(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
四角形の底壁の各外縁部に側壁がそれぞれ回動可能に連結され、それら側壁を前記底壁から起立させた組立状態と、互いに対向した1対の側壁を前記底壁上に重ねて折り畳んでから、それら側壁の上に残りの1対の側壁を重ねて折り畳んだ折畳状態とに変更可能な折畳コンテナーにおいて、
前記側壁に上端部を回動可能に取り付けられたハンドル部を有し、
前記ハンドル部は、横方向に延びる手掛部の両端部から上方に1対のアーム部を延ばして備えると共に、前記手掛部と前記1対のアーム部とに亘って面一に形成されて、前記側壁の外面に重ねられる裏側面一面と、前記手掛部の下縁部に形成され、前記裏側面一面から下方に離れるに従って前記側壁の外面からも離れるように傾斜した下端ガイド面とを有し、
前記1対のアーム部は、前記手掛部から上方に延びてから屈曲して互いに離れる側に水平に延び、それらの先端部が前記側壁に回動可能に取り付けられている折畳コンテナー。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を
図1〜
図13に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る折畳コンテナー10は、上面が開放しかつ平面形状が長方形の箱状になっていて、底壁30における1対の短辺側の外縁部に1対の第1側壁11,11が回動可能に連結されると共に、底壁30における1対の長辺側の外縁部に1対の第2側壁21,21が回動可能に連結されている。そして、折畳コンテナー10は、第1及び第2の側壁11,21を底壁30から起立させた組立状態(
図1参照)と、その組立状態から
図2に示すように1対の第1側壁11,11を底壁30の上に折り畳んでから、それら第1側壁11,11の上に1対の第2側壁21を折り畳んだ折畳状態(
図3参照)とに変更することができる。
【0018】
詳細には、
図2に示すように、底壁30における1対の短辺側の外縁部からは、1対の第1側壁支持突部31,31が上方に突出し、1対の長辺側の外縁部からは、1対の第2側壁支持突部32,32が上方に突出している。また、第1及び第2の側壁支持突部31,32には、それぞれの長手方向に間隔を空けて複数のアーム受容部35が形成されている。各アーム受容部35は、第1及び第2の側壁支持突部31,32の上面と内面とに開口し、上面開口が内面開口に比べて開口幅が広くなっている。また、アーム受容部35の内側上端部には、内面開口を挟んだ両側に図示しない抜け止め突起が形成されている。
【0019】
第1及び第2の側壁11,21の下端面には、各アーム受容部35に対応させて
図5に示したヒンジアーム23が複数備えられている。ヒンジアーム23は、第1又は第2の側壁11,21の下端面から垂下したアーム本体23Hと、そのアーム本体23Hの下端部両側面から突出した1対のヒンジピン23P,23Pとからなる。そして、ヒンジピン23P,23Pがアーム受容部35の上面開口から内部に受容されかつ、上述した図示しない抜け止め突起によって抜け止めされている。
【0020】
これにより、第1及び第2の側壁11,21が、底壁30の第1及び第2の側壁支持突部31,32に回動可能に連結され、第1及び第2の側壁支持突部31,32の上に直立した起立姿勢と、底壁30の上に倒した折畳姿勢とに変更することができる。また、
図2に示すように、第2側壁支持突部32は、第1側壁支持突部31より上方に高く突出しいて、第1側壁11の回動中心より第2側壁21の回動中心の方が上方に配置されている。これにより、前述したように第2側壁21,21を第1側壁11,11の上に重ねて折り畳むことができる。
【0021】
なお、第1側壁11,11の高さは、底壁30の長辺の1/2以下になっていると共に、第2側壁21,21の高さは、底壁30の短辺の1/2以下になっている。これにより、本実施形態の折畳コンテナー10では、折畳状態で第1側壁11,11同士は互いに重なり合わず、同様に第2側壁21,21同士も互いに重なり合わない。
【0022】
各第2側壁21の両側縁部からは、第1側壁11,11側に向かって1対のサイド突壁22,22が突出している。各サイド突壁22は、第2側壁21の上端部から下端寄り位置まで延びた帯板状をなし、各サイド突壁22における長手方向の複数位置には、連結孔22Aが貫通形成されている。
【0023】
第1側壁11の外面からは、両側縁に沿った複数位置から連結孔22Aに対応した複数の連結突部12Aが突出している。そして、
図1に示すように折畳コンテナー10が組立状態になると、各第1側壁11が1対の第2側壁21,21に間に挟まって、それら第2側壁21,21が内側に倒れることを規制し、サイド突壁22が第1側壁11の側縁部に外側から重なって第1側壁11が外側に倒れることを規制し、さらに、サイド突壁22の連結孔22Aに第1側壁11の連結突部12Aが凹凸係合して、第2側壁21が外側に倒れることを規制する。
【0024】
また、
図2に示すように、各サイド突壁22のうち第1側壁11側を向いた面の上端寄り位置からは、門形突部24が突出している。門形突部24は、
図4に拡大して示すように、サイド突壁22から突出した1対の脚部24A,24Aを上下に並べ、それら脚部24A,24Aの先端間を先端連絡部24Bで連絡した門形構造をなしている。そして、第1側壁11に備えた後述するロック係合部40T(
図5参照)が、門形突部24内に側方から凹凸係合することで、起立姿勢の第1側壁11が内側に倒れることを規制し、これにより折畳コンテナー10全体が組立状態にロックされる。
【0025】
図1に示すように、第1及び第2の側壁11,21の外面からはリブ11L,21Lが突出している。リブ11L,21Lは、第1及び第2の側壁11,21の外縁部全体に配置されると共に、横方向に延びたリブ11L,21Lが第1及び第2の側壁11,21の上寄りに偏在し、さらに縦方向に延びたリブ11L,21Lが第1及び第2の側壁11,21の横方向における複数位置に散在している。なお、第1及び第2の側壁11,21の下縁部に配置されたリブ11L,21Lの下面は、それら第1及び第2の側壁11,21の下面に相当し、そこから前述したヒンジアーム23群が突出している。
【0026】
第1側壁11のリブ11Lの構造の詳細は、以下のようになっている。即ち、第1側壁11の横方向の中心から左右に同距離だけ離れた2位置には、本発明に係る1対のハンドルサイドリブ13,13が左右対称に設けられている。各ハンドルサイドリブ13は、上下方向に延び、第1側壁11の上端寄り位置に分断部13Aを有し、その分断部13A以外は第1側壁11の上下方向の全体に亘って連続して延びている。
【0027】
第1側壁11の横方向の両端部から僅かに内側にずれた位置には、第1側壁11の上下方向の全体に亘って連続して延びたメインサイドリブ14,14が備えられている。そして、第1側壁11のうちメインサイドリブ14,14より外側部分に前記した第2側壁21のサイド突壁22,22が重ねられる。また、第1側壁11のうちサイド突壁22が重ねられる部分からは、
図5に示したサブサイドリブ15がメインサイドリブ14より低く突出している。なお、サブサイドリブ15は、第1側壁11の上下方向においてハンドルサイドリブ13の分断部13Aと同じ位置で分断されている。
【0028】
第1側壁11の上端及び下端と、分断部13Aの下側近傍位置とには、1対のメインサイドリブ14,14の間を連絡するように連続して延びた上端横リブ16A,下端横リブ16C、中間横リブ16Bが備えられている。また、第1側壁11の上下方向における中央より上側には、左右の両側のハンドルサイドリブ13とメインサイドリブ14との間にそれぞれ第1〜第3のサブ横リブ17A〜17Cが設けられている。それらのうち第1のサブ横リブ17Aは、ハンドルサイドリブ13の分断部13Aに対する上側近傍位置に配置され、第2のサブ横リブ17Bは、中間横リブ16Bの下方に配置され、その第2のサブ横リブ17Bの下方に第3のサブ横リブ17Cが配置されている。なお、中間横リブ16Bとその下の第2のサブ横リブ17Bとの間隔と、第2のサブ横リブ17Bとその下の第3のサブ横リブ17Cとの間隔とは、略同一になっている。
【0029】
上端横リブ16Aと、左右両側の第3のサブ横リブ17C,17Cとの間には、それぞれ第1と第2のサブ縦リブ18A,18Bが形成されている。第1のサブ縦リブ18Aは、メインサイドリブ14寄りに配置されて、上端横リブ16Aと第3のサブ横リブ17Cとの間で連続して延びている。一方、第2のサブ縦リブ18Bは、ハンドルサイドリブ13と第1のサブ縦リブ18Aとの間の略中央に配置され、第1のサブ横リブ17Aと中間横リブ16Bとの間が分断されている。
【0030】
第1のサブ縦リブ18Aとメインサイドリブ14とには、ハンドルサイドリブ13の分断部13Aとの対向位置に矩形の貫通孔がそれぞれ形成され、それら貫通孔の開口縁の間がカバー壁19によって連絡されている。また、そのカバー壁19の一端部は、
図5に示すようにメインサイドリブ14より外側に僅かに突出している。
【0031】
第1側壁11のうち1対のハンドルサイドリブ13,13と、上端横リブ16A及び中間横リブ16Bとに四方を囲まれた部分は、操作部カバー42で覆われると共に操作部カバー42の内側に操作部材41が組み付けられて、本発明に係るロック解除操作部41Sになっている。また、操作部カバー42の横方向の中央部分には、上端から下端寄り位置に亘って操作窓部42Wが形成され、操作部材41の一部が操作窓部42Wを通して露出している。操作部材41は、操作部カバー42内において第1側壁11の横方向を向いた回動軸を中心に回動可能に支持されると共に、図示しない弾性片を一体に備えて回動範囲の一端側のロック位置に付勢されている。そして、操作部材41は、操作窓部42Wから露出した部分を下方に押圧されると回動してロック解除位置まで移動する。
【0032】
左右の両第1のサブ横リブ17A,17Aと中間横リブ16Bとの間には、それぞれロックバー40,40が収容されている。各ロックバー40の先端部は、カバー壁19内側に挿通される一方、各ロックバー40の基端部は、ハンドルサイドリブ13の分断部13Aを通して操作部カバー42の内側に受容され、操作部材41にカム連結されている。そして、操作部材41のロック位置とロック解除位置との間の移動に連動して、ロックバー40が第1側壁11の横方向に直動し、各ロックバー40の先端部がカバー壁19の端部から外側に突出したロック位置(
図5参照)と、そのロック位置に比べて各ロックバー40の先端部がカバー壁19側に退避したロック解除位置との間を移動する。また、本実施形態では、ロックバー40のうちロック位置でカバー壁19から突出する部分がロック係合部40Tになっている。
【0033】
そのロック係合部40Tには、サイド突壁22側を向く側に摺接斜面40G(
図5参照)が備えられている。摺接斜面40Gは、ロックバー40の先端に向かうに従ってサイド突壁22から離れるように傾斜している。これにより、起立姿勢の第2側壁21,21のサイド突壁22,22に向けて第1側壁11を回動させると、各ロック係合部40Tの摺接斜面40Gが、第2側壁21の門形突部24(
図4参照)における先端連絡部24Bに摺接する。そして、ロックバー40がロック解除位置に一度移動してからロック位置に復帰し、ロック係合部40Tが門形突部24に係合する。これにより、第1側壁11の起立姿勢からの回動が規制される。また、ロック解除操作部41Sを操作して(即ち、操作部材41を押し下げ操作して)操作部材41をロック解除位置に移動させると、ロック係合部40Tと門形突部24との係合が解除されて、第1側壁11を起立姿勢から折畳姿勢へと回動することができる。
【0034】
図8に示すように、中間横リブ16Bのうちハンドルサイドリブ13,13に挟まれた部分の下面には、指掛突部44が設けられている。指掛突部44は、中間横リブ16Bの下面のうち1対のハンドルサイドリブ13,13から中央寄りに離れた位置に配置され、中間横リブ16Bの先端縁に沿って横方向に延びた突条の両端部を中間横リブ16Bの基端側に直角に折り曲げた形状をなしている。これにより、例えば、指掛突部44に人差指と中指とを掛けて、親指で操作部材41を容易に押し下げることができる。また、中間横リブ16Bのうちハンドルサイドリブ13,13に挟まれた部分における指掛突部44の両側には、1対のハンドルストッパ部43S,43Sと、1対の三角リブ43,43とが形成されている。1対のハンドルストッパ部43S,43Sは、中間横リブ16Bの先端の下側角部を面取りしてなり、次述するハンドル50の1対のアーム部52,52がこれらハンドルストッパ部43S,43Sに当接して位置決めされる。また、1対の三角リブ43,43は、第1側壁11の外面と中間横リブ16Bの下面とを連絡した構造をなし、1対のハンドルストッパ部43S,43Sを補強している。
【0035】
図1に示すように、第1側壁11におけるハンドルサイドリブ13,13の間には、本発明に係るハンドル50が備えられている。
図6(A)に示すように、ハンドル50は、第1側壁11の横方向に延びた手掛部51の両端部から上方にアーム部52,52を延ばしたU字形状をなしている。
【0036】
ハンドル50の表側面50Fは、手掛部51とアーム部52,52との全体に亘って面一な平面になっている。また、
図6(B)に示すように、ハンドル50の裏側面50Bは、下端部を除く全体的が表側面50Fと並行な平面になっていて、その下端部(詳細には、手掛部51の上下方向における略中央より下側全体)が、下方に向かうに従って表側面50F側に接近した本発明に係る下端ガイド面51Sになっている。さらに、アーム部52,52の上端面は、半円弧面52Eになっている。なお、裏側面50B全体(下端ガイド面51Sを含む)には、複数の軽量孔50Aが陥没形成されている。
【0037】
1対のアーム部52,52の上端部外側面からは、互いに離れる側に向かって1対の回動軸突部53,53が突出している。回動軸突部53は、アーム部52の上端部外側面から突出した円柱部53Aに摺接ガイド面53Gと抜止突部53Tとを形成してなる。そして、各回動軸突部53は、円柱部53Aの外周面がアーム部52の上端部においては、
図7に示すように、アーム部52の半円弧面52Eと面一になるように配置されている。
【0038】
摺接ガイド面53Gは、円柱部53Aの上下方向における中間位置で円柱部53Aの先端面53Hと交差し、その先端面53Hからアーム部52に接近するに従い斜め上方に向かうように傾斜している。また、摺接ガイド面53Gにおけるアーム部52側の端部は、緩やかに湾曲して円柱部53Aの外周面に繋がっている。
【0039】
抜止突部53Tは、円柱部53Aの先端面53Hからアーム部52側に向かって徐々に拡径しかつ上記した摺接ガイド面53Gにより一部が切除された円錐形をなし、その大径端部が面取りされて均一外径部53Sになっている。なお、前記した摺接ガイド面53Gは、抜止突部53T(均一外径部53Sを含む)よりアーム部52に近づいた位置まで延びている。
【0040】
図8に示すように、1対のハンドルサイドリブ13,13には、ハンドル50の1対の回動軸突部53,53を回動可能に受容する1対の支持孔13B,13Bが貫通形成されている。各支持孔13Bは、ハンドルサイドリブ13のうち第2と第3のサブ横リブ17B,17Cに挟まれた部分に配置され、前述した回動軸突部53の円柱部53Aより僅かに大きな円形になっている。なお、本実施形態では、第2と第3のサブ横リブ17B,17Cが本発明に係る「補強リブ」に相当する。
【0041】
また、ハンドルサイドリブ13のうち第2と第3のサブ横リブ17B,17Cに挟まれた部分には、支持孔13Bより第1側壁11の外面から離れる側を、ハンドル50と反対側に肉盛りして支持補強部13Dが形成されている。そして、
図9に示すように、支持補強部13Dのうちハンドルサイドリブ13に臨んだ部分には、ハンドルサイドリブ13の内面より僅かに大きな同心の円弧面13Eが形成されている。さらに、ハンドルサイドリブ13のうち第2と第3のサブ横リブ17B,17Cに挟まれた先端部には、ハンドル50側の角部を面取りして面取斜面13Cが形成されている。
【0042】
ハンドル50を第1側壁11に取り付けるには、アーム部52を第1側壁11の外面に対して垂直にして摺接ガイド面53G,53G(
図6(A)参照)を、1対のハンドルサイドリブ13,13の面取斜面13C,13Cに押し付ければよい。すると、それらの摺接によってアーム部52,52が先端部間を狭めるように弾性変形して1対のハンドルサイドリブ13,13の間に押し込められる。このとき、各回動軸突部53の中心軸は、各支持孔13Bの中心軸に対して斜めになるので各回動軸突部53が抜止突部53T側から各支持孔13Bに突入する。そして、アーム部52,52が弾性復元することで、
図10に示すように、回動軸突部53の中心軸がハンドルサイドリブ13の中心軸と平行になり、抜止突部53Tがハンドルサイドリブ13の開口縁に係止した状態になる。これにより、ハンドル50が第1側壁11に回動可能に支持される。
【0043】
上記したように回動可能に支持されたハンドル50は、手を掛けなければ、
図11に示すように、自重により支持孔13Bの下方に垂れて第1側壁11の外面に重なった不使用状態になる。また、ハンドル50は、手を掛けて引き上げると、指掛突部44,44に当接して、
図12に示すように第1側壁11の外面からハンドル50が斜め上方に突出した位置に位置決めされる。
【0044】
本実施形態の折畳コンテナー10の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の作用・効果について説明する。本実施形態の折畳コンテナー10では、ハンドル50,50は、手を掛けなければ、上記したように自重により第1側壁11,11の外面に重なった不使用状態なるので邪魔にならず、また、折畳コンテナー10を組立状態から折畳状態にする際にも、ハンドル50が邪魔になることはない(
図3参照)。逆に、
図13に示すように、折畳コンテナー10を折畳状態から組立状態にする過程では、ハンドル50を使用することで第1側壁11を容易に起こすことができる。また、不使用状態のハンドル50は、第1側壁11の外面から突出した1対のハンドルサイドリブ13,13の間に収まって保護されているので、ハンドル50の破損や変形が防がれる。
【0045】
さらには、ハンドル50の下端部に下端ガイド面51Sが設けたことにより、
図11に示すように、不使用状態のハンドル50の手掛部51の下端部と第1側壁11の外面との間には、上方に向かうに従って狭くなった隙間が形成される。これにより、その隙間に下方から手を差し込むだけで、ハンドル50の下端ガイド面51Sと手との摺接してハンドル50が回動し、ハンドル50を容易に不使用状態から使用状態に変更することができる。
【0046】
また、ハンドル50を引き上げて回動させるとハンドルストッパ部43S,43Sに当接して、
図12に示すように第1側壁11の外面から斜め上方に突出した位置に位置決めされるので、ハンドル50の手掛部51と第1側壁11の外面との間に指を廻すスペースが確保され、手掛部51を容易に握ることができる。これらにより、ハンドル50を使用して折畳コンテナー10の持ち上げ作業を容易に行うことができる。また、ハンドル50を備えたことで、従来の折畳コンテナーの手差孔に相当する貫通孔を第1側壁11に設けずに済み、折畳コンテナー10の強度が高くなると共に手が荷物に接触することを防ぐことができる。また、ハンドル50を回動可能に支持する両ハンドルサイドリブ13,13における支持孔13B,13Bの開口縁を、第2と第3のサブ横リブ17B,17Cにて補強しているのでハンドル50の支持が安定する。また、ハンドルサイドリブ13,13と第2と第3のサブ横リブ17B,17Cとによって第1側壁11が補強されて変形し難くなるので、この点においても、ハンドル50の支持が安定する。
【0047】
ところで、第1側壁11は、上端部より上下方向の中間部の方が変形し難い。なぜなら、第1側壁11は、下端部が底壁30に連結していて内外の方向への変形が規制され、上端部は、そのような規制がないからである。これに対し、本実施形態では、第1側壁11の上端部ではなく、上下方向における中間部にハンドル50を取り付けたので、この点においてもハンドル50の支持が安定する。また、ハンドル50は、ロック解除操作部41Sの真下に配置されているので、誤ってロック解除操作部41Sに手を掛けて折畳コンテナー10を持ち上げる事態が防がれ、ロック解除操作部41Sの変形や誤操作が防がれる。
【0048】
[第2実施形態]
本実施形態は、
図14〜
図16に示されており、ハンドル60の形状と第1側壁11におけるハンドル60の回りのリブ形状が第1実施形態と異なる。具体的には、
図16(A)に示すように、ハンドル60は、横方向の延びた手掛部61の両端部から1対の第1アーム部62,62が斜め側方に開脚するように延び、さらに、それら第1アーム部62,62の上端部から1対の第2アーム部63,63が互いに離れる方向に延びた形状をなしている。そして、両第2アーム部63,63の先端面の上端部に、前記第1実施形態と同形状の1対の回動軸突部53,53が突出形成されている。また、
図16(B)に示すように、このハンドル60も互いに並行な表側面60Fと裏側面60Bとを有し、裏側面60Bの下端部が手掛部61Sになっている。
【0049】
本実施形態では、第2と第3のサブ横リブ17B,17Cが、第1側壁11の左右両側で、メインサイドリブ14から第2のサブ縦リブ18Bまで延び、各第2のサブ縦リブ18Bのうち第2と第3のサブ横リブ17B,17Cに挟まれた部分に、前記第1実施形態の同様の支持孔13B、支持補強部13D、面取斜面13Cが形成されている。そして、ハンドル60の1対の回動軸突部53,53が、両第2のサブ縦リブ18Bの支持孔13B,13Bに回動可能に支持されている。
【0050】
第3のサブ横リブ17Cの下方には、それと平行に第4のサブ横リブ17Dが設けられ、第2のサブ縦リブ18Bの下端部がその第4のサブ横リブ17Dに連絡されている。また、第4のサブ横リブ17Dは、ハンドル60における第2アーム部63の下面に沿って第2のサブ縦リブ18Bより第1側壁11の横方向の中央側に延長されている。さらに、ハンドル60における第1アーム部62の側面に沿うように、第4のサブ横リブ17Dの先端から斜め下方に傾斜リブ70Aが延び、また、傾斜リブ70Aの下端部から下端横リブ16Cまで鉛直下方に縦リブ70Bが延びている。さらに、本実施形態では、ハンドルストッパ部43S,43Sがロック解除操作部41Sの下面の指掛突部44から両第2のサブ縦リブ18B,18Bまで延び、それら両第2のサブ縦リブ18B,18Bの下方に三角リブ43が複数ずつ設けられている。そして、ハンドル60の手掛部61に手を掛けて引き上げると、ハンドルストッパ部43S,43S又は三角リブ43群が、第1又は第2のアーム部62,63に当接して、
図15に示すようにハンドル60が第1側壁11から斜め上方に突出した位置に位置決めされる。
【0051】
なお、本実施形態では、1対ずつの第2のサブ縦リブ18B,18Bと第4のサブ横リブ17D,17Dと傾斜リブ70A,70Aとから、本発明に係る「1対のハンドルサイドリブ」が構成されている。
【0052】
本実施形態の折畳コンテナー10Vによれば、前記第1実施形態の折畳コンテナー10より更にハンドル60の支持が安定するという効果を奏する。具体的には、第1側壁11は、横方向の中央部より両側部寄り位置の方が変形し難い。なぜなら、第1側壁11は、両側部が第2側壁21,21に連結していて内外の方向への変形が規制され、横方向の中間部は、そのような規制がないからである。これに対し、本実施形態の折畳コンテナー10Vでは、ハンドル60を横長にして、その回動支持部分を、第1側壁11の横方向における端部寄りに配置したので、ハンドル60の支持が安定する。
【0053】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0054】
(1)前記第1実施形態では、1対の第1側壁11,11と1対の第2側壁21,21のうち、折畳状態にする際に先に折り畳まれる1対の第1側壁11,11にハンドル50が取り付けられていたが、後に折り畳まれる1対の第2側壁21,21にハンドル50を取り付けてもよいし、4つの側壁の全てにハンドルを取り付けてもよい。
【0055】
(2)前記第1実施形態のハンドル50は、自重により第1側壁11の外面に重ねられた不使用状態になったが、弾性部材にてハンドルを不使用状態に付勢してもよい。
【0056】
(3)前記第1実施形態では、ハンドルサイドリブ13のうち支持孔13Bを間に挟んだ上下の両側に本発明の補強リブに相当する第2と第3のサブ横リブ17B,17Cが連絡されていたが、ハンドルサイドリブのうち支持孔の上側又は下側の一方のみに、本発明の補強リブを連絡した構造にしてもよい。
【0057】
(4)前記第1実施形態の折畳コンテナー10は、第1側壁11,11同士及び第2側壁21,21同士が重ならずに折り畳まれる構成のものであったが、第1側壁同士又は第2側壁同士が重なって折り畳まれる折畳コンテナーに本発明を適用してもよい。
【0058】
(5)前記第1実施形態の折畳コンテナー10では、ロックバー40,40が門形突部24,24に横方向から係合して第1と第2の側壁11,21同士を係合し、ロック解除操作部41Sを操作することで、ロックバー40,40が横方向の中央側に直動して係合が解除される構成になっていたが、側壁同士の係合構造はこれに限定されるものではなく、例えば門形突部24の代わりに下向きフック形状の被係合部を第2側壁に設けると共に、ロックバーを操作部材に一体形成して被係合部に下方から係合させ、操作部材の操作によりロックバーを下方に移動することで係合を解除する構成にしてもよい。また、
図17に示すように、第2側壁21Wの横方向の端部に可撓片80を設け、その可撓片80の先端に備えたロック突部81が、サイド突壁22と反対側から第1側壁11Wの側縁部90に係合して第1側壁11Wを起立姿勢にロックする構成にしておき、第1側壁11Wのロック解除操作部を操作することで、ロックバー40Wがロック突部81を外側に押圧して側縁部90との係合を解除するようにしてもよい。