(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、特許文献1では、タンク伸縮部20を有することで燃料タンク14に可撓性が付与され、可撓性容器が実現される。また、特許文献1では、燃料タンク14のタンク伸縮部20の膨張を許容する膨張許容空間46を設ける(要約、
図1)。タンク伸縮部20が比較的柔らかい素材で構成される場合、燃料タンク14は、逃げ部44に案内されることが想定される。車両等のように振動や変位が比較的頻繁に起こる構成では、タンク伸縮部20等においてよじれが発生し、燃料タンク14の劣化を生じさせるおそれがある。
【0005】
また、タンク伸縮部20の形状が不安定であるため、燃料タンク14内の燃料(又は流体)の残量を燃料タンク14の形状から検出しようとしても、燃料(流体)の量を高精度に検出することができない。
【0006】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、可撓性容器の位置ずれを回避すること及び可撓性容器内の流体の量を高精度に検出することの少なくとも一方を実現可能な流体貯留装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る流体貯留装置は、流体が注入される注入口及び前記流体が排出される排出口が形成されると共に、内部における前記流体の量に応じて伸縮する可撓性容器と、前記可撓性容器の伸縮に伴って前記可撓性容器を直線状に案内する案内機構とを備えるものであって、前記案内機構は、前記可撓性容器に隣接して且つ直線状に延在する案内柱と、前記案内柱が挿入される案内孔を有し且つ前記可撓性容器の上縁部に形成されるスライダとを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、可撓性容器が伸縮すると、可撓性容器に形成されたスライダが案内柱により直線状に案内される。このため、可撓性容器の位置ずれを防ぐことが可能となる。
【0009】
また、本発明によれば、スライダを介して可撓性容器が案内柱に支持されることとなる。このため、流体の量の増減に応じた可撓性容器の姿勢の変化の再現性を高めることが可能となる。従って、可撓性容器の姿勢に応じて流体の量を検出する場合、流体の量を高精度に検出することが可能となる。
【0010】
前記スライダは、少なくとも一部が導電体からなり、前記流体貯留装置は、前記可撓性容器を収容する収容体と、前記収容体側に形成されて前記導電体の位置を検出する位置検出器と、前記導電体の位置に基づいて前記流体の残量を算出する残量算出部とをさらに有してもよい。
【0011】
これにより、実際の流体の残量に応じた可撓性容器の収縮度合いに応じて流体の残量を検出することが可能となる。このため、例えば、流体の注入量と排出量の差に基づいて流体の残量を検出する構成と比較して精度を高めることが可能となる。また、流体の残量を検出するその他の残量センサと組み合わせた場合、検出精度の向上又はフェールセーフの実現を図ることが可能となる。
【0012】
前記流体が液体である場合、前記可撓性容器は、前記液体が満充填の状態において上面が平面状であり、前記流体貯留装置は、前記可撓性容器の前記上面に配置されて前記可撓性容器内に存在する気体を排出する気体排出バルブと、前記上面のうち前記気体排出バルブが配置された部位であるバルブ配置部位を、前記上面のその他の部位よりも高く位置させるように前記上面の形状を規制する上面形状規制機構とを備えてもよい。
【0013】
上記によれば、可撓性容器の上面内側における気体を気体排出バルブに集めることが可能となる。このため、液体が揮発性である場合、液体の揮発量を抑制することが可能となる。
【0014】
前記上面形状規制機構は、前記バルブ配置部位を上方に付勢する付勢部材を有してもよい。これにより、気体排出バルブを上面に配置した場合でも、バルブ配置部位を相対的に高い位置にし易くなる。
【0015】
前記可撓性容器は、前記流体が満充填の状態において直方体形状を基調とする形状であり、前記案内柱は、前記可撓性容器の四隅に対応して設けられ、前記スライダは、前記可撓性容器の各上隅部に設けられてもよい。これにより、可撓性容器の形状が比較的単純であるため、可撓性容器の製造を簡易に行うことが可能となると共に、可撓性容器を用いる装置内への収納を容易化することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、可撓性容器の位置ずれを回避すること及び可撓性容器内の流体の量を高精度に検出することの少なくとも一方を実現可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
A.一実施形態
[A1.構成]
(A1−1.全体的な構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る流体貯留装置12を搭載した車両10の簡略的な構成を示す図である。
図2は、流体貯留装置12の一部を簡略的に示す斜視図である。
図3は、流体貯留装置12の一部を簡略的に示す平面図である。
図1〜
図3並びに後述する
図4及び
図5において、矢印X1、X2は、流体貯留装置12の前後方向を示し、矢印Y1、Y2は、流体貯留装置12の左右方向を示し、矢印Z1、Z2は、流体貯留装置12の上下方向を示す。
【0019】
流体貯留装置12は、車両10の燃料(例えば、ガソリン)である液体を貯留する。以下では、流体貯留装置12を燃料貯留装置12又は貯留装置12とも称する。貯留装置12は、可撓性の燃料タンク20(可撓性容器)と、タンクケース22(収容体)と、タンク案内機構24と、燃料出入制御装置26と、残量検出装置28と、気体排出機構30とを備える。
【0020】
(A1−2.燃料タンク20)
図4A〜
図4Cは、本実施形態における流体貯留装置12の第1〜第3状態を示す図である。すなわち、
図4Aは、燃料200が満充填の状態における流体貯留装置12の状態を示す。
図4Bは、燃料200が満充填の約半分の状態における流体貯留装置12の状態を示す。
図4Cは、燃料200がわずかな状態における流体貯留装置12の状態を示す。
【0021】
図1〜
図4Cに示すように、燃料タンク20(以下「タンク20」ともいう。)は、上板部40、下板部42及び側壁部44を備える。
図2及び
図3に示すように、上板部40は、平板状(主面が長方形状)を基調とするものであり、例えば、樹脂又は金属により構成される。
図4B及び
図4Cに示すように、上板部40は、可撓性を有し、外部からの力に応じて弾性変形する。但し、
図4Aに示すように、燃料200(流体、液体)が満充填の状態において上板部40は平面状となる。
【0022】
図2等に示すように、上板部40には、燃料注入バルブ50(注入口)と、気体排出バルブ52とが設けられる。燃料注入バルブ50は、外部(例えば、燃料供給装置)から燃料タンク20に燃料200を供給するためのものである。気体排出バルブ52は、タンク20内に存在する空気202(
図5)を排出するためのものである。気体排出バルブ52は、気体排出機構30の一部を構成する。
【0023】
下板部42は、上板部40と同様、平板状(主面が長方形状)を基調とするものであり、例えば、樹脂又は金属により構成される。但し、上板部40と異なり、燃料200の残量Q[m
3]によって変形するものではないため、必ずしも可撓性を有する必要はない。なお、燃料タンク20内の燃料200を外部(例えば、エンジン)に供給するため、下板部42には、排出口54が形成されている。当該排出口54からの流路56には、燃料排出バルブ58(排出口)及びポンプ60が設けられており、ポンプ60を作動させることにより、燃料タンク20からエンジン62に燃料が供給される。
【0024】
側壁部44は、四角筒状(平面視が直方体状)を基調とするものであり、例えば、樹脂又は金属により構成される。但し、
図4A〜
図4Cに示すように、側壁部44は、蛇腹状に変形するため、上板部40及び下板部42と比較して可撓性が大きいものを用いる。すなわち、側壁部44は、燃料タンク20内の燃料200の減少に伴って収縮し、燃料200の増加に伴って膨張する程の可撓性を有する。
【0025】
(A1−3.タンクケース22)
タンクケース22は、燃料タンク20を収容する容器(収容体)であり、燃料タンク20の上板部40及び側壁部44と比較して硬質な素材(例えば、樹脂又は金属)から構成される。本実施形態において、タンクケース22は、直方体状を基調としており、上部70(
図2)、下部72及び側部74を含む。後述するように、側部74は、残量検出装置28の一部として用いられる。これに伴い、側部74の少なくとも一部は、導電体(導電性樹脂の場合を含む。)により構成される。
【0026】
(A1−4.タンク案内機構24)
タンク案内機構24(以下「案内機構24」ともいう。)は、燃料タンク20の伸縮(収縮又は膨張)に伴って可撓性の燃料タンク20を直線状に(本実施形態では鉛直方向に)案内する。
図1、
図3等に示すように、案内機構24は、案内柱80及びスライダ82を備える。
【0027】
案内柱80は、燃料タンク20の四隅に対応して且つ直線状に(本実施形態では鉛直方向に沿って)延在する。本実施形態の案内柱80は、非導電性の素材から構成される。スライダ82は、燃料タンク20の上縁部90に形成され、燃料タンク20の伸縮に伴って案内柱80に沿って変位する。スライダ82には、タンク20の上縁部90(特に、各上隅部)に形成されて案内柱80が挿入される案内孔92(
図3)が設けられている。ここにいう上縁部90とは、例えば、タンク20の最上部(上板部40)又はその周辺を指す。本実施形態のスライダ82は、円環状の導電体である。
【0028】
(A1−5.燃料出入制御装置26)
燃料出入制御装置26は、燃料タンク20に対する燃料200の出入を制御する。本実施形態の燃料出入制御装置26は、燃料注入バルブ50(注入口)と、燃料排出バルブ58(排出口)と、ポンプ60と、電子制御装置100(以下「ECU100」という。)とが含まれる。
【0029】
燃料注入バルブ50は、外部(例えば、燃料供給装置)から燃料タンク20に対する燃料200の供給の可否を制御するためのものである。燃料排出バルブ58は、燃料タンク20から外部(本実施形態ではエンジン62)に対する燃料200の供給の可否を制御するためのものである。
【0030】
図1に示すように、ECU100は、入出力部110、演算部112及び記憶部114を有する。入出力部110は、各部(バルブ50、52、58、ポンプ60等)との間の信号の入出力を行う。演算部112は、記憶部114に記憶されているプログラムを実行して燃料200の残量Qの検出等を行う。記憶部114は、演算部112で実行されるプログラムや演算部112で用いられるデータを記憶する。データには、スライダ82の位置(後述する電圧Vと電流I(又はこれらに基づく抵抗R))と残量Qとの関係を規定したマップを含めることができる。演算部112は、燃料出入制御部120と、残量算出部122と、表示制御部124と、気体排出制御部126とを有する。
【0031】
燃料出入制御部120は、外部からの入力に基づいて燃料注入バルブ50(注入口)、燃料排出バルブ58(排出口)及びポンプ60を制御する。残量算出部122及び表示制御部124は、残量検出装置28に含まれるため、残量検出装置28に関連して後述する。また、気体排出制御部126は、気体排出機構30に含まれるため、気体排出機構30に関連して後述する。
【0032】
(A1−6.残量検出装置28)
残量検出装置28は、燃料200の残量Qを検出して乗員に通知する。本実施形態の残量検出装置28は、ECU100(特に残量算出部122及び表示制御部124)に加え、電気回路130と、電圧センサ132と、電流センサ134と、表示器136とを有する。
【0033】
電気回路130は、案内機構24のスライダ82及びタンクケース22の側部74に加え、直流電源140(以下「電源140」ともいう。)と、オンオフスイッチ142とを含む。直流電源140の一方の電極(ここでは正極)は、電力線144を介してスライダ82に接続される。スライダ82は、側部74の内周面146と接触する。側部74の下部は、電力線144を介して電源140の他方の極(ここでは負極)と接触する。これにより、スイッチ142がオンの状態では、電気回路130は閉回路となる。
【0034】
上記のように、スライダ82は、可撓性の燃料タンク20の上縁部90に形成されている。このため、燃料タンク20の伸縮に伴ってスライダ82は直線状に(又は鉛直方向に)変位する。スライダ82が直線状に変位すると、タンクケース22の側部74とスライダ82との接触位置Pcが直線状に変化する。これにより、接触位置Pcから側部74の下部までの距離の増減に伴って側部74における抵抗Rが変化する。換言すると、スライダ82及びケース側部74により可変抵抗が構成される。また、可変抵抗の値は、接触位置Pc(鉛直方向におけるスライダ82の位置)に対応する。接触位置Pc(鉛直方向におけるスライダ82の位置)がわかれば、燃料タンク20内の燃料200の残量Qを判定することが可能となる。
【0035】
電圧センサ132は、電気回路130(又は電源140)の電圧Vを検出してECU100に出力する。電流センサ134は、電気回路130(又は電力線144)における電流Iを検出してECU100に出力する。
【0036】
上記のように、ECU100は、入出力部110、演算部112及び記憶部114を有する。演算部112は、残量検出装置28の一部として残量算出部122及び表示制御部124を有する。記憶部114に記憶されるデータには、ケース側部74に対するスライダ82の接触位置Pc(電圧Vと電流I(又はこれらに基づく抵抗R))と残量Qとの関係を規定したマップを含めることができる。
【0037】
残量算出部122は、電圧V及び電流Iに基づいて燃料200の残量Qを算出する。この際、記憶部114に記憶されているマップを用いることができる。表示制御部124は、残量算出部122が算出した残量Qを表示器136に表示させる。
【0038】
なお、超音波センサを設けて残量Qを検出することも可能である。例えば、超音波センサを上板部40において鉛直下向きに超音波を発生させる。そして、下板部42からの反射波を検出し、超音波の発生から反射波の受信までの時間に基づいて超音波センサから下板部42までの距離を求める。さらに、当該距離に基づいて残量Qを算出する。
【0039】
表示器136は、ECU100からの指令に基づいて残量Qを表示するものであり、例えば、車両10のメータ(図示せず)に含まれる。
【0040】
(A1−7.気体排出機構30)
図5は、本実施形態における気体排出機構30の機能を説明するための図である。気体排出機構30は、タンク20内に存在する空気202(
図5)を排出するためのものである。気体排出機構30は、気体排出バルブ52に加え、コイルばね150を含む。
図1に示すように、コイルばね150は、タンク20内において上板部40と下板部42との間に配置されて、上板部40のうちバルブ52が配置された部位(本実施形態では上板部40の中央)を上板部40のその他の部位よりも高く位置させるように上板部40を付勢する(
図4B及び
図4C参照)。なお、燃料タンク20が満充填の状態である場合、上板部40は、略平坦となる(
図4A参照)。
【0041】
[A2.本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、燃料タンク20(可撓性容器)が伸縮すると、燃料タンク20に形成されたスライダ82が案内柱80により直線状に案内される(
図4A〜
図4C)。このため、燃料タンク20の位置ずれを防ぐことが可能となる。
【0042】
また、本実施形態によれば、スライダ82を介して燃料タンク20が案内柱80に支持されることとなる。このため、燃料200の残量Q(流体の量)の増減に応じたタンク20の姿勢の変化の再現性を高めることが可能となる。従って、タンク20の姿勢に応じて残量Qを検出する場合、残量Qを高精度に検出することが可能となる。
【0043】
本実施形態において、スライダ82は導電体である。また、流体貯留装置12は、燃料タンク20(可撓性容器)を収容するタンクケース22(収容体)と、タンクケース22側に形成されてスライダ82の位置を示す電圧V及び電流Iを検出する電圧センサ132及び電流センサ134(位置検出器)と、スライダ82の接触位置Pcに基づいての残量Qを算出する残量算出部122とを有する(
図1)。
【0044】
これにより、実際の残量Qに応じた燃料タンク20の伸縮の度合いに応じて残量Qを検出することが可能となる。このため、例えば、燃料200の注入量と排出量の差に基づいて残量Qを検出する構成と比較して精度を高めることが可能となる。また、残量Qを検出するその他の残量センサ(例えば、上述した超音波センサ)と組み合わせた場合、検出精度の向上又はフェールセーフの実現を図ることが可能となる。
【0045】
本実施形態において、燃料タンク20(可撓性容器)は、燃料200が満充填の状態において上板部40(上面)が平面状である(
図1〜
図3)。また、流体貯留装置12は、燃料タンク20の上板部40に配置されて燃料タンク20内の空気202(気体)を排出する気体排出バルブ52と、上板部40のうちバルブ52が配置された部位であるバルブ配置部位を、上板部40のその他の部位よりも高く位置させるように上板部40の形状を規制する気体排出機構30(上面形状規制機構)とを備える(
図1〜
図4C)。
【0046】
上記によれば、燃料タンク20の上板部40内側における空気202を気体排出バルブ52に集めることが可能となる。このため、燃料200が揮発性である場合、燃料200の揮発量を抑制することが可能となる。
【0047】
本実施形態において、気体排出機構30(上面形状規制機構)は、バルブ配置部位を上方に付勢するコイルばね150(付勢部材)を有する(
図1)。これにより、気体排出バルブ52を上板部40に配置した場合でも、バルブ配置部位を相対的に高い位置にし易くなる。
【0048】
本実施形態において、燃料タンク20は、燃料200(流体)が満充填の状態において直方体形状を基調とする形状である(
図1〜
図3)。案内柱80は、燃料タンク20の四隅に対応して設けられる(
図3)。スライダ82は、燃料タンク20の各上隅部に対応して設けられる(
図1及び
図3)。これにより、燃料タンク20の形状が比較的単純であるため、燃料タンク20の製造を簡易に行うことが可能となると共に、燃料タンク20を用いる車両10(装置)内への収納を容易化することが可能となる。
【0049】
B.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
【0050】
[B1.適用対象]
上記実施形態では、流体貯留装置12を車両10に適用した構成について説明した(
図1)。しかしながら、例えば、流体を収容する可撓性容器を備える装置の観点からすれば、本発明の適用はこれに限らない。例えば、船舶、航空機等の移動物体に本発明を適用してもよい。或いは、製造装置、家電製品等に本発明を適用することも可能である。この場合、流体貯留装置12に貯留される流体は、燃料200以外の液体(例えば、水)又は気体であってもよい。
【0051】
[B2.燃料タンク20(可撓性容器)]
上記実施形態では、燃料タンク20の上板部40の形状を平板状とした(
図1〜
図3)。しかしながら、例えば、可撓性容器としての観点からすれば、これに限らない。例えば、上板部40の形状を曲面状とすることも可能である。
【0052】
上記実施形態では、燃料タンク20は、直方体状を基調とした(
図1〜
図3)。しかしながら、例えば、可撓性容器としての観点からすれば、これに限らない。或いは、燃料タンク20は、角錐台状又は球状若しくは半球状を基調とすることも可能である。
【0053】
上記実施形態では、燃料タンク20の上板部40、下板部42及び側壁部44の素材をそれぞれ異ならせた。しかしながら、例えば、可撓性容器としての観点からすれば、これに限らず、上板部40、下板部42及び側壁部44のうちの2つ又は全ての素材を同じにしてもよい。
【0054】
[B3.タンクケース22(収容体)]
上記実施形態では、燃料タンク20専用のケース(収容体)としてタンクケース22を設けた(
図1、
図2等)。しかしながら、例えば、案内柱80とスライダ82を用いる観点からすれば、これに限らない。例えば、燃料タンク20専用のケースを設けずに、車両10(装置)のボディ(又は筐体)を燃料タンク20のケース(収容体)とすることも可能である。
【0055】
[B4.タンク案内機構24(案内機構)]
上記実施形態では、直方体状を基調とする燃料タンク20の四隅それぞれに案内柱80及びスライダ82を配置した(
図3)。しかしながら、例えば、案内柱80とスライダ82を用いて燃料タンク20を案内する観点又は燃料200の残量Qを検出する観点からすれば、これに限らない。例えば、燃料タンク20の1〜3のいずれかの隅部に対応させて1〜3組の案内柱80及びスライダ82を配置することも可能である。或いは、燃料タンク20の隅部以外の部位に対応させて案内柱80及びスライダ82を配置してもよい。なお、燃料タンク20の姿勢を維持する観点からすれば、少なくとも2組の案内柱80及びスライダ82を、燃料タンク20を挟んで対向する位置(例えば、対角の位置)に配置することが好ましい。
【0056】
上記実施形態では、スライダ82全体を導電性とした。しかしながら、例えば、燃料200の残量Qを検出する観点からすれば、これに限らない。例えば、スライダ82のうち電力線144及びタンクケース22の内周面146と接触する部分のみを導電性とし、スライダ82のその他の部分を非導電性とすることも可能である。また、例えば、案内柱80とスライダ82を用いて燃料タンク20を案内する観点からすれば、スライダ82全体を非導電性としてもよい。
【0057】
上記実施形態では、スライダ82を円環状とした(
図3)。しかしながら、例えば、案内柱80に沿って変位する観点からすれば、スライダ82の形状はこれに限らない。例えば、スライダ82は、円環状の一部を除いた形状(例えば、アルファベットのC字状)としてもよい。或いは、矩形状の環状を基調としてスライダ82を形成してもよい。なお、案内柱80の断面形状は、スライダ82の形状に合わせることが好ましい場合が多いと考えられる。
【0058】
上記実施形態では、タンクケース22とは別に案内柱80を形成した(
図1等)。しかしながら、タンクケース22の一部として案内柱80を形成してもよい。この場合、スライダ82は、例えば、上記のように、円環状の一部を除いた形状等とすれば、案内柱80に沿ってスライダ82を案内することが可能となる。
【0059】
[B5.残量検出装置28]
上記実施形態では、可変抵抗としての抵抗Rを構成するため、タンクケース22の側部74の内周面146とスライダ82とを用いた(
図1)。しかしながら、スライダ82の位置を検出する観点からすれば、これに限らない。例えば、側部74の代わりに案内柱80をスライダ82と組み合わせて抵抗Rを構成することも可能である。
【0060】
上記実施形態において、残量検出装置28は、スライダ82の接触位置Pcを検出するため、電圧センサ132と電流センサ134を用いた(
図1)。しかしながら、例えば、スライダ82の接触位置Pcに基づき残量Q(流体の量)を検出する観点からすれば、これに限らない。例えば、鉛直方向(Z1−Z2方向)におけるスライダ82の位置を検出するレーザ変位計又は超音波センサを設け、レーザ変位計又は超音波センサの出力に基づいてスライダ82の位置を検出することも可能である。
【0061】
上記実施形態では、残量検出装置28で検出した燃料200の残量Q(流体の量)を表示器136に表示した(
図1)。しかしながら、例えば、残量Q(流体の量)を出力する観点からすれば、これに限らない。例えば、検出した残量Qを図示しないスピーカから音声出力してもよい。或いは、図示しない通信装置を介して外部サーバに出力し、外部サーバにおける処理(例えば、燃費管理等)に用いることも可能である。
【0062】
上記実施形態では、燃料200の残量Qを検出するために残量検出装置28を設けた(
図1)。しかしながら、例えば、タンク案内機構24の機能に着目すれば、残量検出装置28を省略することも可能である。
【0063】
[B6.気体排出機構30]
上記実施形態では、上板部40のうち気体排出バルブ52が配置された部位(バルブ配置部位)を、上板部40のその他の部位よりも高くするため、コイルばね150を用いた(
図1等)。しかしながら、例えば、バルブ配置部位を、上板部40のその他の部位よりも高くする観点からすれば、これに限らない。例えば、コイルばね150の代わりに別のばね(例えば、板ばね)を用いてバルブ配置部位を鉛直上向きに付勢してもよい。或いは、バルブ配置部位以外の部位を鉛直下向きに引っ張るばね(例えば、コイルばね)又はおもりを用いることも可能である。
【0064】
上記実施形態では、気体排出バルブ52の開閉をECU100の気体排出制御部126で制御した。しかしながら、例えば、燃料タンク20内の空気202を排出する観点からすれば、これに限らない。例えば、気体排出バルブ52は、燃料タンク20内部と外部の圧力差に基づいて開閉する逆止弁とし、ECU100の制御なしに開閉してもよい。
【0065】
上記実施形態では、燃料タンク20内の空気202を排出するために気体排出機構30を設けた(
図1)。しかしながら、例えば、タンク案内機構24の機能に着目すれば、気体排出機構30を省略することも可能である。