(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を示す工程フローチャートである。
【
図2A】本発明の第1実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造工程を説明するための概略断面図である。
【
図2B】本発明の第1実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造工程を説明するための概略断面図である。
【
図2C】本発明の第1実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造工程を説明するための概略断面図である。
【
図2D】本発明の第1実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造工程を説明するための概略断面図である。
【
図3A】
図1における第3段階の第1変形例を示す概略断面図である。
【
図3B】
図1における第3段階の第1変形例を示す概略断面図である。
【
図4】
図1における第3段階の第2変形例を示す概略断面図である。
【
図5A】本発明の第2実施形態によるワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図5B】本発明の第2実施形態によるワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図5C】本発明の第2実施形態によるワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図6A】本発明の第3実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するために概略断面図である。
【
図6B】本発明の第3実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するために概略断面図である。
【
図7A】本発明の第4実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図7B】本発明の第4実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図7C】本発明の第4実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図8A】本発明の第5実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図8B】本発明の第5実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図9A】本発明の第6実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図9B】本発明の第6実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図9C】本発明の第6実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図10A】本発明の第7実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図10B】本発明の第7実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図10C】本発明の第7実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図11A】本発明の第8実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図11B】本発明の第8実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図11C】本発明の第8実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図12A】本発明の第9実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図12B】本発明の第9実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図12C】本発明の第9実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図13A】本発明の第10実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図13B】本発明の第10実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図13C】本発明の第10実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図14A】本発明の第11実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図14B】本発明の第11実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図14C】本発明の第11実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図14D】本発明の第11実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図16】ナノインプリント技術を利用した従来のワイヤグリッド偏光子の製造方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、種々の異なる態に具現することがことができ、ここで説明する実施形態に限られない。
【0029】
明細書全体において、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあると表現されるとき、これは他の部分の「すぐ上」にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。そして「〜上に」というのは、対象になる部分の上、又は下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するのではない。
【0030】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。図面における各構成の大きさ及び厚さなどは、説明の便宜のために任意に示したので、本発明は図示したものに限られない。
【0031】
図1は、本発明の第1実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を示す工程フローチャートである。
【0032】
図1を参照すれば、ワイヤグリッド偏光子の製造方法は、一面にナノ構造体を有するスタンプを準備し、スタンプの一面に異方性真空蒸着によりマスク層を形成する第1段階(S10)と、基板の上に金属膜を形成する第2段階(S20)と、ナノ構造体上部のマスク層を金属膜の上に転写する第3段階(S30)と、金属膜のうちのマスク層により覆われない部位をドライエッチングして、金属線にパターニングする第4段階(S40)と、を含む。
【0033】
図2A乃至
図2Dは、本発明の第1実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造工程を説明するための概略断面図である。
【0034】
図2Aを参照すれば、第1段階(S10)で、一面にナノ構造体110を有するスタンプ(又はモールド)120が準備され、異方性真空蒸着によりスタンプ120の一面にマスク層130が形成される。
【0035】
スタンプ120は高分子、ガラス、シリコンなど多様な素材で製作され、電子ビーム、露光、ナノインプリントなどのパターニング技術により一面が加工されてナノ構造体110を形成することができる。他の一方で、スタンプ120は電子ビーム、露光、ナノインプリントなどのパターニング技術により製作されたマスターを複製する方法で製作されることも可能である。マスク層130の離型性を高めるために、スタンプ120の一面にはFOTS(tridecafluoro−1,1,2,2−tetrahydrooctyltrichlorosilane)等のような有機ケイ素化合物素材の自己組織化単分子膜又はナノ薄膜が、溶液工程又は蒸着工程などによって形成されることができる。
【0036】
ナノ構造体110は、線格子形状の突出部115から構成される。突出部115は同じ高さと同じ幅を有し、一定の距離に互いに離隔して、互いに平行に配列される。
【0037】
突出部115の幅は、製造しようとするワイヤグリッド偏光子の金属線の幅と同一であるか、又はこれより小さくてもよく、突出部115間の間隔は製造しようとする金属線間の間隔と同一であるか、又はこれより大きくてもよい。例えば、突出部115の幅はほぼ20nm乃至100nmであり、突出部115のピッチ(配列周期)はほぼ40nm乃至200nmであり得る。
【0038】
スタンプ120は真空蒸着設備に投入され、ナノ構造体110が形成されたスタンプ120の一面に異方性真空蒸着によりマスク層130が形成される。異方性真空蒸着は、蒸着方向が特定の一方向に制御される蒸着技術であって、第1実施形態でマスク層130の蒸着方向(点線矢印に図示)は、スタンプ120の厚さ方向(
図2Aにおいて上下方向)と一致する。したがって、マスク層130は、突出部115の上部表面と、突出部115の間の凹んだ表面に一定の厚さに蒸着される。
【0039】
マスク層130は、第4段階(S40)で金属膜のパターニングのためのエッチングマスクとして機能する。したがって、マスク層130は第2段階(S20)の金属膜と異なる物質で形成され、第4段階(S40)で金属膜をエッチングするエッチングガスに対して反応性が低い物質で形成される。ここで、反応性が低いというのは、金属膜のエッチングガスに対する金属膜対比マスク層130のエッチング比率が1以下であることを意味する。
【0040】
また、マスク層130は、異方性真空塗布が可能な物質で形成され、好ましくは、無機物又は金属で形成される。例えば、マスク層130は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、ポリシリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム、銅、金、タングステン、チタニウム、及びチタニウム−タングステンのうちのいずれか一つの単一膜、又はこれらの積層膜で形成されることができる。
【0041】
第2段階(S20)の金属膜がアルミニウムである場合、マスク層130は、アルミニウムのエッチングガスに対して上述したエッチング比率を満足する金属又は無機物から形成され、例えば、シリコン酸化物から形成されてもよい。
【0042】
図2Bを参照すれば、第2段階(S20)で基板140の上に金属膜150が形成され、スタンプ120のマスク層130の中でナノ構造体110上部のマスク層130が第3段階(S30)で金属膜150の上に転写される。
【0043】
基板140は、ガラス、水晶、高分子など多様な素材で製作されることができる。金属膜150は、アルミニウム、タングステン、チタニウム、又はチタニウム−タングステンなどの多様な金属を含むことができ、基板140の全面に化学的真空蒸着(chemical vapor deposition、CVD)により形成されることができる。CVDにより形成された金属膜150は、物理的真空蒸着(physical vapor deposition、PVD)により形成された金属膜よりも膜特性に優れている。
【0044】
第2段階(S20)で、金属膜150の上に接着層160が形成できる。接着層160はn−3−(trimethoxysilyl)propyl)ethylenediamineのような接着プライマーから形成されることができ、第3段階(S30)で金属膜150に対するマスク層130の接着力を高める機能をする。接着層160は必要によって省略可能である。
【0045】
第3段階(S30)で、スタンプ120は、マスク層130が蒸着された一面が基板140と対向するように基板140の上に整列され、基板140に向かって下降した後、上に上昇する。スタンプ120の下降によってナノ構造体110上部のマスク層130は接着層160に密着し、上昇するスタンプ120から分離されて接着層160の上に転写される。
【0046】
このとき、下降したスタンプ120には全体的に均一な圧力が加わって、マスク層130が基板140の上によく接触するようにし、接着層160の接着性を強化させるために追加的な圧力又は熱が加わったり、紫外線照射が行われてもよい。転写されたマスク層130の幅は、スタンプ120の突出部115の幅と同一であるか、又はこれより大きくてもよく、マスク層130間の間隔は、突出部115間の間隔と同一であるか、又はこれより小さくてもよい。
【0047】
図2Cを参照すれば、第4段階(S40)で、金属膜150はドライエッチングにより金属線155にパターニングされる。具体的に、マスク層130が転写された基板140はドライエッチング設備に投入され、金属膜150のうちのマスク層130により覆われない部位がエッチングガスによって除去される。ドライエッチングはウエットエッチングと異なり、一方向にエッチングが行われる異方性エッチングであるため、金属膜150を高い縦横比でエッチングすることができる。
【0048】
さらに、マスク層130は、高分子樹脂のような有機物ではなく、固い無機物又は金属で形成されるので、金属膜150をイオンエッチングする過程でエッチングガスによる物理的な損傷が少ない。したがって、金属線155を精密にパターニングすることができ、完成された金属線155は1以上の高い縦横比を有することができる。
【0049】
高分子樹脂のような有機物から形成されたマスク層は、イオンエッチング過程で容易に損傷する。マスク層が損傷すれば、金属膜の意図しない部位がエッチングガスによって露出するので、金属線を意図した形状に精密にパターニングすることができない。また、金属線を高い縦横比に形成することもできない。
【0050】
完成されたワイヤグリッド偏光子200は、基板140と、基板140の上に形成された金属線155とを含み、金属線155それぞれは1以上の高い縦横比を有することができる。接着層160とマスク層130は除去されずに金属線155の上に残ってワイヤグリッド偏光子200を構成することができる。
【0051】
他の一方で、マスク層130と接着層160は除去されて、基板140の上に金属線155のみ残ることもできる。
図2Dに示したワイヤグリッド偏光子200aは、基板140と金属線155から構成される。
【0052】
上述した第1実施形態の製造方法は、スタンプ120に異方性真空蒸着により無機物又は金属を含むマスク層130を形成し、マスク層130を金属膜150の上に転写させ、転写されたマスク層130を利用して金属膜150をドライエッチングする特徴を有する。
【0053】
図16を参照して説明した従来のナノインプリント技術と比べるとき、第1実施形態のマスク層にはパターニングされずに残った部分である残余層が存在しない。具体的に、第1実施形態のマスク層130は加圧による変形を経ないので、基板140とスタンプ120が大型化されても残余層が発生しなく、その結果、残余層による金属線155のパターン不良を防止することができる。
【0054】
一方、基板140が大型化するほど、基板140の表面不均一(平坦度低下)によってマスク層130の転写品質が多少低下する恐れがあるが、高分子フィルムのような可撓性(flexible)物質でスタンプ120を製作すれば、このような問題を解決することができる。つまり、可撓性物質で製作されたスタンプ120は、外圧により金属膜150の表面屈曲に沿って容易に変形するので、マスク層130の転写品質を高めることができる。
【0055】
第1実施形態の製造方法によれば、スタンプ120を大型化したり、ロールスタンプに製作してマスク層130の転写を連続工程で遂行することができ、これにより、ワイヤグリッド偏光子200を容易に大量製造することができる。また、膜特性に優れた金属膜150を1以上の高い縦横比で精密にパターニングすることができるので、高品質のワイヤグリッド偏光子200を製造することができる。
【0056】
図3A及び
図3Bは、
図1における第3段階の第1変形例を示す概略断面図である。
【0057】
図3A及び
図3Bを参照すれば、スタンプ120は高分子フィルムのような可撓性物質から形成され、ナノ構造体110とマスク層130が基板140に向かうように基板140の上に整列される。以降、スタンプ120の上にローラ(R)が移動しながらスタンプ120とマスク層130を押して、マスク層130を金属膜150に密着させる。一定時間経過後、スタンプ120が基板140から分離されて、マスク層130が金属膜150の上に転写される。
【0058】
転写過程でマスク層130に熱が加えられることができ、ローラ(R)による加圧以降、時間差をおいてスタンプ120を分離させれば、金属膜150に対するマスク層130の接着力を高めることができる。
【0059】
図4は、
図1における第3段階の第2変形例を示す概略断面図である。
【0060】
図4を参照すれば、スタンプ120は高分子フィルムのような可撓性物質から形成され、ナノ構造体110とマスク層130が他側に向かうようにローラ(R)表面にローディングされる。スタンプ120を巻いたローラ(R)は基板140の上で一定の速度で回転し、スタンプ120に蒸着されたマスク層130は、ローラ(R)の下端を通過するとき、ローラ(R)によって押さえられながら金属膜150に密着した後、金属膜150の上に転写される。
【0061】
上述のように、曲がるスタンプ120とローラ(R)を利用すれば、大型基板140の上にマスク層130を速かに形成することができる。
【0062】
図5A乃至
図5Cは、本発明の第2実施形態によるワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【0063】
図5Aを参照すれば、第1段階(S10)で、ナノ構造体110が形成されたスタンプ120の一面に異方性真空蒸着によりマスク層130aを形成し、このとき、スタンプ120を傾ける方法などを適用してマスク層130物質を傾斜蒸着する。このことにより、マスク層130aは突出部115の上部表面と突出部115の一側面に形成される。このとき、傾斜蒸着は、蒸着方向がスタンプ120の厚さ方向(
図5Aにおいて垂直方向)と一致せず、所定の傾斜角を有することを意味する。
【0064】
マスク層の蒸着方向がスタンプの厚さ方向と一致する場合、突出部の側面にも少量のマスク層物質が蒸着されることができる。万一、マスク層を厚く形成しようとするとき、マスク層の蒸着方向をスタンプの厚さ方向と一致させれば、マスク層は、突出部の上部表面、突出部の両側面、突出部間の凹んだ表面のいずれにも形成できる。
【0065】
つまり、マスク層は、ナノ構造体が形成されたスタンプの一面全体に形成できる。この場合、マスク層を金属層の上に転写すれば、突出部の上部表面のマスク層のみ転写されず、スタンプ一面のマスク層全体が金属層の上に転写できる。
【0066】
マスク層130aを厚く形成しようとするときには、
図5Aに示した通り、マスク層130aを傾斜蒸着することができる。このことにより、マスク層130aは突出部115の上部表面と突出部115の一側面に形成されるので、複数のマスク層130aを分離形成することができる。つまり、傾斜蒸着を適用すれば、スタンプ120の一面全体にマスク層が形成されることを防止できる。
【0067】
図5B及び
図5Cを参照すれば、第2段階(S20)、第3段階(S30)及び第4段階(S40)は上述した第1実施形態と同一である。但し、第3段階(S30)で転写されたマスク層130aは、一定の厚さの平坦部131と、平坦部131の一側周縁と接触する楔形状の突起132と、を含む。第4段階(S40)以後、接着層160とマスク層130aは除去されることができ、除去されずに残って金属線155と共にワイヤグリッド偏光子を構成することも可能である。
【0068】
図6A及び
図6Bは、本発明の第3実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するために概略断面図である。
【0069】
図6Aを参照すれば、第1段階(S10)及び第2段階(S20)は上述した第2実施形態と同一であり、第3段階(S30)で金属膜150の上に転写されたマスク層130aは、一定の厚さの平坦部131と、平坦部131の一側周縁と接触する楔形状の突起132と、を含む。以降、マスク層130aは、マスク層のエッチングガスに露出して平坦部131が全て除去されるまでエッチングされる。
【0070】
突起132は平坦部より大きい厚さを有するので、マスク層130aのエッチング過程で平坦部131が全て除去されても突起132の一部は残る。したがって、最終マスク層130bは上に尖っている楔形状を有し、極めて小さい幅を有し得る。
【0071】
図6Bを参照すれば、第4段階(S40)で、金属膜150はマスク層130bにより覆われない部位がエッチングガスによって除去されて金属線155にパターニングされる。第4段階(S40)以後接着層160とマスク層130bは除去されることができ、除去されずに残って金属線155と共にワイヤグリッド偏光子を構成することも可能である。
【0072】
第3実施形態の方法により完成された金属線155は、第1及び第2実施形態の方法により完成された金属線よりも極めて小さい線幅を有する。第3実施形態の製造方法によれば、金属線155の幅を効果的に縮小させることができ、このような結果によって金属線155の縦横比を効果的に高めることができる。
【0073】
図7A乃至
図7Cは、本発明の第4実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【0074】
図7Aを参照すれば、第1段階(S10)で、ナノ構造体110が形成されたスタンプ120の一面に異方性真空蒸着によりマスク層130cを形成する。このとき、第1段階(S10)は、蒸着方向が互いに異なる第1傾斜蒸着工程と第2傾斜蒸着工程を含む。例えば、スタンプ120を一方向に傾けてマスク層130cを傾斜蒸着した後、スタンプ120を反対方向に傾けてマスク層130cを傾斜蒸着することができる。
【0075】
第1傾斜蒸着工程で、マスク層130c物質はスタンプ120の一側(
図7Aにおいて右側)から傾斜蒸着される。このことにより、マスク層130cは、突出部115の上部表面と、突出部115の一側面(
図7Aにおいて右側側面)に形成される。第2傾斜蒸着工程で、マスク層130c物質はスタンプ120の他側(
図7Aにおいて左側)から傾斜蒸着される。このことにより、マスク層130cは、突出部115の上部表面と、突出部115の他側面(
図7Aにおいて左側側面)に形成される。
【0076】
結果的に、マスク層130cは突出部115の上部表面と突出部115の両側面に形成され、突出部115間の凹んだ表面にはマスク層が形成されない。マスク層130cを厚く形成しようとするときには、
図7Aに示した通り、蒸着方向が互いに反対の2回の傾斜蒸着を行うことができる。したがって、複数のマスク層130cを分離形成して、スタンプ120の一面全体にマスク層が形成されることを防止できる。
【0077】
図7B及び
図7Cを参照すれば、第2段階(S20)、第3段階(S30)及び第4段階(S40)は上述した第1実施形態と同一である。但し、第3段階(S30)で転写されたマスク層130cは、一定の厚さの平坦部131と、平坦部131の両側周縁と接触する楔形状の突起132と、を含む。第4段階(S40)以後、接着層160とマスク層130cは除去されることができ、除去されずに残って金属線155と共にワイヤグリッド偏光子を構成することも可能である。第3段階(S30)で金属膜150の上に転写されたマスク層130cの顕微鏡写真を
図7Dに示した。
【0078】
図8A及び
図8Bは、本発明の第5実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【0079】
図8Aを参照すれば、第1段階(S10)と第2段階(S20)は上述した第4実施形態と同一であり、第3段階(S30)で金属膜150の上に転写されたマスク層130cは、一定の厚さの平坦部131と、平坦部131の両側周縁と接触する楔形状の突起132と、を含む。以降、マスク層130cは、マスク層のエッチングガスに露出して平坦部131が全て除去されるまでエッチングされる。
【0080】
突起132は平坦部131より大きい厚さを有するので、マスク層130cのエッチング過程で平坦部131が全て除去されても、突起132の一部は残る。したがって、最終マスク層130dは上に尖っている楔形状を有し、極めて小さい幅を有し得る。このとき、最終マスク層130dの個数は転写された初期マスク層130c個数の2倍である。
【0081】
図8Bを参照すれば、第4段階(S40)で、金属膜150はマスク層130dにより覆われない部位がエッチングガスによって除去されて金属線155にパターニングされる。第4段階(S40)以後、接着層160とマスク層130dは除去されることができ、除去されずに残って金属線155と共にワイヤグリッド偏光子を構成することも可能である。
【0082】
第5実施形態の方法により完成された金属線155は、第4実施形態の方法により完成された金属線よりも極めて小さい線幅を有すると共に、第4実施形態の方法により完成された金属線よりも2倍の個数を有する。つまり、第5実施形態の方法により完成された金属線155は、第4実施形態の方法により完成された金属線に比べ、そのピッチ約2倍に減らすことができる。第5実施形態の製造方法によれば、金属線155の幅とピッチを効果的に減らすことができ、金属線155の縦横比を効果的に高めることができる。
【0083】
図9A乃至
図9Cは、本発明の第6実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【0084】
図9Aを参照すれば、基板140の上に金属膜150を形成する第2段階(S20)で、金属膜150の上にハードマスク層170がさらに形成される。ハードマスク層170は金属膜150と接着層160の間に位置し得る。
【0085】
金属膜150は、タングステン、チタニウム、又はタングステン−チタニウムなどを含むことができる。このとき、シリコン酸化物、シリコン窒化物、又はポリシリコンのような無機物からマスク層130を形成すれば、マスク層130は第4段階(S40)で金属膜150のエッチングガスによって共にエッチングされ得る。つまり、上述した無機物は金属膜150のエッチングガスに対して高い反応性を示す。
【0086】
ハードマスク層170は、金属膜150のエッチングガスに対して反応性が低い物質で形成され、金属膜150と異なる種類の金属を含んでもよい。ここで、反応性が低いというのは、金属膜150のエッチングガスに対する金属膜150対比ハードマスク層170のエッチング比率が1以下であることを意味する。
【0087】
例えば、金属膜150がタングステン、チタニウム、又はタングステン−チタニウムなどを含む場合、ハードマスク層170はアルミニウムを含むことができる。金属膜150の上にハードマスク層170が位置することによって、マスク層130は金属膜150のエッチングガスに対してエッチング反応性が高い物質で形成されてもよい。
【0088】
図9B及び
図9Cを参照すれば、第4段階(S40)は、第1エッチングガスを利用してハードマスク層170をドライエッチングする第1過程(
図9b)と、第2エッチングガスを利用して金属膜150をドライエッチングする第2過程(
図9c)と、を含む。
【0089】
第1過程で、ハードマスク層170のうちのマスク層130により覆われない部位がエッチングにより除去され、金属膜150の表面が露出するまでエッチングされる。このとき、第1エッチングガスに対するハードマスク層170対比マスク層130のエッチング比率は1以下である。
【0090】
第2過程で、金属膜150のうちのハードマスク層170により覆われない部位がエッチングにより除去され、金属膜150は金属線155にパターニングされる。第2過程で、マスク層130は第2エッチングガスにより除去されるが、金属膜150の上にハードマスク層170が残っているので、ハードマスク層170がエッチングマスクとして作用する。
【0091】
第2過程でハードマスク層170も第2エッチングガスによって一部エッチングされ得るが、金属線155が意図した縦横比を有するようにエッチングされるまで(例えば、基板140の表面が露出するまで)ハードマスク層170が残留する。このために、第2エッチングガスに対するハードマスク層170と金属膜150のエッチング率を考慮して、ハードマスク層170を適正厚さに形成することができる。
【0092】
第6実施形態の製造方法における第1段階及び第3段階は上述した第1実施形態と同一なので、重複する説明は省略する。第6実施形態の方法により完成されたワイヤグリッド偏光子200bは、基板140と、基板140の上に形成された金属線155と、金属線155の上部表面に形成されたハードマスク層170と、を含む。ハードマスク層170も金属で形成されるので、ワイヤグリッド偏光子200bの金属線として機能する。
【0093】
したがって、第6実施形態のワイヤグリッド偏光子200bにおいて実際の偏光機能を担当する金属線は、第1金属で形成された下層部(元の金属線)と、第2金属で形成された上層部(ハードマスク層)とで構成され、このような2層構造によって第1実施形態の金属線よりもさらに高い縦横比を有することができる。
【0094】
図10A乃至
図10Cは、本発明の第7実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【0095】
図10A乃至
図10Cを参照すれば、第1段階(S10)でマスク層130aは傾斜蒸着され、第3段階(S30)で、ハードマスク層170の上に転写されたマスク層130aは、一定の厚さの平坦部131と、平坦部131の一側周縁と接触する楔形状の突起132と、を含む。第1段階(S10)でマスク層130aの傾斜蒸着方法は上述した第2実施形態と同一であり、第2段階乃至第4段階(S20、S30、S40)は上述した第6実施形態と同一なので、重複する説明は省略する。
【0096】
図11A乃至
図11Cは、本発明の第8実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【0097】
図11Aを参照すれば、第1段階(S10)でマスク層130aは傾斜蒸着され、第3段階(S30)で、ハードマスク層170の上に転写されたマスク層130aは、一定の厚さの平坦部131と、平坦部131の一側周縁と接触する楔形状の突起132と、を含む。以降、マスク層130aはマスク層のエッチングガスに露出して平坦部131が全て除去されるまでエッチングされる。最終マスク層130bは上に尖っている楔形状を有し、極めて小さい幅を有し得る。
【0098】
図11B及び
図11Cを参照すれば、第4段階(S40)で、ハードマスク層170と金属膜150はマスク層130bと同じ幅にパターニングされる。第8実施形態の製造方法でマスク層130aの平坦部131を除去する過程を除いたそれ以外の過程は、上述した第7実施形態と同一である。
【0099】
図12A乃至
図12Cは、本発明の第9実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【0100】
図12A乃至
図12Cを参照すれば、第1段階(S10)でマスク層130cは互いに反対方向に2回傾斜蒸着され、第3段階(S30)で、ハードマスク層170の上に転写されたマスク層130cは、一定の厚さの平坦部131と、平坦部131の両側周縁と接触する楔形状の突起132と、を含む。第1段階(S10)でマスク層130cの傾斜蒸着方法は上述した第4実施形態と同一であり、第2段階乃至第4段階(S20、S30、S40)は上述した第6実施形態と同一なので、重複する説明は省略する。
【0101】
図13A乃至
図13Cは、本発明の第10実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【0102】
図13Aを参照すれば、第1段階(S10)でマスク層130cは互いに反対方向に2回傾斜蒸着され、第3段階(S30)で、ハードマスク層170の上に転写されたマスク層130cは、一定の厚さの平坦部131と、平坦部131の両側周縁と接触する楔形状の突起132と、を含む。以降、マスク層130cは、マスク層のエッチングガスに露出して平坦部131が全て除去されるまでエッチングされる。最終マスク層130dは上に尖っている楔形状を有し、極めて小さい幅を有し得る。
【0103】
図13B及び
図13Cを参照すれば、第4段階(S40)で、ハードマスク層170と金属膜150はマスク層130dの同じ幅にパターニングされる。第10実施形態の製造方法でマスク層130cの平坦部131を除去する過程を除いたそれ以外の過程は、上述した第9実施形態と同一である。第10実施形態の製造方法によれば、金属線155の幅とピッチを効果的に減らすことができ、金属線155の縦横比を効果的に高めることができる。
【0104】
上述した第2実施形態乃至第10実施形態に使用されるスタンプ120は、固いスタンプでるか、または曲がるスタンプであってもよく、曲がるスタンプの場合、ローラを利用してマスク層130、130a、130cを金属膜150又はハードマスク層170の上に転写することができる。
【0105】
図14A乃至
図14Dは、本発明の第11実施形態に係るワイヤグリッド偏光子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【0106】
図14Aを参照すれば、第1段階(S10)で、スタンプ120の一面に形成されたマスク層130eは異種物質の多層膜で構成される。
【0107】
具体的に、マスク層130eは、スタンプ120の表面と接触する離型層135と、離型層135の上に形成されて、実質的なエッチングマスクとして機能するマスク物質層136と、マスク物質層136の上に形成された接着強化層137と、を含む。離型層135、マスク物質層136、及び接着強化層137のいずれも異方性真空蒸着により形成される。
【0108】
離型層135は、第3段階(S30)でマスク層130eを金属膜150の上に転写するとき、スタンプ120に対するマスク層130eの離型(分離)性能を高める機能をする。離型層135はアルミニウムのような金属で形成でき、マスク物質層136は無機物、又は離型層135と異なる種類の金属で形成できる。
【0109】
接着強化層137は、金属膜150に対するマスク物質層136の接着力を高める機能をする。接着強化層137は、基板140上の金属膜150の同じ金属で形成されるか、又は金属膜150と異なる種類の金属のうち、金属膜150との接着力に優れた金属で形成されてもよい。
【0110】
図14C及び
図14Cを参照すれば、第3段階(S30)でマスク層130eは金属膜150の上に転写される。このとき、離型層135は転写されず、スタンプ120の突出部115の上に残留したり(
図14B)、マスク物質層136及び接着強化層137と共に金属膜150の上に転写され得る(
図14C)。2つのいずれの場合においてもマスク物質層136は接着強化層137によって金属膜150の上に堅固に固定される。
【0111】
このとき、接着強化層137が金属膜150と同じ金属で形成される場合、金属膜150とマスク層130eの常温接合が可能になる。したがって、転写過程でマスク層130eの接合力を高めるための昇温過程を省略することができる。
【0112】
図14Dを参照すれば、第4段階(S40)で、金属膜150のうちのマスク物質層136により覆われない部位がエッチングガスによって除去され、金属膜150は高い縦横比を有する金属線155にパターニングされる。金属線155上部のマスク物質層136は除去されるか、又は除去されずに残って、金属線155と共にワイヤグリッド偏光子200cを構成することができる。
【0113】
このように第11実施形態の製造方法で、マスク層130eは各種機能層を含む多層膜で構成される。このとき、機能層はマスク物質層136の離型性能を高める離型層135と、金属膜150に対するマスク物質層136の接着力を高める接着強化層137と、を含む。
【0114】
第11実施形態の製造方法では、離型層135を利用してスタンプ120からマスク物質層136の離型(分離)を円滑にすることができ、その結果、マスク物質層136の転写品質を高めることができる。また、接着強化層137を利用して金属膜150に対するマスク物質層136の接着力を高めることによって、製造過程におけるマスク物質層136の脱落や剥げなどを防止して、金属線155のパターニング品質を高めることができる。
【0115】
第11実施形態の製造方法で、第2段階(S20)、第3段階(S30)、及び第4段階(S40)は、上述した第1実施形態乃至第10実施形態のいずれか一実施形態と同一である。また、第11実施形態に使用されるスタンプ120は固いスタンプであるか、又は曲がるスタンプであってもよい。曲がるスタンプの場合、転写段階でローラを利用することができる。
【0116】
図15Aは、
図14Aにおけるマスク層の第1変形例を示す概略断面図である。
【0117】
図15Aを参照すれば、マスク層130fは、スタンプの表面と接触する離型層135と、離型層135の上に形成された第1マスク物質層136aと、第1マスク物質層136aの上に形成された柔軟層138と、柔軟層138の上に形成された第2マスク物質層136bと、第2マスク物質層136bの上に形成された接着強化層137と、を含む。
【0118】
離型層135、第1マスク物質層136a、柔軟層138、第2マスク物質層136b、及び接着強化層137のいずれも異方性真空蒸着により形成される。
【0119】
第1マスク物質層136a及び第2マスク物質層136bが実質的なエッチングマスクとして機能し、無機物、又は離型層135と異なる種類の金属で形成できる。柔軟層138は、マスク層130f全体の柔軟性を高めて大面積パターニングを可能にする。例えば、柔軟層138はアルミニウムのように軟性に優れた金属で形成され得る。
【0120】
無機物を含むマスク層は柔軟性が高くないが、マスク物質層136a、136bが2つに分離され、2つに分離されたマスク物質層136a、136bの間に柔軟層138が位置することによって、第1変形例のマスク層130fは全体的に柔軟性が向上する。したがって、マスク層130fは可撓性スタンプに非常に有利に適用でき、基板とスタンプを大型化して、大面積パターニングを実現することができる。
【0121】
図15Bは、
図14Aに示したマスク層の第2変形例を示す概略断面図である。
【0122】
図15Bを参照すれば、マスク層130gは、スタンプの表面と接触する離型層135と、離型層135の上に順次に積層された第1マスク物質層136a、第1柔軟層138a、第2マスク物質層136b、第2柔軟層138b、第3マスク物質層136c、及び接着強化層137を含む。
【0123】
離型層135、第1マスク物質層136a、第1柔軟層138a、第2マスク物質層136b、第2柔軟層138b、第3マスク物質層136c、及び接着強化層137のいずれも異方性真空蒸着により形成される。
【0124】
第1乃至第3マスク物質層136a、136b、136cは実質的なエッチングマスクとして機能し、無機物、又は離型層135と異なる種類の金属で形成できる。第1柔軟層138a及び第2柔軟層138bは、マスク層130g全体の柔軟性を高めて大面積パターニングを可能にする。例えば、第1柔軟層138a及び第2柔軟層138bはアルミニウムのように軟性に優れた金属で形成されてもよい。
【0125】
第2変形例のマスク層130gも全体的に柔軟性が向上し、これにより、マスク層130gは可撓性スタンプに非常に有利に適用でき、基板とスタンプを大型化して大面積パターニングを実現することができる。上述したマスク層130f、130gにおいてマスク物質層と柔軟層の個数は、
図15A及び
図15Bに示した例に限定されない。
【0126】
上記で本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属するのは当然である。