特許第6239581号(P6239581)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6239581情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239581
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20130101AFI20171120BHJP
   G06F 3/0481 20130101ALI20171120BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20171120BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20171120BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20171120BHJP
   G06T 17/05 20110101ALI20171120BHJP
   A63F 13/525 20140101ALI20171120BHJP
【FI】
   G06F3/0484 150
   G06F3/0481 150
   G06T19/00 A
   G09G5/00 510H
   G09G5/36 510B
   G06T17/05
   A63F13/525
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-256877(P2015-256877)
(22)【出願日】2015年12月28日
(65)【公開番号】特開2017-120531(P2017-120531A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2016年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】301063496
【氏名又は名称】東芝デジタルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジリエ アルマン シモン アリ
(72)【発明者】
【氏名】梁 連秀
(72)【発明者】
【氏名】シャラマ アンキット
(72)【発明者】
【氏名】中島 暢康
(72)【発明者】
【氏名】武藤 隆一
(72)【発明者】
【氏名】内藤 賢一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 隆宏
【審査官】 松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−177809(JP,A)
【文献】 特開平11−316824(JP,A)
【文献】 特開平09−212686(JP,A)
【文献】 特開2010−079547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00 −13/98
G06F 3/01
G06F 3/048− 3/0489
G06T 1/00
G06T 11/60 −13/80
G06T 17/05
G06T 19/00 −19/20
G09G 5/00 − 5/36
G09G 5/377− 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元画像と、前記2次元画像上でユーザの視点の位置を設定するユーザアイコンと、前記2次元画像上で対象点の位置を設定する対象点位置アイコンと、前記視点の高度を調節する視点高度調節部と、前記対象点の高度を調節する対象点高度調節部と、前記視点から前記対象点を眺めた視界の3次元画像と、を表示部に表示させる表示制御部と、
前記ユーザアイコンの位置、前記対象点位置アイコンの位置、前記視点高度調節部の高度および前記対象点高度調節部の高度を変更する入力部と、を備え、
前記入力部は、前記3次元画像を変更可能に構成され、
前記表示制御部は、前記入力部による前記位置または前記高度の調節に応じて前記3次元画像を更新し、
前記3次元画像の変更に応じて、前記2次元画像上の前記ユーザアイコンおよび前記対象点位置アイコンの位置と、前記視点高度調節部の高度および前記対象点高度調節部の高度とを更新する情報処理装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記2次元画像上に前記ユーザの視野角を表現する図形を表示可能に構成され、
前記入力部は、前記図形を操作することにより、前記ユーザの視野角を変更可能であり、
前記表示制御部は、前記入力部による前記図形の操作に従い、前記3次元画像を更新する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記次元画像上に前記ユーザ視点と前記対象点の相対位置を表すアイコンを表示可能に構成される、請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記3次元画像上に、所定の方向を示し、前記視点と前記対象点の距離の変化によって大きさが変更される軸を表示する、請求項1乃至いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記3次元画像上に、
高度を表す縦軸と、
前記縦軸上に表示される前記視点の高度を示す印と、
前記縦軸上に表示される前記対象点の高度を示す印と、
前記視点の高度を示す印と前記視点高度調節部とを結ぶ図形と、
前記対象点の高度を示す印と前記対象点高度調節部とを結ぶ図形と、を表示する、請求項1乃至いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
2次元画像と、前記2次元画像上でユーザの視点の位置を設定するユーザアイコンと、前記2次元画像上で対象点の位置を設定する対象点位置アイコンと、前記視点の高度を調節する視点高度調節部と、前記対象点の高度を調節する対象点高度調節部と、前記視点から前記対象点を眺めた視界の3次元画像と、を表示部に表示し、
前記ユーザアイコンの位置、前記対象点位置アイコンの位置、前記視点高度調節部の高度または前記対象点高度調節部の高度を変更した場合に、前記位置または前記高度の調節に応じて前記3次元画像を更新し、
前記3次元画像を変更した場合に、前記2次元画像上の前記ユーザアイコンおよび前記対象点位置アイコンの位置と、前記視点高度調節部の高度および前記対象点高度調節部の高度とを更新する、情報処理方法。
【請求項7】
2次元画像と、前記2次元画像上でユーザの視点の位置を設定するユーザアイコンと、前記2次元画像上に対象点の位置を設定する対象点位置アイコンと、前記視点の高度を調節する視点高度調節部と、前記対象点の高度を調節する対象点高度調節部と、前記視点から前記対象点を眺めた視界の3次元画像と、を表示させるステップと、
前記ユーザアイコンの位置、前記対象点位置アイコンの位置、前記視点高度調節部の高度および前記対象点高度調節部の高度を変更させるステップと、
前記位置または前記高度の調節に応じて前記3次元画像を更新させるステップと、
前記3次元画像を変更するステップと、
前記3次元画像の変更に応じて、前記2次元画像上の前記ユーザアイコンおよび前記対象点位置アイコンの位置と、前記視点高度調節部の高度および前記対象点高度調節部の高度とを更新させるステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に記載の実施の形態は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地図などの表現対象は、その用途によって2次元表示される場合と、3次元表示される場合とがある。
2次元表示は、対象物の位置を直観的に把握するのに適しているという利点があるが、表現対象が3次元形状を有している場合に、対象の3次元形状を把握しにくいという欠点がある。
これに対し、3次元表示は、対象物が3次元構造を有している場合には、その構造をリアルに表現することができるが、当該3次元表示に対し所望の操作を行おうとする場合、ユーザの視点や対象点の3次元表示上での位置や角度などが分かりにくく、ユーザが混乱しやすいという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開公報2013−29958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一の実施形態は、2次元表示と3次元表示それぞれの長所を維持しつつそれぞれの欠点を補って、ユーザの利便性を向上させる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態による情報処理装置は、2次元画像と、2次元画像上でユーザの視点の位置を設定するユーザアイコンと、2次元画像上で対象点の位置を設定する対象点位置アイコンと、視点の高度を調節する視点高度調節部と、対象点の高度を調節する対象点高度調節部と、視点から対象点を眺めた視界の3次元画像と、を表示部に表示させる表示制御部と、ユーザアイコンの位置、対象点位置アイコンの位置、視点高度調節部の高度および対象点高度調節部の高度を変更する入力部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施の形態に係る情報処理システムのハードウェア構成を示す概略図である。
図2】第1の実施の形態に係る情報処理端末の構成を示すブロック図である。
図3A】第1の実施の形態に係る情報処理端末における表示部の表示例を示す模式図である。
図3B】第1の実施の形態に係る情報処理端末における表示部の表示例を示す模式図である。
図4】第1の実施の形態に係る情報処理端末における機能ブロック図である。
図5】第1の実施の形態に係る情報処理システムの動作を説明するフローチャートである。
図6】第1の実施の形態に係る情報処理システムの動作を説明する模式図である。
図7】第1の実施の形態に係る情報処理システムの動作を説明するフローチャートである。
図8】第1の実施の形態に係る情報処理システムの動作を説明する模式図である。
図9】第1の実施の形態に係る情報処理システムの動作を説明するフローチャートである。
図10】第1の実施の形態に係る情報処理システムの動作を説明する模式図である。
図11】第1の実施の形態に係る情報処理システムの動作を説明するフローチャートである。
図12】第1の実施の形態に係る情報処理システムの動作を説明する模式図である。
図13】第2の実施の形態に係る情報処理システムの動作を説明する模式図である。
図14】第2の実施の形態に係る情報処理システムの動作を説明するフローチャートである。
図15】第3の実施の形態に係る情報処理システムの動作を説明する模式図である。
図16】第3の実施の形態に係る情報処理端末における表示部の表示例を示す図である。
図17】第3の実施の形態に係る情報処理端末における表示部の表示例を示す図である。
図18】第3の実施の形態に係る情報処理端末における表示部の表示例を示す図である。
図19】第3の実施の形態に係る情報処理端末における表示部の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。表示データの一例として地図データを2次元表示、3次元表示する場合を説明するが、これに限定されず、他にも適宜変更可能である。例えば、地図データのみを3次元表示するシステムにも、以下の実施の形態と同様のシステムが適用可能である。その他、3次元表示可能であり、様々な方向からの見え方を表示する必要のある様々な表現対象に対し同様のシステムが適用可能である。
【0008】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理システムのハードウェア構成を示す概略図である。ソフトウェア100が搭載されたサーバ装置101(情報処理装置)と、ウェブブラウザ307が搭載された端末103とがインターネット102を介して接続されており、互いに通信が可能である。「接続」とは、必ずしも物理的に配線等により接続されていることを指すものではなく、構成要素間でデータや信号を送受信できることを意味している。サーバ装置101は、単一でなくても良く、複数のサーバ装置が互いに連携して1つのシステムを構成していてもよい。端末103は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレットコンピュータ、スマートフォンなどである。端末103は、単一でなくとも良く、1のユーザがパソコンと携帯電話など複数種類の端末を組み合わせて使用することで、本システムを利用するようにしてもよい。ソフトウェア100は、クライアント側のソフトウェア(ウェブブラウザ307)に対して、HTML、テキストデータ、画像データ等の表示を提供するサービスプログラムである。また、ソフトウェア100は、ウェブブラウザ307からの操作に従い、端末103での表示を制御する。
【0009】
図2は、本実施の形態に係る端末103の構成を示すブロック図である。端末103は、CPU201(Central Processing Unit)、ROM202(Read Only Memory)、RAM203(Random Access Memory)、入出力インターフェース205、及び、これらを互いに接続するバス204を備える。
【0010】
入出力インターフェース205には、表示部206、入力部207、記憶部208、通信部209、及びドライブ部210等が接続される。
【0011】
表示部206は、例えば液晶、EL(Electro−Luminescence)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスであり、後述する2次元地図2、3次元ビュー3などを表示する。
【0012】
入力部207は、例えばポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の操作装置である。入力部207がタッチパネルを含む場合、そのタッチパネルは表示部206と一体となり得る。
【0013】
記憶部208は、不揮発性の記憶デバイスであり、例えばHDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、その他の固体メモリである。記憶部208にクライアント側ソフトウェア(ウェブブラウザ307)が格納される。
【0014】
ドライブ部210は、例えば光学記録媒体、フレキシブルディスク、磁気記録テープ、フラッシュメモリ等、リムーバル記録媒体211を駆動することが可能なデバイスである。
【0015】
通信部209は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等に接続可能な、他のデバイスと通信するためのモデム、ルータ、その他の通信機器である。通信部209は、有線及び無線のどちらを利用して通信するものであってもよい。通信部209は、端末103の本体と一体に構成されていてもよいし、別体であってもよい。
【0016】
次に、図3A図3Bを参照して本実施の形態に係る情報処理システムにおける動作および表示例を説明する。
図3Aは、本実施の形態に係る情報処理システムにおける表示部206の表示例を示す模式図である。表示部206は、2次元地図2(2次元画像)、2次元地図2に対応する3次元ビュー3(3次元画像)、視点高度スライダ7(視点高度調節部)、対象点高度スライダ8(対象点高度調節部)を表示する。表示内容はソフトウェア100において制御される。ソフトウェア100において選択・制御された表示データは、端末103の通信部209を介して端末103に取り込まれ、CPU201でウェブブラウザ307により処理された後、表示部206に表示される。
【0017】
図3Aにおいて、2次元の地図データを2次元地図2として表示している。2次元地図2上のユーザアイコン4は本システムのユーザの視点の位置を示し、対象点位置アイコン5は当該ユーザが観察の目的とする対象点の位置を示している。また、扇型図形6は、2つの線分と、その線分を結ぶ円弧とを有していて、その2つの線分の間の角度によりユーザの視野角を示している。
一方、視点高度スライダ7は、ユーザの視点の高度を調節可能に構成される。換言すれば、視点高度スライダ7は、ユーザアイコン4の高度を調節するものである。また、対象点高度スライダ8は、観察の目的とする対象点の高度を調節可能に構成される。換言すれば、対象点高度スライダ8は、対象点位置アイコン5の高度を調節するものである。図3Aに示すように、視点高度スライダ7および対象点高度スライダ8は、軸、および軸上を上下移動させることで高度を調節するためのスライド部を備える。スライド部にはそれぞれユーザアイコン4、対象点位置アイコン5と同様の模様が表示されている。
3次元ビュー3は、地図データを3次元表示しており、ユーザアイコン4の位置から対象点位置アイコン5を見たときに、地形がどのような形に見えるかを表示する。後述するように、各アイコン4、5の位置や各高度スライダ7、8の高度を変えると、それに応じて3次元ビュー3が変わる。
【0018】
図3A以降、図中のXY軸は水平面を示し、Z軸は高度を示す。視点および対象点の水平面における位置は、水平面座標((X,Y)座標)で表すことができる。また、視点および対象点の高度はZ座標で表し、3次元座標((X,Y,Z)座標)で位置と高度を表すことができる。
【0019】
ユーザアイコン4および対象点位置アイコン5は、ユーザの入力部207における操作で移動可能に構成される。ユーザアイコン4を、例えばマウス(入力部207の1つ)のドラッグアンドドロップ動作などにより2次元地図2上で移動させることで、ユーザの視点となる位置を自由に調節することができる。また、同様に対象点位置アイコン5をマウスのドラッグアンドドロップ動作などにより2次元地図2上で移動させることで、観測の目的とする地点(対象点)を自由に調節することができる。また、視点高度スライダ7のスライド部をマウスのドラッグアンドドロップ動作などにより操作することでユーザの視点の高度を調節でき、対象点高度スライダ8のスライド部をマウスのドラッグアンドドロップ動作などにより操作することで対象点の高度を調節することができる。
【0020】
2次元地図2上で各アイコン4、5の位置が調節され、各高度スライダ7、8でユーザの視点または対象点の高度の調節がなされると、これらの調節に応じて3次元ビュー3が更新される。
【0021】
図3Bは、図3Aの構成に加えて、表示部206に3次元仮想空間31を更に表示した表示例を示している。3次元仮想空間31は2次元地図2および3次元ビュー3と対応したイメージである。3次元仮想空間31は、仮想カメラ9、及び対象点アイコン10を含む。
仮想カメラ9、対象点アイコン10はそれぞれユーザアイコン4、対象点位置アイコン5に対応している。仮想カメラ9は、3次元空間内におけるユーザの視点の位置と方向を示しており、また、対象点アイコン10は3次元空間内における対象点の位置を表している。
各アイコン4、5の位置や、各高度スライダ7、8のスライド部を入力部207で動かすと、CPU201で仮想カメラ9及び対象点アイコン10の座標の変化((X,Y,Z)座標の変化)が計算され、3次元仮想空間31の仮想カメラ9、対象点アイコン10の位置が変わり、更に仮想カメラ9から対象点アイコン10を眺めた場合の見え方が3次元ビュー3に反映される。
なお、3次元仮想空間31、仮想カメラ9および対象点アイコン10は、実際には表示部206に表示せず、2次元地図2、3次元ビュー3、各アイコン4、5および各高度スライダ7、8のみを表示することも可能である。
各アイコン4、5や各高度スライダ7、8等、これらの形状や位置、大きさ等は図示しているものに限らず、任意に変更可能である。例えば、各高度スライダ7,8はユーザの視点や対象点の高度を変更可能に構成されていればよく、例えばダイアル状などにすることもできる。また、各アイコン4、5の位置や各高度スライダ7、8の高度は、直接数字を入力することで座標を決定し、移動させることもできる。
【0022】
また、入力部207で3次元ビュー3をマウス等でドラッグアンドドロップするなどしてユーザの視点の位置や高度を自由に変化させることもできる。3次元ビュー3を変化させると、CPU201で仮想カメラ9の(X,Y,Z)座標の変化が計算され、3次元仮想空間31の仮想カメラ9の位置、高度および方向が変わり、更に2次元地図2におけるユーザアイコン4の位置及び視点高度スライダ7のスライダ部の高度が更新される。
【0023】
このように、本実施の形態に係る情報処理システムは、2次元地図2上での操作でユーザの視点や対象点の位置((X,Y)座標)や高度(Z座標)を細かく設定することができる。2次元地図2上での操作は直感的に理解しやすく、ユーザにおける操作が容易である。そして、このような2次元地図2上での操作により、3次元ビュー3の表示が更新される。3次元ビュー3を直接制御することは可能であるが、ユーザはどのような操作を行えば良いのかを直感的に理解することが一般的に難しい。本実施の形態によれば、2次元地図2上での操作により3次元ビュー3の更新が可能とされる。したがって、2次元表示・3次元表示の長所を維持しつつ短所を補うことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
さらに、後述するように、3次元ビュー3上での操作においてもユーザの視点の位置や高度、向きを自由に操作できる。このような2次元表示と3次元表示のインタラクションにより、2次元表示、及び3次元表示それぞれの弱点を補うことができるので、ユーザの操作を基にした操作性の高い情報処理システムを実現することができる。
【0024】
図4は、本実施の形態に係る端末103における機能ブロック図である。図4に示される各機能は、サーバ装置101に格納されたソフトウェア100が、サーバ装置101内のCPU(図示せず)又は端末103のCPU201によって実行されることにより実現される。
端末103は、データ取得部301、座標計算部302、UI(ユーザインターフェース)イベント管理部303、地図管理部304、表示制御部305、3次元エンジン306、ウェブブラウザ307を備える。
【0025】
端末103は、ソフトウェア100からの種々のデータを、通信部209を介してデータ取得部301で取得し、ウェブブラウザ307の3次元エンジン306に渡され、座標計算部302、UIイベント管理部303および地図管理部304でデータやユーザ操作を解析し、表示制御部305にて画像を合成し、表示部206に表示する。
【0026】
データ取得部301は、サーバ101やその他外部のデータベース等から通信部209を介して地図データ等の表示データを取得する機能を有する。
【0027】
座標計算部302は、2次元地図2におけるユーザアイコン4の位置、対象点位置アイコン5の位置、視点高度スライダ7の高度、および対象点高度スライダ8の高度から、ユーザと対象点の3次元座標((X,Y,Z)座標)を計算する。
また、座標計算部302は、ユーザと対象点の3次元座標((X,Y,Z)座標)を用いて、対象点アイコン10に向かうように仮想カメラ9の方向を計算する。
【0028】
UIイベント管理部303は、ユーザインターフェースで生じる各種イベントを管理する。具体的には、ユーザによる2次元地図2上でのアイコン4、5の操作や、各高度スライダ7、8での高度調節、3次元ビュー3上での操作を管理する。ユーザにより各アイコン4、5や各高度スライダ7、8、3次元ビュー3が操作されると、それに応じて座標計算部302に情報が送信される。
【0029】
地図管理部304は、通信部209、データ取得部301を介して取得した地図データを管理する機能を有する。
【0030】
表示制御部305は、データ取得部301で取得した表示データ、UIイベント管理部303からのユーザ操作の情報、座標計算部302で計算された視点および対象点の(X,Y,Z)座標を基に2次元地図2、3次元仮想空間31、および3次元ビュー3を合成、更新し、表示部206に表示させる。ずなわち、表示制御部305は、入力部による視点と対象点の位置または高度の調節に応じて3次元画像を更新する。
【0031】
3次元エンジン306は、前述の通りウェブブラウザ307の一部を構成し、CPU201と共に3次元画像の形成、及び更新等を司る演算制御部である。
【0032】
次に、図5〜12を参照して本実施形態に係る情報処理システムの制御方法を説明する。図5〜12はそれぞれ、各アイコン4、5、各高度スライダ7、8のうちいずれか一つを操作した場合の制御を示すものである。
【0033】
図5および図6を参照して2次元地図2上のユーザアイコン4の位置を調節した場合の動作を説明する。
図5は、2次元地図2上のユーザアイコン4の位置を調節した場合の動作を示すフローチャートである。図6は、2次元地図2上でユーザアイコン4の位置を調節した場合の動作を示す概念図である。
【0034】
ユーザが入力部207の操作により、2次元地図2上のユーザアイコン4の位置を図6に示す矢印(図6の丸数字1)の方向へ変えると(S11)、UIイベント管理部303から座標計算部302に情報が送信され、座標計算部302は、変更後のユーザアイコン4の位置((X,Y)座標)を3次元仮想空間31上の水平面座標((X,Y)座標)へ変換する(S12)。更に座標計算部302は、視点高度スライダ7の高度を読み込む(S13)。座標計算部302はS12で変換した水平面座標((X,Y)座標)と、S13で読み込んだ視点高度スライダ7の高度(Z座標)に基づいて、仮想カメラ9(視点)の3次元座標((X,Y,Z)座標)を合成する(S15)。
上述のS12、S13およびS15の動作と同時に、座標計算部302は対象点位置アイコン5の位置と対象点高度スライダ8の高度を読み込む(S14)。
座標計算部302は、S15で合成した仮想カメラ9の3次元座標((X,Y,Z)座標)と、S14で読み込んだ対象点位置アイコン5の位置と対象点高度スライダ8の高度とに基づいて、仮想カメラ9が対象点アイコン10に向かうように仮想カメラ9の新しい方向を計算する(S16)。
表示制御部305は、座標計算部302によってS15で合成された仮想カメラ9の3次元座標に基づいて、3次元仮想空間31における仮想カメラ9の位置を矢印(図6の丸数字2)の方向に変化させるとともに、S16で計算された仮想カメラ9の方向に基づいて、3次元仮想空間31における仮想カメラ9を矢印(図6の丸数字3)の方向に変化させ、それに従い3次元ビュー3を更新する(S17)。
なお、S17における仮想カメラ9の位置と方向の変更は同時でなくてもよい。例えば、ステップS15において仮想カメラ9の3次元座標が((X,Y,Z)座標)が合成された際に、仮想カメラ9の位置のみ先に変更してもよい。
なお、図6に示すように、ユーザアイコン4の位置が変わると、ユーザアイコン4と対象点位置アイコン5との位置関係に従い、扇型図形6の向きも変更される。
なお、S12、S13およびS15と、S14とは同時に行われなくともよい。
【0035】
次に、図7および図8を参照して視点高度スライダ7で視点の高度を調節した場合の動作を説明する。
図7は、視点高度スライダ7で視点の高度を調節した場合の動作を示すフローチャートである。図8は、視点高度スライダ7で視点の高度を調節した場合の動作を示す概念図である。
【0036】
ユーザが入力部207の操作により、視点高度スライダ7の高度を、例えば図8の矢印(図8の丸数字1)の方向へ変えると(S21)、UIイベント管理部303から座標計算部302に情報が送信され、座標計算部302は3次元仮想空間31上の仮想カメラ9の水平面座標((X,Y)座標)を読み込む(S22)。
座標計算部302は、S22で読み込んだ仮想カメラ9の水平面座標((X,Y)座標)と、S21における変更後の視点高度スライダ7の高度(Z座標)とに基づき、仮想カメラ9(視点)の3次元座標((X,Y,Z)座標)を合成する(S24)。
上述のS22、S24の動作と同時に、座標計算部302は対象点位置アイコン5の位置と対象点高度スライダ8の高度を読み込む(S23)。座標計算部302は、S24で合成した仮想カメラ9の3次元座標((X,Y,Z)座標)と、S23で読み込んだ対象点位置アイコン5の位置と対象点高度スライダ8の高度とに基づいて、仮想カメラ9が対象点アイコン10に向かうように仮想カメラ9の新しい方向を計算する(S25)。
表示制御部305は、座標計算部302によってS24で合成された仮想カメラ9の3次元座標に基づいて、3次元仮想空間31における仮想カメラ9の位置を矢印(図8の丸数字2)の方向に変化させるとともに、S25で計算された仮想カメラ9の方向に基づいて、3次元仮想空間31における仮想カメラ9を矢印(図8の丸数字3)の方向に変化させ、それに従い3次元ビュー3を更新する(S26)。
なお、S22およびS24と、S23は同時でなくともよい。また、S26における仮想カメラ9の位置と方向の変更は同時でなくてもよい。
【0037】
次に、図9および図10を参照して2次元地図2上の対象点位置アイコン5の位置を調節した場合の動作を説明する。
図9は、2次元地図2上の対象点位置アイコン5の位置を調節した場合の動作を示すフローチャートである。図10は、2次元地図2上で対象点位置アイコン5の位置を調節した場合の動作を示す概念図である。
【0038】
ユーザが入力部207の操作により、2次元地図2上の対象点位置アイコン5の位置を図10に示す矢印(図10の丸数字1)の方向に変えると(S31)、UIイベント管理部303から座標計算部302に情報が送信され、変更後の対象点位置アイコン5の位置((X,Y)座標)が3次元仮想空間31上の水平面座標((X,Y)座標)へ変換される(S32)。更に、座標計算部302は、対象点高度スライダ8の高度(Z座標)を読み込む(S33)。
座標計算部302は、S32で変換した水平面座標((X,Y)座標)と、S33で読み込んだ対象点高度スライダ8の高度(Z座標)に基づいて、対象点アイコン10の3次元座標((X,Y,Z)座標)を合成する(S35)。
上述のS32、S33およびS35の動作と同時に、座標計算部302はユーザアイコン4の位置と視点高度スライダ7の高度を読み込む(S34)。
座標計算部302は、S35で合成した対象点アイコン10の3次元座標((X,Y,Z)座標)と、S34で読み込んだユーザアイコン4の位置と視点高度スライダ7の高度とに基づいて、仮想カメラ9が対象点アイコン10に向かうように仮想カメラ9の新しい方向を計算する(S36)。
表示制御部305は、座標計算部302によってS35で合成された対象点アイコン10の3次元座標に基づいて、3次元仮想空間31における対象点アイコン10の位置を矢印(図10の丸数字2)の方向に変化させるとともに、S36で計算された仮想カメラ9の方向に基づいて、3次元仮想空間31における仮想カメラ9の方向を矢印(図10の丸数字3)の方向に変化させ、それに従い、表示制御部305は3次元ビュー3を更新する(S37)。
なお、S37における仮想カメラ9の位置と方向の変更は同時でなくてもよい。
なお、図10に示すように、ユーザアイコン4の位置が変わると、ユーザアイコン4と対象点位置アイコン5との位置関係に従い、扇型図形6の向きも変更される。
なお、S32、S33およびS35と、S34とは同時に行われてもよいし、同時でなくともよい。
【0039】
図11および図12を参照して対象点高度スライダ8で対象点の高度を調節した場合の動作を説明する。
図11は、対象点高度スライダ8で対象点の高度を調節した場合の動作を示すフローチャートである。図12は、対象点高度スライダ8で対象点の高度を調節した場合の動作を示す概念図である。
【0040】
ユーザが入力部207の操作により、対象点高度スライダ8の高度を図12の矢印(図12の丸数字1)の方向に変えると(S41)、UIイベント管理部303から座標計算部302に情報が送信され、座標計算部302は、3次元仮想空間31上の対象点アイコン10の水平面座標を読み込む(S42)。
座標計算部302は、S41における変更後の対象点高度スライダ8の高度(Z座標)、及び対象点アイコン5の水平面座標((X,Y)座標)に基づき、対象点アイコン10の3次元座標(X,Y,Z)座標を合成する(S44)。
上述のS42、S44の動作と同時に、座標計算部302はユーザアイコン4の位置と視点高度スライダ7の高度を読み込む(S43)。座標計算部302は、S44で合成した対象点アイコン10の3次元座標((X,Y,Z)座標)と、S43で読み込んだ対象点位置アイコン5の位置と対象点高度スライダ8の高度とに基づいて、仮想カメラ9が対象点アイコン10に向かうように仮想カメラ9の新しい方向を計算する(S45)。
表示制御部305は、座標計算部302によってS44で合成された対象点アイコン10の3次元座標に基づいて、3次元仮想空間31における対象点アイコン10の位置を矢印(図12の丸数2)の方向に変化させるとともに、S45で計算された仮想カメラ9の方向に基づいて、3次元仮想空間31における仮想カメラ9を矢印(図12の丸数字3)の方向に変化させ、それに従い3次元ビュー3を更新する(S46)。
なお、S46における仮想カメラ9の位置と方向の変更は同時でなくてもよい。
なお、S42およびS44と、S43とは同時に行われてもよいし、同時でなくともよい。
【0041】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。第2の実施の形態の情報処理システムの全体構成は、第1の実施の形態(図1)と同様のものとすることができる。また、端末103のハードウェア構成や、機能ブロック図(図2図4)も第1の実施の形態と同様でよい。基本的な動作も第1の実施の形態と同様である。ただし、この第2の実施の形態では、以下に示すように、ユーザが3次元ビュー上でも画面操作できるように構成されている。
【0042】
図13及び図14を参照して、3次元ビュー3上でユーザが画面操作をした場合の動作を説明する。
図13は、3次元ビュー3上でユーザが画面操作を行った場合の画面表示例を示す。図13の3次元ビュー3上には、ユーザによる入力部207の操作で移動可能なカーソル11が表示されている。カーソル11の位置は、ユーザの視点の位置に対応している。
図14は、3次元ビュー3上のカーソル11の位置を調節した場合の動作を示すフローチャートである。
ユーザの入力部207の操作により、3次元ビュー3上のカーソル11の位置を矢印(図13の丸数字1)の方向へ移動させると(S51)、座標計算部302は、カーソル11の移動量を水平面座標((X,Y)座標)とZ座標とに分解して解析する(S52)。ここでは、移動前の3次元ビュー3上のカーソル11の位置を(X,Y,Z)、移動後の3次元ビュー3上のカーソル11の位置を(X,Y,Z)とし、3次元ビュー3上のカーソル11の移動により、3次元仮想空間31上の仮想カメラ9の位置が(X,Y,Z)から(X,Y,Z)へと移動する(図13の丸数字2)。
カーソル11が移動されると、表示制御部305は、2次元地図2におけるユーザアイコン4の位置を、図13の丸数字3に示すように、移動後のカーソル11の水平面座標(X,Y)に変更する(S53)。また、表示制御部305は、図13の丸数字4に示すように、2次元地図2における視点高度スライダ7の高度を、移動後のカーソル11の高度(Z)に変更する(S54)。
更に、表示制御部305は、S53とS54の変更に従い2次元地図2を更新する(S55)。また、表示制御部305は、3次元仮想空間31における仮想カメラ9の位置((X,Y)座標)と高度(Z座標)を移動後のカーソル11の座標((X,Y,Z)座標)に基づいて変更する。
なお、S53およびS54は同時に行われてもよいし、同時に行われなくともよい。なお、図13に示すように、ユーザアイコン4の位置が変わると、ユーザアイコン4と対象点位置アイコン5との位置関係に従い、扇型図形6の向きも変更される。
【0043】
上述のように、本実施の形態の情報処理システムによると、2次元地図2上での操作でユーザの視点や対象点の位置や高度を細かく設定することができ、3次元ビュー3上での操作においてもユーザの視点の位置や高度、向きを自由に操作できる。したがって、2次元表示・3次元表示の長所を維持しつつ短所を補うことができ、ユーザの利便性を向上させることができる情報処理システムを実現することができる。
【0044】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。第3の実施の形態の情報処理システムの全体構成は、第1の実施の形態(図1)と同様のものとすることができる。また、端末103のハードウェア構成や、機能ブロック図(図2図4)も第1の実施の形態と同様でよい。基本的な動作も第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様である。ただし、この第3の実施の形態では、以下に示すようなオプション動作が可能に構成されている。
【0045】
図15〜19を参照して第3の実施の形態に係る情報処理システムのオプション動作の例を示す。図15は、2次元地図2上でユーザの視野角を設定する場合の画面表示例を示す。図15の2次元地図2上には、ユーザアイコン4、対象点位置アイコン5、カーソル11に加えて、ユーザの視野角θを表す扇型図形6が示されている。図15に示すように、ユーザの視野角を表す扇型図形6は、ユーザアイコン4を中心とする扇型である。
図15の例において、ユーザアイコン4からカーソル11への方向をベクトルA、ユーザアイコン4から対象点アイコン5への方向をベクトルBとすると、ベクトルAとベクトルBのなす視野角θは以下の数式1で示される。
【数1】

ユーザは、入力部207を用いてカーソル11を操作することにより扇型図形6の半径となる線分を操作することができる。ここでは、カーソル11を図15の丸数字1の位置から矢印(図15の丸数字4)の方向に操作する。
この場合、表示制御部305は、視点(ユーザアイコン4)と対象点(対象点位置アイコン5)の位置は固定したまま(図15の丸数字3、2)扇型図形6の視野角θを狭める。
図15の中央および右側に、2次元地図2におけるユーザの視野角の操作を行った場合における、3次元ビュー3の変化を示す。操作前の3次元ビュー3(図15中央)に比べ操作後の3次元ビュー3(図15右側)は、対象点へのズームインがなされた状態である。このように、扇型図形6の視野角θを変化させることでズームイン、ズームアウトを自在に行うことができる。
【0046】
上述のように、本実施の形態の情報処理システムによると、視野のズームイン・ズームアウトを自在に行うことができるので、表示部206に表示されている表示データをより詳細に観測できる情報処理システムを実現することが可能となる。
【0047】
[その他]
以上、実施の形態について説明したが、上述のような画面表示及び操作に限定されるものではなく、様々な追加変更が可能である。図16〜19を参照して、別の変形例を説明する。
図16には、地図データにおける任意の領域を2次元地図2として表示し、3次元ビュー3にはユーザの視点から対象点を眺めた場合の視界が表示されている。
図16上段に、視点と対象点の相対位置を表すウィジェット12(アイコン)を示す。図16下段に示すように、ウィジェット12は3次元ビュー3上に表示することができる。図16に示す例では、ウィジェット12は視点を示すユーザアイコン4’を中心とした円の−90〜90度の半円弧上に対象点位置アイコン5’を表示している。ウィジェット12のユーザアイコン4’は2次元地図2上のユーザアイコン4に対応し、対象点位置アイコン5’は2次元地図2上の対象点位置アイコン5に対応するものである。2次元地図2上でユーザアイコン4または対象点位置アイコン5の位置を調節したり、視点高度スライダ7または対象点高度スライダ8で視点(ユーザアイコン4)または対象点(対象点位置アイコン5)の高度を調節したりすると、調節に応じて3次元ビュー上のウィジェット12のユーザアイコン4’、対象点位置アイコン5’の位置が変わる。このように、ウィジェット12を表示させることにより、視点と対象点の高度差や水平方向の相対距離が一目でわかるようになっている。
【0048】
図17〜19を用いて、本実施形態の情報処理システムを気象情報の観測や解析に適用した例を説明する。
近年、日本各地で積乱雲からもたらされる局地的大雨のような突発的、局所的な現象による災害が社会問題となっている。こういった現象を捉えるために、より短時間で局所的現象の三次元立体構造を詳細に観測することができるフェーズドアレイ気象レーダーPAWR(Phased Array Weather Radar)の開発が進んでいる。
【0049】
図17は、本実施の形態に係る情報処理システムを雲の観測に適用した場合の端末103の画面表示例を簡略化したものを示す。地図データにおける任意の領域を2次元地図2に表示し、2次元地図2上にユーザアイコン4、対象点位置アイコン5、視野角を表す扇型図形6が表示されている。3次元ビュー3にはユーザの視点(ユーザアイコン4)から対象点(対象点位置アイコン5)を眺めた場合の視界が表示されており、中央部に、取得した気象データを基に、雲の形や密度が表示されている。さらに、3次元ビュー3には、高度を表す縦軸13を表示することができる。
【0050】
図18は、図17の例に加えて、3次元ビュー3上に北および東の方角を示す軸を表示している。決まった方向の軸14を表示することにより、ユーザの方向をさらにわかりやすくすることができる。軸14の方角、方向は図示している北や東に限定されず、任意に設定することが可能である。軸14は、視点と対象点の距離の変化によって大きさが変更される。これにより、3次元ビュー3において視点と対象点の距離を直観することができるようにもなる。
【0051】
図19は、図17の例に加えて、縦軸13上に、視点の高度を示す印15および対象点の高度を示す印16を表示し、視点高度スライダ7と視点を示す印15を結んだ線17、対象点高度スライダ8と対象点を示す印16を結んだ線18を表示している。これらの印15、16は3次元ビュー3上の同じ縦軸13上に表示されているので、視点と対象点の相対高度がより把握しやすくなる。なお、図19において印は円形であるが、これに限定されず任意に変更可能である。線17、18は、実際には表示されなくともよい。
【0052】
このように、本実施の形態の情報処理システムによると、2次元表示と3次元表示のインタラクションにより、それぞれの弱点を補うので、ユーザの操作を基にした操作性の高い情報処理システムを実現することができる。
【0053】
以上、本実施の形態に係る情報処理システムを気象データの観測に適用した場合について説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。例えば、本実施の形態に係る情報処理システムは、他の機器や通信ネットワークと接続せずに、スタンドアロンで実行することも可能である。
【0054】
また、上記の実施形態では、ソフトウェア100はサーバ101に格納され、ネットワーク102を通じて端末に提供される構成例を説明した。これに代えて、同様のソフトウェア100が端末103側に格納されていても、同様の効果を奏し得る。すなわち、ソフトウェア100は、ネットワーク102を介したダウンロード、又はCD−ROMなどの可搬型記録媒体により端末102に提供されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
100・・・ソフトウェア、101・・・サーバ装置、102・・・インターネット、103・・・端末、201・・・CPU、202・・・ROM、203・・・RAM、204・・・バス、205・・・入出力インターフェース、206・・・表示部、207・・・入力部、208・・・記憶部、209・・・通信部、210・・・ドライブ部、211・・・リムーバル記録媒体、301・・・データ取得部、302・・・座標計算部、303・・・UIイベント管理部、304・・・地図管理部、305・・・表示制御部、306・・・3次元エンジン、307・・・ウェブブラウザ、2・・・2次元地図、3・・・3次元ビュー、31・・・3次元仮想空間、4、4’・・・ユーザアイコン、5、5’・・・対象点位置アイコン、6・・・扇型図形、7・・・視点高度スライダ、8・・・対象点高度スライダ、9・・・仮想カメラ、10・・・対象点、11・・・カーソル、12・・・ウィジェット、13・・・縦軸、14・・・軸、15・・・視点を示す印、16・・・対象点を示す印、17・・・視点高度スライダと視点を示す印を結んだ線、18・・・対象点高度スライダと対象点を示す印を結んだ線
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19