(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、モバイルデバイス100の環境における1つまたは複数の光源から光情報を受信すること、受信された光情報をしきい値と比較することによって、モバイルデバイス100の特徴付けられる環境を判断すること、および特徴付けられる環境に基づいて、1つまたは複数の衛星信号を探索するための探索モードを開始することが可能なモバイルデバイス100の一例を示す。モバイルデバイス100は、屋内100−Aに位置してもよく、または屋外100−Bに位置してもよい。光源は、たとえば、ビル140の内部として
図1に示す照明設備150などの屋内ロケーションから与えられてもよい。追加または代替として、光源は屋外ロケーション160から与えられてもよい。一例では、屋外の光源は自然の光源を含み、屋内の光源は人工の光源を含む。屋外の光源の例は、太陽160と月とを含む。屋外の光源によって与えられる光情報は、たとえば1日のうちの時間および/または気象条件など、他の要因によって影響を受ける場合がある。モバイルデバイス100は、空が快晴であるのか、また曇りであるのかによって、異なる光情報を受信してもよい。屋内の光源の例は、白熱電球、蛍光灯、スタジオのランプ、キセノンランプおよびろうそくの炎など、人工の発生源を含む。屋内の光源の使用は、他の状況の中でも、1日のうちの時間によって決まる場合がある。たとえば、特定の環境における光の使用は、屋外に光があるのか、またはないのかによって決まる場合があり、これは1日のうちの時間からわかる場合がある。
【0016】
モバイルデバイス100は、たとえばセルラー電話、GPS受信機、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)など、またはそれらの何らかの組合せであってもよい。「モバイルデバイス」という用語は列挙するデバイス例に限定されないが、セルラーまたは他のワイヤレス通信デバイス、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)、個人情報マネージャ(PIM)、携帯情報端末(PDA)、ナビゲーション測位信号などのワイヤレス通信信号および/またはナビゲーション信号を受信することが可能なラップトップまたは他の好適なモバイルデバイスなどのデバイスを含むものとする。また、「モバイルデバイス」という用語は、衛星信号受信、支援データ受信、および/または位置に関係する処理が当該デバイスで発生するかパーソナルナビゲーションデバイス(PND)で発生するかにかかわらず、短距離ワイヤレス、赤外線、ワイヤライン接続、または他の接続などによってPNDと通信するデバイスをも含むものとする。また、「モバイルデバイス」は、インターネット、WiFi(登録商標)、または他のネットワーク180などを介してサーバ170との通信が可能であり、衛星信号受信、支援データ受信、および/または位置に関係する処理がモバイルデバイス100で発生するか、サーバ170で発生するか、またはネットワークに関連する別のデバイスで発生するかにかかわらず、ワイヤレス通信デバイス、コンピュータ、ラップトップなどを含むすべてのデバイスを含むものとする。上記の任意の動作可能な組合せも「モバイルデバイス」と見なされる。モバイルデバイスは、移動局(MS)と互換的に使用されてもよい。
【0017】
モバイルデバイス100は、その地理的位置を自律的に特定する機能を実装することができる。自律的位置特定アーキテクチャは、一般にモバイルベースの位置特定と呼ばれる。代替または追加として、モバイルデバイス100はその地理的位置を、ワイヤレスデバイスが通信中のワイヤレスネットワーク180における1つまたは複数の要素に関連して判断する機能を実装することができる。そのような増強された位置決定アーキテクチャは一般にモバイル支援の位置特定と呼ばれ、これはモバイル支援の実装またはモバイルベースの実装を含んでもよい。モバイルデバイス100は、位置支援情報を取得するために、たとえば
図1に示すセルラータワー110またはワイヤレスアクセスポイント130を介して、インターネットなどのネットワーク180にアクセスしてもよい。ネットワーク180はサーバ170に結合されてもよく、サーバ170は情報を記憶する他のデータベースに接続されてもよい。サーバ170は、たとえばネットワーク接続を備えた専用サーバでもよい。必要な場合、いくつかのサーバが使用されてもよい。専用サーバの一例は、Position Determination Entity(PDE)である。PDEは、1つまたは複数のSPS受信機とともに機能するシステム資源(たとえばサーバ)であり、SPSに関係する情報をモバイルデバイス100と交換することができる。モバイル支援では、PDEは信号捕捉プロセスを強化するために、SSP支援データをモバイルデバイス100に送信することができる。モバイルデバイス100は、擬似距離測定値などの情報をPDEに返送することができ、PDEはその後、モバイルデバイス100の位置を計算することができる。モバイルベースでは、モバイルデバイス100は計算した位置結果をPDEに送信することができる。サーバ170の別の例は分類サーバであり、これは、モバイルデバイス100がその特徴付けられる環境を判断することを支援するために提供されてもよい。分類サーバは、たとえば、モバイルデバイス100の特徴付けられる環境を分類するために、またはモバイルデバイス100がその判断を行うことを支援するために、情報を受信してこの情報を処理するように設計およびプログラムされたサーバまたはサーバのグループを備えてもよい。
【0018】
衛星測位システム(SPS)は、一般に、送信機から受信した信号に少なくとも部分的に基づいて、地球上または地球上空のエンティティのロケーションをそれらのエンティティが判断できるように配置された送信機のシステムを含む。そのような送信機は、一般に、設定された数のチップの反復する擬似雑音(PN)コードでマーキングされた信号を送信し、地上ベースの制御局、ユーザ機器、および/または宇宙ビークル上に配置されてもよい。特定の例では、
図1に示したように、そのような送信機は地球周回軌道衛星ビークル(SV)120上に配置されてもよい。たとえば、全地球測位システム(GPS)、Galileo、Glonass、またはCompassなどの全地球航法衛星システム(GNSS)のコンスタレーション中のSVは、(たとえば、GPSの場合のように各衛星について異なるPNコードを使用して、またはGlonassの場合のように異なる周波数上の同じコードを使用して)コンスタレーション中の他のSVによって送信されたPNコードとは区別可能なPNコードでマーキングされた信号を送信することができる。
【0019】
いくつかの態様によれば、本明細書で提示する技法は、SPSのためのグローバルシステム(たとえば、GNSS)に制限されない。たとえば、本願明細書で提供する技法は、たとえば、日本のQuasi−Zenith Satellite System(QZSS)、インドのIndian Regional Navigational Satellite System(IRNSS)、中国のBeidouなどの様々な領域システム、ならびに/あるいは1つまたは複数のグローバルおよび/または領域ナビゲーション衛星システムに関連付けること、または場合によってはそれらのシステムとともに使用することが可能である様々なオーグメンテーションシステム(たとえば、Satellite Based Augmentation System(SBAS))に適用すること、または場合によってはそれらのシステムにおいて使用することが可能である。限定ではなく例として、SBASは、たとえば、Wide Area Augmentation System(WAAS)、European Geostationary Navigation Overlay Service(EGNOS)、Multi−functional Satellite Augmentation System(MSAS)、GPS Aided Geo Augmented NavigationまたはGPSおよびGeo Augmented Navigationシステム(GAGAN)などのような、完全性情報、差分補正などを行う(1つまたは複数の)オーグメンテーションシステムを含んでもよい。したがって、本明細書で使用されるSPSは、1つまたは複数の全地球ナビゲーション衛星システムおよび/もしくは領域ナビゲーション衛星システム、ならびに/または、1つまたは複数の全地球補強システムおよび/もしくは領域補強システムの任意の組合せを含んでもよく、SPS信号は、SPS信号、SPS様の信号、および/またはそのような1つまたは複数のSPSに関連する他の信号を含んでもよい。
【0020】
モバイルデバイス100は位置判断のためにSPSと使用することに限定されず、本明細書で説明する位置判断技法は、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)など、セルラータワー110とフェムトセルとを含む様々なワイヤレス通信ネットワークに関連して、ワイヤレス通信アクセスポイント130から実装されてもよい。さらに、モバイルデバイス100は、セルラータワー110を介する様々なワイヤレス通信ネットワークを使用してワイヤレス通信アクセスポイント130から、または所望される場合、衛星ビークル120を使用して、衛星画像などのデータを取得するためにオンラインサーバにアクセスしてもよい。「ネットワーク」および「システム」という用語は、しばしば互換的に使用される。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時間分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)ネットワーク、Long Term Evolution(LTE)などであってよい。CDMAネットワークは、cdma2000、広帯域CDMA(W−CDMA(登録商標))などの1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)を実装することができる。cdma2000は、IS−95規格、IS−2000規格、およびIS−856規格を含む。TDMAネットワークは、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))、Digital Advanced Mobile Phone System(D−AMPS)、または何らかの他のRATを実装することができる。GSMおよびW−CDMAは、「3rd Generation Partnership Project」(3GPP)という名称の組織からの文書に記載されている。cdma2000は、「3rd Generation Partnership Project 2」(3GPP2)という名称の組織からの文書に記載されている。3GPPおよび3GPP2の文書は公に入手可能である。WLANは、IEEE802.11xネットワークでよく、WPANは、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE802.15xネットワーク、または他の何らかのタイプのネットワークであってもよい。本技法はまた、WWAN、WLAN、および/またはWPANの任意の組合せに関連して実装されてもよい。
【0021】
図2は、モバイルデバイス200のブロック図であり(モバイルデバイスは屋内100−Aに位置してもよく、または屋外100−Bに位置してもよい)、モバイルデバイス200が受信された光情報に少なくとも部分的に基づいて、SPS信号を受信するための探索モードを開始することができるシステムを示す。本明細書で使用する「SPS信号」という用語は、スードライト(pseudolites)またはスードライトの同等物からのSPS様の信号を含むものとする。
図2に示したように、モバイルデバイス200は画像センサ205を含んでもよい。1つの画像センサ205が図示されているが、モバイルデバイス200は、たとえばモバイルデバイス200の前面の1つとモバイルデバイス200の背面の1つなど、複数の画像センサを含んでもよい。画像センサ205は、光情報を受信すること、ならびに受信された光情報に対応する出力信号および/または値を作り出すことが可能な任意のデバイスであり得る。本明細書で使用する「光情報」という用語は、モバイルデバイス200の特徴付けられる環境を判断することに役立ち得る、画像センサ205で受信される、または画像センサ205から送信される任意の情報を含むものとする。画像センサ205の例はカメラと周囲光センサとを含み、それらはモバイルデバイス200に接続されてもよく、またはモバイルデバイス200の一部であってもよい。画像センサ205の他の例は、電荷結合デバイス(CCD)、CMOSカメラ、光検出器など、またはそれらの組合せを含んでもよい。画像センサ205は、可視光スペクトル、非可視光スペクトルなど、またはそれらの組合せにおいて信号を取り込むように構成することができる。
【0022】
一実施形態では、画像センサ205は、モバイルデバイス200の環境で、代替として光の色温度と呼ばれる光源の色温度を受信してもよい。本明細書で使用する「環境」は、たとえばカメラなどの画像センサ205が光を受け取るところからの空間の容積を含むものと解釈されてもよい。色温度は、可視光の特徴であり得る。光源の色温度は、その光源と同等の色相の光を放射する理想的な黒体放射体の温度であり得る。考えの黒体放射体からの熱放射の色温度は、他の光源が比較される基準であるため、通常はKelvin(K)で、その表面温度に等しいと定義され得る。理想的な黒体以外の発生源については、そこから放出される熱放射の色温度は、実際の表面温度と異なる場合がある。たとえば、白熱電球の光が熱源であってもよく、理想的な黒体放射体のものに近い可能性がある。しかしながら、蛍光灯などの多くの他の光源は、物体の温度を上昇させること以外のプロセスによって主に光を放出する。これらの発生源は、相関色温度(CCT)として知られているものに割り当てられてもよい。CCTは、人間の色知覚が、たとえばランプなどの光源からの光と最もぴったり一致する黒体放射体の色温度であり得る。色温度とCCTとは互換的に使用されてもよく、いずれかの用語の使用は、色温度およびCCTのいずれか、またはそれらの両方であると解釈され得る。
【0023】
別の実施形態では、画像センサ205は、モバイルデバイス200の環境で、光の色スペクトルを受信してもよい。他の実施形態は、RGB色座標からの情報と、XYZ色座標からの情報と、u,v色座標からの情報とを含んでもよい。一例では、画像はRGB色座標で取得されてもよく、RGB色座標はXYZ色座標系に変換されてもよく、さらにu,v座標系に変換されてもよく、さらにCCTに変換されてもよい。一例では、光源を判断するためにCCTが使用されるが、他の例では、RGB座標、XYZ座標、u,v座標など、またはそれらの組合せが使用されてもよい。
【0024】
別の実施形態では、画像センサ205は、モバイルデバイス200の環境で、光の強度を受信してもよい。一例では、強度はルクスで測定されてもよい。ルクスは照度の単位であり、人間の目によって知覚される、面に衝突する、または面を通過する光の強度の尺度として使用されてもよい。
【0025】
別の実施形態では、画像センサ205は色温度と強度の両方を受信してもよい。モバイルデバイス200は複数の画像センサを含んでもよく、たとえば第1の画像センサは色温度情報を受信してもよく、第2の画像センサは強度情報を受信してもよい。代替として、モバイルデバイス200は、たとえば色温度情報と強度情報の両方の光情報を受信するための単一の画像センサ205を含んでもよい。他の実施形態は、光の色スペクトル、RGB色座標、XYZ色座標およびu,v色座標を示す情報を代用してもよく、または追加で含んでもよい。たとえば、画像センサ205は、各々が周囲光の別個の色成分を感知するための3つの光検出器を含んでもよい。
【0026】
図2に示すように、モバイルデバイス200は、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、コンパスなど、またはそれらの組合せを含んでもよい運動センサ210を含んでもよい。運動センサ210は、所望される場合、圧力センサおよび高度センサなどの追加または代替のデバイスを含んでもよい。車両、自転車または車椅子のナビゲーションの場合、追加のセンサのタイプは車両走行距離計またはホイールティックセンサであってもよい。たとえば方向、回転、距離または高度の変化に関して運動情報を提供することによって運動の判断を支援し得るいずれのセンサも、運動センサと見なし得る。
【0027】
モバイルデバイス200は、アンテナ225を介して衛星測位システム(SPS)衛星120(
図1)から信号を受信するSPS受信機220を含む。モバイルデバイス200はまた、たとえば、アンテナ225を介してワイヤレスアクセスポイント130へ通信を送信すること、およびワイヤレスアクセスポイント130から通信を受信することが可能なワイヤレスネットワーク無線受信機および/または送信機であってもよいワイヤレストランシーバ215も含む。モバイルデバイス200はまた、セルラータワー110へ通信を送信すること、およびセルラータワー110から通信を受信することが可能な、ワイヤレストランシーバ215とは別の、またはその一部であるセルラーモデムを含んでもよい。さらに、モバイルデバイス200は位置支援情報を受信することができる。たとえば、サービング基地局は、ワイヤレストランシーバ215を介して位置支援情報をモバイルデバイス200に通信してもよい。モバイルデバイス200は、位置の固定を判断する場合に位置支援情報を利用することができるか、またはSPS信号を探索する際にSPS受信機220を支援するために、位置支援情報のうちのいくつかをSPS受信機220に通信することができる。位置支援情報は、モバイルデバイス200の位置を判断することを助け得る任意の情報を含んでもよく、例として、時間、年月日、おおよそのロケーション、太陽の角度、運動情報、気象情報、障害物情報、画像情報など、またはそれらの組合せを含む。他の実施形態では、位置支援情報は異なる発生源から受信されてもよく、たとえば年月日および時間情報はモバイルデバイス200から受信されてもよい。
【0028】
一例では、画像センサ205、運動センサ210、SPS受信機220およびワイヤレストランシーバ215は移動局制御230に結合され、それと通信してもよい。移動局制御230は、画像センサ205、運動センサ210、SPS受信機220およびワイヤレストランシーバ215からデータを受け付け、処理し、モバイルデバイス200の動作を制御する。移動局制御230は、プロセッサ235および関連するメモリ250、クロック245、ハードウェア260、ソフトウェア255ならびにファームウェア265によって与えられてもよい。モバイルデバイス局制御230はまた、画像センサ出力を受信するための手段と、受信された光情報に少なくとも部分的に基づいて、モバイルデバイス200の特徴付けられる環境を分類するための手段と、特徴付けられる環境に基づいて探索モードを開始するための手段とも含むことができる。一実施形態では、分類器240はプロセッサ235とは別に示されているが、他の実施形態では、分類器240はプロセッサ235内にあってもよい。分類器240は、モバイルデバイスの環境を判断するために必要に応じて機能を実行するのに役立ち、サーバ(たとえば分類サーバ)とともに機能してもよい。一実施形態では、分類器240は、画像センサ出力を受信するための受信モジュール285と、受信された光情報に少なくとも部分的に基づいて、モバイルデバイス200の特徴付けられる環境を分類するための分類モジュール290と、特徴付けられる環境に基づいて探索モードを開始するための開始モジュール295とを含み得る。 各々が1つまたは複数の集積回路として構成されてもよいモジュール(285、290および295)は、本明細書で説明する機能を実行するために、1つまたは複数のプロセッサ(たとえば分類器240)によって、または両方の組合せによって実行される命令をプログラミングすることが諒解されよう。いくつかの実施形態では、分類器240で受信された情報に基づいてモバイルデバイス200の特徴付けられる環境を判断する場合、時間情報、日付情報、おおよそのロケーション情報、気象情報、運動センサ情報など、またはそれらの組合せなどのしきい値が移動局制御で(たとえば分類器240で)調整されてもよい。
【0029】
本明細書で使用するマイクロプロセッサ235は、必ず含む必要があるというわけではないが、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、組込みプロセッサ、コントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)などを含むことができることを理解されよう。プロセッサという用語は、特定のハードウェアではなくシステムによって実装された機能について説明するものである。その上、本明細書で使用する「メモリ」という用語は、モバイルデバイス200に関連する長期メモリ、短期メモリ、または他のメモリを含む任意のタイプのコンピュータ記憶媒体を指し、いかなるメモリの特定のタイプまたはメモリの数、あるいはメモリが記憶される媒体のタイプにも限定されない。
【0030】
モバイルデバイス200はまた、移動局制御230と通信しているユーザインターフェース270を含み、たとえば、移動局制御230は、データを受け付け、ユーザインターフェース270を制御する。ユーザインターフェース270は、カメラによって生成された画像、ならびに制御メニューおよび位置情報を表示するディスプレイ275を含んでもよい。ユーザインターフェース270は、ユーザが情報をモバイルデバイス200に入力することができるキーパッド280またはその他の入力デバイスをさらに含む。一実施形態では、キーパッド280は、タッチスクリーンディスプレイなどのディスプレイ275に組み込まれてもよい。ユーザインターフェース270はまた、たとえば、モバイルデバイス200がセルラー電話であるとき、たとえば、マイクロフォンおよびスピーカを含んでもよい。
【0031】
本明細書で説明する方法は、適用例に応じて様々な手段によって実装されてもよい。たとえば、これらの方法は、ハードウェア260、ファームウェア265、ソフトウェア255、またはそれらの任意の組合せで実装されてもよい。ハードウェア実装の場合、処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明した機能を実行するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組合せの中で実装されてもよい。
【0032】
ファームウェアおよび/またはソフトウェア実装の場合、本方法は、本明細書で説明した機能を実行するモジュール(たとえば、プロシージャ、関数など)を用いて実装されてもよい。命令を有形に実施するいずれの機械可読媒体も、本明細書で説明する方法の実装において使用されてもよい。たとえば、ソフトウェアコードは、メモリ250に記憶され、プロセッサ235によって実行されてもよい。メモリ250は、プロセッサユニット内および/またはプロセッサユニット235の外部に実装されてもよい。本明細書で使用する「メモリ」という用語は、長期メモリ、短期メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、または他のメモリのいずれかのタイプを指し、いかなるメモリの特定のタイプまたはメモリの数、あるいはメモリが記憶される媒体のタイプにも限定されない。
【0033】
たとえば、本明細書で説明するように、ソフトウェアコード255はメモリ250に記憶され、プロセッサ235によって実行されてもよく、またプロセッサ235を実行させ、モバイルデバイス200の動作を制御するために使用されてもよい。メモリなどのコンピュータ可読媒体に記憶されるプログラムコードは、画像センサ出力値を判断するためのプログラムコードと、たとえば時間情報、日付情報、気象情報、おおよその位置情報、運動センサ情報など、または任意のそれらの組合せなどのモバイルデバイス200で受信された情報に基づいてしきい値を判断および/または調整するためのプログラムコードとを含んでもよい。さらに、コンピュータ可読媒体は、判断、調整されたしきい値、または所定のしきい値を、モバイルデバイス200で受信された画像センサ出力値と比較するためのプログラムコードを含んでもよい。加えて、コンピュータ可読媒体は、モバイルデバイス200の特徴付けられる環境のタイプを判断するためのプログラムコードを含んでもよい。さらに、コンピュータ可読媒体は、特徴付けられる環境に基づいて探索モードを開始するためのプログラムコードを含んでもよい。
【0034】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアで実装する場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されてもよい。例としては、データ構造で符号化されたコンピュータ可読媒体と、コンピュータプログラムで符号化されたコンピュータ可読媒体とを含む。コンピュータ可読媒体は、物理的コンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であってもよい。限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMもしくは他の光ディスク(disk)ストレージ、磁気ディスク(disk)ストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用され、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を備えてよく、本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。
【0035】
コンピュータ可読媒体上での記憶に加えて、命令および/またはデータは、通信装置中に含まれる伝送媒体上の信号として与えられてもよい。たとえば、通信装置は、命令とデータとを示す信号を有するトランシーバを含み得る。命令およびデータは、1つまたは複数のプロセッサに特許請求の範囲で概説する機能を実装させるように構成される。すなわち、通信装置は、開示した機能を実行するための情報を示す信号をもつ伝送媒体を含む。初めに、通信装置中に含まれる伝送媒体は、開示した機能を実行するための情報の第1の部分を含み得、次に、通信装置中に含まれる伝送媒体は、開示した機能を実行するための情報の第2の部分を含んでもよい。
【0036】
図3および
図4は、モバイルデバイス200の特徴付けられる環境を分類し、結果として生じる分類を使用して、モバイルデバイス200を制御し、より効率的に動作させ、それによってシステム資源を節約する方法の例示的な実施形態の簡略化したフローチャートである。
図3は一般的な用語でステップを示すフローチャートであり、
図4はより詳細なフローチャートである。本方法は、たとえば、
図1または
図2のモバイルデバイス上で実装することができる。
図3および
図4に示す動作は、たとえばモバイルデバイス200の中、または分類器240もしくはPDEなどのリモートサーバの中など、任意の適切な場所で実行されてもよい。
【0037】
本方法はブロック302で開始し、ここで光、年月日、時間、おおよそのロケーション、運動などを示す情報、またはそれらの何らかの組合せがモバイルデバイス200で受信される。一例として、この情報は、モバイルデバイス200でおおよその太陽の角度を判断するために使用されてもよい。太陽の角度、または太陽の角度を判断するために使用されるデータもまたサーバ170で判断され、モバイルデバイス200に送信されてもよい。別の例では、受信した情報は、モバイルデバイス200のおおよその環境で快晴である、または曇りであるなどの局所の気象情報を取得するために使用されてもよい。おおよそのロケーションはすでに知られているロケーション情報および/またはSPSの発生源、非SPSの発生源、もしくはそれらの何らかの組合せからのロケーション情報を含むことができ、例として、アクセスポイント130および/または基地局から受信された情報を含む。たとえば、おおよそのロケーションは、判断された太陽の角度がしきい値を調整し得る方法を判断することに役立ち得る。別の例では、モバイルデバイス200は自宅またはオフィスの光を制御するために使用されてもよく、したがって光情報はモバイルデバイス200に知られても、または提供されてもよい。
【0038】
情報を受信した後、モバイルデバイス200はブロック304に進み、そこでしきい値が調整されてもよい。本明細書で使用する「しきい値」は、それを満たした、または超過した場合に、たとえば探索モードを開始するなど、特定の方法でモバイルデバイス200を制御し得る値または範囲を含むと解釈され得る。本明細書で使用する「しきい値」は複数のしきい値を指してもよく、たとえば、しきい値は屋内しきい値および/または屋外しきい値を含み得る。屋内しきい値は、モバイルデバイス200が屋内の発生源150から光を受け取っているかどうかを分類するために使用されてもよく、屋外しきい値は、モバイルデバイス200が屋外の発生源160から光を受け取っているかどうかを判断するために使用されてもよい。人工の光源から受け取っていることはデバイスが屋内にあることを保証するものではなく、自然光から受け取っていることはデバイスが屋外にあることを保証するものではなく、むしろ、それは特定のロケーションにある確率の指標として使用され得る。いくつかの実施形態では、太陽の角度および/または気象条件情報は、しきい値を判断または調整するのに役立ち得る。たとえば、太陽の角度が低い値にあると判断される場合、モバイルデバイス200で受信される色温度および/または強度は、たとえば正午など、太陽の角度がより大きい場合と比べて、夜明けまたは夕暮れどきの間にはより低くなるので、モバイルデバイス200が屋外にある可能性が高いかどうかを判断するために使用されるしきい値を低くするのが妥当であり得る。昼光は、夜明け近くにはより低い色温度を、日中にはより高い色温度を有し得る。たとえば、日の出または日没の間の光の色温度は約2000Kであり得、正午の間の光の色温度は約5400Kであり得る。モバイルデバイス200の特徴付けられる環境、すなわち屋外か、または屋内かを判断するために使用されるしきい値は、相応に調整されてもよい。
【0039】
別の実施形態では、しきい値は、気象条件を示す情報に基づいて調整されてもよい。たとえば、曇り空の期間中の光の色温度は約6000Kであり得るが、快晴の期間中の光の色温度は約5400Kであり得る。加えて、明るい日光の照度は約110,000ルクスであり得るが、一般的な曇りの日の照度は約1,000〜25,000ルクスであり得る。いくつかの実施形態では、特徴付けられる環境を判断するためのしきい値は、太陽の角度と気象条件の両方に基づいて調整されてもよい。
【0040】
別の実施形態では、しきい値はまた、以前に記憶された位置情報、画像情報または光情報に少なくとも部分的に基づいて調整されてもよい。以前に記憶された画像情報は、電力およびメモリの節約のために低解像度の記憶された画像を使用することを備えてもよい。別の実施形態では、しきい値はまた運動情報に少なくとも部分的に基づいて調整されてもよい。
【0041】
しきい値を調整した後、モバイルデバイス200はブロック306に進み、そこでモバイルデバイス200は特徴付けられる環境を判断する。特徴付けられる環境は、モバイルデバイス200が特定のロケーションにある確率または可能性を表してもよい。モバイルデバイスの実際の環境は、特徴付けられる環境とは異なる場合がある。たとえば、モバイルデバイス200は屋内であっても、野外がはっきりと見える窓に近接している場合がある。環境は屋内であり得るが、そのような状況での特徴付けられる環境は屋外であり得る。一実施形態では、判断または調整されたしきい値は、受信された光情報と比較される。画像センサ205は環境から光情報を受信し、受信された光情報に対応する分類器に出力信号を送信してもよい。多くのタイプの特徴付けられる環境が分類され得る。一例では、分類は屋内、屋外、静止、移動、都市、郊外、田舎、屋内の奥の方、屋内の中央、窓の近くの屋内、明るい、暗い、障害がある、障害がない、トンネルの入口、トンネルの出口など、またはそれらの組合せを含んでもよい。分類は、記載したものに加えて特徴付けられる環境を含んでもよい。たとえば、例として明るいと暗いが上記に記載されているが、分類は最も暗いから最も明るいにまでわたる複数のレベルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、調整されたしきい値は、たとえばサーバ170などのネットワークエンティティで、受信された光情報と比較される。
【0042】
一例では、トンネルの入口とトンネルの出口は、ある時点で、またはある時間期間にわたって受信された光情報に少なくとも部分的に基づいて判断されてもよい。別の例では、運動情報などの位置支援情報が同様に使用されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、しきい値(複数可)はあらかじめ決定されていてもよく、したがって、あらかじめ決定された値に基づいて特徴付けられる環境のタイプが判断されてもよく、すなわちこの場合、しきい値は調整されない。表1は、色温度に基づいて、モバイルデバイス200の環境における光源を判断するためにアクセスされ得るデータの例を示す。
【表1】
【0044】
表1:色温度および対応する光源
表2は、照度に基づいて、モバイルデバイス200の環境における光源を判断するためにアクセスされ得るデータの例を示す。
【表2】
【0045】
表2:照度および対応する光源
別の実施形態では、モバイルデバイス200は、特定のアクセスポイントのカバレージエリアにわたる統計値、特定の領域にわたる統計値など、またはそれらの組合せに基づいて、ある環境の光のレベルを自己学習および/または予想してもよい。一実施形態では、統計値はネットワークエンティティ(たとえばサーバ170)からアクセスされ、モバイルデバイス200に与えられてもよい。
【0046】
別の実施形態では、所与の環境における標準的な照明のプロファイルは、観測され、ロケーションにタグ付けされ、モバイルデバイスに記憶されてもよいので、将来のある時点で、この記憶された光情報プロファイルを後で受信された光情報と比較することができる。日付スタンプもまた、履歴光情報を記録するために使用されてもよい。次いで、モバイルデバイス200は、光情報の品質を比較して、それが過去に観測されたものと類似しているかどうかを判断してもよく、したがって、デバイスがその同じロケーションにあるいくらかの確率を相関させてもよい。
【0047】
別の実施形態では、たとえば前に面したカメラと後ろに面したカメラなどの2つ以上の画像センサ205を備えたモバイルデバイス200はまた、どのカメラが有用な情報をもたらしたのかに関する情報を記憶してもよい。たとえば、平坦な面に置かれたモバイルデバイスは、上に向けられたカメラから有益な情報を得る場合があり、一方で下に向けられたカメラはほとんど光を受け取っていない。これは、モバイルデバイス200が静止しており、屋内にある特定の確率を有する表示として使用されてもよく、したがってデバイスは特定の探索モードを開始することができる。さらに、デバイスは、モバイルデバイス200がその最後の位置の固定から移動した可能性を判断するために、上向きの画像を以前の上向きの画像と、またはその(より解像度の低い)デシメートされたバージョンと相関させてもよい。この相関プロセスは、エッジ検出、差分復号など、またはそれらの組合せなどの画像処理の技術分野でよく知られている技法とともに行われてもよい。モバイルデバイス200は移動している可能性が低い場合、記憶された上向きの写真の時間に関連して、以前の位置の固定を現在の位置として割り当ててもよい。同様に、モバイルデバイス200は、以前の位置の固定をさらなるロケーション更新のための初期位置として使用してもよい。すべての上向きの写真は反復可能ではない場合があるので、モバイルデバイス200が非常に類似した写真の特徴を備えた環境に移動している場合、モバイルデバイス200は、たとえば、他の可能な位置を再度追跡して、見つけ出すために、別の論理を実装してもよい。固定されたカメラの上向きの性質はまた、特定の方向で重力を検出する加速度計とともに確認され得る。そのような場合、モバイルデバイス200は、そのような加速度計情報に基づいて上向きのカメラを選択し、次いで画像処理技法を適用して、屋内にある、および/または変更されていない位置にある可能性を判断してもよい。
【0048】
随意に、分類における信頼レベルまたは信頼区間は、たとえば0から1の尺度で判断されてもよい。信頼レベルは、上記に記載したものなど、入手可能なタイプのデータ測定値とそこから入手可能な情報の任意の組合せに基づいてもよい。
【0049】
別の実施形態では、一旦特徴付けられる環境が判断されると(または光情報が受信されると)、この情報は、モバイルデバイス200の他の動作(たとえば、ユーザエクスペリエンス動作など)を開始するための入力として使用されてもよい。たとえば、モバイルデバイス200は、特徴付けられる環境に応じて、そのスピーカ(複数可)の振幅を変更してもよい。モバイルデバイス200はまた、たとえば財布またはポケットの中にあると特徴付けられる場合、ボイスメールに行く前により長くベルが鳴ってもよい。別の実施形態では、モバイルデバイス200はまた、特徴付けられる環境に応じて、ディスプレイ275に表示されるアプリケーションを改造(たとえば、削除、追加、並べ替え、またはフォント変更)してもよい。たとえば、いくつかのアプリケーションは、屋外環境対屋内環境において、または暗い環境対明るい環境において、有用性が高くなることも、または低くなることもある。暗い環境では、モバイルデバイスのLEDが懐中電灯として使用されてもよい。明るい環境では、そのようなアプリケーションは有用な可能性が低い。同様に、人は屋内にいる間、典型的なオフィスアプリケーションを使用する可能性がより高い場合があるが、一方で屋外にいる間、ナビゲーションや電話機能などの移動型のアプリケーションを使用する可能性がより高い。現在の気象情報は、ユーザが屋内にいる場合に最も有用である。ユーザは屋外にいる場合、おそらく気象をよく感知し、自分のモバイルデバイスに相談する必要はない。したがって、モバイルデバイスは、屋内の場合に、より目立つように現在の気象情報を表示してもよい。デバイスのオペレーティングシステム(移動局制御230)は、あらかじめ記憶された屋内対屋外のアプリケーション有用性基準に基づいてこの判断を行ってもよく、または判断はデバイスで実行される個々のアプリケーションによって行われてもよい。
【0050】
特徴付けられる環境を判断した後、モバイルデバイス200はブロック308に進み、ここで特徴付けられる環境のタイプの分類に基づいて、モバイルデバイス200はそのシステム資源を、位置を判断する際により効率的に使用する。一例では、SPS信号を探索するための探索モードは、制御信号をSPS受信機220に送信する分類器240によって開始されてもよい。たとえば、探索モードは屋内探索モードと、屋外探索モードと、一般探索モードとを備えてもよく、探索ウィンドウのサイズは調整されてもよい。明快のために、この例では3つの探索モードが示されているが、他の探索モードもまた実装されてもよい。
【0051】
一例として、屋内探索モードは、代替として擬似距離の探索空間を減少させることと呼ばれる探索ウィンドウのサイズを減少させること、および/または受信機の感度を高めることを備えてもよい。探索ウィンドウのサイズを減少させることは、周波数(ドップラーシフト)および/または符号位相(時間)を減少させることを備えてもよい。周波数および符号位相は、周波数軸上の不確定周波数と遅延軸上の不確定符号遅延の2次元空間を備える。SPS信号を捕捉するために、SPS受信機220は、1つまたは複数の探索ビン(bins)をスキャニングすることによって、SPS信号のための周波数および符号遅延を探索する。周波数および/または遅延の不確定性が大きい場合、この探索には時間がかかる場合がある。これは、信号対ノイズ比の向上のために必要な信号を得るために、SPS受信機220が探索ビンを進める前に、信号電力を蓄積する数秒の期間、一時停止する場合がある屋内環境で特に当てはまる場合がある。したがって、特に屋内の動作のために、周波数および遅延ウィンドウをできるだけ小さく維持することが有益である。探索ウィンドウのサイズを減少させることによって、信号をより大きな感度で探索することが可能になる。これによって、受信機220はその資源をより効率的に適用し、SPS信号をより長く探索することができるようになる。感度が高まることで、より多くのSPS信号とより高い収量を捕捉する確率によって精度を高めることができる。別の例では、屋内探索モードは、さらなるSPS探索を無効にすることを備えてもよい。たとえば、モバイルデバイス200が屋内環境で実質的にブロックされていることが判明する場合、広範な信号探索でハードウェア資源を無駄にすることを避けるために、さらなる探索はしばらくの間無効にされてもよい。別の例では、屋内探索モードは、弱い屋内のSPS信号を見つけようとするのではなく、WiFiアクセスポイントまたはWWAN基地局などのビーコン送信機を探索することを備えてもよい。これらの信号は一般的に衛星からのものよりも強く、したがって捕捉するための探索時間がより少なくて済む。別の例では、屋内探索モードは、モバイルデバイス200が敏速に移動している可能性が低いので、特徴付けられる環境が屋内である可能性が高い場合、より低い頻度で信号を探索すること(固定率を低下させること)を備えてもよく、その結果電力節約につながる。別の例では、屋内探索モードは、モバイルデバイス200があまり動的ではない環境にある可能性が高いために、低電力通信モードを開始することを備えてもよい。そのような場合、モバイルデバイスは温度変化が少ないことによって引き起こされる発振器誤差、ならびにデバイスの運動による信号での少ないドップラーシフトを観測し得、したがって信号探索処理において増加したコヒーレント積分から利益を得ることができる。コヒーレント積分を増加させることは感度を向上させるだけでなく、ドップラー応答を狭める場合もあり、しばしば複数のドップラービンの探索を必要とする。これは、位置特定技術に適用されるが、同様に通信信号の探索に容易に適用可能である。
【0052】
別の例では、屋内探索モードは、慣性ナビゲーションモードを備えてもよい。例示的な慣性ナビゲーションモードでは、モバイルデバイスの特徴付けられる環境が、たとえばトンネルの入口であると判断される場合、運動センサ210は、モバイルデバイス200の位置、方向および/または速度(方位および/またはスピード)を判断するために、高出力および/または高周波数モードに持ち込まれてもよい。一例では、高出力および/または高周波数モードは、1秒間に10回とは対照的に、1秒間に100回運動情報を受信することを備える。慣性ナビゲーションモードは、SPS信号をより少ない頻度で探索すること、またはSPS信号の探索を無効にすることを備えてもよい。光情報が、特徴付けられる環境がトンネルの出口であると判断する場合、以下で説明する屋外探索モードまたは一般探索モードが開始されてもよい。
【0053】
一例として、屋外探索モードは、探索ウィンドウのサイズを増加させることを備えてもよい。たとえば、モバイルデバイス200が、その環境が屋外であると判断する場合、デバイスは屋内とは異なる信号強度を見込む可能性が高く、また異なる予想スピード範囲(および、したがってデバイスの運動によって引き起こされるドップラーシフト)をも有し得る。したがって、探索ウィンドウは、信号をより広く、および/または、より少ない感度で探索するように調整されてもよい。別の例では、屋外探索モードは、WiFiアクセスポイントまたはWWAN基地局などのビーコン送信機を探索する前に、SPS信号を探索することを備えてもよい。別の例では、屋外探索モードは、SPS信号をより頻繁に探索すること(固定率を増加させること)を備えてもよい。
【0054】
一例として、一般探索モードは、信号が高められた感度で広く探索され得る、広く、深い方法を使用してSPS信号を探索することを備えてもよい。
【0055】
図4は、モバイルデバイス200の特徴付けられる環境を分類し、結果として生じる分類を使用して、モバイルデバイス200を制御し、より効率的に動作させ、それによってシステム資源を節約する方法の例示的な実施形態の簡略化したフローチャートである。
【0056】
本方法は、ブロック402で開始し、位置支援情報がモバイルデバイス200で受信され得る。位置支援情報は、しきい値を判断、または調整するために有用な情報であり得、たとえば、位置支援情報は年月日情報および時間情報404、ロケーション情報など、またはそれらの組合せを備えてもよい。位置支援情報は、ローカルメモリ250、サーバ170、またはそれらの何らかの組合せから与えられてもよい。位置支援情報を受信した後、モバイルデバイス200は太陽の角度412を判断してもよい。代替として、太陽の角度はサーバで判断されてもよい。別の実施形態では、気象情報416は位置支援情報の一部として受信されるか、または位置支援情報が受信された後でアクセスされる。
【0057】
本方法はブロック420に進み、そこで受信された位置支援情報、または、たとえば太陽の角度412などの位置支援情報に基づいて判断された値に基づいて、しきい値が判断または調整される。しきい値は、ローカルメモリ250またはサーバ170(またはサーバによってアクセスされるデータベース)に記憶されてもよい。
【0058】
ブロック424で、光情報がモバイルデバイス200で受信され、このことは、モバイルデバイス200が位置支援情報を受信するのと同時に、その前に、またはその後で生じてもよい。モバイルデバイス200は、画像センサ205を使用して光情報を受信してもよい。
【0059】
しきい値が判断され(420)、光情報が受信された(424)後、本方法は決定ブロック428に進み、そこで、屋外しきい値が屋外である範囲を超えているのか、またはその範囲内にあるのかを判断するために、屋外しきい値が受信された光情報と比較される。一実施形態では、比較はモバイルデバイス200で生じる。他の実施形態では、比較はネットワークエンティティ(たとえばサーバ170)で生じ、他の実施形態では、比較の一部はモバイルデバイス200で生じ、比較の一部はネットワークエンティティで生じる。測定された光情報が屋外しきい値を超える場合、モバイルデバイス200が屋外にあることを示しており、本方法はブロック432に進み、そこで屋外探索モードを使用してSPS信号が探索される。屋外探索モードでSPS信号を探索した後、モバイルデバイス200は衛星が発見されたかどうかを判断するために、決定ブロック436に進む。
【0060】
衛星が発見された場合、モバイルデバイス200は、SPS受信機220がロケーションの固定のための十分な測定値を有するかどうかを判断するために、決定ブロック440に進む。他の実施形態では、決定ブロック440は、サーバがロケーションの固定のための十分な測定値を有するかどうかを判断する。ロケーションの固定のための十分な測定値が存在する場合、位置が判断される(444)。しかしながら、ロケーションの固定のための十分な測定値が見つからない場合、モバイルデバイス200は、弱い信号が存在するかどうかを判断するために決定ブロック448に進む。弱い信号が存在する場合、モバイルデバイス200はブロック452に進み、そこで屋内探索モードを使用してSPS信号が探索される。屋内探索モードでSPS信号を探索した後、モバイルデバイス200は衛星が発見されたかどうかを判断するために、再び決定ブロック436に進む(この決定ブロックでの対応する方法については上記の説明を参照されたい)。しかしながら、弱い信号が存在しない場合、モバイルデバイス200はブロック456に進み、そこで一般探索モードを使用してSPS信号が探索される。一般探索モードでSPS信号を探索した後、モバイルデバイス200は衛星が発見されたかどうかを判断するために、再び決定ブロック436に進む(この決定ブロックでの対応する方法については上記の説明を参照されたい)。一般に、衛星が発見された場合、モバイルデバイス200は、ロケーションの固定のための十分な測定値が存在するかどうかを判断するために、決定ブロック440に進む。ロケーションの固定のための十分な測定値が存在する場合、位置が判断される(444)が、衛星が発見されなかった場合、一般探索モードを使用して再びSPS信号が探索される。
【0061】
決定ブロック436で衛星が発見されなかった場合、モバイルデバイス200はブロック456に進み、そこで一般探索モードを使用してSPS信号が探索される。一般探索モードでSPS信号を探索した後、モバイルデバイス200は衛星が発見されたかどうかを判断するために、決定ブロック436に進む(この決定ブロックでの対応する方法については上記の説明を参照されたい)。
【0062】
決定ブロック428で、測定された光情報が屋外しきい値を超えない場合、本方法は決定ブロック460に進む。決定ブロック460で、屋内しきい値を超えるかどうかを判断するために、屋内しきい値は受信された光情報と比較される。測定された光情報が屋内しきい値を超える場合、モバイルデバイス200が屋内にあることを示しており、本方法はブロック452に進み、そこで屋内探索モードを使用してSPS信号が探索される。屋内探索モードでSPS信号を探索した後、モバイルデバイス200は衛星が発見されたかどうかを判断するために、決定ブロック436に進む(この決定ブロックでの対応する方法については上記の説明を参照されたい)。
【0063】
決定ブロック460で、測定された光情報が屋内しきい値を超えない場合、本方法はブロック456に進み、そこで一般探索モードを使用してSPS信号が探索される。一般探索モードでSPS信号を探索した後、モバイルデバイス200は衛星が発見されたかどうかを判断するために、決定ブロック436に進む(この決定ブロックでの対応する方法については上記の説明を参照されたい)。
【0064】
方法またはプロセスにおける様々なステップまたは行為は、示された順序で実行されてもよく、または別の順序で実行されてもよい。さらに、1つまたは複数のプロセスまたは方法ステップが省略されてもよく、または1つまたは複数のプロセスまたは方法ステップが方法およびプロセスに追加されてもよい。追加のステップ、ブロック、またはアクションは、方法およびプロセスの開始、終了、または介在する既存の要素に追加されてもよい。
【0065】
開示した実施形態の上記の説明は、当業者が本開示を作成または使用できるように与えられるものである。これらの実施形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用されてもよい。したがって、本開示は、本明細書で示した実施形態に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
探索モードを開始する方法であって、
モバイルデバイスの環境に基づいた光情報を受信することと、
前記受信された光情報をしきい値と比較することによって、前記モバイルデバイスの特徴付けられる環境を判断することと、
前記特徴付けられる環境に基づいて前記探索モードを開始することとを備える、方法。
[2]
前記光情報が、色温度または照度のうちの少なくとも1つを示す情報を備える、[1]に記載の方法。
[3]
前記特徴付けられる環境を判断することが、屋内、屋外、静止、移動、都市、郊外、田舎、屋内の奥の方、屋内の中央、窓の近くの屋内、暗い、明るい、障害がある、障害がない、トンネルの入口またはトンネルの出口のうちの少なくとも1つを備える、[1]に記載の方法。
[4]
前記特徴付けられる環境が屋内の環境であると判断することが、前記光情報が人工の光源から受信されたと判断することを備える、[1]に記載の方法。
[5]
前記特徴付けられる環境が屋外の環境であると判断することが、前記光情報が自然の光源から受信されたと判断することを備える、[1]に記載の方法。
[6]
前記しきい値があらかじめ決定された値を備える、[1]に記載の方法。
[7]
前記探索モードが、屋内探索モード、屋外探索モードまたは一般探索モードのうちの少なくとも1つを備える、[1]に記載の方法。
[8]
位置支援情報を受信することと、
前記しきい値を前記受信された位置支援情報に基づいて調整することとをさらに備える、[1]に記載の方法。
[9]
前記受信された位置支援情報が、時間、日付、太陽の角度、運動情報、ロケーション情報または気象情報のうちの少なくとも1つを示す情報を備える、[8]に記載の方法。
[10]
前記しきい値を調整することが、特定の領域にわたり以前に受信された光情報に基づいた、記憶されたしきい値を使用することを備える、[8]に記載の方法。
[11]
前記しきい値を調整することが、屋外しきい値を調整することを備える、[8]に記載の方法。
[12]
前記調整された屋外しきい値を超える場合、屋外探索モードを開始する、[11]に記載の方法。
[13]
前記屋外探索モードが、探索ウィンドウを広げること、または受信機の感度を低下させることのうちの少なくとも1つを備える、[12]に記載の方法。
[14]
前記調整された屋外しきい値を超えない場合、屋内しきい値を超えるかどうかを判断する、[11]に記載の方法。
[15]
前記しきい値を調整することが、屋内しきい値を調整することを備える、[8]に記載の方法。
[16]
前記屋内しきい値を超える場合、屋内探索モードを開始する、[15]に記載の方法。
[17]
前記屋内探索モードが、探索ウィンドウを狭めること、または受信機の感度を高めることのうちの少なくとも1つを備える、[16]に記載の方法。
[18]
前記屋内探索モードがビーコン送信機を探索することを備える、[16]に記載の方法。
[19]
前記屋内探索モードが慣性ナビゲーション探索モードを備える、[16]に記載の方法。
[20]
前記屋内しきい値を超えない場合、一般探索モードを開始する、[15]に記載の方法。
[21]
前記一般探索モードが、探索ウィンドウを広げること、または受信機の感度を高めることのうちの少なくとも1つを備える、[20]に記載の方法。
[22]
前記特徴付けられる環境に基づいてユーザエクスペリエンス動作を開始することをさらに備える、[8]に記載の方法。
[23]
前記ユーザエクスペリエンス動作が、前記モバイルデバイスのディスプレイ上のアプリケーションを変更することを備える、[22]に記載の方法。
[24]
光情報を受信するように構成された画像センサと、
前記受信された光情報をしきい値と比較することによって、前記モバイルデバイスの特徴付けられる環境を判断し、
前記特徴付けられる環境に基づいて探索モードを開始するように構成された、前記画像センサに結合された分類器と、
前記開始された探索モードに基づいてSPS信号を探索するように構成された、前記分類器に結合されたSPS受信機とを備える、モバイルデバイス。
[25]
前記光情報が、色温度または照度のうちの少なくとも1つを示す情報を備える、[24]に記載のモバイルデバイス。
[26]
前記探索モードが、屋内探索モード、屋外探索モードまたは一般探索モードのうちの少なくとも1つを備える、[24]に記載のモバイルデバイス。
[27]
前記分類器に結合されたワイヤレストランシーバをさらに備え、前記ワイヤレストランシーバが、位置支援情報を受信し、前記分類器に前記しきい値を調整させるように構成された、[24]に記載のモバイルデバイス。
[28]
前記位置支援情報が、時間、日付、太陽の角度、運動情報、ロケーション情報または気象情報のうちの少なくとも1つを備える、[27]に記載のモバイルデバイス。
[29]
前記分類器に結合されたメモリをさらに備え、前記分類器が、前記メモリから位置支援情報を受信し、前記受信された位置支援情報に基づいて前記しきい値を調整するように構成された、[24]に記載のモバイルデバイス。
[30]
前記分類器に結合された運動センサをさらに備え、前記分類器が、前記運動センサから運動情報を受信し、前記運動情報に基づいて前記しきい値を調整するように構成された、[24]に記載のモバイルデバイス。
[31]
探索モードを開始するための装置であって、
モバイルデバイスの環境における光情報に基づいた画像センサ出力値を受信するための手段と、
前記受信された光情報をしきい値と比較することによって、前記モバイルデバイスの特徴付けられる環境を判断するための手段と、
前記特徴付けられる環境に基づいて前記探索モードを開始するための手段とを備える、装置
[32]
受信された位置支援情報に基づいて前記しきい値を調整するための手段をさらに備える、[31]に記載の装置。
[33]
プロセッサによって実行されたとき、探索モードの開始を実行する、符号化された1つまたは複数のプロセッサ可読命令を有する非一時的記憶媒体記憶媒体であって、前記命令が、
画像センサ出力値を判断するための命令と、
前記画像センサ出力値をしきい値と比較することによって、モバイルデバイスの特徴付けられる環境を判断するための命令と、
前記特徴付けられる環境に基づいて前記探索モードを開始するための命令とを備える、非一時的記憶媒体記憶媒体。
[34]
位置支援情報に基づいて前記しきい値を調整するための命令をさらに備える、[33]に記載の非一時的記憶媒体。