(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態においては、ジャッキアップの対象物として、岸壁設備のアンローダ9の上部旋回体92(
図6参照)を例に示す。ただし、ジャッキアップの対象物はアンローダ9の上部旋回体92に限定されない。本発明は、重量物のジャッキアップであれば、対象物を限定することなく適用できる。
【0016】
<ジャッキアップ装置の構成>
まず、本発明の実施形態に係るジャッキアップ装置1の構成例について、
図1〜
図4を参照して説明する。
図1は、ジャッキアップ装置1の全体の構成例を模式的に示す外観斜視図である。
図2は、ジャッキアップ装置1の構成例を模式的に示す断面図であり、
図1のII−II線断面矢視図である。
図3(a)は、ジャッキアップ装置1の第一フレーム2の構成例を模式的に示す外観斜視図である。
図3(b)は、ジャッキアップ装置1の第一フレーム2の構成例を模式的に示す上面図である。
図4は、ジャッキアップ装置1の第二フレーム3の構成例を模式的に示す外観斜視図であり、(a)は上方から見た図、(b)は下方から見た図である。
【0017】
図1〜
図4に示すように、ジャッキアップ装置1は、第一フレーム2と、第二フレーム3と、ジャッキアップ用の複数(本発明の実施形態では4基)の第一ジャッキ11と、転倒防止用の複数(本発明の実施形態では4基)の第二ジャッキ12とを含んで構成される。第一フレーム2は、アンローダ9の架台91(基礎部。すなわちジャッキアップ対象物が設置された地上側の構造物。
図6参照)に取り付けて使用される。第二フレーム3は、アンローダ9の上部旋回体92(ジャッキアップ対象物。
図6参照)に取り付けて使用される。第一フレーム2と第二フレーム3とは別体に形成されており、上下方向(ジャッキアップ・ジャッキダウン方向)に、スライド式に相対的に変位可能である。第一フレーム2および第二フレーム3は、いずれも複数の棒状の部材の組み合わせ構造を含んで構成される。説明の便宜上、第一フレーム2と第二フレーム3を構成する各部材について、水平方向に延伸するように設けられる棒状の部材を『横材』と称し、垂直方向に起立するように設けられる棒状の部材を『縦材』と称する。
【0018】
第一フレーム2は、複数の縦材と横材を組み合わせて形成される構造体を有し、全体として略直方体形状の籠状の構成を有する。複数の縦材と横材とは、例えば溶接やネジ止めなどによって一体に接合されている。そして、第一フレーム2には、第二フレーム3をガイドするガイド部21と、ガイド部21や第一ジャッキ11を支持する下枠部22とが設けられる。
【0019】
ガイド部21は、上面視において四角形状の額縁状に形成される。なお、四角形以外の多角形状であってもよい。そしてガイド部21は、第二フレーム3の外側を囲むことによって、第二フレーム3が位置ずれや傾斜しないようにガイドする。ガイド部21を形成する4本の横材には、例えば角形鋼(角型鋼管)が適用される。ガイド部21を形成する4本の横材のうち、互いに平行な2本の横材(以下、『第一横材211』と称する)の両端部近傍の下面には、第二ジャッキ12の上端部が当接する第二受部25が設けられる。第二受部25には、例えば所要の厚さの鋼板などからなる受板251が接合される。また、第一横材211は、全長にわたって一本の棒状の部材により形成される。これに対して残りの2本の横材(以下、『第二横材212』と称する)は、それぞれ2本の棒状の部材が長さ方向に突き合わされて接合されている。
【0020】
下枠部22も、ガイド部21と同様に、上面視において四角形状の額縁状に形成される。下枠部22の四隅部(多角形状の角部)には、上方に向かって突出する複数(本発明の実施形態では4本)の縦材(以下、『第一縦材23』と称する)が設けられている。そして、これら4本の第一縦材23の上端部にガイド部21が接合されている。
【0021】
下枠部22を形成する4本の横材のうち、互いに平行な2本の横材であって、第一横材211に平行な横材(以下、『第三横材221』と称する)の両端部近傍には、第一ジャッキ11を載置する第一載置部24が設けられる(
図2、
図3参照)。第三横材221には、例えばH形鋼またはI形鋼が適用される。また、第三横材221は、全長にわたって一本の棒状の部材により形成される。残りの2本の横材であって、第二横材212に平行な横材(以下、『第四横材222』と称する)は、それぞれ2本の棒状の部材が長さ方向に突き合わせて接合されている。第四横材222には、例えば角形鋼(角型鋼管)が適用される。また、下枠部22の四隅部に設けられる4本の第一縦材23にも、例えば角形鋼(角型鋼管)が適用される。
【0022】
各々の第三横材221の両端部近傍(換言すると、第一縦材23の近傍)の上面には、第一ジャッキ11が載置される第一載置部24が設けられる(
図2、
図3参照)。すなわち、第一フレーム2の四隅部に、全部で4カ所の第一載置部24が設けられる。そして、第一載置部24は、上面視においてガイド部21に囲まれる領域の内側であって、かつ、ガイド部21の四隅部近傍に設けられる(特に
図3(b)参照)。例えば、第一載置部24が設けられる第三横材221と、その上方に平行に設けられる第一横材211とは、上面視において重畳しないように、互いにずれた位置に設けられる。
【0023】
なお、第一載置部24には、所要の厚さの鋼板などからなる補強板241が設けられる。また、第三横材221の側面であって、第一載置部24の下方には、補強リブ201が設けられる。さらに、第三横材221の下面であって、第一載置部24の下方には、下方に向かって突出する支持脚202が設けられる。なお、支持脚202は、アンローダ9の架台91(基礎部)に接合でき、かつ、ジャッキアップ時の荷重を支えることができる構成であればよく、具体的な構成は限定されない。
【0024】
このように、第一フレーム2は、上面視においてそれぞれ四角形状の額縁状に形成されるガイド部21と下枠部22とを有する。ガイド部21の第一横材211の長手方向の寸法(
図3(b)における横方向寸法)と、下枠部22の第三横材221の長手方向寸法は、同じに設定される。一方、ガイド部21の第二横材212の長手方向寸法(
図3(b)における縦方向寸法)は、下枠部22の第四横材222の長手方向寸法よりも大きい寸法に設定される。このため、特に
図3(b)に示すように、ガイド部21の第二横材212と下枠部22の第四横材222とは、上面視において重畳する(
図3(b)においては、第四横材222は、第二横材212に隠れて見えない)。一方、第一横材211と第三横材221とは、上面視において互いにずれた位置に設けられる。特に、第一横材211は、上面視において下枠部22の第三横材221よりも外側に設けられる。
【0025】
第二フレーム3は、複数の縦材と横材とが組み合わされて形成される構造体を有する。特に
図4(a)(b)に示すように、第二フレーム3は、4本の縦材と、枠体32と、枠体32の下方に設けられる2本の横材とを有する。複数の縦材と横材とは、例えば溶接やネジ止めなどによって一体に接合されている。
【0026】
4本の縦材(以下、『第二縦材31』と称する)は、それらの下端部が第一ジャッキ11に下方から支持される。このため、4本の第二縦材31の下端部には、第一受部311が設けられる。第一受部311としては、例えば所要の厚さの鋼板が適用される。第二縦材31の上端部は、アンローダ9の上部旋回体92(ジャッキアップ対象物)の下面に接合される。
【0027】
枠体32は、上面視において四角形状の額縁状の構成を有する。そして、4本の第二縦材31は、枠体32の四隅部(多角形状の角部)に接合されている。換言すると、4本の第二縦材31は、枠体32によって一体に連結されている。枠体32を形成する4本の横材のうち、互いに平行な2本の横材であって、第一フレーム2の第一横材211および第三横材221に平行な横材(以下、『第五横材321』と称する)は、全長にわたって一本の棒状の部材により形成される。残りの2本の横材であって、第一フレーム2の第二横材212および第四横材222に平行な横材(以下、『第六横材322』と称する)は、それぞれ、2本の棒状の部材が長さ方向に突き合わされて接合されている。
【0028】
枠体32の下方には、さらに2本の横材(以下、『第七横材33』と称する)が設けられる。第七横材33は、上面視において、4本の第二縦材31と互いにずれた位置(重畳しない位置)に設けられる。具体的には、第七横材33は、第六横材322と平行で、かつ、上面視において第六横材322から枠体32の内側にずれた位置に設けられる。第七横材33の両端部は、上面視において枠体32の外側(第五横材321の外側)に突出している。そして、第七横材33の両端部は、上面視において第一フレーム2のガイド部21の第一横材211に重畳している(特に
図2参照)。第七横材33の両端部は、第二ジャッキ12を載置する第二載置部331となる。
【0029】
第二縦材31、第五横材321および第六横材322には、例えば角形鋼(角型鋼管)が適用される。第七横材33には、例えばH形鋼またはI形鋼が適用される。
【0030】
なお、本発明の実施形態では、第一フレーム2および第二フレーム3が、上面視において四角形状に形成される構成を示すが、六角形状や八角形状などといった、四角形状以外の多角形状であってもよい。
【0031】
第一ジャッキ11および第二ジャッキ12には、従来公知の各種ジャッキが適用できる。例えば、機械式ジャッキや単動シリンダ式の油圧ジャッキが適用できる。なお、自動ジャッキであっても、手動ジャッキであってもよく、第一ジャッキ11を油圧ジャッキ、第二ジャッキ12をスクリュージャッキと呼ばれる、自然に縮むことがない手動の機械式ジャッキとしてもよい。
【0032】
ジャッキアップ装置1の組み付け構成は、次のとおりである。第二フレーム3は、第一フレーム2の内部に入れ込まれている。このため、上面視において、第二フレーム3の第二縦材31および枠体32は、第一フレーム2のガイド部21によってその外側を囲まれる。このような構成であると、第二フレーム3は、第一フレーム2に対して、上下方向(ジャッキアップ・ジャッキダウン方向)にスライド式に相対的に変位可能(往復動可能)である。また、第二フレーム3が第一フレーム2のガイド部21に囲まれることによって、第二フレーム3の位置ずれや傾斜が防止される。なお、第二フレーム3の第二縦材31と、第一フレーム2のガイド部21との間には、ある程度の寸法の隙間が形成される。
【0033】
図5は、ジャッキアップ装置1の四隅部近傍の構成を模式的に示す部分断面図である。第二フレーム3が第一フレーム2に入れ込まれた状態では、
図5に示すように、第一フレーム2の第一載置部24の上方に、第二フレーム3の第一受部311(第二縦材31の下端部)が位置する。したがって、第一載置部24に第一ジャッキ11を載置することにより、第一ジャッキ11によって第二フレーム3を下方からジャッキアップおよびジャッキダウンできる。
【0034】
また、
図5に示すように、第二フレーム3の第二載置部331(第七横材33の両端部)の上方に、第一フレーム2の第二受部25が位置する。このため、第二載置部331に第二ジャッキ12を載置することにより、第一フレーム2と第二フレーム3との間に、第二ジャッキ12を介在させることができる。このような構成であると、第二ジャッキ12によって、ジャッキアップ対象物の傾斜や転倒を防止できる(詳細は後述)。
【0035】
そして、第一載置部24は下枠部22の四隅部近傍に設けられ、第二載置部331は第二フレーム3の枠体32の四隅部近傍に設けられる。このため、
図5に示すように、第一ジャッキ11と第二ジャッキ12とは、第一フレーム2の四隅部近傍のそれぞれにおいて、互いに近接する。
【0036】
<ジャッキアップ方法>
次に、本発明の実施形態に係るジャッキアップ装置1を用いたジャッキアップ方法の例について説明する。
図6は、ジャッキアップ装置1をアンローダ9に取り付ける作業を模式的に示す斜視図である。前述のとおり、ジャッキアップ対象物の例として、湾岸設備のアンローダ9の上部旋回体92を示す。湾岸設備のアンローダ9は、岸壁に沿って移動可能な架台91と、この架台91の上側に支持軸911を介して回転可能に設けられる上部旋回体92とを有する。そして、架台91の支持軸911と上部旋回体92との間には、上部旋回体92を回転可能に支持する旋回ベアリング(図略)が設けられる。このような構成であると、旋回ベアリングを交換するためには、上部旋回体92を持ち上げた状態に維持する必要がある。そこで、本発明の実施形態に係るジャッキアップ装置1を用い、上部旋回体92を架台91からジャッキアップする。また、旋回ベアリングの交換作業の間は、上部旋回体92をジャッキアップした状態に維持する。そして、旋回ベアリングの交換作業の完了後は、上部旋回体92をジャッキダウンして、上部旋回体92を架台91に載置する。
【0037】
第一フレーム2は、アンローダ9の架台91に取り付けられる前の段階では、2分割されている。すなわち、第二横材212と第四横材222とは、長さ方向の中間において分割されている。一方、第二フレーム3においては、枠体32の第六横材322が長さ方向の中間において2分割されているとともに、第七横材33が、枠体32から分割されている。なお、ここでは、第一フレーム2が2分割される構成を示すが、たとえば4分割される構成であってもよい。この場合には、例えば第一横材211と第三横材221も、長さ方向の中間において分割される構成が適用できる。同様に、第二フレーム3の枠体32も、4分割される構成であってもよい。要は、第一フレーム2および第二フレーム3は、アンローダ9に取付ける作業において取扱い容易な大きさに分割される構成であればよい。このような構成であれば、大型のクレーンを用いることなく、第一フレーム2および第二フレーム3をアンローダ9の架台91の上部に搬送して取り付けることができる。
【0038】
そして、アンローダ9の支持軸911を囲むように、第二フレーム3を上部旋回体92に取り付ける。具体的には、4本の第二縦材31の上端部をアンローダ9の上部旋回体92の下面に接合する。さらに、分割されている枠体32を一体に接合する。すなわち、第六横材322どうしを長さ方向に突き合わせて接合する。これらの接合には、溶接やネジ止めが適用できる。
【0039】
次いで、上部旋回体92に取り付けられた第二フレーム3を囲むように、第一フレーム2を取り付ける。具体的には、分割されている第二横材212どうしおよび第四横材222どうしを長さ方向に突き合わせて接合し、第一フレーム2を一体に接合する。さらに、支持脚202を架台91の上面に接合する。これらの接合にも、溶接やネジ止めが適用できる。
【0040】
さらに、第七横材33を、第二フレーム3の枠体32の下方に一体に接合する。
【0041】
これにより、第二フレーム3は、その外側が第一フレーム2のガイド部21に囲まれた状態となる。なお、第一フレーム2と第二フレーム3とは接合されていないから、第二フレーム3は第一フレーム2に対して、上下方向に相対的に変位可能である。
【0042】
そして、第一載置部24に第一ジャッキ11が設置される。前述のとおり、第一載置部24の上方に第一受部311(第二フレーム3の第二縦材31の下端部)が位置するから、第一ジャッキ11を伸ばすことによって、アンローダ9の上部旋回体92を第二フレーム3とともにジャッキアップできる。さらに、第二載置部331に第二ジャッキ12を載置する。前述のとおり、第二載置部331の上方に、第二受部25(第一フレーム2のガイド部21の下面)が位置する。このため、第二ジャッキ12が、第一フレーム2と第二フレーム3との間に介在することになる。
【0043】
図7は、ジャッキアップ・ジャッキダウンを行っている状態を模式的に示す部分断面図であり、
図2のVII部拡大図である。
図7に示すように、第二ジャッキ12を伸ばし、第二ジャッキ12の上端部(ジャッキのラム)と、第一フレーム2の第二受部25(ガイド部21の下面)との間に、所要の寸法の隙間Cが形成される状態にする。この隙間Cの寸法は、上部旋回体92の転倒を防止できる寸法であればよく、具体的に限定されるものではない。すなわち、
図7において、上部旋回体92が右側に傾斜すると、第二フレーム3の第七横材33は、左側が浮き上がるように傾斜する。そうすると、第二ジャッキ12が第七横材33によって持ち上げられて上昇し、その上端部が第一フレーム2のガイド部21に設けられる第二受部25に当接する。そして、第二ジャッキ12の上端部が第二受部25に当接すると、第二フレーム3は、それ以上傾斜することができない。このように、第二ジャッキ12が第一フレーム2と第二フレーム3との間に介在することによって、上部旋回体92の転倒が防止される。このような効果を実現するため、第二ジャッキ12の上端部と第一フレーム2のガイド部21の第二受部25との隙間Cの寸法は、アンローダ9のバランスが崩れるよりも前に、第二ジャッキ12の上端部が第一フレーム2のガイド部21の第二受部25に当接するような寸法に設定される。以上で、ジャッキアップの準備が完了する。
【0044】
そして、第一ジャッキ11を伸ばし、上部旋回体92を第二フレーム3とともにジャッキアップする。この際、4基の第一ジャッキ11を同期して作動させる。これにより、上部旋回体92を、姿勢を維持した状態でジャッキアップできる。さらにこの際、第二フレーム3の第二縦材31と第一フレーム2のガイド部21との間に隙間があっても、板材(たとえば、べニア板など)などを挿入することによって、第二ジャッキ12の位置ずれや傾斜を防止できる。
【0045】
そして、第一ジャッキ11によるジャッキアップに同期して、第二ジャッキ12を縮めていく。特に、
図7に示すように、第二ジャッキ12の上端部と第一フレーム2の第二受部25との間の隙間Cが、所要の寸法に維持されるようにする。これにより、ジャッキアップ動作中において、アンローダ9の上部旋回体92の傾斜や転倒を防止できる。ここで、前述のとおり、第一ジャッキ11と第二ジャッキ12とは、第一フレーム2の四隅部近傍において、たがいに近接して配置される(
図5参照)。このため、第二ジャッキ12の上端部と第二受部25との隙間Cを確認しながら、第一ジャッキ11を伸ばす作業を行うことができる。したがって、第一ジャッキ11と第二ジャッキ12を同期させることが容易となる。
【0046】
旋回ベアリングの交換作業の間は、第一ジャッキ11によりアンローダ9の上部旋回体92をジャッキアップした状態に維持する。この際、第二ジャッキ12の上端部と第一フレーム2のガイド部21との間の隙間Cの寸法を、前述の所要の寸法に維持する。そして、旋回ベアリングの交換作業の完了後は、第一ジャッキ11を縮めることによってジャッキダウンする。この際、第一ジャッキ11を縮める動作に同期して、第二ジャッキ12を伸ばす。そして、ジャッキダウンの動作の間も、第二ジャッキ12の上端部と第二受部25との隙間Cを、前述の所要の寸法に維持する。
【0047】
ジャッキダウンの完了後、ジャッキアップ装置1をアンローダ9から取り外す。その後、必要に応じて、アンローダ9の後処理(溶接個所の補修など)を行う。以上で作業が完了する。
【0048】
<作用効果のまとめ>
本発明の実施形態によれば、クレーンを用いる方法に比較して、ジャッキアップやジャッキダウンの作業中およびジャッキアップ状態を維持している間において、耐震性の向上を図ることができる。具体的には、クレーンを用いる方法では、作業中に地震が発生すると、転倒や荷振れが生じるおそれがある。これに対して本発明の実施形態によれば、ジャッキアップの作業中およびジャッキアップ状態を維持している間のいずれにおいても、ジャッキアップ対象物は、第一フレーム2と第二フレーム3に載置された状態に維持される。さらに、これらの間においては、第二ジャッキ12により、所定以上傾斜して転倒することが防止される。すなわち、第一フレーム2と第二フレーム3との間に介在する第二ジャッキ12が、ジャッキアップ対象物の傾斜を防止する。このため、クレーンのような転倒や荷振れのおそれがなく、耐震性の向上を図ることができる。
【0049】
また、本発明の実施形態によれば、大型のクレーンを用いずに重量物をジャッキアップできる。このため、作業コストの削減を図ることができる。また、大型のクレーンを設置する場所を確保できない場合であっても、ジャッキアップ作業を行うことができる。このため、作業場所を選ばずに作業できる。特に、前述のとおり、第一フレーム2と第二フレーム3とが複数に分割される構成であれば、ジャッキアップ装置1を、小型のクレーンを用いて架台などの作業現場に搬送できる。
【0050】
本発明の実施形態によれば、ジャッキアップ対象物の姿勢を垂直に維持した状態で作業を行うことができる。特に、ジャッキアップ装置1の中心を、ジャッキアップ対象物の重心に厳密に合わせる必要がない。例えば、クレーンを使用する方法では、吊り荷の姿勢を維持するため、吊り荷の重心の上側(重心を通過する垂直線上)で吊り上げる必要がある。このため、作業に手間を要する。これに対して本発明の実施形態によれば、ジャッキアップ対象物を下側の複数の箇所から持ち上げる構成であるため、ジャッキアップ対象物の重心とジャッキアップ装置1の中心とが厳密に一致していなくても、ジャッキアップ対象物が傾斜することがない。このため、作業の手間を削減することができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、前記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎない。本発明は、前記実施形態によって技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明は、その技術思想またはその主要な特徴から逸脱することなく、さまざまな形で実施することができる。
【0052】
例えば、ジャッキアップ装置1の各部の具体的な寸法は、ジャッキアップ対象物の寸法や構造などに応じて適宜設定されるものであり、特に限定されるものではない。また、本発明の実施形態では、第一フレーム2および第二フレーム3が上面視において四角形状に形成される構成を示したが、第一フレーム2および第二フレーム3の形状は四角形状に限定されるものではない。たとえば、五角形や六角形などの四辺形以外の多角形状であってもよい。そして、第二フレーム3は、多角形状の各角部に第二縦材31が設けられる構成が適用できる。また、例えば第一フレーム2と第二フレーム3とが六角形に形成される構成であれば、第二フレーム3には3本の第七横材33が設けられる構成が適用できる。一方、第一フレーム2は、第二フレーム3と略相似形に形成され、角部近傍に第一載置部24が設けられる構成が適用できる。