(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取付部材は、前記取付孔の内面に、前記筒部が挿入される奥側ほど径が大きくなるテーパー面を有し、前記操作部が前記連結位置にあるとき、前記押圧部材は、そのテーパー面を押圧する、請求項1に記載の連結装置。
前記取付部材は、補助孔を有する取付部材本体と、前記補助孔に取付固定されて、内側が前記取付孔となる筒状の取付補助部材とを備える、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の連結装置。
【背景技術】
【0002】
従来、二つの部材、つまり取付部材と被取付部材とを連結するクランパー(連結装置)があった(例えば、特許文献1参照)。
図14に示すように、このクランパー23は、被取付部材22の孔22aと取付部材21の孔21aの双方の孔に挿入される筒部24と、その筒部24の周面から突出する側へと付勢されるボール25、25と、それらボール25、25への付勢を解除する操作ボタン26とを備えていた。そこで、操作ボタン26を指で下方に押してボール25、25への付勢を解除した状態で、筒部24を孔22aと孔21aに挿入し、その後、指を操作ボタン26から離すことで操作ボタン26が自動的に上方へと復帰し、その復帰に伴ってボール25、25が筒部24の周面から突出する側へと付勢された。そして、この付勢されたボール25、25が取付部材21の孔21aの内面を押圧し、これによって、取付部材21と被取付部材22とを連結することができた。
【0003】
また、このクランパー23においては、筒部24の基端側には、雄ねじ24aが形成され、その雄ねじ24を被取付部材22の孔22aにねじ込むことで、クランパー23を被取付部材22に予め固定することもできた。そして、この被取付部材22付きのクランパー23における筒部24を、操作ボタン26を指で押した状態で取付部材21の孔21aに挿入し、その後、指を操作ボタン26から離すことで、取付部材21と被取付部材22とが連結された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記従来のクランパー23(連結装置)にあっては、筒部24を、被取付部材22の孔22aや取付部材21の孔21aに挿入する際に、ボール25、25への付勢を解除するために、操作ボタン26を指で押し続けている必要があり、作業性がよくなかった。特に、一組の取付部材21および被取付部材22に対し複数のクランパー23、23を用いる場合であって、予めクランパー23、23を被取付部材22に固定したような場合にあっては、複数のクランパー23、23における解除を同時に行って、それらクランパー23、23の筒部24、24を取付部材21の孔21a、21aに挿入しなければならず、一人の作業者では、三つ以上のクランパー23、23を扱うことができなかった。
【0006】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、作業性を向上させることができる連結装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る連結装置は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る連結装置は、取付部材と被取付部材とを連結する連結装置であって、本体と、シャフトと、連結位置と解除位置との間を回動操作される操作部と、前記操作部の回動と前記シャフトのその軸心方向のスライドとを連動させる連動機構と、前記シャフトをその軸心方向の一方の側を向く付勢方向に弾性付勢する弾性部材と、前記操作部を前記解除位置に保持する保持部と、押圧部材とを備える。ここで、前記本体は、前記被取付部材に貫通するように設けられた被取付孔と前記取付部材に設けられた取付孔の両方の孔に、前記被取付孔と前記取付孔との順に挿入される筒部と、その筒部の基端側から張り出して、前記被取付部材の前記取付部材のある側とは反対側を向く被受け面を受け止める、受け部とを備える。前記筒部は、その筒部を形成する側壁を貫通して前記押圧部材が挿入される横孔を有する。前記シャフトは、前記筒部内に、前記軸心方向にスライド可能に挿入されるとともに、周面に、凹部と、その凹部に対し前記付勢方向とは反対方向の側に、前記凹部の底面よりも前記シャフトの軸心から離れて位置し、かつ、前記凹部から遠ざかるほど前記シャフトの軸心から離れるように傾斜する作用面とを有する。そこで、前記操作部が前記連結位置にあるとき、前記シャフトは、前記作用面が前記押圧部材に対向位置して、その押圧部材が、前記弾性部材により付勢される前記シャフトの作用面に押されて、前記取付孔の内面を押圧することにより、前記筒部が前記取付孔に対して抜止めされる。そして、前記操作部が前記解除位置にあるとき、前記シャフトは、前記凹部が前記押圧部材に対向位置して、その押圧部材が、前記凹部により、前記筒部の内側方向に進むことが許容されて、前記筒部は、前記取付孔に対する抜止めが外される。
【0008】
この連結装置によると、本体は、その筒部が、被取付部材の被取付孔と取付部材の取付孔とに順に、挿入される。この際、操作部は、解除位置にあるが、その操作部は、保持部により、その解除位置に保持される。また、この挿入にあたっては、被取付部材を取付部材に重ねた上で、筒部を、被取付孔と取付孔とに一度に挿入してもよく、また、予め、筒部を被取付部材の被取付孔に挿入しておき、そのあとで、被取付孔に挿入された筒部を取付孔に挿入するように、被取付部材を取付部材に重ねてもよい。こうして、筒部を、被取付部材の被取付孔および取付部材の取付孔に挿入すると、本体の受け部が被取付部材の被受け面に当接する。そして、この状態で、操作部を連結位置側に回動することで、押圧部材が、シャフトの作用面に押されて取付孔の内面を押圧し、筒部が取付孔に対して抜止めされて、取付部材と被取付部材とが連結される。そして、この連結を解除するために、操作部を解除位置に回動すると、押圧部材が、シャフトの凹部により筒部の内側方向に進むことが許容されて、筒部は、取付孔に対する抜止めが外され、取付部材と被取付部材との連結が解除される。このとき、操作部は、保持部により、その解除位置に保持され、この操作部が解除位置に保持された状態で、筒部を、取付孔および被取付孔から、あるいは取付孔から、抜き出して、取付部材と被取付部材とを分離することができる。このように、この連結装置においては、操作部を解除位置に保持することができるとともに、操作部を解除位置と連結位置との間で回動操作することで、取付部材と被取付部材とを分離したり連結したりすることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明に係る連結装置は、請求項1に記載の連結装置において、前記取付部材は、前記取付孔の内面に、前記筒部が挿入される奥側ほど径が大きくなるテーパー面を有し、前記操作部が前記連結位置にあるとき、前記押圧部材は、そのテーパー面を押圧する。こうして、操作部が連結位置にあるとき、押圧部材が取付部材のテーパー面を押圧することで、筒部を取付孔内に引き込み、受け部で被取付部材の被受け面を押圧して、取付部材に対し被取付部材を密着させることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明に係る連結装置は、請求項1または2に記載の連結装置において、前記操作部と前記シャフトとは一体化された可動体を形成する。そこで、前記凹部と前記作用面とは、前記シャフトの軸心を軸とした回転体形状に形成される。そして、前記連動機構は、前記本体または前記可動体の一方に設けられた被案内部と、他方に設けられた案内部とからなり、相対的に被案内部が案内部に案内されて、前記可動体は、前記シャフトの軸心回りに回動、かつ、前記軸心方向にスライドする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明に係る連結装置は、請求項3に記載の連結装置において、前記保持部は、前記案内部に設けられて、前記操作部が前記解除位置にあるとき、前記被案内部が係合する、係合凹部からなる。
【0012】
また、請求項5に記載の発明に係る連結装置は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の連結装置において、前記本体には、その本体自身を前記被取付部材に取付固定するための固定部が設けられる。これにより、本体の筒部を、被取付部材の被取付孔と取付部材の取付孔に挿入するにあたって、予め、本体の筒部を被取付孔に挿入し、固定部により本体を被取付部材に取付固定しておくことができる。
【0013】
また、請求項6に記載の発明に係る連結装置は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の連結装置において、前記取付部材は、補助孔を有する取付部材本体と、前記補助孔に取付固定されて、内側が前記取付孔となる筒状の取付補助部材とを備える。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係る連結装置によれば、操作部を解除位置に保持することができるとともに、操作部を解除位置と連結位置との間で回動操作することで、取付部材と被取付部材とを分離したり連結したりすることができるため、その作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明に係る連結装置を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1〜
図8は、本発明の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、取付部材を示し、2は、被取付部材を示す。3は、前記取付部材1と前記被取付部材2とを連結する連結装置を示し、この連結装置3は、例えば、工場内において、製造装置等の側にある取付部材1に対し、アタッチメント等その他の被取付部材2を着脱可能に取り付けるのに好適に用いられる。
【0018】
連結装置3は、本体4と、シャフト5と、連結位置(
図1参照)と解除位置(
図2参照)との間を回動操作される操作部6と、その操作部6の回動とシャフト5のその軸心方向5aのスライドとを連動させる連動機構7と、シャフト5をその軸心方向5aの一方の側を向く付勢方向8aに弾性付勢する弾性部材8と、操作部6を前記解除位置に保持する保持部9と、押圧部材10とを備える。
【0019】
ここで、本体4は、被取付部材2に貫通するように設けられた被取付孔2aと取付部材1に設けられた取付孔1aの両方の孔に、前記被取付孔2aと前記取付孔1aとの順に挿入される筒部4aと、その筒部4aの基端側から張り出して、被取付部材2の取付部材1のある側とは反対側を向く被受け面2bを受け止める、受け部4bとを備える。そして、筒部4aは、その筒部4aを形成する側壁4cを貫通して前記押圧部材10が挿入される横孔4dを有する。
【0020】
シャフト5は、本体4の筒部4a内に、前記軸心方向5aにスライド可能に挿入されるとともに、周面に、凹部5bと、その凹部5bに対し前記付勢方向8aとは反対方向の側に、凹部5bの底面よりもシャフト5の軸心5cから離れて位置し、かつ、凹部5bから遠ざかるほどシャフト5の軸心5cから離れるように傾斜する作用面5dを有する。
【0021】
そして、操作部6が前記連結位置にあるとき、シャフト5は、作用面5dが押圧部材10に対向位置して、その押圧部材10が、前記弾性部材8により付勢されるシャフト5の作用面5dに押されて、取付部材1の取付孔1aの内面を押圧することにより、本体4の筒部4aが取付孔1aに対して抜止めされる(
図1参照)。一方、操作部6が前記解除位置にあるとき、シャフト5は、凹部5bが押圧部材10に対向位置して、その押圧部材10が、凹部5bにより、筒部4aの内側方向に進むことが許容されて、筒部4aは、取付部材1の取付孔1aに対する抜止めが外される(
図2参照)。
【0022】
詳細には、操作部6とシャフト5とは一体化された可動体12を形成する。そして、シャフト5の凹部5bと作用面5dとは、シャフト5の軸心5cを軸とした回転体形状に形成される。そこで、前記連結機構7は、本体4または可動体12の一方(図示実施の形態においては可動体12)に設けられた被案内部13と、他方(図示実施の形態においては本体4)に設けられた案内部14とからなり、相対的に被案内部13が案内部14に案内されて、可動体12は、シャフト5の軸心5c回りに回動、かつ、シャフト5の軸心方向5aにスライドする。そして、保持部9は、案内部14に設けられて、操作部6が解除位置にあるとき、被案内部13が係合する、係合凹部9aからなる。
【0023】
具体的には、取付部材1は、取付孔1aの内面に、筒部4aが挿入される奥側ほど径が大きくなる(言い換えれば、被取付部材2側に向かうほど径が小さくなる)テーパー面1bを有し、前記操作部6が前記連結位置にあるとき、前記押圧部材10は、そのテーパー面1bを押圧する。図示実施の形態においては、取付孔1aは、貫通するように設けられ、相対的に、筒部4aが挿入される口元側が、径小に形成された第1孔部1cとなり、奥側が、径大に形成された第2孔部1dとなって、それら第1孔部1cと第2孔部1dとを繋ぐ部分が、前記テーパー面1bとなっている(
図1参照)。
【0024】
被取付部材2は、例えば板状に形成されて、取付部材1に重ねられる。そして、被取付孔2aは、取付孔1aに対面位置し、被取付部材2を板厚方向に貫通するように形成される。図示実施の形態においては、被取付孔2aは、取付部材1の取付孔1aの第1孔部1cよりも径大に形成されている。
【0025】
連結装置3においては、本体4は、全体が筒状に形成され、その一方側が、前述の筒部4aとなり、他方側が、前述の案内部14が形成された案内部形成部4eとなっている。そして、それら筒部4aと案内部形成部4eとの間の中間部に、前述の受け部4bが鍔状に突出して形成される。筒部4aは、その先端側が取付孔1aに嵌まる第1筒部4fとなり、基端側が被取付孔2aに嵌まる第2筒部4gとなって、第1筒部4fに、前述の横孔4dが複数設けられる(横孔4dが複数設けられることに対応して、押圧部材10も複数設けられて挿入されている。)。そして、図示実施の形態においては、第2筒部4gは、第1筒部4fよりも径大に形成されている。
【0026】
また、本体4の内側は、第1筒部4f部分が、第1孔4hとなり、その他の部分が、第1孔4hよりも径大に形成された第2孔4iとなっている。そして、案内部形成部4eにおいては、その先端面が、螺旋状に傾斜して形成されて、前述の案内部14となり、図示実施の形態においては、案内部形成部4eは、周方向に一対並ぶように設けられる。そして、前述の保持部9としての係合凹部9aは、案内部14に、窪むようにして(詳細には、円弧状に窪むようにして)形成される。
【0027】
シャフト5は、第1シャフト部5eと、その第1シャフト部5eよりも径大に形成された第2シャフト部5fとを備え、また、それら第1シャフト部5eと第2シャフト部5fとの間に、ばね受け5gが鍔状に突出して形成される。そして、第1シャフト部5eに、前述の凹部5bと作用面5dとが形成される。そこで、第1シャフト部5eが、本体4の第1孔4hに挿入され、第2シャフト部5fが、前述の弾性部材8とともに、本体4の第2孔4iに挿入される。図示実施の形態においては、弾性部材8は、第2シャフト部5fに嵌められるコイルスプリングからなり、止め輪16により抜止めさされて、ばね受け5g(つまりは、シャフト5)を、シャフト5の軸心方向5aの一方の側を向く付勢方向8aに弾性付勢する。また、第2シャフト部5fの先端部分には、横方向に貫通する孔5hがあけられているととともに、その先端部分の周面から突出するように前記孔5hに挿入されるピン13aが設けられている。そこで、そのピン13aが、前述の被案内部13となって、案内部14によって案内されることで、シャフト5(ひいては、可動体12)は、そのシャフト5の軸心5c回りに回動、かつ、軸心方向5aにスライドする。
【0028】
操作部6は、ノブ6aからなり、シャフト5における第2シャフト部5fの先端に、例えばビス17によって固定される。こうして、ノブ6a(操作部6)とシャフト5とは一体化されて、前述の可動体12を形成する。このノブ6aは、シャフト5と同心となる円筒形状を有し、周面に突出形成された指示部6bが、本体4(詳しくは、受け部4b)に表された表示4jを指し示す。表示4jは、「ON」および「OFF」の文字と、その間の回動を指示する矢印からなる。ここで、「ON」の位置が連結位置における上限の位置に相当し、通常は、「ON」の文字の少し手前の位置が連結位置となる。そして、「OFF」の位置が、解除位置に相当する。なお、ノブ6aの内周面には、溝6cが形成され(
図7参照)、この溝6cにピン13aの先端部分が嵌まることで、ピン13a(つまりは、シャフト5)に対して、ノブ6aが回り止めされる(
図1参照)。
【0029】
図8は、本体4における案内部14の展開図であり、シャフト5の軸心5cに直交する水平面に対し、傾斜して形成される。そこで、ノブ6aが解除位置にあるとき、ピン13aは、傾斜部14aの上端部(詳しくは、傾斜部14aの上端部にある水平部14b)に位置する係合凹部9aに係合する。そして、ノブ6aが連結位置にあるとき、ピン13aは、傾斜部14aの下端付近に位置する。
【0030】
次に、以上の構成からなる連結装置3の作用効果について説明する。この連結装置3によると、本体4は、その筒部4aが、被取付部材2の被取付孔2aと取付部材1の取付孔1aとに順に、挿入される。この際、操作部6としてのノブ6aは、解除位置にあるが、そのノブ6aは、保持部9により(図示実施の形態においては、係合凹部9aにピン13aが係合することで)、その解除位置に保持される(
図2参照)。また、この挿入にあたっては、被取付部材2を取付部材1に重ねた上で、筒部4aを、被取付孔2aと取付孔1aとに一度に挿入してもよく、また、予め、筒部4aを被取付部材2の被取付孔2aに挿入しておき、そのあとで、被取付孔2aに挿入された筒部4aを取付孔1aに挿入するように、被取付部材2を取付部材1に重ねてもよい。こうして、筒部4aを、被取付部材2の被取付孔2aおよび取付部材1の取付孔1aに挿入すると、本体4の受け部4bが被取付部材2の被受け面2bに当接する。そして、この状態で、ノブ6aを連結位置側に回動することで、押圧部材10が、シャフト5の作用面5dに押されて取付孔1aの内面を押圧し、筒部4aが取付孔1aに対して抜止めされて、取付部材1と被取付部材2とが連結される(
図1参照)。
【0031】
そして、この連結を解除するために、ノブ6aを解除位置に回動すると、押圧部材10が、シャフト5の凹部5bにより筒部4aの内側方向に進むことが許容されて、筒部4aは、取付孔1aに対する抜止めが外され、これによって、取付部材1と被取付部材2との連結が解除される。このとき、ノブ6aは、保持部9により(図示実施の形態においては、係合凹部9aにピン13aが係合することで)、その解除位置に保持され(
図2参照)、このノブ6aが解除位置に保持された状態で、筒部4aを、取付孔1aおよび被取付孔2aから、あるいは取付孔1aから、抜き出して、取付部材1と被取付部材2とを分離することができる。
【0032】
このように、この連結装置3においては、ノブ6aを解除位置に保持することができるとともに、ノブ6aを解除位置と連結位置との間で回動操作することで、取付部材1と被取付部材2とを分離したり連結したりすることができるため、その作業性を向上させることができる。また、この連結装置3によれば、ノブ6aが回動操作されることで、そのノブ6aにおける解除位置と連結位置とを明確にして、それらの区別を付き易くすることができる。
【0033】
また、ノブ6aが連結位置にあるとき、押圧部材10が取付部材1の取付孔1aにおけるテーパー面1bを押圧することで、筒部4aを取付孔1a内に引き込み、受け部4bで被取付部材2の被受け面2bを押圧して、取付部材1に対し被取付部材2を密着させることができる。
【0034】
図9および
図10は、本発明の第二の実施の形態を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態とは、連結装置3が予め被取付部材2に固定される点が異なるが、その他の点は同様であり、以下に、同様の部位には同一の符号を付して、異なる部分を主に説明する。なお、
図9は、第一の実施の形態における
図1相当図であり、
図10は、第一の実施の形態の
図2相当図である。
【0035】
本体4には、その本体4自身を被取付部材2に取付固定するための固定部11が設けられる。詳細には、固定部11は、受け部4bに設けられる。そして、この固定部11は、固定孔11a(詳しくは、ねじ孔)からなる。その一方で、被取付部材2には、被取付孔2aの周囲において、被受け面2bに開口するように、板厚方向に貫通する孔2c(詳しくは、段付き孔)があけられている。
【0036】
そこで、ビス等の固着具15が、被取付部材2に設けられた孔2cに挿入されて、固定孔11aに係合する(詳しくは、ねじ込まれる)ことで、本体4、ひいては連結装置3は、被取付部材2に固定される。すなわち、この連結装置3においては、本体4の筒部4aを、被取付部材2の被取付孔2aと取付部材1の取付孔1aに挿入するにあたって、予め、本体4の筒部4aを被取付孔2aに挿入し、固定部11により、本体4、ひいては連結装置3を、被取付部材2に取付固定しておくことができる。
【0037】
また、ここで、被取付部材2に対し、複数の連結装置3、3が、予め固定されるような場合には、筒部4a、4aを取付部材1の取付孔1a、1aに挿入したり取付孔1a、1aから抜き出したりするにあたって、それら連結装置3、3のノブ6a、6aを全て解除位置にしておく必要があるが、ノブ6aが保持部9により解除位置に保持されるため、容易にそれら挿入および抜き出しの作業を行うことができる。
【0038】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、第二の実施の形態においては、固着具15を、本体4の固定孔11aにねじ込むことで、予め、連結装置3を被取付部材2に取付固定しているが、必要なければ、
図11(
図9相当図)および
図12(
図10相当図)に示すように、取付固定しなくともよい。
【0039】
また、取付部材1における取付孔1aの内面には、押圧部材10が押圧するテーパー面1bが設けられているが、このテーパー面1bは無くてもよい。また、押圧部材10が押圧するのは、取付孔1aの中間部分でなくとも、取付孔1aの出口部分の角部であってもよい。
【0040】
また、取付部材1は、
図13に示すように、補助孔1eを有する取付部材本体101と、その補助孔1eに取付固定されて、内側が取付孔1aとなる筒状の取付補助部材102とを備えてもよい。また、ここで、取付補助部材102は、ナット103により、取付部材本体101の補助孔1eに固定されるが、ナット103を用いることなく、取付補助部材102が補助孔1eに直接ねじ込まれてもよい。
【0041】
また、連動機構7において、可動体12(詳しくは、シャフト5)に被案内部13としてのピン13aを設け、本体4に案内部14を設けたが、反対に、本体4に被案内部13を設け、可動体12に案内部14を設けるようにしてもよい。
【0042】
また、ノブ6a(操作部6)とシャフト5とは、一体化されなくとも、それらを分離して、ノブ6aの回動に対し、シャフト5が回動することなくその軸心方向5aに真っ直ぐスライドするようにしてもよい。そして、この場合には、連動機構7として、ノブ6aまたはシャフト5の一方に被案内部を設け、他方に案内部を設けて、相対的に被案内部が案内部に案内されて、ノブ6aの回動に対し、シャフト5がその軸心方向5aにスライド(詳しくは、シャフト5が回動することなくその軸心方向5aに真っ直ぐスライド)するようにしてもよい。
【0043】
また、固定部11は、本体4の受け部4bに設けられた固定孔11aからなるが、例えば、被取付部材2の被取付孔2aの内面に雌ねじを形成し、筒部4a(詳しくは、第2筒部4g)の外面に、その雌ねじに螺合する雄ねじを形成することで、その雄ねじを固定部11としてもよい。
【0044】
また、筒部4aにおいて、第1筒部4fと第2筒部4gとは、その径の大きさが異なっているが、同じであってもよい。
【0045】
また、被取付部材2は、板状に形成されて、その一方の面が被受け面2bとなっているが、その一方の面の被取付孔2aの周囲を座ぐり、その座ぐり面を被受け面2bとしてもよい。
【0046】
また、押圧部材10は、シャフト5の作用面5dに押されて取付孔1aの内面を押圧することができるものであればよく、その形状は、図示のような球に限らず、例えば柱状等の形状であってもよい。
【0047】
また、取付部材1に形成される取付孔1aは、取付部材1を貫通してもよいが、貫通しない有底の孔であってもよい。