(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
打球サーフェスへのボールのオフセンター衝突時、運動量が弾性部材を介してウエイト部材からフェース部材に伝達されるようにウエイト部材が構成されており、該フェース部材に伝達される運動量が、衝突の位置が該フェース部材の重心から離れる横方向の距離とともに漸増する、請求項1に記載の打球装置。
ウエイト部材のボトムサーフェスおよびソール部材のトップサーフェスのうちの一つに接続され、該ウエイト部材の該ボトムサーフェスと該ソール部材の該トップサーフェスとの間に配置された低摩擦材料をさらに含む、請求項1に記載の打球装置。
第一の接続部材が、フェース部材およびウエイト部材の少なくとも一つの中の開口を通って延びてジョイントを画定するピンまたはファスナである、請求項1に記載の打球装置。
打球サーフェスが、フェース部材の重心の両側に配置されたヒール側およびトウ側を有し、ウエイト部材が、該ウエイト部材の重心の両側に配置されたヒール縁およびトウ縁を有し、
該ウエイト部材の該ヒール縁が、該打球サーフェスの該ヒール側を中心とするボールの衝突時、運動量を該フェース部材に伝達するように構成されており、
該ウエイト部材の該トウ縁が、該打球サーフェスの該トウ側を中心とするボールの衝突時、運動量を該フェース部材に伝達するように構成されている、請求項16に記載の打球装置。
ウエイト部材のボトムサーフェスおよびソール部材のトップサーフェスのうちの一つに接続され、該ウエイト部材の該ボトムサーフェスと該ソール部材の該トップサーフェスとの間に配置された低摩擦材料をさらに含む、請求項15に記載の打球装置。
フェース部材が、該フェース部材の重心の両側に配置されたヒール縁およびトウ縁を有し、ウエイト部材が、該ウエイト部材の重心の両側に配置されたヒール縁およびトウ縁を有し、
弾性部材が、少なくとも該フェース部材の該ヒール縁と該ウエイト部材の該ヒール縁との間および該フェース部材の該トウ縁と該ウエイト部材の該トウ縁との間に配置されている、請求項14に記載の打球装置。
フェース部材が、ウエイト部材のヒール縁とトウ縁との間に画定される該ウエイト部材の幅よりも大きい、該フェース部材のヒール縁とトウ縁との間に画定される幅を有し、そのため該フェース部材の該ヒール縁およびトウ縁が該ウエイト部材の該ヒール縁およびトウ縁を横方向に越えて延びる、請求項26に記載の打球装置。
フェース部材が、該フェース部材の重心の両側に配置されたヒール縁およびトウ縁を有し、ウエイト部材が、該ウエイト部材の重心の両側に配置されたヒール縁およびトウ縁を有し、
弾性部材が、少なくとも該フェース部材の該ヒール縁と該ウエイト部材の該ヒール縁との間および該フェース部材の該トウ縁と該ウエイト部材の該トウ縁との間に配置されている、請求項30に記載の打球装置。
ボールを打つように構成された打球サーフェスを有するフェースおよび該フェースの該打球サーフェスとは反対側のリヤ側を含み、ヒール縁およびトウ縁を有するフェース部材と、
該フェース部材の該リヤ側に接合され、ヒール縁およびトウ縁を有するウエイト部材と、
該フェース部材の該ヒール縁および該トウ縁からほぼ等距離かつ該ウエイト部材の該ヒール縁および該トウ縁からほぼ等距離に位置する接続点において、該フェース部材の該リヤ側を該ウエイト部材に接続する第一の接続部材と、
該フェース部材と該ウエイト部材との間の空間内に配置され、かつ該空間を少なくとも部分的に満たす弾性部材と
を含み、
該フェース部材が、該第一の接続部材と該フェース部材の該ヒール縁との間および該第一の接続部材と該フェース部材の該トウ縁との間で該ウエイト部材から離間している、打球装置であって、
該フェース部材が、該フェースから後方に延びるソール部材を含み、該ソール部材が、競技面と対面するように構成されたソールサーフェスと、該ソールサーフェスとは反対側にあり、かつ該フェース部材のリヤ側に位置するトップサーフェスとを有し、該ウエイト部材が少なくとも部分的に該トップサーフェスよりも上に配置されており、
該弾性部材が該ウエイト部材および該フェース部材のリヤ側と係合し、該弾性部材が、該打球サーフェスへのボールの衝突時、該ウエイト部材が該弾性部材を介して運動量を該フェース部材に伝達することを可能にするように圧縮可能である、前記打球装置。
フェース部材が、ウエイト部材のヒール縁とトウ縁との間に画定される該ウエイト部材の幅よりも大きい、該フェース部材のヒール縁とトウ縁との間に画定される幅を有し、そのため該フェース部材の該ヒール縁およびトウ縁が該ウエイト部材の該ヒール縁およびトウ縁を横方向に越えて延びる、請求項37に記載の打球装置。
フェース部材が、リヤ側に接続された第一の接続部材を有し、ウエイト部材が、接続点において該第一の接続部材に接続された第二の接続部材を有する、請求項47に記載の打球装置。
ボールを打つように構成された打球サーフェスを有するフェースおよび該打球サーフェスとは反対側のリヤサーフェスを含み、ヒール縁およびトウ縁を有するフェース部材であって、該打球サーフェスが、該フェース部材の重心の両側に配置されたヒール側およびトウ側を有する、フェース部材と、
シャフトの接続のために構成されている、該フェース部材に接続されたホーゼルと、
該フェース部材に接続され、かつ該フェース部材の該リヤサーフェスと対面するフロントサーフェスを有するウエイト部材であって、該ウエイト部材の重心の両側に配置されたヒール縁およびトウ縁を有する、ウエイト部材と、
該フェース部材の該リヤサーフェスおよび該ウエイト部材の該フロントサーフェスに接続されて、弾性部材だけが該ウエイト部材を該フェース部材に接続するように該ウエイト部材を該フェース部材に接続する弾性部材であって、該フェース部材の重心の両側において該ウエイト部材の該フロントサーフェスと該フェース部材の該リヤサーフェスとの間に空間が画定され、該弾性部材が該フェース部材の重心の両側において該空間内に配置されて該ウエイト部材を該フェース部材から離間させる、弾性部材と
を含み、
該ウエイト部材が、該弾性部材と係合しない、露出したトップサーフェスおよび露出したバックサーフェスを有し、
該弾性部材が、該ウエイト部材が該弾性部材を介して運動量を該フェース部材に伝達することを可能にするように圧縮可能であり、該ウエイト部材が、該打球サーフェスのヒール側を中心とするボールの衝突時には該ウエイト部材の該ヒール縁が運動量を該フェース部材に伝達し、該打球サーフェスのトウ側を中心とするボールの衝突時には該ウエイト部材の該トウ縁が運動量を該フェース部材に伝達するように構成されており、
該フェース部材が、該フェースから後方に延びるソール部材をさらに含み、該ソール部材が、競技面と対面するように構成されたソールサーフェスと、該ソールサーフェスとは反対側のトップサーフェスとを有し、該ウエイト部材が、該ソール部材の該トップサーフェスから離間し、かつそれと対面する関係にあるボトムサーフェスを有する、ゴルフクラブヘッド。
弾性部材が、該ソール部材の該トップサーフェスおよび該ウエイト部材の該ボトムサーフェスに接続され、かつ該ソール部材の該トップサーフェスと該ウエイト部材の該ボトムサーフェスとの間に配置されて、該ウエイト部材の該ボトムサーフェスを該ソール部材の該トップサーフェスから離間させる、請求項52に記載のゴルフクラブヘッド。
ボールを打つように構成された打球サーフェスを有するフェース、該打球サーフェスとは反対側のリヤサーフェス、および該フェースから後方に延び、かつ競技面と対面するように構成されたソールサーフェスと、該ソールサーフェスとは反対側のトップサーフェスとを有するソール部材を含み、ヒール縁およびトウ縁を有するフェース部材であって、該打球サーフェスが、該フェース部材の重心の両側に配置されたヒール側およびトウ側を有する、フェース部材と、
シャフトの接続のために構成されている、該フェース部材に接続されたホーゼルと、
該フェース部材に接続され、かつ該フェース部材の該リヤサーフェスと対面するフロントサーフェスと、該ソール部材の該トップサーフェスと対面するボトムサーフェスとを有するウエイト部材であって、該ウエイト部材の重心の両側に配置されたヒール縁およびトウ縁を有する、ウエイト部材と、
該ソール部材の該トップサーフェスと該ウエイト部材の該ボトムサーフェスとの間および該フェース部材の該リヤサーフェスと該ウエイト部材の該フロントサーフェスとの間に接続されて、弾性部材だけが該ウエイト部材を該フェース部材に接続するように該ウエイト部材を該フェース部材に接続する弾性部材であって、該フェース部材の重心の両側において該ウエイト部材の該ボトムサーフェスと該ソール部材の該トップサーフェスとの間に空間が画定され、該弾性部材が該フェース部材の重心の両側において該空間内に配置されて該ウエイト部材を該フェース部材から離間させる、弾性部材と
を含み、
該ウエイト部材が、該弾性部材と係合しない、露出したトップサーフェスおよび露出したバックサーフェスを有し、
該弾性部材が、該ウエイト部材が該弾性部材を介して運動量を該フェース部材に伝達することを可能にするように圧縮可能であり、該ウエイト部材が、該打球サーフェスのヒール側を中心とするボールの衝突時には該ウエイト部材の該ヒール縁が運動量を該フェース部材に伝達し、該打球サーフェスのトウ側を中心とするボールの衝突時には該ウエイト部材の該トウ縁が運動量を該フェース部材に伝達するように構成されている、ゴルフクラブヘッド。
ボールを打つように構成された打球サーフェスを有するフェースおよび該打球サーフェスとは反対側のリヤサーフェスを含むフェース部材であって、ヒール縁、トウ縁ならびに該ヒール縁および該トウ縁からほぼ等距離にあり、該フェース部材の重心と横方向にほぼ整合した位置において該リヤサーフェスに接続された第一の接続部材を有する、フェース部材と、
シャフトの接続のために構成されている、該フェース部材に接続されたホーゼルと、
該フェース部材の該リヤサーフェスに接続され、ヒール縁、トウ縁ならびに該ヒール縁および該トウ縁からほぼ等距離の位置においてそれに接続された第二の接続部材を有するウエイト部材と
を含み、
該第一の接続部材が該第二の接続部材に接続されて該フェース部材と該ウエイト部材とを接続し、該第一および第二の接続部材の一方がピンを含み、該第一および第二の接続部材のもう一方が受け部を含み、該ピンが該受け部の中に受けられてジョイントを形成して、該ジョイントが、該ウエイト部材が運動量を該フェース部材に伝達することを可能にし、
該フェース部材が、該第一の接続部材と該フェース部材の該ヒール縁との間および該第一の接続部材と該フェース部材の該トウ縁との間で該ウエイト部材から離間しており、
該ウエイト部材が、該打球サーフェスのヒール側を中心とするボールの衝突時には該ウエイト部材の該ヒール縁が運動量を該フェース部材に伝達し、該打球サーフェスのトウ側を中心とするボールの衝突時には該ウエイト部材の該トウ縁が運動量を該フェース部材に伝達するように構成されており、
該フェース部材が、該フェースから後方に延びるソール部材を含み、該ソール部材が、競技面と対面するように構成されたソールサーフェスと、該ソールサーフェスとは反対側にあり、かつ該フェース部材のリヤ側に位置するトップサーフェスとを有し、該ウエイト部材が少なくとも部分的に該トップサーフェスよりも上に配置されている、ゴルフクラブヘッド。
第一の接続部材の両側においてフェース部材とウエイト部材との間の空間内に配置され、かつ該空間を少なくとも部分的に満たす弾性部材をさらに含み、該弾性部材が該ウエイト部材および該フェース部材のリヤサーフェスと係合し、
該弾性部材が、該ウエイト部材が該弾性部材を介して運動量を該フェース部材に伝達することを可能にするように圧縮可能である、請求項58に記載のゴルフクラブヘッド。
ボールを打つように構成された打球サーフェスを有するフェースおよび該打球サーフェスとは反対側のリヤサーフェスを含み、ヒール縁と、トウ縁と、該リヤサーフェス上に画定されたキャビティとを有するフェース部材と、
シャフトの接続のために構成されている、該フェース部材に接続されたホーゼルと、
該フェース部材の該リヤサーフェスに接続され、かつヒール縁およびトウ縁を有するウエイト部材と、
該フェース部材の該リヤサーフェスを該ウエイト部材に接続して、該キャビティ内に位置し、かつ該フェース部材の重心の位置とほぼ整合し、該ウエイト部材の該ヒール縁および該トウ縁からほぼ等距離にある接続点を形成する第一の接続部材と
を含み、
該第一の接続部材が該ウエイト部材を該フェース部材に接続し、そのため該ウエイト部材が少なくとも部分的に該キャビティ内に受けられ、該打球サーフェスへのボールのオフセンター衝突時、該ウエイト部材が運動量を該フェース部材に伝達するように構成されており、
該フェース部材が、該第一の接続部材と該ウエイト部材の該ヒール縁との間および該第一の接続部材と該ウエイト部材の該トウ縁との間で該ウエイト部材から離間しており、
該フェース部材が、該フェースから後方に延びるソール部材を含み、該ソール部材が、競技面と対面するように構成されたソールサーフェスと、該ソールサーフェスとは反対側にあり、かつ該フェース部材のリヤ側に位置するトップサーフェスとを有し、該ウエイト部材が少なくとも部分的に該トップサーフェスよりも上に配置されている、ゴルフクラブヘッド。
第一の接続部材の両側において少なくとも部分的にキャビティ内およびフェース部材とウエイト部材との間の空間内に配置され、該空間を少なくとも部分的に満たす弾性部材をさらに含み、該弾性部材が該ウエイト部材および該フェース部材のリヤサーフェスと係合し、
該弾性部材が、該ウエイト部材が該弾性部材を介して運動量を該フェース部材に伝達することを可能にするように圧縮可能である、請求項61に記載のゴルフクラブヘッド。
ボールを打つように構成された打球サーフェスを有するフェース、該打球サーフェスとは反対側のリヤサーフェス、および該フェースから後方に延び、かつ競技面と対面するように構成されたソールサーフェスと、該ソールサーフェスとは反対側のトップサーフェスとを有するソール部材を含むフェース部材であって、ヒール縁と、トップ縁と、該ヒール縁および該トウ縁からほぼ等距離にあり、該フェース部材の重心と横方向にほぼ整合した位置において該フェース部材の該リヤサーフェスおよび該ソール部材の該トップサーフェスの少なくとも一つに接続された第一の接続部材とを有する、フェース部材と、
シャフトの接続のために構成されている、該フェース部材に接続されたホーゼルと、
該フェース部材に接続され、該フェース部材の該リヤサーフェスの背後かつ該ソール部材の該トップサーフェスよりも上に位置するウエイト部材であって、ヒール縁、トウ縁ならびに該ヒール縁および該トウ縁からほぼ等距離の位置においてそれに接続された第二の接続部材を有する、ウエイト部材と
を含み、
該第一の接続部材が該第二の接続部材に接続されて該フェース部材と該ウエイト部材とを接続し、該第一および第二の接続部材の一方がピンを含み、該第一および第二の接続部材のもう一方が受け部を含み、該ピンが該受け部の中に受けられてジョイントを形成し、そのため該ジョイントが、該ウエイト部材が運動量を該フェース部材に伝達することを可能にし、
該フェース部材が、該第一の接続部材と該フェース部材の該ヒール縁との間および該第一の接続部材と該フェース部材の該トウ縁との間で該ウエイト部材から離間しており、
該ウエイト部材が、該打球サーフェスのヒール側を中心とするボールの衝突時には該ウエイト部材の該ヒール縁が運動量を該フェース部材に伝達し、該打球サーフェスのトウ側を中心とするボールの衝突時には該ウエイト部材の該トウ縁が運動量を該フェース部材に伝達するように構成されている、
ゴルフクラブヘッド。
第一の接続部材の両側においてフェース部材とウエイト部材との間の空間内に配置され、かつ該空間を少なくとも部分的に満たす弾性部材をさらに含み、該弾性部材が該ウエイト部材および該フェース部材のリヤサーフェスと係合し、該弾性部材が、該ウエイト部材のボトムサーフェスおよびソール部材のトップサーフェスにさらに接続され、かつ該ウエイト部材の該ボトムサーフェスと該ソール部材の該トップサーフェスとの間の空間内に位置し、
該弾性部材が、該ウエイト部材が該弾性部材を介して運動量を該フェース部材に伝達することを可能にするように圧縮可能である、請求項64に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明を実施するための形態】
【0034】
詳細な説明
本発明の様々な例示的構造に関する以下の説明においては、本明細書の一部を形成し、本発明の局面を実現し得る様々な例示的装置、システムおよび環境が実例として示されている添付図面を参照する。発明の範囲を逸脱することなく、パーツ、例示的装置、システムおよび環境の他の具体的配設を利用してもよく、構造的および機能的変更を加えてもよいことが理解されよう。また、本明細書において、本発明の様々な例示的特徴および要素を説明するために「トップ」、「ボトム」、「フロント」、「バック」、「側(方)」、「リヤ」、「一次」、「二次」などの語が使用される場合があるが、これらの語は、本明細書中、たとえば図に示す例示的配向または一般的な使用における配向に基づいて便宜的に使用される。加えて、本明細書において使用される用語「複数」は、1よりも大きい、離接的または接続的に、必要ならば無限数までの任意の数を示す。本明細書におけるいかなる記載も、本発明の範囲に入るために構造の特定の三次元配向を要するものと解釈されるべきではない。また、読者は、添付図面が必ずしも一定の拡大縮小率で描かれてはいないことに留意されたい。
【0035】
本明細書においては以下の用語が使用されるが、別段記されない限り、または文脈から明らかでない限り、これらの用語は、以下に提供される意味を有する。
【0036】
「打球装置」とは、ボールまたは他の類似物体(たとえばホッケーのパック)を打つように構築され、かつ設計された任意の装置をいう。以下さらに詳細に説明する「打球ヘッド」を総称的に包含することに加えて、「打球装置」の例は、ゴルフクラブ、パター、クロケットのマレット、ポロのマレット、野球またはソフトボールのバット、クリケットのバット、テニスラケット、バドミントンラケット、フィールドホッケーのスティック、アイスホッケーのスティックなどを含むが、これらに限定されない。
【0037】
「打球ヘッド」とは、「打球装置」のうち、使用中にボール(または他の物体)と接触するように設計された部分を含み、かつそれに隣接する(場合によってはそれを包囲する)部分をいう。いくつかの例、たとえば多くのゴルフクラブおよびパターにおいて、打球ヘッドは、任意のシャフトまたは取っ手部材から切り離され、独立した実体であってもよいし、何らかのやり方でシャフトまたは取っ手に取り付けられていてもよい。
【0038】
用語「シャフト」は、打球装置のうち、打球装置のスイング時にユーザが保持する部分(あるならば)を含む。
【0039】
「一体接合技術」とは、不可逆的接合技術、たとえば接着剤接合、セメンティング、溶接、ろう付け、はんだ付けなどを含むが、これらに限定されない、二つのピースをそれらが実質的に単一の一体化ピースになるように接合するための技術をいう。「一体接合技術」によって形成される多くの結合においては、それに構造的損傷を加えない限り、接合されたピースの分離を達成することはできない。
【0040】
「ほぼ」または「約」とは、そのような語によって修飾される公称値が+/-10%の範囲内であることをいう。
【0041】
概して、本発明の局面は、打球装置、たとえばゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブ、パターヘッド、パターなどに関する。そのような打球装置は、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、打球ヘッドおよび打球サーフェスを含み得る。ゴルフクラブの場合、打球サーフェスは、打球ヘッドの一面上の実質的に平坦な面を構成し得るが、いくらかの湾曲が提供されてもよい(たとえば「バルジ」または「ロール」特徴)。本発明のいくつかのより具体的な局面はパターに関し、本発明の他の局面は、ドライバ、フェアウェイウッド、ハイブリッドタイプクラブ、アイアンタイプクラブなどを含むウッドタイプゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドに関するが、本発明の局面はまた、必要に応じて、他のタイプのゴルフクラブまたは他のタイプの打球装置において実現されてもよい。
【0042】
本発明の様々な局面にしたがって、本発明の範囲を逸脱することなく、打球装置は、多様な材料、たとえば金属(金属合金を含む)、セラミックス、ポリマー、複合材、繊維強化複合材および木の一つまたは複数で形成され得、装置は、多様な構成のうちの一つで形成され得る。一つの態様において、ヘッドのいくつかまたはすべてのコンポーネントは、フェースおよびヘッドのボディの少なくとも一部分を含め、金属製である。ヘッドはまた、いくつかの異なる材料でできたコンポーネントを含み得ることが理解されよう。加えて、コンポーネントは、様々な成形法によって成形され得る。たとえば、金属コンポーネント(たとえばチタン、アルミニウム、チタン合金、アルミニウム合金、鋼(ステンレス鋼を含む)など)は、鍛造、モールド成形、鋳造、スタンピング、機械加工および/または他の公知の技術によって成形され得る。別の例において、複合コンポーネント、たとえば炭素繊維・ポリマー複合材は、多様な複合材加工技術、たとえばプレプレグ加工、パウダーベースの技術、型浸潤および/または他の公知の技術によって製造することができる。
【0043】
本出願における様々な図面が本発明の打球装置およびその部分の例を示す。一つより多い図面において同じ参照番号が見られる場合、その参照番号は、本明細書および図面を通して同じまたは類似パーツを指すために一貫して使用される。
【0044】
本発明の打球装置の少なくともいくつかの例は、パタータイプゴルフクラブのためのヘッドを含むゴルフクラブヘッド構造に関する。そのような装置は、ワンピース構成を含んでもよいし、またはマルチピース構成を含んでもよい。本発明の打球装置の例示的構造が、以下、
図1〜3に関連して詳細に説明され、概して参照番号「100」を使用して参照される。
【0045】
図1〜3は、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、ゴルフパターの形態の打球装置100の例を示す。打球装置100は、打球ヘッド102と、打球ヘッド102に接続されそれから延びるシャフト104とを含む。
図1〜3の打球装置100の打球ヘッド102は、フェース112と、そこから延びるホーゼル109とを含むフェース部材128を有する。フェース部材128は、フェース112に接続された、および/またはフェース112の背後に位置する、「ボディ」と呼ばれてもよい一つまたは複数の構造、たとえば
図5〜7のソール部材232を含んでもよい。打球ヘッド102はまた、フェース部材128に接続されたウエイト部材130を有する。シャフト104は、
図1に示すように、ホーゼル109においてヘッド102に接続され得る。発明を逸脱することなく、当技術分野において公知であり、かつ使用されているような従来のホーゼルもしくは他のヘッド/シャフト相互接続構造または、すべて参照により全体として本明細書に組み入れられ、そして本明細書の一部とされる2005年5月10日付けのBruce D. Burrowsの名における米国特許第6,890,269号、2007年7月6日にJohn Thomas Stitesらの名で出願された米国特許出願公開公報第2009/0011848号、2007年7月6日にJohn Thomas Stitesらの名で出願された米国特許出願公開公報第2009/0011849号、2007年7月6日にJohn Thomas Stitesらの名で出願された米国特許出願公開公報第2009/0011850号および2007年8月28日にJohn Thomas Stitesらの名で出願された米国特許出願公開公報第2009/0062029号に示され、記載されているような調節可能、解放可能および/または交換可能なホーゼルまたは他のヘッド/シャフト相互接続構造を含め、任意の所望のホーゼルおよび/またはヘッド/シャフト相互接続構造を使用し得る。
【0046】
参照のために、フェース部材128は概して、トップ116、ボトムまたはソール118、ホーゼル109に近いヒール120(ヒール側またはヒール縁とも呼ばれる)、ホーゼル109から遠いトウ122(トウ側またはトウ縁とも呼ばれる)、フロントウ側124およびバックまたはリヤ側126を有する。ヘッド102の形状および設計は、装置100の所期の用途によって部分的に決められてもよい。
図1〜3に示すクラブ100において、クラブ100は、ボールを短い距離だけ転がらせるためのパターとしての使用のために設計されているため、ヘッド102は、幅広い、狭いまたは短いフェース112を有する。他の態様において、ヘッド102は、他のタイプのパターまたは類似装置を含む異なるタイプの打球装置として構成されてもよいことが理解されよう。異なるタイプのゴルフクラブの場合のような他の用途において、ヘッドは、異なる寸法および構成を有するように設計されてもよい。たとえば、ヘッド102がドライバとして構成されるならば、クラブヘッドは、少なくとも400cc、いくつかの構造においては少なくとも450ccまたはより少なくとも460ccの体積を有し得る。フェアウェイウッドヘッドとして構成される場合、クラブヘッドは少なくとも120cc〜230ccの体積を有し得、ハイブリッドクラブヘッドとして構成される場合、クラブヘッドは少なくとも85cc〜140ccの体積を有し得る。他のクラブヘッドの場合の他の適切なサイズは当業者によって容易に決定され得る。
【0047】
フェース112は、フェース部材128のフロント124に位置し、その上に位置する打球サーフェス110を有する。打球サーフェス110は、使用中にボール106に面するように構成され(
図3を参照)、たとえばスイングによって装置100が動かされたとき、ボール106を打つように適合されている。図示するように、打球サーフェス110はフェース112の大部分を占める。フェース112は、当技術分野において公知であり、かつ従来的であるように、トップ−ボトムおよび/またはヒール−トウ方向にいくらかの湾曲(たとえばバルジおよびロール特徴)を含んでもよく、かつ機能的なフェース溝を含んでもよい。他の態様において、サーフェス110はフェース112の異なる割合を占めてもよいし、またはフェース部材128はその上に複数の打球サーフェス110を有してもよい。
図1〜3に示す態様において、打球サーフェス110は、打たれたときボールを転がすために、傾斜またはロフト角をほとんどもしくは全く有しない。他の態様において、たとえばウッドタイプまたはアイアンタイプクラブヘッドの場合、打球サーフェス110は、ボールを弾道に打ち出すために、傾斜またはロフト角を有してもよい。加えて、いくつかの態様において、フェース112は一つまたは複数の内部または外部インサートを有してもよい。
【0048】
フェース部材128および/またはホーゼル109は、単一のピースとして形成されることもできるし、または互いに接合される別々のピースとして形成されることもできることが理解されよう。
図1〜3に示す態様および
図4〜25に示す態様において、フェース112および潜在的にホーゼル109を含むフェース部材128は単一の一体ピースとして形成されている。他の態様において、フェース部材128は、たとえば、フェース112の全部もしくは一部を形成するためのインサートまたはフェース112の背後に接続される別個のボディ部材を使用することにより、複数のピースで形成されてもよい。そのような複数のピースは、一体接合技術、たとえば溶接、セメンティングもしくは接着剤接合または解放可能な機械的係合技術のような多くの機械的接合技術を含む他の公知の技術によって接続され得る。さらに、ホーゼル109もまた、これらまたは他の技術を使用して接合され得る別個のピースとして形成されてもよいし、またはウエイト部材130に接続されてもよい。例示的態様において、フェース112は、参照により全体として本明細書に組み入れられ、そしてその一部とされる米国特許出願公開公報第2010/0234127号に記載されているインサートを含む、打球サーフェス110またはその一部分を形成するフェースインサートを含んでもよい。
図4Aおよび4Bは、フェースインサート1707を含む、パターのようなゴルフクラブとともに使用するための別の例示的なゴルフクラブヘッド1700を示す。ゴルフクラブヘッド1700は、打球サーフェス1706を含むフロントフェース1704を含む。
図4Aおよび4Bの構成において、打球サーフェス1706の少なくとも一部分は、フロントフェース1704の残り部分から隔離されて形成されてもよいし、ゴルフクラブヘッド1700のフロントフェース1704に形成された凹み、たとえば
図4Bに示す凹み1709の中に受けられるように構成されたインサート1707を含んでもよい。
【0049】
少なくともいくつかの例において、インサート1707は、様々なサイズ、構成、形状などの溝が機械加工または他のやり方で形成され得るプレート、たとえばフロントプレート部分1720を含んでもよい。いくつかの例において、プレート1720は、厚さ1mm〜4mmであり得、いくつかの例においては、厚さ約2または3mmであり得る。上述したように、プレート1720は、その中に形成された溝1715を含み得る。溝1715は、いくつかの態様において、プレート1720を完全に貫通してもよいし(すなわち、プレートに貫通孔を形成する)、またはプレート1720の中に部分的に延びてもよい。追加的または代替的に、溝1715は、プレート1720にかけて一定の深さ、幅、高さなどを有してもよい。しかし、いくつかの例において、一つまたは複数の溝1715の深さ、幅、高さなどは、溝1715の長手に沿って、プレート1720に沿ってなど、変化してもよい。追加的または代替的に、溝1715またはその部分は、クラブがボールアドレス位置にあるときゴルフクラブヘッド1700のフェースをほぼ水平方向に横切って配設されてもよい。他の態様において、溝1715は、フェース上に非水平方向に直線形、円形、半円形または他のカーブしたパターンで延びてもよい。
【0050】
プレート1720は、金属、たとえばアルミニウム、鋼(たとえばステンレス鋼)、チタン、ニッケル、ベリリウム、銅、それらの金属を含む組み合わせまたは合金、ポリマーなどを含む任意の適当な材料で形成され得る。ひとたび溝1715がプレート1720に形成されたなら、プレート1720を、成形可能なポリマー材料裏地1730、たとえば熱可塑性ポリウレタンまたは熱硬化性材料と押し合わせ(「同時成形し」)得る。いくつかの例において、最終パター構造中のポリマー材料1730(ひとたび硬化したなら)は、ショアD硬度25〜85の範囲を有し得る。いくつかの具体例において、ポリマー材料裏地1730は、ショアD硬度35〜45、ショアD硬度50〜60またはショアD硬度60〜70の範囲を有し得る。ポリマー材料1730をフロントプレート1720と押し合わせると(たとえば、矢印1725によって示すように)、プレート1720に形成された溝1715を満たすポリマー材料を有するインサート1707が形成されて(
図4Bに示すように)、金属およびポリマーの両方がボールに接触する打球サーフェスが提供される。ポリマー裏地材1730の表面は、溝1715に嵌るための突起1732を事前に形成されてもよいし、および/またはプレス作業中にポリマー材料1730が溝1715の中に押し込まれてもよい。必要ならば、または必要に応じて、接着剤またはセメント(たとえば両面テープ)、機械的コネクタ、融着技術(たとえば溶接、はんだ付けまたはろう付け)などを使用して、プレート1720とポリマー材料1730とを一緒に保持してもよい。打球フェース上の金属とポリマー材料とのこの組み合わせが、より軟らかな感触、増大したスピン速度、より忠実な転がり、より金属質の打球音などを含む、ゴルフクラブの改善された性能を提供し得る。
【0051】
いくつかの例においては、プレスまたは同時成形工程中、プレート1720のフロントサーフェス(パターのフェースプレートに対応する)を金型面に対して保持して、ポリマー材料中にスコアラインが形成されるようにしてもよい。場合によっては、必要に応じて、同時成形またはプレス工程の前または後のいずれかでスコアラインのいくらかの部分を溝の金属部分の中に切ってもよい。または、必要に応じて、インサート1707が作られたのち、プレートのポリマーおよび/または金属の中にスコアラインを切ってもよい。
【0052】
インサート1707は、任意の所望のやり方で、ゴルフクラブヘッド1700のフロントフェース1704に形成された凹み1709と係合し得る(矢印1740によって示すように)。たとえば、凹み1709は、製造中にフライス削りまたは他のやり方でフロントフェース1704中に機械加工されてもよいし、あるいはたとえば成形、鋳造、鍛造または他の製作処理中に単に所望の形状に成形されてもよい。インサート1707は、凹み1709の形状に対応するように成形され得、凹み1709の中に受けられるように構成され得る。インサート1707は、任意の所望のやり方で、たとえば接着剤およびセメント(たとえば両面接着テープ)、融着技術(たとえば溶接、はんだ付け、ろう付けなど)、機械的ファスナまたはコネクタ(解放可能な機械的コネクタを含む)などによって凹み1709および/またはゴルフクラブヘッド1700と係合し得る、またはそれに接続され得る。必要に応じて、インサート1707は、凹み1709中に画定された棚状部または他の構造に載ってもよい(たとえば、凹み1709の側縁、トップ縁および/またはボトム縁に沿って)。
【0053】
いくつかの例において、インサート1707は、インサート1707および/またはゴルフクラブヘッド1700のカスタマイズおよび/または個人化を可能にするために取り外し可能であってもよい。たとえば、インサート1707は、インサート1707を凹み1709の中に固定するための機械的コネクタを使用してゴルフクラブヘッド1700に解放可能に接続されてもよい(たとえば、ねじ、ボルトまたは他のコネクタがゴルフクラブヘッドのリヤ側からゴルフクラブヘッドのフロント領域に向かって延びて、インサート1707上に提供されたねじ領域と係合し得る、それをパターのボトムサーフェスから上向きに係合させ得る、それをパターのトップサーフェスから下向きに係合させ得る、など)。個人化およびカスタマイズ特徴は、様々な特徴、たとえばポリマーおよび/または金属の色(たとえばチームカラー、主義または販売促進に関連する色、プレーヤの好みなど)、ポリマーおよび/または金属の硬度(たとえば、異なるプレー条件またはスイングタイプのための硬めまたは軟らかめ)、ポリマーおよび/または金属上のグラフィックス(たとえばロゴなど)などを含んでもよい。
【0054】
いくつかの構成において、金属プレート1720を、裏地材ポリマー1730とは異なる硬さのポリマーで形成されたプレートに換え、それによってオールポリマーのインサート1707を形成してもよい。たとえば、金属プレート1720を、インサート1707の溝1715を満たすポリマー1730よりも高いショアD硬度値を有するポリマー材料で形成されたプレートに換えてもよい。このオールポリマーのインサートは、ゴルフクラブヘッド1700に関連する重量をさらに減らすことを支援し得る。追加的または代替的に、ポリマー材料1730を、元の金属とは異なる硬さの金属に換え、それによってオール金属のインサートを形成してもよい。
【0055】
必要に応じて、凹み1709の後面は、インサート1707が取り付けられる一貫した裏地またはベースを提供するために、ポリマーまたは他の材料を含むように形成されてもよい。別の代替として、必要に応じて、ポリマー裏地層1730の材料が凹み1709の中に含まれてもよく、クラブヘッドは、プレート1720を凹み1709の中のポリマー裏地材1730に押し当ててポリマー材料1730をプレート1720の溝に押し込むことによって形成されてもよい。必要ならば、プレス作業中に過剰なポリマー材料1730がクラブヘッドから逃げることを可能にするために、一つまたは複数のオーバーフロー穴が設けられてもよい。
【0056】
いくつかの例において、凹み1709の中に含まれるポリマーは、インサート1707の溝1715を満たすポリマー材料とは異なる材料であってもよい。たとえば、凹み1709中のポリマーと溝1715を満たすポリマーに対して異なるショア硬度値のポリマーが使用されてもよい。いくつかの例において、溝1715を満たすポリマーは、凹み1709中のポリマーよりも高いショア硬度値を有し得る。溝1715中のより硬いポリマーは、ボールにトップスピンをかけることを支援し得、凹み中のより軟らかいポリマーは、パターのための軟らかな「感触」を提供することを支援し得る。
【0057】
打球装置100は、
図1に示すように、打球ヘッド102に接続または他のやり方で係合したシャフト104を含み得る。シャフト104は、打球装置100をスイングしてボールを打つためにユーザによって把持されるように適合されている。シャフト104は、上記のように、たとえばホーゼル109に接続することによってヘッド102に接続された別個のピースとして形成されることができる。他の態様においては、シャフト104の少なくとも一部分がヘッド102と一緒に一体のピースであってもよいし、および/またはヘッド102は、ホーゼル109を含まなくてもよいし、もしくは内部ホーゼル構造を含んでもよい。本発明の範囲を逸脱することなく、なおさらなる態様が考えられる。シャフト104は、金属、セラミックス、ポリマー、複合材または木を含む多様な材料の一つまたは複数から構築され得る。いくつかの例示的態様において、シャフト104または少なくともその部分は、金属、たとえばステンレス鋼または複合材、たとえばカーボン/グラファイト繊維・ポリマー複合材で構築され得る。しかし、本発明の範囲を逸脱することなく、シャフト104は、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来の材料を含む様々な材料で構築されてもよいと考えられる。
【0058】
概して、打球装置100のヘッド102は、フェース部材128のリヤ側126においてフェース部材128に接続されたウエイト部材130を有する。
図1〜3に示す態様において、フェース部材128のリヤ側126は、打球サーフェス110とは反対側のリヤサーフェス131を有し、ウエイト部材130は、フェース部材128のリヤサーフェス131と対面するフロントサーフェス135を有する。概して、ウエイト部材130は、オフセンター衝突を含む、打球サーフェス110へのボールの衝突時、エネルギーおよび/または運動量をフェース部材128に伝達するように構成されている。ウエイト部材130は、ウエイト部材130とフェース部材128との間のエネルギーおよび/または運動量の伝達を可能にするいくつかの異なる構成においてフェース部材128に接続され得、それらのいくつかを以下に説明し、図面に示す。他の態様において、ウエイト部材130は異なるふうに構成されてもよいし、ヘッド102は複数のウエイト部材130を含んでもよい。たとえば、別の態様においては、
図1〜3に示すウエイト部材130を二つ、三つまたはより多くのウエイト部材130に分割し、それらを、同様なまたは異なる構成においてフェース部材128に接続してもよい。すべての態様においてウエイト部材130がヘッド102の重心に作用または影響し得ることが理解されよう。加えて、ウエイト部材130(および本明細書に記載される他のウエイト部材)は、それらの重さまたは密度に基づいて選択され得る多様な異なる材料のいずれかで作られ得る。たとえば、ウエイト部材130は、金属材料、たとえばステンレス鋼および/またはタングステンから作られてもよいし、または他の材料、たとえば、より重い材料(たとえばタングステン)を添加されていてもよいポリマーから作られてもよい。ウエイト部材130はまた、他よりも加重され得る部分を含んでもよく、および加重されたインサートまたは他のインサートを含んでもよい。
【0059】
図1〜3の態様において、ウエイト部材130は、少なくとも部分的に弾性材料で形成された弾性部材140によってフェース部材128に接続される。この態様において、弾性部材140は、ウエイト部材130とフェース部材128との間の唯一の接続を形成し、この構成において、ウエイト部材130は、弾性部材140によってフェース部材128に吊されているとみなされ得る。接着剤または他の結合材を利用して弾性部材140をフェース部材128および/またはウエイト部材130に接続し得、他の態様においては、機械的ファスナ、インターロック設計(たとえばダブテール、タブおよびスロットなど)などの他の接続技術を使用し得ることが理解されよう。弾性部材140の弾性材料は、一つの態様において、天然または合成ゴム材料、ポリウレタン系エラストマーまたは他のエラストマー材料であってもよいが、別の態様においては、発泡体材料または他のゴム様材料のような様々なタイプの弾性ポリマーを含む異なるタイプの弾性材料であり得る。加えて、弾性部材140は、圧縮されると反発力を発揮し、圧縮ののちその以前の状態に戻ることができるよう、少なくともいくらかの程度のレジリエンスを有し得る。弾性部材140は、フェース部材128および/またはウエイト部材130の材料の強さ/硬さよりも低い、おそらくは有意に低い強さまたは硬さを有し得る。一つの態様において、弾性部材140は、ショアA硬度30〜90またはショアA硬度約30〜90を有し得る。別の態様において、弾性部材140はショアA硬度約60〜70を有し得る。硬度は、たとえば、ASTM D-2240または別の適切な試験をショア押込み硬度計とともに使用することによって測定し得る。例示的態様において、弾性部材140は、ショアA硬度約65のポリウレタン系エラストマーで形成されてもよい。さらに、一つの態様において、弾性材料は、以下のような圧縮性、すなわち、5%撓みの場合で30psi、10%撓みの場合で70psi、15%撓みの場合で110psi、20%撓みの場合で160psiおよび25%撓みの場合で220psiを有し得る(形状係数0.56に基づき、ASTM D-575を使用して測定)。
【0060】
硬度および/またはレジリエンスのような弾性材料の性質は、特定の構成における使用のために設計されてもよい。たとえば、弾性部材140の硬度および/またはレジリエンスは、材料厚さ、様々なコンポーネント(ウエイト部材130および/またはフェース部材128を含む)の質量、ヘッド102の所期用途などのようなパラメータによって影響され得る適切な反発または反作用力がフェースに伝達されることを保証するように設計されてもよい。硬度およびレジリエンスは、本明細書の他の箇所に記載されるように、材料選択のような技術および弾性材料の硬度またはレジリエンスに影響することができる、材料に対して実施される多様な処理のいずれかによるものであってもよい。弾性材料の硬度および厚さは、特定のウエイト部材130の重さに調和させてもよい。たとえば、より重いウエイトはより硬い弾性材料を必要とし得、より軽いウエイトはより軟らかい弾性材料を必要とし得る。また、より薄い弾性部材140の使用はより軟らかい弾性材料の使用を必要とし得、より厚い弾性部材140はより硬い弾性材料と使用可能であり得る。弾性材料が、ショアA硬度約65を有するポリウレタン系材料である構成において、弾性部材140は、一つの態様においては約5mm、別の態様においては約3mmの、ウエイト部材130とフェース部材128のリヤサーフェス131との間の厚さを有し得る。
【0061】
図1〜3に示す態様において、弾性部材140は単一の一体ピースとして形成され得るが、様々な態様において、弾性部材140は別々のピースで形成されてもよい。弾性部材140は、様々な硬度分布を含め、弾性部材140の様々な領域に様々な硬度を有するコンポーネントを含む複数のコンポーネントで形成されてもよい。たとえば、弾性部材140は、たとえば、異なる材料で作られる(たとえば同時成形によって)および/または異なる硬度を達成するための技術を使用して処理されることにより、弾性部材140の内部とは異なる(より高いまたは低い)硬度を有する外部シェルで形成されてもよい。異なる硬度を有するシェルを達成するための技術の例は、プラズマまたはコロナ処理、外部へのフィルムの接着結合、外部のコーティング(たとえば吹き付けまたは浸漬による)を含む。注型または他のポリウレタン系弾性材料の場合、弾性材料は、外部に接着された熱可塑性ポリウレタン(TPU)フィルム、吹き付けまたは浸漬によって適用される、より高いまたは低い硬度のポリウレタンコーティングまたは、たとえば弾性材料を適切な溶媒との適切なポリマー溶液中に浸漬することによって適用され得る別のポリマーコーティング(たとえば熱硬化性ポリマー)を有してもよい。加えて、弾性部材140は、弾性部材140の様々な横方向または垂直方向部分において異なる硬度または圧縮性を有してもよく、それが、様々な位置において異なるエネルギーおよび/または運動量伝達効果を生じさせることができる。たとえば、弾性部材140は、フェース部材128のヒール120および/またはトウ122の近くでより高いまたはより低い硬度を有してもよく、それは、本明細書に記載される技術、たとえば様々な材料および/または別々のピースの処理または使用によって達成され得る。この構成において、弾性部材140の硬度は、特定のゴルファーによる使用または特定のゴルファーの打撃パターンのためにカスタマイズされてもよい。同様に、非対称な弾性部材140を使用して、また、より多量またはより少量の材料をフェース部材128の特定の部分に提供することにより、異なるエネルギーおよび/または運動量伝達効果を生じさせてもよい。また、そのような非対称の弾性部材140を使用してカスタマイズ性を提供してもよい。また、さらなるカスタマイズ性のために、以下に説明するように、硬度可変性または非対称の弾性部材140を片寄った接続点とともに使用してもよい。また、本明細書に記載される他の態様が、可変硬度または非対称特徴を有する弾性部材を用いてもよい。シングルコンポーネントまたはマルチコンポーネントの弾性部材140を同時成形によって製造し得、かつフェース部材128および/またはウエイト部材130とともに同時成形し得る。
【0062】
図1〜3に見られるように、弾性部材140はウエイト部材130とフェース部材128との間に接続される。一つの態様において、ウエイト部材130は、弾性部材140と係合する少なくとも一つの面と、露出しかつ弾性部材140と係合しない少なくとも一つの他の面とを有する。
図1〜3の態様において、ウエイト部材130のフロントサーフェス135は弾性部材140と係合し、ウエイト部材130のトップ側143、ボトム側144およびリヤ側145は露出しかつ弾性部材140と係合しない。
図3に示すように、弾性部材140は、フェース部材128のリヤ側126のリヤサーフェス131とウエイト部材130のフロントサーフェス135とを接続する。ウエイト部材130はフェース部材128から離間し、弾性部材140は、ウエイト部材130のフロントサーフェス135とフェース部材128のリヤ側126との間の空間142を少なくとも部分的に満たす。弾性部材140はフェース部材128の重心(CG)の両側に配置され得る。一つの態様において、
図2に示すように、弾性部材140は、ウエイト部材130とフェース部材128との間の空間142を完全または実質的に完全に満たす。別の態様において、弾性部材140は、フェース部材128およびウエイト部材130の、少なくともヒール縁120、136の間およびトウ縁122、137の間に配置され得る。さらなる態様において、
図1〜3のヘッド102は、
図11に示す構成におけるように、フェース部材128とウエイト部材130との間の空間142を部分的に満たす弾性部材140を有してもよい。
【0063】
ウエイト部材130は、様々な態様において様々な異なる寸法および構造的性質を有し得る。
図1〜3に示す態様において、ウエイト部材130はヒール縁136およびトウ縁137を有し、ヒール縁136とトウ縁137との間に横幅が画定されている。ウエイト部材130の横幅は、フェース部材128のヒール120とトウ122との間で計測されるフェース部材128の横幅と同じかまたはほぼ同じである。加えて、ウエイト部材130は、その質量が相対的にヒール縁およびトウ縁136、137寄りに分散しており、その厚さおよび断面積がウエイト部材130のCGよりもヒール縁およびトウ縁136、137またはその付近で大きい。さらに、ウエイト部材130は、ウエイト部材130のCGがフェース部材128のCGと実質的に整合するように配置されてもよい。一つの態様において、ウエイト部材130のCGとフェース部材128のCGとは横方向に整合し、別の態様において、追加的または代替的に、これらそれぞれのCGは垂直方向に整合してもよい。
図1〜3に示す態様において、フェース部材128は、フェース部材128のCGおよび/またはウエイト部材130のCGと整合させ得る整合マーク139を有するが、他の態様において、このマーク139は存在しなくてもよいし、または異なるふうに配置されてもよい。
【0064】
ウエイト部材130は様々な態様において異なるサイズを有し得る。たとえば、一つの態様において、ウエイト部材130はヘッド102の総重量の約25%以上を構成し得る。例示的な態様において、ヘッド102の総重量は約340gであり得、ウエイト部材は約100gの重量を有する。さらなる例示的態様において、ヘッド102の総重量は約290〜390gまたは約170〜510gであり得、これらの態様において、ウエイト部材130は50〜150gの重量を有する。
【0065】
ウエイト部材130は、打球サーフェス110へのオフセンター衝突を含む衝突時、ウエイト部材130とフェース部材128との間でエネルギーおよび/または運動量を伝達することができるように構成され得る。弾性部材140は、衝突時、ウエイト部材130とフェース部材128との間でエネルギーおよび/または運動量を伝達するように働くことができる。加えて、ウエイト部材130はまた、打球サーフェス110へのボールの衝突時、フェース部材128の撓みに抵抗するように構成され得る。弾性部材140のレジリエンスおよび圧縮が、ウエイト部材130からフェース部材128へのエネルギーおよび/または運動量のこの伝達を可能にする。上記のように、ウエイト部材130の運動量が弾性部材140を圧縮し、かつ弾性部材140をしてフェース部材128に反発力を加えさせて、この運動量伝達を達成する。弾性部材140は、圧縮後の膨張を通して反発力の少なくとも一部分をフェース部材128に加え得る。ウエイト部材130は、この運動量伝達の過程において衝突点の方向にわずかに撓んで弾性部材140を圧縮し得る。運動量の伝達を達成する作用は、ゴルフパターの一つの態様においては4〜5msであり得る、衝突の開始と終了との間に起こる。
図1〜3に示す態様において、ウエイト部材130は、打球サーフェス110への衝突の位置に依存して、より多量またはより少量のエネルギーおよび/または運動量を伝達し得る。たとえば、この態様において、フェース112のヒール側を中心とする(すなわち、ヒール縁117寄りの)ボールのオフセンター衝突時、フェース部材128のヒール120は後方に撓む傾向を示す。別の例として、フェース112のトウ側を中心とする(すなわち、トウ縁119寄りの)ボールのオフセンター衝突時、フェース部材128のトウ122は後方に撓む傾向を示す。フェース部材128のヒール120またはトウ122が後方に撓み始めると、ウエイト部材130の前進運動量の少なくともいくらかが衝突時にフェース部材128に伝達されてこの撓みに抵抗する。
図1〜3の態様において、ヒール側衝突においては、フェース部材128に伝達される運動量の少なくともいくらかが衝突時にはウエイト部材130のヒール縁136から伝達され得る。同様に、トウ側衝突においては、フェース部材128に伝達される運動量の少なくともいくらかが衝突時にはウエイト部材130のトウ縁137から伝達され得る。概して、運動量の少なくともいくらかがフェース112の衝突点の方向に伝達される。
【0066】
弾性部材140は、ウエイト部材130のエネルギーおよび/または運動量をフェース部材128のヒール120またはトウ122に伝達するように機能することができる。衝突時にエネルギーおよび/または運動量を伝達する過程において、弾性部材140は、ウエイト部材130の運動量によって圧縮されたのち膨張してフェース部材128に反発力を加え得、それが、上記のようにフェース部材128の撓みに抵抗する。フェース部材128の撓みを生じさせる潜在的モーメントの程度は、衝突位置がフェース部材128の重心を逸脱するにつれて増し得ることが理解されよう。一つの態様において、ウエイト部材130からフェース部材128へのエネルギーおよび/または運動量の伝達はまた、衝突位置がフェース部材128の重心を逸脱するにつれて増して、フェース部材128のそのような撓みに対して増大した抵抗を提供し得る。換言するならば、ウエイト部材130からフェース部材128に伝達されるエネルギーおよび/または運動量ならびに弾性部材140を介してウエイト部材130によってフェース部材128に加えられる力は、漸増的であり、最適な衝突点(たとえば、例示的な態様においては打球サーフェス110の横方向中心点および/またはフェース部材128のCG)からの衝突の距離に正比例/比例する。したがって、ヘッド102は、ウエイト部材130のエネルギーおよび/または運動量を、弾性部材140によって吊されたウエイト部材130を介して、ボールが接触時にヘッド102の重心から離れている方向に漸増的に伝達する。ウエイト部材130とフェース部材128との間のエネルギーおよび/または運動量の伝達は、オフセンター衝突を含む衝突時、フェース112のねじれの程度を減らし、かつフェース112をよりスクエアに維持することができる。加えて、ウエイト部材130とフェース部材128との間のエネルギーおよび/または運動量の伝達は、オフセンター衝突時のエネルギー損失を最小限にして、フェース112上のどこで衝突した場合でも、より一貫したボール飛距離を提供することができる。弾性部材140は、ウエイト部材130とフェース部材128との間のエネルギーおよび/または運動量の伝達を支援するいくらかの弾性または反発力を有し得る。他の態様において、
図26〜29に関して以下に説明するように、追加的または代替的に、ウエイト部材130は、フェース112の中心および/またはフェース部材128のCGよりも高いまたは低い衝突の結果としてエネルギーおよび/または運動量をフェース部材128に伝達するように構成され得る。
【0067】
図1〜3のフェース部材128は、
図4に示すような別の態様において、ソール118上にチャネル146を含み得る。この態様において、チャネル146は、フェース部材128の中へと内方に凹んでおり、かつソール118に沿って横方向にヒール−トウ方向に延びている。加えて、チャネル146は、フェース112のボトム縁115に対して平行または実質的に平行である。チャネル146は、オフセンター衝突時にボールへのエネルギーおよび速度の伝達ならびに、参照により全体として本明細書に組み入れられ、そして本明細書の一部とされる、2011年1月27日出願の米国特許出願第13/015,264号、2011年1月27日出願の米国特許出願第13/015,412号および2010年7月23日出願の米国特許出願第12/842,650号に記載されているような他の恩典を改善し得る。別の態様において、チャネル146は異なる構成を有してもよい。
【0068】
図5〜7は、
図1〜3のヘッド102に関して上述した特徴に類似した多くのコンポーネントおよび特徴を含む打球ヘッド202の別の態様を示す。ヘッド202のそのような類似コンポーネントは、以下に記す類似した参照番号により、「200番台」の番号を使用して参照される。先にすでに説明されているそのようなコンポーネントの説明は、簡潔さのため、以下の説明においては簡素化されるか、省略されることがある。
【0069】
図5〜7に示す態様において、フェース部材228のリヤ側226は、打球サーフェス210とは反対側のリヤサーフェス231と、フェース212から後方に延びて実質的にL字形の構造を形成するソール部材232とを有する。ソール部材232は、使用中に競技面と対面するように構成されているボトムまたはソールサーフェス233と、ソールサーフェス233とは反対側のトップサーフェス234とを有する。ウエイト部材230は、フェース部材228のリヤサーフェス231と対面するフロントサーフェス235と、ソール部材232のトップサーフェス234と対面するボトムサーフェス244とを有する。概して、ウエイト部材230は、
図1〜3のヘッド102に関して同様に上述したように、打球サーフェス210へのボールの衝突時、エネルギーおよび/または運動量をフェース部材228に伝達してフェース部材228の撓みに抵抗するように構成されている。ウエイト部材230は、ウエイト部材230とフェース部材228との間のエネルギーおよび/または運動量の伝達を可能にするいくつかの異なる構成においてフェース部材228に接続され得る。フェース部材228は、
図4に示すフェース部材128上のチャネル146に類似したチャネルを含み得る。
【0070】
図5〜7の態様において、ウエイト部材230は、
図1〜3のヘッド102の弾性部材140に関して上述したように、少なくとも部分的に弾性材料で形成された弾性部材240によってフェース部材228に接続される。
図1〜3のヘッド102と同様に、この態様において、弾性部材240は、ウエイト部材230とフェース部材228との間の唯一の接続を形成し、この構成において、ウエイト部材230は、弾性部材240によってフェース部材228に吊されているとみなされ得る。接着剤もしくは他の結合材または機械的接続を含む、上述した任意の接続技術を利用して弾性部材240をフェース部材228および/またはウエイト部材230に接続し得ることが理解されよう。
【0071】
図7に見られるように、弾性部材240はウエイト部材230とフェース部材128との間に接続される。この態様において、ウエイト部材230のフロントサーフェス235およびボトムサーフェス244は弾性部材240と係合し、ウエイト部材230のトップ側243およびリヤ側245は、露出しかつ弾性部材240と係合しない。
図7に示すように、弾性部材240は、ウエイト部材230のフロントサーフェス235をフェース部材228のリヤ側226のリヤサーフェス231と接続させ、また、ウエイト部材のボトムサーフェス244をフェース部材228のリヤ側226のソール部材232のトップサーフェス234と接続させる。ウエイト部材230はフェース部材228から離間し、弾性部材240は、上記のように、ウエイト部材230のフロントサーフェス235およびボトムサーフェス244とフェース部材228のリヤ側226との間の空間242を少なくとも部分的に満たす。ウエイト部材230のボトムサーフェス244を支持する弾性部材240の部分は支持パッド部材とみなされ得る。弾性部材240はフェース部材228の重心(CG)の横方向両側に配置され得る。一つの態様において、
図5に示すように、弾性部材240は、ウエイト部材230とフェース部材228との間の空間242を完全または実質的に満たす。別の態様において、
図5〜7のヘッド202は、
図21に示す構成におけるように、フェース部材228とウエイト部材230との間の空間242を部分的に満たす弾性部材240を有してもよい。さらなる態様において、弾性部材240は、ウエイト部材230のボトムサーフェス244とソール部材232のトップサーフェス234との間だけまたはウエイト部材230のフロントサーフェス235とフェース部材228のリヤサーフェス
231との間だけに配置されてもよい。一つの態様において、
図5Aに示すように、弾性部材240は、ウエイト部材230のフロントサーフェス235とフェース部材228のリヤサーフェス
231との間に配置される。この態様においては、
図5Aに示すように、低摩擦材料278、たとえばTeflon
(登録商標)テープ、硬質ポリマー材料または他の低摩擦部材がウエイト部材230のボトムサーフェス244とソール部材232のトップサーフェス234との間に配置されてもよい。この低摩擦材料は、ウエイト部材230のボトムサーフェス244またはソール部材232のトップサーフェス234に接続され得、コーティングとして、および/または接着剤もしくは他の結合材を使用して適用され得る。または、ウエイト部材230のボトムサーフェス244とソール部材232のトップサーフェス234との間の空間242のいくらかまたはすべてが空であってもよい。
【0072】
ウエイト部材230は、様々な態様において様々な異なる寸法および構造的性質を有し得る。
図5〜7に示す態様において、ウエイト部材230の横幅(ヒール縁236とトウ縁237との間)はフェース部材228の横幅と同じまたはほぼ同じである。加えて、ウエイト部材230は、その質量が相対的にヒール縁およびトウ縁236、237寄りに分散しており、かつその厚さおよび断面積が、ウエイト部材230のCGよりもヒール縁およびトウ縁236、237またはその付近で大きい。さらに、ウエイト部材230は、ウエイト部材230のCGがフェース部材228のCGと実質的に整合するように配置されてもよい。一つの態様において、ウエイト部材230のCGとフェース部材228のCGとは横方向に整合し、別の態様において、追加的または代替的に、これらそれぞれのCGは垂直方向に整合してもよい。フェース部材228は、フェース部材228のCGおよび/またはウエイト部材230のCGと整合させ得る整合マーク239を含んでもよい。さらなる態様において、ウエイト部材230は、
図1〜3のヘッド102に関して上述したように、総重量またはヘッド202の総重量に対する重さを有し得る。
【0073】
図1〜3のヘッド102に関して同様に上述したように、ウエイト部材230は、打球サーフェス210へのオフセンター衝突を含む打球サーフェス210への衝突によって生じるエネルギーの少なくともいくらかを吸収するように構成され得る。弾性部材240は、上記のように、ウエイト部材230とフェース部材228との間でエネルギーおよび/または運動量を伝達するように働くことができる。上記のように、弾性部材240のレジリエンスおよび/または圧縮がこのエネルギーおよび/または運動量の伝達を支援する。
【0074】
図7Aは、
図5〜7に示すヘッド202の代替態様を示す。
図7Aの態様において、弾性部材240のうち、フェース部材228のリヤサーフェス231とウエイト部材230のフロントサーフェス235との間の部分はより薄く、ウエイト部材230とフェース部材228との間により小さな空間を提供している。より薄い弾性部材240は、上記弾性部材140、240とは異なる程度の硬度を有する弾性部材240と使用可能であり得る。この態様はまた、ヘッド202をスイングするユーザの視点からの弾性部材240の視認性を低下させ得、それは、特に弾性部材240がヘッド202の他の部分に対して色のコントラストを有する場合、一部のユーザにとって望ましい場合もある。さらなる態様において、フェース部材228は、ウエイト部材230の方向に延びて弾性部材240を少なくとも部分的に隠し、隠蔽機能を達成するアーム、フランジまたは他のカバリングを有し得る。別の態様においては、追加的または代替的に、ウエイト部材230が、同じ機能を提供するためのフランジまたは類似構造を含んでもよい。これらの態様においては、弾性部材240の寸法が異なるため、所望のエネルギーおよび/または運動量伝達効果を提供するためには、弾性部材240の硬度を調節し得ることが理解されよう。
図7Aの原理は本明細書中の他の態様にも適用され得る。
【0075】
図8〜22は、上記ヘッド102、202に類似し、かつフェース部材328、428、528をウエイト部材330、430、530に接続する接続部材350、360、450、460、550、560をさらに含む打球ヘッド302、402、502のさらなる態様を示す。
図8〜22の態様は、
図1〜3および5〜7のヘッド102、202に関して上述した特徴に類似する多くのコンポーネントおよび特徴を含む。ヘッド302、402、502のそのような類似コンポーネントは、以下に記す類似した参照番号により、それぞれ「300番台」、「400番台」および「500番台」の番号を使用して参照される。すでに説明されているいくつかのそのようなコンポーネントの説明は、簡潔さのため、以下の説明においては簡素化されるか、省略されることがある。フェース部材328、428、528とウエイト部材330、430、530との間の様々な接続構成が
図8〜22に示されている。他の態様においては、
図26〜41に示す接続構成のいずれかを含め、フェース部材328、428、528とウエイト部材330、430、530との間の異なるタイプの接続が使用されてもよいことが理解されよう。
【0076】
図8〜12は、上述し、かつ
図1〜3に示すヘッド102に類似した構造を有する打球ヘッド302の態様を示す。
図8〜12の態様において、フェース部材328とウエイト部材330とは、フェース部材328およびウエイト部材330にそれぞれ接続された接続部材350、360によって形成された接続または接続点348によって接続されている。他の点では、フェース部材328およびウエイト部材330の構造は、
図1〜3のヘッド102のフェース部材128およびウエイト部材130の構造と実質的に同じであり、そのような構造は、簡潔さのため、ここで再び説明することはしない。
【0077】
図8〜12の態様において、フェース部材328は、フェース部材328のリヤ側326またはリヤサーフェス331から後方に延びるアーム351によって形成される接続部材350を含み、ピン352がアーム351から上に延びている。ウエイト部材330は、ウエイト部材のフロントサーフェス335から前方に延びるアーム361によって形成される別の接続部材360を含み、受け部362がアーム361中に形成されている。受け部362は、ピン352をその中に受けて接続部材350、360を互いに接続して接続点348を形成するように構成されている。また、この態様においては、接続部材350、360の間の接続を固定するためにファスナ(たとえばスクリュー)353が使用されている。別の態様においては、異なるタイプのファスナが使用されてもよいし、またはファスナが使用されなくてもよい。加えて、他の態様においては、フェース部材328の接続部材350が受け部362を有し、ウエイト部材330の接続部材360がピン352を有するようにピン352および受け部362の配設が交換されてもよい。換言するならば、一つの態様において、接続部材350、360の一方がピン352を含み、接続部材350、360の他方が受け部362を含む。また、
図14〜22および26〜41に示す接続を含む他の接続構成が使用されてもよい。この態様における接続部材350、360は接続点348においてジョイント354を形成する。このジョイント354は、
図1〜3および5〜7のヘッド102、202に関して上述したように、ウエイト部材330とフェース部材328との間のエネルギーおよび/または運動量の伝達を可能にするか、または少なくとも阻止しない。ジョイント354は、衝突時のエネルギーおよび/または運動量の伝達の程度に影響するようにジョイント354の張りを制御または調節するために使用することができる座金または引張り部材を含んでもよいことが理解されよう。この態様において、接続部材350、360は、ウエイト部材330の、角運動量を含む運動量をフェース部材328に伝達するように働くことができる。
【0078】
この態様において、ウエイト部材330のCGとフェース部材328のCGとは、垂直方向、横方向または両方に整合され得る。一つの態様において、接続部材350、360は、ウエイト部材330のCGおよび/またはフェース部材328のCGと直接的に整合され得る。別の態様において、接続部材350、360は、ウエイト部材330のCGおよび/またはフェース部材328のCGの垂直または横方向面と整合され得る。加えて、この態様における第一および第二の接続部材350、360は、フェース部材328のヒール縁およびトウ縁320、322からほぼ等距離かつウエイト部材330のヒール縁およびトウ縁336、337からほぼ等距離に位置する。フェース部材328は、フェース部材328のCG、ウエイト部材330のCGおよび/または接続部材350、360の一方もしくは両方と整合され得る整合マーク339を含んでもよい。さらなる態様において、ウエイト部材330は、
図1〜3のヘッド102に関して上述したように、総重量またはヘッド302の総重量に対する重さを有し得る。
【0079】
別の態様において、
図8〜12のヘッド302は、フェース部材328のCGから片寄った第一および第二の接続部材350、360ならびに接続点348を有してもよい。たとえば、一つの態様において、接続点348は、フェース部材328のヒール320またはトウ322寄りに横方向に片寄っていてもよい。この片寄りが、フェース312上の様々な衝突位置において様々なエネルギーおよび/または運動量伝達効果を生じさせ得る。加えて、片寄りを利用して、特定のユーザの打撃パターンに対応するエネルギーおよび/または運動量伝達効果を提供することにより、ヘッド302の性能を特定のユーザのためにカスタマイズし得る。上記のように、可変性硬度または非対称構成を有する弾性部材340を使用して、片寄った接続点348と関連するカスタマイズ性をさらに提供し得る。本明細書に記載される他の態様が片寄った接続点348を同様に利用してもよい。
【0080】
図8〜12のヘッド302はまた、
図10〜11に示すように、上記弾性部材140、240の任意の構成または性質を有する、少なくとも部分的に弾性材料で形成された弾性部材340を含み得る。
図8〜12に示すように、これらの態様において、ウエイト部材330は、第一および第二の接続部材350、360とフェース部材328のヒール縁およびトウ縁320、322との間、および第一および第二の接続部材350、360とウエイト部材330のヒール縁およびトウ縁336、337との間でフェース部材328から離間して、空間342を形成している。これらの態様において、弾性部材340は、ウエイト部材330とフェース部材328との間の空間342を少なくとも部分的に満たし、弾性部材340の少なくとも一部は、フェース部材328のCGおよび/またはウエイト部材330のCGの両側に含まれる。
図10は、弾性部材340がウエイト部材330のフロントサーフェス335とフェース部材328のリヤ側326との間の空間342を完全に満たす一つの態様を示す。
図11は、弾性部材340がウエイト部材330のフロントサーフェス335とフェース部材328のリヤ側326との間の空間342を部分的に満たす別の態様を示す。さらなる構成が考えられる。
【0081】
図10〜11の態様において、接続部材350、360は、ウエイト部材330とフェース部材328との間の接続に構造的安定性を提供するように働き得る。一例として、接続部材350、360は、弾性部材330がフェース部材328およびウエイト部材330とともに正しい位置に形成されることを可能にするために(たとえば
図22C〜Dを参照)、製造およびアセンブリ中にフェース部材328およびウエイト部材330のための接続および/または位置合わせ/位置決め機能を果たし得る。弾性部材330は、モールド成形、射出成形などのような方法を使用してフェース部材328とウエイト部材330との間に形成され得る。一つの態様において、弾性部材330の材料は、液形態でフェース部材328とウエイト部材330との間に挿入されたのち、たとえば固化、重合または他の機構を通して固体を形成する。この態様において、接続部材350、360は、アセンブリ後に構造機能として働いてもよいし、または働かなくてもよく、一つの態様において、接続部材350、360は、アセンブリ後に弾性部材340と組み合わさって構造安定性をヘッド302に提供してもよい。
【0082】
図13は、
図4に示すヘッド102に関して上述したように、フェース部材328がチャネル346を含む、
図8〜12の打球ヘッド302の代替態様を示す。
図13に示すようなチャネル346は、本明細書に記載される任意の他の態様に関連して使用されてもよいことが理解されよう。
【0083】
図14〜18は、上述し、かつ
図1〜3に示すヘッド102に類似した構造を有する打球ヘッド402の態様を示す。
図14〜18の態様において、フェース部材428とウエイト部材430とは、フェース部材428およびウエイト部材430にそれぞれ接続された接続部材450、460によって形成された接続または接続点448によって接続されている。他の点では、フェース部材428およびウエイト部材430の構造は、
図1〜3のヘッド102のフェース部材128およびウエイト部材130の構造と実質的に同じであり、そのような構造は、簡潔さのため、ここで再び説明することはしない。この態様において、接続部材450、460は、ウエイト部材430の、角運動量を含む運動量をフェース部材428に伝達するように働くことができる。
【0084】
図14〜18の態様において、フェース部材428は、フェース部材428のリヤ側426またはリヤサーフェス431から後方に延びるアーム451によって形成される接続部材450を含み、開口452がアーム451の中を延びている。ウエイト部材430は、ウエイト部材430中の開口461によって形成される別の接続部材460を含む。この態様においては、接続部材450、460の間の接続を固定するためにファスナ(たとえばスクリュー)453が開口452、461の中に受けられている。別の態様においては、異なるタイプのファスナが使用されてもよいし、またはファスナが使用されなくてもよい。加えて、他の態様においては、一つの態様において接続部材450、460の少なくとも一方がそれから延びるアーム451を含むようにアーム451の配設が交換されてもよい。また、
図8〜12、19〜22および26〜41に示す接続を含む他の接続構成が使用されてもよい。この態様における接続部材450、460は接続点448においてジョイント454を形成する。このジョイント454は、
図1〜3および5〜7のヘッド102、202に関して上述したように、ウエイト部材430とフェース部材428との間のエネルギーおよび/または運動量の伝達を可能にするか、または少なくとも阻止しない。この態様における接続部材450、460は、
図8〜12の接続部材350、360に関して上述した機能のいずれかまたはすべてを果たすことができる。
【0085】
この態様において、ウエイト部材430のCGとフェース部材428のCGとは、垂直方向、横方向または両方に整合され得る。一つの態様において、接続部材450、460は、ウエイト部材430のCGおよび/またはフェース部材428のCGと直接的に整合され得る。別の態様において、接続部材450、460は、ウエイト部材430のCGおよび/またはフェース部材428のCGの垂直または横方向面と整合され得る。加えて、この態様における第一および第二の接続部材450、460は、フェース部材428のヒール縁およびトウ縁420、422からほぼ等距離かつウエイト部材430のヒール縁およびトウ縁436、437からほぼ等距離に位置する。フェース部材428は、フェース部材428のCG、ウエイト部材430のCGおよび/または接続部材450、460の一方もしくは両方と整合され得る整合マーク439を含んでもよい。さらなる態様において、ウエイト部材330は、
図1〜3のヘッド102に関して上述したように、総重量またはヘッド302の総重量に対する重さを有し得る。
【0086】
図14〜18のヘッド402はまた、
図16〜17に示すように、上記弾性部材140、240の任意の構成または性質を有する、少なくとも部分的に弾性材料で形成された弾性部材440を含み得る。これらの態様において、弾性部材440は、ウエイト部材430とフェース部材428との間の空間442を少なくとも部分的に満たし、弾性部材440の少なくとも一部は、フェース部材428のCGおよび/またはウエイト部材430のCGの両側に含まれる。
図16は、弾性部材440がウエイト部材430のフロントサーフェス435とフェース部材428のリヤ側426との間の空間442を完全に満たす一つの態様を示す。
図17は、弾性部材440がウエイト部材430のフロントサーフェス435とフェース部材428のリヤ側426との間の空間442を部分的に満たす別の態様を示す。さらなる構成が考えられる。弾性部材440を有するヘッド402は、上記任意のやり方で製造され得、かつ上記のようにアセンブリ中に位置合わせ/位置決め機能を果たす接続部材450、460を含み得る。
【0087】
代替態様(図示せず)において、
図14〜18のヘッド402のフェース部材428およびウエイト部材430は、たとえば一体成形によって、または溶接、ろう付け、接着もしくは他のやり方で接続部材450をウエイト部材430に一体に接合することによって単一のピースとして接続されてもよい。この構成において、接続部材450は、弾性接続部材450を介してエネルギーおよび/または運動量伝達が達成されることを可能にするために、弾性かつ相対的に可撓性の金属(たとえばアルミニウムまたは様々な鋼合金)で形成され得る。一つの態様において、接続部材450の少なくとも一部分は、接続部材450の可撓性を増すために、
図14〜18に示すよりも薄くてもよい。
【0088】
図19〜22は、上述し、かつ
図5〜7に示すヘッド202に類似した構造を有する打球ヘッド502の態様を示す。
図19〜22の態様において、フェース部材528とウエイト部材530とは、フェース部材528およびウエイト部材530にそれぞれ接続された接続部材550、560によって形成された接続または接続点548によって接続されている。他の点では、フェース部材528およびウエイト部材530の構造は、
図5〜7のヘッド202のフェース部材228およびウエイト部材230の構造と実質的に同じであり、そのような構造は、簡潔さのため、ここで再び説明することはしない。この態様において、接続部材550、560は、ウエイト部材530の、角運動量を含む運動量をフェース部材528に伝達するように働くことができる。
【0089】
図19〜22の態様において、ウエイト部材530は、ウエイト部材530のフロントサーフェス535から延びるアーム561によって形成される接続部材560を含み、受け部562がアーム561の下側にある。フェース部材528は、フェース部材528のリヤ側526において後方に延びるソール部材532のトップサーフェス534から上に延びるピン551によって形成される別の接続部材550を含む。受け部562は、ピン551をその中に受けて接続部材550、560を互いに接続して接続点548を形成するように構成されている。この態様において、ピン551および受け部562は、接続部材550、560を互いに接続するための相補的保定構造、たとえばタブ/スロット構成を含む。別の態様においては、追加的または代替的に、ファスナが使用されてもよい。加えて、他の態様においては、フェース部材528の接続部材550が受け部562を有し、ウエイト部材530の接続部材560がピン551を有するように、ピン551および受け部562の配設が交換されてもよい。換言するならば、一つの態様において、接続部材550、560の一方がピン551を含み、接続部材550、560の他方が受け部562を含む。また、
図8〜18および26〜41に示す接続を含む他の接続構成が使用されてもよい。一例において、接続部材は、ソール部材532ではなくフェース512のリヤサーフェス531に接続されてもよい。別の例において、接続部材560を形成するアーム561は、
図22Aに示すように、ウエイト部材530のリヤ側545から延びてもよい。この態様において、ピン551の位置は相応に変更されてもよい。さらなる例においては、
図22Bに示すように、接続部材550、たとえばウエイト部材のボトムサーフェス544とソール部材532のトップサーフェス534との間に延びるピン551がウエイト部材530のボトムサーフェス544に接続されてもよい。このようなピンは、存在するならば、弾性部材540(以下に記す)に埋め込まれてもよい。
図22Aおよび22Bの態様はいずれも、以下に記すような弾性部材540とともに示されているが、他の態様において、ヘッド502は弾性部材540を含まなくてもよい。
図19〜22Dの態様における接続部材550、560は接続点548においてジョイント554を形成する。このジョイント554は、
図1〜3および5〜7のヘッド102、202に関して上述したように、ウエイト部材530とフェース部材528との間のエネルギーおよび/または運動量の伝達を可能にするか、または少なくとも阻止しない。この態様における接続部材550、560は、
図8〜12の接続部材350、360に関して上述した機能のいずれかまたはすべてを果たすことができる。
【0090】
この態様において、ウエイト部材530のCGとフェース部材528のCGとは、垂直方向、横方向または両方に整合され得る。一つの態様において、接続部材550、560は、ウエイト部材530のCGおよび/またはフェース部材528のCGと直接的に整合され得る。別の態様において、接続部材550、560は、ウエイト部材530のCGおよび/またはフェース部材528のCGの垂直または横方向面と整合され得る。加えて、この態様における第一および第二の接続部材550、560は、フェース部材528のヒール縁およびトウ縁520、522からほぼ等距離かつウエイト部材530のヒール縁およびトウ縁536、537からほぼ等距離に位置する。フェース部材528は、フェース部材528のCG、ウエイト部材530のCGおよび/または接続部材550、560の一方もしくは両方と整合され得る整合マーク539を含んでもよい。さらなる態様において、ウエイト部材530は、
図1〜3のヘッド102に関して上述したように、総重量またはヘッド502の総重量に対する重さを有し得る。
【0091】
図19〜22のヘッド502はまた、
図20〜21に示すように、上記弾性部材140、240の任意の構成または性質を有する弾性部材540を含み得る。これらの態様において、弾性部材540は、ウエイト部材530とフェース部材528との間の空間542を少なくとも部分的に満たし、弾性部材540の少なくとも一部は、フェース部材528のCGおよび/またはウエイト部材530のCGの両側に含まれる。
図20は、弾性部材540が、ウエイト部材530のフロントサーフェス535とフェース部材528のリヤサーフェス531との間およびウエイト部材530のボトムサーフェス544とソール部材532のトップサーフェス534との間の空間542を完全に満たす一つの態様を示す。
図21は、弾性部材540が、ウエイト部材530のフロントサーフェス535とフェース部材528のリヤサーフェス531との間およびウエイト部材530のボトムサーフェス544とソール部材532のトップサーフェス534との間の空間542を部分的に満たす別の態様を示す。さらなる構成が考えられる。弾性部材540を有するヘッド502は、上記任意のやり方で製造され得、かつ上記のようにアセンブリ中に位置合わせ/位置決め機能を果たす接続部材550、560を含み得る。
【0092】
別の態様において、弾性部材540は、同じく上記のように、ウエイト部材530のボトムサーフェス544とソール部材532のトップサーフェス234との間だけ、またはウエイト部材530のフロントサーフェス535とフェース部材528のリヤサーフェス
531との間だけに配置されてもよい。一つの態様において、
図20Aに示すように、弾性部材540は、ウエイト部材530のフロントサーフェス535とフェース部材528のリヤサーフェス
531との間だけに配置される。この態様においては、
図20Aに示すように、低摩擦材料578、たとえばTeflon
(登録商標)テープ、硬質ポリマー材料または他の低摩擦部材がウエイト部材530のボトムサーフェス544とソール部材532のトップサーフェス534との間に配置されてもよい。この低摩擦材料は、ウエイト部材530のボトムサーフェス544またはソール部材532のトップサーフェス534に接続され得、コーティングとして、および/または接着剤もしくは他の結合材を使用して適用され得る。または、ウエイト部材530のボトムサーフェス544とソール部材532のトップサーフェス534との間の空間542のいくらかまたはすべてが空であってもよい。
図19Aは、ヘッド502が弾性材料540を含まず、かつウエイト部材530のボトムサーフェス544とソール部材532のトップサーフェス534との間に配置された上記低摩擦材料578を含むさらなる態様を示す。
【0093】
図22C〜Dは、
図19〜22のヘッド502の代替構成を、ヘッド502への弾性部材の接続によってヘッド502を製造する方法とともに示す。この態様において、フェース部材528は、ウエイト部材530とフェース部材528との間の空間542と連絡した内部キャビティ575を含む。フェース部材528はまた、フェース512中に、
図4A〜Bの態様の溝1715に類似した溝576を含み、溝576は内部キャビティ575と連絡している。フェース部材528は、精密フライス削りまたは他の適用可能な技術によってこの構成に製造することができる。製造中、
図22Cに示すヘッド502を型に入れることができ、弾性材料を注入してフェース部材528とウエイト部材530との間の空間542を満たすことができ、そしてそれが固化して(たとえば凝固または硬化によって)弾性部材540を形成する。弾性材料はまた、内部キャビティ575およびフェース溝576を満たして、
図4A〜Bに示すフェース1704に類似した、弾性材料が打球サーフェス510の一部を形成しているフェース512を創製する。また、一つの態様においては、上記のように、同時成形工程をこの加工法とともに使用することができる。完成したヘッド502が
図22Dに示されている。本明細書に記載される他の態様が、類似した構成および製造法を利用してもよい。
【0094】
図23〜25は、
図1〜3および5〜7のヘッド102、202に関して上述した特徴に類似した多くのコンポーネントおよび特徴を含む打球ヘッド602のさらなる態様を示す。ヘッド602のそのような類似コンポーネントは、以下に記す類似した参照番号により、「600番台」の番号を使用して参照される。先ですでに説明されているいくつかのそのようなコンポーネントの説明は、簡潔さのため、以下の説明においては簡素化されるか、省略される場合がある。
図23〜25の態様において、ヘッド602は、フェース部材628に接続され、かつ少なくとも部分的にフェース部材628のリヤ側626のキャビティ641の中に受けられる複数のウエイト部材630を有するフェース部材628を有する。
図23〜25に示す構成において、ヘッド602は、フェース部材628のCGの両側の、フェース部材628のヒール620およびトウ622の近くにキャビティ641を有する。各キャビティ641は、キャビティ641の中に受けられ、少なくとも部分的にキャビティ641を満たし、かつキャビティ641内でウエイト部材630を支持する、少なくとも部分的に弾性材料で形成された弾性部材640を有する。一つの態様において、両キャビティ641の弾性部材640は同じ弾性材料を含むが、他の態様において、キャビティ641は異なる弾性材料を含んでもよい。これらの態様における弾性材料640は、上記弾性部材140、240の任意の構成または性質を有し得る。加えて、これらの態様において、ウエイト部材630は、その重さ/密度に関して選択された材料で形成され得、タングステン、ビスマス、鉛または別の重金属のような高密度材料から製造され得る。
図23〜25に示す構成の一つの態様において、ウエイト部材630は、ヘッド602の総重量の約25%以上を構成し、
図1〜3のヘッド102に関して上述したように、総重量またはヘッド602の総重量に対する重さを有し得る。さらに、フェース部材628は、フェース部材628のCGと整合させ得る整合マーク639を含んでもよい。
【0095】
図23〜24に示す態様において、各キャビティ641は、その中に受けられる一つのウエイト部材630を有する。ウエイト部材630は、
図23〜24には球体として示されているが、別の態様においては異なる形状を有してもよい。この態様において、各ウエイト部材630は弾性部材640によって支持され、かつ吊されており、弾性部材640はウエイト部材630をフェース部材628から完全に離間させている。加えて、この態様において、ウエイト部材630は弾性部材640の中に完全に含まれている。
図25に示す態様において、各キャビティ641は、その中に受けられた複数のより小さなウエイト部材630を有する。ウエイト部材630は、
図25には球体として示されているが、別の態様においては異なる形状を有してもよい。
図25の態様において、各ウエイト部材630は弾性部材640によって支持され、かつ吊されており、弾性部材640はウエイト部材630をフェース部材628および互いから完全に離間させている。加えて、
図25の態様において、ウエイト部材630は弾性部材640の中に完全に含まれている。
図24〜25の破線によって示すように、弾性部材640は、ウエイト部材630がヘッド602の打球サーフェス610へのボールの衝突に応答してエネルギーおよび/または運動量をフェース部材628に伝達することを可能にするために、弾性および/または圧縮可能である。他の態様においては、数、位置および/または構造が異なるキャビティ641および/またはウエイト部材630の使用を含め、他の加重構成が考えられる。
【0096】
図26〜35は、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、ゴルフアイアンの形態の打球装置700の例を示す。打球装置700は、打球ヘッド702と、打球ヘッド702に接続されそれから延びるシャフト704とを含む。
図26〜35の打球ヘッド702は、フェース712と、フェースの背後のボディ708と、それから延びるホーゼル709とを含むフェース部材728を含む。打球ヘッド702はまた、以下さらに説明するように、フェース部材728に接続されたウエイト部材730を有する。シャフト704はホーゼル709に接続され得、かつ上記のものを含む任意のシャフト構成ならびに任意の所望のホーゼルおよび/またはヘッド/シャフト相互接続構造を利用し得る。
【0097】
参照のために、フェース部材728は概して、トップ716、ボトムまたはソール718、ホーゼル709に近いヒール720、ホーゼル709から遠いトウ722、フロント
側724およびバックまたはリヤ側726を有する。ヘッド702の形状および設計は、装置700の所期の用途によって部分的に決められてもよい。
図26〜35に示すクラブ700において、クラブ700は、クラブタイプに依存しながらいくらかの程度のリフトおよびアーチ状の弾道でボールを短〜長距離に打つためのアイアンタイプクラブとしての使用のために設計されているため、ヘッド702は、かなりの程度の傾斜を有するフェース712を有する。他の態様においては、ヘッド702は、他のタイプのアイアン、ハイブリッドクラブ、チッパなどを含む異なるタイプの打球装置として構成されてもよいことが理解されよう。たとえば異なるタイプのゴルフクラブのための他の用途において、ヘッドは、異なる寸法および構成を有するように設計されてもよい。
【0098】
フェース712は、フェース部材728のフロント724に位置し、その上に位置する打球サーフェス710を有し、周縁713、715、717、719を有する。打球サーフェス710は、使用中にボールに面するように構成され、かつたとえばスイングによって装置700が動かされたとき、ボールを打つように適合されている。図示するように、打球サーフェス710はフェース712の大部分を占める。フェース712は、当技術分野において公知であり、かつ従来的であるように、トップ−ボトムおよび/またはヒール−トウ方向にいくらかの湾曲(たとえばバルジおよびロール特徴)を含んでもよく、かつまた、機能的なフェース溝721を含んでもよい。他の態様において、サーフェス710はフェース712の異なる割合を占めてもよいし、またはボディ708がその上に複数の打球サーフェス710を有してもよい。加えて、いくつかの態様において、フェース712は一つまたは複数の内部または外部インサートを有してもよい。
【0099】
フェース712、ボディ708および/またはホーゼル709は、単一のピースとして形成されることもできるし、または互いに接合される別々のピースとして形成されることもできることが理解されよう。
図26〜35に示す態様において、フェース712、ボディ708およびホーゼル709を含むフェース部材728は単一の一体ピースとして形成されている。他の態様において、フェース部材728は、たとえば、フェース712の全部もしくは一部を形成するためのインサートまたはフェース712の背後に接続された別個のボディ部材を使用することによって複数のピースで形成されてもよい。そのような複数のピースは、一体接合技術、たとえば溶接、セメンティングもしくは接着剤接合または解放可能な機械的係合技術のような多くの機械的接合技術を含む他の公知の技術を使用して接合され得る。さらに、ホーゼル709もまた、これらまたは他の技術を使用して接合され得る別個のピースとして形成されてもよい。
【0100】
図26〜35は、フェース部材728と、フェース部材728に接続されたウエイト部材730とを含む打球ヘッド702の態様を示す。これらの態様それぞれにおいて、ウエイト部材730は、上記のように、打球サーフェス710へのボールの衝突時、エネルギーおよび/または運動量をフェース部材728に伝達するように構成されている。ウエイト部材730は、上記のように、ウエイト部材730とフェース部材728との間のこのエネルギーおよび/または運動量の伝達を可能にするいくつかの異なる構成においてフェース部材728に接続され得る。いくつかのそのような構成を以下に説明し、かつ
図26〜35に示す。
図26〜35の態様それぞれにおいて、フェース部材728はリヤ側726にキャビティ741を有し、キャビティ741は、フェース712のリヤサーフェス731およびフェース712から後方に延びる壁725によって画定されている。
図26〜35に示す各態様において、ウエイト部材730は少なくとも部分的にキャビティ741の中に受けられる。他の態様において、ヘッド702はキャビティ741を含まなくてもよいし、および/またはウエイト部材730のどの部分もキャビティ741の中に受けられなくてもよい。さらに、さらなる態様において、ヘッド702は複数のキャビティおよび複数のウエイト部材730を含んでもよい。
図26〜33の態様は、ウエイト部材730とフェース部材728とを接続する接続部材750、754、755、758を含み、これらの態様における接続部材750、754、755、758は、
図8〜12の接続部材350、360に関して上述した機能のいずれかまたはすべてを果たすことができる。加えて、
図26〜33の態様の少なくともいくつかは、少なくとも部分的に弾性材料で形成された弾性部材740を有し得、そのような態様において、弾性部材740は上記任意のやり方で製造され得る。これらの態様はまた、上記のように、接続部材750、754、755、758を利用して、アセンブリ中に位置合わせ/位置決め機能を果たしてもよい。さらに、これらの態様における接続部材750、754、755、758は、ウエイト部材730の、角運動量を含む運動量をフェース部材728に伝達するように働くことができる。
【0101】
図26〜29は、フェース部材728および/またはウエイト部材730に接続された一つまたは複数の接続部材750によって形成された接続または接続点748によってフェース部材728に接続されたウエイト部材730を有するヘッド702を示す。
図26〜29の態様において、ヘッド702は、ウエイト部材730およびフェース部材728中の開口751、752を通過して延びてウエイト部材730をフェース部材728に接続するファスナ、たとえばスクリュー、ボルトなどの形態の接続部材750を含む。フェース部材728は、接続部材750に接続するための隆起した接続点753を含み、これが、開口752が打球サーフェス710の近くまで貫入しすぎる必要性を回避することができるが、別の態様において、この特徴は存在しなくてもよい。さらなる態様において、接続部材750は、フェース部材728またはウエイト部材730に永久的および/または一体的に接続されてもよい。
図26〜29の態様において、ウエイト部材730は、キャビティ741の中に完全または実質的に完全に受けられるように構成されており、ウエイト部材730の外縁(トップ縁770、ボトム縁771、ヒール縁736およびトウ縁737を含む)はキャビティ741の境界と同様に付形されている。加えて、ウエイト部材730は、フェース部材728の幅および高さよりも小さい横幅および垂直高を有し、それが、ウエイト部材730がキャビティ741の中に受けられることを可能にする。この態様において、ウエイト部材は複数の空隙またはギャップ773を中央に有し、これらが、内側ハブ775からリング状外側境界776まで放射状に延びる複数のスポーク774を画定する。この構成を使用して、たとえばウエイト部材730の重さをよりヘッド702の縁寄りに配分する、および/またはウエイト部材730の重さを減らすことにより、加重を制御することができる。ウエイト部材730のCGはハブ775に位置し得る。開口751、752は、本明細書に定義される接続部材とみなされ得ることが理解されよう。
【0102】
ウエイト部材730のCGとフェース部材728のCGとは、垂直方向、横方向または両方に整合され得る。一つの態様において、接続部材750は、ウエイト部材730のCGおよび/またはフェース部材728のCGと直接的に整合され得る。別の態様において、接続部材750は、ウエイト部材730のCGおよび/またはフェース部材728のCGの垂直または横方向面と整合され得る。さらに、ウエイト部材730は、フェース712の打球サーフェス710に対して平行または実質的に平行であり得る。この構成において、接続部材750がフェース部材728のCGおよびウエイト部材730のCGと整合している場合、ウエイト部材730は、打球サーフェス710へのオフセンター衝突時、中心または最適な衝突点から衝突が離れる距離に基づいて漸増的により多くのエネルギーおよび/または運動量を伝達するように構成され得る。加えて、この態様における接続部材750は、フェース部材728のヒール縁およびトウ縁720、722からほぼ等距離ならびにウエイト部材730のヒール縁およびトウ縁736、737からほぼ等距離に位置する。同じことが、
図31〜33のヘッド702の接続部材754、755、758にも当てはまる。さらなる態様において、ウエイト部材730は、
図1〜3のヘッド102に関して上述したように、総重量またはヘッド702の総重量に対する重さを有し得る。
【0103】
ウエイト部材730は、同じく上記のように、オフセンター衝突を含むフェース712への衝突時、エネルギーおよび/または運動量をフェース部材728に伝達するように構成され得る。上記のように、ウエイト部材730の運動量が弾性部材740を圧縮し、弾性部材740をしてフェース部材728に反発力を加えさせて、この運動量伝達を達成する。弾性部材740は、圧縮後の膨張を通して反発力の少なくとも一部分をフェース部材728に加え得る。ウエイト部材730は、この運動量伝達の過程において衝突点の方向にわずかに撓んで弾性部材740を圧縮し得る。この態様において、フェース712のヒール側を中心とする(すなわち、ヒール縁717寄りの)ボールのオフセンター衝突時、フェース部材728のヒール720が後方に撓む傾向を示す。別の例として、フェース712のトウ側を中心とする(すなわち、トウ縁719寄りの)ボールのオフセンター衝突時、フェース部材728のトウ722が後方に撓む傾向を示す。フェース部材728のヒール720またはトウ722が後方に撓み始めると、ウエイト部材730の前進運動量の少なくともいくらかがフェース部材728に伝達されてこの撓みに抵抗する。加えて、ウエイト部材730は、フェース部材728のCGよりも高いまたは低いところへの衝突の結果として撓むようにも構成され得る。たとえば、フェース712のトップ縁713寄りを中心とするボールのオフセンター衝突時、フェース部材728のトップが後方に撓む傾向を示す。別の例として、フェース712のボトム縁715寄りを中心とするボールのオフセンター衝突時、フェース部材728のボトムが後方に撓む傾向を示す。フェース部材728のトップまたはボトムが後方に撓み始めると、ウエイト部材730の前進運動量の少なくともいくらかがフェース部材728に伝達されてこの撓みに抵抗する。フェース部材728とウエイト部材730との間のこの接続は、
図1〜3および5〜7のヘッド102、202に関して上述したように、ウエイト部材730とフェース部材728との間のエネルギーおよび/または運動量のこの伝達を可能にするか、または少なくとも阻止しない。
【0104】
図26〜29のヘッド702はまた、上記弾性部材140、240の任意の構成または性質を有する弾性部材740を含み得る。一つの態様において、弾性部材740はウエイト部材730とフェース部材728との間の空間742を少なくとも部分的に満たし、弾性部材740の少なくとも一部はフェース部材728のCGおよび/またはウエイト部材730のCGの両側に含まれる。弾性部材740の少なくとも一部はまた、フェース部材728のCGおよび/またはウエイト部材730のCGの垂直方向両側に含まれてもよい。
図28〜29に示すように、この態様において、弾性部材740はウエイト部材730とフェース部材728のリヤサーフェス731との間の空間742を完全に満たす。別の態様において、弾性部材740は空間742を部分的に満たしてもよい。弾性部材740は、衝突時、たとえば上記やり方でウエイト部材730とフェース部材728との間でエネルギーおよび/または運動量を伝達するように働き得る。
【0105】
図30は、フェース部材728が、
図4に示すヘッド102に関して上述したようなチャネル746を含む、
図26〜29の打球ヘッド702の代替態様を示す。
図30に示すチャネル746は、
図31〜35の態様を含む、本明細書に記載される任意の他の態様と関連して使用されてもよいことが理解されよう。
【0106】
図31は、
図26〜29の態様に関して上述したようなアイアンタイプ打球ヘッド702の別の態様を示す。
図31の態様において、ウエイト部材730は、ウエイト部材730をフェース部材728に接続するために、たとえば
図31に示すような溶接によってフェース部材728のリヤサーフェス731に接続されるように構成されているポストの形態の接続部材754を含む。または、ろう付けまたははんだ付けのような一体接合技術ならびに接着剤または他の結合技術、機械的接合技術などを含む他の技術を使用して接続部材754をフェース部材728に接続してもよい。他の点において、
図31のヘッド702のコンポーネント、特徴、構造および機能は、
図26〜29に関して上述したものに類似している。
【0107】
図32は、
図26〜29の態様に関して上述したようなアイアンタイプ打球ヘッド702の別の態様を示す。
図32の態様において、ウエイト部材730は、ウエイト部材730をフェース部材728に接続するために、フェース部材728のリヤサーフェス731上のソケット757に接続され、かつその中に受けられるように構成されているボール端756を有するピンの形態の接続部材755を含む。他の点において、
図31のヘッド702のコンポーネント、特徴、構造および機能は、
図26〜29に関して上述したものに類似している。ソケット757および開口751もまた、本明細書に定義される接続部材であるとみなされ得ることが理解されよう。
【0108】
図33は、
図26〜29の態様に関して上述したようなアイアンタイプ打球ヘッド702の別の態様を示す。
図33の態様において、ウエイト部材730は、ウエイト部材730をフェース部材728に接続するために、フェース部材728のリヤサーフェス731上の受け部760に接続され、かつその中に受けられるように構成されているタブ759を端部の近くに有するピンの形態の接続部材758を含む。この態様において、受け部760は、ピン758を受け部760に挿入し、回転させてタブ759をスロット761中で固定することを可能にするための、直角のスロット761であってもよいスロット761を含む。他の点において、
図33のヘッド702のコンポーネント、特徴、構造および機能は、
図26〜29に関して上述したものに類似している。受け部760および開口751もまた、本明細書に定義される接続部材であるとみなされ得ることが理解されよう。
【0109】
図34〜35は、
図26〜29の態様に関して上述したようなアイアンタイプ打球ヘッド702の別の態様を示す。
図34〜35の態様において、ウエイト部材730は、同様に上述し、かつ
図1〜3に示すように、弾性部材740によってフェース部材728のリヤサーフェス731に接続されている。上記のように、弾性部材740をフェース部材728および/またはウエイト部材730に接続するために、接着剤または他の結合材を使用し得る。追加的または代替的に、機械的接合技術、一体接合技術または他の接合技術を使用して弾性部材740をフェース部材728および/またはウエイト部材730に接続してもよい。他の点において、
図34〜35のヘッド702のコンポーネント、特徴、構造および機能は、
図26〜29に関して上述したものに類似している。
【0110】
図36〜41は、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、ゴルフドライバの形態の打球装置800の例を示す。打球装置800は、打球ヘッド802と、打球ヘッド802に接続され、かつそれから延びるシャフト804とを含む。
図36〜41の打球ヘッド802は、その上に位置する打球サーフェス810を有するフェース812と、打球サーフェスとは反対側のリヤサーフェス831とを含むフェース部材828を含む。ヘッド802はさらに、フェース812に接続され、かつフェース812から後方に延びるボディ808と、ヘッド802から延びるホーゼル809とを含む。ボディ808とフェース812とが合わさって、空であってもよいし、または発泡体もしくは別の材料のような材料で少なくとも部分的に満たされてもよい内部キャビティ811を画定する。打球ヘッド802はまた、以下さらに説明するように、フェース部材828に接続されたウエイト部材830を有する。シャフトはホーゼル809に接続され得、上記のものを含む任意のシャフト構成ならびに任意の所望のホーゼルおよび/またはヘッド/シャフト相互接続構造を利用し得る。
【0111】
参照のために、ヘッド802は概して、トップ816、ボトムまたはソール818、ホーゼル809に近いヒール820、ホーゼル809から遠いトウ822、フロントウ側824およびバックまたはリヤ側826を有する。ヘッド802の形状および設計は、装置800の所期の用途によって部分的に決められてもよい。
図36〜41に示すクラブ800において、クラブ800は、クラブタイプに依存しながらいくらかの程度のリフトおよびアーチ状の弾道でボールを中〜長距離に打つためのウッドタイプクラブとしての使用のために設計されているため、ヘッド802は、いくらかの程度の傾斜を有するフェース812を有する。ヘッド802は、フェアウェイウッド、ハイブリッドクラブなどを含む他のタイプのウッドを含む、他の態様における異なるタイプの打球装置として構成されてもよいことが理解されよう。たとえば異なるタイプのゴルフクラブのための他の用途において、ヘッドは、異なる寸法および構成を有するように設計されてもよい。
【0112】
フェース812は、ヘッド802のフロント824に位置し、その上に位置する打球サーフェス810を有し、周縁813、815、817、819を有する。打球サーフェス810は、使用中にボール106に面するように構成され、たとえばスイングによって装置800が動かされたとき、ボール106を打つように適合されている。図示するように、打球サーフェス810はフェース812の大部分を占める。フェース812は、当技術分野において公知であり、かつ従来的であるように、トップ−ボトムおよび/またはヒール−トウ方向にいくらかの湾曲(たとえばバルジおよびロール特徴)を含み得る。他の態様において、サーフェス810はフェース812の異なる割合を占めてもよいし、またはボディ808がその上に複数の打球サーフェス810を有してもよい。加えて、いくつかの態様において、フェース812は一つまたは複数の内部または外部インサートを有してもよい。
【0113】
フェース812、ボディ808および/またはホーゼル809は、単一のピースとして形成されることもできるし、または互いに接合される別々のピースとして形成されることもできることが理解されよう。
図36〜41に示す態様において、フェース部材828は、フェース812と、フェース812から後方に延びてボディ808に接続する壁825とを有するカップフェース構造として形成されている。この態様におけるフェース812および壁825は、フェース812の背後にキャビティ841を画定するとみなされ得る。他の態様において、フェース部材828および/またはボディ808は、たとえば、フェース812の全部もしくは一部を形成するためのインサートまたはフェース812の背後に接続される複数のボディ部材を使用することによって複数のピースで形成されてもよい。そのような複数のピースは、一体接合技術、たとえば溶接、セメンティングもしくは接着剤接合または解放可能な機械的係合技術のような多くの機械的接合技術を含む他の公知の技術を使用して接合され得る。別の態様において、フェース部材828はプレート様部材であってもよい。さらに、ホーゼル809もまた、これらまたは他の技術を使用して接合され得る別個のピースとして形成されてもよい。
【0114】
図37は、フェース部材828および/またはウエイト部材830に接続された一つまたは複数の接続部材850によって形成された接続または接続点848によってフェース部材828に接続されたウエイト部材830を有するヘッド802を示す。
図37の態様において、ヘッド802は、ウエイト部材830およびフェース部材828中の開口851、852を通過して延びてウエイト部材830をフェース部材828に接続するファスナ、たとえばスクリュー、ボルトなどの形態の接続部材850を含む。フェース部材828は、接続部材850に接続するための隆起した接続点853を含み、これが、開口852が打球サーフェス810の近くまで貫入しすぎる必要性を回避することができるが、別の態様において、この特徴は存在しなくてもよい。さらなる態様において、接続部材850は、フェース部材828またはウエイト部材830に永久的および/または一体的に接続されてもよい。
図37の態様において、ウエイト部材830は
図26〜29のウエイト部材730と同様に構成され得、スポークおよびギャップ(図示せず)がその中に画定される。ウエイト部材830のCGはハブ875に位置し得る。開口851、852もまた、本明細書に定義される接続部材であるとみなされ得ることが理解されよう。
【0115】
図26〜29のヘッド702に関して同様に上述したように、ウエイト部材830のCGとフェース部材828のCGとは、垂直方向、横方向または両方に整合され得る。一つの態様において、接続部材850は、ウエイト部材830のCGおよび/またはフェース部材828のCGと直接的に整合され得る。別の態様において、接続部材850は、ウエイト部材830のCGおよび/またはフェース部材828のCGの垂直または横方向面と整合され得る。さらに、ウエイト部材830は、フェース812の打球サーフェス810に対して平行または実質的に平行であり得る。加えて、この態様における接続部材850は、フェース部材828のヒール縁およびトウ縁820、822からほぼ等距離かつウエイト部材830のヒール縁およびトウ縁(図示せず)からほぼ等距離に位置する。同じことが、
図38〜40のヘッド802の接続部材854、855、858にも当てはまる。さらなる態様において、ウエイト部材830は、
図1〜3のヘッド102に関して上述したように、総重量またはヘッド802の総重量に対する重さを有し得る。
【0116】
ウエイト部材830は、
図26〜29のウエイト部材730に関して同様に上述したように、オフセンター衝突を含むフェース812への衝突時、エネルギーおよび/または運動量をフェース部材828に伝達するように構成され得る。加えて、
図1〜3および5〜7のヘッド102、202に関して上述したように、フェース部材828とウエイト部材830との間の接続は、ウエイト部材830とフェース部材828との間のエネルギーおよび/または運動量のこの伝達を可能にするか、または少なくとも阻止しない。
【0117】
図37のヘッド802はまた、上記弾性部材140、240の任意の構成または性質を有する弾性材料で少なくとも部分的に形成された弾性部材840を含み得る。一つの態様において、弾性部材840は、ウエイト部材830とフェース部材828との間の空間842を少なくとも部分的に満たし、弾性部材840の少なくとも一部は、フェース部材828のCGおよび/またはウエイト部材830のCGの横方向両側に含まれる。弾性部材840の少なくとも一部はまた、フェース部材828のCGおよび/またはウエイト部材830のCGの垂直方向両側に含まれてもよい。
図37に示すように、この態様において、弾性部材840はウエイト部材830とフェース部材828のリヤサーフェス831との間の空間842を完全に満たす。別の態様において、弾性部材840は空間842を部分的に満たしてもよい。弾性部材840は、上記のように、衝突時、ウエイト部材830とフェース部材828との間でエネルギーおよび/または運動量を伝達するように働き得る。
【0118】
図38は、
図36〜37の態様に関して上述したようなウッドタイプ打球ヘッド802の別の態様を示す。
図38の態様において、ウエイト部材830は、ウエイト部材830をフェース部材828に接続するために、たとえば
図38に示すような溶接によってフェース部材828のリヤサーフェス831に接続されるように構成されているポストの形態の接続部材854を含む。または、ろう付けまたははんだ付けのような一体接合技術ならびに接着剤または他の結合技術、機械的接合技術などを含む他の技術を使用して接続部材854をフェース部材828に接続してもよい。他の点において、
図38のヘッド802のコンポーネント、特徴、構造および機能は、
図36〜37に関して上述したものに類似している。
【0119】
図39は、
図36〜37の態様に関して上述したようなウッドタイプ打球ヘッド802の別の態様を示す。
図39の態様において、ウエイト部材830は、ウエイト部材830をフェース部材828に接続するために、フェース部材828のリヤサーフェス831上のソケット857に接続され、かつその中に受けられるように構成されているボール端856を有するピンの形態の接続部材855を含む。他の点において、
図39のヘッド802のコンポーネント、特徴、構造および機能は、
図36〜37に関して上述したものに類似している。ソケット857および開口851が、本明細書に定義される接続部材であるとみなされ得ることが理解されよう。
【0120】
図40は、
図36〜37の態様に関して上述したようなウッドタイプ打球ヘッド802の別の態様を示す。
図40の態様において、ウエイト部材830は、ウエイト部材830をフェース部材828に接続するために、フェース部材828のリヤサーフェス831上の受け部860に接続され、かつその中に受けられるように構成されているタブ859を端部の近くに有するピンの形態の接続部材858を含む。この態様において、受け部860は、ピン858を受け部860に挿入し、かつ回転させてタブ859をスロット861中で固定することを可能にするための、直角のスロット861であってもよいスロット861を含む。他の点において、
図40のヘッド802のコンポーネント、特徴、構造および機能は、
図36〜37に関して上述したものに類似している。受け部860および開口851もまた、本明細書に定義される接続部材であるとみなされ得ることが理解されよう。
【0121】
図41は、
図36〜37の態様に関して上述したようなウッドタイプ打球ヘッド802の別の態様を示す。
図41の態様において、ウエイト部材830は、同様に上述し、かつ
図1〜3に示すように、弾性部材840によってフェース部材828のリヤサーフェス831に接続されている。上記のように、弾性部材840をフェース部材828および/またはウエイト部材830に接続するために、接着剤または他の結合材を使用し得る。追加的または代替的に、機械的接合技術または他の接合技術を使用して弾性部材840をウエイト部材830および/またはフェース部材828に接続してもよい。加えて、この態様におけるヘッド802は、
図4に示すヘッド102に関して上述したように、ソール818を横切るチャネル846を含む。
図41に示すようなチャネル846は、
図36〜40の態様を含む、本明細書に記載される任意の他の態様に関連して使用されてもよいことが理解されよう。他の点において、
図41のヘッド802のコンポーネント、特徴、構造および機能は、
図36〜37に関して上述したものに類似している。
【0122】
別段記されない限り、打球装置100(他の番号は省略)、ヘッド102(他の番号は省略)、フェース部材128(他の番号は省略)、ウエイト部材130(他の番号は省略)および本明細書に記載される他のコンポーネントのいずれが、構造的特徴、機能的特徴および/または性質を含む、本明細書に記載される他の態様に関して本明細書に記載された特徴のいずれを含んでもよいことが理解されよう。本明細書に記載される打球装置100(他の番号は省略)およびヘッド102(他の番号は省略)の様々なコンポーネントの具体的なサイズ、形状、配向および位置は単なる例であり、これらの特徴または性質のいずれかが他の態様において変えられてもよいことが理解されよう。特に、フェース部材128(他の番号は省略)とウエイト部材130(他の番号は省略)とを接続するために、図示し、かつ本明細書に記載する接続部材または構造のいずれかが、本明細書に示される任意の構造と関連して使用されてもよい。
【0123】
本明細書に開示される特徴を組み込むヘッド102(他の番号は省略)は、打球装置またはその一部として使用され得る。たとえば、
図1に示すゴルフクラブ100は、シャフトまたは取っ手104を、提供されるヘッド、たとえば上記ヘッド102に取り付けることによって製造され得る。別の例として、
図1に示すようなゴルフクラブ100は、ウエイト部材130を、提供されるフェース部材、たとえば上記フェース部材128に取り付けることによって製造され得る。本明細書において使用される、ヘッドを「提供する」とは、広い意味で、物品を、その物品に対して実施される将来の動作のために利用可能またはアクセス可能にすることをいい、その物品を提供する当事者がその物品を製造、生産または供給したということ、またはその物品を提供する当事者がその物品の所有権または管理権を有するということを意味するわけではない。他の態様においては、本明細書に記載される原理にしたがって様々なタイプの打球装置を製造することができる。一つの態様において、クラブの少なくとも一つが本明細書に記載される一つまたは複数の態様のヘッドを有する、ゴルフクラブのセットを製造することができる。そのようなセットは、少なくとも一つのウッドタイプクラブ、少なくとも一つのアイアンタイプクラブおよび/または少なくとも一つのパターを含み得る。たとえば、各クラブが異なるロフト角を有し、各クラブが、上述し、かつ
図26〜35に示すヘッド702を有する、アイアンタイプゴルフクラブのセットを提供することができる。クラブのセットはさらに、各クラブが、上述し、かつ
図36〜41に示すヘッド802を有する、異なるロフト角を有し得る一つまたは複数のウッドタイプクラブを含んでもよい。クラブのセットはさらに、各クラブが、上述し、かつ
図1〜25に示すヘッド102、202、302、402、502を有する、一つまたは複数のパターを含んでもよい。セット中の様々なクラブは、クラブのロフト角に基づいて形状、サイズ、位置、配向などがわずかに異なり得るウエイト部材130(他の番号は省略)を有し得る。また、様々なクラブが、クラブのタイプおよびロフト角のような特性に基づいて異なり得る追加重量または重量配分(CG位置を含む)を有し得る。
【0124】
様々なウエイト部材130(他の番号は省略)ならびにその様々な位置、配向および接続が、オフセンター衝突を含む打球サーフェス110(他の番号は省略)への衝突時、様々なエネルギーおよび/または運動量伝達を生じさせ得る。加えて、様々なウエイト部材130(他の番号は省略)ならびにその様々な位置、配向および接続が、フェース112(他の番号は省略)へのボール衝突の位置に依存して様々な効果を生じさせ得る。したがって、ユーザの打球特性、たとえば一般的な打球パターンまたはスイング速度に基づいてその形状、サイズ、位置、配向などの少なくとも一つが構成されている、ウエイト部材130(他の番号は省略)を備えた上記のようなヘッドをクラブに提供することにより、一つまたは複数のクラブを特定のユーザのためにカスタマイズすることができる。カスタマイズはまた、ウエイト部材130(他の番号は省略)の特性およびユーザの打球特性にしたがって加重を加える、または調節することを含み得る。カスタマイズのためのさらなる技術を含め、なおさらなる態様および変形が可能である。
【0125】
本明細書に記載される打球装置は、スイングまたは他のやり方でヘッド102(他の番号は省略)を動かしてボールをフェース112(他の番号は省略)の打球サーフェス110(他の番号は省略)で打つことによってボールまたは他の物体を打つためにユーザによって使用され得る。打球動作中、フェース112(他の番号は省略)はボールに衝突し、衝突時、上記任意のやり方で一つまたは複数のウエイト部材130(他の番号は省略)がエネルギーおよび/または運動量をフェース112(他の番号は省略)に伝達し得る。一つの態様において、ウエイト部材130(他の番号は省略)は、衝突が所望の衝突点(たとえばCG)から離れるにつれ漸増的に大きなエネルギーおよび/または運動量を伝達し得る。以下に記すように、本明細書に記載される装置は、この方法または匹敵しうる方法で使用される場合、他の打球装置に比べてより一貫したボール移動の精度および距離を達成することにおいてユーザを支援し得る。
【0126】
本明細書に記載されるウエイト部材を有する打球ヘッドの様々な態様は、打球サーフェスへの衝突時、エネルギーおよび/または運動量伝達を提供することができ、それが、特にオフセンター衝突時、打球フェースをボールと一緒によりスクエアに維持することを支援することができ、それが他方で、より正確なボール方向を提供することができる。加えて、フェース部材へのエネルギーおよび/または運動量伝達は、オフセンター衝突時のエネルギー損失を減らす、または最小限にすることができ、より一貫したボール速度および距離を生じさせる。エネルギーおよび/または運動量伝達は、所望の、または最適な衝突点から衝突が離れる距離に基づいて漸増的であり得る。さらに、弾性部材は、センター衝突(たとえば、フェースの中心点および/またはCGと整合した)時にいくらかのエネルギー吸収または減衰を達成し得、ボール速度および距離を減らして、フェース上の任意の位置における衝突の場合、より一貫したボール速度および距離を生じさせる。上記ヘッドによって達成することができる、オフセンターヒット時のエネルギー損失の減少、オフセンターヒット時のフェースのねじれの減少および/またはセンターヒット時のエネルギー伝達の減少の結果として、フェース上の様々な位置における衝突の場合、同じタイプの一般的な打球ヘッドに比較して、横方向分散および距離分散の両方におけるより大きな一貫性を達成することができる。本明細書に記載される打球ヘッドはまた、弾性材料を介して衝突エネルギーの散逸を提供することができ、それがクラブヘッドの振動を減らすことができ、かつユーザにとっての感触を改善し得る。なおさらなる恩典が当業者によって認識され、かつ理解されることができる。
【0127】
二つの市販のマレットタイプパター、二つの市販のブレードタイプパターおよび
図20Aに示すヘッド502に類似したプロトタイプを含む、ゴルフパターの形態の五つの異なる打球装置を使用して分散試験を実施した。分散試験は概して、各パターを用い、機械的スイング機構を一貫したスイング速度で利用して、フェース上の様々な位置で衝突を生じさせながら多数のボールを打つことを含むものであった。衝突位置は、センター、ヒール、トウおよびハイセンターであった。様々なパターによって打たれたボールの最終位置を記録し、得られたボール位置のすべて(極端な異常値は除く)を囲い込む楕円の全面積/体積(Cv)を計算した。マレット#1の場合、Cvは63.2であると計算され、マレット#2の場合、Cvは61.1であると計算され、ブレード#1の場合、Cvは57.8であると計算され、ブレード#2の場合、Cvは50.1であると計算され、プロトタイプの場合、Cvは35.7であると計算された。
プロトタイプが、いくつかの異なるフェース位置における衝突に関し、本明細書に記載される特徴を利用しない既存のパターに比較して、はるかに一貫した精度および距離を示した。上記他の例および態様が、試験されたプロトタイプに類似する原理および機能を利用し、本明細書に記載される他の態様に関して類似した結果が予想される。
【0128】
本発明を実施する好ましい形態を含む具体例に関して本発明を説明したが、当業者は、上記システムおよび方法の数多くの変形および置換があることを理解するであろう。したがって、本発明の真意および範囲は、特許請求の範囲に述べられるように広義に解釈されるべきである。