(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
運動センサを利用してユーザの直線及び回転運動を計測するステップであって、前記運動センサは、前記運動の加速度の大きさおよび方向を計測するための多軸の加速度計と、前記加速度計によって提供される情報を補完するため前記運動の方向情報及び回転速度を決定するための多軸のジャイロスコープとを含む、計測するステップと、
光エミッタを利用して前記ユーザの身体に光を伝送するステップであって、前記放出された光が、前記ユーザの身体からの反射についての、特定の波長、幾何学的形状、強度、およびモードからなる、伝送するステップと、
光学センサを利用して前記エミッタによって伝送された、かつ前記ユーザの前記身体から受け取った前記光を受け取るステップであって、前記受け取った光が前記ユーザの前記身体内の血流に基づいて強度が変化し、前記光学センサを利用して更に前記受け取った光を前記光の前記強度に対応する電圧に変換する、受け取るステップと、
前記運動センサ及び前記光学センサからデータを受信し、前記ユーザの前記身体から受け取った前記光を表すユーザベースのデータに関する生体測定データを計算するステップであって、前記データが、前記ユーザのバイオプロセスに基づいて変化し、前記受け取った光に影響を及ぼす前記ユーザの身体の特性に基づいて前記受信したデータをオフセットし、前記生体測定データは前記運動センサが受ける運動のオフセットを含む、計算するステップと
を前記ユーザに固定された装置におけるプロセッサに実行させ、
前記運動センサにより検出された運動は前記光学センサにより検出されたピーク信号を割り引くのに利用されるためのプログラム。
前記運動センサを利用して前記ユーザの直線および回転の加速度、運動、位置、ならびに直線および回転の速度の変化のうちの少なくとも1つを計測するステップを前記プロセッサに更に実行させることを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図および以下の説明は、例示のみによる好適な実施形態に関する。以下の議論から、本明細書に開示した構造および方法の代替的実施形態は、特許請求の範囲の原理から逸脱することなく用いることができる実施可能な代替として容易に認識されることに留意されたい。
【0007】
次に、いくつかの実施形態の参照が詳細になされ、その例が、添付図面に示される。どこでも実施可能な類似または同様の参照符号が、各図に使用されてもよく、類似または同様の機能性を示し得ることを留意されたい。各図は、例示の目的だけのために開示したシステム(または方法)の実施形態を示す。当業者は、本明細書に記載の原理から逸脱することなく、本明細書に例示した構造および方法の代替的実施形態を用いることができることを以下の説明から容易に認識されよう。
【0008】
構成の概観
開示したシステム、方法、およびコンピュータ可読記憶媒体の一実施形態は、ユーザの身体の一部に取り付けられるデバイス、例えば、付属物(またはリム(limb))を用いて、ユーザの生体測定データを計測することを含む。このシステム、方法、およびコンピュータ可読記憶媒体は、光をユーザの皮膚に伝送すること、ユーザの身体組織および体液から受け取った光を受け取ることと、光をフィルタリングし、フィルタリングされた光を感知してユーザの生体測定データを計測することとを含む。光信号と他のセンサからの信号を組み合わせることによって、デバイスは、流れている血液から反射または受け取っている光を識別し、周辺光、ユーザの運動などによって引き起こされる信号ノイズをフィルタリングすることが可能にされる。一実施形態では、信号ノイズ源を計測するために使用されるセンサは、加速度計などの運動センサであり、光信号が、運動により引き起こされたノイズに関連した成分、および血流に関連した別の成分に分離することができるようになっている。本明細書により詳細に説明されるように、アルゴリズム技法を使用して、インテリジェントピーク検出アルゴリズム(intelligent peak detection algorithm)をガイドするためのレートのダイナミックトラッキング(dynamic tracking of rates)などのノイズをフィルタリングにより除去することもできる。
【0009】
図1は、ユーザからの生体測定データを取り込むためのデバイス100の一実施形態を示す。このデバイスは、電気皮膚応答(GSR)センサ102と、光学センサ103と、周囲温度センサ104と、運動センサ105と、皮膚温度センサ106と、エネルギーハーベストモジュール(energy harvesting module)108と、デバイスをユーザの身体に固定するためのバンド(band)110とを備える。センサは、センサハウジングの構成要素101内に配置される(または格納される)。一実施形態では、ハウジングの構成要素101は、例えばリストバンドまたはアームバンドを介してユーザに結合するように構成され、それによってセンサは、ユーザからのデータの形態で情報を収集するように露出される。センサは、様々なタイプの情報を取り込むために使用され、ユーザに関しての様々な生体測定データを算出するように解析できる出力信号を生成する。加えて、1つまたは複数のセンサからの情報は、他のセンサにおけるノイズをさらにフィルタリングするために使用することができる。したがって、センサは、デバイス100内のセンサの精度を総合的に改善する。
【0010】
述べたように、センサは、それらの特定の機能に対応する情報を検出(または収集)する。センサから収集された情報はプロセッサに供給され、プロセッサはこのデータを使用してユーザに関しての様々な生体測定データを導き出す。
図2を参照して、プロセッサをより詳細に説明する。他の実施形態では、異なるタイプ、個数、向きおよび構成のセンサが、ハウジングの構成要素101内に設けられてもよい。
【0011】
次に、より詳細にセンサを参照すると、GSRセンサ102は、皮膚の水分量または汗の濃度に伴って変化する皮膚の電気伝導率を計測することによってユーザの状態を検出する。ユーザの状態は、身体活動、感情喚起、または他の伝導率が変化する事象に関連した変化によって特徴付けることができる。例えば、汗腺は、交感神経系によって制御されるので、汗または電気伝導率は、ユーザの状態の変化の指標として使用することができる。したがって、一例では、ユーザの状態の変化を特定するために、GSRセンサ102は、ユーザの電気皮膚応答または皮膚の電気伝導率を計測する。一実施形態では、GSRセンサ102は、ユーザの身体組織を通じて電流を通し、電流に対する身体組織の応答を計測する。GSRセンサ102は、電流に対して測定した応答に基づいてユーザの皮膚の伝導率を算出することができる。GSRセンサ102は、ユーザの汗の濃度を計測することもできる。汗の濃度は、他のユーザにより与えられる情報と共に、ユーザのカロリーの燃焼速度を決定し、運動パラメータを特徴付けるために使用することができる。他の実施形態では、GSRセンサ102は、検出した汗の濃度、およびハウジングの構成要素101に含まれる他のセンサから受信した入力信号に基づいて、ユーザの状態の変化を特定する。例えば、周囲温度センサ104によって検出される周囲温度の鋭い変化は、ユーザの汗の濃度の鋭い増加が、ユーザの状態の変化によって引き起こされたものではあり得ず、むしろ周囲温度の変化によるものであることを示し得る。一実施形態では、GSRセンサ102は、算出した伝導率情報をプロセッサに電気信号として送信する。
【0012】
光学センサ103は、血流速度を計測することによってユーザの心拍数を計測する。一実施形態では、光学センサ103は、ユーザの皮膚および組織に信号を送信し、ユーザの身体からの反射光を受け取って、血流速度を計測する。一実施形態では、センサは、光強度を電圧に変換する。ユーザの身体から反射したときの光強度は、例えば、緑色光を含む光の吸光度が、センサの真下に、少ない血液とは対照的に、より多くの血液が存在するときに変化するので、センサ下で血液が波動すると変化する。この電圧は、心臓血管系を通じた心臓の血液の拍動を示す規則的な変化の間、プロセッサによって解析できるデジタル信号に変換される。加えて、光学センサ103によって取り込まれる血流速度を使用して、限定するものではないが、心拍間隔の変動(beat−to−beat variance)、呼吸、心拍間隔の大きさ(beat−to−beat magnitude)、および心拍間隔のコヒーレンス(beat−to−beat coherence)が含まれるユーザに関しての他の生体測定データを計測することができる。
図3を参照して、光学センサ103をより詳細に説明する。
【0013】
周囲温度センサ104は、ユーザまたは生体測定のデバイスの周囲の温度を検出し、それを別のデバイスまたは構成要素によって読取り可能な信号に変換する。一実施形態では、周囲温度センサ104は、ユーザの周囲の環境の温度または温度の変化を検出する。周囲温度センサ104は、所定の周波数またはプロセッサによって与えられる命令の応答において定期的に温度を検出することができる。例えば、プロセッサは、運動センサ105によって活動が検出されるときに、周囲温度センサ104に温度を測定するように指示することができる。同様に、周囲温度センサ104は、定期的な間隔でまたは温度の変化を検出するときに、検出した温度を別のデバイスに報告することができる。一実施形態では、温度センサ104は、温度情報をプロセッサに送る。一実施形態では、周囲温度センサ104は、ユーザがデバイス100を着用するときに、ユーザとの直接接触を避けるように向けられる。
【0014】
運動センサ105は、生体測定のデバイスの直線および回転の加速度、運動または位置のうちの1つまたは複数を計測することによって運動を検出する。他の実施形態では、運動センサは、生体測定のデバイスの直線および回転のスピードまたは速度の変化を検出することもできる。一実施形態では、運動センサ105は、少なくとも3自由度に従った運動を検出する。他の実施形態では、運動センサ105は、6自由度などに従った運動を検出する。運動センサ105は、運動の加速度の大きさおよび向きを計測するために、単一、複数、または組み合わせた軸の加速度計を備えることができる。運動センサ105は、向き情報を与える多軸のジャイロスコープを含んでもよい。多軸のジャイロスコープは、回転速度(d(角度)/dt、[度/秒])を計測し、この回転速度を使用して、ユーザの身体の一部が、特定の方向に向けられているか決定することができ、および/またはこの回転速度を使用して、加速度計からの情報を補足してユーザの回転運動に基づいてユーザによって行われる運動のタイプを決定することができる。例えば、歩行運動は、ユーザの手首において「振り子」運動を引き起こし得るのに対して、走行運動は、加速度計によって検出される方向の外側にある軸に沿ってユーザの手首において周期運動を引き起こし得る。加えて、運動センサ105は、数自由度に従ったユーザの向きまたは運動を取り込むために、磁場などの他の技術を使用してもよい。一実施形態では、運動センサ105は、電気信号をプロセッサに送信し、センサ105によって計測された方向および運動のデータを与える。一実施形態では、運動センサ105によって検出された運動は、光学センサ103によって受信された信号ノイズをフィルタリングするために使用される。例えば、特定の時間に検出された運動は、同時に光学センサによって検出されたピーク信号を割り引くために使用することができるが、これは、光学センサ103によって検出されたピーク信号は、ユーザの運動にたいてい関連しており、ユーザの心臓の拍動には関連していないためである。
【0015】
皮膚温度センサ106は、ユーザの皮膚温度を計測する。一実施形態では、生体測定のデバイスおよび皮膚温度センサ106は、ユーザの皮膚に接触し、皮膚温度センサ106は、ユーザの皮膚温度の読取りを行う。一実施形態では、皮膚温度センサ106は、ユーザの体温または皮膚温度の変化を検出する。皮膚温度センサ106は、所定の周波数またはプロセッサによって与えられる命令の応答において定期的に体温を検出することができる。例えば、プロセッサは、運動センサ105によって活動が検出されるときに、皮膚体温センサ106に体温を検出するように指示することができる。同様に、皮膚温度センサ106は、定期的な間隔でまたは体温の変化を検出するときに、検出した体温を別のデバイスに報告することができる。一実施形態では、温度センサ104は、体温情報をプロセッサに送る。
【0016】
エネルギーハーベストモジュール108は、デバイス100の周囲の環境から受け取ったエネルギーを電気エネルギーに変換して、デバイス100に電力を供給する。一実施形態では、エネルギーハーベストモジュール108によって収穫された電力は、デバイス100に格納された1つまたは複数の電池に蓄えることができる。エネルギーハーベストモジュール108は、様々な供給源から電気エネルギーを変換することができ、限定するものではないが、ユーザによって生じた運動による力学的エネルギー、静電気のエネルギー、ユーザの身体が発生する熱エネルギー、太陽エネルギー、および振幅変調(AM)信号、周波数変調(FM)信号、WiFiまたは携帯電話のネットワークの信号など、供給源からの高周波(RF)エネルギーが含まれる。一実施形態では、エネルギーハーベストモジュール108は、USB(Universal Service Bus)ポート、または他の特性のインタフェースなどの様々なインタフェースを用いて電源から電気エネルギーを受け取る。エネルギーハーベストモジュール108は、デバイス100上に格納される電池を充電するようにエネルギーを向けることができる。
【0017】
一実施形態では、適宜、デバイス100は、デバイス100をユーザの身体に固定するために固定帯110に取り付けられてもよい。例えば、固定帯110は、ユーザの手首、腕、ウエスト、脚などのあたりにデバイス100を固定するために使用することができる。固定帯110を伴うデバイス100の例示の実施形態が、
図6を参照して与えられる。ここで、
図6を参照すると、例示のデバイス100は、GSRセンサ102、光学センサ103、および皮膚温度106などのユーザの身体に接するセンサと、周囲温度センサ104、運動センサ105、およびエネルギーハーベストモジュール108、ならびに
図2を参照して説明されるコンピューティング構成要素などのユーザに接しないセンサとを格納するのに使用される例示的な設計である。
図5に示す実施形態は、例示的なものであり、センサおよびコンピューティング構成要素をデバイス100内に格納するための設計は、センサがユーザの身体に接し、デバイス100が固定帯110に取り付けられてデバイスをユーザの身体に固定するように実施され得るものであることに留意されたい。
【0018】
計算機のアーキテクチャ
図1と共に説明したように、センサは、デバイス100内に格納されるプロセッサによって処理するためのデータに対応する情報を検出(または収集)する。
図2は、機械可読媒体から命令を読み、プロセッサ(またはコントローラ)内で命令を実行することができる一例の機械の構成要素を示す構成図である。具体的には、
図2は、実行される本明細書に述べた手法のうちのいずれか1つまたは複数をコンピュータシステム200に実行させる命令224(例えば、ソフトウェア)を備える、デバイス100内に封入されるコンピュータシステム200の例示的な形態で機械の概略図を示す。さらに、たった1つだけの機械またはコンピュータデバイス200を示しているが、用語「機械」または「コンピュータデバイス」は、個々にまたは一緒に命令224を実行して、本明細書に述べた手法のうちのいずれか1つまたは複数を実行する機械の任意の集合を含むようにもとるものである。例示的なコンピュータシステム200には、プロセッサ202(例えば、中央演算処理装置(CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、デジタル信号処理装置(DSP)、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つまたは複数の高周波集積回路(RFIC)、1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはこれらの任意の組み合わせ)、メインメモリ204、およびスタティックメモリ206が含まれており、これらはバス208を介して互いに通信するように構成される。コンピュータシステム200は、デバイス100または外部のグラフィックスディスプレイ(graphics display)上にデータを表示するための画像表示ユニット210(例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、プロジェクタ、または有機発光ダイオード(OLED)をさらに含んでもよい。コンピュータシステム200は、入力デバイス212を含むこともできる。入力デバイスには、タッチスクリーン、キーボード、トラックボール、またはユーザがデバイスに入力を行うことを可能にする他のセンサが含まれ得る。一実施形態では、デバイスは、ユーザの入力を受ける表面上に容量型タッチピンを含む。他の例では、入力デバイス212は、入力信号をコンピューティングデバイス200に与えるように構成されるGSRセンサ102、光学センサ103、周囲温度センサ104、運動センサ105、および皮膚温度センサ106を含む。
【0019】
コンピュータシステム200は、記憶ユニット216と、信号発生デバイス218(例えば、スピーカ、振動発生器など)と、ネットワークインタフェースのデバイス220とも備え、これらも、バス208を介して通信するように構成される。記憶ユニット216は、機械可読媒体222を含み、機械可読媒体222上には、本明細書に記載の手法または機能のうちのいずれか1つまたは複数を用いる命令224(例えば、ソフトウェア)が記憶される。命令224(例えば、ソフトウェア)は、機械可読媒体をやはり構成するコンピュータシステム200、メインメモリ204、およびプロセッサ202によるその実施中、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ204内またはプロセッサ202内(例えば、プロセッサのキャッシュメモリ内)にやはり存在し得る。命令224(例えば、ソフトウェア)は、ネットワークインタフェースのデバイス220を介してネットワーク226により送信または受信することができる。
【0020】
一実施形態では、ネットワークインタフェースのデバイス220は、任意の無線ネットワーク技術およびプロトコルを用いて、無線でネットワーク226および/またはコンピューティングデバイスに接続する。ネットワークインタフェースのデバイス220は、モバイルコンピューティングデバイスを用いてデータを接続し、データを交換するために使用されるBLUETOOTH(登録商標)、WIFI、BTLE、ZIGBEE(登録商標)、近距離通信の送受信機であってもよい。ネットワークインタフェースのデバイス220は、GSM(登録商標)、CDMA、3GおよびLTEプロトコルのうちの1つまたは複数を用いると共にこれらに限定されるセルラーネットワークなどのネットワークに直接、接続性を提供することができる。コンピューティングデバイスは、例えば、電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、自動車システムなどを包含し得る。一実施形態では、ネットワークインタフェースのデバイス220は、ユーザの測定した健康情報をほぼリアルタイムでまとめ、表示するサーバにネットワーク226を介してデータをアップロードする。別の実施形態では、ネットワークインタフェースのデバイス220は、デバイス100に無線で接続されたコンピューティングデバイスからのGPS、社会的データ、および他のデータのうちの1つまたは複数を含み得る文脈情報を受信し、ユーザに表示したり、後でサーバに転送したりするように内部メモリ上にこの情報を保存する。サーバは、ユーザデータおよび位置ベースのデータを、デバイス自体の上でまたはスマートフォンまたはインターネットサイトなどの別のデバイスを介してユーザに至る与えられた統合情報にまとめることができる。例えば、サーバは、デバイス100によって計測される心拍数と別のコンピューティングデバイスを出所とする位置情報とを組み合わせることによって、ユーザの平均の心拍数は、特定のルートを用いて通勤するときより高いまたは低いといったことを与えることができる。サーバは、数人のユーザからの情報を集約して、ほぼリアルタイムでまたは後の時間に、デバイス自体でまたは別のコンピューティングデバイスで、ユーザに同じように位置する他のユーザのまとめたデータを与えることもできる。同様に、ネットワークインタフェースのデバイス220は、ユーザの記録した健康データを自動車のダッシュボードに表示できる自動車システムと通信する。ネットワークインタフェースのデバイス220は、モバイルフォンに接続して、ショートメッセージサービス(SMS)のメッセージ、電話の呼び出し、ソーシャルメディアのアプリケーション、または緊急要員への情報のポスティング(posting)などの通信を開始しまたは増加させることもできる。
【0021】
機械可読媒体222は、単一の媒体であることが一例の実施形態において示されるが、用語「機械可読媒体」は、単一の媒体または複数の媒体(例えば、命令(例えば、命令224)を記憶できる集中型データベースもしくは分散型データベース、または関連したキャッシュおよびサーバ)を含むようにとられるべきである。用語「機械可読媒体」は、機械によって実行するための命令(例えば、命令224)であって、本明細書に開示した手法のうちのいずれか1つまたは複数を機械に実行させる命令を記憶できる任意の媒体を含むようにやはりとられるものである。用語「機械可読媒体」は、固体メモリ、光媒体、磁気媒体の形態のデータの置き場を含むが、これらに限定されるべきではない。
【0022】
感知および処理の構成
図3は、一実施形態による光信号を受信するための光学センサ103の構成図を示す。光学センサ103は、光エミッタ302と、波長選択フィルタ304と、センサ306と、通信モジュール308とを備える。一実施形態では、光学センサ103は、組織および血液などの体液を含むユーザの身体から受け取った光を計測し、通信バス208を介してデータを処理装置202に伝送する。
【0023】
光エミッタ302は、光源をユーザの身体組織に伝送する。光エミッタ302には、発光ダイオード(LED)、レーザ、有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネセンスシート(electroluminescence sheet)などが含まれ得るが、それらに限定されるべきではない。一実施形態では、光エミッタ302は、2つ以上の光エミッタを含んでもよく、各エミッタは、同一または異なる放出特性を有し得る。光エミッタ302によって生成される光は、単色光であり、可視、不可視、または両方の広範なスペクトルにおける複数の波長を含み得る。一実施形態では、光エミッタ302は、ユーザの皮膚上へ光を放射する。
図4を参照してさらに説明するように、光エミッタ302は、プロセッサから受信した命令に応答して信号を出力することができる。例えば、プロセッサ202は、デバイス100中の他のセンサによって与えられるデータに基づいて、光エミッタ302によって放出される出力信号を変化させるように命令を与えることができる。例えば、ユーザから反射される取り込む光に干渉し得る過度の日光のために、センサが、ユーザの生体測定データを計測することができない場合、光エミッタは、異なる光の周波数を放出し、またはより高い強度で光を放出するように指示され得る。一実施形態では、光エミッタ302によって生成される光は、ユーザの身体組織に対して反射し、光センサ306によって取り込まれる。
【0024】
波長選択フィルタ304は、1つまたは複数の隔絶した光の周波数がセンサ306へ送られるのを可能にする光の周波数を阻止する。一実施形態では、波長選択フィルタ304は、血流を最適に計測するための波長を選択し、選択した波長をセンサ306に与える。同様に、波長選択フィルタ304は、可視光または紫外線を阻止することができ、赤外光をセンサ306へ通す。一実施形態では、波長選択フィルタ304は、全ての可視光を阻止できるが、中赤外波長が通ることを可能にできる。波長選択フィルタ304は、光エミッタ302によって放出され、ユーザの身体組織および体液から受け取った光をフィルタリングする。したがって、波長選択フィルタ304は、日光を阻止することが可能にされ得、それによって、例えば、光エミッタ302によって放出され、ユーザの身体組織および体液から受け取った光のある周波数が、ユーザの生体測定データを計測するために取り込まれることを確実にする。波長選択フィルタ304によってフィルタリングされる特定の周波数は、光エミッタ302によって放射される光の周波数に基づいて変わり得る。波長選択フィルタ304は、デバイス100に取り付けられる物理的なフィルタとして実施され得る。そのような一例では、波長選択フィルタ304は、薄膜フィルタなどの受動フィルタの単一または複数のフィルタのアレイ、または1つもしくは複数の能動的な光学フィルタリングのシステムを含んでもよく、それぞれは2つ以上の表面上の最大および最小の反射性および伝送能力の同様のまたは種々の範囲を有する。他の実施形態では、波長選択フィルタ304は、ある光の周波数を通し、センサが、ユーザの血流レベル、血液酸素化(SpO
2)レベル、および血糖レベルを計測することを可能にする。
【0025】
一実施形態では、センサ306は、ユーザの身体組織から受け取った波長選択フィルタ304を通過する光を受け取る。一実施形態では、センサ306は、受け取った光をパルスの信号出力へ変換し、出力が、プロセッサ202に与えられる。一実施形態では、通信モジュール308は、通信バス208に接続して、パルスの信号出力をプロセッサに送信する。一実施形態では、光は、赤外(IR)光であり得る。
【0026】
次に、
図4を見ると、センサから生体測定データを受信して入力信号を最適化するように構成されるプロセッサ202の例示的な一実施形態の構成図を示す。例示的な本実施形態では、プロセッサ202は、計算モジュール402と、運動緩和モジュール404と、ユーザ校正モジュール406と、ジオメトリオフセットモジュール(geometry offset module)408と、ノイズオフセットモジュール(noise offset module)410と、センサフィードバックモジュール412とを備える。一実施形態では、プロセッサ202は、電気皮膚応答(GSR)センサ102、光学センサ103、周囲温度センサ104、皮膚温度センサ106、および運動センサ105から信号を受信して、ユーザに関連した生体測定データを算出する。
【0027】
計算モジュール402は、GSRセンサ102、光学センサ103、周囲温度センサ104、運動センサ105、皮膚温度センサ106を含む、デバイス100内に格納された各センサから情報を受信し、生体測定データを計算してユーザに表示する。例えば、光学センサ103によって測定された血流速度に基づいて、計算モジュール402は、ユーザの心拍数、心拍間隔の変動、呼吸数、心拍間隔の大きさ、および心拍間隔のコヒーレンスを計算することができる。一実施形態では、血流の計測からの心臓の拍動の検出に基づいて、プロセッサは、拍間の間隔の自然の変動(natural variance)を計算する。自然の変動は、ユーザの呼吸数に対応し、計算モジュール402によって算出される。一実施形態では、計算モジュール402は、心臓の拍動の間隔が変わる範囲を計算する。計算した変動の大きさは、以下のもの、すなわち、心臓血管のパラメータ、感情喚起の度合い、ストレス事象の発生、およびストレス事象の度合いのうちの1つまたは複数の評価における成分としてユーザに表示されてもよい。一実施形態では、計算モジュール402は、規則性について心拍の変動を解析する。例えば、計算モジュール402は、最大間隔の心拍と最小間隔の心拍の間で心拍数が規則的に変化するか、または移行が不安定であるか判定する。一実施形態では、計算モジュール402は、運動センサ105によって与えられる情報に基づいて、デバイス100を着用しているユーザの距離および速度を計測する。例えば、距離は、歩数と歩長の評価の組み合わせによって検出することができる。歩長などのパラメータは、デバイス上でまたは別のコンピューティングデバイスを介してユーザが直接与えることもでき、それによって、ネットワークインタフェースのデバイス220を介して、この情報を伝送して、デバイス上に保存される。加えて、計算モジュール402は、ユーザが移動する距離の決定時に、階段、走行、または他の活動の検出を考慮することもできる。同様に、ユーザの速度は、ユーザの移動の距離および時間によって決定されてもよい。時間のファクタは、活動期間、日、週などを含み得るが、それらに限定されない。
【0028】
運動緩和モジュール404は、光学センサ103によって取り込まれるデータの運動の衝撃を緩和させる。一実施形態では、運動緩和モジュール404は、ユーザの運動の加速度および方向の情報を含む、運動緩和センサ105からのデータを受信する。例えば、運動緩和モジュール404は、ユーザの運動によって引き起こされる組織の圧縮の広がりと方向を計測することができる。そのような一例では、運動緩和モジュール404は、組織圧縮のデータを使用して、光学センサ103によって取り込まれたデータを最適化する。
【0029】
ユーザ校正モジュール406は、デバイスのユーザに関連した皮膚の色素沈着、頭髪密度、および他のパラメータ、デバイスまたはユーザの周りの環境についての1つまたは複数のデータ流を受信する。このデータは、光学センサ103などのセンサによって取り込まれるデータを最適化するために、センサの動作のパラメータまたはデータが処理されるやり方を動的に調整するために使用される。例えば、ユーザの皮膚の色素沈着は、光学センサ103によって取り込まれるデータに影響を及ぼし得る。例えば、光エミッタ302から放出される光は、ユーザの皮膚の色素沈着に応じて種々の強度でユーザの皮膚から反射され得る。したがって、色素沈着オフセットモジュール408は、光学センサ103によって取り込まれるデータを最適化することによって、ユーザの皮膚の色素沈着を考慮する。加えて、皮膚の色素沈着モジュールはまた、光の反射特性における個人の他の変動源を考慮することもできる。一例では、ユーザ校正モジュール406は、ユーザの皮膚の色素沈着に基づいて、あるデータのアーチファクトまたは不具合を割り引くことができる。他の例では、ユーザ校正モジュール406は、光学センサユニット103内に格納される光エミッタ302の信号強度を増減させるために、マイクロコントローラにリクエストを送ることができる。ユーザの皮膚の色素沈着は、センサ306によって測定することができ、またはユーザの皮膚の色素沈着は、プロセッサ202に通信結合され、コンピューティングデバイス上のユーザによって入力することができる。
【0030】
ジオメトリオフセットモジュール408は、デバイス100内に格納される光エミッタ302およびセンサ306の幾何学的形状および間隔を考慮することにより、光学センサによって取り込まれるデータを最適化する。センサ306によって取り込まれるデータは、ユーザの身体組織内で光を通す光エミッタ302の個数および幾何学的形状に基づいて変化する。したがって、ジオメトリオフセットモジュール408は、光エミッタ302およびセンサ306の個数、モード、および幾何学的形状を考慮するために、光学センサによって取り込まれるデータを最適化する。
【0031】
ノイズオフセットモジュール410は、1つまたは複数のセンサから受信した信号を処理して、1つまたは複数のセンサで特定される信号ノイズを特定する。例えば、鋭い運動がある特定の時間に運動センサ105によって検出される場合、同時に光学センサ103によって検出されるピークは、ユーザの運動に起因するものであるので割り引かれ得る。別の実施形態では、ノイズオフセットモジュール410は、ユーザの心拍数に基づいて、光信号のピークを予期することができる。例えば、ユーザの心拍数が、毎分60個の心拍である場合、ノイズオフセットモジュール410は、光学センサ103によって検出される次の心拍が、毎分心拍40から80個の心拍数に対応する時間ウィンドウの間に生じることを算出することができる。そのような一例では、ノイズオフセットモジュール410は、光学センサ103を動的に調整して、特定の心拍数の範囲に対応するサンプルのセットに見出されるピークを特定することができ、それによってその間隔の外側に生じるピークを信号ノイズとして特定する。
【0032】
フィードバックモジュール412は、最適化したデータを生成してユーザに表示させる。一実施形態では、フィードバックモジュール412は、血流、血流周波数、ユーザ運動データ、皮膚の伝導率データ、皮膚および周囲温度のデータを含む最適化した生体測定データを受信し、1つまたは複数の形式でデータをユーザに与える。例えば、フィードバックモジュール412は、ユーザに提示するために、血流速度または流れの周波数のデータを心拍数データへ変換できる。同様に、フィードバックモジュール412は、ユーザに示すために、皮膚の伝導率データを活動レベルの指標としてストレスレベルおよび運動データの指標に変換できる。一例では、フィードバックモジュール412は、内部信号の較正、最適化、着用者への直接または間接のフィードバック、記憶、または伝送のために、データをほぼリアルタイムに1つまたは複数のセンサによって取り込まれるデータとして変換および提供する。本明細書に説明するように、ほぼリアルタイムのデータを取り込み、ほぼリアルタイムのデータを単一デバイス100上でユーザに表示することが、デバイスの利点である。取り込んだデータは、ユーザの目標、進捗、イベントにおける警告、ウェブサーバとの接続に対する警告、追加の情報、音声/視覚、または他のフィードバック、およびユーザとの通信に関するフィードバックを与えるために使用することができる。
【0033】
生体測定データを算出する方法
図5は、デバイス100内に格納される1つまたは複数のセンサから受信した信号に基づいてユーザの生体測定データを算出する方法を示す。一実施形態では、このプロセスは、GSRセンサ102から入力信号を受信する(502)。入力信号は、GSRセンサによって計測されるユーザの汗の濃度についての情報を含み得る。プロセッサ202は、ユーザの身体活動、感情喚起、または他の伝導率が変化する事象に関連した状態を特定することができる。
【0034】
この方法は、周囲温度センサ104からの入力信号、および皮膚温度センサ106からの入力信号505も受信する(504)。入力信号は、皮膚温度センサ106によって局所的に計測されたユーザの皮膚温度、およびユーザの周りの周囲温度についての情報を含むことができる。ユーザの皮膚温度および周囲温度は、ユーザの活動レベル等などのユーザについての文脈データを特定するために使用することができる。
【0035】
この方法は、デバイス100内に格納される運動センサ105から入力信号を受信する(506)。運動信号は、ユーザの直線および回転の加速度、運動または位置、ならびにユーザの直線および回転のスピードまたは速度についての情報を含むことができる。加えて、この方法は、光学センサ103から入力信号を受信する(508)。入力信号は、ユーザの身体上のある位置における光学センサ103によるパルス計測に関連した情報を含んでもよい。
【0036】
一実施形態では、この方法は、1つまたは複数のセンサから受信した情報に基づいてユーザに関連した生体測定データを算出する(510)。例えば、この方法は、光学センサ103から受信した信号に基づいてユーザの脈拍数を算出する(510)。加えて、この方法は、信号ノイズであるように思われるセンサから受信した信号を割り引くことができる。例えば、この方法が、ユーザの心拍数が特定の範囲内にあると決定する場合、この方法は、対応する間隔内の信号ピークを特定することができ、および対応する間隔の範囲の外側の信号ピークを割り引くことができる。同様に、この方法が、運動センサから受信した信号に基づいて、鋭い動きを特定の時間で特定した場合、この方法は、同時に光信号のピークを割り引くことができ、ユーザの運動にそれが起因する。加えて、この方法は、光学センサ103によって受け取った反射光に影響を及ぼし得るユーザの皮膚の色素沈着のオフセットを含むことによってユーザの生体測定データ算出する(510)。加えて、この方法は、光の反射特性における個人の他の変動源を考慮することによってユーザの生体測定データを算出する(510)。この方法によって算出される生体測定データ(510)は、心拍数、皮膚温、周囲温度、心拍数の変動性測定値、血流速度、パルス酸素測定法、カロリーの燃焼速度または集計、活動レベル、歩数、ストレスレベル、血糖値、および血圧のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0037】
この方法は、算出した生体測定データをディスプレイに送信する(512)。このディスプレイは、デバイス100に格納されてもよく、またはデバイス100から遠隔に位置してもよい。
図2を参照して説明するように、生体測定データは、有線接続または無線接続を用いてディスプレイに送信されてもよく、ディスプレイが、ユーザの心拍数、皮膚温度、周囲温度、心拍数の変動性測定値、血流速度、パルス酸素測定法、カロリーの燃焼速度または集計、活動レベル、歩数、ストレスレベル、血糖値、および血圧を、表示インタフェースに与えることができるようになっている。
【0038】
さらなる構成の考慮事項
本明細書全体を通じて、複数の例が、単一の例として説明された構成要素、動作または構造を実現することが可能である。1つまたは複数の方法の個々の動作を別々の動作として例示および説明したが、個々の動作の1つまたは複数を同時に実行してもよく、動作は例示した順序に実行される必要はない。例示の構成における別個の構成要素として示した構造および機能は、組み合わせた構造または構成要素として実現することができる。同様に、単一の構成要素として示した構造および機能性を、別個の構成要素として実現してもよい。これらおよび他の変形、変更、追加および改善は本明細書の主題の範囲内である。
【0039】
いくつかの実施形態は、例えば
図3または
図4に示すように、論理、またはいくつかの構成要素、モジュールもしくは機構を含むものとして本明細書に記載される。モジュールは、ソフトウェアモジュール(例えば、機械可読媒体上または伝送信号中に具現化されるコード)を構成してもよいし、ハードウェアモジュールとして構成してもよい。ハードウェアモジュールは、いくつかの動作を実行可能な有形装置であり、あるやり方で構成または配置され得る。例示的な実施形態では、1つまたは複数のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン、クライアント、またはサーバコンピュータシステム)、またはコンピュータシステムの1つまたは複数のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサまたはプロセッサの一群)は、本明細書に記載したいくつかの動作を実行するように動作するハードウェアモジュールとして、ソフトウェア(例えば、アプリケーションまたはアプリケーション部分)により構成され得る。
【0040】
種々の実施形態では、ハードウェアモジュールは、機械的または電子的に実装されてもよい。例えば、ハードウェアモジュールは、いくつかの動作を実行するための、永久的に構成された専用回路または論理(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用プロセッサ)を含み得る。ハードウェアモジュールは、いくつかの動作を実行するための、ソフトウェアにより一時的に構成された(例えば、汎用プロセッサまたは他のプログラマブルプロセッサに包含される)プログラマブル論理または回路も含み得る。専用および永久的に構成された回路、または一時的に構成された(例えば、ソフトウェアにより構成された)回路において、ハードウェアモジュールを機械的に実施するための決定は、費用および時間を考慮してなされ得ることが理解されよう。したがって、例として、
図3および
図4に記載されたモジュールは、1つまたは複数のASICにおいて電子的に構造化することができる。
【0041】
さらに、用語「ハードウェアモジュール」は、あるやり方で動作するように、または本明細書に記載したいくつかの動作を実行するように、物理的に構築された、永久的に構成された(例えば、配線で接続された)、または一時的に構成された(例えば、プログラムされた)実在物である有体物を含有することを理解されたい。本明細書に用いられる場合、「ハードウェア実装モジュール」は、ハードウェアモジュールを指す。ハードウェアモジュールが一時的に構成された(例えば、プログラムされた)実施形態を考慮すると、ハードウェアモジュールの各々は、任意の一例において後に構成または例示される必要はない。例えば、ハードウェアモジュールがソフトウェアを用いて構成される汎用プロセッサを備えている場合には、汎用プロセッサは、様々な時間においてそれぞれが異なるハードウェアモジュールとして構成され得る。それ故、ソフトウェアはプロセッサを構成し、例えば、時間の異なる一例においてある特定のハードウェアモジュールを構成し、種々の時間の例において種々のハードウェアモジュールを構成する。
【0042】
ハードウェアモジュールは他のハードウェアモジュールに情報を送り、それからの情報を受信することができる。したがって、記載したハードウェアモジュールは通信可能に結合されるものとみなされ得る。そのようなハードウェアモジュールが複数同時に存在する場合には、ハードウェアモジュールを(例えば、適切な回路およびバスを通じて)接続する信号伝送を通じて通信が達成され得る。複数のハードウェアモジュールが様々な時間において構成、またはインスタンス化される実施形態では、そのようなハードウェアモジュール間の通信は、例えば、ストレージを通じて、および複数のハードウェアモジュールがアクセスするメモリ構造内に情報を記憶および取得することによって達成できる。例えば、1つのハードウェアモジュールが、動作を実行し、それが通信可能に結合するメモリデバイス内の動作の出力を記憶できる。次いで、さらなるハードウェアモジュールが、後の時間でメモリデバイスにアクセスして、記憶した出力を取得および処理できる。ハードウェアモジュールはさらに、入力デバイスまたは出力デバイスとの通信を起動し得、(例えば、情報の収集など)情報資源に対して動作を実行できる。
【0043】
本明細書に記載の例示の方法の様々な動作は、少なくとも部分的に、(例えば、ソフトウェアにより)一時的に構成された、または永久的に構成された1つまたは複数のプロセッサによって実行されて、関連動作を実行できる。一時的に構成されたか、永久的に構成されたかに関わらず、そのようなプロセッサは、1つまたは複数の動作または機能を実行するように動作するプロセッサが実装されたモジュールを構成し得る。本明細書に参照されるモジュールは、一部の例示的な実施形態では、プロセッサが実装されたモジュールを備える。
【0044】
同様に、本明細書に記載の方法は、少なくとも部分的にプロセッサにより実施され得る。例えば、方法の動作の少なくとも一部は、人またはプロセッサまたはプロセッサ実装ハードウェアモジュールにより実行され得る。動作のうちのいくつかの実行は、1つまたは複数のプロセッサ間で分配され得、単一機械内に存在するだけでなく、いくつかの機械にわたっても展開され得る。いくつかの例示的な実施形態では、1つまたは複数のプロセッサは(例えば、家庭環境内、オフィス環境内、またはサーバファーム(server farm)として)単一位置に設置されてもよいが、他の実施形態では、プロセッサはいくつかの位置にわたって分散されてもよい。
【0045】
1つまたは複数のプロセッサはまた、「クラウドコンピュータ」環境内の関連動作の実行をサポートするように、または「サービス型ソフトウェア」(SaaS)として動作し得る。例えば、少なくとも一部の動作は、(プロセッサを含む機械の例として)コンピュータの群により実行され得る。これらの動作はネットワーク(例えば、インターネット)を介して、および1つまたは複数の適切なインタフェース(例えば、アプリケーションプログラムインターフェース(API:application program interface))を介してアクセス可能である。
【0046】
動作のいくらかの実行は、1つまたは複数のプロセッサの間で分配されてもよく、単一の機械内に存在するだけでなく、いくつかの機械に展開されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、1つもしくは複数のプロセッサまたはプロセッサが実装されたモジュールは、(例えば、家庭環境、オフィス環境、またはサーバファーム内の)単一の地理的位置に設置されてもよい。他の例示的な実施形態では、1つまたは複数のプロセッサまたはプロセッサが実装されたモジュールは、いくつかの地理的位置にわたって分散されてもよい。
【0047】
本明細書のいくつかの一部は、機械メモリ(例えば、コンピュータメモリ)内のビットまたは2値デジタル信号として記憶されたデータに関する演算のアルゴリズムまたは記号的表現の観点から示される。これらのアルゴリズムまたは記号的表現は、その研究の実質を他の当業者に伝えるために、データ処理分野の当業者によって用いられる技法の例である。本明細書に用いられる場合、「アルゴリズム」は、所望の結果をもたらす演算または類似の処理の首尾一貫したシーケンスである。この文脈では、アルゴリズムおよび演算は、物理量の物理的処置を伴う。典型的には、そのような量は、必ずしもこれらに限らないが、機械による記憶、アクセス、転送、結合、比較、または他の処理の可能な電気信号、磁気信号、または光信号の形態をとり得る。主として共通使用の理由から、「データ」、「コンテンツ」、「ビット」、「値」、「要素」、「記号」、「文字」、「用語」、「数字」、「数詞」などの言葉を用いてそのような信号を示すことが場合によっては好都合である。ただし、これらの言葉は、単に好都合な名称であり、適切な物理量に関連するものである。
【0048】
他に明確に記載しない限り、「処理」、「計算」、「算出」、「決定」、「提示」、「表示」等などの言葉を用いた本明細書の記述は、1つもしくは複数のメモリ(例えば、揮発性メモリ、非揮発性メモリ、またはそれらの組み合わせ)、レジスタ、または情報を受信、記憶、伝送もしくは表示する他の機械部品内の(例えば、電子、磁気、または光学の)物理量として示されるデータを操作または変形する機械(例えば、コンピュータ)の作用またはプロセスを指し得る。
【0049】
本明細書に用いられる場合、「一実施形態」または「1つの実施形態」といった言い回しは、その実施形態との関連で記載された特定の要素、特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な位置に記載する句「一実施形態では」は、同一の実施形態を必ずしも全て指す訳ではない。
【0050】
一部の実施形態は、「結合される」および「接続される」という表現、さらにはこれらの派生語と共に説明され得る。例えば、いくつかの実施形態は、「結合される」という用語を用いて説明することによって、2つ以上の要素が直接物理的に接触または直接電気的に接触していることを示すことができる。しかし、「結合される」という用語は、2つ以上の要素が、互いに直接には接触していないが互いに協働または相互作用することも意味し得る。実施形態はこれらの文脈により限定されない。
【0051】
本明細書に用いられる場合、用語「備える、含む(「comprises」、「comprising」、「includes」、「including」)」、「有する(「has」、「having」)」、またはこれらのあらゆる他の変形語は、包括的な含有を含むように意図される。例えば、要素の列挙を含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの要素のみに限定されず、明示的に列挙されてない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に元々備えられている他の要素を含み得る。さらに、明確に逆に規定しない限り、「または」は含有を意味し、排他的な「または」を意味しない。例えば、条件「AまたはB」は、下記のいずれかの条件を満たす。すなわち、「Aが真であり(すなわち、存在している)、かつBが偽である(すなわち、存在していない)」、「Aが偽であり(すなわち、存在していない)、かつBが真である(すなわち、存在している)」、または「AおよびBが共に真である(すなわち、存在している)」である。
【0052】
加えて、本明細書の実施形態の要素および構成要素を説明するために、「a」または「an」を用いている。これは単に便宜上のためであり、本発明の範囲の一般的な意味を与えるためである。この記載は、1つのまたは少なくとも1つのものを包含するように読まれるべきであり、単数形は、それが複数を含意しないことが明らかでない限り、複数形も包含する。
【0053】
本開示を読むと、当業者は、デバイス内に格納される1つまたは複数のセンサによって取り込まれる生体測定データを最適化するためのシステムおよびプロセスについて、本明細書中の開示した原理を通じて、データを曲解する可能性がある行為および項目を説明することによって、いっそうさらなる追加の代替的な構造および機能の設計が理解されよう。このようにして、特定の実施形態および応用を例示および説明してきたが、開示した実施形態は、本明細書に開示した正確な構造および構成に限定されないことを理解されたい。当業者に明らかな様々な修正、変形、変更が、本明細書に開示した添付の特許請求の範囲に定めた精神および範囲から逸脱することなく、方法および装置の配置、動作、および細部になされてもよい。