(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
商用電源から電力供給を受けるインバータ及び該インバータから高周波電力を供給される一次コイルを備え、給電対象機器が配置される水使用場から電気的に隔離された状態で配置される一次側回路と、前記水使用場に配置され、前記一次側回路から非接触で給電を受ける二次側回路を有する耐水型非接触供給装置であって、
直列に接続された共振コンデンサ及び共振コイルを有する共振回路を、前記一次側回路、前記二次側回路、又は前記一次側回路及び前記二次側回路に設け、しかも、前記共振回路の電流が一定値を超えないように、前記共振回路に直列に電流抑制手段を設けたことを特徴とする耐水型非接触供給装置。
請求項1又は2記載の耐水型非接触供給装置において、前記二次側回路には受電した高周波を直流に整流する整流回路が設けられて、25ボルト以下の低電圧の直流を出力することを特徴とする耐水型非接触供給装置。
請求項1〜4のいずれか1記載の耐水型非接触供給装置において、前記一次側回路の前記インバータへの電源のオンオフは前記水使用場に設けられた防水型のスイッチによって行われることを特徴とする耐水型非接触供給装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1〜3記載の装置は、それぞれインバータを用いて一次コイルに高周波を流しているが、一次コイルと二次コイルの距離が壁等で離れると、エネルギーの伝達効率が悪くなるという問題がある。なお、特許文献1〜3の装置においては、一次コイル及び二次コイルに並列に共振コンデンサを設けているが、これでは、一次コイル、二次コイルに負荷電流に加えて過大な共振電流が流れることになる。更には、一次コイルと二次コイルが共振コイルとしても作用し、それぞれ最適な巻数に制御し難いという問題がある。そして、共振コイルを独立に配置する場合より、距離に対する送電効率が悪いという問題がある。
一方、特許文献4に記載された発明においては、共振コンデンサの容量を減らすため、二次側共振コイルのターン数を多くし、比較的高電圧を発生させている。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、浴室等の水使用場に配置する機器等に電力を供給可能で、高電圧部分が露出せず、かつ効率のよい耐水型非接触供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う本発明に係る耐水型非接触供給装置は、商用電源から電力供給を受けるインバータ及び該インバータから高周波電力を供給される一次コイルを備え、給電対象機器が配置される水使用場から電気的に隔離された状態で配置される一次側回路と、前記水使用場に配置され、前記一次側回路から非接触で給電を受ける二次側回路を有する耐水型非接触供給装置であって、
直列に接続された共振コンデンサ及び共振コイルを有する共振回路を、前記一次側回路、前記二次側回路、又は前記一次側回路及び前記二次側回路に設け
、しかも、前記共振回路の電流が一定値を超えないように、前記共振回路に直列に電流抑制手段を設けた。
ここで、電気的に隔離された状態とは、水使用場と電気的に絶縁状態で、壁で仕切られた状態、又は水使用場にあっても、絶縁材によって被覆されている状態をいう。
これによって、絶縁状態で比較的遠くまで電力を送ることができる。
【0008】
本発明に係る耐水型非接触供給装置において、前記一次側回路に対して複数の前記二次側回路が電磁気的に接続可能となっている場合もある。これによって、一つの電源に複数の負荷を接続できる。
【0009】
本発明に係る耐水型非接触供給装置において、前記二次側回路には受電した高周波を直流に整流する整流回路が設けられて、25ボルト以下(更に好ましくは14ボルト以下、更には7ボルト以下)の低電圧の直流を出力するのが好ましい。
【0010】
本発明に係る耐水型非接触供給装置において、前記低電圧の直流は電池を充電するのに使用される場合もあるし、直接機器を駆動する場合もある。
これによって、二次側負荷(給電対象機器)を使用できる。
【0011】
本発明に係る耐水型非接触供給装置において、前記一次側回路の前記インバータへの電源のオンオフは前記水使用場に設けられた防水型のスイッチによって行われるのがよい。これによって、水使用場からこの耐水型非接触供給装置のオンオフが可能となる。
【0012】
本発明に係る耐水型非接触供給装置
は、前記共振回路の電流が一定値を超えないように、前記共振回路に直列に電流抑制手段を設け
ている。これによって、負荷の電流を制限でき、耐水型非接触供給装置自体の発熱も押さえることができる。
【0013】
本発明に係る耐水型非接触供給装置において、前記二次側回路には磁束を前記一次側回路に集中させるコ字型フェライトコア又はE型フェライトコアが設けられているのがよい。これによって、漏れ磁束の減少を図ると共に、電力の伝達効率も増す。
【0014】
本発明に係る耐水型非接触供給装置において、前記一次側回路の一部又は全部は、前記水使用場の壁又は窪みに配置されているのが好ましい。これによって、水使用場から二次側負荷の装着が容易となる。
【0015】
本発明に係る耐水型非接触供給装置において、前記二次側回路は非アース状態で使用されているのが好ましい。
【0016】
本発明に係る耐水型非接触供給装置において、前記二次側回路は前記水使用場に設けられた掛止治具を介して前記水使用場の壁面、床面又は天井面に取付け可能となっているのがよい。これによって、水使用場に耐水型非接触供給装置を後付けすることもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る耐水型非接触供給装置においては、水使用場を仕切る壁内又はその外側に絶縁状態で一次側回路を、水使用場内に二次側回路を設けているので感電の恐れがなく、一次側回路、二次側回路のいずれか1又は双方に共振回路が設けられているので、より効率的に大きな電力を供給することができる。
特に、一次側回路のみに共振回路を配置した場合は、二次側回路の小型化を図ることができ、更に、二次側回路の発熱も押さえることができる。
また、二次側回路にのみ共振回路を配置した場合は、一次側回路と二次側回路との間に距離があっても、より大きな電力を二次側回路に供給できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1(A)、(B)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置10は、浴室(水使用場の一例)11外に隔離して、即ち、浴室11からそれぞれ隔離して絶縁状態で配置される一次コイル12及びこれに高周波電力を供給するインバータ13を備えた一次側回路14と、浴室11内に配置され、一次側回路14から非接触で給電を受ける二次側回路15とを有する。そして、この二次側回路15から、浴室11に配置された負荷となる給電対象機器(例えば、入浴搬送機、電池、負荷と称する場合もある)16に電力が供給されている。なお、17は浴室11と外部を仕切る壁を示す。また、インバータ13に供給する電力は電池又は発電機であってもよい(以下の実施の形態においても同じ)。以下、これらについて詳しく説明する。
【0020】
インバータ13は商用電源を電源とし、これを直流に変えて更に10kHz〜100kHzの交流に変換している。この制御にはPWM制御を行い、電力損失を軽減している。
一次側回路14を構成する一次コイル12は直径が約5〜20cmで10〜30ターン(ターン数)の渦巻き平面状に形成されている。なお、インバータ13には電源のスイッチ18が設けられオンオフできる構造となっている。このスイッチ18は防水型で浴室11内から操作できるのがよい。また、電波や光を用いたリモコンで操作を浴室11又は浴室11外から行うものであってもよい。
【0021】
二次側回路15は、同心状に配置された共振コイル19、二次コイル20、整流回路21を含む第1の制御回路22、及び共振コイル19の電流制御を行う第2の制御回路(例えば、電流抑制手段)23を有している。共振コイル19、二次コイル20は平巻きで平面状にコイルが巻かれ、それぞれ直径は5〜15cmである。共振コイル19の巻き数は約10〜25ターン、二次コイル20の巻き数n2は、一次コイル12の巻き数n1の1/3〜1/10となって、低電圧(例えば、25ボルト以下)の交流を出力するようになっている。
【0022】
一次コイル12、共振コイル19、二次コイル20の形状は螺旋状平巻きが好ましいが、筒状巻であってもよいし、また、その外形は平面視して円形の他、多角形、矩形(長方形、正方形)等であってもよい(以下の実施の形態においても同じ)。コイルには、好ましくはリッツ線が使用されるが、その他エナメル線、被覆導線であってもよい。
【0023】
壁17は浴室11を隔離するもので、通常はプラスチック、コンクリート、セラミック、木材によって形成されているが、金属(例えば、鉄板、アルミ合金等)で構成されている場合は、磁場を通さない場合があるので、その部分を切り抜いて、密閉された一次側回路14を埋め込むことになる。この場合、浴室11側から水をかけても一次側回路14に水が浸入しないことの他、浴室11側から外部に水が滲みでないように防水処理を行うのが好ましい。
【0024】
第1の制御回路22は、二次コイル20で受電した高周波電力を整流して低電圧(例えば、25ボルト以下)の直流とする整流回路21、整流された交流の脈動分を除くリアクトル、コンデンサを有している。なお、必要に応じて、サイリスタやトランジスタ等の能動素子を使用して、負荷16に一定電圧を供給するように、低電圧制御を行ってよい。
【0025】
第2の制御回路23は、直列に接続された共振コイル19と共振コンデンサ25を有して構成される共振回路に流れる共振電流を制御するもので、
図1(B)に示すように、共振回路に直列に接続された抵抗26と、チョッパー回路27とを有している。チョッパー回路27は、負荷16に流れる電流及び電圧によって制御され、負荷16に流れる電流が一定電流を超えると、共振コイル19に流れる電流が減少し、これによって、一次コイル12から受けとる磁束が減少し、二次コイル20の誘起電圧を下げるようにしている。
【0026】
この第2の制御回路23によって、共振コイル19の発熱を防止し、耐水型非接触供給装置10の継続動作が可能となっている。なお、共振コイル19に温度センサを設け、温度センサが一定温度を超えると、共振コイル19に流れる電流を減らすように制御することもできる。29は耐水型非接触供給装置10の二次側回路15の掛止治具を示すが、通常は浴室11側の壁17(又は床面や天井面)に固定されている。
二次側回路15の全体は、例えば、後述する
図4(A)、(B)、(C)と同様、樹脂等で完全モールドされて例えば直方体状のブロックとなっている。このブロックには負荷に電力を供給する絶縁導線(キャプタイヤ)が接続されいる。
【0027】
続いて、この耐水型非接触供給装置10の動作について説明する。
二次側回路15の出力を給電対象機器(負荷)16に接続し、一次側回路14を電源に接続する。次に、一次側回路14の電源のスイッチ18をオンにする。これによって、インバータ13から一次コイル12に高周波電流が流れ、共振コイル19、二次コイル20に向けて高周波磁束が発生し、二次コイル20に電流が流れ、給電対象機器16に給電する。負荷電流が所定値より大きい場合は、第2の制御回路23が作動して、共振電流を減らし、二次コイル20に流れる電流を制御する。
【0028】
なお、この実施の形態において、インバータ13から発振する高周波電力の周波数fに対して、共振コイル19と共振コンデンサ25とによって構成される共振回路の共振周波数は0.01〜0.1倍の範囲でプラス側又はマイナス側にずれているのが好ましい。これによって、過剰な電流が共振コイル19に流れるのを防止できる(以下の共振回路を用いる実施の形態においても同じ)。
【0029】
一次コイル12を例えば、特許文献4に記載のように、渦巻き状の平巻線で構成する場合は、一次コイル12の裏側(即ち、二次コイル20が配置されている方向とは反対方向)にフェライトコア板等を配置するのがよい。二次コイル20においても、共振コイル19とは反対側にフェライトコア板を配置するのがよい。これによって、磁束漏れを防止し、不要な部分の加熱を防止し、電力損失も減少する(以下の実施の形態においても同じ)。
【0030】
続いて、
図2を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置32について説明する。なお、第1の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置10と同一の構成要素には同一の番号を付して詳しい説明を省略する(以下の実施の形態においても同じ)。
【0031】
耐水型非接触供給装置32は、
図2に示すように、浴室(水使用場の一例)11外に隔離して、即ち、浴室11からそれぞれ隔離して絶縁状態で配置される一次側の共振コイル33、一次コイル12及びこれに電力を供給するインバータ13を備えた一次側回路34と、浴室11内に配置される二次側回路35とを有する。
【0032】
一次側の共振コイル33には直列に共振コンデンサ33aが接続され、共振コイル33と共振コンデンサ33aとで共振回路を構成し、一次コイル12から発生する交番磁束の増加を図って、離間配置された二次コイル20に効率的に電力を供給している。
【0033】
共振コイル33には共振電流が流れ、コイル抵抗に伴う発熱をするので、浴室11の外に固定状態で配置し冷却を促進することができる。
なお、この共振回路の共振周波数は、インバータ13の周波数から微小な範囲(0.01〜0.1倍)でずらしている。
また、一次側の共振回路に第3の制御回路(例えば、電流抑制手段)を設けて、共振回路に流れる電流を一定以下に制御することもできる。
【0034】
次に、
図3に示す本発明の第3の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置37について説明する。この耐水型非接触供給装置37は、浴室(水使用場の一例)11外に隔離して、即ち、浴室11からそれぞれ隔離して絶縁状態で配置される一次側の共振コイル33、一次コイル12及びこれに電力を供給するインバータ13を備えた一次側回路34と、浴室11内に配置される二次側回路15とを有する。
【0035】
この耐水型非接触供給装置37は第1の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置10と第2の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置32を組み合わせたもので、一次側回路34と二次側回路15にそれぞれ共振コイル33、19を有して、より効率的かつ遠方までに一次コイル12の交番磁場を二次コイル20に供給するものである。
【0036】
図4(A)、(B)、(C)には、それぞれ本発明の第4〜第6の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置を説明するが、一次側回路及び二次側回路の主要部は、以上の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置10、32、37のいずれかを用いる。以上の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置10、32、37と第4〜第6の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置とは、二次側回路を壁等に取付ける掛止治具40〜42が異なるので、これらについて説明する。
【0037】
二次側回路15(35も同様)は
図4(A)、(B)、(C)に示すように、直方体状のブロック44〜46を有し、その一部から負荷となる給電対象機器16に電力を供給する絶縁導線(2芯)48〜50が接続されている。ブロック46は上部に直方体のブロックとは別に掛止部47を備えている。
【0038】
掛止治具40、41は有底の上開放の箱状となって、側板の一部に絶縁導線48、49を通す切欠き52、53が形成されている。掛止治具42は断面溝形状となっている内部に直方体状のブロック46が入り込むようになっている。
いずれの掛止治具40〜42においても、両側にはフランジ部55、56を有して、ねじや接着材等によって壁17に取付け可能となっている。
【0039】
この掛止治具40〜42が取付けられる壁17の背面側又は壁17内(例えば、窪み)には、一次側回路14、34(一部又は全部)が配置されている。
以上の構造とすることによって、二次側回路15の取付け、取外しが極めて容易となる。また、二次側出力は、+、−の線路を完全にアースから分離することも可能であり、片側の線に触れても電圧は発生しない(以下の実施の形態においても同じ)。
【0040】
図5は本発明の第7の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置を示すが、一次側回路、二次側回路は、第1〜第3の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置10、32、37のいずれかと同一であるので、異なる部分についてのみ説明する。
図5に壁17に耐水型非接触供給装置の二次側回路を取付ける掛止治具60を示すが、樹脂等の絶縁材からなって、壁17に開口61を設けて掛止治具60を取付ける。掛止治具60の内部には二次側回路の収納部62と、抜け止め用の突出部63と、取付けフランジ64を有する。一方、二次側回路は長方形のブロック65内に収納されているが、下部に突出部63が嵌入する溝66と、溝66の一部を形成し、絶縁導線67を下方に導く延長部68とを有している。なお、69は把っ手を示す。
【0041】
従って、この実施の形態においては、壁17に開口61を設けて掛止治具60を取付けておく。一次側回路の配線は浴室11外から行うことになる。
二次側回路を包むブロック65は把っ手69を持って搬送することになるが、把っ手69は本発明の必須の要件ではない。ブロック65を収納部62に収納すると、突出部63と溝66が係合し、ブロック65を所定位置に固定し、一次側回路と二次側回路の磁気的連結をなし得る。
【0042】
図6(A)、(B)は、本発明の第8の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置70及びその一次側回路70a及び二次側回路75の取付け方法を示すが、一次側回路70aに、透磁性の高く、ある程度強度を有する磁性材料(例えば、フェライトコア)で、中央に断面円形又は断面多角形の延長コア部71を有し、周囲には環状溝72が形成された中央断面がE字状となったコア72aを用いる。環状溝72の部分に一次コイル73を、必要な場合には共振コイルを巻く。なお、延長コア部71の外側は絶縁性を有し非磁性物からなる素材(例えば、プラスチック)74で覆われている。
【0043】
二次側回路75は、全体はブロックとなって樹脂でモールドされ、中央に延長コア部71が嵌入する穴76を有している。穴76の内側周囲は絶縁性素材で覆われ、その外側に二次コイル77及び必要な場合は共振コイルが巻かれている。一次側回路70a及び二次側回路75の構成は、以上に説明した第1〜第3の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置10、32、37のいずれかと実質同様である。ブロックの下には、絶縁導線78が垂下している。
【0044】
この実施の形態においては、二次側回路75のブロックの穴76に延長コア部71を嵌入させることによって、一次側回路70aと二次側回路75を磁気的に連結することができる。従って、一次側回路70aと二次側回路75をより密に連結できるので、共振回路を省略しても、かなりの電力伝送ができる。
なお、一次側回路70aの周囲には取付けフランジ79が設けられて壁17への取付けが容易となっている。
【0045】
図7に示す本発明の第9の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置80について説明するが、一次コイル83及び二次コイル84(及び共振コイル85)に、中央断面がE型のコア(例えば、フェライトコア)86、87が使用されている。コア86、87は壁17を中央にして、各磁極が対向して配置されている。これによって、より密に一次コイル83と二次コイル84を磁気的に結合させることができる。ここで、E型フェライトコアの代わりにコ型フェライトコアを使用することもできる。
この実施の形態においては、共振コイル85を二次側回路中に配置した例を示すが、第2、第3の実施の形態と同様な回路を用いて、一次側回路、又は、一次側回路及び二次側回路に配置することができる。
【0046】
この耐水型非接触供給装置80の両側には、取付けフランジ89、90が設けられているので、
図4(B)に示す掛止治具41で壁17に固定することができる。なお、絶縁導線91の位置を変えることによって、
図4(A)、(C)に示す掛止治具40、42を用いることができる。
【0047】
図8に本発明の第10の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置93を示すが、壁の背後又は壁中に設置する一次コイル94を正面視して長方形(又は円形、楕円形)とし、それぞれ二次コイル95、必要な場合は共振コイルを有する複数の二次側回路97に電磁気的に結合させて電力を供給することができる。なお、一次側回路及び二次側回路97の構成は、第1〜第3の実施の形態に係る耐水型非接触供給装置10、32、37のいずれか1と同一となる。ここで、二次コイル95は正面視して矩形、円形、楕円形であってもよい。
この実施の形態は、二次コイルが3つであったが、2つ又は4つ以上でもよい。壁への固定は、
図4(B)の掛止治具41を基本にした多連の掛止治具を使用することができる。
【0048】
本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、第1〜第10の実施の形態を組み合わせて形成する場合も本発明は適用される。
また、本発明は耐水型非接触供給装置を浴室に取付けた場合について説明したが、洗面所、トイレ、台所等水を使用する場所であれば、適用可能である。
負荷への接続は被覆導線(絶縁導線)を用いたが、二次側回路に端子(例えば、差し込み端子を用いてもよい。
また、負荷としては、水使用場で使用する機器(例えば、身障者用のリフト)の電池等であってもよい。
更に、二次側回路の出力電圧は25ボルト以下としたが、14ボルト以下、場合によっては7ボルト以下とすることもできる。