特許第6239563号(P6239563)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6239563立形回転電機および上部軸貫通部水止め構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239563
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】立形回転電機および上部軸貫通部水止め構造
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/124 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   H02K5/124
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-185540(P2015-185540)
(22)【出願日】2015年9月18日
(65)【公開番号】特開2017-60360(P2017-60360A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2016年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山野 啓太
(72)【発明者】
【氏名】山崎 隆
【審査官】 小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−046249(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/124
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に延びたロータシャフトと前記ロータシャフトの径方向外側に設けられた回転子鉄心とを有する回転子と、
前記回転子の径方向外側に配されて静止固定された円筒状の固定子と、
前記回転子を回転自在に支持し軸受カバーを有する上部軸受および下部軸受と、
前記上部軸受を固定支持する上部軸受ブラケットおよび前記下部軸受を固定支持する下部軸受ブラケットと、
前記上部軸受に隣接して、前記上部軸受の上方で前記ロータシャフトに取り付けられた上部軸貫通部水止め構造と、
を備える立形回転電機であって、
前記上部軸貫通部水止め構造は、
円筒状で前記ロータシャフトの外側面との対向面にOリングを設けるための水平方向かつ周方向に延びるOリング溝が形成された水止め部材と、
前記Oリング溝に嵌めこまれるOリングと、
を有し、
前記水止め部材の取り付け位置の前記ロータシャフトの径は高さ方向に変化し、前記水止め部材の取り付け位置により前記Oリングのつぶし代が変化可能であることを特徴とする立形回転電機。
【請求項2】
前記水止め部材の下面には、径方向の外側になるにつれて表面高さが低下するテーパ部がさらに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の立形回転電機。
【請求項3】
前記上部軸受の軸受カバーの上面は、前記水止め部材の下面に形成されたテーパ部に対向するようにテーパ部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の立形回転電機。
【請求項4】
前記水止め部材には、前記ロータシャフトの径方向に貫通する少なくとも3つのねじ孔が形成され、
前記ねじ孔のそれぞれにねじにて挿入され、前記ロータシャフトに径方向外側から荷重を印加可能な固定部材と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の立形回転電機。
【請求項5】
前記ロータシャフトの径が高さ方向に変化する部分の前記ロータシャフトの表面には、前記ねじ孔の本数と同じ本数の互いに周方向に等間隔にヘリカル状のガイド溝が形成され、
前記固定部材はそれぞれ、
側部におねじが形成されたおねじ形成筒と、
前記おねじ形成筒に結合したバネ受けと、
前記バネ受けに取り付けられたバネと、
前記バネに結合して前記おねじ形成筒内を移動可能で前記ガイド溝に沿って先端が移動可能な締め付け部材と、
を有することを特徴とする請求項4に記載の立形回転電機。
【請求項6】
鉛直方向に延びたロータシャフトを備える立形回転電機の上部軸受から機内への水分の浸入を防止する上部軸貫通部水止め構造であって、
前記上部軸受に隣接して前記上部軸受の上方で前記ロータシャフトに取り付けられて、円筒状で前記ロータシャフトの外側面との対向面にOリングを設けるための水平方向かつ周方向に延びるOリング溝が形成された水止め部材と、
前記Oリング溝に嵌めこまれるOリングと、
を有し、
前記水止め部材の取り付け位置の前記ロータシャフトの径は高さ方向に変化し、前記水止め部材の取り付け位置により前記Oリングのつぶし代が変化可能であることを特徴とする上部軸貫通部水止め構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立形回転電機の上部軸貫通部水止め構造およびこれを有する立形回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
立型回転電機においては、回転軸であるロータシャフトが鉛直方向に延びている。ロータシャフトには、回転子鉄心、外扇あるいは内扇、および軸受の回転部分が取り付けられている。これらのロータシャフトに取り付けられたものは、回転軸を中心にしてロータシャフトとともに回転する。
【0003】
ロータシャフトは、上部軸受ブラケットおよび下部軸受ブラケットをそれぞれ上下に貫通する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2510955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
立形回転電機の上部軸受ブラケットの上方は、外扇ファンが設けられ、外扇カバーの吸い込み開口を通じて、外気と連通している。このため、雨滴などが上部から浸入して、上部軸受ブラケットの貫通部に至る場合がある。
【0006】
全閉外扇型の立形回転電機は、フレーム、上部軸受支持ブラケットおよび下部軸受支持ブラケットで密閉空間を構成している。しかしながら、立形であるがゆえに、雨滴は回転軸に沿って下方に移動し、上部軸受支持ブラケットから密閉空間内に浸入しようとする。密閉空間内には固定子コイルをはじめ高電圧が印加される部分、および絶縁部分が多数存在する。
【0007】
このような部分に水分が付着すると、短絡の発生、あるいは絶縁物の劣化の要因となる。したがって、これらの部分に水分が到達することを防止する必要があるという課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、立形回転電機の上部からの水分の浸入を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明に係る立形回転電機は、鉛直方向に延びたロータシャフトと前記ロータシャフトの径方向外側に設けられた回転子鉄心とを有する回転子と、前記回転子の径方向外側に配されて静止固定された円筒状の固定子と、前記回転子を回転自在に支持し軸受カバーを有する上部軸受および下部軸受と、前記上部軸受を固定支持する上部軸受ブラケットおよび前記下部軸受を固定支持する下部軸受ブラケットと、前記上部軸受に隣接して、前記上部軸受の上方で前記ロータシャフトに取り付けられた上部軸貫通部水止め構造と、を備える立形回転電機であって、前記上部軸貫通部水止め構造は、円筒状で前記ロータシャフトの外側面との対向面にOリングを設けるための水平方向かつ周方向に延びるOリング溝が形成された水止め部材と、前記Oリング溝に嵌めこまれるOリングと、を有し、前記水止め部材の取り付け位置の前記ロータシャフトの径は高さ方向に変化し、前記水止め部材の取り付け位置により前記Oリングのつぶし代が変化可能であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、鉛直方向に延びたロータシャフトを備える立形回転電機の上部軸受から機内への水分の浸入を防止する上部軸貫通部水止め構造であって、前記上部軸受に隣接して前記上部軸受の上方で前記ロータシャフトに取り付けられて、円筒状で前記ロータシャフトの外側面との対向面にOリングを設けるための水平方向かつ周方向に延びるOリング溝が形成された水止め部材と、前記Oリング溝に嵌めこまれるOリングと、を有し、前記水止め部材の取り付け位置の前記ロータシャフトの径は高さ方向に変化し、前記水止め部材の取り付け位置により前記Oリングのつぶし代が変化可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、立形回転電機の上部からの水分の浸入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る立形回転電機の構成を示す立断面図である。
図2】第1の実施形態に係る立形回転電機の上部軸貫通部水止め構造を含む上部軸受まわりの構成を示す立断面図である。
図3】第1の実施形態に係る立形回転電機の上部軸貫通部水止め構造の詳細を示す立断面図である。
図4】水止め部材を示す図3のIV−IV矢視平面図である。
図5】第2の実施形態に係る上部軸貫通部水止め構造まわりのロータシャフトを示す側面図である。
図6】ロータシャフト表面に形成されたガイド溝を概念的に示す図5のVI−VI矢視平面図である。
図7】第2の実施形態に係る上部軸貫通部水止め構造の固定部材の構成を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る立形回転電機および上部軸貫通部水止め構造について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る立形回転電機の構成を示す立断面図である。立形回転電機100は、回転子10、固定子20、フレーム31、上部軸受ブラケット33および下部軸受ブラケット35を有する。
【0015】
回転子10は、鉛直方向に延びて上部軸受50および下部軸受36により回転可能に支持されるロータシャフト11、ロータシャフト11の周囲に設けられた回転子鉄心12、および回転子鉄心12外側に形成されたスロット(図示せず)内に設けられた回転子コイル13を有する。上部軸受50および下部軸受36のいずれかは、おもにロータシャフト11を介してロータシャフト11および回転子鉄心12の自重を支持するスラスト軸受を有する。
【0016】
回転子コイル13の軸方向の一方の端部は短絡環14によって電気的に接続している。ロータシャフト11の回転子鉄心12の上方に2台の内扇15が設けられ、ロータシャフト11の上端には外扇16が設けられている。
【0017】
固定子20は、固定子鉄心21、および固定子コイル22を有する。固定子鉄心21は、回転子鉄心12の径方向外側に設けられ、円筒形状をなしている。固定子鉄心21の回転子鉄心12に対向する面には、スロット(図示せず)が形成され、固定子コイル22がスロット内に配されている。
【0018】
回転子鉄心12および固定子20の径方向外側には、フレーム31が設けられている。フレーム31は、スカート38に支持されている。スカート38は、据付フランジ38aにより基礎90に据付固定されている。また、上部軸受ブラケット33および下部軸受ブラケット35は、それぞれフレーム31に固定されている。上部軸受50は上部軸受ブラケット33により支持され、下部軸受36は下部軸受ブラケット35により支持されている。
【0019】
上部軸受ブラケット33、フレーム31、および下部軸受ブラケット35は互いに相俟って密閉空間70を形成する。外扇16は、外扇カバー41に収納されている。外扇カバー41の上面には、外気吸い込み口41aが形成されている。外扇カバー41の底部は開放されており、フレーム31の上部の外表面と間隙を有しながら、ロータシャフト11の回転軸方向に重なるように設けられている。
【0020】
図2は、第1の実施形態に係る立形回転電機の上部軸貫通部水止め構造を含む上部軸受まわりの構成を示す立断面図である。上部軸貫通部水止め構造60は、上部軸受50の上方に、上部軸受50に隣接して設けられている。上部軸受50は、固定側支持部51、ボール52、回転側支持部53、および軸受カバー54を有する。
【0021】
軸受カバー54は、上部軸受ブラケット33に固定支持され、固定側支持部51は、軸受カバー54に支持されている。回転側支持部53は、ロータシャフト11に固定支持されている。ボール52は、固定側支持部51と回転側支持部53の間にあって、回転側支持部53が周方向に回転する際にそれにつれて個々に回転する。
【0022】
図3は、第1の実施形態に係る立形回転電機の上部軸貫通部水止め構造の詳細を示す立断面図である。また、図4は、水止め部材を示す図3のIV−IV矢視平面図である。上部軸貫通部水止め構造60は、水止め部材61およびOリング65を有する。
【0023】
水止め部材61は、中央に円形の開口が形成された円板状をなしている。水止め部材61の底面の縁部近傍には、同心状にテーパ部63が形成されている。テーパ部63は、円板の中央側が周辺より薄くなる方向に形成されている。すなわち、水止め部材61の取り付け状態においては、テーパ部63は、径方向外側になるにつれて高さが低減する方向に形成されている。
【0024】
一方、上部軸受50の軸受カバー54の上面には、水止め部材61の下面に形成されたテーパ部63に対向するように、テーパ部54aが形成されている。すなわち、軸受カバー54の上面の縁部近傍は、径方向外側になるにつれて高さが低減する。この結果、水止め部材61の底面のテーパ部63と上部軸受50の軸受カバー54の上面のテーパ部54aにより、径方向外側方向に下り勾配の間隙部が形成される。
【0025】
水止め部材61の径方向の内周面には、水平に、周方向に延びて全周にわたるOリング溝62が形成されている。また、径方向にねじ孔64が2箇所に形成されている。ねじ孔64にはそれぞれめねじが形成され、おねじが形成された固定部材66がねじ孔64にねじ込み可能に形成されている。
【0026】
ここで、水止め部材61が取り付けられる近傍のロータシャフト11は、軸方向に径が変化し、下方に行くに従って径が増大するようにテーパ部11aが形成されている。このため、水止め部材61を取付ける高さによって、Oリング65のつぶし代が変化する。
【0027】
水止め部材61は、固定部材66によりロータシャフト11に固定される。ねじ孔64は3か所あるので、固定部材66による締め付けのバランスをとることにより、水止め部材61の径方向中心を、ロータシャフト11の軸中心に一致させるように調整することができる。
【0028】
なお、図3では、Oリング溝62がねじ孔64より高い位置に形成されているが、逆に、ねじ孔64がOリング溝62より高い位置に形成されていてもよい。
【0029】
以上のように構成された本実施形態による上部軸貫通部水止め構造60およびこれを用いた立形回転電機100における作用を説明する。
【0030】
まず、水止め部材61とロータシャフト11との間隙が、Oリング65が適度につぶされるように、水止め部材61の位置を調整し、固定部材66により固定する。
【0031】
立形回転電機100が運転状態のため外扇16が回転中は、外気吸い込み口41aから流入してくる液滴は、外扇16により径方向に飛ばされるため、軸の下方に移行する液滴は殆どない。一方、立形回転電機100が停止状態のため外扇16が停止中は、外気吸い込み口41aから流入してくる液滴は、そのまま、外扇16より下方に落下し、一部は上部軸貫通部水止め構造60の上部に到達する。
【0032】
上部軸貫通部水止め構造60の上部に到達した液滴は、水止め部材61とロータシャフト11との間隙に流入するが、Oリング65が適度につぶされているため、水止め部材61とロータシャフト11との間隙はOリング65を挟んで上下にOリング65により有効にシールされている。この結果、Oリング65の上部で、液滴は浸入を阻止される。また、水止め部材61の下面と軸受カバー54の上面の間の間隙は上り勾配であることから、径方向外側から径方向内側に向けて液滴等が浸入しにくい構造である。
【0033】
立形回転電機100の運転状態においては、ロータシャフト11に取り付けられた上部軸貫通部水止め構造60は、回転軸回りを回転している。このため、水止め部材61の下面と軸受カバー54の上面の間の間隙に径方向外側から液滴等が浸入する可能性はさらに低減する。
【0034】
また、水止め部材61とロータシャフト11との間隙に流入しOリング65の上部に溜まった液の上面に近い部分は遠心力により径方向外側に飛散するため、Oリング65の上方に溜まる液の量も制限され水頭差は十分に小さく抑えられることから、Oリング65を通過するための要因となる値を十分に下回る。
【0035】
以上のように、本実施形態によれば、立形回転電機100の上部から密閉空間70への水分の浸入を防止することができる。
【0036】
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態に係る上部軸貫通部水止め構造まわりのロータシャフトを示す側面図である。本実施形態においては、上部軸貫通部水止め構造60が取り付けられるロータシャフト11のテーパ部11aの表面に、ヘリカル状に互いに周方向に等間隔にガイド溝11p、11q、11rが形成されている。すなわち、ガイド溝11p、11q、11rは、いずれの高さの断面においても、周方向に120度間隔に形成されている。
【0037】
図6は、ロータシャフト表面に形成されたガイド溝を概念的に示す図5のVI−VI矢視平面図である。図6に示すように、ガイド溝11p、ガイド溝11q、およびガイド溝11rはそれぞれ、開始点P0、開始点Q0、および開始点R0から下方に形成されている。開始点P0、開始点Q0、および開始点R0の周方向位置は互いに等間隔すなわち120度の間隔を空けて形成されている。
【0038】
図7は、第2の実施形態に係る上部軸貫通部水止め構造の固定部材の構成を示す縦断面図である。固定部材66は、おねじ形成筒66a、バネ受け66b、バネ66c、締め付け部材66d、および調節部66eを有する。
【0039】
おねじ形成筒66aの側面には、水止め部材61のねじ孔64に形成されためねじに対応するように、おねじが形成されている。おねじ形成筒66aに結合するバネ受け66b内には、バネ66cが固定されている。バネ66cの固定端の反対端は、締め付け部材66dに接続されている。締め付け部材66dは、おねじ形成筒66a内を長手方向に移動可能に形成されており、おねじ形成筒66aが締め付け部材66dのガイドとなっている。
【0040】
調節部66eは、バネ受け66bにねじにより取り付けられ、バネ66cを圧縮可能に形成されている。以上のような固定部材66が、3つ設けられている。固定部材66は、互いに形状、寸法が同じで、また、バネの強度特性も等しいものである。したがって、調節部66eを互いに水平な位置、すなわち同じ高さに保ちながら、同じ角度回転させることにより、3つのバネによる締め付け部材66dの反力は互いに等しくなる。また、高さが変化するとバネの伸びが変化し、反力が変化する。
【0041】
以上のような固定部材66を、まず、それぞれの締め付け部材66dの先端が、ガイド溝11p、11q、11r内となるようにして、調節部66eによりOリング65を適切に圧縮するように調節する。
【0042】
さらに、水止め部材61全体を、固定部材66を互いに水平に保ちながら、回転軸回りに角度調節することにより、Oリング65の圧縮の度合いを微調整することができる。
【0043】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、実施形態では、固定部材が3つの場合の例を示したが、これに限定されない。たとえば、4つ以上でもよい。
【0044】
また、実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0045】
10…回転子、11…ロータシャフト、11a…テーパ部、11p、11q、11r…ガイド溝、12…回転子鉄心、13…回転子コイル、14…短絡環、15…内扇、16…外扇、20…固定子、21…固定子鉄心、22…固定子コイル、31…フレーム、33…上部軸受ブラケット、35…下部軸受ブラケット、36…下部軸受、38…スカート、38a…据付フランジ、41…外扇カバー、41a…外気吸い込み口、50…上部軸受、51…固定側支持部、52…ボール、53…回転側支持部、54…軸受カバー、54a…テーパ部、60…上部軸貫通部水止め構造、61…水止め部材、62…Oリング溝、63…テーパ部、64…ねじ孔、65…Oリング、66…固定部材、66a…おねじ形成筒、66b…バネ受け、66c…バネ、66d…締め付け部材、66e…調節部、70…密閉空間、90…基礎、100…立形回転電機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7