【文献】
江尻 祐介 他,スマートコミュニティ実現に向けたネットワーク技術,一般財団法人ニューメディア開発協会,2013年 3月15日,No.29,p.50-55
【文献】
鹿島 和幸 Kazuyuki Kashima 他,サービス事業者向け通信ゲートウェイ,三菱電機技報,三菱電機エンジニアリング株式会社,2012年10月25日,第86巻 第10号,p.16-19
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記転送手段が転送した情報に基づく、自情報機器に対する副制御の情報を、前記副制御機器から取得する副制御取得手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の情報機器。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、適宜その説明を省略する。
【0013】
〔実施形態1〕
まず、本発明の一実施形態について、
図1〜
図12を参照して説明する。
【0014】
(家電管理システムの構成)
図1は、本実施形態に係る家電管理システム100の概略構成を示す図である。図示のように、家電管理システム100は、ユーザ宅50に設置されている家電10−1,10−2,10−3,10−4と、クラウドサーバ20と、携帯端末30−1,30−2,30−3とが広域通信ネットワーク(通信ネットワーク)62を介して接続するよう構成されている。なお、
図1では、4つの家電10−1,10−2,10−3,10−4と、3つの携帯端末30−1,30−2,30−3と、を図示している。しかし、これらにおいて、数や種類は限定されず、個別に説明する必要のない場合は、総称として家電10と携帯端末30とを用いる。また、家電管理システム100に含まれるユーザ宅の戸数も限定されない。
【0015】
本実施形態では、家電10(10−1,10−2,10−3,10−4)には、家電アダプタ5(5−1,5−2,5−3,5−4)が接続されている。家電アダプタ(情報機器)5は、家電10を広域通信ネットワーク62に接続させ、広域通信ネットワーク62を介して制御できる、いわゆるネットワーク家電にするための機器である。
【0016】
本実施形態では、クラウドサーバ(副制御機器)20にて、携帯端末30と家電アダプタ5とを対応づけて登録しており、携帯端末30は、クラウドサーバ20を介して、家電アダプタ5に接続した家電10を遠隔操作できる。携帯端末30は、クラウドサーバ20にて自身と対応づけて登録された家電アダプタ5に接続した家電10を、クラウドサーバ20を介して遠隔操作可能に構成されている。携帯端末30は、クラウドサーバ20にて自身と対応づけて登録された家電アダプタ5に接続した家電10に関する情報をクラウドサーバ20から受信する。携帯端末30は、例として、スマートフォンやタブレット端末を挙げることができる。1台の携帯端末30から複数の家電10を遠隔操作することが可能である。また、複数の携帯端末30から、1つの家電アダプタ5に接続された家電10を遠隔操作できる。
【0017】
クラウドサーバ20は、後述する管理サーバ20aおよび認証サーバ20bを備えるサーバシステムである。なお、このサーバシステムは、1台のサーバであってもよいし、複数台のサーバを広域通信ネットワーク62を介して接続したものであってもよい。
【0018】
ユーザ宅50には、狭域通信ネットワークである無線LAN(Wireless Local Area Network)が整備されており、無線LANの中継局40は、インターネットを含む広域通信ネットワーク62と接続されている。中継局40は、例えばWiFi(登録商標)ルータやWiFi(登録商標)アクセスポイントなどの通信機器である。ここでは、広域通信ネットワーク62としてインターネットを含む構成を例示しているが、電話回線網、移動体通信網、CATV(CAble TeleVision)通信網、衛星通信網などを利用することもできる。
【0019】
広域通信ネットワーク62および無線LANの中継局40を介して、クラウドサーバ20とユーザ宅50に設置された家電アダプタ5とが通信可能となっている。また、広域通信ネットワーク62を介して、クラウドサーバ20と携帯端末30とが通信可能になっている。携帯端末30と広域通信ネットワーク62におけるインターネットとの間は、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)や、宅内あるいは公衆のWiFi(登録商標)アクセスポイントなどを利用して接続される。なお、家電アダプタ5と携帯端末30とはいずれも、無線通信機器であり、広域通信ネットワーク62を介することなく、中継局40を介して相互に通信することもできる。
【0020】
本実施形態では、家電管理システム100では、ユーザ宅50に設置されているHEMSコントローラ(主制御機器)70とスマートメータ80とが接続され、HEMSコントローラ70と中継局40とが接続されている。
【0021】
スマートメータ80は、通信機能を有する電力量計である。スマートメータ80が計測した電力量は、計測日時と共に、HEMSコントローラ70に送信される。
【0022】
HEMSコントローラ70は、ユーザ宅50のエネルギを管理し、これにより省エネを図るものである。具体的には、HEMSコントローラ70は、ユーザ宅50の各家電10における電力消費量の監視、節電のための家電10の制御、などを行うものである。本実施形態では、HEMSコントローラ70の通信仕様として、ECHONET−Liteの規格を利用している。
【0023】
従って、本実施形態では、家電10は、クラウドサーバ20およびHEMSコントローラ70の両方によって制御される。
【0024】
図2は、家電管理システム100における家電10、クラウドサーバ20、およびHEMSコントローラ70の接続関係を示すブロック図である。図示のように、家電10のうち、A社が製造した家電A1・A2は、専用のクラウドサーバSAに通信可能に接続され、B社が製造した家電B1は、専用のクラウドサーバSBに通信可能に接続されている。このように、家電10およびクラウドサーバ20を含むネットワークシステムを、製造業者ごとに構築することにより、各家電10を詳細に管理(監視および制御)することができる。
【0025】
また、
図2に示すように、ユーザ宅50における全ての家電10は、HEMSコントローラ70に通信可能に接続されている。これにより、各家電10のエネルギの管理(監視および制御)を行うことができる。
【0026】
(クラウドサーバ)
図3は、家電管理システム100におけるクラウドサーバ20の概略構成を示すブロック図である。クラウドサーバ20は、通信可能に接続された各家電10を管理する、すなわち、各家電10の状態を監視すると共に各家電10を制御するサーバであり、図示のように、制御部21、記憶部22、および通信部23を備えている。
【0027】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や専用プロセッサなどの演算処理部などにより構成されるコンピュータ装置からなり、クラウドサーバ20の各部の動作を制御するブロックである。
【0028】
記憶部22は、クラウドサーバ20で用いられる各種情報(データ)を記憶するブロックである。記憶部22は、DB(DataBase)22aを記憶しており、該DB22aは、家電10の状態を示す状態情報、家電10を制御するための制御項目および制御内容、などを、家電10ごとに含んでいる。このDB22aにより、クラウドサーバ20から家電10ごとに個別の制御が可能となる。
【0029】
本実施形態では、DB22aは、HEMSコントローラ70が家電10を制御する制御項目および制御内容を、家電10ごとに含んでいる。このDB22aにより、HEMSコントローラ70による家電10の制御項目および制御内容を把握できるので、該制御項目および制御内容に基づき、家電10を制御することができる。その結果、HEMSコントローラ70による家電10の制御内容に矛盾するような制御項目および制御内容で家電10制御することを防止できる。
【0030】
通信部23は、広域通信ネットワーク62を介して家電アダプタ5と相互通信を行うブロックである。通信部23は、また、広域通信ネットワーク62を介して携帯端末30とも相互通信を行う。
【0031】
(家電アダプタおよび家電)
家電アダプタ5は、家電10をネットワーク通信可能にする情報機器である。家電アダプタ5は、クラウドサーバ20およびHEMSコントローラ70からの操作信号(命令)を含む各種データを受信する。クラウドサーバ20から受信するデータには、クラウドサーバ20自体からのものに加え、クラウドサーバ20を介した携帯端末30からのものも含まれる。また、クラウドサーバ20およびHEMSコントローラ70から受信するデータは、家電アダプタ5自体を制御するものである場合もあれば、家電10に伝達して家電10を制御するものである場合もある。さらに、家電アダプタ5は、家電10から伝達された家電10に関する情報をクラウドサーバ20およびHEMSコントローラ70に送信する。
【0032】
図4は、家電管理システム100における家電10および家電アダプタ5の概略構成を示すブロック図である。家電アダプタ5は、図示のように、制御部6、記憶部7、通信部8、および接続部9を備えている。
【0033】
制御部6は、家電アダプタ5の各部の動作を統括的に制御するブロックである。記憶部7は、家電アダプタ5で用いられる各種情報を記憶するブロックである。
【0034】
通信部8は、中継局40と無線通信を行うブロックである。これにより、家電アダプタ5は、中継局40および広域通信ネットワーク62を介してクラウドサーバ20と相互通信を行い、また、広域通信ネットワーク62を介して携帯端末30とも相互通信を行う。さらに、家電アダプタ5は、中継局40を介してHEMSコントローラ70と相互通信を行う。
【0035】
接続部9は、家電10の接続部19と相互通信するブロックである。接続部9と家電10の接続部19との間の接続は、例えば、USB(Universal Serial Bus)コネクタによる接続などであってもよい。
【0036】
家電10は、例えば、空気調和機、冷蔵庫、洗濯機、調理器具、照明装置、給湯機器、撮影機器、各種AV(Audio-Visual)機器、各種家庭用ロボット(例えば、掃除ロボット、家事支援ロボット、動物型ロボット等)等である。
図4に示すように、家電10は、制御部11、記憶部13、家電機能部14、状態検知部15、音声出力部16、表示部17、操作部18、および接続部19を備える。家電10は、制御部11による制御の下、操作信号を受信すると、受信した操作信号に応じた動作を実行する。
【0037】
制御部11は、家電10の各部の動作を制御するブロックである。制御部11は、例えば、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部などにより構成されるコンピュータ装置から成る。制御部11は、記憶部13に記憶されている家電10における各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで、家電10の各部の動作を統括的に制御する。
【0038】
記憶部13は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などを含み、家電10にて用いられる各種データを記憶するブロックである。記憶部13には、家電10から音声出力する音声データが予め(例えば、出荷時)記憶されている。この予め記憶部13に記憶されている音声データを、以下では第2音声データと称する。
【0039】
家電機能部14は、当該家電10としての機能を有するものである。例えば、家電10がエアコンであれば、家電機能部14は空調の機能を有し、家電10が冷蔵庫であれば、家電機能部14は冷却機能を有する。家電機能部14は、制御部11からの指示に応じて当該機能が実行される。
【0040】
状態検知部15は、家電10の状態を示す状態情報を検知するブロックである。状態情報としては、例えば、設定状況、動作状況を示す情報等が挙げられる。また、状態情報は、家電10の置かれた状態、すなわち周囲環境に関する環境情報であってもよい。環境情報として、例えば、ユーザ宅50内あるいはユーザ宅50外の気温や湿度が挙げられる。なお、これらは例示である。
【0041】
音声出力部16は、スピーカなどの音声出力装置である。制御部11は、記憶部13に記憶された音声データに基づく音声を音声出力部16から出力させる。なお、制御部6は、クラウドサーバ20から受信した音声データを記憶部7に記憶しておき、記憶部7に記憶された音声データに基づく音声を音声出力部16から出力させてもよい。
【0042】
表示部17は、制御部11から表示データを受信し、受信した表示データに基づいて表示画面に表示を行うものである。具体的には、表示部17は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electroluminescence)ディスプレイ、電子ペーパなどの表示素子と、受信した表示データに基づいて表示素子を駆動するドライバ回路とを備える構成である。なお、制御部11は、記憶部13から表示データを読み出してもよいし、クラウドサーバ20から家電アダプタ5を介して受信してもよい。
【0043】
操作部18は、家電10の表面に設けられたボタンスイッチなどの入力デバイスにてユーザからの操作入力を受け付けて、操作データを作成し制御部11に送信するものである。入力デバイスの例としては、ボタンスイッチの他に、タッチパネル、リモコンなどが挙げられる。なお、音声出力部16、表示部17、および操作部18は、家電10の種類、製造業者、型番などによっては、当該家電10に設けられていない場合もある。
【0044】
接続部19は、家電アダプタ5の接続部9と相互通信するブロックである。
【0045】
以上のように、本実施形態では、家電10の遠隔操作を可能にする家電アダプタ5が外付けされた構成である。遠隔操作を可能とする通信機能部分を外付け構成としてオプション化することで、家電10のコストを抑えることができる。もちろん、家電10内部に通信機能部分が予め組み込まれている構成、すなわち、家電10と家電アダプタ5とが一体化した構成であってもよい。
【0046】
(家電アダプタの詳細)
次に、家電アダプタ5の詳細について、
図5を参照して説明する。
図5は、家電アダプタ5における制御部6の概略構成を示すブロック図である。図示のように、制御部6は、HEMS用通信制御部6a、クラウド用通信制御部6b、HEMS制御取得部(主制御取得手段)6c、クラウド制御取得部(副制御取得手段)6d、家電制御部6e、状態取得部6f、HEMS用情報作成部6g、およびクラウド用情報作成部(転送手段)6hを備える構成である。
【0047】
HEMS用通信制御部6aは、HEMSコントローラ70と通信を行うように通信部8を制御するものである。具体的には、HEMS用通信制御部6aは、ECHONET−Liteの通信プロトコルに基づいて、HEMSコントローラ70とデータの送受信を行うように通信部8を制御するものである。
【0048】
クラウド用通信制御部6bは、クラウドサーバ20と通信を行うように通信部8を制御するものである。具体的には、クラウド用通信制御部6bは、独自の通信プロトコルに基づいて、クラウドサーバ20とデータの送受信を行うように通信部8を制御するものである。
【0049】
HEMS制御取得部6cは、HEMSコントローラ70から家電10の制御の情報を、中継局40、通信部8、およびHEMS用通信制御部6aを介して取得するものである。HEMS制御取得部6cは、取得した制御の情報を、家電制御部6eに送出し、さらに、クラウド用情報作成部6hに送出する。
【0050】
クラウド制御取得部6dは、クラウドサーバ20から家電10の制御の情報を、広域通信ネットワーク62、中継局40、通信部8、およびクラウド用通信制御部6bを介して取得するものである。クラウド制御取得部6dは、取得した制御の情報を、家電制御部6eに送出する。
【0051】
家電制御部6eは、HEMS制御取得部6cおよびクラウド制御取得部6dからの制御の情報に基づき、接続部9を介して家電10を制御するものである。
【0052】
ここで、家電10の制御の情報について、HEMSコントローラ70からのものと、クラウドサーバ20からのものとの違いについて
図6を参照して説明する。
図6は、家電10に対し管理(状態監視および制御)を行うことが可能な項目(管理項目)およびその概要の一例を表形式で示す図である。同図では、エアコンおよび冷蔵庫の例を示しており、上記管理項目は一部を抜粋したものである。
【0053】
図6に示すように、家電10の管理項目には、例えばECHONET−Liteのような規格の部分、すなわち製造業者間で共通する部分(共通部分)と、製造業者(メーカ)が独自に行う部分(独自部分)とがある。HEMSコントローラ70からの家電10の制御の情報は、上記共通部分の制御の情報である。一方、クラウドサーバ20から家電10の制御の情報は、上記共通部分および上記独自部分の両方の制御の情報である。
【0054】
なお、クラウドサーバ20から家電10の制御の情報を、上記独自部分の制御の情報に限定してもよい。この場合、上記共通部分の制御の情報が、HEMSコントローラ70からのものと、クラウドサーバ20からのものとで矛盾することを防止できる。
【0055】
図5に示すように、状態取得部6fは、家電10における各種の状態の情報を接続部9から取得すると共に、家電アダプタ5における各種の状態の情報を取得するものである。上述のように、上記状態の情報にも、上記共通部分と上記独自部分とがある。状態取得部6fは、上記共通部分の状態の情報をHEMS用情報作成部6gに送出する一方、上記共通部分および上記独自部分の両方の状態の情報をクラウド用情報作成部6hに送出する。
【0056】
HEMS用情報作成部6gは、状態取得部6fからの上記共通部分の状態の情報から、HEMS用データを作成するものである。HEMS用情報作成部6gは、作成したHEMS用データを、HEMS用通信制御部6a、通信部8、および中継局40を介してHEMSコントローラ70に送信する。
【0057】
クラウド用情報作成部6hは、家電アダプタ5にて取得される各種の情報を収集し、収集した情報から、クラウド用データを作成するものである。具体的には、クラウド用情報作成部6hは、HEMS制御取得部6cからの上記共通部分の制御の情報と、状態取得部6fからの上記共通部分および上記独自部分の両方の状態の情報とを収集する。クラウド用情報作成部6hは、作成したクラウド用データを、クラウド用通信制御部6b、通信部8、中継局40、および広域通信ネットワーク62を介してクラウドサーバ20に送信する。
【0058】
(クラウドサーバへの登録手順)
次に、上記構成の家電管理システム100における各種処理について説明する。なお、ユーザ宅50の各種家電10は、HEMSコントローラ70との間でネットワークシステムが既に構築されているとする。
【0059】
まず、遠隔操作を可能とする携帯端末30−1と、A社製家電10−1に接続された家電アダプタ5−1との組み合わせをクラウドサーバ20(
図2に示す専用のクラウドサーバSA)に登録して、携帯端末30−1とA社製家電10−1とをペアリングする手順を説明する。
【0060】
図7は、携帯端末30−1と家電10−1(詳細には家電アダプタ5−1)との組み合わせをクラウドサーバ20に登録する手順を示すフローチャートである。
【0061】
ユーザは、携帯端末30−1のログイン画面(図示せず)より、宅内共通IDとパスワードとを入力してログインを要求する(S1)。宅内共通IDとパスワードとで認証情報が構成される。携帯端末30−1は、該認証情報をクラウドサーバ20に送信する。携帯端末30−1は、後述する自身のクラウドID(スマホ_1)を保存している場合は、クラウドID(スマホ_1)もクラウドサーバ20に送信する。また、携帯端末30−1は、クラウドID(スマホ_1)の保存の有無にかかわりなく、自身のアドレス情報(例えばMACアドレス(Media Access Control address))も送信する。
【0062】
クラウドサーバ20は、詳細には、ペアリングを管理する管理サーバ20aと、認証情報を用いて管理サーバ20aへのログインの可否を判断する認証サーバ20bとからなる。管理サーバ20aは、宅内共通IDとパスワードとを受信すると、これらを認証サーバ20bに転送(中継)する(S2)。
【0063】
認証サーバ20bは、宅内共通IDとパスワードとの組み合わせを登録・管理している。認証サーバ20bには、上記組み合わせが事前に登録されている。認証サーバ20bは、宅内共通IDとパスワードとの組み合わせが正しい場合は認証OKと判断して、正しくない場合は認証NGと判断する(S3)。認証サーバ20bは、認証結果を管理サーバ20aへ送信する(S4)。
【0064】
管理サーバ20aは、携帯端末30と家電10との組み合わせを登録・管理している。管理サーバ20aは、認証サーバ20bでの認証結果が認証OKである場合、携帯端末30−1のアドレス情報に関連付けたクラウドID(スマホ_1)を宅内共通IDに関連付けて登録する(S5)。ここで、管理サーバ20aは、携帯端末30−1よりクラウドID(スマホ_1)が送信されてきた場合は、送信されてきたクラウドID(スマホ_1)を用いて登録し、送信されてきていない場合は、携帯端末30−1のアドレス情報に関連付けてクラウドID(スマホ_1)を新規に設定して、登録する。
【0065】
管理サーバ20aは、宅内共通IDに関連付けてクラウドID(スマホ_1)を登録すると、認証OKの情報を携帯端末30−1へ送信する。また、新規にクラウドID(スマホ_1)を設定した場合は、設定したクラウドID(スマホ_1)も携帯端末30−1に送信する。
【0066】
携帯端末30−1は、認証OKの情報を受信するとログイン完了と判断し、操作対象機器選択画面(図示せず)を表示する。また、携帯端末30−1は、クラウドID(スマホ_1)を受信した場合は、クラウドID(スマホ_1)を保存する(S6)。以降、携帯端末30−1は、クラウドサーバ20との通信には、クラウドID(スマホ_1)を添付する。
【0067】
次に、ユーザが、操作対象機器選択画面(図示せず)の「探す」ボタンを押すと、携帯端末30−1は、中継局40にアクセスして機器検索(IPマルチキャスト)を行わせて、無線LANに接続されている未登録の家電アダプタ5を検索させる(S7)。
【0068】
携帯端末30−1は、未登録の家電アダプタ5より応答があり(S7−1)、これを検出すると、未登録機器選択画面(図示せず)を表示する(S8)。該画面では、1または複数の未登録機器選択ボタンが表示されている。未登録機器選択ボタンは、それぞれに接続されている家電アダプタ5が未登録であるとして検出された家電(未登録の家電)10の数だけ表示される。携帯端末30−1は、検出された未登録の家電アダプタ5の製品名や製造番号の情報と、家電アダプタ5のアドレス情報(MACアドレス等)の情報にて、未登録機器選択ボタンと未登録の家電10とを対応付けている。
【0069】
ユーザは、未登録機器選択画面において、未登録機器選択ボタンの1つを押して家電アダプタ5を登録する家電10を選択する。すると、携帯端末30−1は、選択された未登録機器選択ボタンに対応付けられている家電10−1に、中継局40を介して選択されたことを通知する(S9)。また、携帯端末30−1は、未登録機器選択ボタンの1つが押されたことを管理サーバ20aに通知する(S9)。このとき、携帯端末30−1は、保存している自身のクラウドID(スマホ_1)も一緒に送信する。
【0070】
家電10−1の家電アダプタ5−1は、選択されたことを管理サーバ20aに通知する(S11)。ここで、家電アダプタ5−1は、自身のクラウドID(アダプタ_1)を保存している場合は、クラウドID(アダプタ_1)も管理サーバ20aに送信する。
【0071】
管理サーバ20aは、家電アダプタ5−1から選択されたことが通知されると、家電アダプタ5−1のアドレス情報に関連付けたクラウドID(アダプタ_1)を宅内共通IDに関連付けて登録する(S12)。ここで、管理サーバ20aは、家電アダプタ5−1よりクラウドID(アダプタ_1)が送信されてきた場合は、送信されてきたクラウドID(アダプタ_1)を用いて登録し、送信されてきていない場合は、家電アダプタ5−1のアドレス情報に関連付けてクラウドID(アダプタ_1)を新規に設定して、登録する。
【0072】
管理サーバ20aは、新規にクラウドID(アダプタ_1)を設定した場合は、クラウドID(アダプタ_1)を家電アダプタ5−1に送信する。家電アダプタ5−1は、管理サーバ20aからクラウドID(アダプタ_1)を受信すると、記憶部7にクラウドID(アダプタ_1)を保存する(S13)。以降、家電アダプタ5−1は、家電アダプタ5−1を介した家電10−1とクラウドサーバ20との通信には、クラウドID(アダプタ_1)を添付する。
【0073】
管理サーバ20aは、携帯端末30−1から送信されてきた携帯端末30−1のクラウドID(スマホ_1)と家電アダプタ5−1のクラウドID(アダプタ_1)とを紐付けると共に、宅内共通ID_1に対応付けて登録する(S15)。これにより、クラウドサーバ20における携帯端末30−1と家電アダプタ5−1との登録が完了する。登録が完了すると、管理サーバ20aは、携帯端末30−1に、家電10−1とのペアリングが完了したことを知らせるペアリング済通知を行う(S16)。
【0074】
ペアリング済通知を受信した携帯端末30−1は、リンク設定が完了したことを示すメッセージを表示する(S17)。ユーザは該メッセージを視認することで、当該携帯端末30−1と家電10−1とのペアリングが完了したことを確認する。また、家電10−1は、家電アダプタ5−1を介して、HEMSコントローラ70およびクラウドサーバ20によって管理されることになる。
【0075】
(家電の制御処理)
図8は、家電アダプタ5がHEMSコントローラ70およびクラウドサーバ20からの指示に基づいて家電10を制御する処理を示すフローチャートである。図示のように、家電アダプタ5では、HEMSコントローラ70またはクラウドサーバ20から家電10の制御情報を取得すると、取得した制御情報がHEMSコントローラ70からのものであれば(S20)、クラウド用情報作成部6hは、上記制御情報をクラウドサーバ20に転送する(S21)。そして、家電制御部6eは、上記制御情報に基づき家電10を制御し(S22)、その後、上記処理を終了する。
【0076】
(状態転送処理)
図9は、家電アダプタ5が自機器および家電10の状態情報を収集してHEMSコントローラ70およびクラウドサーバ20に転送する処理を示すフローチャートである。図示のように、家電アダプタ5では、状態取得部6fは、自機器の状態情報または家電10の状態情報を取得すると、取得した状態情報が共通部分のものであるか否かを判断する(S30)。
【0077】
共通部分のものである場合、上記状態情報を、HEMS用情報作成部6gがHEMSコントローラ70に送信すると共に、クラウド用情報作成部6hがクラウドサーバ20に送信する(S31)。一方、共通部分のものではない場合、すなわち、独自部分のものである場合、上記状態情報を、クラウド用情報作成部6hがクラウドサーバ20に送信する(S32)。その後、上記処理を終了する。
【0078】
(管理エラーに関する処理)
上述のように、本実施形態の家電管理システム100では、家電10をHEMSコントローラ70およびクラウドサーバ20の両方が管理している。これにより、HEMSコントローラ70およびクラウドサーバ20の一方が家電10を管理できなくなっても、他方が家電10を管理することができる。この場合の処理について、
図10〜
図12を参照して説明する。
【0079】
図10は、家電10に対しHEMSコントローラ70が応答しなくなったエラーの処理を示すフローチャートである。図示のように、家電10の家電アダプタ5は、HEMS用通信制御部6aがHEMSコントローラ70への送信を行ったが(S40)、HEMSコントローラ70からの応答の受信に失敗した場合、通信のタイムアウトにより上記エラーを検知し(S41)、検知したエラーの情報をクラウド用情報作成部6hがクラウドサーバ20に送信する(S42)。
【0080】
クラウドサーバ20は、上記エラーに関するデータ処理を行って、対応する携帯端末30に上記エラーを通知し(S43)、携帯端末30は、上記エラーを示す画面を表示する(S44)。以降は、クラウドサーバ20が家電10を管理することになる。
【0081】
図11は、HEMSコントローラ70に対し家電10が応答しなくなったエラーの処理を示すフローチャートである。図示のように、HEMSコントローラ70は、家電10の家電アダプタ5への送信を行ったが(S50)、家電アダプタ5からの応答の受信に失敗した場合、通信のタイムアウトにより上記エラーを検知し(S51)、検知したエラーの情報をクラウドサーバ20に送信する(S52)。
【0082】
クラウドサーバ20は、上記エラーに関するデータ処理を行って、対応する携帯端末30に上記エラーを通知し(S53)、携帯端末30は、上記エラーを示す画面を表示する(S54)。
【0083】
次に、携帯端末30は、ユーザにより状態チェックの操作が行われることにより(S55)、クラウドサーバ20を介して家電アダプタ5に対し状態確認を行うと(S56)、家電アダプタ5のクラウド用通信制御部6bが、上記状態確認に対し応答を行う(S57)。これにより、携帯端末30は、クラウドサーバ20と家電アダプタ5との通信が可能であることを把握でき、その結果を表示する(S58)。以降は、クラウドサーバ20が家電10を管理することになる。
【0084】
図12は、クラウドサーバ20に対し家電10が応答しなくなったエラーの処理を示すフローチャートである。図示のように、クラウドサーバ20は、家電10の家電アダプタ5への送信を行ったが(S60)、家電アダプタ5からの応答の受信に失敗した場合、通信のタイムアウトにより上記エラーを検知する(S61)。
【0085】
次に、携帯端末30は、クラウドサーバ20に家電の状態確認の要求を送信すると(S62)、クラウドサーバ20から上記エラー(通信に失敗)の応答を受信する(S63)。そこで、携帯端末30は、家電の状態確認の要求をHEMSコントローラ70に送信する(S64)。
【0086】
次に、HEMSコントローラ70は、家電アダプタ5に対し通信を行い(S65)、家電アダプタ5のHEMS用通信制御部6aが応答を行う(S66)。これにより、HEMSコントローラ70は、家電アダプタ5との通信が可能であることを把握でき、その旨を上記家電の状態確認に対する応答として携帯端末30に送信し(S67)、携帯端末30は、その結果を表示する(S68)。以降は、HEMSコントローラ70が家電10を管理することになる。
【0087】
(付記事項)
家電10の独自機能と、該独自機能を利用したクラウドサーバ20のサービスとの一例を列挙する。
【0088】
例えば、冷蔵庫が庫内の撮影機能を有する場合、クラウドサーバ20は、冷蔵庫内の撮影画像を冷蔵庫に要求して取得する。次に、クラウドサーバ20は、取得した撮影画像を携帯端末30へ転送し、該撮影画像に対し画像認識を行って、冷蔵庫内の食材の種類を特定し、携帯端末30へ通知する。これにより、携帯端末30は、受信した撮影画像を表示したり、受信した食材の種類から調理可能な食品のリストを、別のサーバに要求して取得し表示したりすることができる。
【0089】
また、洗濯機が洗濯槽内の撮影機能を有する場合、クラウドサーバ20は、洗濯槽内の撮影画像を洗濯機に要求して取得する。次に、クラウドサーバ20は、取得した撮影画像を携帯端末30へ転送する。或いは、クラウドサーバ20は、該撮影画像に対し画像認識を行って、洗濯槽内の洗濯物の種類および数を特定し、その結果に基づき、最適な洗濯方法を携帯端末30に提案したり、最適な洗濯方法の設定を洗濯機に通知する。これにより、洗濯機は、洗濯槽に洗濯物を入れると、最適な洗濯方法を自動的に設定して、運転することができる。
【0090】
また、各種の家電10が音声出力の機能を有する場合、クラウドサーバ20は、当該家電に対し、音声合成されたメッセージを発話させたり、外部のサービスから取得した天気、ニュースなどの話題を発話させたり、当該話題に基づき選択した上記メッセージを発話させたりすることができる。
【0091】
また、各種の家電10が音声入力の機能を有する場合、クラウドサーバ20は、家電10に入力された音声に対し音声認識を行って、ユーザの指示を解釈し実行することができる。これにより、例えば、ユーザがエアコンに「冷房入れて」と話しかけることにより、当該エアコンが冷房運転を開始することができる。
【0092】
また、家電10が、ユーザ宅50の内外に設けられた防犯カメラである場合、クラウドサーバ20は、防犯カメラの撮影画像を携帯端末30に転送する。或いは、クラウドサーバ20は、上記撮影画像に対し画像認識を行って、侵入検知、人体検知、人体位置検知などを行い、HEMSコントローラ70に通知することができる。これにより、HEMSコントローラ70の通信仕様に対応していない防犯カメラからの情報を、当該通信仕様に対応する情報に変更することができる。
【0093】
〔実施形態2〕
次に、本発明の別の実施形態について、
図13〜
図19を参照して説明する。本実施形態の家電管理システム100は、
図1〜
図12に示す家電管理システム100に比べて、概略構成は同じであるが、接続関係および詳細構成が相違する。
【0094】
図13は、本実施形態の家電管理システム100における家電10、クラウドサーバ20、およびHEMSコントローラ70の接続関係を示すブロック図である。本実施形態の家電管理システム100は、クラウドサーバ20によるネットワークシステムが予め構築されており、その後に、HEMSコントローラ70を新たに接続する場合を想定している。この場合、図示のように、HEMSコントローラ70の通信仕様に非対応の家電10(図示の例では家電C)が存在し得る。
【0095】
そこで、本実施形態では、クラウドサーバ20は、クラウドサーバ20の通信仕様と、HEMSコントローラ70の通信仕様との間の対応関係を示す対応テーブルであって、上記非対応の家電(非対応家電)10に関する対応テーブル(指示可能項目)を、HEMSコントローラ70の通信仕様に対応している家電(対応家電)10に送信し、上記対応家電10では、上記対応テーブルを利用して、ECHONETオブジェクトを作成して、HEMSコントローラ70に送信している。
【0096】
これにより、HEMSコントローラ70は、上記非対応の家電10における管理項目を把握し、把握した管理項目に応じた制御の指示をクラウドサーバ20に送信することができる。そして、クラウドサーバ20は、上記制御の指示に応じた制御を上記非対応の家電10に指示する。これにより、上記非対応の家電10に対し、HEMSコントローラ70による制御が実現できる。
【0097】
(クラウドサーバの詳細)
次に、本実施形態の家電管理システム100の詳細について説明する。
図14は、家電管理システム100におけるクラウドサーバ20の制御部21および記憶部22の概略構成を示すブロック図である。
【0098】
図14に示すように、制御部21は、家電登録部21a、HEMS対応判定部(判定手段)21b、対応テーブル読出部(送信手段、設定手段)21c、制御取得部21d、および制御内容決定部(指示手段)21eを備える構成である。また、記憶部22は、家電情報22aおよび対応テーブルセット22bを記憶している。
【0099】
家電情報22aは、クラウドサーバ20に登録された家電10に関する情報である。該情報の例としては、家電10の種類および型番、クラウド用管理項目、対応している通信仕様、などが挙げられる。
【0100】
対応テーブルセット22bは、クラウドサーバ20の通信仕様と、HEMSコントローラ70の通信仕様との間の対応関係を示す対応テーブルを、家電10の種類ごと、或いは家電10の型番ごとに含むものである。両者の通信仕様は予め定まっているため、対応テーブルセット22bを容易に作成でき、予め記憶部22に記憶することができる。
【0101】
図15は、上記対応テーブルの一例を表形式で示す図である。図示の例では、家電10はエアコンであり、クラウドサーバ20の通信仕様において、クラウドサーバ20と上記エアコンとが通信するデータ(クラウド通信データ)のフォーマットと、HEMSコントローラ70の通信仕様におけるECHONETオブジェクトとの対応関係が示されている。上記クラウド通信データのフォーマットでは、1バイト目が運転状態、2バイト目が運転モード、3バイト目が温度設定値、4バイト目が風量設定、5バイト目が見張り設定となっている。
【0102】
家電登録部21aは、クラウドサーバ20に通信可能に接続された家電10を、クラウドサーバ20にて管理するために登録するものである。家電登録部21aは、登録された家電10の家電情報を記憶部22に記憶すると共にHEMS対応判定部21bに送出する。
【0103】
HEMS対応判定部21bは、家電登録部21aからの家電情報に基づき、登録された家電10がHEMSコントローラ70の通信仕様に対応してるか否かを判定するものである。HEMS対応判定部21bは、判定結果を対応テーブル読出部21cに通知する。
【0104】
対応テーブル読出部21cは、HEMS対応判定部21bの判定結果に基づき、非対応家電10の上記対応テーブルを記憶部22の対応テーブルセット22bから読み出すものである。対応テーブル読出部21cは、読み出した対応テーブルを上記通信仕様に対応している対応家電10に広域通信ネットワーク62を介して送信する。なお、非対応家電10および対応家電10がそれぞれ複数台存在する場合、各非対応家電10の対応テーブルの送信先を、対応家電10における処理負担の軽減の観点から分散させることが望ましい。
【0105】
制御取得部21dは、非対応家電10に対する制御の情報を、対応家電10から広域通信ネットワーク62を介して取得するものである。制御取得部21dは、取得した情報を制御内容決定部21eに送出する。
【0106】
制御内容決定部21eは、制御取得部21dからの非対応家電10に対する制御の情報と、当該非対応家電10の家電情報22aとに基づき、当該非対応家電10の制御内容を決定するものである。制御内容決定部21eは、決定した制御内容を、当該非対応家電10に指示する。これにより、当該制御内容で当該非対応家電10が制御される。
【0107】
(対応家電の詳細)
図16は、家電管理システム100における対応家電10の家電アダプタ5の制御部6および記憶部7の概略構成を示すブロック図である。
図16に示す家電アダプタ5は、
図5に示す家電アダプタ5に比べて、制御部6のクラウド用情報作成部6hに代えてクラウド用情報作成部6mが設けられている点と、制御部6に対応テーブル取得部6i、他機オブジェクト作成部6j、家電登録部6k、および対象家電判定部6lが追加されている点と、記憶部7が自機オブジェクト7a、他機オブジェクト7b、および対応テーブル7cを記憶している点とが異なり、その他の構成は同様である。
【0108】
自機オブジェクト7aは、対応家電10である自機についてのECHONETオブジェクトであり、記憶部7に予め記憶されている。他機オブジェクト7bは、非対応家電10についてのECHONETオブジェクトである。なお、対応テーブル7cは、上述の通りである。
【0109】
対応テーブル取得部6iは、クラウドサーバ20から非対応家電10の対応テーブルを、広域通信ネットワーク62、中継局40、通信部8、およびクラウド用通信制御部6bを介して取得するものである。対応テーブル取得部6iは、取得した対応テーブル7cを記憶部7に記憶すると共に、他機オブジェクト作成部6jに送出する。
【0110】
他機オブジェクト作成部6jは、対応テーブル取得部6iからの対応テーブルに基づき、非対応家電10の他機オブジェクト7bを作成するものである。他機オブジェクト作成部6jは、作成した他機オブジェクト7bを記憶部7に記憶する。
【0111】
家電登録部6kは、自機オブジェクト7aおよび他機オブジェクト7bを、HEMS用通信制御部6a、通信部8、および中継局40を介してHEMSコントローラ70に送信することにより、HEMSコントローラ70が管理する家電10を登録するものである。
【0112】
対象家電判定部6lは、HEMS制御取得部6cからの制御の情報の対象となる家電10が、自機であるか、非対応家電10であるかを判定するものである。対象家電判定部6lは、対象となる家電が自機であると判定した場合、上記制御の情報を家電制御部6eに送出する一方、対象となる家電が非対応家電10であると判定した場合、上記制御の情報をクラウド用情報作成部6mに送出する。
【0113】
クラウド用情報作成部6mは、
図5に示すクラウド用情報作成部6hに比べて、対象家電判定部6lからの非対応家電10の制御の情報を、記憶部7の対応テーブル7cを参照して、クラウド用データに変換する機能が追加されている点が異なり、その他の機能は同様である。
【0114】
(家電管理システムの処理手順)
図17は、上記構成の家電管理システム100において、HEMSコントローラ70への登録手順と、非対応家電10のオフ制御の手順とを示すシーケンス図である。図示のように、まず、対応家電10の家電アダプタ5は、HEMSコントローラ70およびクラウドサーバ20への登録を要求する(S100)。これにより、HEMSコントローラ70およびクラウドサーバ20は、登録処理を行う。
【0115】
次に、非対応家電10の家電アダプタ5は、クラウドサーバ20への登録を要求する(S101)。このとき、クラウドサーバ20では、家電登録部21aが、非対応家電10の登録し、登録された非対応家電10がHEMSコントローラ70の通信仕様に非対応であるとHEMS対応判定部21bが判定する。従って、対応テーブル読出部21cが非対応家電10の対応テーブルを読み出して、広域通信ネットワーク62を介して、対応家電10の家電アダプタ5に送信する(S102)。
【0116】
一方、対応家電10の家電アダプタ5では、対応テーブル取得部6iが上記対応テーブルを取得し、他機オブジェクト作成部6jが、取得した対応テーブルに基づき、非対応家電10の他機オブジェクト7bを作成する(S103)。次に、家電登録部6kが他機オブジェクト7bを、HEMS用通信制御部6aなどを介してHEMSコントローラ70に送信することにより、非対応家電10のHEMSコントローラ70への登録を要求する(S104)。これにより、HEMSコントローラ70は、登録処理を行い、非対応家電10が登録される。
【0117】
その後、HEMSコントローラ70が、非対応家電10をオフ制御するため、該オフ制御の情報を、対応家電10の家電アダプタ5に送信する(S105)。このとき、対応家電10の家電アダプタ5では、HEMS制御取得部6cが上記オフ制御の情報を取得し、対象家電判定部6lが、上記オフ制御の対象が非対応家電10であると判定して、クラウド用情報作成部6mが、記憶部7の対応テーブル7cに基づき、上記オフ制御の情報を、該情報に相当する上記オフ制御のクラウド用データに変換する(S106)。次に、クラウド用情報作成部6mは、変換したクラウド用データをクラウドサーバ20に送信する(S107)。
【0118】
一方、クラウドサーバ20では、制御取得部21dが上記オフ制御のクラウド用データを取得し、制御内容決定部21eが、上記クラウド用データを非対応家電10の家電アダプタ5に転送する(S108)。なお、上記クラウド用データは、上記共通部分の制御の情報であるため、制御内容決定部21eは、記憶部22の家電情報22aを参照して、上記独自部分の制御の情報を非対応家電10の家電アダプタ5に送信してもよい。
【0119】
一方、非対応家電10の家電アダプタ5は、受信したクラウド用データに従い、非対応家電10のオフ制御を行う(S109)。その後、本手順を終了する。
【0120】
図18は、スマートメータ80からの情報を非対応家電10に通知する手順を示すシーケンス図である。なお、以下では、
図17の登録手順(S100〜S104)後から説明する。
【0121】
図18に示すように、HEMSコントローラ70が、スマートメータ80からの電力計測値のデータを、対応家電10の家電アダプタ5に送信する(S110)。このとき、対応家電10の家電アダプタ5では、HEMS制御取得部6cが上記電力計測値のデータを取得し、対象家電判定部6lが、上記電力計測値の対象は全家電10であると判定して、クラウド用情報作成部6mが、記憶部7の対応テーブル7cに基づき、上記電力計測値のデータをクラウド用データに変換する(S111)。次に、クラウド用情報作成部6mは、変換したクラウド用データをクラウドサーバ20に送信する(S112)。
【0122】
一方、クラウドサーバ20では、制御取得部21dが上記電力計測値のクラウド用データを取得すると、制御内容決定部21eが、記憶部22の家電情報22aを参照して、非対応家電10が発話機能を有することを把握して、上記電力計測値に基づき、発話させる音声データを作成し(S113)、非対応家電10の家電アダプタ5に送信する(S114)。一方、非対応家電10の家電アダプタ5は、受信した音声データを適当なタイミングで発話するように、非対応家電10を制御する(S115)。その後、本手順を終了する。
【0123】
図19は、電力会社からDR(デマンドレスポンス)が指示された場合の電力制御の手順を示すシーケンス図である。図示のように、HEMSコントローラ70は、電力会社からスマートメータ80を介して、20%の節電要求(DR指示)を受け取ると(S120)、上記DR指示のデータを、対応家電10の家電アダプタ5に送信する(S121)。このとき、対応家電10の家電アダプタ5では、HEMS制御取得部6cが上記DR指示のデータを取得し、対象家電判定部6lが、上記DR指示の対象は全家電10であると判定して、クラウド用情報作成部6mが、記憶部7の対応テーブル7cに基づき、上記DR指示のデータをクラウド用データに変換する(S122)。次に、クラウド用情報作成部6mは、変換したクラウド用データをクラウドサーバ20に送信する(S123)。
【0124】
一方、クラウドサーバ20では、制御取得部21dが上記DR指示のクラウド用データを取得すると、制御内容決定部21eが、記憶部22の家電情報22aを参照して、登録されている各家電10の運転状況を把握し、該運転状況に基づく節電指示(例えば30%)を決定し(S124)、決定した節電指示を各家電10の家電アダプタ5に送信する(S125)。これにより、対応家電10および非対応家電10の家電アダプタ5は、上記節電指示に従って、対応家電10および非対応家電10の運転をそれぞれ制御する(S126)。
【0125】
次に、クラウドサーバ20では、制御内容決定部21eが、記憶部22の家電情報22aを参照して、非対応家電10が発話機能を有することを把握して、上記節電指示中に発話させる音声データを作成し(S127)、非対応家電10の家電アダプタ5に送信する(S128)。一方、非対応家電10の家電アダプタ5は、受信した音声データを適当なタイミングで発話するように、非対応家電10を制御する(S129)。その後、本手順を終了する。
【0126】
なお、
図19の例では、電力会社の節電指示αに対して、クラウドサーバ20が節電指示βを全家電10に送信しているが、節電指示αを達成するために、登録されている家電10のそれぞれの運転指示を行う方法でもよい。例えば、リビングのエアコンの温度設定値を変更したり、子供部屋のエアコンはオフ制御したりするなど、家電10ごとの制御を行ってもよい。
【0127】
(付加事項)
なお、上記実施形態では、クラウドサーバ20は、家電アダプタ5を介してHEMSコントローラ70と通信しているが、HEMSコントローラ70と直接通信してもよい。この場合、対応家電10の家電アダプタ5にて行われていた処理を、クラウドサーバ20が行えばよい。
【0128】
〔実施形態3〕
次に、本発明の他の実施形態について、
図20を参照して説明する。本実施形態の家電管理システム100は、
図13〜
図19に示す家電管理システム100に比べて、クラウドサーバ20およびHEMSコントローラ70の何れの制御を優先するかを示す優先制御の設定項目が追加される点が異なり、その他の構成は同様である。
【0129】
図20は、上記構成の家電管理システム100において、優先制御の設定手順と、その後の制御手順とを示すシーケンス図である。図示のように、まず、携帯端末30は、ユーザの操作により、クラウドサーバ20と通信するための通信アプリを起動して、クラウドサーバ20と広域通信ネットワーク62を介して接続する(S200)。
【0130】
次に、携帯端末30は、優先制御の設定画面を表示し、クラウドサーバ20およびHEMSコントローラ70のうち、ユーザが選択したクラウドサーバ20に対し優先制御を設定し(S201)、優先制御の設定情報をクラウドサーバ20に送信する(S202)。
【0131】
一方、クラウドサーバ20では、上記優先制御の設定情報を受信すると、優先制御を「クラウドサーバ20」に設定し(S203)、その旨を対応家電10の家電アダプタ5に通知する(S204)。一方、対応家電10の家電アダプタ5では、上記優先制御が「クラウドサーバ20」に設定されたことを、記憶部7に記憶すると共に(S205)、HEMSコントローラ70に通知する(S206)。これにより、HEMSコントローラ70では、上記優先制御が「クラウドサーバ20」に設定されたこと記憶しておき、電力会社からスマートメータ80を介してDR指示を受信しても、各家電10にDR指示を通知するのみであり、家電10の個別制御は省略する。
【0132】
その後、HEMSコントローラ70は、電力会社からスマートメータ80を介して、20%の節電要求(DR指示)を受け取ると(S207)、上記DR指示のデータを、対応家電10の家電アダプタ5に送信する(S208)。このとき、対応家電10の家電アダプタ5では、HEMS制御取得部6cが上記DR指示のデータを取得し、対象家電判定部6lが、上記DR指示の対象はクラウドサーバ20であり、上記優先制御の設定とは矛盾しないと判定して、クラウド用情報作成部6mが、記憶部7の対応テーブル7cに基づき、上記DR指示のデータをクラウド用データに変換し、変換したクラウド用データをクラウドサーバ20に送信する(S209)。
【0133】
一方、クラウドサーバ20では、制御取得部21dが上記DR指示のクラウド用データを取得すると、制御内容決定部21eが、記憶部22の家電情報22aを参照して、登録されている各家電10の運転状況を把握し、把握した運転状況と上記DR指示とに基づいて、各家電10の制御を行う(S210)。具体的には、非対応家電10の家電アダプタ5に対しては、非対応家電10をオフに制御するように指示する(S211)。一方、対応家電10の家電アダプタ5に対しては、対応家電10の運転モードを変更するように指示する(S212)。その後、本手順を終了する。従って、上記優先制御を設定することにより、クラウドサーバ20およびHEMSコントローラ70から家電10に対し別々の制御が行われることを防止できる。
【0134】
なお、HEMSコントローラ70は、上記優先制御に対応しているとは限らない。HEMSコントローラ70が上記優先制御に非対応である場合には、家電10が上記優先制御に対応することになる。この場合、対応家電10の家電アダプタ5では、HEMS制御取得部6cが、HEMSコントローラ70からの制御のデータを取得し、対象家電判定部6lが、上記制御の対象は非対応家電10であるが、上記優先制御の設定とは矛盾すると判定して、家電制御部6eは上記制御を行わず、上記制御が不可である旨をHEMS用情報作成部6gがHEMSコントローラ70に送信すればよく、或いは、家電制御部6eは上記制御を無視すればよい。これにより、上記制御のデータをクラウドサーバ20に送信せずに、上記優先制御に対応することができる。
【0135】
なお、上記優先制御を家電10ごとに設定してもよい。この場合、クラウドサーバ20およびHEMSコントローラ70のうち、家電10にとって好適な方で制御することができる。
【0136】
(付記事項)
上記各実施形態では、1つのクラウドサーバ20を用いる例を説明したが、クラウドサーバ20の有する各機能が、個別のサーバにて実現されていてもよい。例えば、管理機能(管理サービス)、認証機能(認証サービス)のそれぞれが個別のサーバによって提供されてもよい。また、非対応家電10のため管理機能、対応家電10のための管理機能、および優先制御の設定機能のそれぞれが個別のサーバによって提供されてもよい。つまり、管理サーバ20aおよび認証サーバ20bを含むシステムであっても、非対応家電用管理サーバ、対応家電用管理サーバ、および優先制御の設定サーバを含むシステムであっても、上記家電管理システム100と同様の機能を実現できる。そして、これらの場合、各サーバは、同じ事業者によって管理されていてもよいし、異なる事業者によって管理されていてもよい。
【0137】
〔ソフトウェアによる実現例〕
クラウドサーバ20および家電アダプタ5の制御ブロック(特に制御部21および制御部6)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0138】
後者の場合、クラウドサーバ20および家電アダプタ5は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0139】
(付記事項)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【0140】
例えば、上記実施形態では、クラウドサーバ20およびHEMSコントローラ70は、ユーザ宅50の家電10を管理しているが、これに限定されるものではなく、家電10以外の任意の電子機器を管理することができる。
【0141】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る情報機器(家電アダプタ5)は、主制御機器(HEMSコントローラ70)および副制御機器(クラウドサーバ20)によって制御される情報機器であって、自情報機器に対する主制御の情報を、前記主制御機器から取得する主制御取得手段(HEMS制御取得部6c)と、前記主制御の情報に応じて自情報機器に対する副制御を前記副制御機器に行わせるために、前記主制御取得手段が取得した前記主制御の情報を前記副制御機器に転送する転送手段(クラウド用情報作成部6h)と、を備えている。
【0142】
上記の構成によれば、主制御機器による自機器に対する主制御の情報が副制御機器に転送されるので、該副制御機器は、上記主制御の情報を考慮して、自機器に対する副制御を行うことができる。その結果、上記主制御と矛盾する上記副制御を上記副制御機器が自機器に対し行うことを防止できる。
【0143】
本発明の態様2に係る情報機器は、上記態様1において、前記転送手段は、自情報機器における状態情報を前記副制御機器に送信することが好ましい。この場合、上記副制御機器は、自機器の状態を把握することができ、当該状態に基づき自機器を適切に制御することができる。
【0144】
本発明の態様3に係る情報機器は、上記態様1または2において、前記転送手段が転送した情報に基づく、自情報機器に対する副制御の情報を、前記副制御機器から取得する副制御取得手段(クラウド制御取得部6d)をさらに備えることが好ましい。
【0145】
この場合、主制御および副制御の両方により自機器が制御されることになる。その結果、主制御機器および副制御機器の一方による自機器の制御ができなくなっても、他方による自機器の制御を行うことができ、システムの耐性が向上する。
【0146】
本発明の態様4に係る情報機器は、上記態様3において、前記副制御取得手段は、前記副制御の情報のうち、前記主制御以外の制御の情報のみを取り入れてもよい。この場合、上記主制御と矛盾する上記副制御が自機器に対し行われることを確実に防止できる。
【0147】
本発明の態様5に係る制御機器は、情報機器に対し第1制御を指示する制御機器(クラウドサーバ20)であって、自制御機器とは別の制御機器(HEMSコントローラ70)との通信仕様に対応していない非対応情報機器に対して、前記別の制御機器が第2制御として指示可能な指示可能項目を、前記別の制御機器に送信する送信手段(対応テーブル読出部21c)と、前記指示可能項目からなる第2制御の指示を、前記別の制御機器から受信すると、当該第2制御に相当する第1制御を、当該非対応情報機器に指示する指示手段(制御内容決定部21e)と、を備えている。
【0148】
上記の構成によれば、自制御機器とは別の制御機器との通信仕様に非対応である非対応情報機器について、第2制御の指示可能項目を自制御機器が上記別の制御機器に送信する。これにより、上記別の制御機器は、上記非対応情報機器における第2制御の上記指示可能項目を把握し、把握した上記指示可能項目に応じた第2制御の指示を自制御機器に送信することができる。そして、自制御機器は、上記指示可能項目に応じた第2制御の指示を受信すると、当該第2制御に応じた第1制御を当該非対応情報機器に指示する。これにより、上記非対応情報機器に対し、上記別の制御機器による第2制御に応じた制御が実現できる。
【0149】
本発明の態様6に係る制御機器は、上記態様5において、複数の情報機器に対し前記第1制御を指示可能であって、前記送信手段および前記指示手段における前記別の制御機器との通信は、上記非対応情報機器とは異なる他の情報機器を介して行われてもよい。この場合、自制御機器が上記別の制御機器と直接通信するための構成を追加する必要がない。
【0150】
本発明の態様7に係る制御機器は、上記態様5または6において、前記別の制御機器は、スマートメータに接続したHEMSコントローラであり、前記指示手段は、さらに、前記別の制御機器からデマンドレスポンスを受信すると、受信したデマンドレスポンスに応じた電力制御を、当該非対応情報機器に指示することが好ましい。この場合、非対応情報機器に対しても、上記デマンドレスポンスに対する電力制御を行うことができる。
【0151】
本発明の態様8に係る制御機器は、上記態様5から7において、自制御機器および前記別の制御機器の何れの制御を優先するかを設定する設定手段(対応テーブル読出部21c)をさらに備えており、前記設定手段が自制御機器の制御を優先するように設定している場合、前記指示手段は、第2制御の指示を無視してもよい。この場合、自制御機器の制御を優先させることができる。
【0152】
本発明の態様9に係る情報機器は、第1制御機器および第2制御機器が第1制御および第2制御をそれぞれ行うことが可能な情報機器であって、第1制御機器と通信可能な別の情報機器であって、第2制御機器の通信仕様に非対応である非対応情報機器に関する情報を取得する取得手段(対応テーブル取得部6i)と、該取得手段が取得した情報に基づき、前記非対応情報機器に対して、前記第2制御機器が第2制御として指示可能な指示可能項目を作成して、前記第2制御機器に送信する送信手段(家電登録部6k)と、前記指示可能項目からなる第2制御の指示を前記第2制御機器から受信すると、当該第2制御に相当する第1制御の指示を前記第1制御機器に送信する送信手段(クラウド用情報作成部6m)と、を備えている。
【0153】
上記の構成によれば、第2制御機器との通信仕様に非対応である非対応情報機器について、第2制御の指示可能項目を作成して第2制御機器に送信する。これにより、第2制御機器は、上記非対応情報機器における第2制御の上記指示可能項目を把握し、把握した上記指示可能項目に応じた第2制御の指示を自機器に送信することができる。そして、自機器は、上記指示可能項目に応じた第2制御の指示を受信すると、当該第2制御の指示を第1制御の指示に変換して、第1制御機器に転送する。これにより、第1制御機器は、第2制御に応じた第1制御を当該非対応情報機器に指示する。従って、上記非対応情報機器に対し、第2制御機器による第2制御が実現できる。
【0154】
本発明の態様10に係る制御機器は、上記態様9において、第2制御機器は、スマートメータに接続したHEMSコントローラであり、前記送信手段は、さらに、第2制御機器からデマンドレスポンスを受信すると、受信したデマンドレスポンスの情報を第1制御機器に転送することが好ましい。この場合、第1制御機器は、接続された情報機器に対し最適な電力制御を行うことができる。
【0155】
本発明の各態様に係る情報機器および制御機器は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記情報機器および制御機器が備える各手段として動作させることにより上記情報機器および制御機器をコンピュータにて実現させる情報機器および制御機器の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。