(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記演出制御手段が実行しうる前記延長演出の実行態様に、前記延長演出の後に前記特定演出が実行されることが当該延長演出の実行中に遊技者が認識できる特別態様が含まれる請求項1に記載の遊技機。
前記演出制御手段は、前記特定期間の表示開始時に初期表示パターンを表示させることができ、前記延長演出の実行を契機として延長表示パターンを表示させることができ、
前記延長表示パターンの種類が、前記初期表示パターンの種類より多い請求項1または2に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0012】
<遊技機10の概要について>
まず、遊技機10の概要について、
図4を用いて説明する。
図4は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
【0013】
遊技機10は、遊技状態制御手段(遊技状態制御部140)と、演出制御手段(演出制御部210)と、を備える。
遊技状態制御部140は、遊技者にとって有利な有利遊技状態に移行させうる。
演出制御部210は、有利遊技状態への移行を示唆する特定演出を実行する。
演出制御部210は、特定演出を実行する場合の少なくとも一部において、特定期間を表示し、表示している特定期間の中途に到来する延長タイミングに、特定期間を延長する延長演出を実行する。
また、演出制御部210は、延長タイミングより後に到来する可否表示タイミングに、特定演出を実行するか否かを示す可否演出を実行する。
さらに、演出制御部210は、可否演出において特定演出を実行する旨を示した後であって、かつ表示している特定期間が終了する終了タイミングに、特定演出を実行する。
【0014】
上記のように構成することで、特定期間の表示によって遊技者が特定演出の出現時期をある程度予期することが可能になる。また、特定期間中には特定演出を実行するか否かを示す可否演出の前に延長演出を実行する場合があるので、遊技者が予期している出現時期を延長することができる。従って、特定演出の演出効果をより高めることができ、遊技者の興趣をより高めることができる。
【0015】
「有利遊技状態」とは、通常遊技状態と比較して遊技者にとって有利な遊技状態をいう。有利遊技状態には、例えば大当り遊技、小当り遊技、確変状態、または変短状態等が含まれうる。なお、本実施形態における有利遊技状態は大当り遊技として説明するが、小当り遊技、確変状態または変短状態等を有利遊技状態としてもよい。
「特定演出」とは、有利遊技状態へ移行するか否かに関わらず実行されうる演出であり、有利遊技状態への移行が確定したことを報知するものでなくてもよいし、確定したことを報知するものであってもよい。
特定期間は、数字、文字、記号、図形、またはそれらの組合せ等によって表示されうる。表示された特定期間は、遊技者に特定演出の出現時期を想起させる。特定期間の表示は、その表示開始後、特定演出の出現時期が時間の経過とともに近付いていくことを遊技者に想起させるような表示としてもよい。
「延長演出」とは、遊技者に想起させた特定演出の出現時期を遅らせる演出である。遅延演出は、少なくとも特定演出の出現時期の遅延を遊技者に想起させる演出であればよく、例えば表示された特定期間の値に対して、あらかじめ定められた値(加算時間)を加算することや、表示された特定期間の値の変化速度を遅くする、または、表示された特定期間の値の変化を一時的に停止させること等を挙げることができる。
「延長タイミング」とは、特定期間に包含される時点であって、延長演出が開始されうる時点である。なお、延長演出が終了する時点については、延長演出が開始する時点以降の任意の時点である。
「可否演出」とは、特定演出の出現の可否を遊技者に認識させうる演出である。可否演出の演出態様は特に制限されるものでなく、遊技者が当該可否演出について既知であれば、当該可否演出が実行されたとしても特定演出の出現の可否を認識できる態様であれば足りる。
「可否表示タイミング」とは、特定期間に包含される時点であって、延長タイミングよりも後の時点であって、可否演出が開始されうる時点である。なお、可否演出が終了する時点については、可否演出が開始する時点以降の任意の時点である。
「終了タイミング」とは、遊技者に想起させた特定期間の終了時点であって、延長タイミングおよび可否表示タイミングよりも後の時点であって、特定演出が開始されうる時点である。
【0016】
<遊技機10の構造について>
図1から
図3を用いて遊技機10の構造について説明する。
なお、
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、遊技機10内に配設された遊技盤を示す図である。
図3は、遊技機10内に配設された図柄表示器90を示す図である。
【0017】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。
【0018】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50(中枠)の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0019】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0020】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34、36は光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力または点灯若しくは消灯することができる。
前枠20は、上球受け皿27の前方部にプッシュボタン37が配設されている。プッシュボタン37は、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる。
【0021】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構39が設けられている。この球抜き機構39を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
【0022】
図柄表示器90は、演出表示器80の右下側など、演出表示器80よりも遊技者が視認しにくい位置に配設される。また、図柄表示器90の表示領域は、演出表示器80の表示領域よりも小さい面積になっている。
図柄表示器90は、複数のランプが配列されている。本実施形態で図柄表示器90に用いられるランプとは、発光ダイオード(以下、LEDと称す)である。図柄表示器90は、発光するLEDの配列によって種々の情報を示し、特別図柄表示部91または普通図柄表示部93を含んでいる。
【0023】
特別図柄表示部91は、複数個のLEDの発光パターンにより特別図柄による図柄変動ゲームの抽選結果を表示する。より詳細には、
図3に示すように、特別図柄表示部91は左側のLED16個から構成される。
ここで特別図柄とは、特別図柄表示部91に表示するために選択されうるデータ群、あるいは特別図柄表示部91に表示されうる図柄(LEDの発光パターン)をいう。
なお、以下、特別図柄のことを「特図」と略して表記する場合がある。
ここで特別図柄による図柄変動ゲームとは、特別電動役物65(いわゆるアタッカー)を開放させるための抽選結果を示すために、特別図柄表示部91を変動表示させた後に特定の特別図柄を停止表示させることをいう。
なお、以下、「特別図柄による図柄変動ゲーム」を、単に「図柄変動ゲーム」と略称する場合がある。
【0024】
普通図柄表示部93は特別図柄表示部91より少ない数(例:2個)のLEDの発光パターンにより普通図柄による図柄変動ゲームの抽選結果を表示する。
ここで普通図柄とは、普通図柄表示部93に表示するために選択されうるデータ群、あるいは普通図柄表示部93に表示されうる図柄(LEDの発光パターン)をいう。なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。また、ここで普通図柄による図柄変動ゲームとは、普通電動役物61(いわゆる電動チューリップ)を開放させるための抽選結果を示すために、普通図柄表示部93を変動表示させた後に特定の普通図柄を停止表示させることをいう。
【0025】
なお、本実施形態において図柄表示器90に配列される複数のランプはLEDとして説明しているが、ランプの種別はこれに限定されるものではない。そして、当該ランプの配置についても
図3に図示するものに限らず、多様な配置を採用しうる。
【0026】
なお、
図3に示すように、図柄表示器90は、特別図柄表示部91または普通図柄表示部93の表示に用いられないLEDも含んでおり、特別図柄または普通図柄による図柄変動ゲームの抽選結果の他にも、保留記憶数や大当り遊技のラウンド回数等の情報も表示しうる。
【0027】
また、本実施形態における特別図柄表示部91は、第1始動口58への入球または第2始動口59への入球のいずれを起因とする図柄変動ゲームにおいても変動表示を行う。このとき、変動表示に用いられるLEDが入球した始動口によって異なってもよく、同一であってもよい。
【0028】
演出表示器80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の下方に配設されているサブ表示部82と、を含んでいる。本実施形態では、メイン表示部81は固定式の液晶装置であり、サブ表示部82は可動式の液晶装置である。なお、サブ表示部82を固定式の液晶装置としてもよい。
【0029】
メイン表示部81は、特別図柄表示部91における図柄変動ゲームに連動して行われる演出図柄の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。ここで演出図柄とは、遊技機10における遊技の興趣をより高めるために表示される図柄であり、具体的には数字や絵柄またはそれらの組み合わせから構成されている。
メイン表示部81は、その略中央に演出図柄を表示可能であり、さらに当該演出図柄の上方および下方にもそれぞれ演出図柄が表示されうる。すなわち、メイン表示部81には、「左列」「中列」「右列」にそれぞれ演出図柄が表示され、表示された演出図柄が一または複数の列をなしている。
【0030】
サブ表示部82は、主として演出に係る演出画像を表示する。サブ表示部82は、例えば、準備演出、カウントダウン予告演出または特定演出の演出画像を表示する。
特定演出とは、図柄変動ゲームにおいて実行されうる演出であって、有利遊技状態(本実施形態では大当り遊技)への移行を示唆する演出である。
カウントダウン予告演出とは、特定演出が実行されうる図柄変動ゲームと同一の図柄変動ゲームにおいて実行されうる演出であって、特定演出の出現時期を遊技者に想起させる表示(特定期間の表示)を行う演出である。なお、カウントダウン予告演出は、実際に特定演出が出現するか否かに関わらず実行されうる演出であり、カウントダウン予告演出があらかじめ定められた態様で終了したときに特定演出が実行される。
なお、カウントダウン予告演出において、特定期間は、必ずしも常に表示され続けなければならないわけでなく、実質的に表示され続けているといえる程度であれば断続的に表示されてもよい。すなわち、カウントダウン予告演出が継続中であることを遊技者が認識できる程度であれば、特定期間が断続的に表示されてもよい。
準備演出とは、保留記憶されていた乱数が用いられて図柄変動ゲームが開始される前に実行されうる演出であって、当該図柄変動ゲームにおけるカウントダウン予告演出の出現を示唆する演出である。
【0031】
本実施形態では、第1始動口58または第2始動口59における保留記憶の最大数(各4個)を上限として、保留記憶に対応している保留表示を表示可能なものとして説明するが、本発明の実施はこの態様に限られない。例えば、始動口に入球した遊技球が当該始動口の内部で振り分けられて異なる領域を通過する構成になっており、単一の始動口に対して8個の保留記憶が許容されるように見える態様の遊技機(いわゆる8個保留タイプ)において本発明が実施される場合、8個の保留表示が表示されてもよい。
【0032】
なお、本実施形態における演出表示器80(メイン表示部81およびサブ表示部82)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示器80として採用しうる。
【0033】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0034】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0035】
遊技領域50aには、各種の入賞口(例えば大入賞口55等)が配設され、各入賞口の後方には入球した遊技球を検知する各種スイッチ(例えばカウントスイッチSW4等)が配設されている。なお、以下の説明において入賞とは、遊技球が特定の入賞口に入球することをいう。
本実施形態においては、上記の各種スイッチは遊技者が視認できないように配設されており、
図1および
図2においては図示しない。
【0036】
図2には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口58、第2始動口59、作動ゲート63、普通入賞口67(67a、67b)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0037】
第1始動口58は、遊技領域50aの中央下部(メイン表示部81の下方)に配置されており、一般的に「ヘソ」と呼ばれる。
第1始動口58には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW1が配置されており、第1始動口58に入球した遊技球がカウントスイッチSW1で検知されることにより、図柄変動ゲームを始動させる始動条件と、予め定めた数の遊技球を賞球として払い出す払出条件と、が成立しうる。
【0038】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下側(メイン表示部81の右下側)に配置されており、第2始動口59には普通電動役物61が付設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する開閉部材であり、アクチュエータAC1の作動により当該開放状態または当該閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
第2始動口59には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2が配設されており、第2始動口59に入球した遊技球がカウントスイッチSW2で検知されることにより、図柄変動ゲームの始動条件と、賞球の払出条件と、が成立しうる。
【0039】
作動ゲート63は、第2始動口59の右上側(メイン表示部81の右側)に配置されている。作動ゲート63には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW3が配設されており、作動ゲート63を通過した遊技球がカウントスイッチSW3で検知されることにより、普通図柄による図柄変動ゲームの始動条件が成立しうる。
【0040】
なお、本実施形態の遊技機10においては、
図5にカウントスイッチSW3が図示されていないことから明らかであるように、カウントスイッチSW3の検知は賞球の払出条件に含まれていない。すなわち、本実施形態の作動ゲート63に遊技球が入球しても賞球はゼロである。
また、作動ゲート63は通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプの入賞口であってもよい。この場合において、作動ゲート63を通過することも本明細書では「入球」と称す。
【0041】
大入賞口55は、第2始動口59の下方(メイン表示部81の右下側)に配置されている。大入賞口55には、アクチュエータAC2の作動により開閉動作を行う特別電動役物65が付設されている。
また、大入賞口55には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW4が配設されており、大入賞口55に入球した遊技球がカウントスイッチSW4で検知されることにより、賞球の払出条件が成立しうる。
【0042】
閉鎖状態における特別電動役物65は、遊技領域50aの面位置と略一致するように延在しており、当該面位置より奧方の大入賞口55に蓋をする。
また、開放状態における特別電動役物65は、遊技領域50aの面位置より前方に飛び出し、上方から流下してくる遊技球の受け皿として機能するように作動し、受け入れた遊技球を大入賞口55へと誘導する。
本実施形態における特別電動役物65は、大当り遊技の実行中に開放状態となるように作動して大入賞口55への遊技球の入球を許容する。
【0043】
普通入賞口67(67a、67b)は、メイン表示部81の左下側に配置されている。普通入賞口67には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW5が配設されており、普通入賞口67に入球した遊技球がカウントスイッチSW5で検知されることによって賞球の払出条件が成立しうる。
なお、本実施形態においては二つの普通入賞口67a、67bに対して一つのカウントスイッチSW5が設けられている実施例で説明したが、個別にセンサ(カウントスイッチ)を設けてもよい。このとき、それぞれのセンサによって賞球の払出条件が異なってもよく、同一であってもよい。
【0044】
本実施形態における遊技領域50aは、遊技球が第2流路Yから転動したときよりも、遊技球が第1流路Xから転動したときに第1始動口58または普通入賞口67に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第1始動口58または普通入賞口67は、遊技領域50aの左側を主とする第1流路Xに設けられている。
また、本実施形態における遊技領域50aは、遊技球が第1流路Xから転動したときよりも、遊技球が第2流路Yから転動したときに大入賞口55、第2始動口59または作動ゲート63に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、大入賞口55、第2始動口59または作動ゲート63は、遊技領域50aの右側を主とする第2流路Yに設けられている。
【0045】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。上述した各入賞口(作動ゲート63を除く)に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0046】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0047】
<遊技機10の制御構成について>
続いて、
図4および
図5を用いて遊技機10の制御構成について説明する。
図4は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
図5は、遊技機10の払出制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、上述した
図1から
図3に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
なお、
図4および
図5で図示される各構成要素は本実施形態の遊技機10を説明する上で必要な構成要素を挙げたものであり、ここに図示しない構成要素を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成要素の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成要素が省かれても良い。
【0048】
遊技機10は、基板(図示せず)を自機の内部に備えており、
図4および
図5に図示している構成要素を含む基板と当該基板に電気的に接続している機能部品との処理によって種々の機能を実現している。より具体的には当該基板は、制御動作を所定の手順で実行するCPU(図示せず)と、当該CPUの制御プログラムを格納するROM(図示せず)と、必要なデータの書き込みおよび読み出しができるRAM(図示せず)を備えている。CPUは、ROMから読み出した制御プログラムを実行し、RAMに種々のデータを書き込む、またはRAMから種々のデータを読み出すことによって種々の機能を実現することができる。
なお、
図4および
図5に図示している各構成要素は、一の基板のみで機能する構成要素、複数の基板の間で種々のデータ授受を行うことにより機能する構成要素、基板と当該基板に非搭載の機能部品とが電気的に接続していることにより機能する構成要素等が混在している。これらの各構成要素を実現するためのハードウェア構成は幾通りも存在しうるものであって、必ずしも一つに限定されない。
【0049】
主制御部100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について他の構成要素(例えば演出制御部210)にコマンドを伝送する。主制御部100は、遊技の結果に影響を及ぼす機能または及ぼす虞がある機能を有する基板であって、いわゆる主基板として機能する。
図4に示すように、主制御部100は多数の構成要素を有し、これらの構成要素が互いに接続している構成となっているが、ここに図示している構成要素または構成要素間の接続は一例であって、必ずしもこれに限られるものではない。
【0050】
主制御部100が備える主な構成要素としては、特図抽選制御部130、普図抽選制御部170、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、変動パターン処理部160、情報伝送部110等が挙げられる。
特図抽選制御部130は、特別図柄による図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
普図抽選制御部170は、普通図柄による図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技の制御、確変状態の管理または変短状態の管理を行う。
図柄表示制御部150は、特別図柄または普通図柄を、図柄表示器90において変動表示または停止表示させる。
変動パターン処理部160は、特別図柄による図柄変動ゲームにて図柄表示制御部150が変動表示を開始してから停止表示を行うまでの時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを決定する。また、変動パターン処理部160によって決定された変動パターンは、情報伝送部110を介して演出制御部210に出力されて演出表示器80における表示演出(リーチ演出や保留変化演出等)を実行する際にも用いられる。
情報伝送部110は、主制御部100に含まれる各構成要素にて生成された制御情報(コマンド)を他の構成要素(例えば、演出制御部210等)に伝送する機能を有している。情報伝送部110によって伝送されるコマンドには、上述の変動パターンを示す情報の他にも、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態または変短状態の有無、保留記憶に関する情報または大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
【0051】
また、遊技機10は、上述した主要の構成要素の他に、演出制御部210、払出制御部230等を備えている。
演出制御部210は、遊技機10によって行われる遊技(図柄変動ゲームや大当り遊技等)に関連する演出を制御する。
払出制御部230は、各入賞口への入賞の特典として付与される賞球の払い出しを制御する。
ここまで挙げた各構成要素について、以下ではより詳細に説明する。
【0052】
<特図抽選について>
主制御部100は、特図保留制御部115と、特図抽選制御部130と、を備える。
また、特図抽選制御部130は特別図柄による図柄変動ゲームを司り、当否抽選部131と特図選択部132とを有している。
【0053】
特図保留制御部115は、第1始動口58の入賞を契機として乱数M1を取得して保留記憶させる。また、特図保留制御部115は、第2始動口59の入賞を契機として乱数M2を取得して保留記憶させる。
より具体的には、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW1によって第1始動口58の入賞が検知されると乱数M1を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)させる。また、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW2によって第2始動口59の入賞が検知されると乱数M2を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)させる。
乱数M1の保留上限数または乱数M2の保留上限数は予め定められており、本実施形態では乱数M1および乱数M2の各々について4個が保留上限数と設定されている。
【0054】
特図保留制御部115は、第1始動口58の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留記憶させる。
特図保留制御部115は、保留記憶させた乱数M1または乱数M2を、保留記憶させた順番で当否抽選部131に処理させてもよいし、一方を他方に優先して当否抽選部131に処理させてもよい。
【0055】
特図保留制御部115は保留記憶されている乱数の数をそれぞれについて監視してもよい。この場合、特図保留制御部115は、監視している乱数の数を、図柄表示器90に表示させるように図柄表示制御部150(特別図柄表示制御部151)に指令を出力してもよい。また、特図保留制御部115は、保留記憶させている乱数の数に相当する数の保留表示をメイン表示部81またはサブ表示部82に表示させるように、情報伝送部110を介して演出制御部210に指令を出力してもよい。
【0056】
特図保留制御部115は、後述する事前判定部118を有しており、事前判定部118による判定結果である事前判定情報を乱数M1または乱数M2に対応付けて保留記憶させることができる。特図保留制御部115に保留記憶されている事前判定情報は、後述の図柄変動開始処理において生成されるコマンドに包含されて、情報伝送部110を経由して演出制御部210に出力される。
【0057】
事前判定部118は、保留記憶されている乱数M1または乱数M2が当否抽選部131による判定における当選値であるか否かを判定する(以下、この判定を第一判定と称す)。
また、事前判定部118は、事前判定処理対象の乱数M1または乱数M2に起因する特別図柄の図柄変動ゲームにおける変動パターンに相当する事前判定パターンを判定する(以下、この判定を第二判定と称す)。
【0058】
事前判定部118は、上述の第一判定乃至第三判定に用いられる判定テーブルを備えており、事前判定部118は、各判定テーブルに基づいて各判定処理を行う。
具体的には、第一判定に用いられる判定テーブルには、当否抽選部131に用いられる抽選テーブルに格納されている当選値の少なくとも一部が格納されており、事前判定処理対象の乱数M1または乱数M2が当該判定テーブルに格納されている当選値と一致するか否かによって第一判定を実行することができる。また、第二判定に用いられる判定テーブルは、変動パターンの決定において変動パターン処理部160に用いられるテーブルと同様のテーブルである。
【0059】
当否抽選部131は、第1始動口58または第2始動口59への遊技球の入球を契機として取得された乱数M1または乱数M2を用いて大当り遊技の当否抽選を行う。なお、当否抽選部131による当否抽選の当選確率は一例に限らず、適宜変更可能である。
ここで「入球を契機として当否抽選を行う」とは、入球を検知することを一つの条件として、その後に当否抽選が実行されうることをいう。すなわち、入球が検知されたとしても、必ずしも当該当否抽選が実行されなくてもよい。例えば、保留されている乱数M1の数が保留上限数を超えた場合にカウントスイッチSW1によって検知された入球、または保留されている乱数M2の数が保留上限数を超えた場合にカウントスイッチSW2によって検知された入球は、当否抽選の条件にはならない。
【0060】
特図選択部132は、当否抽選部131による当否抽選の結果に基づいて、特別図柄表示部91に表示させる特別図柄を選択する。
特図選択部132によって選択された特別図柄は、図柄変動ゲームの実行中に、後述する特別図柄表示制御部151によって特別図柄表示部91に表示される。
なお、特図選択部132による選択には、当否抽選に用いられた乱数と、予め用意されている特別図柄の種類が同数であって一意に決定される態様も含まれる。
【0061】
<普図抽選について>
遊技機10は、普図保留制御部116と、普図抽選制御部170と、普通電役制御部180と、を備える。
普図抽選制御部170は普通図柄による図柄変動ゲームを司り、開放抽選部171と普図選択部172とを有する。また、普通電役制御部180は、普通電動役物61を制御する機能である。
【0062】
普図保留制御部116は、カウントスイッチSW3によって作動ゲート63の入賞が検知されると、乱数M3を取得して専用の記憶領域に格納(保留記憶)させる。ここで乱数M3は、開放抽選部171による抽選に用いられる乱数である。保留可能な乱数M3の上限数である保留上限数は予め定められている。
普図保留制御部116は、普図抽選制御部170が普通図柄による図柄変動ゲームに係る制御を行っていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出す。
【0063】
普図保留制御部116は保留されている乱数M3の数を監視している。また、普図保留制御部116は、監視している乱数M3の数を、図柄表示器90に表示させるように図柄表示制御部150に指令を出してもよいし、演出表示器80に表示させるように情報伝送部110を介して演出制御部210に指令を出してもよい。
【0064】
開放抽選部171は、普図保留制御部116によって取得された乱数M3を用いて、普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの開放抽選を行う。なお、開放抽選部171による開放抽選の当選確率は、通常遊技状態であるときは変短状態であるときより低くなっており、変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっている。
開放抽選部171による開放抽選に当選したとき、普通電役制御部180はアクチュエータAC1を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。
【0065】
普図選択部172は、開放抽選部171による開放抽選の当否結果に基づいて普通図柄を選択し、選択された普通図柄を普通図柄表示制御部153によって普通図柄表示部93に表示させる。普通図柄表示部93に対応している二つのLEDは一方が当選、一方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は普図選択部172が選択した普通図柄に従っていずれか一方を発光させる。
なお、ここでいう選択とは、特図選択部132による選択と同様に、開放抽選部171による抽選に用いられた乱数M3と、予め用意されている普通図柄の種類が同数であって一意に決定される態様も含まれる。
【0066】
普通電役制御部180は、変短制御部143によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。すなわち、普通電役制御部180の制御は、後述する変短制御部143による変短状態の付与に起因して変動する。
【0067】
<遊技状態制御について>
遊技状態制御部140は大当り遊技、確変状態または変短状態を制御し、確変制御部141、変短制御部143または大当り制御部145を有している。
【0068】
確変制御部141は、確変状態の付与条件が成立したときに通常遊技状態から確変状態へ、または確変状態の解除条件が成立したときに確変状態から通常遊技状態へと移行させることができる。ここで確変状態とは、特別図柄による図柄変動ゲームにおける当選確率が通常遊技状態より高確率になることをいう。
【0069】
確変状態の付与条件は、一般的には(a)一部または全部の当り遊技を条件とする方式と、(b)当り遊技中に所定の領域(入賞口を含む)への遊技球の入球を条件とする方式と、が挙げられる。また、(a)の方式において確変状態の付与条件となる一部の当り遊技を選択する方式としては、特別図柄変動ゲームにて抽選される特別図柄によって決定する方式を採用することが多い。
【0070】
確変状態の方式は、一般的にループ方式・ST方式・転落抽選方式の三種類に大別される。本実施形態における確変制御部141は、これらの三種類の確変状態の方式のいずれかで確変状態を制御する。
ループ方式の確変とは、確変大当りに係る大当り遊技の後に確変状態に移行し、少なくとも次回大当りまで継続する確変をいう。従って、ループ方式の確変の場合、確変状態の解除条件は次回大当りが開始されることである。
ST方式の確変とは、「スペシャルタイム確変」あるいは「回数切り確変」等とも称され、確変大当りに係る大当り遊技の後に確変状態に移行した後、所定回数の図柄変動ゲームのうちに大当り抽選に当選しない場合に、通常遊技状態に移行する確変をいう。従って、ST方式の確変の場合、確変状態の解除条件は次回大当りが開始されることに加えて、所定回数の図柄変動ゲームが行われることが含まれる。
転落抽選方式の確変とは、確変大当りに係る大当り遊技の後に、確変に移行した後に行われる図柄変動ゲームにおいて確変状態から通常遊技状態へ転落するか否かを抽選(転落抽選)し、転落抽選に当選した場合に通常遊技状態へ移行する確変をいう。従って、転落抽選方式の確変の場合、確変状態の解除条件は次回大当りが開始されることに加えて、転落抽選に当選することが含まれる。
なお、本実施形態における確変状態の付与条件は、(a)の方式を採用してもよく、(b)の方式を採用してもよい。
【0071】
変短制御部143は、変短状態の付与条件が成立したときに通常遊技状態から変短状態へと移行させ、変短状態の解除条件が成立したときに変短状態から通常遊技状態へと移行させる機能である。
なお、本実施形態における変短状態の付与条件は、確変状態の付与条件と共通であってもよいし異なってもよい。また、本実施形態における変短状態の解除条件は、確変状態の解除条件と共通であってもよいし異なってもよい。すなわち、確変状態が付与される期間と変短状態が付与される期間は、共通であってもよいし異なってもよい。
【0072】
変短状態とは、(i)普通電動役物61の開放抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる、(ii)普通電動役物61の一回当たりの開放時間が通常遊技状態より延長される、(iii)普通電動役物61の開放抽選の当選に応じて普通電動役物が開放される回数が通常遊技状態より増加される、(iv)普通図柄表示部93における一回あたりの変動表示時間が短縮される、の少なくとも一つが行われることをいう。
本実施形態において変短状態が付与された場合には、上記の四つのいずれも実行されるものとする。なお、上記の(ii)および(iii)の少なくとも一つが行われることを、一般的には"電チューサポート"または"電サポ"等と称する。なお、上記の(iv)が行われることを一般的には時短状態と称する
【0073】
大当り制御部145は、大当り遊技を制御する機能である。
本実施形態における大当り遊技は、具体的には以下のように実行される。
【0074】
まず、当否抽選部131によって大当り遊技に当選した場合、大当り遊技に対応する特別図柄が特図選択部132によって選択され、選択された特別図柄が特別図柄表示部91に停止表示された後(図柄変動ゲームが終了した後)に、大当り制御部145は大当り遊技を開始させる。
大当り遊技が開始されると、大当り制御部145は演出制御部210に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。なお、オープニング演出において遊技者に右打ちを推奨する等して、大入賞口55に向かう第2流路Yへの遊技球の打ち出しを促すことが好ましい。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(ラウンド回数)を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55に規定個数の遊技球が入球した後、または規定時間(ラウンド遊技時間)が経過後に、大入賞口55が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55が所定の時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55が開放される。
【0075】
大当り制御部145は、前段で述べたように制御するために、ラウンド回数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を制御情報として含む指令を特別電役制御部190に伝送する。
特別電役制御部190は、大当り制御部145から受けた指令に従って、アクチュエータAC2を作動させて特別電動役物65を開放させる。また、特別電役制御部190は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW4の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部190は、入球した遊技球が上限数に達したとき、アクチュエータAC2を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
【0076】
大当り制御部145は、演出制御部210にラウンド遊技中に係る演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従ってラウンド演出を実行する。
規定のラウンド回数が終了すると、大当り制御部145は情報伝送部110を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部145は大当り遊技を終了させる。
【0077】
<払出制御について>
遊技機10は、上球受け皿27に連通している払出機構部70を制御し、上球受け皿27へ賞球を払い出すことができる払出制御部230を備える。
より詳細には、主制御部100は、各カウントスイッチ(カウントスイッチSW1、カウントスイッチSW2、カウントスイッチSW4、カウントスイッチSW5)による入賞検知に応じて所定の賞球を払い出すように払出制御部230に対して指令を出力する。そして、払出制御部230は、主制御部100から受け付けた指令に基づいて払出機構部70を制御する。なお、払出機構部70は中枠(図示せず)の後方に配設されており、前枠20が閉じた状態では視認することができない。
各カウントスイッチに対して予め設定されている所定の賞球の数は、実施の態様に合わせて適宜設定してもよく、一例に限られない。
【0078】
<図柄変動ゲームと演出図柄の変動表示について>
遊技機10は、図柄表示制御部150と、演出制御部210と、変動パターン処理部160と、を備える。
図柄表示制御部150は、特別図柄または普通図柄を、図柄表示器90において変動表示または停止表示させる。
演出制御部210は、主に図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を演出表示器80に表示させる。特に、図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210は、特別図柄表示部91における図柄変動ゲームの変動時間に合わせて、メイン表示部81の表示領域の一部に演出図柄の変動表示を行っている。換言すれば、演出制御部210は、特別図柄表示部91における一回の図柄変動ゲームと、メイン表示部81における一回の演出表示とを、原則として対応付けて実行する。
【0079】
前段で述べた図柄変動ゲームと演出図柄の変動表示との対応性を担保するため、変動パターン処理部160は変動パターンを定める。
より詳細には、変動パターン処理部160は、図柄変動ゲームにて特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを定め、変動パターンを含む指令を図柄表示制御部150(特別図柄表示制御部151)または演出制御部210に出力する。このとき、変動パターン処理部160は、事前判定部118による判定結果、特に演出内容に関する決定条件の判定(第二判定)の結果を参照して変動パターンを定めてもよい。
特別図柄表示制御部151は変動パターンに応じて図柄変動ゲームを実行し、また演出制御部210は変動パターンに応じて演出図柄の変動表示を実行することによって、これらの対応性を担保している。
【0080】
また、上記の説明において、変動パターン処理部160によって定められる変動パターンは変動時間情報を少なくとも含む旨を説明した。この他にも、変動パターンには、リーチ演出をするかバラケ目にするかを示す情報やリーチ演出の種別を示す情報等が含まれてもよい。
【0081】
なお、上記の説明において、演出制御部210は、演出表示器80(メイン表示部81、サブ表示部82)の演出表示を制御する旨を説明したが、その他に照明装置35による点灯(点滅)演出、またはスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。
また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
なお、演出制御部210は、いわゆる装飾可動体(不図示)の移動制御を実行することができてもよい。
【0082】
<各種処理の処理手順について>
次に、上記で説明した各種処理の処理手順について、
図6から
図9を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図3に図示されている各構成要素や
図4に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
【0083】
図6は、主制御部100による入球時処理(メイン)の処理手順を示すフローチャートである。
図7は、演出制御部210による入球時処理(サブ)の処理手順を示すフローチャートである。
図8は、主制御部100による図柄変動開始時処理(メイン)の処理手順を示すフローチャートである。
図9は、演出制御部210による図柄変動開始時に行われうる特定演出に係る処理(サブ)の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
また、
図6から
図9で図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
【0084】
まず、主制御部100による入球時処理について説明する。ここで入球時処理とは、第1始動口58または第2始動口59に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口58または第2始動口59への入球が検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口58または第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部115による保留数が上限に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
【0085】
第1始動口58または第2始動口59への入球が検知されて(ステップS102のYES)、かつ特図保留制御部115による保留数が上限に達していないとき(ステップS104のNO)、特図保留制御部115による保留数が加算される(ステップS106)。また、特図保留制御部115によって乱数M1または乱数M2が取得されて、専用の記憶領域に保留記憶される(ステップS108)。
すなわち、ステップS102の肯定とステップS104の否定とが、上記の始動条件の成立を意味する。
【0086】
次に、乱数M1または乱数M2が保留されたことを契機として、事前判定部118によって事前判定処理(ステップS110)が行われる。この事前判定処理には、上述した事前判定部118による第一判定および第二判定に係る処理が含まれる。
【0087】
ステップS102からステップS110までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110から演出制御部210に対して出力されて(ステップS112)、その入球時処理は終了となる。
ステップS112にて出力されるコマンドには、例えば、ステップS110における事前判定部118の判定結果を示す事前判定情報が含まれる。
【0088】
以下、入球時における演出制御部210による処理の処理手順について説明する。「特定演出」とは有利遊技状態(本実施形態では大当り遊技)への移行を示唆する演出である。
本実施形態では、特定演出が実行される場合の少なくとも一部において、当該特定演出が行われる図柄変動ゲームに至るまでにカウントダウン予告演出が実行されうる。
詳細は後述するが、カウントダウン予告演出において、演出制御部210は、
図17に示すように特定期間を表す複数の数字図柄N1、N2、N3、N4の表示を含むカウントダウン表示CDをサブ表示部82に表示させ、当該カウントダウン表示CDによって特定期間を遊技者に想起させる。本実施形態では、演出制御部210は、サブ表示部82において数字図柄N1〜N4を変動表示させることで、遊技者に想起させる特定期間が経時的に減算されていくような表示を実現する。
すなわち、演出制御手段(演出制御部210)は、特定期間を表す数字図柄N1〜N4を表示し、表示している数字図柄N1〜N4によって表される特定期間が経時的に減算するように数字図柄N1〜N4を変動表示させる。
なお、特定期間が経時的に減算されていくペースと、実時間が経過するペースとは、必ずしも同一のペースでなくてもよい。
また、カウントダウン予告演出が実行される場合の一部において、事前判定処理対象の保留に係る図柄変動ゲームが開始されるまでに、上述の準備演出が実行されうる。なお、準備演出が実行された場合であって、当該準備演出が終了してもカウントダウン予告演出が実行されない場合の、当該準備演出の終了を「ガセ終了」と称する。
【0089】
図7は、入球時における演出制御部210による処理の処理手順のフローチャートを示す図である。ステップS112において出力されたコマンドが入力されると(ステップS304)、演出制御部210は、入力されたコマンドに含まれる事前判定情報に基づいてカウントダウン予告演出を実行するか否かを判定する(ステップS306)。
具体的には、ステップS306では、判定対象の乱数M1または乱数M2が当否抽選部131による判定における当選値である場合には、そうでない場合よりも、カウントダウン予告演出を実行すると判定されやすい(ステップS306がYESに分岐しやすい)。
カウントダウン予告演出を実行しないと判定した場合(ステップS306のNO)、演出制御部210は、準備演出を実行してガセ終了させるか否かを事前判定情報に基づいて判定する(ステップS308)。具体的には、ステップS308では、事前判定処理対象の乱数M1または乱数M2が当否抽選部131による判定における当選値である場合には、そうでない場合よりも、準備演出のガセ終了を実行すると判定されにくい(ステップS308がNOに分岐しやすい)。
上述のステップS306およびステップS308における判定の傾向は、演出効果の観点から設定されたものであり、カウントダウン予告演出自体に大当り遊技への移行を示唆する演出効果を持たせるために設定されている。
【0090】
準備演出を実行してガセ終了させると判定した場合には(ステップS308のYES)、当該ガセ終了させるタイミングを決定する(ステップS310)。本実施形態では、準備演出をガセ終了させるタイミングは、事前判定処理対象の乱数M1または乱数M2が用いられて実行される図柄変動ゲームよりも前に行われる各図柄変動ゲームの開始時点から実時間で3秒経過時点、8秒経過時点、または13秒経過時点のいずれかの時点であり、演出制御部210は例えば抽選等によって、準備演出をガセ終了させるタイミングを上記のいずれかの時点に決定する。
【0091】
準備演出をガセ終了させるタイミングを決定した(ステップS310)後、または、カウントダウン予告演出を実行すると判定した(ステップS306のYES)後、演出制御部210は、準備演出における演出画面(以下、準備画面と称する)の表示処理を行う(ステップS312)。ここで準備画面の表示処理とは、準備画面の表示を開始させてから終了させるまでの一連の表示に係る演出指示の生成処理である。
また、演出制御部210は、保留表示処理を行う(ステップS314)。ここで保留表示処理とは、保留表示の開始から、当該保留表示に対応する図柄変動ゲームの開始までの一連の保留表示に係る演出指示の生成処理である。なお、保留表示自体がカウントダウン予告演出の出現、特定演出の出現、または大当り遊技の当選を示唆するものとして構成してもよい。
【0092】
以下、図柄変動開始処理の処理手順について説明する。ここで図柄開始処理とは、図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
図8は、主制御部100による図柄変動開始時処理(メイン)の処理手順を示すフローチャートである。
まず、特図抽選制御部130は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで変動開始条件とは、(i)ステップS202の判定時において図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その開始処理は終了となる。
【0093】
ステップS202の判定が肯定されるとき(ステップS202のYES)、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留されている乱数M1または乱数M2を読み出す(ステップS204)。
ステップS204において、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留記憶されている順番で乱数M1または乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
【0094】
ステップS204で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される(ステップS206)。
ここでステップS206に含まれる処理としては、具体的には、上述した当否抽選部131による当否抽選や特図選択部132による特別図柄の選択が少なくとも含まれる。また、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ目で停止させるか否か、(iii)特定の演出を行うか否か等の判定処理が、ステップS206の処理に含まれてもよい。
【0095】
変動パターン処理部160は、ステップS206の処理結果を用いて変動パターンを決定する(ステップS208)。ステップS208における変動パターンに関する処理は、ステップS110における判定結果を参照して実行されてもよい。
【0096】
ステップS202からステップS208までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110から演出制御部210に対して出力されて(ステップS210)、その図柄変動開始処理は終了となる。
ステップS210において出力されるコマンドには、例えば、ステップS206で実行された判定の処理結果を示す情報やステップS208で決定された変動パターンを示す情報、またはこれらに関連して実行される演出に用いられる情報等が含まれてもよい。
【0097】
以下、図柄変動時における演出制御部210によるカウントダウン予告演出および特定演出の実行処理の処理手順について説明する。
図9は、演出制御部210による図柄変動開始時に行われうる特定演出に係る処理(サブ)の処理手順を示すフローチャートである。
演出制御部210は、ステップS210において出力されたコマンドが入力されると(ステップS402)、当該コマンドに含まれる事前判定情報に基づいて、カウントダウン予告演出を実行するか否かを判定する(ステップS404)。
具体的には、カウントダウン予告演出を実行すると決定されている場合(ステップS306がYESに分岐している場合)、特定演出に係る処理を実行すると判定されやすい(ステップS404がYESに分岐しやすい)。また、準備演出のガセ終了を実行すると決定されている場合(ステップS308がYESに分岐している場合)、特定演出に係る処理を実行しないと判定されやすい(ステップS404がNOに分岐しやすい)。
上述のステップS404における判定の傾向は、演出効果の観点から設定されたものであり、演出内容に一定の一貫性を持たせるために設定されている。
【0098】
カウントダウン予告演出を実行しないと判定した場合(ステップS404のNO)、当該フローチャートの処理を終了する。他方、カウントダウン予告演出を実行すると判定した場合(ステップS404のYES)、演出制御部210は、少なくとも当該コマンドに含まれる変動パターンに基づいて、「シナリオパターン」の決定に用いる「シナリオパターンテーブル」を決定する(ステップS406)。
【0099】
ここで、シナリオパターンおよびシナリオパターンテーブルについて説明する。
図10から
図14は、それぞれ、シナリオパターンテーブルの一例を示す図である。
シナリオパターンは、カウントダウン予告演出および特定演出の演出態様を示す情報である。具体的には、シナリオパターンは、特定演出の内容と、当該特定演出が実行されうる図柄変動ゲームの開始時点から当該特定演出が開始されるまでの所要時間と、最初に表示される特定期間である初期表示秒数と、1回目の「延長演出(後述)」における加算時間と、2回目の延長演出における加算時間と、カウントダウン予告演出の「結果」と、が対応付けられて成る。
採りうるシナリオパターンは、変動パターンに応じて限定される。なお、本実施形態では、演出制御部210は、複数列の演出図柄を変動させてから、その全ての演出図柄を仮停止させるまでを1回の変動サイクルとして、1回の図柄変動ゲームが実行されている間に複数回の変動サイクルを連続して行う擬似連演出を実行する。
図10に示すシナリオパターンテーブルは、擬似連演出を行わない場合に採りうるシナリオパターンに係るものである。
図11に示すシナリオパターンテーブルは、変動回数が2回の擬似連演出を行う場合に採りうるシナリオパターンに係るものである。
図12に示すシナリオパターンテーブルは、変動回数が2回の擬似連演出を行う場合であって、
図11に示すシナリオパターンテーブルに対応する変動時間情報よりも短い変動時間情報に対応する(例えば時短状態に対応する)シナリオパターンに係るものである。
図13に示すシナリオパターンテーブルは、変動回数が3回の擬似連演出を行う場合に採りうるシナリオパターンに係るものである。
図14に示すシナリオパターンテーブルは、変動回数が3回の擬似連演出を行う場合であって、
図13に示すシナリオパターンテーブルに対応する変動時間情報よりも短い変動時間情報に対応する(例えば時短状態に対応する)シナリオパターンに係るものである。
ステップS406では、いずれのシナリオパターンテーブルを参照するかが、変動パターンに応じて一意的に決定される。
【0100】
ステップS406において決定したシナリオパターンテーブルを参照して、演出制御部210は、コマンドに含まれる変動時間情報と、大当り遊技の当選の有無を示す情報とに基づいて、採用するシナリオパターンを決定する(ステップS408)。
なお、コマンドに含まれる変動時間情報と、大当り遊技の当選の有無を示す情報とに基づく判定の結果、採用可能なシナリオパターンが複数存在する場合、例えば抽選を行ったり、他の条件を加味したりして、一のシナリオパターンに絞り込む処理を行う。
ステップS406においてシナリオパターンを決定した後、演出制御部210は、具体的な演出態様(例えば演出画像における具体的な表示色や表示キャラクター等)を決定する(ステップS410)。
そして、上述のステップS406からステップS410までの一連の処理結果を制御情報として含む演出指示が、サブ表示部82等の演出に係る部材に出力され(ステップS412)、当該フローチャートの処理は終了となる。
【0101】
<準備演出、カウントダウン予告演出、および特定演出について>
以下、演出制御部210による準備演出、カウントダウン予告演出、および特定演出について、
図15から
図28を参照して詳細に説明する。
図15は、準備演出、カウントダウン予告演出、および特定演出に係る演出状態の遷移を時系列で示す図である。以下、各演出の内容と演出状態の遷移とについて具体的に説明する。
まず、上述した
図7に示す入球時処理(サブ)で準備演出の実行が決定されている場合(
図7に示すステップS312の処理が実行された場合)、
図15に示すように事前判定処理対象の乱数M1または乱数M2を用いて実行される図柄変動ゲームが開始される前に準備演出が実行される(演出状態STS0)。
【0102】
図16は、準備演出の表示例を示す図である。同図に示すように、準備演出では、小数点Pを挟んで二桁ずつの計四桁の数字図柄N1〜N4が各々上から下に向かってスクロール表示される高速回転表示HRと、「カウントが0になれば何かが起こる!」とのメッセージ表示Mとがサブ表示部82に表示される。数字図柄N1〜N4は、各々、0〜9を表示しうる。
この準備演出を視認した遊技者は、その後に高速回転表示HRが特定期間をカウントダウンする表示に変化し、かつ、当該特定期間が0になった時に何らかの遊技者に有利な特典が付与されるのではないかとの期待を抱いて興趣が喚起されうる。
【0103】
ここで、準備演出のガセ終了を実行することが決定されている場合(
図7に示すステップS308のYESの場合)、演出制御部210は、準備演出の開示時点から3秒経過時点、8秒経過時点、または13秒経過時点のいずれかの時点で、当該準備演出の表示を消滅させ、準備演出をガセ終了させる(演出状態STS1に移行する)。
他方、準備演出を実行する場合であってガセ終了しないことが決定されている場合(
図7に示すステップS306のYESの場合)、演出制御部210は、事前判定処理対象の乱数M1または乱数M2を用いて実行される図柄変動ゲームが開始されると、カウントダウン予告演出を実行する(演出状態STS2に移行する)。
【0104】
図17はカウントダウン予告演出の表示例を示す図である。同図に示すように、カウントダウン予告演出では、小数点Pを挟んで二桁ずつの計四桁の数字図柄N1〜N4により表される特定期間のカウントダウン表示CDと、「カウントが0になれば何かが起こる!」とのメッセージ表示Mとが、サブ表示部82に表示される。
図18は本実施形態における初期表示秒数の一覧を示す図である。本実施形態では、カウントダウン予告演出の開始時点におけるカウントダウン表示CDは、
図18に示す4とおりの初期表示秒数のいずれかの表示である。初期表示秒数とは、カウントダウン予告演出の開始時点において遊技者に想起させる特定期間である。
具体的には、
図18に示すように、「8.50」、「10.00」、「21.50」、および「30.00」の4とおりの初期表示秒数が存在する。
図17に示す表示例では「10.00」を初期表示秒数として採用している。
このカウントダウン予告演出を視認した遊技者は、初期表示秒数が減算(カウントダウン)されていき、特定期間の表示であるカウントダウン表示CDが「00.00」となった時に特定演出が出現するものと期待を抱きうる。
【0105】
ここで、
図9のフローチャートに示すステップS408で決定されたシナリオパターンにおいて加算時間が設定されている場合、演出制御部210は、カウントダウン予告演出の開始後、カウントダウン表示CDが「05.00」となった時点(特定期間が残り5秒となった時点)で延長演出を実行する。
延長演出は、カウントダウン予告演出を実行する場合の少なくとも一部において、カウントダウン表示CDが示す値(特定期間)に対して、あらかじめ定められた値(加算時間)を加算する演出である。本実施形態ではカウントダウン表示CDが「05.00」となった時点(特定期間が残り5秒となった時点)が「延長タイミング」である。
すなわち、演出制御部210は、カウントダウン予告演出を実行する場合の少なくとも一部において、延長タイミングで、カウントダウン表示CDが示す値(特定期間)に対して、あらかじめ定められた値(加算時間)を加算する延長演出を実行する(演出状態STS3に移行する)。
【0106】
なお、上述したように本実施形態では、演出制御部210は擬似連演出を実行するところ、擬似連演出における変動サイクルが終了する時点(次回の変動サイクルが開始する時点)と、延長タイミングとを同期させてもよい。
【0107】
延長演出は最大で2回まで実行されうる演出であり、実行するか否かおよび何回実行するかは各シナリオパターンにおいて規定されている。具体的には、
図10から
図14に示すシナリオパターンテーブルにおける「加算時間(1回目)」または「加算時間(2回目)」として具体的に時間が規定されているシナリオパターンによるカウントダウン予告演出では、延長演出が実行される。
【0108】
図19は、1回目の延長演出直後の表示秒数(1回目延長演出後表示秒数)の一覧を示す図である。上述したように延長タイミングはカウントダウン表示CDが「05.00」となった時点であるので、1回目の延長演出直後の表示秒数は、同図に示すように加算時間[秒]と5[秒]との和の値となる。
図20は、2回目の延長演出直後の表示秒数(2回目延長演出後表示秒数)の一覧を示す図である。1回目と同様に、延長タイミングはカウントダウン表示CDが「05.00」となった時点であるので、2回目の延長演出直後の表示秒数は、同図に示すように加算時間[秒]と5[秒]との和の値となる。
【0109】
ここで、
図18を参照して説明したように初期表示秒数は4とおり存在するところ、
図19に示すように1回目延長演出後表示秒数は7とおり存在し、
図20に示すように2回目延長演出後表示秒数は5とおり存在する。
すなわち、演出制御手段(演出制御部210)は、特定期間の表示開始時(カウントダウン予告演出の開始時)に初期表示パターン(初期表示秒数)を表示させることができる。また、延長演出の実行を契機として延長表示パターン(1回目延長演出後表示秒数、2回目延長演出後表示秒数)を表示させることができる。そして、延長表示パターンの種類(7+5=12とおり)は、初期表示パターンの種類(4とおり)より多い。
このように構成することで、延長演出における延長表示パターンが多様であるため、特定期間の表示に係る演出(期間表示演出)をより多彩に実行することができる
【0110】
図21は、1回目の延長演出直後のサブ表示部82の表示例を示す図である。同図に示す例は、1回目の延長演出における加算時間が「11.50」の例であり、延長タイミングの残り5秒に対して11.5秒を加算した16.5秒を示すカウントダウン表示CDとなる。
【0111】
ここで、延長演出は、当該延長演出後に特定演出が実行されることを遊技者に認識せしめる「特別態様」で実行されうる。換言すれば、延長演出が特別態様で実行されたとき、当該延長演出後のカウントダウン予告演出は中途終了せずに、カウントダウン表示CDが「00.00」となり、特定演出が発生する。
すなわち、演出制御手段(演出制御部210)が実行しうる延長演出の実行態様には、延長演出の後に特定演出が実行されることが当該延長演出の実行中に遊技者が認識できる特別態様が含まれる。
【0112】
具体的には、「特別態様」は、本実施形態では(i)1回目の延長演出の加算時間が4.0秒である態様(換言すれば1回目の延長演出直後の表示秒数が「09.00」である態様)と、(ii)1回目の延長演出の加算時間が4.5秒である態様(換言すれば1回目の延長演出直後の表示秒数が「09.50」である態様)と、(iii)延長演出が2回実行される態様と、を含む。
すなわち、演出制御手段(演出制御部210)が実行する延長演出の特別態様の一例は、特定期間の表示を開始した後に、延長演出が所定回数(本実施形態では2回)行われる態様である。
また、演出制御手段(演出制御部210)が実行する特別態様の一例は、実行中の当該延長演出において延長する期間が所定値(本実施形態では4.0秒、および4.5秒)になっている態様である。
【0113】
このように、延長演出後に特定演出が実行されることを遊技者に認識せしめる特別態様で延長演出が実行されうるように構成することで、特別態様で延長演出が実行される場合には、遊技者は特定演出の実行を事前に認識することができるので、演出効果がさらに向上する。
【0114】
なお、延長演出を特別態様で実行する場合には、カウントダウン表示CDが最初に表示された時点から、カウントダウン表示CDが「00.00」となるまでに要する時間が所定時間以上になるように、特別態様を構成してもよい。
このように構成した場合、演出制御手段(演出制御部210)が実行する特別態様は、特定期間の表示を開始した時から特定期間の表示が終了する時までに要する時間が所定時間以上になる態様となる。
このように構成することで、通常よりも長く続く特別態様の延長演出によって、遊技者に特定演出の実行をより強く期待させることができ、結果として当該遊技者の興趣が喚起される。
【0115】
ところで、
図9のフローチャートに示すステップS408で決定されたシナリオパターンにおいて「結果」として「中途終了」が設定されている場合、カウントダウン予告演出の開始後、カウントダウン表示CDが「03.00」となった時点(特定期間が残り3秒となった時点)で、演出制御部210はカウントダウン予告演出の表示を消滅させ、当該カウントダウン予告演出の中途終了を実行する(演出状態STS4に移行する)。本実施形態ではカウントダウン表示CDが「03.00」となった時点(特定期間が残り3秒となった時点)が「可否表示タイミング」である。カウントダウン演出の結果が中途終了である場合、特定演出は実行されない。
図22は、カウントダウン予告演出の中途終了の概念を示す図である。カウントダウン予告演出が中途終了される場合、同図に示すように、カウントダウン表示CDが「03.00」となった時点(特定期間が残り3秒となった時点)で当該カウントダウン表示CDとメッセージ表示Mとが消滅する。
このようにカウントダウン予告演出が中途終了する時点が可否表示タイミング(本実施形態ではカウントダウン表示CDが「03.00」となった時点)であることにつき遊技者が既知であれば、当該可否表示タイミングでカウントダウン予告演出が中途終了したことは、特定演出が実行されないことを示す可否演出である。また、当該可否表示タイミングでカウントダウン予告演出が中途終了しなかったことは、特定演出が実行されることを示す可否演出である。なお、カウントダウン予告演出が中途終了しなかった場合に、そのことを強調するような演出が行われてもよく、当該演出も含めて、特定演出が実行されることを示す可否演出としてもよい。
【0116】
他方、
図9のフローチャートに示すステップS408で決定されたシナリオパターンにおいて「結果」として「カウントダウン成功(
図10から
図14では「CD成功」と表記)」が規定されている場合、カウントダウン表示CDが示す値は減算され続け、結果としてカウントダウン予告演出の成功を示す「00.00」が表示される(演出状態STS5に移行する)。カウントダウン表示CDが「00.00」となるタイミングを「終了タイミング」と称する。
なお、後述する「フリーズ演出」が実行される場合は、カウントダウン表示CDが「00.00」とはならないが、カウントダウン予告演出の「結果」は「カウントダウン成功」であり、特定演出が実行される。
【0117】
図23は、カウントダウン表示CDとして「00.00」が表示されてカウントダウン予告演出が成功した時にサブ表示部82に表示されるカウントダウン成功表示の表示例を示す図である。
同図に示す例では、カウントダウン表示CDとして「00.00」が表示されると共に、「カウントダウン成功!」とのメッセージ表示Mが表示されている。カウントダウン予告演出が成功すると、メイン表示部81では特定演出が実行される(演出状態STS6)。
【0118】
以下、カウントダウン予告演出の成功(演出状態STS5)から特定演出(演出状態STS6)への遷移の態様について具体的に説明する。ここでは、特定演出として「リーチ後ボタン予告演出」と「フリーズ演出」とを例に挙げて説明する。
まず、特定演出として「リーチ後ボタン予告演出」が実行される例について説明する。
【0119】
図24は、カウントダウン予告演出の実行中(演出状態STS2)で、カウントダウン表示CDが「00.92」である時のメイン表示部81およびサブ表示部82の表示例を示す図である。
【0120】
図24に示すように、本実施形態ではメイン表示部81の左列、中列または右列において、複数とおりの演出図柄がスクロール(変動表示)する。
図24に図示されている矢印は、各演出図柄がスクロールする列と方向とを示している。すなわち、本実施形態における演出図柄は、主に上から下にスクロールするように構成されており、そのスクロールは列ごとに停止表示または仮停止状態になる。各段においてスクロールが停止する(演出図柄が仮停止状態になる)順序は、特に限定されないが、本実施形態では原則として左列→右列→中列の順序になっている。
なお、
図24以降の図面に図示される各演出図柄には、符号「D○△」を付す。ここで○にはその演出図柄の中に描画されている数字図柄に等しい数字が入り、△にはその演出図柄の描画されている位置に応じた記号が入る。当該記号は、メイン表示部81の左列がa、メイン表示部81の中列がb、メイン表示部81の右列がcに対応している。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、メイン表示部81において演出図柄を停止表示可能な位置は、左列中央・中列中央・右列中央の計3箇所であるとする。
【0121】
図24に示す表示例は、シナリオパターンにおいて規定された回数の擬似連演出の最終回の表示例であって、左列に「8」の数字図柄に対応する演出図柄D8aが停止し、かつ、右列に「8」の数字図柄に対応する演出図柄D8cが停止してリーチ目が形成されると共に、サブ表示部82において実行されているカウントダウン予告演出では、カウントダウン表示CDが「00.92」となっている。
すなわち、
図24に示す例は、カウントダウン予告演出が成功するまで残り0.92秒の時点のメイン表示部81およびサブ表示部82の表示例である。
【0122】
図25に示す表示例は、
図24に示す表示例の時点から0.92秒経過してカウントダウン表示CDが「00.00」となった時の、メイン表示部81およびサブ表示部82の表示例である。同図に示すように、カウントダウン表示CDが「00.00」となってカウントダウン予告演出が成功すると、メイン表示部81にはシナリオパターンに規定された特定演出(ここでは「リーチ後ボタン予告演出」)が表示される。
リーチ後ボタン予告演出とは、プッシュボタン37の押下操作(発展操作)を促す表示態様のボタン押下示唆画像BTをメイン表示部81に表示させる演出である。ボタン押下示唆画像BTは、プッシュボタン37を模したボタン画像BT1と、プッシュボタン37の押下を促す旨を表す矢印BT2と、から構成される。
【0123】
ここで、遊技者がボタン押下示唆画像BTを視認し、当該ボタン押下示唆画像BTの示唆に従ってプッシュボタン37を押下操作すると、当該リーチ後ボタン予告演出の演出内容が発展し、演出図柄が
図26に示すような表示態様となる。
図26において演出図柄D7bに付された矢印は、当該演出図柄D7bが徐々に拡大しつつある状態を示している。また、同図における演出図柄D8a、D7b、D8cの表示態様は、遊技者に対してキャラクターが相対する方向に向いた表示態様となっている。
このように、プッシュボタン37の押下操作により、リーチ後ボタン予告演出の演出内容が発展すると、演出図柄に表されたキャラクターが遊技者と相対するように見える表示態様となり、かつ、演出図柄の変動方向が、遊技者にとって奥方から手前方向にスクロールして見える方向となる。
なお、このときサブ表示部82の表示態様は任意であり、
図26に示す例では遊技者の興趣を喚起する画像から成るチャンス表示Cが表示されている。
【0124】
以下、「フリーズ演出」を特定演出とする例について、カウントダウン予告演出の成功(演出状態STS5)から、特定演出(演出状態STS6)への遷移の態様を説明する。
図27は、「フリーズ演出」が実行される時のメイン表示部81およびサブ表示部82の表示例を示す図である。具体的には、同図に示す例は、
図12に示す第3シナリオパターンテーブルに規定された「フリーズ演出」が実行される例である。この「フリーズ演出」が規定されたシナリオパターンにおいては、
図12に示すように初期表示秒数が「21.50」、1回目の延長演出における加算時間が「11.50」、特定演出までの所要時間が「21.00」と規定されている。
【0125】
ここで、「フリーズ演出」が開始される時点でのカウントダウン表示CDが示す値は、初期表示秒数と加算時間との和の値から、特定演出までの所要時間の値を差し引いて求まるので、上記の例ではカウントダウン表示CDが「12.00」となった時点で「フリーズ演出」が開始される。
図27に示す表示例は、カウントダウン表示CDが「12.00」となった時点の表示例であり、カウントダウン表示CDが、当該時点で固定された表示(数字図柄N1〜N4の変動が停止した表示)となっている。
カウントダウン表示CDが「12.00」となった時点で「フリーズ演出」が開始される態様が、
図15において演出状態STS2から演出状態STS6へ遷移する態様である。このように、本実施形態に係る「フリーズ演出」は終了タイミングよりも前に開始される特定演出であるが、終了タイミングで開始されるものであってもよい。
【0126】
ここで、本実施形態における「フリーズ演出」では、その開始時点(上記の例ではカウントダウン表示CDが「12.00」となった時点)で、当該カウントダウン表示CDの一時的な固定表示が行われ、その後、
図28に示すようにメイン表示部81およびサブ表示部82の表示が一旦消滅するブラックアウト状態とされる。
ここで、「一時的な固定表示」とは、遊技者が認識しうる程度の時間に亘ってカウントダウン表示CDの示す値が不変であることをいう。なお、カウントダウン表示CDの示す値以外の表示が変化することは許容される。
なお、カウントダウン表示CDの一時的な固定表示を行わずに、「フリーズ演出」の開始時点でメイン表示部81およびサブ表示部82を一定時間ブラックアウト状態としてもよい。また、カウントダウン表示CDの一時的な固定表示を行うのみで、その後にブラックアウト状態としなくてもよい。
すなわち、「フリーズ演出」は、遊技者が予期せぬタイミングで出現する演出であって、何らかの表示が少なくとも一時的に固定される演出であればよい。
なお、
図28に示す例ではメイン表示部81およびサブ表示部82の両方をブラックアウト状態としているが、少なくともサブ表示部82がブラックアウト状態となればよく、メイン表示部81をブラックアウト状態とするか否かは任意である。
【0127】
なお、本実施形態において、「フリーズ演出」は、カウントダウン表示CDが「00.00」になる前に発生する演出であるので、カウントダウン表示CDが「00.00」となることはないが、上述したように「フリーズ演出」の発生によるカウントダウン表示CDの消滅はカウントダウン予告演出の中途終了には該当せず、「フリーズ演出」の発生自体がカウントダウン予告演出の成功を示すものである。
【0128】
<本発明の変形例について>
ここまで
図1から
図28を用いて説明される実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
上述の実施形態における延長演出では、特定演出の出現時期の遅延を遊技者に想起させるために、カウントダウン表示CDが示す値に対して、あらかじめ定められた値(加算時間)を加算する演出を行うが、特定演出の出現時期の遅延を遊技者に想起させる方法はこの例に限られない。
例えば、カウントダウン表示CDが示す値の変化速度を遅くすることや、カウントダウン表示CDが示す値の変化を一時的に停止させること等を挙げることができる。
ここで、カウントダウン表示CDが示す値の変化を一時的に停止させる際に、停止させている期間中にカウントダウン表示CDを一旦消滅させてもよいし、カウントダウン表示CDを一旦消滅させている間に他の演出を表示させてもよい。このように構成する場合、カウントダウン表示CDを消滅させる時間は、遊技者が認識できる程度の時間であることが好ましい。
【0129】
上述の実施形態においては、延長演出はカウントダウン表示CDが示す値(特定期間)に対して、あらかじめ定められた値(加算時間)を加算する演出であるが、加算の態様としてはカウントダウン表示CDが示す値が経時的に加算されていく態様(巻き戻す態様)や瞬時的に加算後の値に表示が切り替わる態様を挙げることができる。ここで、前者の態様を採る場合は、延長演出が所定時間に亘って行われるものとなり、加算の開始時点が延長タイミングとなる。また、後者の態様を採る場合はカウントダウン表示CDの表示が切り替わる時点が延長タイミングとなる。
【0130】
また、上述の実施形態においては、延長タイミングを特定期間が残り5秒となった時点とし、可否表示タイミングを特定期間が残り3秒となった時点としているが、延長タイミングや可否表示タイミングで表示されているカウントダウン表示CDの示す値は任意である。
【0131】
また、上述の実施形態においては、可否表示タイミングでカウントダウン予告演出を中途終了することと、可否表示タイミング以降もカウントダウン予告演出を継続することと、を可否演出としているが、可否演出の態様はこの例に限られない。例えば、可否表示タイミング以降もカウントダウン予告演出を継続する際に、カウントダウン予告演出の実行中に行われる演出とは異なる演出をさらに実行してもよい。
【0132】
また、延長演出は、当該延長演出後に特定演出が実行されることを遊技者に認識せしめる特別態様で実行されうるところ、上述の実施形態においては加算時間や延長演出の実行回数を所定の態様にした延長演出を、特別態様の延長演出としている。しかしながら、加算時間や延長演出の実行回数以外のもので、延長演出の特別態様を規定してもよい。
また、延長演出を行う際に、「特定演出が実行されることを明示する演出」も行うことを、延長演出の特別態様としてもよい。
【0133】
上述の実施形態において演出制御部210が決定する演出内容(例えばカウントダウン予告演出やターゲット演出に係る演出内容)に関する決定条件を、主制御部100が決定するように構成してもよい。
具体的には、例えば演出制御部210による入球時処理(
図7に示すフローチャートの処理)のうち、カウントダウン予告演出を実行するか否かを決定する処理(ステップS306)、カウントダウン予告演出のガセ終了を実行するか否かを決定する処理(ステップS308)、および、カウントダウン予告演出をガセ終了させるタイミングを決定する処理(ステップS310)の各処理については、主制御部100による入球時処理(例えば
図7に示すフローチャートにおけるステップS110の事前判定処理)に含めてもよい。このように構成する場合、主制御部100は、当該一連の処理の結果を示す情報を演出制御部210に出力し、演出制御部210は当該情報に基づいて上述した準備画面表示処理(ステップS312)および保留表示処理(ステップS314)を実行する。
さらには、図柄変動ゲームの開始時の演出制御部210による処理(
図9に示すフローチャートの処理)のうち、シナリオパターンテーブルを決定する処理(ステップS406)、および、シナリオパターンを決定する処理(ステップS408)の各処理については、主制御部100による入球時処理(例えば
図7に示すフローチャートにおけるステップS110の事前判定処理)に含めてもよい。
このように構成する場合、主制御部100は、事前判定処理対象の乱数M1または乱数M2を用いる図柄変動ゲームの開始時の処理で、事前判定処理で決定したシナリオパターンを示す情報を演出制御部210に出力し、演出制御部210は当該情報に基づいて演出態様の決定に係る処理(ステップS410)および演出指示に係る処理(ステップS412)を実行する。
【0134】
ところで、大当り遊技への移行が確定したことを報知する演出を特定演出としてもよい。このように構成することで、カウントダウン予告演出が成功して特定演出が出現すると、大当り遊技への移行が確定したことが遊技者に報知され、そのまま大当り遊技に移行する。
よって、特定演出が大当り遊技への移行の有無に関わらず実行されうる演出である場合と比較して、特定演出の出現を示唆するカウントダウン予告演出自体によって喚起される遊技者の興趣がさらに高まる。また、これに伴い、カウントダウン予告演出の出現を示唆する準備演出自体によって喚起される遊技者の興趣もさらに高まる。
【0135】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)遊技者にとって有利な有利遊技状態に移行させうる遊技状態制御手段と、前記有利遊技状態への移行を示唆する特定演出を実行する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記特定演出を実行する場合の少なくとも一部において、特定期間を表示し、表示している前記特定期間の中途に到来する延長タイミングに、前記特定期間を延長する延長演出を実行し、前記延長タイミングより後に到来する可否表示タイミングに、前記特定演出を実行するか否かを示す可否演出を実行し、前記可否演出において前記特定演出を実行する旨を示した後であって、かつ表示している前記特定期間が終了する終了タイミングに、前記特定演出を実行する遊技機。
(2)前記演出制御手段が実行しうる前記延長演出の実行態様に、前記延長演出の後に前記特定演出が実行されることが当該延長演出の実行中に遊技者が認識できる特別態様が含まれる上記の遊技機。
(3)前記演出制御手段は、前記特定期間の表示開始時に初期表示パターンを表示させることができ、前記延長演出の実行を契機として延長表示パターンを表示させることができ、前記延長表示パターンの種類が、前記初期表示パターンの種類より多い上記の遊技機。
(a)前記演出制御手段は、前記特定期間を表す数字図柄を表示し、表示している前記数字図柄によって表される前記特定期間が経時的に減算するように前記数字図柄を変動表示させる上記の遊技機。
(b)前記演出制御手段が実行する前記特別態様は、実行中の当該延長演出において延長する期間が所定値になっている態様である上記の遊技機。
(c)前記演出制御手段が実行する前記特別態様は、前記特定期間の表示を開始した後に、前記延長演出が所定回数行われる態様である上記の遊技機。
(d)前記演出制御手段が実行する前記特別態様は、前記特定期間の表示を開始した時から前記特定期間の表示が終了する時までに要する時間が所定時間以上になる態様である上記の遊技機。