(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記パルス幅変調部は、上記サブフレームが分割された各周期を、複数色の光源が点灯する上記特定期間と、上記複数の光源のうち少なくとも一つが消灯する上記非特定期間とに分割する割合を調整可能となるようにパルス信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
上記パルス幅変調部は、上記サブフレームが分割された各周期を、複数色の光源が点灯する上記特定期間と、上記複数の光源のうち少なくとも一つが消灯する上記非特定期間に分割するサブフレーム内での期間の割合の調整をサブフレーム毎に異ならせるように分割
することを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
上記バックライトは、表示フレーム期間内のいずれかのサブフレームにおいて、上記複数の光源を用いて2色以上の発光を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0022】
<液晶表示装置の全体図>
図1は、本発明の液晶表示装置101の構成を表すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、液晶表示装置101は、映像信号受信部1と、映像信号処理部2と、液晶パネルコントローラー3と、液晶パネル4と、LEDコントローラー10と、LEDバックライト(バックライト)5とを備えている。LEDコントローラー10は、処理制御部11と、パルス幅変調部20と、LEDドライバー制御部(周期分割手段)13とを備えている。
【0024】
液晶パネル4は、カラーフィルタを備えていない液晶パネルである。
【0025】
LEDバックライト5は、第1色として赤色光を発光するLED(光源)5Rと、第2色として緑色光を発光するLED(光源)5Gと、第3色として青色光を発光するLED(光源)5Bと、各LED5R・LED5G・LED5Bの駆動を制御するLEDドライバー5aとを備えている。LED5R・5G・5Bはそれぞれ複数個平面状に配されている。
【0026】
液晶表示装置101は、フィールドシーケンシャル方式によるカラー表示を行うと共に、バックライトを表示エリア毎に制御(エリアアクティブ駆動制御)するようになっている。このため、液晶パネル4に使用される液晶は、フィールドシーケンシャル方式に好適な応答速度の速い強誘電性液晶が用いられ、バックライトとしては、発光素子としての発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いたLEDバックライト5が用いられている。
【0027】
映像信号受信部1は、外部から入力された映像信号を受け取り処理するものである。映像信号受信部1には、映像信号として、図示しないアンテナなどから表示画像での表示色を示す色信号、画素単位の輝度を輝度信号、及び同期信号などを含んだ複合映像信号が入力される。そして、映像信号受信部1は、入力された複合映像信号を映像信号処理部2に出力する。
【0028】
映像信号処理部2は、複合映像信号を液晶パネル4用データと、LEDバックライト5の点灯用データとに分離処理するものである。映像信号処理部2は、映像信号受信部1から出力された複合映像信号から、RGBの各表示階調値を示すRGBデータ信号や、同期信号(同期クロックCLK、水平同期信号HS、垂直同期信号VS)を生成する。
【0029】
映像信号処理部2は、さらに、1フレームを複数のサブフレームに分割して、複数のサブフレームを生成する。例えば、1フレームを60Hzとすると、4つのサブフレームに分割した場合の1つのサブフレームは240Hzとなる。
【0030】
このように、映像信号処理部2は、1フレームを複数のサブフレームに分割し、当該複数に分割されたサブフレームによって、液晶パネル4に画像を表示させる。そして、後述するように、映像信号処理部2が1フレームを複数に分割したサブフレーム単位で、LEDコントローラー10は、LED5R・5G・5Bの3原色を順次、適切な輝度で点灯させる。これにより、液晶表示装置101の低消費電力化を行うことができる。
【0031】
映像信号処理部2は、複数のサブフレーム毎に、液晶パネル4用のRGBデータ信号及び同期信号と、LEDバックライト5の点灯用のRGBデータ信号及び同期信号とを生成する。そして、映像信号処理部2は、液晶パネル4用のRGBデータ信号及び同期信号を液晶パネルコントローラー3に出力する。また、映像信号処理部2は、LEDバックライト5の点灯用のRGBデータ信号及び同期信号をLEDコントローラー10に出力する。
【0032】
液晶パネルコントローラー3は、映像信号処理部2から出力された液晶パネル4用のRGBデータ信号及び同期信号から、液晶の開口率(LCD開口率)を求め、液晶パネル4のソースドライバ(不図示)、ゲートドライバ(不図示)に対して、液晶パネル4を駆動するための指示信号を出力する。これにより、液晶パネル4は、サブフレーム毎に開口率が制御される。
【0033】
LEDドライバー制御部13は、映像信号処理部2からLEDコントローラー10に出力されたLEDバックライト5の点灯用のRGBデータ信号及び同期信号から、LED5R・LED5G・LED5Bそれぞれのパルス幅制御用の信号であるPWM変調値及びクロック信号GsClkを、各サブフレーム毎に生成して、パルス幅変調部20に出力するものである。
【0034】
PWM変調値は、1サブフレームがさらに複数の周期に分割され、当該分割された周期でのLED5R・LED5G・LED5Bそれぞれのデューティーである。クロック信号GsClkは、1サブフレームがさらに複数の周期に分割された分割数に、1サブフレームの周波数を乗算した周波数で出力されるクロック信号である。LEDドライバー制御部13の構成については後述する。
【0035】
パルス幅変調部20は、LEDドライバー制御部13が分割した周期毎にLED5R・LED5G・LED5Bが重畳して発光するように、LED5R・LED5G・LED5Bのそれぞれを発光させるパルス信号を生成するものである。
【0036】
そして、パルス幅変調部20は、クロック発振部17から出力された各色毎のPWM変調用信号であるクロック信号GsClkと、LEDドライバー制御部13から出力されたLED5R・LED5G・LED5BそれぞれのPWM変調値とから、サブフレーム毎のLED5R・LED5G・LED5BそれぞれのPWM信号であるPWMR信号、PWMG信号、PWMB信号を生成する。そして、パルス幅変調部20は、生成したPWMR信号、PWMG信号、PWMB信号を処理制御部11に出力する。このパルス幅変調部20については後述する。
【0037】
処理制御部11は、LEDバックライト5用のインターフェースである。処理制御部11は、パルス幅変調部20からのPWMR信号、PWMG信号、PWMB信号をLEDバックライト5の点灯用の信号に変換し、当該変換した信号をLEDドライバー5aに出力することで、各LED5R・LED5G・LED5Bそれぞれの点灯を制御する。
【0038】
以上のように、液晶表示装置101では、LEDバックライト5に対して、液晶パネル4に表示する映像信号に応じたエリアアクティブ駆動を行う。
【0039】
<LEDドライバー制御部13及びパルス幅変調部20の説明>
次に、
図2を用い、LEDドライバー制御部13及びパルス幅変調部20の詳細について説明する。
【0040】
図2は、LEDドライバー制御部13及びパルス幅変調部20の構成を表すブロック図である。
【0041】
LEDドライバー制御部13は、デューティー算出部14と、周期分割部(周期分割手段)15と、PWM変調値算出部16と、クロック発振部17とを備えている。
【0042】
パルス幅変調部20は、各色毎に、デューティー設定レジスタ21と、カウンター回路22と、比較器23と、AMP24とを備えている。
【0043】
すなわち、デューティー設定レジスタ21は、LED5R制御用のデューティー設定レジスタ21Rと、LED5G制御用のデューティー設定レジスタ21Gと、LED5B制御用のデューティー設定レジスタ21Bとからなる。また、カウンター回路22、比較器23、AMP24も同様に、それぞれLED5R制御用、LED5G制御用、LED5B制御用のカウンター回路22R・22G・22B、比較器23R・23G・23B、AMP24R・24G・24Bからなる。なお、AMP24R・24G・24Bは、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
【0044】
デューティー算出部14は、映像信号処理部2からLEDコントローラー10に出力されたLEDバックライト5の点灯用のRGBデータ信号及び同期信号から、エリアアクティブ駆動するためのLED5R・LED5G・LED5Bそれぞれのデューティー(Duty:発光率)をサブフレーム毎に求める。デューティー算出部14は、求めたサブフレーム毎のLED5R・LED5G・LED5BそれぞれのデューティーをPWM変調値算出部16に出力する。
【0045】
周期分割部15は、映像信号処理部2からLEDコントローラー10に出力されたLEDバックライト5の点灯用のRGBデータ信号及び同期信号から、1サブフレームをさらに、複数(例えば4つ)の周期に均等に分割する。
【0046】
なお、1サブフレームを複数の周期に分割する個数は2以上であればよい。また、複数の周期への分割数が多いほど、より、本発明の効果を得ることができるが、ハードウェアとしての処理速度が要求されることになる。
【0047】
また、1サブフレームの複数の周期への分割数は、工場出荷時などに、予め、一定の個数となるように設定しておいてもよいし、1サブフレームのデューティーに応じて1サブフレームの分割個数を変更するように設定してもよい。さらに、各色毎とも同じ分割個数にしてもよいし、各色毎に分割個数を変更してもよい。
【0048】
そして、周期分割部15は、1サブフレームの分割した個数(分割数)をPWM変調値算出部16及びクロック発振部17に出力する。
【0049】
PWM変調値算出部16は、デューティー算出部14から出力されたサブフレーム毎のLED5R・LED5G・LED5Bそれぞれのデューティーと、周期分割部15から出力された1サブフレームの分割数とから、当該分割した周期毎にLED5R・LED5G・LED5Bそれぞれのデューティーを割り当てる。そして、PWM変調値算出部16は、周期毎に割り当てたLED5R・LED5G・LED5Bのデューティーを、PWM変調値(例えば0〜4095の値)として各デューティー設定レジスタ21(デューティー設定レジスタ21R・21G・21B)に出力する。
【0050】
クロック発振部17は、一定周期のクロック信号を出力するものである。クロック発振部17は、予め設定された1サブフレームの周波数(例えば240Hz)に、周期分割部15から出力された1サブフレームの分割数を乗算した周波数のクロック信号を、クロック信号GsClkとして、各カウンター回路22(カウンター回路22R・22G・22B)に出力する。
【0051】
デューティー設定レジスタ21(21R・21G・21B)は、PWM信号をHigh又はLowとするタイミングを比較器23に指示するものである。デューティー設定レジスタ21は、PWM変調値算出部16から出力されたPWM変調値を取得すると、所定のタイミングで、PWM変調値毎にPWM信号をHigh出力またはLow出力にする指示を表すハイ・ロウ指示信号を比較器23(23R・23G・23B)に出力する。
【0052】
デューティー設定レジスタ21が、比較器23にハイ・ロウ指示信号を出力するタイミングは、1サブフレームの最初にまとめて比較器23に出力してもよいし、各周期毎に比較器23に出力してもよい。
【0053】
カウンター回路22(22R・22G・22B)は、クロック発振部17から出力されたクロック信号GsClkのパルスをカウントし、当該カウント数を比較器23(23R・23G・23B)に出力する。
【0054】
比較器23は、デューティー設定レジスタ21から出力されたPWM変調値毎にPWM信号をHigh(ハイ)またはLow(ロウ)出力にする旨のハイ・ロウ指示信号と、カウンター回路22から出力されたカウント数とを取得する。比較器23は、カウンター回路22から出力されたカウント数が、デューティー設定レジスタ21から出力されたハイ・ロウ指示信号が示す値になると、LED5R・LED5G・LED5Bを点灯(ON(オン))又は消灯(OFF(オフ))するためのHigh(ハイ)またはLow(ロウ)のPWM信号をAMP24(24R・24G・24B)に出力する。
【0055】
AMP24は、比較器23から出力されたHigh(ハイ)またはLow(ロウ)のPWM信号を増幅して、後段の処理制御部11を介して、LEDバックライト5に出力する。
【0056】
これにより、LED5R・LED5G・LED5Bの点灯又は消灯のタイミングを制御することができる。
【0057】
このように、液晶表示装置101によると、フィールドシーケンシャル方式によるカラー表示を行うので、液晶パネル4にカラーフィルタを設ける必要がない。これにより、液晶パネル4の透過率を向上させることができる。また、LEDバックライト5により、RGBの3原色を順次、複数のサブフィールド単位で適切な輝度で点灯させることにより、低電力化を図ることできる。液晶表示装置101では、複数に分割されたサブフレームをさらに、複数の周期に分割する。そして、各周期毎にRGBが重畳して発光するように、パルス幅変調部20がパルス幅変調を行うことで、サブフレーム毎に、適切な輝度の制御を実現している。
【0058】
また、パルス幅変調部20は、各色ごとの複数段の回路を備えているので、LED5R・LED5G・LED5Bそれぞれのパルス幅変調処理を並列で処理することができる。このため、LED5R・LED5G・LED5Bのパルス幅変調に要する時間を短縮することができる。
【0059】
また、パルス幅変調部20は、各色毎の複数段の回路を備えるものとして説明したが、
図12に示すパルス幅変調部20aのように、1段のみの回路から構成されていてもよい。
【0060】
図12は、LEDドライバー制御部13及び他のパルス幅変調部20aの構成を表すブロック図である。
【0061】
パルス幅変調部20aは、デューティー設定レジスタ21aと、カウンター回路22aと、比較器23aと、AMP24aとの各回路を備えている。
【0062】
このように、パルス幅変調部20aを1段の回路から構成してもよい。この場合パルス幅変調部20aは、1段の回路からなるので、各LED(LED5R・LED5G・LED5B)の点灯制御のための処理を、サブフレーム毎に、各色ごとに、順次、パルス幅変調を行っていく。
【0063】
このように、パルス幅変調部20aを1段の回路から構成することで、パルス幅変調部20のように、複数段の回路からなる場合と比べて、コストダウンを行うことができる。
【0064】
<パルス幅変調について>
次に、
図3〜6を用いてパルス幅変調について説明する。
【0065】
まず、
図3を用い、1サブフレームを複数の周期に分割しない場合について説明する。
【0066】
図3は、1サブフレームの各信号を説明する図である。
【0067】
図3に示すように、垂直同期期間Vsのクロック間隔(1サブフレームにおけるLCD開口期間)が240Hz(約4ms)であるとする。すると、クロック発振部17からカウンター回路22に出力するクロック信号GsClkのクロック間隔も、垂直同期期間Vsのクロック間隔に合わせて、240Hz(約4ms)とする。
【0068】
そして、1サブフレーム内で調光する場合、クロック信号GsClkの240Hz時間(約4ms)間隔のクロックを4096カウントすることで、デューティー100%となるとする。
【0069】
つまり、1サブフレームを複数の周期に分割していない場合、例えば、デューティー100%でLED5Gを発光させる場合、PWM変調値算出部16は、1サブフレームのカウント数である値4096をPWM変調値としてデューティー設定レジスタ21Gに出力する。
【0070】
デューティー設定レジスタ21Gは、PWM変調値算出部16から4096の値を示すPWM変調値を取得すると、1カウント目でHigh出力とし、4096カウント目でLow出力とする旨の信号を比較器23Gに出力する。
【0071】
比較器23Gは、カウンター回路22Gから出力されるカウント数で、1カウント目を取得するとPWM信号(PWMG信号)出力としてHighを出力する。そして比較器23Gは、カウンター回路22Gから4096カウント目を取得すると、PWM信号(PWMG信号)出力としてLowを出力する。このようにして、比較器23Gから、デューティー100%の信号としてPWM信号(PWMG信号)が、AMP24Gへ出力される。そして、AMP24Gに出力されたPWM信号(PWMG信号)は、AMP24Gで増幅されて、処理制御部11、及びLEDドライバー5aを介して、LED5Gに出力され、LED5Gの点灯又は消灯が制御される。
【0072】
このように、デューティー100%(1サブフレーム内)で各LED5R・5G・5Bを点灯させるには、比較器23がHigh出力してから、Low出力するまでの周波数(期間)は、240(Hz)×4096(カウント)=983040(Hz)で約1MHzとなる。
【0073】
また、同様にして、例えば、1サブフレーム内でデューティー10%とするには、カウンター回路22がクロック信号GsClkのクロックを409カウントすると、比較器23は、PWM信号の出力をHighからLowへと変更する。
【0074】
次に、
図4〜
図6を用いて、1サブフレームを複数の周期に分割する場合のPWM信号の生成方法について説明する。
【0075】
図4は、デューティー100%、50%、25%の場合の各PWM信号の生成方法を説明する図である。
【0076】
図4に示すように、本発明では、1サブフレームをさらに分割し、当該分割した周期内でクロック信号GsClkのクロック数をカウントすることで、LED5R・LED5G・LED5Bのデューティーを制御する。本実施の形態では、1サブフレームを、4分割するものとする。
【0077】
図4に示すように、1サブフレームを4分割した周期のうちの、最初の周期を周期1、周期1の次の期間の周期を周期2、周期2の次の期間の周期を周期3、周期3の次の期間の周期を周期4とする。
【0078】
1サブフレームを4分割しているので、1周期をカウントのためのクロック信号GsClkのクロック周波数は、240(Hz)×4096(カウント)×4=3932160(Hz)で約4MHzとなる。
【0079】
つまり、1サブフレームを4分割すると、クロック信号GsClkのクロック周波数も4倍となる。このように、クロック信号GsClkのクロック周波数は、1サブフレームを分割しない場合のクロック周波数に、1サブフレームを複数の周期に分割した個数を乗算した値である。
【0080】
なお、
図3を用いて説明した1サブフレームを分割しない場合のPWM信号の生成方法と、
図4に示す1サブフレームを分割する場合のPWM信号の生成方法とでの主な違いは、クロック信号GsClkのクロック周波数である。このため、パルス幅変調部20のハードウェアの構成自体は、両方法とも同様の構成で実現することができる。
【0081】
周期1は、1カウント目から4096カウント目までの周期である。周期2は、4097カウント目から8192(4096×2)カウント目までの周期である。周期3は、8193カウント目から12288(4096×3)カウント目までの周期である。周期4は、12289カウント目から16384(4096×4)カウント目までの周期である。
【0082】
PWMG信号出力は、比較器23GからLED5Gに対して出力されるPWM信号の出力の様子を表し、LED5Gを1サブフレーム内でデューティー100%で点灯する場合のPWM信号の出力の様子を表している。PWMG信号出力のうち、High(ハイ)出力でLED5Gが点灯し、Low(ロウ)出力でLED5Gが消灯する。
【0083】
PWMR1信号出力は、比較器23RからLED5Rに対して出力されるPWM信号の出力の様子を表し、LED5Rを1サブフレーム内でデューティー50%で点灯する場合のPWM信号の出力の様子を表している。PWMR1信号出力のうち、High(ハイ)出力でLED5Rが点灯し、Low(ロウ)出力でLED5Rが消灯する。
【0084】
PWMB1信号出力は、比較器23BからLED5Bに対して出力されるPWM信号の出力の様子を表し、LED5Bを1サブフレーム内でデューティー25%で点灯する場合のPWM信号の出力の様子を表している。PWMB1信号出力のうち、High(ハイ)出力でLED5Bが点灯し、Low(ロウ)出力でLEDBが消灯する。
【0085】
1サブフレームを複数の周期に分割した各周期1〜4でのLED5G・5R・5Bそれぞれのデューティーは、1サブフレームに割り当てられたLED5G・5R・5Bそれぞれのデューティーである。
【0086】
PWMG信号出力に示すように、デューティー100%の場合は、比較器23Gは、1サブフレームの最初(1カウント目)からHigh出力とする。そして、比較器23Gは、1サブフレームの最後(4096×4カウント目)でLOW出力とする。
【0087】
PWMR1信号出力は、デューティー50%のPWM信号出力を示しているので、各周期1〜周期4のうち、50%がHigh出力となっている。すなわち、周期1〜周期4では、それぞれ、4096×0.5=2048カウント分、High出力となっている。
【0088】
PWMR1信号出力するために、周期分割部15は、周期1〜4のそれぞれを、さらに4つの副周期に分割している。
【0089】
周期1を4分割したときの最初の副周期から最後の副周期にかけて順に、副周期1−1(特定期間)、副周期1−2(特定期間)、副周期1―3(非特定期間)、副周期1−4(非特定期間)とする。周期2を4分割したときの最初の副周期から最後の副周期にかけて順に、副周期2−1、副周期2−2、副周期2―3、副周期2−4とする。周期3を4分割したときの最初の副周期から最後の副周期にかけて順に、副周期3−1、副周期3−2、副周期3―3、副周期3−4とする。周期4を4分割したときの最初の副周期から最後の副周期にかけて順に、副周期4−1、副周期4−2、副周期4−3、副周期4−4とする。
【0090】
周期1では、デューティー設定レジスタ21Rは、1カウント目でのハイ指示信号、副周期1−2終了後でのロウ指示信号を、比較器23Rに出力する。すなわち、比較器23Rは、周期1では、副周期1−1の最初(すなわち1サブフレームの最初)にからHigh出力とすると共に、カウンター回路22Rがクロック信号GsClkのクロック数をカウントし、カウント数を比較器23Rに出力する。比較器23Rは、カウンター回路22Rからカウントされたクロック数を取得し、2048((4096/4)×2)カウント数を取得するとLow出力とする。
【0091】
これにより、PWMR1信号は、周期1では、前半2つの副周期である副周期1−1・1−2でHigh出力となり、後半2つの副周期である副周期1−3・1−4でLow出力となる。
【0092】
周期2では、デューティー設定レジスタ21Rは、周期1と比べて、1副周期分(副周期2−1分)だけ遅延したハイ・ロウ指示信号を比較器23Rに出力する。このため比較器23は、周期2の最初から、{(4096/2)−(2048/2)}=1024分のクロックをカウンター回路22RがカウントするとHigh出力となる。
【0093】
すなわち、周期2では、デューティー設定レジスタ21Rは、副周期2−1終了後でのハイ指示信号、及び副周期2−3終了後でのロウ指示信号を比較器23Rに出力する。そして、比較器23Rは、カウンター回路22Rからカウントされたクロック数を取得し、(4096+(4096/4))=5120カウント数を取得後、High出力となり、(4096+(4096/4)×3)=7168カウント数を取得後、LOW出力となる。
【0094】
このように、周期2では、PWMR1信号は、最初と最後の副周期である副周期2−1・2−4でLow出力となり、真ん中の2つの副周期である副周期2−2・2−3でHigh出力となる。
【0095】
周期3では、周期2と同様に、デューティー設定レジスタ21Rは、周期1と比べて、1副周期分(副周期3−1分)だけ遅延したハイ・ロウ指示信号を比較器23Rに出力する。このため比較器23Rは、周期3の最初から、{(4096/2)−(2048/2)}=1024分のクロックをカウンター回路22RがカウントするとHigh出力となる。
【0096】
すなわち、周期3では、デューティー設定レジスタ21Rは、副周期3−1終了後でのハイ指示信号、及び副周期3−3終了後でのロウ指示信号を比較器23Rに出力する。そして、比較器23Rは、カウンター回路22Rからカウントされたクロック数を取得し、{(4096×2)+(4096/4)}=9216カウント数を取得後、High出力となり、{(4096×2)+(4096/4)×3}=11264カウント数を取得後、LOW出力となる。
【0097】
このように、周期3では、PWMR1信号は、最初と最後の副周期である副周期3−1・3−4でLow出力となり、真ん中の2つの副周期である副周期3−2・3−3でHigh出力となる。
【0098】
周期4では、周期4内のクロック数(4096)から点灯時間(High出力の時間)を引いたクロック数(2048)分消灯し(Low出力とし)、その後、所定のクロック数分だけ点灯(High出力)すればよい。
【0099】
すなわち、周期4では、デューティー設定レジスタ21Rは、周期1と比べて、2副周期分(副周期4−1・4−2分)だけ遅延したハイ・ロウ指示信号を比較器23Rに出力する。このため比較器23は、周期4の最初から、{(4096/2)−(2048/2)}×2=2048分のクロックをカウンター回路22RがカウントするとHigh出力となる。
【0100】
具体的には、周期4では、デューティー設定レジスタ21Rは、前半の副周期4−2終了後でのハイ指示信号、副周期4−4終了後でのロウ指示信号を比較器23Rに出力する。そして、比較器23Rは、カウンター回路22Rからカウントされたクロック数を取得し、{(4096×3)+(4096/4)×2}=14336カウント数を取得後、High出力となり、{(4096×3)+(4096/4)×4}=16384カウント数を取得後Low出力となる。
【0101】
PWMB1信号出力は、デューティー25%のPWM信号出力を示しているので、各周期1〜周期4のうち、25%がHigh出力となっている。すなわち、周期1〜周期4では、それぞれ、4096×0.25=1024カウント分、High出力となっている。
【0102】
PWMB1信号出力では、周期1〜4のそれぞれを、さらに8つの副周期に分割する。
【0103】
周期1を8分割したときの最初の副周期から最後の副周期にかけて順に、副周期1(i)、1(ii)、1(iii)…、1(viii)とする。周期2を8分割したときの最初の副周期から最後の副周期にかけて順に、副周期2(i)、2(ii)、2(iii)…、2(viii)とする。周期3を8分割したときの最初の副周期から最後の副周期にかけて順に、副周期3(i)、3(ii)、3(iii)…、3(viii)とする。周期4を8分割したときの最初の副周期から最後の副周期にかけて順に、副周期4(i)、4(ii)、4(iii)…、4(viii)とする。
【0104】
周期1では、デューティー設定レジスタ21Rは、1カウント目でのハイ指示信号、副周期1(iv)終了後でのロウ指示信号を、比較器23Rに出力する。すなわち、比較器23Rは、周期1では、副周期1(i)の最初(すなわち1サブフレームの最初)にからHigh出力とすると共に、カウンター回路22Rがクロック信号GsClkのクロック数をカウントし、カウント数を比較器23Rに出力する。比較器23Rは、カウンター回路22Rからカウントされたクロック数を取得し、1024(=(4096/8)×2)カウント数を取得するとLow出力とする。
【0105】
これにより、周期1では、前半2つの周期である周期1(i)・1(ii)でHigh出力となり、後半6つの周期である周期1(iii)〜1(viii)でLow出力となる。
【0106】
周期2では、デューティー設定レジスタ21Bは、周期1と比べて、3副周期分(副周期2(i)〜2(iii)分)だけ遅延したハイ・ロウ指示信号を比較器23Bに出力する。
【0107】
周期2では、デューティー設定レジスタ21Bは、副周期2(iii)終了後でのハイ指示信号、及び副周期2(v)終了後でのロウ指示信号を比較器23Bに出力する。比較器23Bは、カウンター回路22Rからカウントされたクロック数を取得し、(4096+(4096/8)×3)=5632カウント数を取得後、High出力となり、(4096+(4096/8)×5)=6656カウント数を取得後、LOW出力となる。
【0108】
このように、PWMB1信号は、周期2では、最初から3番目までの周期である周期2(i)〜2(iii)と、6番目から最後までの周期である周期2(vi)〜2(viii)でLow出力となり、真ん中の2つの周期である周期2(iv)・2(v)でHigh出力となる。
【0109】
周期3では、周期2と同様に、デューティー設定レジスタ21Bは、周期1と比べて、3副周期分(副周期3(i)〜3(iii)分)だけ遅延したハイ・ロウ指示信号を比較器23Bに出力する。
【0110】
周期3では、デューティー設定レジスタ21Bは、副周期3(iii)終了後でのハイ指示信号、及び副周期3(v)終了後でのロウ指示信号を比較器23Bに出力する。そして、比較器23Bは、カウンター回路22Bからカウントされたクロック数を取得し、{(4096×2)+(4096/8)×3}=9728カウント数を取得後、High出力となり、{(4096×2)+(4096/8)×5}=10752カウント数を取得後、Low出力となる。
【0111】
このように、PWMB1信号は、周期3では、最初から3番目までの周期である周期3(i)〜3(iii)と、6番目から最後までの周期である周期3(vi)〜3(viii)でLow出力となり、真ん中の2つの周期である周期3(iv)・3(v)でHigh出力となる。
【0112】
周期4では、周期4内のクロック数(4096)から点灯時間(High出力の時間)を引いたクロック数(3072)分消灯し(Low出力とし)、その後、所定のクロック数分だけ点灯(High出力)すればよい。
【0113】
すなわち、周期4では、デューティー設定レジスタ21Bは、周期1と比べて、6副周期分(副周期4(i)〜4(vi)分)だけ遅延したハイ・ロウ指示信号を比較器23Bに出力する。
【0114】
周期4では、デューティー設定レジスタ21Bは、副周期4(vi)終了後でのハイ指示信号、副周期4(viii)終了後でのロウ指示信号を比較器23Bに出力する。そして、比較器23Bは、カウンター回路22Bからカウントされたクロック数を取得し、{(4096×3)+(4096/8)×6}=15360カウント数を取得後、High出力となり、{(4096×3)+(4096/8)×8}=16384カウント数を取得後Low出力となる。
【0115】
このように、PWMB1信号は、周期4では、周期4の最初の周期4(i)から6番目の周期4(vi)ではLow出力となり、周期4の後半2つの周期である周期4(vii)・4(viii)でHigh出力となる。
【0116】
このように、PWMR1信号出力及びPWMB1信号出力によると、1サブフレームの最初と最後に合せてLED5R・LED5Bを点灯させる。そして、真ん中の周期2・3では、周期の中心近傍で、LED5R・LED5Bを点灯させる。
【0117】
PWMG・PWR1・PWMB1は、周期毎に、High出力となるタイミングが重なっているので、LED5G・LED5R・LED5Bを周期毎に重畳して発光させることができる。
【0118】
図5は、各副周期の最初にHigh出力のタイミングを合せる場合のデューティー100%、50%、25%の各PWM信号の生成方法を説明する図である。
【0119】
図5のPWMR2信号出力では、周期1〜周期4をそれぞれ、さらに2分割し、2分割した各周期の前半2つの副周期でHigh出力となり、後半2つの副周期でLow出力となる。すなわち、PWMR2信号出力は、周期1〜周期4の各周期の最初(1カウント目、4097カウント目、8193カウント目、12289カウント目)ではHigh出力となる。そして、各周期1〜周期4の後半の副周期がくると(2048、6144、1024、14336カウント後)Low出力となる。
【0120】
図5のPWMB2信号出力は、周期1〜周期4をそれぞれ、さらに4分割し、4分割した各周期の最初2つの副周期でHigh出力となり、残りの3つの副周期でLow出力となる。すなわち、PWMB2信号出力は、周期1〜周期4の各周期の最初(1カウント目、4097カウント目、8193カウント目、12289カウント目)ではHigh出力となる。そして、4096/4=1024分カウントし、各周期1〜周期4の2番目の副周期がくると(1024、5120、9216、13312カウント後)Low出力となる。
【0121】
このように、PWMR2信号出力及びPWMB2信号出力は、周期1〜周期4の各周期の最初に揃えてLED5R・LED5Bを点灯させる。
【0122】
図6は、各副周期の最後にHigh出力のタイミングを合せる場合のデューティー100%、50%、25%の各PWM信号の生成方法を説明する図である。
【0123】
図6のPWMR3信号出力は、周期1〜周期4をそれぞれ、さらに2分割し、2分割した各周期の前半の副周期でLow出力となり、後半の副周期でHigh出力となる。すなわち、PWMR3信号出力は、周期1〜周期4の各周期の最初(1カウント目、4097カウント目、8193カウント目、12289カウント目)ではLow出力となる。そして、各周期1〜周期4の後半の副周期がくると(2048、6144、1024、14336カウント後)High出力となる。
【0124】
図6のPWMB3信号出力は、周期1〜周期4をそれぞれ、さらに4分割し、4分割した各周期の最初の副周期でLow出力となり、4番目の副周期でHigh出力となる。すなわち、PWMB3信号出力は、周期1〜周期4の各周期の最初(1カウント目、4097カウント目、8193カウント目、12289カウント目)ではLow出力となる。そして、(4096/4)×3=3072分カウントし、各周期1〜周期4の4番目の副周期がくると(3072、7168、11264、15360カウント後)High出力となる。
【0125】
このように、PWMR3信号出力及びPWMB3信号出力は、周期1〜周期4の各周期の最後に揃えてLED5R・LED5Bを点灯させる。
【0126】
<液晶パネル透過後の輝度比>
LED5R・LED5G・LED5Bの点灯時間は同じで、各LED5R・LED5G・LED5Bの点灯方式(点灯タイミング)の違いにより、LCDを透過した透過輝度比率が異なることを算出した。これについて、
図7の(a)(b)〜
図10の(a)(b)を用いて説明する。
【0127】
図7の(a)(b)〜
図10の(a)(b)に示す点灯方式とも、LEDG・LEDR・LEDBのデューティー比は、LEDG;100%、LEDR;50%、LEDB;25%=1.00:0.50:0.25である。
【0128】
図7の(a)は、1サブフレームを複数の周期に分割せず、LEDR・G・Bの消灯時間を揃えて連続して点灯させた点灯方式の様子を表し、(b)は(a)の点灯方式でLCDを透過した透過輝度を表す図である。
【0129】
図7の(a)では、LEDG・LEDR・LEDBの点灯開示時間を調整して、LEDG・LEDR・LEDBの点灯終了(消灯)時間を揃えている。これにより、LEDG・R・Bのデューティー比を1.00:0.50:0.25としている。
【0130】
図7の(b)では、各G・R・Bごとに、LCDの透過輝度を数値で表している。
図7の(b)に示すように、G・R・Bの透過輝度比は、1.00:0.56:0.29(小数点第3位を四捨五入)となっている。このように、LEDG・R・Bのデューティー比とは異なり、LCDの透過輝度は、LEDG・R・Bのデューティー比通りの輝度とはならない。
【0131】
図8の(a)は、1サブフレームを複数の周期に分割せず、LEDR・G・Bの点灯開始時間を揃えて連続して点灯させた点灯方式の様子を表す図であり、(b)は(a)の点灯方式でLCDを透過した透過輝度を表す図である。
【0132】
図8の(a)では、LEDG・LEDR・LEDBの点灯開始時間を揃え、LEDG・LEDR・LEDBの点灯終了(消灯)時間を調整している。これにより、LEDG・R・Bのデューティー比を1.00:0.50:0.25としている。
【0133】
図8の(b)では、各G・R・Bごとに、LCDの透過輝度を数値で表している。
図8の(b)に示すように、G・R・Bの透過輝度比は、1.00:0.44:0.05(小数点第3位を四捨五入)となっている。このように、LEDG・R・Bのデューティー比とは異なり、LCDの透過輝度は、LEDG・R・Bのデューティー比通りの輝度とはならない。
【0134】
図9の(a)は、1サブフレームを複数の周期に分割せず、LEDR・G・Bの点灯期間の中心時間を揃えて連続して点灯させた点灯方式の様子を表す図であり、(b)は(a)の点灯方式でLCDを透過した透過輝度を表す図である。
【0135】
図9の(a)では、LEDG・LEDR・LEDBの点灯開示時間及び点灯終了(消灯)時間を調整し、LEDG・LEDR・LEDBの点灯期間の中心時間を揃えている。これにより、LEDG・R・Bのデューティー比を1.00:0.50:0.25としている。
【0136】
図9の(b)では、各G・R・Bごとに、LCDの透過輝度を数値で表している。
図9の(b)に示すように、G・R・Bの透過輝度比は、1.000:0.504:0.248(小数点以下第4位を四捨五入)となっている。このように、LEDG・R・Bのデューティー比とは異なり、LCDの透過輝度は、LEDG・R・Bのデューティー比通りの輝度とはならない。
【0137】
図10の(a)は、本実施の形態に係る液晶表示装置101のLEDの点灯方式である。
【0138】
図10の(a)は、1サブフレームを複数の周期に分割し、各周期毎にLED5R・5G・5Bを点灯させた点灯方式の様子を表す図であり、(b)は(a)の点灯方式でLCDを透過した透過輝度を表す図である。
【0139】
図10の(a)では、LED5G・LED5R・LED5Bの点灯開始時間を揃えている。これにより、LED5G・5R・5Bのデューティー比を1.00:0.50:0.25としている。
【0140】
図10の(b)では、各G・R・Bごとに、LCDの透過輝度を数値で表している。
図10の(b)に示すように、G・R・Bの透過輝度比は、1.00:0.50:0.25(小数点第3位を四捨五入)となっている。このように、LED5G・5R・5Bのデューティー比と同じである。すなわち、LCDの透過輝度は、LED5G・5R・5Bのデューティー比通りの輝度となっている。
【0141】
このように、液晶表示装置101の点灯方式では、LCDを透過した透過輝度の各RGBの輝度比率がPWMによる調光と同じ比率となることが保障されるので、色再現の精度を向上させることができる。
【0142】
1サブフレーム内でLED5R・5G・5Bが発光する周期を、複数に分割することで、1サブフレーム内で液晶の応答性の違いにより液晶パネルの開口率が異なっても、カラー画像を表示するために設定された各LED5R・5G・5Bの設定輝度比と、実際に液晶パネル4を透過した各LED5R・5G・5Bの透過輝度比とのばらつきを抑制することができる。
【0143】
また、
図10の(a)の点灯方式では、複数の周期毎にLED5R・5G・5Bが重畳して発光しているので、1サブフレーム内での各周期毎に、各LED5R・5G・5Bから発光された光は混色される。このため、1サブフレーム内で液晶パネル4の開口率が異なったとしても、設定輝度比と、透過輝度比との間のばらつきを抑制することができる。さらに、サブフレームが変わっても、設定輝度比と、透過輝度比との間のばらつきを抑制することができる。
【0144】
このように、液晶表示装置101によると、設定輝度比と、透過輝度比との間のばらつきを抑制することができるので、表示品位の低下を防止することができる。
【0145】
また、
図10の(a)に示すように、1サブフレームを、LED5R・5G・5Bが点灯するフレーム(周期)と、黒色画像の表示を行うための非点灯フレーム(周期)とに分けてもよい。
図10の(a)の例では、1サブフレーム内で、点灯フレームの前後に非点灯フレーム1、非点灯フレーム2を設けている。
【0146】
すなわち、パルス幅変調部20は、1サブフレームが分割された複数の周期のうち、他のフレームと隣接する周期では、LED5G・5R・5Bの全てを消灯するようにPWM信号を生成してもよい。
【0147】
これにより、1サブフレーム内で、他のサブフレームと隣接する非点灯フレーム1・2では、黒色画像が表示される。このため、サブフレーム間で、液晶パネル4を透過した光が混色することを防止することができるので、表示品位を向上することができる。
【0148】
さらに、LED5G・5R・5Bをエリアアクティブ駆動制御すると、画像を表示するために液晶パネル4をスキャンすることと同様に、各LED5G・5R・5Bをスキャンすることで、液晶パネル4の面内の応答差を軽減することができるので、1フレームのカラー画像を表示するために、LED5G・5R・5Bの点灯に必要な時間を低減することができる。
【0149】
このため、カラー画像を表示するために、例えば、特許文献2のように、1サブフレーム内の全ての周期でLEDを発光させ続ける必要がない。このため、1サブフレーム内の複数の周期うち、他のサブフレームと隣接する周期を確実に、LED5G・5R・5Bの全てを消灯することができる。
【0150】
一方、
図13に示した特許文献2の表示方法のように、バックライトの点灯時間が1サブフィールド内全て(もしくはそれに近く)となると、次に点灯する色と現在点灯している色との混色が発生してしまい、その結果、色むらが発生する。
【0151】
このように液晶表示装置101によると、より確実に、フレーム間で、液晶パネル4を透過した光が混色することを防止することができ、表示品位を向上することができる。
【0152】
なお、本実施形態では、RGBの3原色によるカラー表示の例について説明したが、本願発明は、RGBの3原色に限定されるものではなく、他のカラー表示を行う色の組合せであってもよい。例えば、カラー表示を行うために、Y(イエロー)色、C(シアン)色、M(マゼンタ)色の3色を用いる場合であっても同様の処理により、同様の効果を得ることができる。
【0153】
<フローチャート>
次に、
図11を用いて、液晶表示装置101の処理の流れについて説明する。
【0154】
図11は、液晶表示装置101の処理の流れを表すフローチャートである。
【0155】
まず、映像信号受信部1は、外部から入力された複合映像信号を取得する(ステップS1)と、当該取得した複合映像信号を映像信号処理部2に出力する。
【0156】
映像信号処理部2は、映像信号受信部1から複合信号を取得すると、当該取得した複合信号の1フレームを複数のサブフレームに分割する(ステップS2)。
【0157】
そして、映像信号処理部2は、分割したサブフレーム毎の液晶パネル4用のRGBデータ信号及び同期信号を液晶パネルコントローラー3に出力する。また、映像信号処理部2は、分割したサブフレーム毎のLEDバックライト5の点灯用のRGBデータ信号及び同期信号をLEDコントローラー10に出力する。
【0158】
液晶パネルコントローラー3は、映像信号処理部2からサブフレーム毎の液晶パネル4用のRGBデータ信号及び同期信号を取得すると、当該取得したサブフレーム毎の液晶パネル4用のRGBデータ信号及び同期信号から、サブフレーム毎の液晶の開口率(LCD開口率)を求める。そして、液晶パネルコントローラー3は、求めたLCD開口率に基づいて、ソースドライバ(不図示)、ゲートドライバ(不図示)を制御することで、液晶パネル4をサブフレーム毎にLCD開口率を制御する(ステップS3)。
【0159】
デューティー算出部14は、映像信号処理部2からLEDコントローラー10に出力されたLEDバックライト5の点灯用のRGBデータ信号及び同期信号を取得すると、エリアアクティブ駆動するためのLED5R・LED5G・LED5Bそれぞれのデューティーをサブフレーム毎に算出し(ステップS4)、当該算出したLED5R・LED5G・LED5BそれぞれのデューティーをPWM変調値算出部16に出力する。
【0160】
周期分割部15は、映像信号処理部2からLEDコントローラー10にLEDバックライト5の点灯用のRGBデータ信号及び同期信号が出力されると、1サブフレームをさらに複数の周期に分割する(ステップS5)。周期分割部15は、1サブフレームを複数の周期に分割した分割数をPWM変調値算出部16及びクロック発振部17に出力する。
【0161】
PWM変調値算出部16は、デューティー算出部14からサブフレーム毎のLED5R・LED5G・LED5Bそれぞれのデューティーを取得し、周期分割部15から1サブフレームの分割数とを取得すると、当該分割した周期毎にLED5R・LED5G・LED5Bそれぞれのデューティーを割り当てる(ステップS6)。
【0162】
そして、PWM変調値算出部16は、周期毎に割り当てたLED5R・LED5G・LED5Bのデューティーを、PWM変調値として各デューティー設定レジスタ21に出力する。
【0163】
デューティー設定レジスタ21は、PWM変調値算出部16からPWM変調値を取得すると、当該取得したPWM変調値から、各周期毎のPWM信号をHigh出力・Low出力の切り換えのタイミングを表すハイ・ロウ指示信号を生成し(ステップS7)、当該生成したハイ・ロウ指示信号を比較器23に出力する。この、High出力・Low出力の切り換えのタイミングは、周期分割部15が分割した周期毎に、LED5R・5G・5Bが重畳して発光するように設定する。
【0164】
クロック発振部17は、予め設定された1サブフレームの周波数に、周期分割部15から出力された1サブフレームの分割数を乗算した周波数のクロック信号を生成する(ステップS8)。
【0165】
そして、クロック発振部17は、上記生成したクロック信号をクロック信号GsClkとして各カウンター回路22に出力する。カウンター回路22は、クロック発振部17から出力されたクロック信号GsClkのクロックをカウントし、当該カウント数を比較器23に出力する。
【0166】
比較器23は、デューティー設定レジスタ21から出力されたハイ・ロウ指示信号と、カウンター回路22から出力されたクロック信号GsClkのクロック数とを取得する。カウンター回路22から取得したクロック数が、デューティー設定レジスタ21から取得したハイ・ロウ指示信号が示す個数になると、比較器23は、PWM信号の出力のHighとLowとを切り換えるタイミングであるとして(ステップS9のYES)、PWM信号の出力をHighとLowとを切り換えて(ステップS10)PWM信号をAMP24に出力する。
【0167】
AMP24は、比較器23から出力されたHighまたはLowのPWM信号の出力を増幅して、処理制御部11を介して、LEDバックライト5に出力する(ステップS11)。これにより、ステップS5で分割された周期毎に、各LED5R・5G・5Bが重畳して発光する。
【0168】
このように、ステップS5では、周期分割部15は、1フレームが複数に分割されたサブフレームをさらに複数の周期に分割する。また、ステップS7、S9、S10は、パルス幅変調部20の処理ステップである。
【0169】
ステップS7、S9、S10では、パルス幅変調部20は、ステップ5で分割した周期毎に、LED5R・5G・5Bが重畳して発光するように、LED5R・5G・5Bのそれぞれを発光させるPWM信号を生成している。
【0170】
このため、1サブフレーム内でLED5R・5G・5Bが発光する周期を、複数に分割することで、1サブフレーム内で液晶の応答性の違いにより液晶パネル4の開口率が異なっても、カラー画像を表示するために設定された各LED5R・5G・5Bの設定輝度比と、実際に液晶パネル4を透過したR・G・B光の透過輝度比とのばらつきを抑制することができる。
【0171】
また、パルス幅変調部20は、周期分割部15が分割した周期毎にLED5R・5G・5Bが重畳して発光するように、LEDR・G・Bのそれぞれを発光させるPWM信号を生成する。これにより、1サブフレーム内での各周期毎に、LED5R・5G・5Bから発光された光は混色される。このため、サブフレーム内で液晶パネル4の開口率が異なったとしても、設定輝度比と、透過輝度比との間のばらつきを抑制することができる。
【0172】
さらに、1サブフレーム内での各周期毎に、LED5R・5G・5Bから発光された光は混色されているので、サブフレームが変わっても、設定輝度比と、透過輝度比との間のばらつきを抑制することができる。
【0173】
このように、液晶表示装置101の構成によると、設定輝度比と、透過輝度比との間のばらつきを抑制することができるので、表示品位の低下を防止することができる。
【0174】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0175】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る液晶表示装置は、液晶パネルと、当該液晶パネルの背面側から異なる色を発光する複数の光源が配されたバックライトとを備え、入力された映像信号に応じて、上記液晶パネルの開口率と、上記複数の光源の輝度とを制御することでカラー画像を表示し、上記複数の光源の輝度をパルス幅変調により制御する液晶表示装置であって、上記映像信号の1フレームを複数のサブフレームに分割して、複数のサブフレームを生成する映像信号処理部と、上記サブフレームをさらに複数の異なる周期の期間に分割する周期分割部と、上記周期分割部が分割したうちのある周期となる期間において上記複数の光源が重畳して上記ある周期で発光するように、上記複数の光源のそれぞれを発光させるパルス信号を生成するパルス幅変調部とをさらに備え、上記パルス幅変調部は、上記サブフレームが分割された複数の異なる周期の期間を、複数の色の光源が点灯するある周期の特定期間と、上記複数の光源のうち少なくとも一つが消灯するそれ以外の周期の非特定期間とに分割するとともに、上記ある周期の特定期間を所定の分割数に分割した分割周期ごとに、上記光源を点灯させるパルス信号を生成する。
【0176】
本発明の態様2に係る液晶表示装置は、上記態様1において、上記パルス幅変調部は、上記所定の分割数を調整可能となるようにパルス信号を生成してもよい。
【0177】
本発明の態様3に係る液晶表示装置は、上記態様1において、上記パルス幅変調部は、上記サブフレームが分割された複数の異なる周期の期間を、複数色の光源が点灯するある周期の特定期間と、上記複数の光源のうち少なくとも一つが消灯する前記ある周期以外の周期の非特定期間とに分割する割合を調整可能となるようにパルス信号を生成してもよい。
【0178】
本発明の態様4に係る液晶表示装置は、上記態様3において、上記パルス幅変調部は、上記サブフレームが分割された複数の異なる周期の期間を、複数色の光源が点灯するある周期の特定期間と、上記複数の光源のうち少なくとも一つが消灯する前記ある周期以外の周期の非特定期間に分割するサブフレーム内での期間の割合の調整をサブフレーム毎に異ならせるように分割してもよい。
【0179】
本発明の態様5に係る液晶表示装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、上記バックライトは、複数色の光源からの発光を組み合わせることにより白色光を発光してもよい。
【0180】
本発明の態様6に係る液晶表示装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、上記バックライトは、表示フレーム期間内のいずれかのサブフレームにおいて、上記複数の光源を用いて2色以上の発光を行ってもよい。
【0181】
(参考例)
本発明の一参考例に係る液晶表示装置は、液晶パネルと、当該液晶パネルの背面側から異なる色を発光する複数の光源が配されたバックライトとを備え、入力された映像信号のフレームに応じて、上記液晶パネルの開口率と、上記複数の光源の輝度とを制御することでカラー画像を表示し、上記複数の光源の輝度をパルス幅変調により制御する液晶表示装置であって、上記映像信号の1フレームを複数の周期に分割する周期分割手段と、上記周期分割手段が分割した周期毎に上記複数の光源が重畳して発光するように、上記複数の光源のそれぞれを発光させるパルス信号を生成するパルス幅変調部とを備えている。
【0182】
本発明の一参考例に係る液晶表示方法は、液晶パネルと、当該液晶パネルの背面側から異なる色を発光する複数の光源が配されたバックライトとを備えた液晶表示装置に入力された映像信号に応じて、上記液晶パネルの開口率と、上記複数の光源の輝度とを制御することでカラー画像を表示し、上記複数の光源の輝度をパルス幅変調により制御する液晶表示方法であって、上記映像信号の1フレームを複数の周期に分割する周期分割ステップと、上記周期分割ステップで分割した周期毎に上記複数の光源が重畳して発光するように、上記複数の光源のそれぞれを発光させるパルス信号を生成するパルス幅生成ステップとを含む。
【0183】
上記構成により、周期分割手段は、1フレームを複数の周期に分割する。そして、上記パルス幅変調部は、上記周期分割手段が分割した周期毎に上記複数の光源のそれぞれを発光させるパルス信号を生成する。このように、1フレーム内で光源が発光する周期を、複数に分割することで、フレーム内で液晶の応答性の違いにより液晶パネルの開口率が異なっても、カラー画像を表示するために設定された各光源の輝度(設定輝度)の比率(設定輝度比)と、実際に液晶パネルを透過した各光源の輝度(透過輝度)の比率(透過輝度比)とのばらつきを抑制することができる。
【0184】
上記構成によると、パルス幅変調部は、上記周期分割手段が分割した周期毎に上記複数の光源が重畳して発光するように、上記複数の光源のそれぞれを発光させるパルス信号を生成する。これにより、フレーム内での各周期毎に、各光源から発光された光は混色される。このため、フレーム内で液晶パネルの開口率が異なったとしても、設定輝度比と、透過輝度比との間のばらつきを抑制することができる。
【0185】
さらに、上記構成によると、フレーム内での各周期毎に、各光源から発光された光は混色されているので、フレームが変わっても、設定輝度比と、透過輝度比との間のばらつきを抑制することができる。
【0186】
このように、上記構成によると、設定輝度比と、透過輝度比との間のばらつきを抑制することができるので、表示品位の低下を防止することができる。
【0187】
上記パルス幅変調部は、上記1フレームが分割された複数の周期のうち、他のフレームと隣接する周期では、上記複数の光源の全てを消灯するようにパルス信号を生成することが好ましい。
【0188】
上記構成により、上記1フレームが分割された複数の周期のうち、他のフレームと隣接する周期では、黒色画像が表示される。これにより、フレーム間で、液晶パネルを透過した光が混色することを防止することができるので、表示品位を向上することができる。
【0189】
上記バックライトの上記光源は、領域毎に独立して発光の駆動が制御されることが好ましい。
【0190】
上記構成により、1フレームの画像を表示する際の液晶パネルの面内の応答差を軽減することができるので、1フレームの画像を表示するために光源の点灯に必要な時間を低減することができる。このため、カラー画像を表示するために、フレーム内の全ての周期で光源を発光させ続ける必要がない。これにより、フレーム内の周期のうち、他のフレームと隣接する周期では、より確実に、上記複数の光源の全てを消灯することができる。
【0191】
このため、より確実に、フレーム間で、液晶パネルを透過した光が混色することを防止することができ、表示品位を向上することができる。
【0192】
上記複数の光源が発光する異なる色は、カラー表示を行う色であれば特に限定されないが、赤色と、緑色と、青色とであることが好ましい。または、上記複数の光源が発光する異なる色は、イエロー色と、シアン色と、マゼンタ色とであることが好ましい。上記構成により、光源が発光する光により、カラー画像を表示することができる。
【0193】
上記光源は発光ダイオード(LED)であることが好ましい。これにより、パルス幅変調により輝度を制御することができる。
【0194】
本発明の他の参考例に係る液晶表示装置は、液晶パネルと、当該液晶パネルの背面側から異なる色を発光する複数の光源が配されたバックライトとを備え、入力された映像信号に応じて、上記液晶パネルの開口率と、上記複数の光源の輝度とを制御することでカラー画像を表示し、上記複数の光源の輝度をパルス幅変調により制御する液晶表示装置であって、上記映像信号の1フレームを複数の周期に分割する周期分割手段と、上記周期分割手段が分割した周期毎に上記複数の光源が重畳して発光するように、上記複数の光源のそれぞれを発光させるパルス信号を生成するパルス幅変調部とを備え、上記パルス幅変調部は、上記パルス信号によって発光する上記複数の光源のそれぞれの発光率が、上記1フレームが複数に分割された上記複数の周期間で同じとなるように、上記パルス信号を生成する。
【0195】
上記液晶表示装置において、上記複数の光源が発光する異なる色は、赤色と、緑色と、青色とであってもよい。
【0196】
また、上記複数の光源が発光する異なる色は、イエロー色と、シアン色と、マゼンタ色とであってもよい。
【0197】
また、上記光源は発光ダイオードであってもよい。
【0198】
本発明のさらに他の参考例に係る液晶表示方法は、液晶パネルと、当該液晶パネルの背面側から異なる色を発光する複数の光源が配されたバックライトとを備えた液晶表示装置に入力された映像信号に応じて、上記液晶パネルの開口率と、上記複数の光源の輝度とを制御することでカラー画像を表示し、上記複数の光源の輝度をパルス幅変調により制御する液晶表示方法であって、上記映像信号の1フレームを複数の周期に分割する周期分割ステップと、上記周期分割ステップで分割した周期毎に上記複数の光源が重畳して発光するように、上記複数の光源のそれぞれを発光させるパルス信号を生成するパルス幅生成ステップとを含み、上記パルス幅生成ステップでは、上記パルス信号によって発光する上記複数の光源のそれぞれの発光率が、上記1フレームが複数に分割された上記複数の周期間で同じとなるように、上記パルス信号を生成する。