特許第6239452号(P6239452)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239452
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】薬剤登録装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/24 20120101AFI20171120BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   G06Q50/24
   A61J3/00 310K
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-135240(P2014-135240)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-14926(P2016-14926A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2016年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 泰浩
(72)【発明者】
【氏名】守田 立
(72)【発明者】
【氏名】清水 正人
(72)【発明者】
【氏名】河合 佑典
(72)【発明者】
【氏名】大石 正幸
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−115495(JP,A)
【文献】 特開2002−288337(JP,A)
【文献】 特開平11−272750(JP,A)
【文献】 特開2013−089159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を識別可能な識別情報の入力を受け付ける入力手段と、
薬剤の代金を請求可能であるか否かを含む薬剤に関する情報を記憶する記憶部から、前記入力手段が入力を受け付けた前記識別情報を有する前記薬剤に関する情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記薬剤に関する情報から、前記入力手段が入力を受け付けた識別情報の薬剤は、代金を請求することができる薬剤であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が代金を請求することができる薬剤であると判定した場合に、前記入力手段が入力を受け付けた前記識別情報を登録する登録手段と、
前記登録手段が登録した前記識別情報を出力する出力手段と、
前記判定手段が代金を請求することができない薬剤であると判定した場合に、請求不可であることを示す画面を表示して報知する報知手段と、
前記報知手段が表示した前記画面を消去する操作を受け付けたことを条件に、前記入力手段による前記識別情報の入力、又は前記出力手段による前記識別情報の出力を実行可能な状態に移行する制御手段と、
を備える薬剤登録装置。
【請求項2】
前記報知手段は、請求不可であることを示す音声により報知する、
請求項に記載の薬剤登録装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記識別情報を伝票として印字出力する、
請求項1又は2に記載の薬剤登録装置。
【請求項4】
コンピュータを、
薬剤を識別可能な識別情報の入力を受け付ける入力手段と、
薬剤の代金を請求可能であるか否かを含む薬剤に関する情報を記憶する記憶部から、前記入力手段が入力を受け付けた前記識別情報を有する前記薬剤に関する情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記薬剤に関する情報から、前記入力手段が入力を受け付けた識別情報の薬剤は、代金を請求することができる薬剤であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が代金を請求することができる薬剤であると判定した場合に、前記入力手段が入力を受け付けた前記識別情報を登録する登録手段と、
前記登録手段が登録した前記識別情報を出力する出力手段と、
前記判定手段が代金を請求することができない薬剤であると判定した場合に、請求不可であることを示す画面を表示して報知する報知手段と、
前記報知手段が表示した前記画面を消去する操作を受け付けたことを条件に、前記入力手段による前記識別情報の入力、又は前記出力手段による前記識別情報の出力を実行可能な状態に移行させる制御手段と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、薬剤登録装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、手術室や緊急治療等の医療現場において使用薬剤とその使用量を記録するために、薬剤登録装置が用いられている。薬剤登録装置は、薬剤に付されたコードシンボルから薬剤コードを読み取り、当該薬剤コードに対応する薬剤名や規格、容量等の薬剤情報を病院内に備えられた薬剤データベースから読み込む。そして、薬剤登録装置は、これを使用薬剤記録として登録し、伝票出力する。使用薬剤記録が記載された伝票は、手術後に医事会計部門に回され、医事会計部門は当該記録に基づいて医薬品の代金を患者および健康保険組合に請求する。
【0003】
しかしながら、手術室等で使用される薬剤には、代金を請求することができない薬剤がある。ところが、従来の薬剤登録装置は、代金の請求可否に関わらず登録された薬剤を伝票に印字していたため、医事会計部門で請求可能であるか否かを確認する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、代金請求可能な医薬品のみを登録することができる薬剤登録装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の薬剤登録装置は、入力手段と、読取手段と、判定手段と、登録手段と、出力手段と、報知手段と、制御手段と、を備える。前記入力手段は、薬剤を識別可能な識別情報の入力を受け付ける。前記読取手段は、薬剤の代金を請求可能であるか否かを含む薬剤に関する情報を記憶する記憶部から、前記入力手段が入力を受け付けた前記識別情報を有する前記薬剤に関する情報を読み取る。前記判定手段は、前記読取手段が読み取った前記薬剤に関する情報から、前記入力手段が入力を受け付けた識別情報の薬剤は、代金を請求することができる薬剤であるか否かを判定する。前記登録手段は、前記判定手段が代金を請求することができる薬剤であると判定した場合に、前記入力手段が入力を受け付けた前記識別情報を登録する。前記出力手段は、前記登録手段が登録した前記識別情報を出力する。前記報知手段は、前記判定手段が代金を請求することができない薬剤であると判定した場合に、請求不可であることを示す画面を表示して報知する。前記制御手段は、前記報知手段が表示した前記画面を消去する操作を受け付けたことを条件に、前記入力手段による前記識別情報の入力、又は前記出力手段による前記識別情報の出力を実行可能な状態に移行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態にかかる薬剤管理システムの概要構成を示すブロック図である。
図2図2は、薬剤登録装置の外観を示す正面図である。
図3図3は、薬剤登録装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図4は、薬剤マスタのデータフォーマットの一例の説明図である。
図5図5は、請求薬剤記憶テーブルのデータ構成を示す説明図である。
図6図6は、薬剤登録装置の機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、使用薬剤登録処理の流れを示すフローチャートである。
図8図8は、薬剤登録開始画面の一例を示す説明図である。
図9図9は、薬剤登録画面の一例を示す説明図である。
図10図10は、報知画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、実施形態にかかる薬剤管理システム10の概要構成を示すブロック図である。図1に示すように、薬剤管理システム10は、電子カルテサーバ11と、医師用の情報処理端末装置12と、医事用の情報処理端末装置13と、薬剤監査装置14と、無線基地局15及び公衆通信ネットワーク16を介して通信ネットワーク17に接続された医師用の携帯情報処理端末装置18と、薬剤部サーバ19と、薬剤登録装置20と、を備えている。
【0008】
電子カルテサーバ11は、電子カルテを管理し、記憶するための装置である。医師用の情報処理端末装置12は、電子カルテサーバ11が管理する電子カルテの記入や参照などを行うための装置である。医事用の情報処理端末装置13は、患者や、患者が加入している保険組合などに医療費などの請求を行うための装置である。薬剤監査装置14は、電子カルテに含まれる指示書情報(例えば、処方箋情報)に基づいて薬剤の取揃え等の支援および監査を行うための装置である。薬剤部サーバ19は、薬剤部に配置され薬剤払出等を管理するための装置である。また、薬剤部サーバ19は、薬剤のコード情報または薬剤の外面情報(薬剤のラベルを表す特徴量、薬剤の色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を表す特徴量など)に対応付けて薬剤に係る薬剤情報(名称、量など)を登録している。薬剤登録装置20は、手術室に配置され、看護師によって手術中に使用された薬剤、あるいは救急の場などにおいて看護師や薬剤師等によって緊急的に使用された薬剤の登録支援を行うための装置である。本実施形態においては、薬剤登録装置20は、手術室に配置されるものであって、看護師によって手術中に使用された薬剤の登録支援に用いられることを想定する。
【0009】
上記構成において、電子カルテサーバ11、情報処理端末装置12、情報処理端末装置13、薬剤監査装置14、薬剤部サーバ19及び薬剤登録装置20は、通信ネットワーク17に接続されている。
【0010】
図2は、薬剤登録装置20の外観を示す正面図である。図2に示すように、薬剤登録装置20は、大別すると、薬剤登録装置20の制御主体となる装置本体部24と、スキャナ22と、各種情報をプリントアウトするためのプリンタ23とを備えている。
【0011】
装置本体部24は、オペレータとなる看護師が各種操作を行うとともに、使用された薬剤のリスト等の各種情報を表示可能なタッチパネルディスプレイ21を備えている。
【0012】
スキャナ22は、カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやカラーCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等のイメージセンサとLED(Light Emitting Diode)などの光源とを有している。スキャナ22は、看護師ID(IDentification)のコードシンボル、患者IDのコードシンボル、薬剤のコードシンボル、薬剤の画像などの撮像を行う。スキャナ22が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像(撮像画像)は、後述するRAM(Random Access Memory)33(図3参照)に保存される。
【0013】
なお、スキャナ22は、図2に示すようなテーブル上に載置する形状に限るものではなく、床上に立設させるスタンド形状であってもよい。
【0014】
また、薬剤登録装置20は、薬剤の重量を測定する秤や、薬剤に付されたRFID(Radio Frequency IDentification)との間でデータの読取り/書込みを行うRFIDリーダライタ等を備えていてもよい。
【0015】
図3は、薬剤登録装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示すように、薬剤登録装置20は、装置全体を制御するMPU(Micro Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM33と、外部記憶装置34と、通信インタフェース動作を行う通信インタフェース(I/F)38とを装置本体部24に備えている。ROM32は、制御プログラムを含む各種データを不揮発的に記憶する。RAM33は、ワークエリアとして機能するとともに、各種データを一時的に記憶する。外部記憶装置34は、データベース等の大容量データや制御プログラムを記憶可能なハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)によって構成されている。
【0016】
ここで、タッチパネルディスプレイ21、スキャナ22、プリンタ23、通信インタフェース38及びスピーカ37は、入出力I/O39を介してバス40に接続されている。このバス40には、MPU31、ROM32、RAM33及び外部記憶装置34が接続されている。
【0017】
なお、タッチパネルディスプレイ21は、表示部であるディスプレイ35及びタッチパネル36を主体に構成されている。
【0018】
また、スピーカ37は、警告音を発する場合などに使用される。
【0019】
また、記憶部である外部記憶装置34は、薬剤マスタDBと、請求薬剤記憶テーブルTとを備えている。薬剤マスタDBは、薬剤の代金を請求可能であるか否かを含む薬剤に関する情報を記憶した薬剤データベースである。ここで、図4は、薬剤マスタDBのデータフォーマットの一例の説明図である。薬剤マスタDBは、薬剤識別情報と、薬剤名称と、薬剤単位と、製造会社と、請求可否情報と、を関連付けて記憶する。薬剤識別情報は、薬剤を識別するバーコードなどの識別情報である。または、薬剤識別情報は、例えば、バーコードに付されている、各薬剤に割り当てられた固有の文字列や数値等の薬剤を識別可能な識別情報である。または、薬剤識別情報は、例えば、薬剤の外面情報などであってもよい。薬剤名称は、薬剤の名称である。薬剤単位は、薬剤の基準の量を示している。製造会社は、薬剤を製造している企業を示している。請求可否情報は、薬剤の代金を請求可能であるか否かを記憶した情報である。
【0020】
請求薬剤記憶テーブルTは、一処置に係る医療行為で使用された薬剤のうち、代金を請求する薬剤が登録された明細情報を記憶する。ここで、図5は、請求薬剤記憶テーブルTのデータ構成を示す説明図である。図5に示すように、請求薬剤記憶テーブルTの明細情報は、明細識別情報と、患者識別情報と、薬剤識別情報と、使用量とを備える。明細識別情報は、明細情報を識別可能な識別情報である。患者識別情報は、代金を請求する患者を識別可能な識別情報である。薬剤識別情報は、一処置で使用された請求対象の薬剤の識別情報である。使用量は、薬剤識別情報の薬剤が、一処置で使用された量である。
【0021】
このような構成により、薬剤登録装置20のMPU31は、ROM32や外部記憶装置34に記憶された制御プログラムに従って動作することで、使用された薬剤の登録支援を行う。
【0022】
次に、実施形態にかかる薬剤登録装置20が有する特徴的な機能について説明する。図6は、薬剤登録装置20の機能構成を示すブロック図である。MPU31は、ROM32や外部記憶装置34に記憶された制御プログラムに従って動作することで、図6に示すように、薬剤情報入力部311と、薬剤情報読取部312と、請求可否判定部313と、請求不可報知部314と、請求薬剤登録部315と、請求薬剤出力部316と、として機能する。
【0023】
薬剤情報入力部311は、スキャナ22がスキャンした撮像画像から読み取った薬剤識別情報の入力を受け付ける。具体的には、薬剤情報入力部311は、使用された薬剤に付されたコードシンボルのコード情報または使用される薬剤の全部または一部の外面情報を読み取った、薬剤の識別子の入力を受け付ける。バーコードや二次元コードなどのコードシンボルからコード情報を検出する処理については、従来からある技術なのでここでの説明は省略する。
【0024】
または、薬剤情報入力部311は、手入力された薬剤識別情報の入力を受け付ける。この場合には、薬剤情報入力部311は、タッチパネルディスプレイ21から文字列や数値等で表現されたコード情報の入力を受け付ける。
【0025】
薬剤情報読取部312は、外部記憶装置34に記憶された薬剤マスタDBから、薬剤情報入力部311が入力を受け付けた薬剤識別情報を有する薬剤に関する情報を読み取る。
【0026】
請求可否判定部313は、薬剤情報読取部312が読み取った薬剤に関する情報に含まれる請求可否情報から、薬剤情報入力部311が入力を受け付けた薬剤識別情報を有する薬剤の代金を請求可能であるか否かを判定する。
【0027】
請求不可報知部314は、請求可否判定部313が薬剤の代金を請求不可であると判定した場合に報知する。さらに詳しくは、請求不可報知部314は、タッチパネルディスプレイ21に薬剤の代金が請求不可であるために登録することができないことを示す画面を表示して報知する。または、請求不可報知部314は、スピーカ37から音声により報知する。
【0028】
請求薬剤登録部315は、請求可否判定部313が薬剤の代金を請求可能であると判定した場合に、代金を請求する薬剤として請求薬剤記憶テーブルTに薬剤識別情報を登録する。また請求薬剤登録部315は、代金を請求する薬剤の使用量を登録する。
【0029】
請求薬剤出力部316は、請求薬剤記憶テーブルTに登録された代金を請求する薬剤が記憶された明細情報を出力する。さらに詳しくは、請求薬剤出力部316は、プリンタ23を介して、請求薬剤記憶テーブルTに登録された明細情報を伝票に印字出力する。または、請求薬剤出力部316は、通信インタフェース38を介して、請求薬剤記憶テーブルTに登録された明細情報を、医事用の情報処理端末装置13に送信する。
【0030】
次に、上述した実施形態にかかる薬剤登録装置20のMPU31が制御プログラムに従って実行する使用薬剤登録処理について説明する。実施形態にかかる薬剤登録装置20は、使用された薬剤のコードシンボルや薬剤の画像などをスキャンし、薬剤登録処理を実行する。
【0031】
図7は、薬剤登録装置20のMPU31が制御プログラムに従って実行する使用薬剤登録処理の流れを示すフローチャートである。
【0032】
薬剤登録装置20のMPU31は、初期状態として、ディスプレイ35にログイン画面(不図示)を表示する(ステップS1)。したがって、ログイン処理を行うために、自己のIDカードに付された看護師IDのコードシンボルをスキャナ22の前にかざす。
【0033】
次いで、薬剤登録装置20のMPU31は、スキャナ22を介してコードシンボルを読み取り、コードシンボルの看護師IDを認証できるか否かを判定する(ステップS2)。看護師IDを認証できない場合に(ステップS2;No)、薬剤登録装置20のMPU31は、待機する。
【0034】
一方、看護師IDを認証できた場合に(ステップS2;Yes)、薬剤登録装置20のMPU31は、ディスプレイ35に患者登録画面(不図示)を表示させる(ステップS3)。したがって、オペレータ(看護師)は、患者登録処理を行うために、患者のリストバンドに付されている患者IDのコードシンボルをスキャナ22の前にかざす。
【0035】
次いで、薬剤登録装置20のMPU31は、スキャナ22を介してコードシンボルを読み取り、コードシンボルの患者識別情報を請求薬剤記憶テーブルTの明細情報に登録できるか否かを判定する(ステップS4)。患者識別情報を登録できない場合に(ステップS4;No)、薬剤登録装置20のMPU31は、待機する。
【0036】
一方、患者識別情報を登録すると(ステップS4;Yes)、薬剤登録装置20のMPU31は、ディスプレイ35に薬剤登録開始画面G1を表示させる(ステップS5)。ここで、図8は、薬剤登録開始画面G1の一例を示す説明図である。薬剤登録開始画面G1は、スキャナ22を介して薬剤識別情報を入力させる方法を表示して薬剤登録の開始を促す画面である。また、薬剤登録開始画面G1は、画面にテンキーボタンなどを表示させ、タッチパネルディスプレイ21を介して薬剤識別情報の手入力を可能にする手入力ボタンB1を備える。
【0037】
次いで、薬剤登録装置20のMPU31(薬剤情報入力部311)は、スキャナ22又はタッチパネルディスプレイ21を介して、薬剤識別情報が入力されるか否かを判定する(ステップS6)。薬剤識別情報が入力されない場合に(ステップS6;No)、薬剤登録装置20のMPU31(薬剤情報入力部311)は、ステップS13に移行する。
【0038】
薬剤識別情報が入力された場合に(ステップS6;Yes)、薬剤登録装置20のMPU31(薬剤情報読取部312)は、外部記憶装置34に記憶された薬剤マスタDBから、入力された薬剤識別情報を有する薬剤に関する情報を読み取る(ステップS7)。次いで、薬剤登録装置20のMPU31(請求可否判定部313)は、薬剤に関する情報に含まれる請求可否情報から、入力された薬剤識別情報の薬剤は代金を請求することができる薬剤であるか否かを判定する(ステップS8)。
【0039】
代金を請求することができる薬剤であると判定された場合に(ステップS8;Yes)、薬剤登録装置20のMPU31(請求薬剤登録部315)は、入力された薬剤識別情報を、請求薬剤記憶テーブルTの明細情報に登録する(ステップS9)。次いで、薬剤登録装置20のMPU31は、入力された薬剤識別情報の薬剤を薬剤登録画面G2に表示させる(ステップS10)。
【0040】
ここで、図9は、薬剤登録画面G2の一例を示す説明図である。薬剤登録画面G2は、請求薬剤記憶テーブルTに登録され、入力された患者識別情報の患者に対して代金を請求する薬剤を表示する画面である。薬剤登録画面G2は、患者表示領域G21と、薬剤表示領域G22と、手入力ボタンB1と、印刷ボタンB2とを備える。患者表示領域G21は、薬剤の代金を請求する患者に関する情報を表示する領域である。患者に関する情報とは、患者識別情報や、年齢や、性別などである。薬剤表示領域G22は、請求薬剤記憶テーブルTに登録された薬剤を表示する領域である。手入力ボタンB1は、前述の手入力ボタンB1と同機能である。印刷ボタンB2は、薬剤登録を完了して、伝票を印字するボタンである。
【0041】
一方、代金を請求することができない薬剤であると判定した場合に(ステップS8;No)、薬剤登録装置20のMPU31は、報知画面G3を表示する(ステップS11)。ここで、図10は、報知画面G3の一例を示す説明図である。報知画面G3は、「この薬剤・医療材料は請求対象ではないため、登録できません。」とのメッセージを表示して報知する画面である。報知画面G3は、報知画面G3に表示されたことを承知し、報知画面G3を消去するOKボタンB3を備える。
【0042】
また、報知画面G3を表示する際に、薬剤登録装置20のMPU31は、スピーカ37を介して、警告音などを発生させて報知する。ここで、警告音とは、ブザー音などであってもよいし、「この薬剤・医療材料は請求対象でないため、登録できません。」などのメッセージを伝える音声であってもよい。
【0043】
次いで、薬剤登録装置20のMPU31は、OKボタンB3の押下が検出されるか否かを判定する(ステップS12)。OKボタンB3の押下が検出されない場合に(ステップS12;No)、薬剤登録装置20のMPU31は、待機する。
【0044】
一方、OKボタンB3の押下が検出された場合に(ステップS12;Yes)、薬剤登録装置20のMPU31は、報知画面G3を消去し、薬剤登録が完了したことを示す印刷ボタンB2の押下が検出されるか否かを判定する(ステップS13)。印刷ボタンB2の押下が検出されない場合に(ステップS13;No)、薬剤登録装置20のMPU31は、ステップS6に戻る。
【0045】
一方、印刷ボタンB2の押下が検出された場合に(ステップS13;Yes)、薬剤登録装置20のMPU31(請求薬剤出力部316)は、請求薬剤記憶テーブルTに記憶された明細情報が印字された伝票を出力する(ステップS14)。
【0046】
次いで、薬剤登録装置20のMPU31(請求薬剤出力部316)は、通信インタフェース38を介して、請求薬剤記憶テーブルTに記憶された明細情報を医事用の情報処理端末装置13へ送信する(ステップS15)。
【0047】
以上により、薬剤登録装置20のMPU31は、薬剤登録処理を実行する。
【0048】
以上のように、本実施形態の薬剤登録装置20によれば、薬剤情報入力部311は、薬剤識別情報の入力を受け付ける。薬剤情報読取部312は、薬剤マスタDBから、入力を受け付けた薬剤識別情報の薬剤に関する情報を読み取る。そして、請求可否判定部313は、薬剤情報読取部312が読み取った薬剤に関する情報に含まれる請求可否情報から代金を請求することができるか否かを判定する。代金を請求することができると判定した場合に、請求薬剤登録部315は、請求薬剤記憶テーブルTに薬剤識別情報と使用量とを登録する。一処置で使用された薬剤の登録が完了すると、請求薬剤出力部316は、請求薬剤記憶テーブルTに登録された明細情報を出力する。よって、代金請求可能な医薬品のみを登録することが可能となり、医事会計部門の負担が軽減される。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0050】
なお、上述の実施形態において、薬剤マスタDBは、薬剤登録装置20の外部記憶装置34に記憶されていると説明している。しかし、薬剤マスタDBは、他の記憶装置に記憶されていてもよい。例えば、薬剤マスタDBは、電子カルテサーバ11や、薬剤部サーバ19に記憶されていてもよい。
【0051】
なお、上述の実施形態において、薬剤登録装置20は薬剤を登録すると説明している。薬剤登録装置20は、一処置に係る医療行為で使用されるものであれば、薬剤以外のものを登録してもよい。一処置に係る医療行為で使用されるものとは、例えば、医療機器や、医療材料や、衛生用品などである。この場合には、薬剤マスタDBに、一処置に係る医療行為で使用されるものの請求可否情報を記憶しておけばよい。
【0052】
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0053】
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0054】
20 薬剤登録装置
31 MPU
311 薬剤情報入力部
312 薬剤情報読取部
313 請求可否判定部
314 請求不可報知部
315 請求薬剤登録部
316 請求薬剤出力部
T 請求薬剤記憶テーブル
DB 薬剤マスタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開平8−7014号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10