(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記縫合糸リーダーの前記第1の終端部分が、前記縫合糸リーダーに牽引力が適用された際、前記少なくとも1つの縫合糸ストランドの前記終端部分の周囲にて崩壊するように構成されている、請求項1に記載の縫合糸。
前記少なくとも1つの縫合糸ストランドが、前記縫合糸リーダーの前記第1の終端部分内に受容される第1の終端部分及び第2の終端部分を有する単一の縫合糸ストランドを含む、請求項1に記載の縫合糸。
前記少なくとも1つの縫合糸ストランドが第1の縫合糸ストランド及び第2の縫合糸ストランドを含み、前記第1の縫合糸ストランドの第1の終端部と前記第2の縫合糸ストランドの第2の終端部とが、前記縫合糸リーダーの前記第1の終端部分内に受容される、請求項1に記載の縫合糸。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に開示される装置、並びに方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解を与えるため、特定の例示的実施形態について以下に説明する。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の例を添付図面に示す。当業者であれば、本明細書に詳細に述べられ、添付の図面に示される装置及び方法は非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義されることは認識されるところであろう。例示的な1つの実施形態に関連して図示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴部と組み合わせることができる。そのような改変及び変形は、本発明の範囲に含まれるものとする。更に、本開示においては、各実施形態の同様の参照符合を付した要素は同様の特徴部を有するものであり、したがって特徴部の実施形態において、同様の参照符合を付したそれぞれの要素のそれぞれの特徴について必ずしも完全に説明することはしない。加えて、直線状又は円形の寸法が、開示されたシステム、デバイス、及び方法の説明で使用される限りにおいて、このような寸法は、このようなシステム、デバイス、及び方法と共に使用され得る形状のタイプを限定しようとするものではない。当業者であれば、任意の幾何学的形状についてこうした直線的及び円形の寸法に相当する寸法を容易に決定することが可能である点は認識されるところであろう。システム及びデバイス、並びにその構成成分の寸法及び形状は、少なくとも、そこでシステム及びデバイスが使用されるであろう被験者の解剖学的構造、それと共にシステム及びデバイスが使用されるであろう構成成分の寸法及び形状、並びにそこでシステム及びデバイスが使用されるであろう方法及び手順に基づくことができる。
【0015】
本明細書で提供される図面は、必ずしも正確な縮尺通りではない。また更に、ある要素に張力が働く、又はある要素が牽引される方向を説明するために矢印が用いられる限りにおいて、これらの矢印は例示的なものであって、各要素に張力が働く、又は各要素が牽引される方向をいかなる意味においても限定するものではない。当業者には、所望の張力を生じるための他の方法及び方向は認識されるところであろう。同様に、一部の実施形態では、1つの要素の運動は別の要素に対して説明されるが、当業者には他の運動も可能である点は認識されるであろう。加えて、多様な用語が開示全体を通して互換的に使用される場合があるが、このことは当業者には理解されるであろう。
【0016】
縫合糸を縫合糸アンカーに通すための、及び、縫合糸を骨に固定するための様々な装置及び方法を提供する。一般に、本発明は、少なくとも1つの縫合糸の末端部と結合するように構成され、少なくとも1つの縫合糸を縫合糸アンカー上に負荷することを容易にし得る縫合糸リーダーを提供する。例えば、一実施形態において、縫合糸リーダーは、1つ又は2つ以上の縫合糸の1つ又は2つ以上の末端部を受容するサイズを有する内部通路を有してもよい。所定の態様では、リーダーの先頭末端部は、糸通し器ループなどの縫合糸通し具と結合するように構成されている屈曲された又はフック状に曲げられた末端部分を含んでもよい。使用時、縫合糸リーダーは1つ又は2つ以上の縫合糸と結合されてもよく、リーダーは糸通し具の周囲にて折り畳まれ又はフック状に曲げられてもよい。リーダーは縫合糸(1つ又は複数)の屈曲剛性と比較して低い屈曲剛性を有し得るため、折り畳まれたリーダーは、縫合糸が糸通し器の周囲にて直接折り畳まれた後、アンカーを通して牽引される場合と比較して、屈曲部付近にてより小さい幅を有し得る。代替的に、縫合糸リーダーのフック状に曲げられた末端部は、屈曲された縫合糸と比較して低減された幅領域を提供し、このことはアンカーを通した通過を容易にし得る。縫合糸リーダーに牽引力を適用して、リーダーの重複領域を縫合糸(1つ又は複数)の周囲にて収縮させ、縫合糸(1つ又は複数)とリーダーとの間の滑らかな遷移を提供することができる。リーダーは、縫合糸がアンカーに完全に通され、リーダーがアンカーの外部に配置されるまで、アンカーを通して縫合糸を案内し得る。一実施形態において、縫合糸リーダーは、縫合糸(1つ又は複数)がアンカー上に通された後、例えば縫合糸リーダーを縫合糸(1つ又は複数)から摺動除去することにより縫合糸(1つ又は複数)から取り外されてもよい。
【0017】
図1は、縫合糸10の単一のストランドの第1の末端部及び第2の末端部と結合された第1の縫合糸リーダー100及び第2の縫合糸リーダー100’の例示的な実施形態を図示する。縫合糸リーダー100を参照するが、縫合糸リーダー100’も同一の特徴を有し得る。一般に、縫合糸リーダー100は、細長い形状を有してもよく、第1の終端部100a及び第2の終端部100bを有してもよい。縫合糸リーダー100はまた、縫合糸リーダー100の全部又は一部分を通して延びる内部通路102を有して、例えば縫合糸10の第1の末端部10aなどの縫合糸の1つ以上の末端部を受容してもよい。縫合糸リーダーの第1の/先頭末端部100aは、下記により詳細に述べるように、縫合糸10をアンカー内で先頭にこさせることにより、縫合糸10をアンカー(図示せず)上に負荷することを容易にし得る。当業者は、縫合糸リーダーが1つ又は2つ以上の縫合糸の任意の数の末端部と結合され又は該末端部を受容するように構成され得ることを認識するであろう。
【0018】
縫合糸リーダー100は、様々な寸法、形状及び構成を有することができる。
図2Aは、内部に縫合糸が配置されていない縫合糸リーダー100を図示する。図示するように、縫合糸リーダー100は、実質的に円筒の形状を有してもよく、縫合糸リーダー100の長手方向軸線Lに沿って内部通路102が延びる。内部通路102は、縫合糸リーダー100の一部分に沿って又はリーダー100の全長に沿って延びてもよいが、リーダー100の末端部分、例えば図示するような終端部100aを起源とすることが好ましい。当業者は、縫合糸リーダーが、例えば卵形、正方形、矩形などの他の断面形状を有してもよいことを認識するであろう。
図2Bは縫合糸リーダー100の断面図であり、内径D
i、外径D
o及び壁厚Wを示す。一般に、縫合糸リーダー100は、縫合糸リーダー100の内部に縫合糸が配置された際、縫合糸に重なる領域に沿った縫合糸リーダーの外径が、縫合糸リーダーが受容する縫合糸の直径の2倍よりも小さくなるように、比較的薄い壁厚Wを有してもよい。即ち、下記に述べるように、壁厚Wは、縫合糸+加えられる縫合糸リーダー100の壁厚Wの2倍が、折り畳まれた縫合糸10の幅よりも尚小さくなるように十分薄い必要がある。縫合糸リーダーL
1の長さは、行われる特定の外科手技に基づいて選択されてもよいが、一実施形態において、長さL
1は、縫合糸リーダー100が線状の構成にある際に、終端部から終端部へと測定して、約70mm〜250の範囲内、例えば約200mmであってもよい。
【0019】
縫合糸リーダー100は、縫合糸を縫合糸アンカー上に負荷するための縫合糸リーダーの使用を容易にし得る様々な機械的特性を有してもよい。一実施形態において、縫合糸リーダー100は、縫合糸リーダー100の長手方向に沿って比較的剛性であってもよいが、骨アンカーにリーダー100を通すことを容易にするよう屈曲可能である。別の実施形態では、縫合糸リーダー100は、縫合糸リーダー100の長さに沿って実質的に可撓性であってもよい。使用する製造技術及び/又は材料(1つ又は複数)を選択して、所望の可撓性を達成することができる。非限定的な例として、そのような材料には、超高分子量ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、又はこれらの材料の任意の組み合わせのブレンドを挙げることができる。製造中、単繊維及び/又は繊維を互いに編組し、撚り合わせ、及び/又は織り合わせて、中空コアとも称される内部通路を有するリーダーを形成してもよい。例えば、
図2Aは、織り合わされた又は編組された構造を有し、縫合糸リーダー100の全長L
1を通して延びる内部通路を有する縫合糸リーダー100を図示する。別の実施形態では、縫合糸リーダーの第1の部分は編組構造を有してもよく、前記第1の部分を通して中空コア/内部通路が延び、リーダーの第2の部分は、実質的に中実であってもよい。代替的に、縫合糸リーダーは中実材料から形成されてもよく、縫合糸リーダーのコアが部分的に又は全部除去されてもよい。非限定的な例として、縫合糸リーダーは、Somerville,NJのEthicon,Inc.により製造されているETHIBOND #0などの市販の縫合糸から形成されてもよい。
【0020】
縫合糸リーダーは、多様な他の特徴を有してもよい。
図3Aに、縫合糸リーダー200の別の実施形態を図示する。図示するように、縫合糸リーダー200の末端部分は予備形成フックなどの係合機構を有して、縫合糸又は糸通し器ループに対する係合を容易にしてもよい。フックの形成には、様々な技術を使用することができる。非限定的な例として、縫合糸リーダーは、縫合糸リーダー200が静止構成にある際に、縫合糸リーダーの末端部が屈曲され又はフック状に曲げられ得るように、縫合糸リーダー内に形成された折り畳み部分又は折り目を含んでもよい。特に、縫合糸リーダー200の終端部200aは、リーダー200が糸通し器(図示せず)上に引っ掛けられ得るように、縫合糸リーダー200の長手方向軸線L
2から角度θの角度で離れてもよい。非限定的な例として、角度θは、約0〜90°の範囲内であってもよい。当業者が認識するように、折り目204は、縫合糸リーダー200の様々な位置に形成され得る。リーダー200の終端部200aに対する折り目204の位置は、終端部が糸通し器上に確実に引っ掛かることができる距離にあってもよい。例えば、折り目は、終端部分が約12mm〜100mmの範囲内であってもよい長さL
Cを有し、リーダーの本体が約25mm〜300mmの範囲内であってもよい長さL
Bを有するような位置にあってもよい。
【0021】
折り目204は、別個に又は組み合わせのいずれかで、圧縮又は熱処理などの様々な製造技術を用いて、又は、生体適合性接着剤及び/若しくは当技術分野にて既知の他の接着材料を適用することにより、又は他の技術により形成することができる。かくして、折り目204は、折り目204が組織を通過される際にその形状を実質的に維持するよう十分強力に形成され得る。
【0022】
図3Bに示す別の実施形態では、縫合糸リーダー300は、湾曲した又はJ字状のフックを有する終端部を有してもよい。例えば、リーダー300は、鋭い屈曲部又は折り目ではなく、湾曲した終端部分302を有してもよい。リーダー300の終端部分302は、リーダー300の本体304からある距離離間して、高さHを画定してもよい。リーダー300は、リーダー300が組織を通過された際でもその形状を実質的に維持できる、モノフィラメント縫合糸などの中実材料から形成されてもよい。
【0023】
リーダー100、200及び300は、任意の縫合糸と共に、及び、任意の数の縫合糸と共に使用されてもよい。縫合糸10は様々なサイズ、形状及び構成を有してもよいが、
図4Aは、第1の終端部10a及び第2の終端部10bを含み、第1の終端部10aと第2の終端部10bとの間の長さがL
Sである縫合糸10の一実施形態を図示する。縫合糸10は、縫合糸10が組織内を通され、そして骨アンカー内を通されることができ、終端部が骨アンカーから延びることができるような長さL
Sを有してもよい。縫合糸10は、
図4Bに示すように外径D
Sを有してもよく、この外径は様々であってもよい。非限定的な例として、縫合糸10の外径D
Sは、約0.15mm〜0.7mm、好ましくは約0.5mm〜0.6mmの範囲内であってもよい。これはサイズ# 4−0〜サイズ# 5の範囲内、好ましくはサイズ# 2の縫合糸に対応する。縫合糸10は、縫合糸10の長手方向軸線に沿って延びる内部通路(図示せず)を含んでもよく、又は、図示した実施形態のように、縫合糸10はその長さL
Sに沿って実質的に中実であってもよい。縫合糸10は生体適合性材料から形成されてもよく、この材料は特定の外科手技に応じて吸収性、又は部分吸収性、又は非吸収性であってもよい。例えば、非吸収性縫合糸は、組織と隣接する骨との間の接触を維持するのに強力な固着が必要な外科手技に使用され得る。非限定的な例として、縫合糸10は、Somerville,NJのEthicon,Inc.により製造されているORTHOCORD #2などの高強度縫合糸であってもよい。
【0024】
縫合糸10及び縫合糸リーダー100は、他の特徴を有してもよい。縫合糸リーダー100を参照するが、縫合糸リーダー200、300は本明細書に記載した特徴の任意の組み合わせを有してもよい。一実施形態において、縫合糸10とリーダー100とは、視覚的に区別されてもよい。例えば、縫合糸10が第1の色から形成され、リーダー100が第2の色から形成されて、ユーザーがリーダー100の重複領域の末端部を縫合糸10から視覚的に識別することを助けてもよい。このことは、製造中に縫合糸10及び/又は縫合糸先頭部100を染色し又は別様にマーク付けすることにより達成することができる。代替的に、縫合糸及び縫合糸リーダーはそれぞれ、異なる色の単繊維から編組されてもよく、及び/又は異なるピックカウントを使用して、区別されるパターンを生成してもよい。異なるピックカウントを有する縫合糸の非限定的な例は、本願と同一日に出願され、「Methods and Devices for Threading Sutures」と題された米国特許出願第[ ]号(代理人整理番号22956−996)に開示されており、前記特許出願の全容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0025】
使用時、縫合糸10の第1の末端部10aは、
図5Aに示すように縫合糸リーダー100の後方にある第2の末端部100b内に受容されて、重複領域Rを形成してもよい。重複領域Rは任意の長さ、例えば約50mm〜160mmの範囲内の長さを有して、縫合糸10と縫合糸リーダー100との間の十分な接触を確実にしてもよい。縫合糸、リーダー及び重複領域の相対的な直径は様々であってもよく、相対的な大きさはリーダー100、200及び300に適用され得る。
図5Aに示すように、縫合糸10がリーダー100内に配置された際、重複領域Rの外径D
Rは、縫合糸10の外径D
S+縫合糸リーダー100の壁厚Wの2倍により画定される。一実施形態において、重複領域Rの外径D
Rは、縫合糸10のストランドの外径D
Sよりも僅かに大きくてもよい。重複領域の外径D
Rは、縫合糸の直径D
Sの2倍よりも小さいことが好ましい。図示するように、リーダーの先頭末端部100aの外径D
oは、縫合糸ストランド10の外径D
S以下であってもよい。先頭末端部100aの外径D
oは、重複領域Rの外径D
Rの半分よりも小さいことがより好ましい。このようにして、先頭末端部100aの低下された直径は、加えられた重複領域Rの壁厚Wに拮抗することができる。
【0026】
縫合糸10は、様々な技術を用いてリーダー100内に配置されることができる。再び
図2Aを参照すると、縫合糸が縫合糸リーダー100内に配置されていない場合、リーダー100はその長さL
1に沿って実質的に一定であり得る内径を有してもよい。
図5Aに示すように、縫合糸10がリーダー100内に配置されている場合、リーダー100は、縫合糸10の外径D
Sよりも小さい、先頭末端部100aにおける内径D
iを有することができる。したがって、リーダー100の内径は、例えばリーダー100を長手方向に圧迫することにより、重複領域Rにおいてこのように拡大されることができるため、リーダー100はその内部に縫合糸を受容するサイズを有することができる。このことは、後方にある第2の末端部100bにおけるリーダー100の直径D
Rが、先頭にある第1の末端部100aにおける外径D
oよりも大きくなるように、リーダー100の外径を拡大することができる。一般に、縫合糸10は、リーダー100の後方末端部100b内のルーメン内に縫合糸10を摺動させることにより、製造プロセス中にリーダー100と結合され得る。
【0027】
図5Aは、その内部に縫合糸の単一のストランドを有する縫合糸リーダーを図示したが、当業者は、縫合糸リーダーが、その内部に任意の数の縫合糸ストランドを受容するように構成され得ることを認識するであろう。例として、
図5Bは、縫合糸リーダー100内に配置され、縫合糸リーダー100と結合されている縫合糸の第1の終端部11a及び第2の終端部11bを図示する。終端部11a、11bは、同一の縫合糸の末端部、又は2つの異なる縫合糸の末端部であってもよい。図示していないが、1つ又は2つ以上の縫合糸の折り畳んだ部分も、縫合糸リーダー内に受容され得る。
【0028】
一般に、縫合糸リーダー100と縫合糸10とは、様々な技術を用いて一時的に又は永久に互いに結合されてもよい。例えば、一実施形態において、縫合糸リーダー100は、縫合糸リーダーに軸線方向の牽引力が適用された際、縫合糸10の外周の周囲にて径方向に収縮又は圧縮されてもよい。このことは、縫合糸10が縫合糸リーダー100からうっかり引き離されることを防止し得る。リーダーの先頭末端部100a上を牽引することによりリーダー100に張力が適用された際、リーダー100の編組構成が軸線方向に牽引されるため、編組が引き締められ、縫合糸10の周囲における収縮力が増大するであろう。リーダー100は、適用された張力がリーダーの長さを増大し、リーダー100の内径及び外径を低下させ得るという点で、チャイニーズフィンガートラップ(Chinese finger trap)のように機能し得る。別の実施形態では、縫合糸リーダー100と縫合糸10との結合が、重複領域に沿った1つ以上の異なる位置にて補足され得る。例えば、
図5Cは、等間隔で離間された固定点F
1、F
2、及びF
3を有するリーダー100及び縫合糸10を示す。固定点F
1、F
2、及びF
3は、熱処理、スポット溶接などの当技術分野にて既知の様々な技術を用いて作製することができ、重複領域R上の任意の位置に任意の数の固定点を配置することができる。加えて又は代替的に、縫合糸10の繊維又は単繊維とリーダー100とが様々な位置にて互いに接合されて、一時的又は永久の固定点を形成してもよい。
【0029】
前述したように、縫合糸の屈曲剛性は、縫合糸をアンカー上に通すことを困難にし得る。
図6は、折り畳まれた構成にある縫合糸10を示す、この概念の一例を図示する。縫合糸10は高い屈曲剛性を有し得るため、縫合糸の対向側は、180°屈曲を形成するようにくっつけることができない。したがって、縫合糸10の折り畳まれた部分Fは、縫合糸の脚の組み合わせた幅Wsよりも大きい幅W
Fを有する。折り畳まれた部分Fは一般に、第1の末端部10a及び第2の末端部10bよりも前にアンカー内に牽引されるため、縫合糸10は180°屈曲を達成できる場合と比較して大きい空間を占める。それ故、下記に述べるように、リーダーが縫合糸10と組み合わせて使用されて、縫合糸をアンカー内に通すために縫合糸を折り畳む必要性を避けることができる。
【0030】
図7は、組織を骨に固定するためのカニューレを取り付けた縫合糸アンカー20の例示的な一実施形態を図示する。図示するように、縫合糸アンカー20は、近位及び遠位末端部20p、20dを有する略細長い本体の形態にあり、縫合糸アンカー20を通して内側ルーメン22が延びる。一実施形態において、内側ルーメン22は、内径D
Lを画定する実質的に円筒の形状を有してもよい。縫合糸アンカー20の外側表面の少なくとも一部分上に、骨と係合するための少なくとも1つの骨係合表面機構24が形成されてもよい。縫合糸アンカー20は、内側ルーメン22内に縫合糸アンカー20の遠位端20dに隣接して配置された縫合糸受容部材26も含み得る。縫合糸受容部材26は、縫合糸(1つ又は複数)が縫合糸受容部材26の周囲に延び、縫合糸(1つ又は複数)の後方末端部が内側ルーメン22を通して、縫合糸アンカー20の近位端20pの外部に延び得るように、縫合糸受容部材26の周囲にて1つ又は2つ以上の縫合糸を受容するように適合されている。
【0031】
縫合糸アンカー20の本体は、様々な構成、形状及びサイズを有することができる。例示的な実施形態では、アンカー20は、骨内に形成された骨トンネル内に移植されるように構成され、アンカー20は、皮質骨の厚さを通して完全に係合されることができるサイズ及び形状を有することがより好ましい。図示した実施形態では、本体は、尖っていない又は丸い遠位端20dを有する略細長い円筒形状を有して、アンカー20を骨トンネル内に導入することを容易にする。本体の近位端20pはヘッドを有さなくてもよく、カニューレを取り付けた本体は、ドライバーを内側ルーメン内に挿入して縫合糸アンカーを骨内に推進できるように構成されてもよい。別の実施形態では、本体の近位端20pは、ドライバーと結合されてアンカー20を骨内に推進するヘッドを有してもよい。上記に示したように、縫合糸アンカー20は、縫合糸アンカー20上に形成され、骨と係合するように適合された1つ又は2つ以上の骨係合表面機構24を含んでもよい。歯、隆起、突起などの様々な表面機構を使用することができるが、例示的な実施形態では、本体は、前記本体の周囲に延びる1つ又は2つ以上のネジ山を含んでもよい。
【0032】
上記にて前述したように、縫合糸アンカー20は、縫合糸アンカー20内に形成された縫合糸受容部材も含み得る。縫合糸受容部材26は多様な構成を有することができるが、例示的な実施形態では、縫合糸受容部材26はアンカー20の内側ルーメン22を通して延びる1つ又は2つ以上の縫合糸を納めるように適合されている。
図7に示すように、縫合糸受容部材26は、内側ルーメン22を横切って横方向に延び、縫合糸アンカーの対向する内側側壁28、30の間に延びる柱の形態にある。内側ルーメン22の長手方向軸線L
Aに対する縫合糸受容部材26の角度配向は、様々であってもよいが、例示的な実施形態では、縫合糸受容部材26は、内側ルーメン22の長手方向軸線L
Aに実質的に直交して延びる。縫合糸受容部材26の位置も様々であり得るが、例示的な実施形態では、縫合糸受容部材26は縫合糸アンカー20の遠位端20dに、又は該遠位端20dに隣接して配置される。
図7に示す実施形態では、縫合糸受容部材26は縫合糸アンカー20の最遠位端20dの丁度近位に位置して、縫合糸アンカー20の最遠位端20d内に縫合糸を納める溝を形成している。縫合糸受容部材26のこの奥まった構成により、縫合糸(1つ又は複数)が縫合糸受容部材26の周囲に配置されて縫合糸アンカー20の遠位端20dと同一平面上又はほぼ同一平面上に位置することができるため、縫合糸(1つ又は複数)は縫合糸アンカー20の骨内への挿入を妨げない。当業者は、縫合糸受容部材が縫合糸アンカーと一体的に形成されることができ、即ち縫合糸アンカーと縫合糸受容部材とが単一のユニットとして成形され、若しくは、材料の単一の部品から形成されることができ、又は、縫合糸受容部材が縫合糸アンカーと固定的に若しくは取り外し可能に結合され得ることを認識するであろう。加えて、縫合糸受容部材は、前記縫合糸受容部材を通して縫合糸10及びリーダー100を受容できる小穴などの他の構成を有してもよい。縫合糸アンカーと、縫合糸アンカーを骨内に留置することの非限定的な例は、より詳細に米国特許に記されている。現在米国特許第8,114,128号である、「Cannulated Suture Anchor」と題された2006年2月1日出願の米国特許出願第11/555,545号、「Dual Thread Cannulated Suture Anchor」と題された2007年9月14日出願の米国特許出願第11/855,670号、現在米国特許第8,133,257号である、「Bioabsorbable Suture Anchor System For Use In Small Joints」と題された2003年6月27日出願の米国特許出願第10/615,625号、本願と同一日に出願され、「Anti−Backup Suture Anchor」と題された米国特許出願第[ ]号(代理人整理番号22956−994)、及び本願と同一日に出願され、「Self−Cinching Suture Anchors,Self−Cinching Suture Anchor Systems,and Methods for Use」と題された米国特許出願第[ ]号(代理人整理番号22956−992)に更に詳細に記載されており、これらの特許出願は全て、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
上述した装置を使用して、組織を骨に付着させる外科手技、例えば前十字靭帯(ACL)修復、回旋腱板修復などを行うことができる。例示的な実施形態では、アンカーの移植を含む手技は最小侵襲性手技であり得るが、当業者が認識するであろうように、本明細書に述べるインプラントは、開放外科用器具及びロボット支援手術にも用途を有する。縫合糸10及び縫合糸リーダー100を参照するが、本明細書に示した装置は例示であり、本方法は任意の数の、及び任意の実施形態の縫合糸及びリーダーを用いて行うことができる。例えば、実施形態のいくつかは、縫合糸の1つの終端部と結合された単一の縫合糸リーダーを示すが、縫合糸の第1の末端部及び第2の末端部はそれぞれ、前記第1の末端部及び第2の末端部と結合された異なる縫合糸リーダーを有してもよく、又は、同一の若しくは異なる縫合糸の第1の末端部及び第2の末端部が単一のリーダー内に配置されてもよい。加えて、縫合糸リーダー100は、上述した縫合糸リーダー200、300で代替され又は該縫合糸リーダー200、300と交換されてもよい。
【0034】
当業者には明らかであるように、この手技は一般に、患者が手術を受けられるよう準備をし、適切に寸法決めされた1つ又は2つ以上の切り込みを所望の場所に作ることによって始まる。最小侵襲性手技では、1つ又は2つ以上のカニューレが切り込み内に配置されて、手術部位へのアクセスが提供され得る。また、当業者には明らかであるように、医療従事者が体の外側から手術部位を目視できるようにするために、1つ又は2つ以上の目視装置、例えば、スコープが切り込みのうちのいずれかに置かれ得る。
【0035】
患者の手術の準備が整った後、ある長さの縫合糸10が患者の身体内に、そして骨に外科的に再付着される組織を通して挿入され得る。縫合糸と縫合糸リーダーとの組み合わせが使用される場合、縫合糸リーダーの先頭末端部が針などの器具を使用して組織に直接挿入され得る。リーダーは、リーダーに連結された縫合糸を、組織を通して牽引するのに使用され得る。代替的に、縫合糸が組織を通された後、例えば縫合糸の先頭末端部を縫合糸リーダーの後方末端部内のルーメン内に通過させることにより、縫合糸を縫合糸リーダーに連結してもよい。当業者は、縫合糸及び/又はリーダーが、例えばマットレス及びシンチループ法などの任意の既知の外科技術を用いて組織を通過され得ることを認識するであろう。縫合糸及びリーダーがそのように配置された状態で、本明細書にて概して「骨孔」と称される孔、骨孔、又は骨トンネルが患者の骨内に形成され得る。当業者に理解されるように、ドリル、錐、せん孔装置などを用いることによって骨孔は、予備形成されることができる。代替的に、骨孔は、例えば自己錐突き性又は自己タッピング性のドライバー及び/又は自己錐突き性又は自己タッピング性のアンカーなどを用いることにより、骨アンカーの骨内への前進と同時に並びにアンカーの骨との螺合と同時に形成されることができる。骨孔は、皮質骨を通して完全に延びて、縫合糸アンカーを皮質骨の厚さを通して完全に係合させることができる。骨トンネルは、皮質骨の下に位置する海綿骨内にも延びることができる。縫合糸アンカーは、縫合糸リーダーが縫合糸アンカー上に通され又は負荷される前、又はされた後に、骨孔内に留置されてもよい。縫合糸及び/又はリーダー(1つ又は複数)が組織内を通された状態で、終端部が身体の外部に延びてもよい。縫合糸及びリーダーは、アンカーが骨内に移植される前、又は移植された後のいずれかに、アンカー上に通されてもよい。
【0036】
縫合糸10及びリーダー100は、糸通し器ループなどの、当技術分野にて既知の様々な器具を使用して、様々な方法でアンカー20に通され得る。
図8に示すように、一般に、リーダー100は、縫合糸アンカー内のルーメンを通して牽引される前に、180°屈曲に屈曲されてもよく、そしてリーダー100はルーメンを通して縫合糸を案内してもよい。このことは、縫合糸を折り畳み、縫合糸の折り畳んだ部分をアンカーのルーメンを通して牽引する必要性を排除し得る。特に、縫合糸リーダー200が予備形成された折り目204を含む場合、リーダー200とリーダー200に連結された縫合糸とをアンカーに通す前に、リーダー200の末端部分が糸通し器ループ40のヘッド部分42上に引っ掛けられ得る。リーダー200は、例えば結び目、接着剤、又は他の既知の係合技術などの他の方法で糸通し器ループ40と結合されてもよい。
図9に示す別の実施形態では、2つの縫合糸リーダー200、200’が縫合糸の単一のストランドに連結される場合、2つの縫合糸リーダー200、200’は単一の糸通し器ループ40と結合され得る。糸通し器ループ40又は他の糸通し具が使用される場合、糸通し器ループ40は糸通し器40の先頭末端部及び後方末端部がアンカー20の近位端20pから延びるように、縫合糸アンカー20内に予備配置されてもよい。これにより、縫合糸リーダー(1つ又は複数)200、200’が糸通し器40のヘッド上に引っ掛けられた後、アンカー20を通して単に牽引されることが可能となる。より詳細には、糸通し器ループ40をアンカー20上に負荷している間、糸通し器ループ40はアンカー20のカニューレを取り付けた部分を通して遠位方向に延びてもよく、縫合糸受容部材26の周囲に巻き付けられ又は該縫合糸受容部材26を通して延びてもよく、ルーメンを通して再び近位方向に延び、アンカー20の近位端の外部に延びてもよい。
図9に、縫合糸ストランド10の第1の末端部及び第2の末端部と結合された縫合糸リーダー200、200’と共に、アンカー20上に負荷されている糸通し器ループ40を示す。使用時、糸通し器ループ40の先頭末端部に牽引力が適用されてもよく、前記牽引力は、糸通し器40のヘッド42(後方にある)をアンカー20のルーメンを通して牽引し得る。この牽引力により縫合糸リーダー200、200’は縫合糸10の周囲にて径方向に収縮し得る。糸通し器ループ40に適用される牽引力は、第1の縫合糸リーダー200及び第2の縫合糸リーダー200’をアンカー20のルーメン22を通して牽引し得る。縫合糸受容部材26が小穴である
図10に示すように、糸通し器ループ40は、縫合糸リーダー200、200’と共に縫合糸受容部材26を通して牽引され得る。適用された牽引力により、縫合糸リーダー200、200’は縫合糸10の周囲にて径方向に収縮し、それによりリーダー200、200’は小穴26を通過するサイズを有することができる。
【0037】
図11は、アンカー20内に通されているリーダー200、200’及び縫合糸10を示す。リーダー200、200’の先頭末端部はアンカー20を通して部分的に挿入されてもよく、例えば糸通し器ループを使用して牽引力又は緊張力T
1が適用されてもよい。リーダー200、200’は、図示するように、リーダー200、200がアンカー22の内側ルーメン22を通して実質的に延び得るような長さを有してもよく、又は別の実施形態では、リーダー200、200’は、ルーメン22を通して部分的に延びてもよい。リーダー200、200’が編組材料から形成されている実施形態では、リーダー200、200’は、リーダーが牽引されるにつれて重複領域R内において縫合糸10の周囲にて圧縮され得る。このことは縫合糸のしっかりした係合を促進し得る。更に、リーダー200、200’と縫合糸10との間の滑らかな遷移は、リーダー200がアンカー20内で、例えば縫合糸受容部材26の周囲にて妨害されることを防止することができる。更に、リーダー200、200’は屈曲され又はフック状に曲げられ得るため、折り畳まれた縫合糸と比較して小さい幅を有し得る。それ故、この技術は、縫合糸10を折り畳んだ後、縫合糸10の折り畳んだ部分をルーメン22を通して牽引する必要性を阻むことができる。更に、縫合糸10とリーダー200、200’との相対的な直径は、リーダー200、200’を予備屈曲させてアンカー20のルーメン22内により容易に適合させることを可能にすることができる。前述したように、重複領域の外径は、縫合糸のストランドの外径の2倍よりも小さくてもよい。リーダー200の先頭末端部の外径は、縫合糸ストランド10の外径よりも小さくてもよく、例えば1/2であってもよい。このことは、本明細書に示したように、縫合糸リーダー200、200’及び縫合糸10が、アンカー20のルーメン22に通されている際に有利であり得る。
図12は、アンカー20に完全に通された縫合糸10と、アンカーの外部に配置されたリーダーとを示し、縫合糸10は縫合糸係合部材26の周囲にて延びる。縫合糸10の終端部10a、10bは、リーダー200、200’を使用してアンカー20を通して牽引されるため、縫合糸10の直径に対して小さい直径D
Lのルーメンを有する一方で、縫合糸係合部材26の周囲にて縫合糸10を通すことが可能である。当業者は、単一のリーダーを使用して1つ又は2つ以上の縫合糸の多数の末端部を牽引できることを認識するであろう。
【0038】
一実施形態において、リーダー100は、縫合糸を縫合糸アンカーに通した後、縫合糸10の終端部10aから除去されてもよい。除去は、例えば、適用されている任意の張力を解放し、リーダーの後方部を把持して、リーダーを縫合糸から摺動除去することにより達成されてもよい。縫合糸リーダー100と縫合糸10とが溶接などにより1つ又は2つ以上の異なる位置で固定されている場合、接着を破壊してリーダー100から縫合糸10を除去するには手の力で十分であり得る。代替的に、縫合糸リーダー100は、リーダー100の遠位方向の位置で縫合糸10を切断することにより、縫合糸10から除去されてもよい。
【0039】
縫合糸10が縫合糸アンカー20に通されている状態で、様々な技術を用いて縫合糸アンカー20を骨内に留置することができる。例えば、縫合糸アンカー20をドライバーの遠位端上に配置してもよく、そしてドライバーを回転させて、縫合糸アンカーを骨を通して、例えば前述した骨トンネルを通して強制的に移動させてもよい。縫合糸アンカー20を骨内に推進する前、又は推進している間、又は推進した後、縫合糸10に張力をかけて縫合糸アンカー20に向かって組織を引いてもよい。縫合糸アンカー20が骨内に完全に納められた際、縫合糸アンカー20は、少なくとも、皮質骨を通して、又は皮質骨及び海綿骨を通して延びてもよい。縫合糸10に張力をかけて骨に向かって組織を牽引した後、縫合糸の後方末端部を結紮し又は別様に締め付けて組織と骨との間の接触を維持してもよい。
【0040】
上記に述べた実施形態に基づく本発明の更なる特徴及び利点は、当業者には認識されるところであろう。したがって、本発明は、付属の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、具体的に図示及び説明した内容によって限定されるものではない。更に、本明細書で提供されたシステム、デバイス、及び方法は、概して外科的技術を目的とするものであり、少なくとも一部のシステム、デバイス、及び方法は、外科分野以外の用途において使用されることもできる。本明細書に引用される全ての刊行物及び文献は、それらの全容を本明細書に援用するものである。
【0041】
〔実施の態様〕
(1) 縫合糸であって、
少なくとも1つの縫合糸ストランドと、
前記少なくとも1つの縫合糸ストランドの終端部分と結合された第1の終端部分を有する生体適合性縫合糸リーダーであって、前記縫合糸リーダーの長さの少なくとも一部分に沿って、前記少なくとも1つの縫合糸ストランドの最大外径よりも小さい外径を有し、また前記縫合糸リーダーが静止状態において屈曲するように、予備形成された折り目を前記縫合糸リーダー内に含む、生体適合性縫合糸リーダーと、を含む、縫合糸。
(2) 前記縫合糸リーダーの前記第1の終端部分が、前記縫合糸リーダーに牽引力が適用された際、前記少なくとも1つの縫合糸ストランドの前記終端部分の周囲にて崩壊するように構成されている、実施態様1に記載の縫合糸。
(3) 前記少なくとも1つの縫合糸ストランドの前記終端部分が、前記縫合糸リーダーの前記第1の終端部分内の内部通路内に配置されている、実施態様1に記載の縫合糸。
(4) 前記縫合糸リーダーが、前記少なくとも1つの縫合糸ストランドの外径の1/2よりも小さい外径を有する第2の終端部分を含む、実施態様1に記載の縫合糸。
(5) 前記縫合糸リーダーが、前記縫合糸ストランドと取り外し可能に結合されている、実施態様1に記載の縫合糸。
【0042】
(6) 前記少なくとも1つの縫合糸ストランドが、前記縫合糸リーダーの前記第1の終端部分内に受容される第1の終端部分及び第2の終端部分を有する単一の縫合糸ストランドを含む、実施態様1に記載の縫合糸。
(7) 前記少なくとも1つの縫合糸ストランドが第1の縫合糸ストランド及び第2の縫合糸ストランドを含み、前記第1の縫合糸ストランドの第1の終端部と前記第2の縫合糸ストランドの第2の終端部とが、前記縫合糸リーダーの前記第1の終端部分内に受容される、実施態様1に記載の縫合糸。
(8) 縫合糸であって、
先頭末端部及び後方末端部を有する生体適合性縫合糸ストランドの第1の長さと、
生体適合性縫合糸リーダーであって、前記縫合糸リーダーを通して少なくとも部分的に延び、かつ前記縫合糸リーダーの後方末端部を起源とするルーメンを有し、また前記縫合糸リーダーの長さの少なくとも一部分に沿って、縫合糸ストランドの前記第1の長さの最大外径よりも小さい外径を有する、生体適合性縫合糸リーダーと、を含み、
縫合糸の前記第1の長さの前記先頭末端部が、前記縫合糸リーダーの先頭末端部に適用された力が前記縫合糸リーダーの前記後方末端部を収縮させ、前記縫合糸ストランドの前記先頭末端部と係合するように、前記縫合糸リーダーの前記後方末端部内の前記ルーメン内に配置されている、縫合糸。
(9) 前記縫合糸リーダーの前記ルーメン内に配置された先頭末端部を有する、生体適合性縫合糸ストランドの第2の長さを更に含む、実施態様8に記載の縫合糸。
(10) 前記縫合糸リーダーが、前記縫合糸リーダー内に予備形成フックを更に含む、実施態様8に記載の縫合糸。
【0043】
(11) 前記縫合糸リーダーの前記後方末端部が、前記縫合糸リーダーに張力が適用された際、前記縫合糸ストランドの周囲にて収縮するように構成されている、実施態様8に記載の縫合糸。
(12) 前記縫合糸リーダーが編組構造を含む、実施態様8に記載の縫合糸。
(13) 前記縫合糸リーダーが、前記縫合糸ストランドの色と対照をなす色を有して、前記縫合糸リーダーを前記縫合糸ストランドから視覚的に区別する、実施態様8に記載の縫合糸。
(14) 前記縫合糸リーダーと前記縫合糸ストランドとが、1つ又は2つ以上の異なる位置にて固定的に連結されている、実施態様8に記載の縫合糸。
(15) 縫合糸を縫合糸アンカー内に通すための方法であって、
縫合糸リーダーが糸通し器ループ上に引っ掛けられるように、前記縫合糸リーダー内に予備形成された折り目内に前記糸通し器ループを配置することと、
前記糸通し器ループを牽引して、前記縫合糸リーダーを縫合糸アンカー内のルーメンを通して牽引することであって、前記縫合糸リーダーが、前記縫合糸リーダーの第1の後方末端部に取り付けられた縫合糸を有し、また前記縫合糸リーダーが、前記縫合糸リーダーが前記縫合糸アンカーを通して牽引されるにつれて前記縫合糸の周囲にて崩壊する、ことと、を含む、方法。
【0044】
(16) 前記縫合糸リーダーを牽引することにより、前記縫合糸リーダーの少なくとも一部分が前記縫合糸の周囲にて径方向に崩壊する、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記糸通し器ループを牽引することが、前記糸通し器ループを前記ルーメンを通して遠位方向に、前記縫合糸アンカー内の縫合糸受容部材の周囲に、そして前記ルーメンを通して近位方向に牽引することを含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記縫合糸リーダーが前記縫合糸アンカーを通して牽引された後、前記縫合糸リーダーを前記縫合糸ストランドから取り外すことを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記糸通し器ループを前記縫合糸アンカーを通して牽引する前に、第2の縫合糸リーダー内に予備形成された折り目内に前記糸通し器ループを配置することであって、前記第2の縫合糸リーダーが前記縫合糸の第2の後方末端部に取り付けられている、ことを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(20) 前記糸通し器ループを牽引することが、前記第1の縫合糸リーダー及び第2の縫合糸リーダーが前記縫合糸アンカー内に形成された小穴を通過する寸法を有するように、前記第1の縫合糸リーダー及び第2の縫合糸リーダーの外径を低下させる、実施態様19に記載の方法。
【0045】
(21) 前記縫合糸リーダーが、前記縫合糸リーダーの前記第1の後方末端部に取り付けられた第1の縫合糸及び第2の縫合糸を有する、実施態様15に記載の方法。