トルクを弱めずにハウジングを薄くすることが可能となる。これにより、ハウジング122における、円弧状の箇所の肉厚を薄くした分軽量化が可能となる。
【0080】
尚、本実施例では、ハウジング122の肉厚を1.6mmから1.2mmへ変更し、0.4mmの厚さの鋼板材301を配置している。これにより、約10gの軽量化を行っていると共に、
図18に示すにフラックスメータによる測定値が鋼板材有無にて大きく異なり、ハウジング肉厚1.6mmの時と、1.2mmと鋼板材を合わせた際の値がほぼ同程度となっていることから、トルクの減少も最小限に抑えられていることがわかる。
【0081】
次に、電動機120の冷却について説明する。
【0082】
本実施形態では、掃除機本体2に備わる図示しない電動送風機の吸引力により、吸込具10の吸込口100とは別に設けた導入口より空気を導入して、これを冷却用の空気として用いている。
【0083】
図11に示すように、前記した導入口として、吸口本体10Aの下ケース11の後部側には、後端スリット150が設けられている。この後端スリット150は、下ケース11に設けられた車輪11dの前方において、上方斜め後方に開口が向く状態に設けられている。
【0084】
ここで、後端スリット150は、
図17に示すように、これに連続する上板151と、図示しない下板との間に形成される通路R2に連通しており、また、この通路R2は、基板収容室14に連通している。したがって、後端スリット150を通じて導入された冷却用の空気は、通路R2を通じて基板収容室14に流入し、制御基板10Cを冷却する。また、上ケース12のスリット12aを通じて、腕部10A2の後方の空気が基板収容室14に導入され、この空気によっても制御基板10Cが冷却される。
【0085】
基板収容室14に流入した冷却空気は、その後、隔壁14aの開口部14bを通じて通路R3に流入し、通路R3から隔壁13eの開口部13e’を通じて電動機収容室13に流入する(
図7,
図9参照)。
【0086】
その後、電動機収容室13に流入した冷却用の空気は、電動機収容室13の電動機120の開口122bを通じてハウジング122内に流入し、コア124bとマグネット122aとの間を通過してコア124bを冷却する。
【0087】
その後、ハウジング122内を冷却した空気は、開口122cや側面に形成される開口122d(
図9(a)参照)から電動機120の外部に排出され、通路R4に流入する。そして、通路R4から吸口継手10Bの回動軸7の端部開口7aを介して吸口継手10B内に流入し、通路R1に流れ込む。よって、冷却用の空気は、電動機120内を、電動機120から飛び出した軸部124a側からカバー部材125側へ向かって流れる。つまり、冷却用の空気は、電動機120内を、吸口本体10Aの外側から中央側へ向かって流れる。
【0088】
したがって、電動機120内を通過して電動機120を冷却した空気は、ブラシ127bから生じる可能性のある塵埃等とともに通路R1に流れ込む。尚、
図11に示すように、上ケース12における電動機収容室13に対応する位置にスリット12cを設け、このスリット12cを通じて電動機収容室13に直接、冷却用の空気を導入してもよい。
【0089】
このように構成することによっても、電動機120を好適に冷却することができる。尚、スリット12c等に図示しないフィルターを配置して塵埃が電動機収容室13内に流入するのを抑制するように構成してもよい。
【0090】
また、電動機の開口122Cより排出される空気は高温となるため、周囲の樹脂の軟化等を引き起こす可能性があるため、通路R3から、開口122Cより排出される空気を冷却するための、空気を混ぜるためのバイパス203を設けてもよい(
図9参照)。但しその際は開口部13e’とバイパス203の流路面積の割合に注意する必要がある。
【0091】
尚、本実施例における鋼板材の配置は、掃除機吸口用の電動機に限らず、マグネットを用いた、流モータに関しても効率やトルクを犠牲にせずに軽量化を行う方法として有効である。