特許第6239595号(P6239595)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6239595マルチ小ビーム露光装置において小ビーム位置を測定するための方法及び2つの小ビーム間の距離を測定するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239595
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】マルチ小ビーム露光装置において小ビーム位置を測定するための方法及び2つの小ビーム間の距離を測定するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20171120BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20171120BHJP
   H01J 37/305 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H01L21/30 541N
   H01L21/30 541W
   G03F7/20 504
   H01J37/305 B
【請求項の数】17
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-512021(P2015-512021)
(86)(22)【出願日】2013年5月14日
(65)【公表番号】特表2015-517734(P2015-517734A)
(43)【公表日】2015年6月22日
(86)【国際出願番号】EP2013059861
(87)【国際公開番号】WO2013171177
(87)【国際公開日】20131121
【審査請求日】2016年4月26日
(31)【優先権主張番号】61/646,430
(32)【優先日】2012年5月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505152479
【氏名又は名称】マッパー・リソグラフィー・アイピー・ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】シェファーズ、パウル・イーメルト
【審査官】 新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−509328(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0057204(US,A1)
【文献】 特開2005−347054(JP,A)
【文献】 特開平01−227087(JP,A)
【文献】 特開2005−032508(JP,A)
【文献】 特開昭55−070024(JP,A)
【文献】 特開昭54−068149(JP,A)
【文献】 特開2004−111422(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0253900(US,A1)
【文献】 特開2000−208079(JP,A)
【文献】 米国特許第06353231(US,B1)
【文献】 特開2006−245096(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0197453(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
H01J 37/305
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子マルチ小ビーム露光装置において荷電粒子小ビームの小ビーム位置を測定するための方法であって、前記荷電粒子マルチ小ビーム露光装置には、荷電粒子のエネルギを光に変換するための変換素子と、光感応検出器とを有するセンサが設けられ、前記変換素子には、小ビーム遮断領域と非遮断領域との2次元パターンが設けられたセンサ表面領域が設けられ、この方法は、
前記荷電粒子小ビームを使用して複数の測定をすることを具備し、各測定は、
前記荷電粒子小ビームで前記2次元パターンの一部分上に、ある位置で2次元フィーチャを露光することを含み、前記フィーチャが露光される位置は、各測定で異なり、複数の位置が2次元グリッドを形成し、
前記2次元パターンの前記非遮断領域を透過された前記露光されたフィーチャの一部である荷電粒子に応答して前記変換素子によって発生された光を受光することと、
前記光感応検出器によって、受光された光を光強度値に変換して、測定がされた位置に前記光強度値を割り当てることとを含み、
この方法は、
前記2次元グリッド内のさまざまな位置で前記光強度値によって生成された2次元画像に基づいて前記2次元パターンに対する前記荷電粒子小ビームの位置を測定することを具備する方法。
【請求項2】
前記小ビーム遮断領域及び非遮断領域の前記2次元パターンは、非遮断孔が設けられた遮断面の形態を取る請求項1の方法。
【請求項3】
前記非遮断孔は、ほぼ円形形状を有する請求項2の方法。
【請求項4】
前記非遮断孔は、露光されるフィーチャのサイズと同じサイズである請求項3の方法。
【請求項5】
前記小ビーム遮断領域及び非遮断領域の前記2次元パターンは、遮断フィーチャが設けられた非遮断面の形態を取る遮断する請求項1の方法。
【請求項6】
前記遮断フィーチャは、ほぼ円形形状を有する請求項5の方法。
【請求項7】
前記遮断フィーチャは、露光されるフィーチャのサイズと同じサイズである請求項6の方法。
【請求項8】
前記露光されるフィーチャは、ほぼ円形形状を有する請求項1ないし7のいずれか1の方法。
【請求項9】
荷電粒子小ビームで前記2次元パターンの一部分上にフィーチャを露光することは、前記荷電粒子小ビームが走査経路中の所定の一部分の間アクティブである間、前記2次元パターンの前記一部分上を2次元経路に沿って前記小ビームを走査することを含み、前記フィーチャが露光される位置が各測定で異なることは、各測定で前記走査経路の前記所定の一部分を変えることを含む請求項1ないし8のいずれか1の方法。
【請求項10】
前記走査は、静電偏向によって行われる請求項9の方法。
【請求項11】
前記荷電粒子小ビームの位置を測定することは、2Dガウス関数をフィッティングすることを含む請求項1ないし10のいずれか1の方法。
【請求項12】
プロセッサによって実行されるとき、請求項1ないし11のいずれか1の荷電粒子マルチ小ビーム露光装置で小ビーム位置を測定するための方法を行うためのコンピュータ読取可能媒体。
【請求項13】
荷電粒子マルチ小ビーム露光装置において2つの荷電粒子小ビーム間の距離を測定するための方法であって、前記荷電粒子マルチ小ビーム露光装置には、荷電粒子のエネルギを光に変換するための変換素子と、光感応検出器とを有するセンサが設けられ、前記変換素子には、小ビーム遮断領域と非遮断領域との2次元パターンが設けられたセンサ表面領域が設けられ、この方法は、
請求項1ないし11のいずれか1によって小ビーム位置を測定するための方法を行うことと、
所定の距離にわたって前記センサの表面の平面にほぼ平行な方向に前記2次元パターンを搬送することと、
さらなる荷電粒子小ビームを使用して複数の測定をすることとを具備し、各測定は、
前記さらなる荷電粒子小ビームで前記2次元パターンの一部分上に2次元フィーチャを露光することを含み、前記さらなる荷電粒子小ビームは、前記2次元パターンがその上を搬送される前記所定の距離に等しい前記荷電粒子小ビームからの理論上の距離を有し、前記フィーチャが露光される位置は、各測定で異なり、複数の位置が2次元グリッドを形成し、
2次元パターンの前記非遮断領域を透過された前記露光されたフィーチャの一部である荷電粒子に応答して前記変換素子によって発生した光を受光することと、
前記光感応検出器によって受光された光をさらなる光強度値に変換して、測定がされた位置に前記さらなる光強度値を割り当てることとを含み、
この方法は、
前記2次元グリッド内のさまざまな位置で前記さらなる光強度値によって生成された2次元画像に基づいて前記2次元パターンに対する前記さらなる荷電粒子小ビームの位置を測定することと、
前記測定された荷電粒子小ビーム位置と、前記測定されたさらなる荷電粒子小ビーム位置と、前記所定の距離とに基づいて、前記荷電粒子小ビームと前記さらなる小ビームとの間の実際の距離を測定することとを具備する方法。
【請求項14】
前記さらなる荷電粒子小ビームで前記2次元パターンの一部分上にフィーチャを露光することは、前記さらなる荷電粒子小ビームが査経路中の所定の一部分の間アクティブである間、前記2次元パターンの前記一部分上を2次元経路に沿って前記小ビームを走査することを含み、前記フィーチャが露光される位置が各測定で異なることは、各測定で前記走査経路の前記所定の一部分を変えることを含む請求項13の方法。
【請求項15】
前記走査は、静電偏向によって行われる請求項1の方法。
【請求項16】
前記さらなる荷電粒子小ビームの位置を測定することは、2Dガウス関数をフィッティングすることを含む請求項1又は1の方法。
【請求項17】
プロセッサによって実行されるとき、請求項13ないし16のいずれか1の荷電粒子マルチ小ビーム露光装置で2つの小ビーム間の実際の距離を測定するための方法を行うためのコンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子マルチ小ビーム露光装置において小ビーム位置を測定するための方法に関する。本発明は、さらに、荷電粒子マルチ小ビーム露光装置において2つの小ビーム間の距離を測定するための方法に関する。最後に、本発明は、プロセッサによって実行されるとき、上述の方法のいずれかを行うためのコンピュータ読取可能媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ターゲット面上にパターンを転写するために、ターゲット面上の小ビームの移動と組み合わせた小ビームの制御可能な遮断が、変調情報に従って行われる。マルチ荷電粒子小ビームリソグラフィシステムの一例は、米国特許第6,958,804号に説明され、その開示内容が参照としてここに組み込まれる。
【0003】
このようなリソグラフィシステムは、非常に多くの、すなわち約10,000以上のオーダ、例えば13,000の小ビームを含むことができる。将来的な設計は、およそ1,000,000の数の小ビームを思い描いている。現在の電子ビームリソグラフィシステムにとって、高解像度でターゲット面をパターニングすることができるようになることが全般的な目標であり、いくつかの用途では、100nm未満のフィーチャサイズの限界寸法のパターンを描画することが可能である。
【0004】
このようなマルチ小ビームに関して、商業的利益が得られる高解像度リソグラフィシステムは、許容エラーが低い必要がある。それ故、荷電粒子小ビームの各々の位置が正確に知られ制御されることが重要である。しかしながら、製造公差及び熱ドリフトなどのさまざまな状況に起因して、このような位置はこれらの予期される所望の位置からずれ、正確なパターニングをできなくする小ビームのずれを起こしうる。
【0005】
従来のリソグラフィシステムでは、各小ビームの位置は、小ビーム位置の頻繁な測定によって測定される。小ビーム位置の情報を用いて、小ビームが正確な位置にシフトされることができる。
【0006】
既知の小ビーム位置較正方法は、一般的に、少なくとも3つの工程、すなわち、小ビームの位置が測定される測定工程と、小ビームの測定された位置がその小ビームの所望の予期される位置と比較される計算工程と、測定された位置と所望の位置との差が補正される補正工程とを含む。補正は、リソグラフィシステムのソフトウェア又はハードウェアで行われることができる。
【0007】
リソグラフィシステムの動作中、ターゲット面のパターニングの精度を改良するために初期位置の較正を可能にするために、小ビーム位置を測定することが望ましい。スループット、すなわち所定時間内にパターニングされることができるターゲット面の数に与える負の影響を制限するために、精度を犠牲にすることなく、限られた時間内に荷電粒子小ビームの位置を測定する方法が実行されることができることが望ましい。
【0008】
特に、スループットの損失のなく、小さな寸法に関する産業上増加し続ける要求を考慮すると、リソグラフィシステムにおいて、特に高スループットを提供することを目指している多数の荷電粒子小ビームを含むリソグラフィマシンにおいて、小ビーム特性の測定のためのより正確な装置や技術を提供する必要がある。より高い精度は、リソグラフィマシンの解像度を増加させるために有効である。
【0009】
特に、スティッチングを使用するとき、例えば描画の失敗を補正するために、2つのビームがウェーハの同じ領域に描画することが好ましい。この技術のために、ナノメートル精度でビーム間隔を知る必要がある。
【0010】
さらに、小ビームの絶対位置がわかっている必要がある。特に、絶対位置のこのような情報は、オーバーレイの精度を、すなわち、既に露光された、あるいはパターニングされた層に対して同じ層内で複数のプロセスによって与えられる連続する層又はフィーチャのアライメント精度の測定を改良することが好ましい。
【0011】
米国特許出願第2007/0057204号は、荷電粒子ビームの位置を測定するための方法を説明している。この方法では、複数の荷電粒子ビーム内の各荷電粒子ビームの位置が、荷電粒子ビームを光ビームに変換するためのコンバータと、光子受光器とを使用して測定される。適宜、遮断要素が、コンバータの表面に設けられる。
【0012】
国際出願第2012/062931号公報は、マルチ小ビーム露光装置において2つの小ビーム間の距離を測定するための方法を説明している。この方法では、小ビーム遮断領域と非遮断領域との2次元パターンが設けられたセンサ表面領域が設けられたコンバータが使用されている。
【0013】
上述の特許文献で使用される技術は、衝突する荷電粒子小ビームに関連付けられた光出力の分析に基づいている。走査が行われると、遮断領域から非遮断領域に向かって、又はその逆に荷電粒子小ビームを移動させた結果としての光出力の変化が分析される。
【0014】
多くの用途にとって非常に有用であるが、この技術の精度は、コンバータ面上の遮断フィーチャ、遮断/非遮断パターン、すなわちフィーチャサイズの寸法と比較した小ビームのスポットサイズによって決まる。スポットサイズがフィーチャサイズよりもかなり小さければ、小ビームの正確な位置を見つけるには時間がかかる。一方、小ビームのスポットサイズがフィーチャサイズと比較して大きいと、測定結果をフィッティングするのが難しいので位置を見つけるのが難しい。
【発明の概要】
【0015】
本発明の目的は、リソグラフィシステムなどのマルチ小ビーム露光装置における2つの小ビーム間のビーム間隔測定の精度を改良することに関する。この目的のために、本発明は、荷電粒子マルチ小ビーム露光装置において2つの荷電粒子小ビーム間の距離を測定するための方法であって、前記荷電粒子マルチ小ビーム露光装置には、荷電粒子のエネルギを光に変換するための変換素子と、光感応検出器とを有するセンサが設けられ、前記変換素子には、小ビーム遮断領域と非遮断領域との2次元パターンが設けられたセンサ表面領域が設けられ、この方法は、複数の測定をすることを具備し、各測定は、荷電粒子小ビームで前記2次元パターンの一部分上にフィーチャを露光することを含み、前記フィーチャが露光される位置は、各測定で異なり、複数の位置が2次元グリッドを形成し、2次元パターンの前記非遮断領域を透過された前記露光されたフィーチャの一部である荷電粒子に応答して前記変換素子によって発生された光を受光することと、前記光感応検出器によって受光された光を光強度値に変換して、測定がされた位置に前記光強度値を割り当てることとを含み、この方法は、前記2次元グリッド内のさまざまな位置で前記光強度値によって生成された2次元画像に基づいて前記2次元パターンに対する前記荷電粒子小ビームの位置を測定することを具備する。荷電粒子小ビームのスポットサイズを使用することに代わって2次元パターンの一部分上にフィーチャを露光することは、測定のための最適なフィーチャや2次元パターンを手近にデザインする可能性を開く。これは、測定の順応性をかなり改良し、測定の精度を維持するか、測定の精度を改良する場合もある。
【0016】
本発明の特徴及び効果が、以下の図面を参照して理解される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、変換素子を使用したセンサの概念を概略的に示す図である。
図2a図2aは、遮断構造が設けられた変換素子を概略的に示す断面図である。
図2b図2bは、図2aの遮断構造の位置の関数としての透過された強度を示すグラフである。
図3a図3aは、2つの異なる2次元遮断パターンの一方を概略的に示す上面図である。
図3b図3bは、2つの異なる2次元遮断パターンの他方を概略的に示す上面図である。
図4図4は、複数の測定の配置を概略的に示す図である。
図5図5は、本発明の実施の形態で使用されることができる2次元パターンの一例を概略的に示す図である。
図6図6は、複数の小ビームの配置を概略的に示す図である。
図7図7は、複数のアパーチャが設けられた荷電粒子遮断層を含む2次元パターンを概略的に示す図である。
図8図8は、本発明の実施の形態で使用されることができる荷電粒子マルチ小ビームリソグラフィシステムを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下は、単なる例によって図面を参照して与えられる本発明の所定の実施の形態の説明である。
【0019】
図1は、荷電粒子マルチ小ビーム露光装置において1以上の荷電粒子小ビームの小ビーム位置を測定するためのセンサの動作を概略的に示す図である。センサは、変換素子1と、受光器5とを有する。変換素子1には、荷電粒子遮断領域8と、非遮断領域と称される荷電粒子透過領域7とを含むパターンが設けられている。変換素子1は、荷電粒子2を受けてこれに応答して光3と称される光子を発生させるために配置されている。光3は、1以上の光学素子11によって光子受光器5に向けられることができる。光子受光器5は、計算ユニット、例えばコンピュータ13に通信可能に接続されている。1以上の荷電粒子小ビームが変換素子1に衝突した場合、1以上の光スポットが荷電粒子小ビームのパターンに対応するパターンで形成される。そして、光スポットが、適宜、光学系11を介して光子受光器5で検出されて、計算ユニットが、1以上の荷電粒子小ビームのビーム位置を測定することができる。
【0020】
変換素子1は、蛍光要素、例えば蛍光スクリーン、又は閃光要素、例えばドープしたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)材料の基板の形態を取ることができる。以後、本発明の実施の形態は、変換素子1としてYAGスクリーンが使用されるものとして説明され、YAGスクリーンがYAG1と称されることができる。
【0021】
受光器5は、複数のダイオード、電荷結合素子(CCD)カメラ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラなどの適切な光感応検出器を含むことができる。以後、光子受光器5は、カメラ5と称されることができる。さらに、本発明の実施の形態は他のタイプの荷電粒子に対して使用されてもよいが、以後、本発明の実施の形態は電子を参照して説明される。
【0022】
小ビームのサイズがナノメートル範囲にある電子小ビームデバイス、例えば、電子顕微鏡、電子ビームリソグラフィ装置及び電子ビームパターンジェネレータでは、変換素子1による変換によって生成された光の直接観察は、解像度が変換素子1の波長によって制限されるので、電子小ビームの位置などの特性の測定を可能にするのに不十分である。精度を改良するために、電子小ビームは、ナイフエッジと称される鋭いエッジが設けられた電子遮断構造を横切って走査されることができる。ナイフエッジが設けられた変換素子を使用するセンサの一例は、米国特許出願第2007/057204号に説明され、その内容が参照としてここに組み込まれる。
【0023】
図2aは、電子遮断構造が設けられた電子小ビーム受け面を有するYAG1を概略的に示す横断面図である。電子遮断構造は、電子を遮断することができる遮断層18が設けられた電子遮断領域を有する。遮断層18は、金属層であることができる。電子を遮断するのに適した金属は、タングステンである。遮断領域の間には、非遮断領域がある。電子遮断構造の非遮断領域上に衝突する電子ビーム22は、実際には、YAG1の表面又はYAGの表面のコーティングに衝突する。
【0024】
電子を遮断するためのいくつかの部分内には、遮断層18に加えて追加層21があることができる。追加層21は、金属層であることができ、遮断層18のエッジの鋭さを増加させる目的を果たすことができる。これは、遮断層のエッチングプロセスに耐性のある追加層の材料を選択することによって達成される。タングステンが遮断層の材料として選択されたとき、追加層21に適した材料は、クロムである。
【0025】
YAG1は、導電コーティング層20で覆われていることができる。このコーティングの目的は、入ってくる荷電粒子小ビームの結果として生じうるYAG1の帯電を防ぐことである。コーティングが、背景放射を遮断するために使用されることができる。コーティング層20に適した材料は、アルミニウム及びチタンを含む。
【0026】
先に述べられたように、電子ビーム22の位置を測定するために、電子ビーム22は、(図2aにX方向として定義された方向に)YAG1に設けられた遮断構造の上を走査されることができる。これに応答して、YAG1内に発生された光がカメラで検出されることができる。このような走査及び検出動作の例示的な結果が、図2bに概略的に描かれる。
【0027】
図2bは、変換素子1の表面上の電子ビーム22のx位置の関数としての変換素子1によって放出された光の強度を示すグラフである。電子ビーム22が非遮断領域に完全に配置されたとき、最大の応答が観察され、電子ビーム22が遮断領域の上面に完全に配置されたとき、最小の光が発生される。ナイフエッジと交差すると、光強度の急激な変化をもたらす。
【0028】
所定の方向に電子ビームを走査する際、電子小ビームは、ナイフエッジと交差するとき2つのタイプの状況に遭遇しうる。第1の状況では、小ビームは、遮断領域から非遮断領域へ移行する。第2の状況では、小ビームは、非遮断領域から遮断領域へ移行する。
【0029】
第1の状況に対応する移行中に遭遇するナイフエッジは、第1のタイプのナイフエッジと称されることができる。同様に、第2の状況に対応する移行中に遭遇するナイフエッジは、第2のタイプのナイフエッジと称されることができる。ナイフエッジのタイプは、このように、測定される小ビームの走査方向によって決まる。「同様のタイプのナイフエッジ」が参照されたとき、これは、含まれる全てのナイフエッジが第1のタイプのナイフエッジに関連するか、第2のタイプのナイフエッジに関連するかであることを意味している。
【0030】
変換素子の表面の電子受け面に設けられたナイフエッジのパターンの情報は、ビーム位置の測定を可能にする。小ビーム位置は、x方向に変換素子の表面を横切って小ビームを走査して、図2bに示されるように、変換素子によって放出された光の強度が最大値から最小値に、又は最小値から最大値に変化する位置を測定することによって測定されることができる。例えば、強度が最大値から最小値に変わるとき、これは、小ビームがx方向で非遮断領域から遮断領域へ移行するナイフエッジの上を走査されたことを示している。しかしながら、小ビームがどのナイフエッジに位置されているかに関して不確実性がありうる。
【0031】
図2bに示される測定、及び小ビーム位置測定の説明は、一般的に、含まれる遮断領域及び非遮断領域の幅よりも小さい寸法を有する小ビームに関することに注意する。これらの寸法及び幅は、使用される走査方向に平行な方向に沿って取られる。
【0032】
図3a並びに図3bは、本発明のいくつかの実施の形態で使用されることができる2つの異なる2次元遮断パターンを概略的に示す上面図である。両2次元遮断パターンは、複数のほぼ円形のフィーチャを含む。図3aでは、円形のフィーチャは、透過性の表面の上面にある遮断フィーチャであり、一方、図3bの2次元遮断パターンは、複数のほぼ円形のアパーチャが設けられた非遮断層によって形成されている。好ましくは、円形のフィーチャ間のピッチは、図並びに図を参照して説明されるのと同じようなマルチ小ビーム露光装置に設けられる小ビームのピッチに対応する。
【0033】
図4は、複数の測定の配置を概略的に示す図であり、各測定の配置は、例えば図3a又は図3bに示されるような遮断パターンである2次元遮断パターンの選択された一部分でされる測定を表している。各測定で、フィーチャ43が荷電粒子小ビームで露光される。フィーチャを露光することは、小ビームで2次元走査を実行するとき、例えば、ビームのオン/オフを切り替えることによって、あるいは、小ビームを遮断するか通過させることによって、荷電粒子小ビームによって2次元パターンが形成されることを意味している。フィーチャが露光される位置は、各測定で異なる。さまざまな測定の配置におけるフィーチャの複数の位置が2次元グリッドを形成し、これは、図4では、グリッドセル41である2次元グリッドの形態を概略的に取る。各配置において、露光されるフィーチャ43は、さまざまなグリッドセル41の中心に置かれている。図4に示される例示的な2次元グリッドは、7×7=49のグリッドセル41を含む。
【0034】
例えば、最も左上側の配置は、2次元(7×7)グリッドの1行1列によって形成されたグリッドセル41のその中心で露光されるフィーチャ43を描いている。同様に、最も右下側の配置は、2次元(7×7)グリッドの最終行最終列によって形成されたグリッドセル41のその中心で露光されるフィーチャ43を描いている。簡略化のために、49のすべての可能な配置は示されないが、露光されるフィーチャ位置が2次元(7×7)グリッドにおいて1行、4行又は7行及び1列、2列、5列又は7列によって形成されたグリッドセル41に対応している配置が示される。
【0035】
2次元グリッドは、センサ表面領域に設けられた小ビーム遮断領域及び非遮断領域の2次元パターンの一部分の上に投影される。センサは、荷電粒子のエネルギを光に変換するための変換素子を有する。変換素子によって発生された光は、2次元パターン内の非遮断領域を透過された荷電粒子に応答して受光される。受光された光は、CCDカメラなどの光感応検出器を使用して光強度値に変換されることができる。
【0036】
各測定では、光強度値は、受光された光の変換によって得られる。そして、光強度値が、露光されたフィーチャがその上の中心に置かれたグリッドセル41に割り当てられる。この結果、7×7=49のこの例において光強度値が得られることができる。
【0037】
例えば、図4に示される配置を生成するためにさまざまな位置で測定をすることは、さまざまなやり方で達成されることができる。1つのアプローチは、測定の間に2次元パターンを移動させることである。例えば、図4では、図4の最も左上の測定の配置(1行1列)から始めて、2次元パターンが、左上の測定の配置に隣接した測定の配置に、すなわち2次元グリッドの1行2列によって形成されたグリッドセル41で中心に置かれた小ビーム投影での測定の配置に達するように、単一のグリッドセル41の幅に対応する距離だけ移動されることができる。
【0038】
さまざまな位置で測定する他のやり方は、1以上の静電デフレクタの使用による。測定の間に小ビームを適切に偏向することによって、小ビームが次に測定される所望のグリッドセルの中心に置かれ、2次元画像が生成されることができる。
【0039】
測定をするさらなる他のやり方は、露光装置の描画スキームを使用する。代表的には、描画スキームは、所定の経路に沿った表面上の小ビームの移動を含む。小ビーム(のオン又はオフ)を変調することによって、パターンが表面上に描画される。小ビームの移動は、ターゲット面に対するビームの機械的な移動や1以上の静電デフレクタによる偏向移動を含むことができる。2次元パターン上を2次元経路に沿って小ビームを走査することによって、測定経路の一部分の間、小ビームが2次元パターンを露光することを可能にしながら、測定がされることができる。このような走査が繰り返し実行されると、2次元パターンが露光される走査経路の一部分が各測定で異なるが、図4に示されるような測定の配置のシーケンスが形成され、グリッド位置の関数としての強度値の2次元画像が生成されることができる。
【0040】
図5は、2次元グリッドがその上に投影されることができる2次元パターンの一例を概略的に示す図である。この特定の例では、2次元パターンは、アパーチャ52と称される非遮断円形領域52を含む遮断層51で形成される。このような2次元パターンを用いて、光感応検出器で受光された光強度は、アパーチャ52及び荷電粒子小ビーム43が互いにアライメントされた測定位置で最大強度値に達する。図5の2次元パターンが図4に描かれ図4を参照して説明されるような複数の測定に使用され、小ビームの位置が完全に予期された通りであるならば、最大強度値は、2次元グリッドの4行4列によって形成されたグリッドセル41に対応する位置で投影された小ビーム43で得られる。結局、このグリッドセルは、アパーチャ52の完全に上にある。しかしながら、小ビームがわずかに異なる位置にあれば、最大強度は、さまざまな位置にある投影された小ビーム43で得られることができる。
【0041】
好ましくは、アパーチャ52は、センサ表面上の露光中、小ビーム43の予期される投影サイズと同じサイズである。このような同様のサイズは、測定の感度を増加させる。なぜならば、完全な相互アライメント位置からの小さなずれが、既に検出された光強度値の識別可能な減少を既にもたらしているからである。
【0042】
2次元パターンで得られる複数の測定は、2次元画像の生成を可能にし、グリッド位置の関数としての光強度を示している。フィッティングアルゴリズムが、サブグリッドセルの精度でアパーチャ52に対する小ビーム43の実際の位置を得るために、結果として生じる2次元画像に適用されることができる。このようなフィッティングアルゴリズムは、2次元画像上への2次元(2D)ガウス関数のフィッティングを含むことができる。本発明者らは、これらの相互アライメントの関数としてセンサ表面上のほぼ円形の小ビーム投影の円形アパーチャのたたみ込みは、2Dガウス関数に非常によく似ていることを理解している。
【0043】
本発明の実施の形態は、単一のフィーチャ、すなわちアパーチャ52で単一の小ビーム43及び2次元パターンを参照して説明されてきた。しかしながら、本発明のいくつかの実施の形態もまた、複数の小ビームの小ビーム位置を測定するために使用されることができる。このような場合、2次元パターンは、アパーチャなどの複数のフィーチャを含むことができ、各小ビームがさまざまなフィーチャに対して測定される。
【0044】
図6は、複数の小ビーム61、62の配置を概略的に示す図である。図7は、荷電粒子遮断層72における複数のアパーチャ71の2次元パターン70を概略的に示す図である。点のある表面で概略的に示される小ビーム61の位置は、図7の2次元パターン70のアパーチャ71上に投影された2次元グリッドに関して図4を参照して説明されるような測定を行うことによって測定される。
【0045】
図6は、選択された小ビーム61のみが測定方法に従うことを示しているが、全ての小ビーム61、62を使用することが可能であり、従って、現在選択されていない小ビーム62を含む。しかしながら、測定方法において小ビーム61の選択を使用することは、各選択された小ビームの位置を測定するために必要とされる処理パワーがより少ないという利点を有する。さらに、特に、小ビーム間のピッチPが非常に小さい、例えば50nm未満であれば、十分に正確な2次元パターンを製造するのは比較的複雑でコストがかかる。「ピッチ」との表現は、所定の方向で、一般的にはマルチ小ビーム露光装置の機械走査方向にほぼ垂直な方向における2つの隣接する小ビームの間の公称距離を意味することが理解される。2次元パターンの製造上の必要条件を低減させることは、測定に加わる小ビーム61を1つおきに選択することによって達成されることができる。そして、他の小ビーム62の位置は、例えば、近隣の選択された小ビーム61の測定された位置に適用される内挿技術を使用することによって見積もられることができる。
【0046】
さらに、複数の小ビーム61の並列測定が、小ビーム61の一部であるサブビームの位置の測定をもたらすことができる。並列な複数の測定の使用は、サブビーム位置測定の信号対雑音比を増加させる。
【0047】
理論上、マルチ小ビーム露光システムにおける小ビームは、既知の設計に従って離間されている。結果として、設計内の個々の小ビーム間で、例えば仮想完全系のx座標及びy座標として定義される公称ベクトル距離が知られている。この情報は、スティッチングを制御するために使用されることができる。しかしながら、実際的な制限のため、小ビーム間の実際のベクトル距離は公称ベクトル距離と同一ではない。結果として、いわゆるスティッチングエラーが生じうる。スティッチングエラーは、公称位置と、表面をパターニングする小ビームの実際の位置との間のベクトルのずれとして定義されることができる。
【0048】
上に説明される測定方法は、さらに、変換素子の荷電粒子受け面の表面の平面での第1の小ビームと第2の小ビームとの間の実際のベクトル距離を測定するために使用されることができる。さらに、2つの小ビーム間の公称ベクトル距離からのずれが得られることができる。2つの小ビーム間の実際のベクトル距離を測定すること、あるいは、付加的又は代替的に、2つの小ビーム間の公称ベクトル距離からずれを測定することは、それぞれの小ビームを使用してマルチ小ビーム露光装置でターゲット面を露光することから生じうるスティッチングエラーを予測するのに有用であることができる。実際のベクトル距離が知られていれば、制御データは、これら小ビームに対して測定された実際のベクトル距離による公称ベクトル距離の置換によって補正されることができる。公称ベクトル距離からのずれが知られていれば、適切な補正がそれぞれの小ビームの少なくとも1つの制御データを補正することによってなされることができる。
【0049】
第1の小ビームと第2の小ビームとの間の実際のベクトル距離を測定するための方法の実施の形態は、以下のことを含むことができる。まず、第1の小ビームの小ビーム位置が、荷電粒子マルチ小ビーム露光装置において小ビーム位置を測定するための上述の方法の実施の形態を使用して測定される。そして、2次元パターンが、所定のベクトル距離にわたってセンサ表面の平面にほぼ平行な方向に搬送される。所定のベクトル距離が、センサの荷電粒子受け面の表面の平面において所定の方向で所定の距離として定義される。所定の距離は、一般的に、第1の小ビームと第2の小ビームとの間の理論上の距離に対応する。同様に、所定の方向は、一般的に、第1の小ビームから始まり第2の小ビームが予期される方向に対応する。
【0050】
代表的には、2次元パターンの搬送は、第1の小ビーム及び第2の小ビームによる2次元パターンの露光をするための最も容易な方法である。しかしながら、所定のベクトル距離にわたって第2の小ビームを移動させるか、互いに関連して小ビームと2次元パターンとの間の相対移動を与えることも実現可能でありうる。
【0051】
そして、第2の小ビームの小ビーム位置は、荷電粒子マルチ小ビーム露光装置において小ビーム位置を測定するための上述の方法の実施の形態を使用して測定される。このように、複数の測定が、複数の測定位置が2次元グリッドを形成するさまざまな位置でなされ、各測定は、第2の小ビームで2次元パターンの一部分を露光することと、2次元パターンの非遮断領域を透過された第2の小ビームの一部分である荷電粒子に応答して変換素子によって発生された光を受光することと、光感応検出器によって受光した光をさらなる強度値に変換することとを含む。そして、第2の小ビームの位置が、2次元グリッド内のさまざまな位置でさらなる光強度値によって生成されたさらなる2次元画像に基づいて2次元パターンに対して測定される。
【0052】
最後に、第1の小ビームと第2の小ビームとの間の実際の距離は、第1の小ビームの測定された小ビーム位置と、第2の小ビームの測定された小ビーム位置と、所定のベクトル距離とに基づいて測定される。
【0053】
再び、2つの小ビーム間の実際の距離の測定に加えて、このような測定は、複数の小ビーム内の複数の小ビーム対に対して並列に行われることができる。このような並列測定は、行われる測定の信号対雑音比を改良する。
【0054】
図8は、荷電粒子マルチ小ビームリソグラフィシステム80の一実施の形態を示す簡略化された概略図である。リソグラフィシステム80は、適切には、複数の小ビームを発生する小ビームジェネレータと、変調された小ビームを形成するために小ビームをパターニングする小ビームモジュレータと、変調された小ビームをターゲット表面上に投影するための小ビームプロジェクタとを有する。
【0055】
小ビームジェネレータは、代表的には、発生源と、少なくとも1つのビームスプリッタとを有する。図8の発生源は、ほぼ均質に拡大する荷電粒子ビーム84を生成するために配置された荷電粒子源83である。以後、リソグラフィシステムの動作は、電子ビーム84を発生するために配置された電子源83に関連して説明される。
【0056】
図8では、電子源83からの電子ビーム84は、電子ビーム84をコリメートするためのコリメータレンズ85を通過する。コリメータレンズ85は、任意のタイプのコリメート光学系であることができる。続いて、電子ビーム84は、図8の実施の形態ではアパーチャアレイ86であるビームスプリッタに衝突する。アパーチャアレイ86は、好ましくは、貫通孔を備えたプレートを有する。アパーチャアレイ86は、ビーム84のブロック部分に配置されている。さらに、アレイ86は、複数の平行な電子小ビーム87を生成するように通過することを可能にする。
【0057】
図8のリソグラフィシステム80は、非常に多くの小ビーム87を、好ましくは10,000〜1,000,000の小ビームを発生させることができ、もちろんこれよりも多いか少ない小ビームが発生されることも可能である。第2のアパーチャアレイが、電子ビーム84からサブビームを生成し、サブビームから電子小ビーム87を生成するように、システムに追加されることができる。これは、さらに下流側でのサブビームの操作を可能にし、特にシステムにおける小ビームの数が5,000以上であるとき、システムオペレーションのために有益であることがわかっている。
【0058】
小ビームモジュレータは、代表的には、複数のブランカの配置を備えた小ビームブランカアレイ89を有する。代表的には、小ビームブランカアレイ89は、小ビーム停止アレイ90と協働する。ブランカは、電子小ビーム87の1以上を偏向することが可能である。本発明の実施の形態では、ブランカは、特に、第1の電極と、第2の電極とアパーチャとが設けられた静電デフレクタである。そして、電極は、アパーチャを横切る電場を発生させるためのアパーチャの反対側に位置されている。一般的に、第2の電極は、グラウンド電極、すなわちグラウンド電位に接続された電極である。ブランカアレイ89の平面内で電子小ビームを合焦させるために、リソグラフィシステムは、さらに、コンデンサレンズアレイを有することができる。
【0059】
図8の実施の形態では、小ビーム停止アレイ90は、小ビームが通過することを可能にするためのアレイアパーチャを有する。小ビーム停止アレイ90は、その基本形態では、代表的には円形であるが他の形状が使用されてもよい貫通孔が設けられた基板を有する。小ビームブランカアレイ89と小ビーム停止アレイ90とは、小ビーム87を遮断するか通過させるために一緒に動作する。いくつかの実施の形態では、小ビーム停止アレイ90のアパーチャは、小ビームブランカアレイ89の静電デフレクタのアパーチャとアライメントされている。小ビームブランカアレイ89が小ビームを偏向すると、小ビームは小ビーム停止アレイ90の対応するアパーチャを通過しない。代わって、小ビームは、小ビーム遮断アレイ90の基板によって遮断される。小ビームブランカアレイ89が小ビームを偏向しないと、小ビームは、小ビーム停止アレイ90の対応するアパーチャを通過する。いくつかの他の実施の形態では、小ビームブランカアレイ89と小ビーム停止アレイ90との共働は、ブランカアレイ89のデフレクタによる小ビームの偏向が小ビーム停止アレイ90の対応するアパーチャを通る小ビームの通過をもたらすようになっており、一方、非偏向は、小ビーム停止アレイ90の基板による遮断をもたらす。
【0060】
小ビームモジュレータは、制御ユニット100によって与えられる入力に基づいて小ビーム87にパターンを追加するために配置されている。制御ユニット100は、例えばクリーンルームの内部の外部で、システムの残りの部分から離れて位置されることができる。制御システム100は、さらに、アクチュエータシステム96に接続されることができる。アクチュエータシステムは、電子光学カラム、すなわち破線98によって図8に描かれる小ビームを発生し投影するためのリソグラフィシステム80の構成要素の相対移動及びターゲット位置決めシステム104を実行するために配置されている。
【0061】
パターンデータを保持している変調された光ビーム94は、光ファイバを使用して小ビームブランカアレイ89に伝送される。特に、光ファイバアレイ95の光ファイバ端部部分からの変調された光ビーム94は、例えば1以上のレンズ97を使用することによって、小ビームブランカアレイ89に位置された対応する光感応要素に投影される。光感応要素は、光信号を異なるタイプの信号に、例えば電気信号に変換するために配置されることができる。変調された光ビーム94は、対応する光感応要素に結合された1以上のブランカを制御するためのパターンデータの一部分を保持する。いくつかの実施の形態では、光ビーム94は、少なくとも部分的に、導光路によって光感応要素に向かって伝送されることができる。
【0062】
小ビームモジュレータから出てくる変調された小ビームは、小ビームプロジェクタによってターゲット93のターゲット面上にスポットとして投影される。小ビームプロジェクタは、代表的には、ターゲット面上で変調された小ビームを走査するための走査デフレクタと、ターゲット面上に変調された小ビームを合焦させるための投影レンズ系とを有する。これらは、シングルエンドモジュール内にあることができる。
【0063】
このようなエンドモジュールは、好ましくは、挿入可能で交換可能なユニットとして構成されている。エンドモジュールは、デフレクタアレイ91と、投影レンズ構成体92とを有することができる。挿入可能で交換可能なユニットはまた、上に説明されるような小ビーム停止アレイ90を含むことができる。エンドモジュールを出た後、小ビーム87は、ターゲットの平面に配置されたターゲット面に衝突する。リソグラフィ用途に関して、ターゲット93は、通常、荷電粒子感応層、すなわちレジスト層が設けられたウェーハである。
【0064】
デフレクタアレイ91は、小ビーム停止アレイ90を通過した各小ビーム87を偏向するために配置された走査デフレクタアレイの形態を取ることができる。デフレクタアレイ91は、比較的小さな駆動の電圧の印加を可能にする複数の静電デフレクタを含むことができる。デフレクタアレイ91は、投影レンズ構成体92の上流側に描かれているが、デフレクタアレイ91も投影レンズ構成体92とターゲット面との間に配置されることができる。
【0065】
投影レンズ構成体92は、デフレクタアレイ91による偏向の前に、又は後に、小ビーム87を合焦させるために配置されている。好ましくは、合焦は、直径約10〜30ナノメートルの幾何学的なスポットサイズをもたらす。このような好ましい実施の形態では、投影レンズ構成体92は、好ましくは、約100〜500倍の縮小率を、好ましくはできるだけ大きな、例えば300〜500倍の範囲にある縮小率を与えるように配置されている。この好ましい実施の形態では、投影レンズ構成体92は、効果的には、ターゲット面に接近して位置されることができる。
【0066】
一般に、ターゲット面は、基板上にレジスト膜を有する。レジスト膜のいくつかの部分は、荷電粒子の小ビーム、すなわち電子の適用によって化学的に変質される。その結果、フィルムの照射部分は、現像液で多かれ少なかれ溶解可能になり、ウェーハ上にレジストパターンをもたらす。ウェーハ上のレジストパターンは、続いて、半導体製造の分野で知られているような、インプリメンテーション、エッチング、蒸着工程によって、下層に転写されることができる。
【0067】
図8に示されるシステムでは、小ビーム位置を測定するためにさまざまな位置で測定をすることは、1以上のさまざまな技術を使用することによって達成されてもよい。
【0068】
第1の可能性は、測定の間に2次元パターンを移動させることである。図8では、2次元パターンは、ターゲット位置決めシステム104に設けられることができる。制御システム100の制御下でアクチュエータシステム96を使用してターゲット位置決めシステム104を移動させることによって、2次元パターンが正確であるようにして移動されることができる。
【0069】
2次元パターンの上述の移動と組み合わせられることができる第2のオプションは、1以上の静電デフレクタの使用である。そして、さまざまな位置で測定をすることは、小ビームを適切に偏向することによって達成されてもよい。このような静電デフレクタは、他の目的のための荷電粒子マルチ小ビーム露光装置に既にあってもよく、例えば、1以上のデフレクタが図8のシステム80におけるデフレクタアレイ91の一部であることができる。あるいは、1以上の静電デフレクタは、露光装置において小ビーム位置を測定する目的のために設けられる。
【0070】
小ビーム位置を測定するためにさまざまな位置で測定をする他のやり方は、走査経路の一部分の間、小ビームが2次元パターンを露光することを可能にしながら、2次元パターン上を2次元経路に沿って小ビームを走査することである。2次元グリッドにおけるさまざまな部分を形成するために、各測定で2次元パターンが露光される走査経路の部分は異なる。
【0071】
本発明は、上に説明された所定の実施の形態を参照して説明されてきた。これら実施の形態が、本発明の意図及び範囲を逸脱することなく、当業者に周知のさまざまな変更及び変形を受けることができることが理解される。従って、特定の実施の形態が説明されてきたが、これらは単なる例であり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲に規定される。
出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を以下に付記する。
[1]荷電粒子マルチ小ビーム露光装置において小ビーム位置を測定するための方法であって、前記荷電粒子マルチ小ビーム露光装置には、荷電粒子のエネルギを光に変換するための変換素子と、光感応検出器とを有するセンサが設けられ、前記変換素子には、小ビーム遮断領域と非遮断領域との2次元パターンが設けられたセンサ表面領域が設けられ、この方法は、複数の測定をすることを具備し、各測定は、荷電粒子小ビームで前記2次元パターンの一部分上にフィーチャを露光することを含み、前記フィーチャが露光される位置は、各測定で異なり、複数の位置が2次元グリッドを形成し、2次元パターンの前記非遮断領域を透過された前記露光されたフィーチャの一部である荷電粒子に応答して前記変換素子によって発生された光を受光することと、前記光感応検出器によって受光された光を光強度値に変換して、測定がされた位置に前記光強度値を割り当てることとを含み、この方法は、前記2次元グリッド内のさまざまな位置で前記光強度値によって生成された2次元画像に基づいて前記2次元パターンに対する前記荷電粒子小ビームの位置を測定することを具備する方法。
[2]前記小ビーム遮断領域及び非遮断領域の前記2次元パターンは、非遮断孔が設けられた遮断面の形態を取る[1]の方法。
[3]前記孔は、ほぼ円形形状を有する[2]の方法。
[4]前記孔は、露光されるフィーチャのサイズと同じサイズである[3]の方法。
[5]前記小ビーム遮断領域及び非遮断領域の前記2次元パターンは、遮断フィーチャが設けられた非遮断面の形態を取る遮断する[1]の方法。
[6]前記遮断フィーチャは、ほぼ円形形状を有する[5]の方法。
[7]前記遮断フィーチャは、露光されるフィーチャのサイズと同じサイズである[6]の方法。
[8]前記露光されるフィーチャは、ほぼ円形形状を有する[1]ないし[7]のいずれか1の方法。
[9]荷電粒子小ビームで前記2次元パターンの一部分上にフィーチャを露光することは、荷電粒子小ビームが走査経路中の所定の一部分の間アクティブである間、前記2次元パターンの前記一部分上を2次元経路に沿って前記小ビームを走査することを含み、前記フィーチャが露光される位置が各測定で異なることは、各測定で前記走査経路の前記所定の一部分を変えることを含む[1]ないし[8]のいずれか1の方法。
[10]前記走査は、静電偏向によって行われる[9]の方法。
[11]前記荷電粒子小ビームの位置を測定することは、2Dガウス関数をフィッティングすることを含む[1]ないし[10]のいずれか1の方法。
[12]プロセッサによって実行されたとき、[1]ないし[11]のいずれか1の荷電粒子マルチ小ビーム露光装置で小ビーム位置を測定するための方法を行うためのコンピュータ読取可能媒体。
[13]荷電粒子マルチ小ビーム露光装置において2つの小ビーム間の距離を測定するための方法であって、前記荷電粒子マルチ小ビーム露光装置には、荷電粒子のエネルギを光に変換するための変換素子と、光感応検出器とを有するセンサが設けられ、前記変換素子には、小ビーム遮断領域と非遮断領域との2次元パターンが設けられたセンサ表面領域が設けられ、この方法は、[1]ないし[11]のいずれか1によって小ビーム位置を測定するための方法を行うことと、所定の距離にわたって前記センサの表面の平面にほぼ平行な方向に前記2次元パターンを搬送することと、複数の測定をすることとを具備し、各測定は、さらなる荷電粒子小ビームで前記2次元パターンの一部分上にフィーチャを露光することを含み、前記さらなる荷電粒子小ビームは、前記2次元パターンがその上を搬送される前記所定の距離に等しい前記荷電粒子小ビームからの理論上の距離を有し、前記フィーチャが露光される位置は、各測定で異なり、複数の位置が2次元グリッドを形成し、2次元パターンの前記非遮断領域を透過された前記露光されたフィーチャの一部である荷電粒子に応答して前記変換素子によって発生した光を受光することと、前記光感応検出器によって受光された光をさらなる光強度値に変換して、測定がされた位置に前記さらなる光強度値を割り当てることとを含み、この方法は、前記2次元グリッド内のさまざまな位置で前記さらなる光強度値によって生成された2次元画像に基づいて前記2次元パターンに対する前記さらなる荷電粒子小ビームの位置を測定することと、前記測定された荷電粒子小ビーム位置と、前記測定されたさらなる荷電粒子小ビーム位置と、前記所定の距離とに基づいて、前記荷電粒子小ビームと前記さらなる小ビームとの間の実際の距離を測定することとを具備する方法。
[14]前記さらなる荷電粒子小ビームで前記2次元パターンの一部分上にフィーチャを露光することは、前記さらなる荷電粒子小ビームが前記走査経路中の所定の一部分の間アクティブである間、前記2次元パターンの前記一部分上を2次元経路に沿って前記小ビームを走査することを含み、前記フィーチャが露光される位置が各測定で異なることは、各測定で前記走査経路の前記所定の一部分を変えることを含む[13]の方法。
[15]前記走査は、静電偏向によって行われる[13]の方法。
[16]前記さらなる荷電粒子小ビームの位置を測定することは、2Dガウス関数をフィッティングすることを含む[13]又は[14]の方法。
[17]プロセッサによって実行されたとき、[13]ないし[16]のいずれか1の荷電粒子マルチ小ビーム露光装置で2つの小ビーム間の実際の距離を測定するための方法を行うためのコンピュータ読取可能媒体。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8