特許第6239460号(P6239460)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6239460-情報処理装置及びプログラム 図000002
  • 特許6239460-情報処理装置及びプログラム 図000003
  • 特許6239460-情報処理装置及びプログラム 図000004
  • 特許6239460-情報処理装置及びプログラム 図000005
  • 特許6239460-情報処理装置及びプログラム 図000006
  • 特許6239460-情報処理装置及びプログラム 図000007
  • 特許6239460-情報処理装置及びプログラム 図000008
  • 特許6239460-情報処理装置及びプログラム 図000009
  • 特許6239460-情報処理装置及びプログラム 図000010
  • 特許6239460-情報処理装置及びプログラム 図000011
  • 特許6239460-情報処理装置及びプログラム 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239460
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20171120BHJP
   G06T 7/90 20170101ALI20171120BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20171120BHJP
   G07G 1/00 20060101ALN20171120BHJP
【FI】
   G06F17/30 310Z
   G06F17/30 170B
   G06F17/30 350C
   G06T7/90 D
   G06T7/00 300E
   !G07G1/00 311D
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-153099(P2014-153099)
(22)【出願日】2014年7月28日
(65)【公開番号】特開2016-31599(P2016-31599A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2016年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内藤 英浩
【審査官】 成瀬 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−052811(JP,A)
【文献】 特開平05−196858(JP,A)
【文献】 特開2014−092975(JP,A)
【文献】 特開2011−191860(JP,A)
【文献】 米国特許第5497314(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
19/00
G06Q 10/00−99/00
G06T 1/00
7/00−7/90
11/60−13/80
17/05
19/00−19/20
G07F 5/00−9/10
G07G 1/00−5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の撮像範囲を撮像する撮像手段から画像を取り込む第1取込手段と、
前記撮像範囲内に存在する物体までの距離を測定する測距手段から測定結果を取り込む第2取込手段と、
前記第1取込手段が取り込んだ画像のうち、略同等色の領域が所定の割合を占めるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が占めないと判定した場合に、前記撮像手段の被写体となった対象物と背景との境界を前記画像から検出することで、当該対象物が存在する領域を前記画像から切り出し、前記判定手段が占めると判定した場合に、前記測定結果に基づいて前記撮像範囲内に存在する物体の中から最も近接する物体の存在位置を特定し、当該存在位置を基準に前記対象物が存在する領域を前記画像から切り出す切出手段と、
前記切出手段が切り出した領域から特徴量を抽出する抽出手段と、
辞書登録された登録物各々の特徴量と、前記抽出手段が抽出した特徴量とを比較し、その類似度を算出する算出手段と、
辞書登録された登録物の中から、前記類似度が閾値以上の登録物を前記対象物の候補として認識する認識手段と、
を備え
前記切出手段は、前記判定手段が占めると判定した場合に、最も近接する前記物体までの距離が所定の閾値の範囲以内であるか否かを判定し、閾値以内と判定したことを条件に、当該物体の存在位置を前記画像の中から特定し、閾値を上回ると判定したことを条件に、前記存在位置の特定を行わずに前記撮像範囲に物体が存在しないと判断する情報処理装置。
【請求項2】
前記切出手段は、前記判定手段が占めると判定した場合に、前記存在位置を中心とした矩形状の領域を前記画像から切り出す請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータを、
所定の撮像範囲を撮像する撮像手段から画像を取り込む第1取込手段と、
前記撮像範囲内に存在する物体までの距離を測定する測距手段から測定結果を取り込む第2取込手段と、
前記第1取込手段が取り込んだ画像のうち、略同等色の領域が所定の割合を占めるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が占めないと判定した場合に、前記撮像手段の被写体となった対象物と背景との境界を前記画像から検出することで、当該対象物が存在する領域を前記画像から切り出し、前記判定手段が占めると判定した場合に、前記測定結果に基づいて前記撮像範囲内に存在する物体の中から最も近接する物体の存在位置を特定し、当該存在位置を基準に前記対象物が存在する領域を前記画像から切り出す切出手段と、
前記切出手段が切り出した領域から特徴量を抽出する抽出手段と、
辞書登録された登録物各々の特徴量と、前記抽出手段が抽出した特徴量とを比較し、その類似度を算出する算出手段と、
辞書登録された登録物の中から、前記類似度が閾値以上の登録物を前記対象物の候補として認識する認識手段と、
して機能させ
前記切出手段は、前記判定手段が占めると判定した場合に、最も近接する前記物体までの距離が所定の閾値の範囲以内であるか否かを判定し、閾値以内と判定したことを条件に、当該物体の存在位置を前記画像の中から特定し、閾値を上回ると判定したことを条件に、前記存在位置の特定を行わずに前記撮像範囲に物体が存在しないと判断するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を撮像した画像から抽出される当該物品の特徴量と、辞書に予め登録された照合用の特徴量とを比較し、その類似度に応じて当該物品の種別等を認識する技術が存在している。また、この物品認識に係る技術を青果品等の商品の識別に用い、識別された商品を売上登録する店舗システムが提案されている。
【0003】
ところで、商品の品種や種別によっては、その商品の表面色が撮像時の背景の色と略同等となる場合がある。このような場合、商品と背景との境界を検出することが困難となるため、その商品を認識することが可能なレベルの特徴量を抽出できない可能性がある。そのため、認識率向上の観点において更なる改善の余地があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、認識率を向上させることが可能な情報処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理装置は、所定の撮像範囲を撮像する撮像手段から画像を取り込む第1取込手段と、前記撮像範囲内に存在する物体までの距離を測定する測距手段から測定結果を取り込む第2取込手段と、前記第1取込手段が取り込んだ画像のうち、略同等色の領域が所定の割合を占めるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が占めないと判定した場合に、前記撮像手段の被写体となった対象物と背景との境界を前記画像から検出することで、当該対象物が存在する領域を前記画像から切り出し、前記判定手段が占めると判定した場合に、前記測定結果に基づいて前記撮像範囲内に存在する物体の中から最も近接する物体の存在位置を特定し、当該存在位置を基準に前記対象物が存在する領域を前記画像から切り出す切出手段と、前記切出手段が切り出した領域から特徴量を抽出する抽出手段と、辞書登録された登録物各々の特徴量と、前記抽出手段が抽出した特徴量とを比較し、その類似度を算出する算出手段と、辞書登録された登録物の中から、前記類似度が閾値以上の登録物を前記対象物の候補として認識する認識手段と、を備え、前記切出手段は、前記判定手段が占めると判定した場合に、最も近接する前記物体までの距離が所定の閾値の範囲以内であるか否かを判定し、閾値以内と判定したことを条件に、当該物体の存在位置を前記画像の中から特定し、閾値を上回ると判定したことを条件に、前記存在位置の特定を行わずに前記撮像範囲に物体が存在しないと判断する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態のチェックアウトシステムの一例を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示したPOS端末及び商品読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、図2に示したPLUファイルのデータ構成を例示する概念図である。
図4図4は、図1に示したPOS端末の機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、画像取込部によって取り込まれた画像の一例を示す図である。
図6図6は、領域切出部の動作の一例を説明するための図である。
図7図7は、領域切出部の動作の一例を説明するための図である。
図8図8は、商品候補画面の表示例を示す図である。
図9図9は、本実施形態のPOS端末が実行する売上登録処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、セルフPOSの構成を示す外観斜視図である。
図11図11は、セルフPOSのハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下では、チェックアウトシステムを例に本実施形態に係る情報処理装置及びプログラムについて、図面を参照して説明する。店舗システムは、一取引に係る商品の登録、精算を行うPOS(Point Of Sales)端末を備えるチェックアウトシステム(POSシステム)等である。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムへの適用例である。
【0008】
図1は、チェックアウトシステム1の一例を示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステム1は、一取引に係る商品の登録・精算を行うPOS端末10と、商品に関する情報を読み取る商品読取装置20とを備える。以下では、POS端末10を本実施形態にかかる情報処理装置として適用する例について説明する。
【0009】
POS端末10は、チェックアウト台30上のドロワ40上面に載置されている。ドロワ40は、POS端末10によって開放動作の制御を受ける。POS端末10の上面には、オペレータ(店員)によって押下操作されるキーボード11が配置されている。キーボード11を操作するオペレータから見てキーボード11よりも奥側には、オペレータに向けて情報を表示する第1表示デバイス12が設けられている。第1表示デバイス12は、その表示面12aに情報を表示する。表示面12aには、タッチパネル13が積層されている。第1表示デバイス12よりも更に奥側には、第2表示デバイス14が回転可能に立設されている。第2表示デバイス14は、その表示面14aに情報を表示する。なお、第2表示デバイス14は、表示面14aを図1中奥側に向くように回転させることによって、顧客に向けて情報を表示する。
【0010】
POS端末10が載置されているチェックアウト台30とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台50が配置されている。カウンタ台50の上面には、荷受け面51が形成されている。荷受け面51には、商品Gを収納する買物カゴ60が載置される。買物カゴ60は、顧客によって持ち込まれる第1買物カゴ60aと、第1買物カゴ60aから商品読取装置20を挟んだ位置に載置される第2買物カゴ60bとに分けて考えることができる。なお、買物カゴ60は、いわゆるカゴ形状のものに限るものではなく、トレー等であってもよい。また、買物カゴ60(第2買物カゴ60b)は、いわゆるカゴ形状のものに限らず、箱状や袋状等であってもよい。
【0011】
カウンタ台50の荷受け面51には、POS端末10とデータ送受信可能に接続された商品読取装置20が設置されている。商品読取装置20は、薄型矩形形状のハウジング21を備える。ハウジング21の正面には読取窓22が配置されている。ハウジング21の上部には、表示・操作部23が取り付けられている。表示・操作部23には、タッチパネル24が表面に積層された表示部である第1表示デバイス25が設けられている。第1表示デバイス25の右隣にはキーボード26が配設されている。キーボード26の右隣には、カードリーダのカード読取溝27が設けられている。オペレータから見て表示・操作部23の裏面左奥側には、顧客に情報を提供するための第2表示デバイス28が設置されている。
【0012】
このような商品読取装置20は、商品読取部210(図2参照)を備えている。商品読取部210は、読取窓22の奥側に撮像部204と測距部205とを配置している(図2参照)。
【0013】
顧客によって持ち込まれた第1買物カゴ60aには、一取引に係る商品Gが収納されている。第1買物カゴ60a内の商品Gは、商品読取装置20を操作するオペレータにより第2買物カゴ60bに移動される。この移動過程で、商品Gが商品読取装置20の読取窓22に向けられる。この際、読取窓22内に配置された撮像部204(図2参照)は商品Gを撮像する。また、読取窓22内に配置された測距部205(図2参照)は、撮像部204から撮像範囲内に存在する物体までの距離を測定する。
【0014】
商品読取装置20では、撮像部204により撮像された画像に含まれる商品Gが、後述するPLUファイルF1(図3参照)に登録されたどの商品に対応するかを指定させるための画面を表示・操作部23に表示する。そして、商品読取装置20は、指定された商品の商品IDをPOS端末10に通知する。POS端末10では、商品読取装置20から通知される商品IDに基づき、当該商品IDに対応する商品の商品分類、商品名、単価等の売上登録に係る情報を、売上マスタファイル(図示せず)等に記録して売上登録を行う。
【0015】
図2は、POS端末10及び商品読取装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末10は、情報処理を実行する情報処理部としてのマイクロコンピュータ100を備える。マイクロコンピュータ100は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU(Central Processing Unit)101に、ROM(Read Only Memory)102とRAM(Random Access Memory)103とがバス接続されて構成されている。
【0016】
POS端末10のCPU101には、前述したキーボード11、第1表示デバイス12、タッチパネル13、第2表示デバイス14、ドロワ40が何れも各種の入出力回路(何れも図示せず)を介して接続されている。これらは、CPU101による制御を受ける。
【0017】
キーボード11は、数字や算術演算子が上面に表示されているテンキー11a、仮締めキー11b、及び締めキー11c等を含む。
【0018】
POS端末10のCPU101には、HDD(Hard Disk Drive)104が接続されている。HDD104には、プログラムや各種ファイルが記憶されている。HDD104に記憶されているプログラムや各種ファイルは、POS端末10の起動時に、その全部又は一部がRAM103にコピーされてCPU101により実行される。HDD104に記憶されているプログラムの例は、後述する売上登録処理や辞書登録処理用のプログラム等である。また、HDD104に記憶されているファイルの例は、PLUファイルF1等である。
【0019】
PLUファイルF1は、店舗に陳列して販売する商品Gの各々について、商品Gの売上登録に係る情報を格納する商品ファイルである。
【0020】
以下の説明では、PLUファイルF1を辞書として用いるが、辞書はPLUファイルF1と異なるファイルであってもよい。辞書は、撮像した画像データから抽出した商品の照合用データ(特徴量)を記憶する。辞書はPLUファイルF1と異なるファイルである場合、辞書に記憶される照合用データ(特徴量)と、PLUファイルF1の情報(識別情報)とは対応付けられる。特徴量は、商品の標準的な形状、表面の色合い、模様、凹凸状況等の外観の特徴をパラメータ化したものである。
【0021】
図3は、PLUファイルF1のデータ構成を例示する概念図である。図3に示すように、PLUファイルF1は、商品毎に、商品情報と、イラスト画像と、特徴量とを格納するファイルである。商品情報は、各商品にユニークに割り当てられた識別情報である商品ID、商品が属する商品分類、商品名、単価等の商品に関する情報を含む。イラスト画像は、その商品を写真やイラストで表した画像データである。
【0022】
特徴量は、商品を撮像した画像から読み取られる色合いや表面の凹凸状況等、その商品の外観上の特徴を表した情報である。係る特徴量は、後述する類似度の判定の際に照合用のデータとして用いられる。
【0023】
物品の品種まで認識(検出)する必要がある場合には、図3に示すように、品種毎に商品名や単価等の商品に関する情報と、その商品を示すイラスト画像と、特徴量とを管理する。例えば、物品のカテゴリ(商品)が「YY」の場合において、「YY_1」、「YY_2」、「YY_3」のような品種毎にその商品に関する情報と、イラスト画像と、特徴量とを管理する。また、候補の表示にイラスト画像を用いず、文字で候補を表示する場合は、イラスト画像をPLUファイルF1に格納しなくてもよい。
【0024】
図2に戻り、POS端末10のCPU101には、ストアコンピュータSCとデータ通信を実行するための通信インターフェース105が入出力回路(図示せず)を介して接続されている。ストアコンピュータSCは、店舗のバックヤード等に設置されている。ストアコンピュータSCのHDD(図示せず)には、POS端末10に配信されるPLUファイルF1が格納されている。
【0025】
更に、POS端末10のCPU101には、接続インターフェース106が接続されている。接続インターフェース106は、商品読取装置20との間でデータ送受信を可能にする。接続インターフェース106には、商品読取装置20が接続されている。また、POS端末10のCPU101には、レシート等に印字を行うプリンタ107が接続されている。POS端末10は、CPU101の制御の下、一取引の取引内容をレシートに印字する。
【0026】
商品読取装置20も、マイクロコンピュータ200を備える。マイクロコンピュータ200は、CPU201にROM202とRAM203とがバス接続されて構成されている。ROM202には、CPU201によって実行されるプログラムが記憶されている。CPU201には、撮像部204、測距部205、音声出力部206が各種の入出力回路(何れも図示せず)を介して接続されている。撮像部204、測距部205、音声出力部206は、CPU201によって動作が制御される。
【0027】
表示・操作部23は接続インターフェース207を介して、商品読取部210及びPOS端末10に接続されている。表示・操作部23は、商品読取部210のCPU201、POS端末10のCPU101によって動作が制御される。ここで、第1表示デバイス25は、CPU101やCPU201の制御の下、後述する商品候補画面(図8参照)等の各種画面を表示する。また、第1表示デバイス25は、各種の業務を選択指示するための業務選択画面(図示せず)を表示する。業務選択画面は、例えば、背景登録、除外色域登録、特徴量登録、売上登録等、後述する各処理の実行を指示するための選択メニューを有する。
【0028】
撮像部204は、カラーCCDイメージセンサやカラーCMOSイメージセンサ等の撮像装置である。撮像部204は、CPU201の制御の下で読取窓22からの撮像を行う。例えば、撮像部204は、30fpsで動画像の撮像を行う。撮像部204が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像(撮像画像)はRAM203に保存される。なお、移動体となる商品Gをブレなく撮像するため、撮像部204のシャッター時間は短く設定することが好ましい。
【0029】
測距部205は、TOF(Time Of Flight)方式等を用いた距離画像センサや、測域センサ等の距離センサである。測距部205が距離の測定を行う測定範囲は、撮像部204の撮像範囲と略同等となるよう設定されている。測距部205は、CPU201の制御の下で動作することで、測距部205(読取窓22)から撮像部204の撮像範囲内に存在する物体までの距離(奥行:デプス)を測定する。なお、撮像部204が距離画像センサの機能を有する場合には、この撮像部204を測距部205として用いてもよい。
【0030】
音声出力部206は、予め設定された警告音等を発生するための音声回路とスピーカ等である。音声出力部206は、CPU201の制御の下で警告音や音声による報知を行う。
【0031】
更に、CPU201には、POS端末10の接続インターフェース106に接続して、POS端末10との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース208が接続されている。また、CPU201は、接続インターフェース208を介して、表示・操作部23との間でデータ送受信を行う。
【0032】
次に、CPU101がプログラムを実行することで実現される、POS端末10の機能構成について、図4を参照して説明する。
【0033】
図4は、POS端末10の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、POS端末10のCPU101は、HDD104に記憶されたプログラムを実行することにより、画像取込部111、奥行情報取込部112、領域切出部113、類似度算出部114、類似度判定部115、商品提示部116、入力受付部117、情報入力部118及び売上登録部119を機能部として備える。以下、各機能部について説明する。
【0034】
画像取込部111は、撮像部204に撮像オン信号を出力して撮像部204に撮像動作を開始させる。画像取込部111は、撮像動作開始後に撮像部204が撮像してRAM203に保存された画像(フレーム画像)を順次取り込む。画像取込部111による画像の取り込みは、RAM203に保存された順に行われる。
【0035】
奥行情報取込部112は、画像取込部111による画像の取り込みタイミングと同期して、測距部205による測定結果を奥行情報として取り込む。
【0036】
図5は、画像取込部111によって取り込まれた画像の一例を示す図である。図5に示すように、オペレータが読取窓22に商品Gをかざすと、撮像部204の撮像範囲Rに入った商品Gの全部又は一部が、撮像部204により撮影される。画像取込部111は、撮像部204によって撮像された画像を順次取り込む。また、測距部205は、撮像部204による撮影の際に、撮像範囲R内に存在する物体(商品Gや当該商品Gを把持する手の一部、背景等)までの距離を測定する。そして、奥行情報取込部112は、測距部205によって測定された撮像範囲R内に存在する物体までの距離を奥行情報として順次取り込む。
【0037】
領域切出部113は、パターンマッチング技術やエッジ検出技術等の公知の技術を用いることで、画像取込部111が取り込んだ画像から、被写体である商品Gが表された領域を切り出す。具体的には、領域切出部113は、取り込まれた画像から輪郭線等を抽出することで、商品Gと背景との境界を検出する。次いで、領域切出部113は、商品Gの輪郭線で囲われた領域の一部又は全てを、商品Gが存在する領域として切り出す。以下、上述した公知技術による領域の切り出し方法を従来方法という。
【0038】
ところで、商品の品種や種別によっては、その商品の表面色が撮像時の背景の色と略同等となる場合がある。例えば、上記したように撮像部204のシャッター時間を短く設定した場合、その背景は黒色となる。この状態で表面色が黒色或いは黒色に近い商品G(例えば、なす、アボカド、ぶどう等)を撮像した場合、撮像された画像の全域が略同等色となる。このような場合、従来方法では商品Gと背景との境界を検出することは困難である。また、従来方法により画像中から商品Gの領域を切り出したとしても、商品Gの特徴量を抽出できない可能性がある。
【0039】
そこで、領域切出部113では、商品Gと背景との境界を検出することができない場合、つまり画像の略全域が略同等色で表される場合、商品Gが存在する領域を奥行情報に基づいて切り出す。
【0040】
具体的に、領域切出部113は、撮像部204の撮像範囲内に存在する物体のうち、読取窓22(測距部205)に最も近接する物体の存在位置を画像の中から特定する。そして、領域切出部113は、特定した画像中の位置(以下、画素位置)を基準に所定範囲の領域を定めると、この領域を商品Gが存在する領域として切り出す。
【0041】
なお、商品Gと背景との境界検出に係る判定基準は任意に定めることが可能である。例えば、撮像された画像のうち、略同等色の領域が所定の割合を占める場合(例えば80%以上等)に、商品Gと背景との境界を検出できないと判定してもよい。
【0042】
図6及び図7は、領域切出部113の動作の一例を説明するための図である。図6は、画像取込部111が取り込んだ画像の一例を示す図である。この図6では、商品Gの表面色と背景とが略同等色となった例を示している。このような場合、領域切出部113は、奥行情報取込部112が取り込んだ奥行情報に基づき、測距部205(読取窓22)に最も近接する物体の画素位置を画像の中から特定する。ここで、画素位置P1に存在する物体が最も近接する場合、領域切出部113は、図7に示すように、画素位置P1を基準に領域AGを設定し、この領域AGを切り出す。なお、図7では、画素位置P1を中心に、矩形状の領域AGを抽出した例を示しているが、抽出する領域AGの形状や大きさはこれに限らないものとする。
【0043】
商品読取装置20を用いて読み取りを行う場合、オペレータは、商品Gを読取窓22にかざすことで撮像部204に撮像を行わせる。このとき、商品Gは読取窓22に向けて突き出された状態となる。そのため、撮像部204の撮像範囲内に存在する物体のうち、商品Gが読取窓22(測距部205)に最も近付くことになる。本実施形態では、この動作の特性に着目することで、測距部205に最も近接した物体の画素位置を画像中から特定し、この画素位置周辺の所定領域を切り出す。これにより、商品Gと背景とが略同等色で表される場合であっても、商品Gが存在する領域を効率的に切り出すことができる。
【0044】
なお、読取窓22に商品Gがかざされていない状態、つまり撮像部204の撮像範囲内に商品Gが存在しない状態を判別するため、最近接と判定する距離(奥行)に閾値を設定してもよい。具体的には、読取窓22(測距部205)に最も近接する物体までの距離が閾値(例えば10cm)以内の場合に、領域切出部117は、当該物体(商品G)に対応する画素位置の特定を行う。一方、閾値を上回る場合、領域切出部117は、画素位置の特定を行わずに、撮像範囲に商品Gが存在しないと判断する。これにより、撮像範囲内に商品Gが存在しない場合に、不要な処理の実行を抑えることができるため、処理の効率化を図ることができる。
【0045】
図4に戻り、類似度算出部114は、領域切出部113が切り出した領域、つまり撮像部204により撮像された商品Gの全部又は一部の画像から特徴量を抽出する。ここで、類似度算出部114が抽出する特徴量は、商品Gの色合いや凹凸状況等の表面の状態を表すものである。
【0046】
また、類似度算出部114は、PLUファイルF1に辞書登録された各商品(以下、登録商品)の特徴量と、商品Gの特徴量とを比較することで、商品Gと登録商品との類似度を算出する。類似度算出部114は、類似度の算出を各登録商品について実行し、その類似度が所定の閾値を上回った登録商品を、商品Gの候補として認識する。ここで、類似度は、登録商品の画像を100%=「類似度:1.0」とした場合に、商品Gの全部又は一部の画像がどの程度類似しているかを示すものである。また、色合いと表面の凹凸状況とでは、重み付けを変えて類似度を算出してもよい。
【0047】
このように画像中に含まれる物体を認識することは一般物体認識(generic object recognition)と呼ばれる。このような一般物体認識については、下記の文献において各種認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成24年5月19日検索],インターネット<URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf >
【0048】
また、画像をオブジェクト毎に領域分割することによって一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されている。
Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[平成24年5月19日検索],インターネット<URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=rep1&type=pdf >
【0049】
なお、撮像された商品Gの画像と、登録商品との類似度の算出方法は特に問わないものとする。例えば、撮像された商品Gの画像と、各登録商品との類似度を絶対評価として算出してもよいし、相対評価として算出してもよい。
【0050】
類似度を絶対評価として算出する場合、撮像された商品Gの画像と、各登録商品とを1対1で比較し、この比較の結果導出される類似度をそのまま採用すればよい。また、類似度を相対評価として算出する場合、撮像された商品Gと、各登録商品との類似度の総和が1.0(100%)となるよう算出すればよい。
【0051】
また、類似度は、商品Gの特徴量と、PLUファイルF1に登録された商品の基準の特徴量とを比較し、両特徴量がどの程度類似しているかを示す値(類似度)であればよい。なお、類似度の概念は、この例に限らず、PLUファイルF1に登録された各登録商品の特徴量との一致度を示す値や、商品Gの特徴量とPLUファイルF1に登録された各登録商品の特徴量とがどの程度相関するかを示す値であってもよい。
【0052】
類似度判定部115は、類似度算出部114で算出された類似度のうち、その値が所定の閾値以上となる登録商品(商品ID)を、撮像部204で撮像された商品Gの候補(商品候補)として認識する。ここで、類似度が閾値以上の登録商品の中で、その値が他と比べて非常に高くなる登録商品が一つ存在するような場合には、その登録商品を確定商品として自動確定してもよい。なお、類似度の比較基準は任意に設定可能であるとする。
【0053】
商品提示部116は、類似度判定部115で商品候補と認識された登録商品に関する情報を、第1表示デバイス25に表示させる。より詳細には、商品提示部116は、商品候補として認識された登録商品のレコードをPLUファイルF1から読み出し、第1表示デバイス25の商品候補画面内に表示させる。
【0054】
図8は、商品候補画面の表示例を示す図である。図8に示すように、第1表示デバイス25に表示される商品候補画面A1は、撮像画像領域A11と、商品候補領域A12とを含む。
【0055】
撮像画像領域A11は、画像取込部111が取り込んだ撮像画像を表示するための領域である。撮像画像領域A11の下部には、部門コードや商品リスト等から手動で商品Gを認識(登録)するための手動登録ボタンB1が設けられる。CPU201は、手動登録ボタンB1の操作に応じて、商品Gの認識(登録)を手動で行うための手動登録画面(図示せず)を第1表示デバイス25に表示する。なお、手動登録画面を介して指定された商品は、確定商品として処理される。
【0056】
商品候補領域A12は、商品候補として認識された登録商品に関する情報を表示するための領域である。商品候補領域A12には、表示領域A2が配置される。図8では、商品候補領域A12に4つの表示領域A2を設定した例を示しているが、表示領域A2の個数は特に問わないものとする。商品提示部116は、表示領域A2に、商品候補の商品画像や商品名等の商品情報(XA等)を配置して表示する。なお、商品候補領域A12に表示された商品候補は、タッチパネル24を介して選択可能に構成される。上記の構成により、商品読取装置20のオペレータは、商品候補領域A12に表示された商品候補の中から、商品Gに該当する商品候補を確定商品として選択することができる。
【0057】
入力受付部117は、タッチパネル24又はキーボード26を介して第1表示デバイス25の表示に対応する各種入力操作を受け付ける。例えば、入力受付部117は、商品候補に対する選択操作に基づき、表示された商品候補の中から商品Gに該当する確定商品の選択操作を受け付ける。
【0058】
情報入力部118は、入力受付部117が受け付けた操作内容に応じた情報を、接続インターフェース106を介して自装置に入力する。例えば、情報入力部118は、上述のようにして確定された確定商品について、その商品を示す情報(例えば、商品IDや商品名等)を入力する。なお、情報入力部118は、タッチパネル24又はキーボード26を介して別途入力された販売個数を、商品ID等とともに入力するとしてもよい。
【0059】
売上登録部119は、情報入力部118から入力された商品IDと販売個数とに基づいて、対応する商品の売上登録を行う。具体的に、売上登録部119は、PLUファイルF1を参照して、通知された商品ID及び当該商品IDに対応する商品分類、商品名、単価等を、販売個数とともに売上マスタファイル等に記録して売上登録を行う。
【0060】
以下、チェックアウトシステム1の動作について説明する。ここで、図9は、POS端末10が実行する売上登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0061】
POS端末10のCPU101は、第1表示デバイス12に表示された業務選択画面(図示せず)のメニューから「売上登録」が選択されると、売上登録処理を開始する。まず、画像取込部111は、撮像部204に撮像オン信号を出力することで撮像動作を開始させる(ステップS11)。これに伴い、画像取込部111は、撮像部204が撮像した画像をRAM103等に取り込む(ステップS12)。また、奥行情報取込部112は、測距部205の測定結果を奥行情報としてRAM103等に取り込む(ステップS13)。
【0062】
次いで、領域切出部113は、従来方法を用いることで、取り込まれた画像から商品Gの検出を行う。ここで、商品Gを検出した場合(ステップS14;Yes)、領域切出部113は、画像から商品Gを検出した領域を切り出し(ステップS15)、ステップS19に移行する。
【0063】
従来方法で商品Gを検出できない場合(ステップS14;No)、領域切出部113は、取り込まれた奥行情報に基づき、最も近接する物体との距離(最近接距離)が閾値以内か否かを判定する(ステップS16)。ここで、最近接距離が閾値を上回ると判定した場合(ステップS16;No)、領域切出部113は、商品Gが存在しないと判断し、ステップS12に戻る。
【0064】
一方、最近接距離が閾値以内と判定した場合(ステップS16;Yes)、領域切出部113は、その最近接距離の物体が存在する画素位置を画像の中から特定する(ステップS17)。次いで、領域切出部113は、画素位置を中心に所定範囲の領域を設定すると(ステップS18)、ステップS15に移行することでその領域を切り出す。
【0065】
続いて、類似度算出部114は、ステップS15で切り出された領域から、商品Gの特徴量を抽出する(ステップS19)。次いで、類似度算出部114は、ステップS19で抽出された特徴量と、PLUファイルF1に登録された各登録商品の特徴量とを比較し、その類似度をそれぞれ算出する(ステップS20)。
【0066】
類似度判定部115は、ステップS20で算出された類似度のうち、その値が所定の閾値以上の登録商品が存在するか否かを判定する(ステップS21)。ここで、閾値以上の登録商品が存在しない場合(ステップS21;No)、ステップS12に再び戻る。また、閾値以上の登録商品が存在する場合(ステップS21;Yes)、類似度判定部115は、その登録商品(商品ID)を商品候補として認識する。
【0067】
商品提示部116は、ステップS21で認識された商品候補を第1表示デバイス25に表示する(ステップS22)。続いて、入力受付部117は、タッチパネル24又はキーボード26を介して、確定商品の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS23)。ここで、確定商品の選択操作を受け付けない場合(ステップS23;No)、ステップS12に再び戻る。
【0068】
また、ステップS23において、確定商品の選択操作を受け付けると(ステップS23;Yes)、情報入力部118は、その商品の商品ID等の情報を、POS端末10に入力し(ステップS24)、ステップS25に移行する。ここで、タッチパネル24又はキーボード26を介して販売個数が別途入力された場合には、ステップS24において、確定商品を示す情報とともに、その販売個数をPOS端末10に入力するものとする。なお、販売個数の入力が行われない場合には、デフォルト値として販売個数“1”を出力する形態としてもよい。
【0069】
次いで、売上登録部119は、ステップS24で入力された商品ID及び販売個数に基づいて、PLUファイルF1から商品種別や単価等の商品情報を読み出し、売上マスタファイルに登録する(ステップS25)。
【0070】
続いて、CPU101は、キーボード11の操作指示による売上登録の終了等による業務終了の有無を判定する(ステップS26)。業務を継続する場合(ステップS26;No)、CPU101は、ステップS12へ戻り処理を継続させる。業務を終了する場合(ステップS26;Yes)、画像取込部111は、撮像部204に撮像オフ信号を出力することで、撮像部204による撮像を終了させ(ステップS27)、本処理を終了する。
【0071】
以上のように、本実施形態のPOS端末10によれば、商品Gと背景との境界を検出することができない場合に、奥行情報を用いて商品Gの存在する領域を画像から切り出す。これにより、商品Gの特徴量をより確実に抽出することが可能となるため、認識率を向上させることができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。また、上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0073】
例えば、上記実施形態では、POS端末10がPLUファイルF1を備える形態としたが、これに限らないものとする。例えば、商品読取装置20がPLUファイルF1を備える形態としてもよいし、POS端末10及び商品読取装置20がアクセス可能な外部装置がPLUファイルF1を備える形態としてもよい。
【0074】
また、上記実施形態の領域切出部113では、従来方法による領域の切り出しを試みた後に、奥行情報に基づいた領域の切り出しを行う形態としたが、これに限らないものとする。例えば、従来方法を用いずに、奥行情報に基づいた領域の切り出しを最初から行う形態としてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、画像取込部111、奥行情報取込部112、領域切出部113、類似度算出部114、類似度判定部115、商品提示部116、入力受付部117、情報入力部118の機能を有する情報処理装置としてPOS端末10を適用したが、これに限らないものとする。例えば、商品読取装置20が上記機能部の何れか又は全てを備え、算出結果、判定結果、確定商品等をPOS端末10に出力する形態としてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、店舗システムとしてPOS端末10と商品読取装置20とで構成されるチェックアウトシステム1を適用したがこれに限るものではなく、POS端末10及び商品読取装置20の機能を備えた1台構成の装置に適用するようにしてもよい。POS端末10及び商品読取装置20の機能を備えた1台構成の装置としては、スーパーマーケット等の店舗に設置されて用いられるセルフチェックアウト装置(以降、単にセルフPOSと称する)が挙げられる。
【0077】
ここで、図10はセルフPOS70の構成を示す外観斜視図、図11はセルフPOS70のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、以下では、図1及び図2に示される同様の構成については同一の符号を付して示し、その重複する説明を省略する。図10及び図11に示すように、セルフPOS70の本体71には、精算用の紙幣の入金や釣り紙幣の受け取りを行うための釣り銭器72が設けられている。また、本体71は、タッチパネル24が表面に配設された第1表示デバイス25や、商品の種別等を認識(検出)するために商品画像を読み取る商品読取部210を備えている。
【0078】
第1表示デバイス25としては例えば液晶表示器が用いられる。第1表示デバイス25は、案内画面や登録画面、精算画面等の各種画面を表示する。案内画面は、客にセルフPOS70の操作方法を知らせる画面である。登録画面は、商品読取部210で読み込んだ商品情報を表示する画面である。精算画面は、商品の合計金額や預かり金額、釣銭額等を表示し、支払い方法の選択をする画面である。
【0079】
商品読取部210は、客が商品を商品読取部210の読取窓22にかざすことで、当該商品を表す画像を撮像部204により読み取るものである。
【0080】
本体71の右側には、かごに入った未精算の商品を置くための商品載置台73が設けられる。また、本体71の左側には、精算済みの商品を置くための商品載置台74が設けられる。商品載置台74には、精算済みの商品を入れるための袋を掛けるための袋掛けフック75や、精算済みの商品を袋に入れる前に一時的に置いておくための一時置き台76が設けられている。また、商品載置台73、74には計量器77、78がそれぞれ備えられており、精算の前後で商品の重量が同じであることを確認する機能を有している。
【0081】
このような構成のセルフPOS70を店舗システムに適用した場合、セルフPOS70が情報処理装置として機能することになる。
【0082】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。更に、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0083】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 チェックアウトシステム
10 POS端末
20 商品読取装置
111 画像取込部
112 奥行情報取込部
113 領域切出部
114 類似度算出部
115 類似度判定部
116 商品提示部
117 入力受付部
118 情報入力部
119 売上登録部
F1 PLUファイル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【特許文献1】特開2013−89085号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11