特許第6239449号(P6239449)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6239449携帯端末、通知制御プログラムおよび通知制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239449
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】携帯端末、通知制御プログラムおよび通知制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20171120BHJP
   H04M 1/247 20060101ALI20171120BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
   H04M1/247
   G06F3/041 540
   G06F3/041 560
【請求項の数】12
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-129312(P2014-129312)
(22)【出願日】2014年6月24日
(65)【公開番号】特開2016-9993(P2016-9993A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2016年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090181
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 義人
(72)【発明者】
【氏名】小林 広樹
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−62718(JP,A)
【文献】 特開2012−247967(JP,A)
【文献】 特開2014−45517(JP,A)
【文献】 特開2014−99071(JP,A)
【文献】 特開2013−69027(JP,A)
【文献】 特開2014−103430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/00
H04M1/247
G06F3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル、
物の近接を検出する近接検出部、
照度を検出する照度検出部
電力を供給する電源部、
イベントが発生したとき、前記近接検出部および前記照度検出部の電源をオンにする第1制御部、
前記近接検出部によって物の近接が検出され、かつ前記照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、タッチ操作が検出されたとき、特定の通知を行う通知部、および
前記近接検出部によって物の近接が検出されなくなるか、前記照度検出部によって検出された照度が前記所定値より大きくなったとき、前記近接検出部および前記照度検出部の電源をオフにする第2制御部を備える、携帯端末。
【請求項2】
前記通知部は、前記近接検出部によって物の近接が検出され、かつ前記照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、タッチ操作が検出されたことを、振動によってユーザに通知する振動通知部を含む、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記タッチパネルが設けられる表示部をさらに備え、
前記通知部は、前記近接検出部によって物の近接が検出され、かつ前記照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、タッチ操作が検出されたとき、前記表示部にポップアップを表示するポップアップ表示処理部をさらに含む、請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記タッチパネルが設けられる表示部、および
前記近接検出部によって物の近接が検出され、かつ前記照度検出部によって検出された照度が所定値より小さいとき、前記表示部にポップアップを表示するポップアップ表示処理部をさらに備える、請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項5】
前記近接検出部によって物の近接が検出されなくなるか、前記照度検出部によって検出された照度が前記所定値より大きくなったとき、前記表示部に表示される前記ポップアップを消去する消去部をさらに備える、請求項3または4記載の携帯端末。
【請求項6】
前記表示部に着呼画面が表示されている状態で、前記近接検出部によって物の近接が検出されなくなったとき、前記表示部に表示されるポップアップを消去する消去部をさらに備える、請求項3または4記載の携帯端末。
【請求項7】
前記イベントは、着呼を含み、
前記着呼が発生した後に、前記近接検出部によって物の近接が検出されなくなったとき、前記照度検出部の電源をオフにする第3制御部をさらに備える、請求項1ないし6のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項8】
前記タッチパネルにおける所定領域でタッチ操作が検出されたとき、所定の処理を実行する実行部をさらに備え、
前記通知部は、前記近接検出部によって物の近接が検出され、かつ前記照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、前記タッチパネルにおける任意の位置でタッチ操作が検出されたとき、特定の通知を行う、請求項1記載の携帯端末。
【請求項9】
前記タッチパネルにおける所定領域でタッチ操作が検出されたとき、所定の処理を実行する実行部をさらに備え、
前記通知部は、前記近接検出部によって物の近接が検出され、かつ前記照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、前記所定領域でタッチ操作が検出されたとき、特定の通知を行う、請求項1記載の携帯端末。
【請求項10】
前記タッチパネルが設けられる表示部をさらに備え、
前記所定領域は、前記表示部に表示されるオブジェクトと対応する、請求項8または9記載の携帯端末。
【請求項11】
タッチパネル、物の近接を検出する近接検出部、照度を検出する照度検出部、および電力を供給する電源部を有する、携帯端末のプロセッサを、
イベントが発生したとき、前記近接検出部および前記照度検出部の電源をオンにする第1制御部、
前記近接検出部によって物の近接が検出され、かつ前記照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、タッチ操作が検出されたとき、特定の通知を行う通知部、および
前記近接検出部によって物の近接が検出されなくなるか、前記照度検出部によって検出された照度が前記所定値より大きくなったとき、前記近接検出部および前記照度検出部の電源をオフにする第2制御部
として機能させる、通知制御プログラム。
【請求項12】
タッチパネル、物の近接を検出する近接検出部、照度を検出する照度検出部、および電力を供給する電源部を有する、携帯端末における通知制御方法であって、前記携帯端末のプロセッサが、
イベントが発生したとき、前記近接検出部および前記照度検出部の電源をオンにする第1制御ステップ、
前記近接検出部によって物の近接が検出され、かつ前記照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、タッチ操作が検出されたとき、特定の通知を行う通知ステップ、および
前記近接検出部によって物の近接が検出されなくなるか、前記照度検出部によって検出された照度が前記所定値より大きくなったとき、前記近接検出部および前記照度検出部の電源をオフにする第2制御ステップを実行する、通知制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末、通知制御プログラムおよび通知制御方法に関し、特にタッチパネルを利用して操作することが出来る、携帯端末、通知制御プログラムおよび通知制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術の一例が特許文献1に開示されている。この特許文献1の携帯端末装置では、タッチンパネルの感度を、素手よりも導電性の低い手袋によるタッチを検出することができる高感度モードと通常モードとを選択することが出来る。そして、ユーザは、簡易な操作を行うことでタッチパネルの感度として、任意のモードを選択することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-194791号公報[G06F 3/041, H04M 1/00]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば、特許文献1の携帯端末装置がユーザの服のポケットの中などに入れられたときに、ポケットの中で服を介してユーザの足などを検出してしまい、携帯端末装置が誤動作してしまうことがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯端末、通知制御プログラムおよび通知制御方法を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、誤動作が起きる可能性を低くすることが出来る、携帯端末、通知制御プログラムおよび通知制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。
【0008】
第1の発明は、タッチパネル、物の近接を検出する近接検出部、照度を検出する照度検出部、および近接検出部によって物の近接が検出され、かつ照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、タッチ操作が検出されたとき、特定の通知を行う通知部を備える、携帯端末である。
【0009】
第1の発明では、携帯端末は、タッチ操作が検出されるタッチパネルと、そのタッチパネルの近くに設けられる近接検出部および照度検出部などを備える。近接検出部は、たとえばユーザの顔などの物の近接を検出する。照度検出部は、携帯端末の周囲の照度を検出する。物の近接が検出され、検出された照度が所定値よりも小さい(暗い)場合において、タッチ操作が検出されると、通知部は特定の通知を行う。
【0010】
第1の発明によれば、たとえば携帯端末がポケットの中などに入れられており、物が検出され、かつ検出された照度が所定値よりも小さい場合において、タッチ操作が検出されると、特定の通知が行われる。そして、このような状態では特定の通知を行うことでタッチ操作を実質的に無効にし、誤動作が起きる可能性を低くしている。
【0011】
第2の発明は、第1の発明に従属し、通知部は、近接検出部によって物の近接が検出され、かつ照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、タッチ操作が検出されたことを、振動によってユーザに通知する振動通知部を含む。
【0012】
第2の発明では、振動通知部は、たとえばバイブレータの振動によって、タッチ操作が検出されたことを、ユーザに通知する。
【0013】
第2の発明によれば、タッチ操作に応答して振動通知部処理が実行されるため、ユーザは、タッチパネルが故障していないことに気づくことが出来る。
【0014】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に従属し、タッチパネルが設けられる表示部をさらに備え、通知部は、近接検出部によって物の近接が検出され、かつ照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、タッチ操作が検出されたとき、表示部にポップアップを表示するポップアップ表示処理部をさらに含む。
【0015】
第3の発明では、タッチパネルが設けられる表示部には、たとえばタッチ操作が行われるオブジェクトなどが表示される。そして、物の近接が検出され、検出された照度が所定値よりも小さい場合において、タッチ操作が検出されると、ポップアップ表示処理部は表示部にポップアップを表示する。
【0016】
第3の発明によれば、タッチ操作に応じてポップアップを表示することで、近接検出部および照度検出部が誤って隠されていることを、ポップアップを利用してユーザに通知することが出来る。
【0017】
第4の発明は、第1の発明または第2の発明に従属し、タッチパネルが設けられる表示部、および近接検出部によって物の近接が検出され、かつ照度検出部によって検出された照度が所定値より小さいとき、表示部にポップアップを表示するポップアップ表示処理部をさらに備える。
【0018】
第4の発明では、第3の発明と同様、表示部にはタッチパネルが設けられる。そして、物の近接が検出され、かつ検出された照度が所定値よりも小さい状態になると、ポップアップ表示処理部は表示部にポップアップを表示する。
【0019】
第4の発明によれば、ユーザが近接検出部および近接検出部を誤って指などで隠してしまった場合、ユーザは表示部を見るだけでそのような状態であることに気づくことが出来る。
【0020】
第5の発明は、第3の発明または第4の発明に従属し、近接検出部によって物の近接が検出されなくなるか、照度検出部によって検出された照度が所定値より大きくなったとき、表示部に表示されるポップアップを消去する消去部をさらに備える。
【0021】
第5の発明では、消去部は、物の近接が検出されなくなるか、検出された照度が所定値よりも大きくなると、ポップアップを消去する。
【0022】
第6の発明は、第3の発明または第4の発明に従属し、表示部に着呼画面が表示されている状態で、近接検出部によって物の近接が検出されなくなったとき、表示部に表示されるポップアップを消去する消去部をさらに備える。
【0023】
第6の発明では、消去部は、着呼画面が表示されている状態で、物の近接が検出されなくなった場合は、ポップアップの表示を消去する。
【0024】
第5の発明および第6の発明によれば、ユーザは、タッチ操作が実質的に有効になったことに気づくことが出来る。
【0025】
第7の発明は、第1の発明に従属し、電力を供給する電源部、およびイベントが発生したとき、近接検出部および照度検出部の電源をオンにする第1制御部をさらに備える。
【0026】
第7の発明では、電源部は、たとえば電源回路および二次電池を含み、携帯端末に電力を供給する。第1制御部は、たとえばロック画面を表示するキー操作のイベントが発生した場合、近接検出部および照度検出部の電源をオンにする。
【0027】
第7の発明によれば、イベントの発生に対応して、近接検出部および照度検出部の電源もオンにすることで、携帯端末の消費電力を抑えることが出来る。
【0028】
第8の発明は、第7の発明に従属し、近接検出部によって物の近接が検出されなくなるか、照度検出部によって検出された照度が所定値より大きくなったとき、近接検出部および照度検出部の電源をオフにする第2制御部をさらに備える。
【0029】
第8の発明では、第2制御部は、たとえば携帯端末がポケットの中から出され、物の近接が検出されなくなるか、検出された照度が所定値よりも大きくなると、近接検出部および照度検出部の電源をオフにする。
【0030】
第8の発明によれば、近接検出部および照度検出部のそれぞれが不要になれば、各検出部の電源がオフにされるため、消費電力が抑えられる。
【0031】
第9の発明は、第7の発明または第8の発明に従属し、イベントは、着呼を含み、着呼が発生した後に、近接検出部によって物の近接が検出されなくなったとき、照度検出部の電源をオフにする第3制御部をさらに備える。
【0032】
第9の発明では、イベントには着呼が含まれる。そして、第3制御部は、着呼が発生した後に物の近接が検出されなくなると、照度検出部の電源をオフにする。
【0033】
第9の発明によれば、照度検出部の電源をオフにすることで、無駄な消費電力を抑えることが出来る。
【0034】
第10の発明は、第1の発明に従属し、タッチパネルにおける所定領域でタッチ操作が検出されたとき、所定の処理を実行する実行部をさらに備え、通知部は、近接検出部によって物の近接が検出され、かつ照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、タッチパネルにおける任意の位置でタッチ操作が検出されたとき、特定の通知を行う。
【0035】
第10の発明では、実行部は、ロック解除などの所定の処理が対応付けられた所定領域にタッチ操作が検出されると、その所定の処理を実行する。物の近接が検出され、かつ検出された照度が所定値よりも小さい場合において、タッチパネルの任意の位置でタッチ操作が検出されれば、通知部は特定の通知を行う。
【0036】
第10の発明によれば、携帯端末がタッチ操作に応じて特定の通知を行う状態では、所定領域に関係なくタッチパネルにタッチ操作が検出されれば特定の通知が行われる。そのため、ユーザは任意の位置にタッチ操作を行うことで、携帯端末の状態を把握することが出来る。
【0037】
第11の発明は、第1の発明に従属し、タッチパネルにおける所定領域でタッチ操作が検出されたとき、所定の処理を実行する実行部をさらに備え、通知部は、近接検出部によって物の近接が検出され、かつ照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、所定領域でタッチ操作が検出されたとき、特定の通知を行う。
【0038】
第11の発明では、実行部は、第10の発明と同様、所定領域にタッチ操作が検出されると所定の処理を実行する。物の近接が検出され、かつ検出された照度が所定値よりも小さい場合において、上記の所定領域にタッチ操作が検出されると、通知部は特定の通知を行う。
【0039】
第11の発明によれば、ユーザが所定領域に対してタッチ操作を行ったときにポップアップを表示することが出来る。
【0040】
第12の発明は、第10の発明または第11の発明に従属し、タッチパネルが設けられる表示部をさらに備え、所定領域は、表示部に表示されるオブジェクトと対応する。
【0041】
第12の発明では、表示部は、第3の発明などと同様、タッチパネルが設けられる。オブジェクトは、たとえばキーやアイコンなどを含む。そして、表示部に表示されるオブジェクトと所定領域とが対応する。
【0042】
第12の発明によれば、オブジェクトと所定領域とを対応させることで、ユーザがタッチ操作を行う位置を誘導することが出来る。
【0043】
第13の発明は、タッチパネル、物の近接を検出する近接検出部および照度を検出する照度検出部を有する、携帯端末のプロセッサを、近接検出部によって物の近接が検出され、かつ照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、タッチ操作が検出されたとき、特定の通知を行う通知部として機能させる、通知制御プログラムである。
【0044】
第13の発明でも、第1の発明と同様、たとえば携帯端末がポケットの中などに入れられており、物が検出され、かつ検出された照度が所定値よりも小さい場合において、タッチ操作が検出されると、通知が行われる。そして、このような状態では通知を行うことでタッチ操作を実質的に無効にし、誤操作が起きる可能性を低くすることが出来る。
【0045】
第14の発明は、タッチパネル、物の近接を検出する近接検出部および照度を検出する照度検出部を有する、携帯端末における通知制御方法であって、携帯端末のプロセッサが、近接検出部によって物の近接が検出され、かつ照度検出部によって検出された照度が所定値より小さい場合において、タッチ操作が検出されたとき、特定の通知を行う通知ステップを実行する、通知制御方法である。
【0046】
第14の発明でも、第1の発明と同様、たとえば携帯端末がポケットの中などに入れられており、物が検出され、かつ検出された照度が所定値よりも小さい場合において、タッチ操作が検出されると、通知が行われる。そして、このような状態では通知を行うことでタッチ操作を実質的に無効にし、誤操作が起きる可能性を低くすることが出来る。
【発明の効果】
【0047】
この発明によれば、誤操作が起きる可能性を低くすることが出来る。
【0048】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1図1はこの発明の一実施例の携帯電話機の外観の一例を示す外観図である。
図2図2図1に示す携帯電話機の電気的な構成を示す図解図である。
図3図3図1に示すディスプレイに表示される着呼画面の一例を示す図解図である。
図4図4図1に示すディスプレイに表示されるロック画面の一例を示す図解図であり、図4(A)はロック画面の一例を示し、図4(B)は操作ロック画面の一例を示す。
図5図5図4(A)に示すロック画面にポップアップが重ねて表示されている状態の一例を示す図解図である。
図6図6図3に示す着呼画面にポップアップが重ねて表示されている状態の一例を示す図解図である。
図7図7図2に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
図8図8図2に示すプロセッサの通知制御処理の一部の一例を示すフロー図である。
図9図9図2に示すプロセッサの第1実施例の通知制御処理の他の一部の一例であって、図8に後続するフロー図である。
図10図10図2に示すプロセッサの第1実施例の通知制御処理のその他の一部の一例であって、図8に後続するフロー図である。
図11図11図2に示すプロセッサのロック状態制御処理の一例を示すフロー図である。
図12図12図2に示すプロセッサの着呼制御処理の一例を示すフロー図である。
図13図13図2に示すプロセッサの第2実施例の通知制御処理の他の一部の一例であって、図8に後続するフロー図である。
図14図14図2に示すプロセッサの第2実施例の通知制御処理のその他の一部の一例であって、図8に後続するフロー図である。
図15図15図2に示すプロセッサの他の実施例の通知制御処理の他の一部の一例であって、図8に後続するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
<第1実施例>
図1を参照して、この発明の一実施例の携帯電話機10は、一例としてスマートフォン(smartphone)であり、縦長の扁平矩形のハウジング12を含む。ただし、この発明は、タブレット端末、タブレット型PCおよびPDAなど任意の携帯端末に適用可能であることを予め指摘しておく。
【0051】
ハウジング12の主面(表面)には、たとえば液晶や有機ELなどで構成され、表示部として機能するディスプレイ14が設けられる。ディスプレイ14の上には、タッチパネル16が設けられる。
【0052】
ハウジング12の縦方向一端の主面側にスピーカ18が内蔵され、縦方向他端の主面側にマイク20が内蔵される。
【0053】
タッチパネル16と共に入力操作手段を構成するハードキーとして、この実施例では、ハウジング12の主面にはメニューキー22aが設けられ、ハウジング12の側面には電源キー22bが設けられる。
【0054】
また、スピーカ18の右側には、近接センサ24および照度センサ26が設けられる。ただし、近接センサ24の検出面と照度センサ26の検出面とはハウジング12から露出するように設けられ、その他の部分はハウジング12に内蔵される。
【0055】
たとえば、ユーザは、ディスプレイ14に表示されたダイヤルパッドに対して、タッチ操作を行うことで電話番号を入力し、同じくディスプレイ14に表示された着呼キー64(図3参照)に対してタッチ操作を行うことで音声通話を開始する。音声通話が開始されると、ディスプレイ14には終話キーが表示され、この終話キーに対してタッチ操作が行われると、音声通話が終了する。
【0056】
また、メニューキー22aが操作されると、ディスプレイ14にホーム画面が表示される。ユーザは、その状態でディスプレイ14に表示されているアイコンやキーなどのGUIに対して、タッチパネル16によるタッチ操作を行うことによってアイコンやキーなどを選択し、その選択を確定させることができる。
【0057】
また、ユーザは、電源キー22bを長押しすることによって、携帯電話機10の電源をオン/オフすることができる。また、ディスプレイ14に画面が表示されている状態で電源キー22bが短押しされると、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオフにされる。
【0058】
なお、以下の説明では、ディスプレイ14に表示されるアイコンや、ソフトキーなどのGUIは、まとめてオブジェクトと言うことがある。
【0059】
図2を参照して、図1に示す実施例の携帯電話機10は、コンピュータまたはCPUであるプロセッサ30などを含む。プロセッサ30には、近接センサ24、照度センサ26、無線通信回路32、A/D変換器36、D/A変換器38、入力装置40、表示ドライバ42、フラッシュメモリ44、RAM46、タッチパネル制御回路48、バイブレータ50および電源回路52などが接続される。
【0060】
プロセッサ30は、携帯電話機10の全体制御を司る。記憶部であるRAM46には、フラッシュメモリ44に予め設定されているプログラムの全部または一部が使用に際して展開され、プロセッサ30はこのRAM46上のプログラムに従って動作する。また、RAM46はさらに、プロセッサ30のワーキング領域ないしバッファ領域として用いられる。
【0061】
入力装置40は、図1に示すハードキー22を含むものである。そのため、ハードキー22に対するキー操作を受け付ける。入力操作を受け付けたハードキー22の情報(キーデータ)はプロセッサ30に入力される。
【0062】
無線通信回路32は、アンテナ34を通して、音声通話やメールなどのための電波を送受信するための回路である。実施例では、無線通信回路32は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、タッチパネル16が受け付けた発呼(音声発信)の操作に基づき、無線通信回路32は、プロセッサ30の指示の下、音声発信処理を実行し、アンテナ34を介して音声発信信号を出力する。音声発信信号は、基地局および通信網を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において音声着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ30は通話処理を実行する。
【0063】
A/D変換器36には図1に示すマイク20が接続され、上述のようにマイク20からの音声信号はこのA/D変換器36でディジタルの音声データに変換され、プロセッサ30に入力される。一方、D/A変換器38には図1に示すスピーカ18が接続される。D/A変換器38は、ディジタルの音声データを音声信号に変換して、アンプを介してスピーカ18に与える。したがって、音声データに基づく音声がスピーカ18から出力される。そして、通話処理が実行されている状態では、マイク20によって集音された音声が相手の電話機に送信され、相手の電話機で集音された音声が、スピーカ18から出力される。
【0064】
表示ドライバ42には図1に示すディスプレイ14が接続され、したがって、ディスプレイ14はプロセッサ30から出力される映像または画像データに従って映像または画像を表示する。表示ドライバ42は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリを含んでおり、プロセッサ30から出力されたデータはこのビデオメモリに記憶される。そして、表示ドライバ42は、ビデオメモリの内容に従って、ディスプレイ14に画像を表示する。つまり、表示ドライバ42は、プロセッサ30の指示の下、当該表示ドライバ42に接続されたディスプレイ14の表示を制御する。そのため、プロセッサ30は表示制御部と言うことがある。なお、ディスプレイ14には、バックライトが設けられており、表示ドライバ42はプロセッサ30の指示に従って、そのバックライトの明るさや、点灯/消灯を制御する。
【0065】
タッチパネル制御回路48には、図1に示すタッチパネル16が接続される。タッチパネル制御回路48は、タッチパネル16に必要な電圧などを付与すると共に、タッチパネル16に対するタッチの開始を示すタッチ開始信号、タッチの終了を示す終了信号、およびタッチされたタッチ位置を示す座標データをプロセッサ30に入力する。したがって、プロセッサ30はこの座標データおよびその座標データの変化に基づいて、タッチされたオブジェクトを判断する。
【0066】
実施例では、タッチパネル16は、その表面と指などの物体(以下、便宜上合わせて指と言う。)との間に生じる静電容量の変化を検出する静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル16は、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル16に触れたことを検出する。そのため、タッチパネル16はポインティングデバイスと言うことがある。タッチパネル制御回路48は、タッチパネル16のタッチ有効範囲内でのタッチ操作を検出して、そのタッチ操作の位置を示す座標データをプロセッサ30に出力する。つまり、ユーザは、タッチパネル16の表面に対してタッチ操作を行うことで、操作位置や、操作方向などを携帯電話機10に入力する。なお、タッチパネル制御回路48は、タッチパネル16に対してタッチ操作が行われたときの静電容量の変化量を検出することもできる。
【0067】
また、本実施例のタッチパネル16には、ユーザが手袋を装着している手でもタッチ操作を検出することが可能な高感度モードを設定することができる。具体的には、タッチ操作を開始するときの最初のタッチ操作の静電容量の変化量によってモードが自動的に設定される。たとえば、静電容量の変化量が閾値よりも小さければ、手袋をつけた状態でタッチ操作が行われていると判断され、タッチ操作と判定するための設定値が通常の設定値よりも小さい値に設定される。そして、タッチ操作と判定するための設定値が通常の設定値よりも小さい値にされた状態を、高感度モードと言う。これに対して、タッチ操作と判定するための設定値が通常の設定値にされた状態を、通常モードと言う。
【0068】
なお、本実施例では、タッチ操作の静電容量の変化量が設定値より大きいかの判断をプロセッサ30が行っているが、他の実施例ではタッチパネル制御回路48が判断するようにしてもよい。
【0069】
ここで、本実施例のタッチ操作には、タップ操作、ロングタップ操作、フリック操作、スワイプ(スライド)操作などが含まれる。
【0070】
タップ操作は、タッチパネル16の表面に指を接触(タッチ)させた後、短時間のうちにタッチパネル16の表面から指を離す(リリースする)操作である。ロングタップ操作は、一定時間以上、指をタッチパネル16の表面に接触させ続けた後、指をタッチパネル16の表面から離す操作である。フリック操作は、タッチパネル16の表面に指を接触させ、任意の方向へ所定速度以上で指を弾く操作である。スワイプ(スライド)操作は、タッチパネル16の表面に指を接触させたまま任意の方向へ移動させた後、タッチパネル16の表面から指を離す操作である。
【0071】
また、上記のスワイプ操作には、ディスプレイ14の表面に表示されたオブジェクトに指を触れ、オブジェクトを移動させるスワイプ操作、いわゆるドラッグ操作も含まれる。また、ドラッグ操作の後、タッチパネル16の表面から指を離す操作をドロップ操作と言う。
【0072】
なお、以下の説明では、タップ操作、ロングタップ操作、フリック操作、スワイプ操作、ドラッグ操作およびドロップ操作は、それぞれ「操作」を省略して記述されることがある。また、タッチ操作はユーザの指だけに限らず、スタイラスペンなどによって行われてもよい。
【0073】
また、本実施例では、無操作の状態で所定時間(たとえば、15秒)が経過すると、自動的にディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオフにされる。
【0074】
近接センサ24は、図示は省略するが、発光素子(たとえば、赤外線LED)と受光素子(たとえば、フォトダイオード)とを含む。プロセッサ30は、フォトダイオードの出力の変化から、近接センサ24(携帯電話機10)に近接する物(たとえば、ユーザの顔や服など)の距離を算出する。具体的には、発光素子は赤外線を発光し、受光素子は、顔などの物で反射した赤外線を受光する。たとえば、受光素子がユーザの顔から遠い場合は、発光素子から発せられた赤外線は受光素子によってほとんど受光されない。一方、近接センサ24にユーザの顔が近接すると、発光素子が発光した赤外線は顔に反射して受光素子によって受光される。このように、受光素子は近接センサ24がユーザの顔に近接している場合とそうでない場合とで赤外線の受光量が変化するため、プロセッサ30は、その受光量に基づいて、近接センサ24から物までの距離を算出することが出来る。そして、プロセッサ30は、算出した距離が一定値より小さいときに、物が近接していると判断される。なお、近接センサ24は、物の近接を検出するために利用されることから、近接検出部と言うことがある。
【0075】
照度センサ26は、アレイ状に集積されたフォトダイオードなどを含む。各フォトダイオードは、受光すると出力が変化する。プロセッサ30は、各フォトダイオードの出力の変化に基づいて、携帯電話機10の周囲の明るさ(照度)を検出する。また、他の実施例では、フォトダイオードに代えてフォトトランジスタが利用されてもよい。なお、照度センサ26は、周囲の照度を検出するために利用されることから、照度検出部と言うことがある。
【0076】
バイブレータ50は、偏心重が回転軸に取り付けられたモータであり、プロセッサ30によってオン/オフが制御される。バイブレータ50が動作(オン)すると、バイブレータ50の振動によって携帯電話機10も振動する。たとえば、着呼したときにバイブレータ50が動作を動作させることで、着呼状態をユーザに通知することが出来る。また、タッチ操作が検出されたときにバイブレータ50を動作させることで、ユーザに対してタッチ操作が検出されたことを通知する。なお、以下の説明では、タッチ操作が検出されたときにバイブレータ50を動作させる処理を振動通知処理と言う。
【0077】
電源回路52は電源管理用のICであり、電源回路52は二次電池54の電圧に基づく電力をシステム全体に供給する。ここで、電源回路52が電力をシステム全体に供給している状態を、電源オン状態と言うことにする。一方、電源回路52が電力をシステム全体に供給していない状態を、電源オフ状態と言うことにする。上述したように、電源回路52は、電源オフ状態で電源キー22bが長押し(電源オン操作)されると起動され、電源オン状態で電源キー22bが長押し(電源オフ操作)されると停止される。さらに、電源オフ状態であっても、電源回路52は、図示しない外部電源コネクタに外部電源が接続され、二次電池54に電力が供給(充電)されると起動し、二次電池54の満充電状態が検出されると停止する。また、「充電」とは、外部電源コネクタが外部電源と接続され外部電源から電力の供給を受け、二次電池54が電気エネルギーを蓄えることを言う。なお、電源回路52および二次電池54は、まとめて電源部と言うことがある。
【0078】
図3は着呼中に表示される着呼画面の一例を示す図解図である。図3を参照して、ディスプレイ14の表示範囲は状態表示領域60および機能表示領域62を含む。状態表示領域60には、アンテナ34による電波受信状態を示すピクト、二次電池54の残電池容量を示すピクトおよび時刻が表示される。機能表示領域62には、着呼画面が表示される。この着呼画面には、着呼中であることを示す文字列、発呼者を示す文字列および画像、応答するための2つのキーおよび操作を説明するための文字列などが含まれる。
【0079】
発呼者を示す文字列および画像は、相手の電話機の電話番号に対して、相手(発呼者)の名前と画像とを含むアドレスデータが登録されているときに、そのアドレスデータに基づいて表示される。ただし、このようなアドレスデータが登録されていない場合、着呼画面には「発呼者不明」と表示され、発呼者が不明であることを示す画像が表示される。
【0080】
応答するための2つのキーには、着呼キー64および保留キー66が含まれている。着呼中に着呼キー64に対してスワイプ操作がされると、通信可能状態が確立され、プロセッサ30は通話処理を実行する。つまり、ユーザは、着呼キー64に対してタッチ操作を行うことで、発呼者との通話を開始することが出来る。また、着呼中に保留キー66に対してスワイプ操作されると、着呼可能状態が確立され、プロセッサ30は保留処理を実行する。保留処理が実行されると、たとえば通話応答が出来ないことを伝える音声メッセージが発呼者の電話機に送信される。つまり、ユーザは、保留キー66に対してタッチ操作を行うことで、発呼者に対して着呼に応答できないことを伝えることが出来る。
【0081】
また、着呼画面およびその後の通話画面では、近接センサ24によって物の近接が検出されているときは、タッチパネル16に対するタッチ操作が制限される。つまり、通話中などでは携帯電話機10がユーザの顔に近づけられるため、タッチパネル16がユーザの顔を検出し誤動作する可能性がある。そのため、着呼中または通話中において近接センサ24によって物の近接が検出されている場合は、タッチパネル16に対してタッチ操作が行われても、キー操作に対応する処理などが実行されないようにタッチ操作が制限される。
【0082】
ここで、携帯電話機10は、タッチパネル16に対するユーザの意図しない入力による誤操作を防止するために、タッチ操作に基づく所定の処理の実行を制限するロック状態を設定することができる。たとえば、電源キー22bが操作されると、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオフにされると共にロック状態が設定される。この状態で、メニューキー22aが操作されると、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオンとなり、ロック画面が表示され、ロック状態の解除操作が受け付けられるようになる。ただし、ディスプレイ14の電源が自動的にオフにされた場合も、ロック状態が設定される。
【0083】
なお、本実施例のロック状態では、ロック画面が表示されるまでは、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオフにされているため、携帯電話機10の消費電力が抑えられる。
【0084】
図4(A)はロック画面の一例を示す図解図である。図4(A)を参照して、ロック状態で、たとえばメニューキー22aまたは電源キー22bが操作されると機能表示領域62にロック画面が表示される。ロック画面には、現在日時を示す日時アイコン68が含まれるともに、解除操作を受け付ける2つのキーが表示される。2つのキーには、ロック状態を解除するためのスタートキー70およびロック状態を解除すると共に電話機能を実行するための電話キー72が含まれる。
【0085】
たとえば、スタートキー70に対してタップ操作がされると、そのタップ操作が解除操作として受け付けられロック状態が解除される。そして、スタートキー70を利用してロック状態が解除されると、図4(B)に示す操作ロック画面が表示される。操作ロック画面には、日時アイコン68が表示されると共に、開始アイコン74が表示される。そして、この開始アイコン74に対して、任意の方向に所定距離以上のスワイプ操作(開始操作)がされると、操作ロック状態が解除されてホーム画面が表示される。つまり、ユーザは、ロック状態が設定されている状態では、ロック画面で解除操作をした後に、操作ロック画面で開始操作を行うことで、ホーム画面を表示させることが出来る。
【0086】
なお、他の実施例では、操作ロック画面に代えて、パスワードの入力を受け付けるパスワードロック画面が表示されるようにしてもよい。また、その他の実施例では、ロック状態が解除された後は、図4(B)に示す操作ロック画面が表示されずにホーム画面が表示されてもよい。さらにその他の実施例では、ロック画面として操作ロック画面が表示されてもよい。
【0087】
また、電話キー72に対してタップ操作がされると、そのタップ操作が解除操作として受け付けられロック状態が解除される。そして、電話キー72を利用してロック状態が解除されると、ダイヤルキーを含む発呼画面が表示される。そして、ユーザは、発呼画面で任意の電話番号を入力した後に発呼操作を行うことで、任意の相手に電話を掛けることが出来る。なお、ロック状態で着呼したときは、図4(A)に示すロック画面ではなく、図3に示す着呼画面が表示される。
【0088】
ここで、ロック画面が表示されたとき、またはロック状態で着呼画面が表示されたときは、ユーザが手袋を装着した状態でタッチ操作を行うかを判断する必要があるため、タッチパネル16の感度は高感度モードに設定される。これにより、ユーザが手袋を装着した状態でロック画面などを表示したとしても、ロック状態の解除操作を受け付けることが出来る。
【0089】
ところが、ロック状態が設定されている携帯電話機10がユーザの服のポケットの中に入れられている状態で、ロック画面が表示されたり、着呼画面が表示されたりすると、高感度モードが設定されているタッチパネル16は、服を介してユーザの体(たとえば足)を検出する可能性がある。そして、ユーザの体を検出した場合、携帯電話機10の設定がユーザの意図に反して変更されたり、ユーザの意図に反して着呼に応答してしまったりするといった誤動作が起きてしまうことが考えられる。
【0090】
そこで、本実施例では、近接センサ24および照度センサ26を利用して、携帯電話機10がユーザの服のポケットの中に入れられている状態を判断し、携帯電話機10がポケットの中に入れられている状態だと判断されたときには、特定の通知を行うことでタッチ操作を実質的に無効にする。
【0091】
具体的には、キー操作、着呼などのイベントが発生して、携帯電話機10のディスプレイ14の電源がオンにされると、近接センサ24および照度センサ26の電源がオンにされる。このとき、近接センサ24によって物の近接が検出され、かつ照度センサ26によって検出された照度が所定値より小さい、つまり周囲が暗い状態であると判断されたとき、携帯電話機10がポケットの中に入れられている状態だと判断される。このように判断された状態で、タッチパネル16にタッチ操作が行われると、たとえば図5に示すようなポップアップ76が表示されると共に、バイブレータ50による振動通知処理が実行される。そして、携帯電話機10がポケットの中に入れられている状態では、タッチパネル16のいずれの位置にタッチされてもポップアップ76が表示され、振動通知処理が実行される。つまり、携帯電話機10がポケットの中などに入れられており、物が検出され、かつ検出された照度が所定値よりも小さい場合において、タッチ操作が検出されると、ポップアップ76が表示されたり、振動通知処理が実行されたりする。そして、このような状態でこれらの通知を行うことでタッチ操作を実質的に無効にし、誤動作が起きる可能性を低くしている。
【0092】
図5を参照して、たとえばキー操作のイベントが発生した場合、ディスプレイ14の電源がオンになった後にロック画面が表示される。この状態で携帯電話機10がポケットの中に入れられていると判断され、タッチパネル16における任意の位置にタッチ操作が行われると、ポップアップ76がロック画面の上に重ねて表示され、バイブレータ50を利用した振動通知処理が実行される。このように、タッチ操作に応答して振動通知処理が実行されるため、ユーザは、タッチパネル16が故障していないことに気づくことが出来る。たとえば、タッチ操作に応じて振動通知処理が行われない場合、ユーザはタッチパネル16が故障したためタッチ操作を行うことが出来ないと勘違いしてしまう可能性がある。ところが、本実施例のように、タッチ操作に応じて振動通知処理が行われることで、タッチパネル16の故障によってタッチ操作を行うことが出来ないと、ユーザが勘違いする可能性を低くすることが出来る。
【0093】
また、ポップアップ76には、近接センサ24および照度センサ26の位置を示す携帯電話機10の外観の画像と、携帯電話機10を覆っている手や何らかの物を移動させることで携帯電話機10が操作可能になることを伝えるメッセージとが含まれる。このように、ポケットの中に入れられていると判断されている場合、タッチ操作に応じてポップアップ76を表示することで、近接センサ24および照度センサ26が誤って隠されていることを、ユーザに通知することが出来る。
【0094】
そして、近接センサ24によって物の近接が検出されなくなるか、照度センサ26によって検出された照度が所定値より大きい、つまり周囲が明るくなると、ポップアップ76の表示は消去される。つまり、携帯電話機10がポケットの中に入れられている状態ではないと判断されると、ポップアップ76が消去される。これにより、ユーザは、タッチ操作が実質的に有効になったことに気づくことが出来る。
【0095】
また、上述したように、キー操作などのイベントの発生に対応して、近接センサ24および照度センサ26の電源をオンにすることで、携帯電話機10がポケットの中に入れられているかの判断を行うときの消費電力を抑えることが出来る。たとえば、近接センサ24および照度センサ26の電源を常にオンにした場合、上記判断を行う必要が無いときでも近接センサ24および照度センサ26に電力が供給され、電力が無駄に消費されてしまう。ところが、本実施例のように近接センサ24および照度センサ26の電源をオンにすることで、消費電力を抑えることが出来る。
【0096】
同様に、携帯電話機10がポケットの中に入れられている状態ではなくなったと判断されたとき、つまり近接センサ24によって物の近接が検出されなくなるか、照度センサ26によって検出された照度が所定値より大きくなると、近接センサ24および照度センサ26の電源がオフにされる。このように、近接センサ24および照度センサ26のそれぞれが不要になれば各センサの電源がオフにされるため、消費電力が抑えられる。
【0097】
図6を参照して、着呼のイベントが発生した場合、ディスプレイ14の電源がオンになった後に着呼画面が表示される。この場合でも、携帯電話機10がポケットの中に入れられていると判断されタッチ操作が検出されると、ポップアップ76が着呼画面の上に重ねて表示され、振動通知処理が実行される。ただし、ポップアップ76は、着呼画面における発呼者と対応する画像を隠さない位置、たとえば画面の下側に表示される。また、着呼画面で表示されるポップアップ76の中にはメッセージは表示されるが画像は表示されず、ロック画面で表示されるポップアップ76よりも表示サイズが小さい。したがって、ユーザは、着呼画面にポップアップ76が重ねて表示された状態であっても、発呼者に関連する画像を確認できる。
【0098】
また、着呼画面でポップアップ76が表示されている場合、近接センサ24によって物の近接が検出されなくなったときに、ポップアップ76が消去される。つまり、ユーザは、タッチ操作が実質的に有効になったことに気づくことが出来る。また、上述したように、着呼中は近接センサ24によってタッチパネル16に対するタッチ操作を制限しているため、照度センサ26は利用せずに、近接センサ24の検出結果に基づいてタッチパネル16に対する操作が実質的に有効な状態に戻るようにしてある。たとえば、ロック画面などに表示されたポップアップ76と同様、照度センサ26によって検出された照度を利用してタッチパネル16に対する操作を有効にした場合、携帯電話機10がユーザの顔の近くにあるにもかかわらず、タッチパネル16に対するタッチ操作が有効になってしまい、誤動作が起きる可能性がある。そのため、本実施例では、このような誤動作が発生しないようにしてある。
【0099】
さらに、着呼のイベントが発生した後に、タッチパネル16に対する操作が有効になった後は、照度センサ26の電源がオフにされる。そして、ポケットの中に入れられていない状態となっても、近接センサ24によってユーザの顔の近接を検出する必要があるため、近接センサ24の電源はオンにされたままとなる。このように、照度センサ26の電源をオフにすることで、無駄な消費電力を抑えることが出来る。
【0100】
本実施例では、携帯電話機10がポケットの中に入れられていると判断された状態では、タッチパネル16の任意の位置にタッチされるとポップアップ76が表示される。つまり、携帯電話機10がポケットの中に入れられていると判断された状態では、タッチパネル16の略全体がタッチ操作の有効領域となっている。これに対して、たとえば図4(A)に示すロック画面では、スタートキー70および電話キー72以外の位置にタッチ操作が行われても、タッチ操作と対応する処理が実行されない。つまり、ロック画面では、スタートキー70および電話キー72の表示範囲(所定領域)がタッチ操作の有効領域となっている。このことから、携帯電話機10がポケットの中に入れられていると判断される前と後とでは、タッチパネル16におけるタッチ操作の有効領域が変化しているといえる。そして、携帯電話機10がタッチ操作に応じて特定の通知を行う状態では、キーの表示範囲に関係なくタッチパネル16にタッチ操作が行われればポップアップ76が表示される。そのため、ユーザは任意の位置にタッチ操作を行うことで、携帯電話機10の状態を把握することが出来る。
【0101】
また、他の実施例では、携帯電話機10がポケットの中に入れられていると判断された状態でも、所定領域(たとえば、キーの表示範囲)にタッチ操作が行われたときにポップアップ76が表示されるようにしてもよい。つまり、他の実施例では、ユーザが所定領域に対してタッチ操作を行ったときにポップアップ76を表示することが出来る。
【0102】
なお、キーの表示範囲を所定領域とすることで、ユーザがタッチ操作を行う位置を誘導することが出来る。
【0103】
また、本実施例では、無操作の状態で所定時間が経過したり、電源キー22bが操作されたりして、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオフされたときも、近接センサ24および照度センサ26の電源はオフにされる。
【0104】
また、ロック画面が表示されているときに着呼フラグ350がオンになった場合、ロック画面に代えて着呼画面が表示される。このとき、ポップアップ76が表示されていれば、ポップアップ76は、図5の状態から図6の状態に変化する。つまり、ポップアップ76の内容および表示位置が変化する。
【0105】
上述では本実施例の特徴を概説した。以下では、図7に示すメモリマップおよび図8図12に示すフロー図を用いて詳細に説明する。
【0106】
図7を参照して、RAM46には、プログラム記憶領域302とデータ記憶領域304とが形成される。プログラム記憶領域302は、先に説明したように、フラッシュメモリ44(図2)に予め設定しているプログラムおよびデータの一部または全部を読み出して記憶(展開)しておくための領域である。
【0107】
プログラム記憶領域302には、無操作の状態で所定時間が経過したときにディスプレイ14およびタッチパネル16の電源をオフにするためのディスプレイ制御プログラム310、着呼中および通話中にタッチパネル16に対するタッチ操作を制限するためのタッチ操作制御プログラム312、携帯電話機10がポケットの中に入っていると判断されたときに、特定の通知するための通知制御プログラム314、ロック状態を解除したりするためのロック状態制御プログラム316および着呼したときに実行される着呼制御プログラム318などが記憶される。なお、プログラム記憶領域302には、発呼するためのプログラム、メールを送受信するためのプログラム、アドレス帳データを管理するためのプログラムなども記憶される。
【0108】
続いて、RAM46のデータ記憶領域304には、近接センサバッファ330、照度センサバッファ332、タッチバッファ334、ハードキーバッファ336およびタッチ領域バッファ338などが設けられると共に、GUIデータ340およびポップアップデータ342なども記憶される。また、データ記憶領域304には、タッチフラグ344、ディスプレイフラグ346、ロックフラグ348、着呼フラグ350、高感度フラグ352および無操作カウンタ354なども設けられる。
【0109】
近接センサバッファ330には、近接センサ24によって検出された物までの距離の情報が一時的に記憶される。照度センサバッファ332には、照度センサ26によって検出された照度の情報が一時的に記憶される。タッチバッファ334には、タッチパネル制御回路48が出力するタッチ座標のデータ、静電容量の変化量、タッチ操作の始点および終点のタッチ座標のデータなどが一時的に記憶される。
【0110】
ハードキーバッファ336には、プロセッサ30に入力されたハードキーの情報(キーデータ)が一時的に記憶される。タッチ領域バッファ338は、表示されている画面でタッチ操作が有効な領域の座標データが一時的に記憶される。たとえば、図4(A)に示すロック画面が表示されている場合は、スタートキー70および電話キー72の表示範囲を示す座標データがタッチ領域バッファ338に記憶される。
【0111】
GUIデータ340は、ロック画面および着呼画面などを表示するときに表示するためのGUIのデータである。そのため、GUIデータ340には、画像データおよび文字データなどが含まれる。ポップアップデータ342は、ポップアップ76を表示するためのデータであり、GUIデータ340と同様、画像データおよび文字データを含む。
【0112】
タッチフラグ344は、タッチパネル16に対してタッチされているか否かを判断するためのフラグである。たとえば、タッチフラグ344は、1ビットのレジスタで構成される。タッチフラグ344がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、タッチフラグ344がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0
」が設定される。また、タッチフラグ344は、タッチパネル制御回路48の出力に基づいてオン/オフが切り換えられる。
【0113】
ディスプレイフラグ346はディスプレイ14に画像が表示されているか否かを判断するためのフラグである。たとえば、ディスプレイフラグ346は、ディスプレイ14に画像が表示されるとオンにされ、ディスプレイ14に表示されている画像が消去されるとオフにされる。ロックフラグ348は、ロック状態が設定されているか否かを判断するためのフラグである。たとえば、ロックフラグ348は、ロック状態が設定されるとオンにされ、ロック状態が解除されるとオフにされる。着呼フラグ350は、着呼中であるかを判断するためのフラグである。たとえば、着呼フラグ350は、音声発信信号を受信するとオンにされ、音声発信信号が受信できなくなるとオフにされる。高感度フラグ352は、高感度モードが設定されているか否かを判断するためのフラグである。
【0114】
なお、これらのフラグの構成は、タッチフラグ344と略同じであるため、これらのフラグの構成の詳細な説明は、簡単のため省略する。
【0115】
無操作カウンタ354は、無操作の状態の時間を計測するためのカウンタである。また、無操作カウンタ354は、ディスプレイ14の電源がオンにされるか、キー操作や着呼などのイベントが生じると初期化され、時間の計測が開始される。無操作カウンタ354によって所定時間が計測されると、無操作カウンタ354は満了する。そして、無操作カウンタ354が満了すると、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオフにされる。
【0116】
なお、データ記憶領域304には、アドレス帳データが記憶されたり、プログラムの実行に必要な、他のフラグやタイマ(カウンタ)が設けられたりする。
【0117】
プロセッサ30は、Windows(登録商標)ベースのOSや、Android(登録商標)およびiOS(登録商標)などのLinux(登録商標)ベースのOSなどその他のOSの制御下で、図8図10に示す通知制御処理、図11に示すロック状態制御処理および図12に示す着呼制御処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
【0118】
なお、無操作の状態で所定時間が経過したときにディスプレイ14およびタッチパネル16の電源をオフにするディスプレイ制御処理および着呼中および通話中に近接センサ24を利用してタッチパネル16に対するタッチ操作を制限するタッチ操作制御処理も、上記の処理と並列的に処理される。そして、2つの処理については既に周知であり、本願発明の本質的な内容ではないため、図示および説明は省略する。
【0119】
図8は通知制御処理のフロー図の一部である。通知制御処理は、たとえばディスプレイ14の電源がオフにされると通知制御処理の実行命令が発行され、通知制御処理が開始される。この通知制御処理の実行命令は、ディスプレイ14の電源がオフの状態であれば、一定周期(たとえば、100ms)毎に発行される。
【0120】
ステップS1でプロセッサ30は、イベントが発生したか否かを判断する。つまり、キー操作または着呼などのイベントが発生したかが判断される。具体的には、プロセッサ30は、ハードキーバッファ336にキー情報が記憶されるか、着呼フラグ350がオンになったかを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまりイベントが発生していなければ、プロセッサ30は通知制御処理を終了する。一方、ステップS1で“YES”であれば、たとえばキー操作のイベントが発生すると、ステップS3でプロセッサ30は、近接センサ24および照度センサ26の電源をオンにする。つまり、携帯電話機10がポケットなどの中に入れられている状態かを判断するために、これらのセンサの電源がオンにされる。なお、ステップS3の処理を実行するプロセッサ30は第1制御部として機能する。
【0121】
続いて、ステップS5でプロセッサ30は、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源をオンにする。つまり、発生したイベントに対応する画面を表示して操作するために、ディスプレイ14およびタッチパネル16の電源がオンにされる。続いて、ステップS7で着呼か否かを判断する。つまり、発生したイベントが着呼であるかが判断される。具体的には、プロセッサ30は着呼フラグ350がオンであるかを判断する。ステップS7で“YES”であれば、つまり発生したイベントが着呼の場合、プロセッサ30は、図10に示すステップS31の処理に進む。
【0122】
一方、ステップS7で“NO”であれば、たとえば発生したイベントがキー操作の場合、ステップS9でプロセッサ30は、物の近接を検出したか否かを判断する。つまり、携帯電話機10の正面に物が存在しているかが判断される。具体的には、プロセッサ30は、近接センサバッファ330に記憶されている距離の情報に基づいて、物が近接しているかを判断する。ステップS9で“NO”であれば、つまり物の近接が検出されていなければ、プロセッサ30はステップS27の処理に進む。一方、ステップS9で“YES”であれば、つまり物の近接が検出されていれば、ステップS11でプロセッサ30は、周囲が暗いか否かを判断する。つまり、プロセッサ30は、照度センサバッファ332に記憶されている照度が、所定値よりも小さいかを判断する。ステップS11で“NO”であれば、つまり携帯電話機10の周囲が明るければ、プロセッサ30はステップS27の処理に進む。
【0123】
一方、ステップS11で“YES”であれば、つまり物の近接が検出され、かつ周囲が暗ければ、プロセッサ30はステップS13の処理に進む。つまり、携帯電話機10がポケットの中に入れられた状態だと判断される。このように判断されると、ステップS13でプロセッサ30は、タッチ操作か否かを判断する。たとえば、ロック画面が表示されている場合、タッチパネル16に対して任意の位置でタッチ操作が行われたかが判断される。ステップS13で“NO”であれば、つまりタッチ操作が行われていなければ、プロセッサ30はステップS19の処理に進む。なお、ステップS11で“YES”と判断された場合、タッチ領域バッファ338には、タッチパネル16の全領域を示す座標データが記憶される。つまり、タッチパネル16の全体がタッチ操作の有効領域とされる。
【0124】
一方、ステップS13で“YES”であれば、たとえばタッチパネル16に対してタップ操作がされると、プロセッサ30は、ステップS15でポップアップ76を表示し、ステップS17で振動通知処理を実行する。たとえば、ロック画面が表示されている状態であれば、図5に示すようなポップアップ76が表示され、バイブレータ50が動作する。
【0125】
続いて、ステップS19でプロセッサ30は、物の近接が検出されなくなったか否かを判断する。つまり、携帯電話機10がポケットの中に入れられた状態ではなくなったかが判断される。ステップS19で“YES”であれば、つまり物の近接が検出されなくなれば、プロセッサ30はステップS25の処理に進む。一方、ステップS19で“NO”であれば、つまり物の近接が検出された状態であれば、ステップS21でプロセッサ30は周囲が明るいか否かを判断する。つまり、ステップS19と同様、携帯電話機10がポケットの中かに入れられた状態ではなくなったかが判断される。ステップS21で“NO”であれば、ステップS23でプロセッサ30は、表示が消去されたか否かを判断する。たとえば、電源キー22bが操作され、ディスプレイフラグ346がオフにされたかが判断される。ステップS23で“YES”であれば、たとえば無操作の状態で所定時間が経過して、ディスプレイ14の電源がオフにされてディスプレイフラグ346がオフになると、プロセッサ30は、後述するステップS29の処理を実行した後に、通知制御処理を終了する。
【0126】
ステップS23で“NO”であれば、たとえば携帯電話機10がポケットの中に入れられたままで、ディスプレイ14の表示が変化しなければ、プロセッサ30はステップS13の処理に戻る。その後、ステップS19またはステップS21で“YES”と判断されると、つまり物の近接が検出されなくなるか、周囲が明るくなると、ステップS25でプロセッサ30は、ポップアップ76を消去する。たとえば、図5に示すロック画面が表示されていた場合、ポップアップ76が消去され、図4(A)に示すロック画面が表示される。ただし、ポップアップ76が表示されていない場合は、ディスプレイ14の表示は変化しない。そして、ステップS25でポップアップ76が消去されると、タッチ領域バッファ338には、表示されているキーに対応する座標データが記憶される。つまり、携帯電話機10がポケットの中に入れられている状態ではなくなったと判断されると、タッチパネル16の有効領域が、タッチパネル16の全体からキーの表示領域に変化する。なお、ステップS25の処理を実行するプロセッサ30は消去部として機能する。
【0127】
続いて、ステップS27でプロセッサ30は、表示が消去されたか否かを判断する。たとえば、ロック画面が表示されている状態で解除操作がされ、ロック画面が消去されてディスプレイフラグ346がオフにされたかが判断される。ステップS27で“NO”であれば、たとえば携帯電話機10が持たれた状態でロック画面が表示されていれば、プロセッサ30はステップS9の処理に戻る。
【0128】
たとえば解除操作がされロック画面が消去された後に操作ロック画面が表示されていればディスプレイフラグ346が一旦オフになるため、ステップS27では“YES”と判断され、ステップS29でプロセッサ30は、近接センサ24および照度センサ26の電源をオフにする。つまり、携帯電話機10がポケットの中に入れられた状態であるかを判断する必要が無くなったため、2つのセンサの電源がオフにされる。そして、ステップS29の処理が終了すれば、プロセッサ30は通知制御処理を終了する。なお、ステップS29の処理を実行するプロセッサ30は第2制御部として機能する。
【0129】
ここで、発生したイベントが着呼であれば、つまりステップS7で“YES”であれば、図10に示すステップS31でプロセッサ30は、ステップS9と同様、物の近接を検出したか否かを判断する。ステップS31で“YES”であれば、つまり物の近接が検出されると、ステップS33でプロセッサ30は、ステップS11と同様、周囲が暗いか否かを判断する。ステップS31またはステップS33で“NO”であれば、つまり、物の近接が検出されていないか、周囲が明るければ、プロセッサ30は、後述するステップS47の処理を実行した後に通知制御処理を終了する。つまり、着呼した時点でポケットの中に携帯電話機10が入れられている状態ではないと判断されたため、通知制御処理は終了する。なお、通知制御処理が終了したときに着呼中であれば、タッチ操作制御処理が実行され、近接センサ24を利用してタッチパネル16に対するタッチ操作を制限するか否かの判断がされる。
【0130】
また、ステップS33で“YES”であれば、つまり物の近接が検出され、周囲が暗ければ、プロセッサ30はステップS35の処理に進む。つまり、携帯電話機10がポケットの中に入れられた状態であると判断される。このように判断されると、ステップS35でプロセッサ30は、ステップS13と同様、タッチ操作か否かを判断する。ステップS35で“NO”であれば、つまりタッチ操作が行われていなければ、プロセッサ30はステップS41の処理に進む。なお、ステップS33で“YES”と判断された場合、ステップS11で“YES”と判断されたときと同様、タッチパネル16の全体がタッチ操作の有効領域とされる。
【0131】
一方、ステップS35で“YES”であれば、つまりタッチ操作が行われると、プロセッサ30は、ステップS37で図6に示すポップアップ76を表示し、ステップS39で振動通知処理を実行する。
【0132】
続いて、ステップS41でプロセッサ30は、ステップS19と同様、物の近接が検出されなくなったかが判断される。ステップS41で“NO”であれば、つまり物が検出されていれば、ステップS43でプロセッサ30は、表示が消去されたか否かを判断する。たとえば、電源キー22bが操作されてディスプレイフラグ346がオフされたかが判断される。ステップS43で“YES”であれば、たとえば音声発信信号が受信されなくなって着呼フラグ350がオフとなり、着呼画面が消去されると、プロセッサ30はステップS29の処理に進む。
【0133】
また、ステップS43で“NO”であれば、つまり表示が消去されなければ、プロセッサ30はステップS35の処理に戻る。そのあと、ステップS41で“YES”と判断されると、つまり物の近接が検出されなくなると、ステップS45でプロセッサ30は、ポップアップ76を消去する。つまり、図6に示す着呼画面においてポップアップ76が消去されると、図3に示す着呼画面がディスプレイ14に表示される。そして、ステップS45でポップアップ76が消去されると、ステップS25の処理でポップアップ76が消去されたときと同様、タッチパネル16の有効領域が、タッチパネル16の全体からキーの表示領域に変化する。なお、ステップS45の処理を実行するプロセッサ30は消去部として機能する。
【0134】
続いて、ステップS47でプロセッサ30は、照度センサ26の電源をオフにする。つまり、照度センサ26が不要であるため、照度センサ26の電源がオフにされる。そして、ステップS47の処理が終了すると、プロセッサ30は通知制御処理を終了する。また、通常の着呼画面が表示されるため、タッチパネル16に対するタッチ操作は、上述したタッチ操作制御処理によって制限される場合もある。そして、ステップS47の処理を実行するプロセッサ30は第3制御部として機能する。
【0135】
なお、ステップS15,S37の処理を実行するプロセッサ30はポップアップ表示処理部として機能する。
【0136】
図11はロック状態制御処理のフロー図である。たとえばロック状態が設定されているときにディスプレイ14の電源がオンにされると、ロック状態制御処理が開始される。ステップS61でプロセッサ30は、高感度フラグ352をオンにする。つまり、タッチパネル16の感度が高感度モードにされる。続いて、ステップS63でプロセッサ30は、ロック画面を表示する。たとえば、図4(A)に示すロック画面がディスプレイ14に表示される。また、ロック画面が表示されると、スタートキー70および電話キー72の表示範囲を示す座標データがタッチ領域バッファ338に記憶される。ただし、携帯電話機10がポケットの中に入れられている状態だと判断されているときには、タッチパネル16の全体を示す座標データがタッチ領域バッファ338に記憶される。
【0137】
続いて、ステップS65でプロセッサ30は、解除操作がされたか否かを判断する。たとえば、スタートキー70または電話キー72に対してタップ操作がされたかが判断される。ただし、携帯電話機10がポケットに入れられている状態と判断されている場合、上記の解除操作は有効な操作として受け付けられない。
【0138】
ステップS65で“NO”であれば、つまり解除操作がされなければ、ステップS67でプロセッサ30は、表示が消去されたか否かを判断する。たとえば、無操作の状態で所定時間が経過して、ディスプレイ14の電源がオフにされることでロック画面が消去されたかが判断される。具体的には、プロセッサ30は、ディスプレイフラグ346がオフになったかを判断する。ステップS67で“YES”であれば、たとえば電源キー22bが操作されてロック画面が消去されると、プロセッサ30はステップS75の処理に進む。一方、ステップS67で“NO”であれば、つまりロック画面が表示された状態であれば、プロセッサ30はステップS65の処理に戻る。そして、ステップS65で“YES”であれば、たとえばスタートキー70が操作されると、ステップS69でプロセッサ30は、ロックフラグ348をオフにする。つまり、ロック状態が解除される。
【0139】
続いて、ステップS71でプロセッサ30は、手袋操作か否かを判断する。つまり、解除操作としてされたタッチ操作において、静電容量の変化量が閾値よりも小さいかが判断される。なお、静電容量の変化量は、タッチバッファ334から読み出される。ステップS71で“NO”であれば、たとえば素手で解除操作がされ、タッチバッファ334に記憶されている静電容量の変化量が閾値よりも大きければ、ステップS73でプロセッサ30は、高感度フラグ352をオフにする。つまり、タッチパネル16の感度が通常モードにされる。そして、ステップS73の処理が終了すると、プロセッサ30はステップS75の処理に進む。一方、ステップS71で“YES”であれば、たとえば手袋を装着した手で解除操作がされ、静電容量の変化量が閾値よりも小さければ、プロセッサ30はステップS75の処理に進む。つまり、高感度モードが設定されたままとなる。
【0140】
続いて、ステップS75でプロセッサ30は、ロック画面を消去する。つまり、ロック状態が解除されたため、次の画面(たとえば、操作ロック画面)を表示するためにロック画面が消去される。そして、ステップS75の処理が終了すれば、プロセッサ30はロック状態制御処理を終了する。
【0141】
図12は着呼制御処理のフロー図である。たとえば、着呼フラグ350がオンになると、着呼制御処理が開始される。ステップS91でプロセッサ30は、ロック状態か否かを判断する。つまりロックフラグ348がオンであるかが判断される。ステップS91で“NO”であれば、つまりロック状態が設定されていなければ、プロセッサ30はステップS95の処理に進む。一方、ステップS91で“YES”であれば、つまりロック状態が設定されロックフラグ348がオンであれば、ステップS93でプロセッサ30は、ステップS61と同様、高感度フラグ352をオンにする。
【0142】
続いて、ステップS95でプロセッサ30は、ディスプレイ14の電源がオンであるか否かを判断する。つまり、ディスプレイ14の電源がオフの状態で着呼する可能性がある。そのため、着呼画面を表示する前に、通知制御処理のステップS5でディスプレイ14の電源がオンにされたかを判断する。ステップS95で“NO”であれば、つまりディスプレイ14の電源がオフであれば、プロセッサ30はステップS95の処理を繰り返す。一方、ステップS95で“YES”であれば、つまりディスプレイ14の電源がオンであれば、ステップS97でプロセッサ30は、着呼画面を表示する。たとえば、図3に示す着呼画面がディスプレイ14に表示される。なお、着呼画面が表示される共に、着信音がスピーカ18から出力され、バイブレータ50が動作する。また、着呼画面が表示されると、着呼キー64および保留キー66の表示範囲を示す座標データがタッチ領域バッファ338に記憶される。ただし、携帯電話機10がポケットの中に入れられている状態だと判断されている場合は、タッチパネル16の全体を示す座標データがタッチ領域バッファ338に記憶される。
【0143】
続いて、ステップS99でプロセッサ30は、着呼操作か否かを判断する。たとえば、着呼キー64に対してタップ操作がされたかが判断される。ステップS99で“YES”であれば、たとえば着呼キー64に対してタップ操作がされると、ステップS101でプロセッサ30は、通話処理を実行する。つまり、相手の電話機と通話可能な状態となる。そして、ステップS101の処理が終了すれば、プロセッサ30はステップS109の処理に進む。一方、ステップS99で“NO”であれば、つまり通話操作がされていなければ、ステップS103でプロセッサ30は、保留操作がされたか否かを判断する。たとえば、保留キー66に対してタップ操作がされたか否かを判断する。ステップS103で“YES”であれば、たとえば保留キー66に対してタップ操作がされると、ステップS105でプロセッサ30は、保留処理を実行する。たとえば、相手の電話機に対して現時点で通話によって対応できないことを伝えるメッセージが送信される。そして、ステップS105の処理が終了すると、プロセッサ30はステップS109の処理に進む。なお、携帯電話機10がポケットに入れられている状態と判断されている場合、上記の着呼操作または保留操作は有効な操作として受け付けられない。
【0144】
ステップS103で“NO”であれば、つまり保留操作がされなければ、ステップS107でプロセッサ30は、着呼フラグ350がオフか否かを判断する。つまり、音声発信信号が受信されなくなり、着呼フラグ350がオフとなったかが判断される。ステップS107で“NO”であれば、つまり音声発信信号が受信されており、着呼フラグ350がオンであれば、プロセッサ30はステップS99の処理に戻る。
【0145】
また、ステップS107で“YES”であれば、たとえば音声発信信号が受信されなくなり、着呼フラグ350がオフになっていれば、ステップS109でプロセッサ30は、着呼画面を消去する。つまり、次の画面を表示するために、着呼画面が消去される。また、着呼画面の消去と共に、着信音の出力も停止され、バイブレータ50も停止する。そして、ステップS109の処理が終了すれば、プロセッサ30は着呼制御処理を終了する。また、着呼制御処理が終了すると、ディスプレイ14には、通話画面、保留画面、ロック画面またはホーム画面などが表示される。
【0146】
なお、ステップS69,S101,S105の処理を実行するプロセッサ30は実行部として機能する。
【0147】
<第2実施例>
第2実施例では、携帯電話機10がポケットの中に入れられている状態だと判断されると、タッチ操作が検出されなくてもポップアップ76が表示される。なお、携帯電話機10の外観や、電気的な構成などは第1実施例と略同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0148】
たとえば、携帯電話機10がポケットの中に入れられており、近接センサ24によって物の近接が検出され、照度センサ26によって検出された照度が所定値よりも小さい状態であれば、メニューキー22aが操作されロック画面が表示されると共に、ポップアップ76も合わせて表示される。
【0149】
同様に、上述のように携帯電話機10がポケットの中に入れられている状態で着呼すると、着呼画面が表示されると共にポップアップ76も表示される。
【0150】
したがって、第2実施例では、ユーザが近接センサ24および照度センサ26を誤って指などで隠してしまった場合、ユーザはディスプレイ14を見るだけでそのような状態であることに気づくことが出来る。
【0151】
上述では第2実施例の特徴を概説した。以下では、図13,14に示すフロー図を用いて第2実施例について説明する。
【0152】
図11は第2実施例の通知制御処理のフロー図の一部であり、図12は第2実施例の通知制御処理のフロー図の他の一部である。なお、第2実施例の通知制御処理において、ステップS1−S7の処理は、第1実施例と同じであるため図示を省略する。また、ステップS9−S11,S19−S33,S41−S47の処理も、第1実施例と略同じであるため詳細な説明を省略する。
【0153】
第2実施例の通知制御処理が実行され、たとえばロック画面が表示された後に携帯電話機10がポケットの中に入れられていると判断されると、つまりステップS11で“YES”であれば、ステップS121でプロセッサ30は、ポップアップ76を表示する。たとえば、図5に示すようにロック画面に対してポップアップ76が重ねて表示される。
【0154】
続いて、ステップS123でプロセッサ30は、タッチ操作が行われたか否かを判断する。たとえば、ポップアップ76が表示されているロック画面に対してタッチ操作が行われたかが判断される。ステップS123で“NO”であれば、つまりタッチ操作が行われなければ、プロセッサ30はステップS19の処理に進む。一方、ステップS123で“YES”であれば、つまりタッチ操作が行われると、ステップS125でプロセッサ30は、振動通知処理を実行する。つまり、タッチ操作に応じて振動通知処理が実行される。
【0155】
ステップS125の処理が終了すると、ステップS19−S29の処理が第1実施例と同様、実行される。このとき、ステップS23で“NO”であれば、つまり携帯電話機10の状態が変化していなければ、プロセッサ30はステップS123の処理に戻る。
【0156】
また、第2実施例の通知制御処理が実行され、着呼画面が表示された後に携帯電話機10がポケットの中に入れられていると判断されると、つまりステップS33で“YES”であれば、ステップS141でプロセッサ30は、ポップアップ76を表示する。たとえば、図6に示すように着呼画面に重ねてポップアップ76がディスプレイ14に表示される。
【0157】
続いて、ステップS143でプロセッサ30は、タッチ操作が行われたか否かを判断する。つまり、ポップアップ76が表示されている着呼画面にタッチ操作が行われたかが判断される。ステップS143で“NO”であれば、つまりタッチ操作が行われていなければ、プロセッサ30はステップS41の処理に進む。一方、ステップS143で“YES”であれば、たとえばポップアップ76が表示されている着呼画面にタップ操作などがされると、ステップS145でプロセッサ30は、振動通知処理を実行する。つまり、上述のタップ操作に対応して振動通知処理が実行される。
【0158】
また、ステップS145の処理が終了すると、ステップS41−S47の処理が第1実施例と同様、実行される。このとき、ステップS43で“NO”であれば、つまり携帯電話機10の状態が変化していなければ、プロセッサ30はステップS143の処理に戻る。
【0159】
なお、ステップS15,S17,S37,S39,S125,S145の処理を実行するプロセッサ30は通知部として機能する。特に、ステップS17,S39,S125,S145の処理を実行するプロセッサ30は振動通知部として機能する。また、第2実施例において、ステップS121,S141の処理を実行するプロセッサ30はポップアップ表示処理部として機能する。
【0160】
また、本実施例では、着呼中は近接センサ24および照度センサ26を利用して、携帯電話機10がポケットの中に入れられているか否かを判断していたが、他の実施例では、照度センサ26を利用せずに、携帯電話機10がポケットの中に入れられているか否かを判断するようにしてもよい。
【0161】
具体的には、図15を参照して、他の実施例の通知制御処理では、周囲の明るさを判断するステップS33の処理、つまり照度センサ26を利用するステップが省略される。そのため、ステップS31で“YES”であれば、つまり物の近接が検出されていれば、プロセッサ30はステップS35以降の処理を実行する。つまり、ステップS31で“YES”であれば、つまり物の近接が検出されていれば、携帯電話機10がポケットの中に入れられていると判断される。
【0162】
そして、その他の実施例では、着呼以外のイベントが発生した場合も、他の実施例と同様、照度センサ26を利用せずに、携帯電話機10がポケットの中に入れられているか否かを判断するようにしてもよい。この場合、通知制御処理では、ステップS11およびステップS21の処理が省略される。
【0163】
また、さらにその他の実施例では、イベントにはアラームの通知や、メール着信などが含まれていてもよい。そのため、ポップアップ76は、アラーム画面や、メール着信画面などでも表示される。
【0164】
また、本実施例では、特定の通知として、ポップアップ76を表示したり、バイブレータ50を動作させたりしたが、他の実施例では、音声やLEDなどの光なども適宜組み合わせて特定の通知が行われてもよい。
【0165】
また、その他の実施例では、ユーザは、高感度モードおよび通常モードを任意に設定できるようにしてもよい。さらに、高感度モードが設定されているときには、高感度モードであることを示すアイコンが状態表示領域60に表示されるようにしてもよい。そして、さらにその他の実施例では、常に高感度モードが設定されていてもよい。
【0166】
また、他の実施例では、近接センサ24および照度センサ26は、常にオンにされていてもよい。この場合、イベントが発生したタイミングに限らず、携帯電話機10がポケットの中に入れられている状態かを判断するようにしてもよい。
【0167】
また、その他の実施例では、第1実施例のように、通知制御処理において、タッチ操作が検出されたときにポップアップの表示などの振動通知処理以外の処理が実行される場合は、振動通知処理(ステップS17,S39)は省略されてもよい。
【0168】
また、さらにその他の実施例では、振動通知処理にかえて、LEDなどの発光を利用する発光通知処理や、スピーカからの音を利用する音通知処理などが実行されてもよい。つまり、光や音などによってユーザに対してタッチ操作が検出されたことが通知される。そして、振動、光および音などによる通知は適宜組み合わせられてもよい。
【0169】
また、上述したように、通知制御処理、ロック状態制御処理および着呼制御処理は、プロセッサ30によって並列的に処理される。そのため、各処理に含まれる各ステップついても、プロセッサ30によって並列的に実行される。
【0170】
また、本実施例では、フロー図によって説明された処理において、ステップの繰り返しは一定間隔(たとえば、1秒よりも短い時間)で行われるが、他の実施例では、一定間隔よりも長い間隔で繰り返されてもよい。
【0171】
また、上述の実施例では、閾値(所定値など)に対して「より大きい」の言葉を用いたが「閾値より大きい」とは「閾値以上」の意味も含まれる。また、「閾値よりも小さい」とは「閾値以下」および「閾値未満」の意味も含まれる。
【0172】
また、本実施例で用いられたプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blue-Ray Disk)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、プログラムが本実施例と同等の構成の携帯電話機にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
【0173】
そして、本明細書中で挙げた、具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様変更などに応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0174】
10 … 携帯電話機
14 … ディスプレイ
16 … タッチパネル
22a … メニューキー
22b … 電源キー
24 … 近接センサ
26 … 照度センサ
30 … プロセッサ
44 … フラッシュメモリ
46 … RAM
50 … バイブレータ
52 … 電源回路
54 … 二次電池
64 … 着呼キー
66 … 保留キー
70 … スタートキー
72 … 電話キー
76 … ポップアップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15