(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
結果として、眼用レンズに好適な限りにおいて、創傷治癒の促進、治癒の制御、及び感染症治療につながる、付加的な方法及び装置を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
よって、本発明の態様は、上皮細胞の方向性のある移動に影響を与えるか、又は媒介し、それによって創傷閉鎖又は創傷の治癒を促進するために電界を形成するための電気/電池を含む、眼用デバイス及び前記デバイスを使用する方法に関する。眼用デバイスは、例えば、損傷した眼球表面(例えば、角膜びらん)上に局所的に適用されたとき、電流を発生できるか、又は導電性を付与できるコンポーネントが埋め込まれたハイドロゲル眼用レンズであってもよい。
【0010】
電池及びマイクロコントローラなどの能動的生体適合性コンポーネントを含む眼用デバイスを使用して、眼用デバイスは、電流の強さ、種類、及び方向の制御を提供することができる。例えば、電流及び/又は自然に発生する創傷発生電流の伝導性を増加させる活性薬は、創傷閉鎖を促進するために創傷に向けて導くことができる。他の例では、眼球表面の創傷治癒反応を制御するために、無作為に発生させた定常電流若しくは脈動電流の種類を有するか、又は電流の方向を逆転することが望ましい。
【0011】
電気コンポーネントに加えて、デバイスは、眼球表面に送達される活性薬用の埋め込まれたリザーバを更に含んでもよい。制御された電流が、眼に活性薬を送達させるために、更に使用されてもよい。活性薬は、活性薬の送達の促進によって、創傷治癒を更に促進する、又は眼の他の状態を治療するために使用することができ、例えば、活性薬は、患者に鎮静を提供し、眼球表面の粘膜の完全な状態の回復を助けるように設計された、抗感染症薬及び/又は抗炎症薬又は鎮痛薬から構成されてもよい。
【0012】
そのような状況では、デバイスによって発生する電流により、薬を機能的/効果的なものにするために、電流を制御して使用(即ち、能動輸送)することによって、標的組織への薬の効率的な輸送を更に促進し得る。例えば、痛み、炎症を鎮静する、感染症を治療するなどである。
【0013】
第1の態様では、眼球表面の創傷の治癒を制御する方法であって、眼を検査することと、眼の眼球表面のびらんを診断することと、眼の生理学的データを収集することと、制御された電流を送達することができる眼用デバイスを適合させることと、眼球表面のびらんの自然放出電流を補助するために、眼用デバイスによって放出される前記電流をプログラムすることと、診断されたびらんの治癒の間に前記眼用デバイスを着用することと、を含む、方法が提供される。
方法が、前記眼用デバイスの眼球表面との接触に基づいて活性剤を送達することを含んでもよく、その活性剤の送達は、前記電流の使用によって促進される。
方法が、診断された眼のびらんにより自然に放出される電流を監視することを含んでもよい。
方法が、自然に放出される電流の、前記眼球表面の炎症の増加又は感染症を示す所定の閾値からの変化を検出することを含んでもよい。
方法が、前記眼球表面の炎症の増加又は感染症の信号を受けると、活性剤を送達することを含んでもよい。
方法が、示された状態を効果的に治療するために所定の用量及び頻度で活性剤を送達することを含んでもよい。
方法が、眼球表面による活性剤の受容を補助するために更なる電荷を送達することを含んでもよい。
方法が、前記放出される電流を、一方向に送達することを含んでもよい。
方法が、前記放出される電流を、極性をトグルする直流電流として送達することを含んでもよい。
方法が、前記放出される電流を交流電流として送達することを含んでもよい。
方法が、前記放出される電流を所定の波形で送達することを含んでもよい。
方法が、前記放出される電流を所定の頻度で送達することを含んでもよい。
【0014】
第2の態様では、眼のびらんの制御された治癒のための装置であって、電界を送出することができるエネルギー放出接点と電気的に接続する発電機の使用により、エネルギー源から眼球表面上/内へエネルギーを伝送するようにプログラムされることができる、エネルギー印加可能なコントローラを含む光学面を含み、コントローラ、発電機、及びエネルギー放出接点が、眼球表面における前記装置の位置付けを可能にするため、生体適合性であるか、又は導電性の生体適合性層によって封入されている、装置が提供される。
発電機が、電流発生器を含んでもよい。
発電機が、制御された電圧源、制御された電流源、又は交流発電機のうちの1つを含んでもよい。
光学面が、約0以外の屈折力を有してもよい。
エネルギーが、装置に埋め込まれた電池に蓄えられてもよい。
電池が、積層型集積コンポーネントデバイスパッケージング技術を使用して埋め込まれてもよい。
エネルギー源のエネルギーが、前記眼用デバイスに接続するRFアンテナを介して無線で得られてもよい。
RFアンテナが、眼用デバイスに近接するデバイスに接続してもよい。
エネルギー源が、眼鏡内に収容されてもよい。
エネルギー源が、眼帯内に収容されてもよい。
装置が、所定の方法で送達される活性薬を収容することができるリザーバを含んでもよい。
装置が、眼のびらんにより自然に放出される電界の変化を測定することができる1つ又は複数のセンサを含んでもよい。
装置が、センサが、感染症を示す電界の閾値の変化を検出すると、活性薬を送達することが可能であってもよい。
リザーバが、鎮痛薬を含む活性薬を収容してもよい。
リザーバが、抗ウイルス薬を含む活性薬を収容してもよい。
リザーバが、抗感染症薬を含む活性薬を収容してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0016】
眼の創傷治癒をガルバニックに促進するために使用することができる方法及び眼用デバイスが、本明細書に記載される。以下の節では、本発明の実施形態の詳細な説明が記載される。方法の工程並びに好ましい実施形態及び代替の実施形態の両方の説明は、例示的な方法の工程及び例に過ぎず、変形、修正、及び代替が当業者にとって明白であり得ることが理解される。したがって、前記例示的な方法の工程及び実施形態は、基礎となる発明の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。
【0017】
用語集
本発明に関する本説明及び特許請求の範囲において、以下の定義が適用される様々な用語が使用され得る。
【0018】
「ガルバニック治癒」は、本明細書で使用するとき、治癒速度及び/又は治癒の方向に影響を与えるために、創傷誘起電流及び電流の方向の一方又は両方を、薬理学的及び/又は電気的に制御する(例えば、促進する又は減退する)ことによって、創傷から生じる自然に発生する内因性電流に影響を与えることを指す。例えば、制御された電界を発生させる、又は活性薬を送達することができる、エネルギー印加された眼用デバイスを使用して、損傷した角膜のNa+及びCl−の輸送を操作し、治癒を大幅に促進又は減退させることができる。
【0019】
「エネルギー印加される」は、本明細書で使用するとき、デバイスコンポーネントに電流を供給することが可能であるか、又は電気エネルギーを内部に蓄えることが可能である状態を指す。
【0020】
「エネルギー」は、本明細書で使用するとき、ある物理システムが仕事をする能力を指す。本明細書に記載の多くの用途は、仕事を行なう際に電気的作用を実行することが可能である、前記能力に関連し得る。
【0021】
「エネルギー源」は、本明細書で使用するとき、エネルギーを供給し又は論理デバイス若しくは電気的デバイスをエネルギー印加された状態に定置することが可能なデバイス又は層を指す。
【0022】
「エネルギーハーベスタ」は、本明細書で使用するとき、環境からエネルギーを抽出することができ、それを電気的エネルギーに変換することができるデバイスを指す。
【0023】
「機能化」は、本明細書で使用するとき、例えばエネルギー印加、作動、又は制御を含む機能を、層又はデバイスが実行することを可能にすることを指す。
【0024】
「レンズ」は、本明細書で使用するとき、眼内又は眼上に在る任意の眼用デバイスを指す。これらのデバイスは、光学補正を提供してもよく、又は美容用であってもよい。例えば、レンズという用語は、コンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼用インサート、光学インサート、又は他の同様の、視力が補正若しくは変更されるデバイスか、若しくは視力を妨げることなく眼の生理機能が美容的に促進される(例えば、虹彩色)デバイスを指してもよい。好ましいレンズは、シリコーンエラストマー又はハイドロゲルから作製される、ソフトコンタクトレンズであり、それらのシリコーンエラストマー又はハイドロゲルとしては、シリコーンハイドロゲル及びフルオロハイドロゲルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
「レンズ形成面」は、本明細書で使用するとき、レンズの少なくとも一部分を成形するために使用し得る面を指す。幾つかの例において、任意のかかる表面は、光学品質表面仕上げを有してよく、これは、十分に滑らかであり、レンズ形成材料の重合化によって製造されるレンズ表面が、成形表面との接触において、光学的に許容可能であるように形成されることを示唆している。更に、レンズ形成面は、レンズ表面に所望の光学特性を付与するのに必要な幾何学形状を有してもよい。所望の光学特性としては、限定することなく、球面、非球面、及び円筒屈折力、波面収差補正、角膜トポグラフィ補正等に加えて、これらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0026】
「リチウムイオンセル」は、本明細書で使用するとき、セル内を移動するリチウムイオンが電気的エネルギーを発生する、電気化学セルを指す。通常、電池と呼ばれるこの電気化学セルは、その通常の状態に再通電又は再充電され得る。
【0027】
「基材インサート」は、本明細書で使用するとき、眼用レンズ内部のエネルギー源を支持することが可能な成形可能又は剛性の基材を指す。基材インサートはまた、1つ又は複数のコンポーネントを支持してもよい。
【0028】
「成形型」は、本明細書で使用するとき、未硬化配合物からレンズを形成するために使用し得る、剛性又は半剛性の物体を指す。好ましい成形型は、前側湾曲成形型部及び後側湾曲成形型部を形成する、2つの成形型部を含むものがある。
【0029】
「オプティカルゾーン」は、本明細書で使用するとき、眼用レンズの装用者がそこを通して見ることになる、眼用レンズの領域を指す。
【0030】
「電力」は、本明細書で使用するとき、単位時間当たりに行われる作業、又は移送されるエネルギーを指す。
【0031】
「再充電可能又は再エネルギー印加可能」は、本明細書で使用するとき、仕事をするためにより高い能力の状態に回復される能力を指す。本明細書に記載の多くの用途は、一定の再確立期間に一定の割合で電流を流す能力に回復される能力に関連し得る。
【0032】
「エネルギー再印加又は再充電」は、本明細書で使用するとき、仕事をするためのより高い能力を有する状態までエネルギーを回復することを指す。本明細書に記載の多くの用途は、デバイスを、一定の再確立時間に一定の割合で電流を流す能力に回復することに関連し得る。
【0033】
「積層された」は、本明細書で使用するとき、少なくとも2層のコンポーネント層を、層のうちの1つの一方の面の少なくとも一部が、第2の層の第1の面と接触するように、互いに近接して定置することを指す。膜は、接着用であるか又は他の機能を行うものかに関わらず、前記膜を介して互いに接触する2つの層の間に在ってもよい。
【0034】
「積層型集積コンポーネントデバイス」は、本明細書で使用するとき、かつ場合によって「SIC−デバイス」と称されるとき、電気及び電気機械デバイスを収容し得る基材の薄層を、各層の少なくとも一部分を相互の上に積み重ねることによって、動作可能な統合デバイスに組み立てることができるパッケージング技術の製品を指す。層は、様々な型式、材料、形状及びサイズのコンポーネントデバイスを含んでもよい。更に、層は、それが所望され得る場合、様々な輪郭を想定し適合させるために、様々なデバイス生産技術により作製されてもよい。
【0035】
眼のガルバニック治癒のための方法及び装置が記載される。以下の節では、ガルバニックに眼を治癒するためのレンズを使用する方法が提供される。更に、参照された出願に記載され、かつ更に本明細書で説明されるように、本発明のために実施し得る例示的な実施形態が適宜に記載される。例えば、(複数の)積層型集積コンポーネントデバイスは、本発明の一態様に従って機能し、かつエネルギー印加するために、レンズに組み込まれてもよい。
【0036】
方法
眼は、角膜により保護される。角膜は、物理的及び化学的薬剤から眼を守るだけでなく、視覚のためのレンズ及び網膜上へ光を屈折させることができる、透明な重層上皮層で覆われている。これらの機能を適切に実行するために、角膜は、細胞増殖、及び角膜びらん(即ち創傷)によるあらゆる損傷の修復によって、完全な状態を維持できる必要がある。更に、角膜は、感覚神経によって最も密に支配されている体組織であるため、これらの角膜びらんは多大な痛みの原因となる場合がある。上皮損傷及びこれらの神経終末の露出は、患者に多大な苦痛を伴い、上皮を十分に治癒し得るまで、神経性炎症を引き起こす場合がある。角膜びらんも関わる幾つかの状況では、眼の感染症も起こる場合がある。眼の感染症は、視力喪失の高いリスクを伴う。
【0037】
前記角膜創傷、又はびらんは、様々な事柄の結果であり得、例えば、患者の眼に存在する医学的状態から、又は、眼科医によって、患者の眼の特定の医学的治療に必要とされる過程において誘発される。結果として、以下の方法は、例えば角膜などの、所定の眼の表面で、創傷治癒を制御し、かつ促進又は減退するために使用し得る。
【0038】
図1を参照すると、本発明の態様に従って実施することができる例示的な方法の工程が、フローチャートで示されている。101において、眼が検査される。眼はアイケアの専門家に検査されてもよい。例えば、多数実行された手術の1つの後、又は、患者が、不快感により、若しくは物体の物理的な衝撃からの角膜損傷を治療するために専門家を訪れたとき、などである。
【0039】
102において、眼の専門家は、1つ又は複数の角膜びらんを診断してもよい。103において、検査に続いて、又は検査中、又は以前に行った眼の検査から、眼の生理学データが収集されてもよい。104において、眼用デバイスが、収集された眼の生理機能に従って、適合するように選択される。選択されるデバイスは、それが必要となり得る幾つかのアプリケーションにおいてプログラムされることができるか、又は、一部においては、診断105の観点で専門家に望まれる機能的能力を有することができる予めプログラムされたレンズの標準セットから選択されてもよい。
【0040】
106において、専門家は、制御された送達のためにレンズに組み込むことができる活性薬を組み込む、又は、使用することを選択してもよい。例えば、これは、レンズの一部に組み込むことができ、信号を受信すると、又は予め定められる任意の所望の頻度で送達され得る、抗生物質又は抗炎症薬を含んでもよい。107において、患者は、その後、治療のための眼用デバイスを、所定の時間、かつ/又は眼の専門家によって決定し得る交換の期限まで、着用してもよい。
【0041】
図2を参照すると、使用し得るコントローラ200が示されている。コントローラ200はプロセッサ210を含み、このプロセッサは、通信デバイス220に連結した1つ又は複数のプロセッサコンポーネントを含んでもよい。コントローラ200は、眼用レンズ内に定置されるエネルギー源からエネルギーを伝送するために使用されてもよい。
【0042】
コントローラは、通信チャネルを介してエネルギーを通信するように構成された通信デバイスに連結した1つ又は複数のプロセッサを含んでもよい。通信デバイスは、電界及び活性薬コンポーネントの1つ又は複数を電子的に制御するために使用されてもよい。
【0043】
通信デバイス220はまた、例えば、1つ又は複数のコントローラ装置又は製造機器コンポーネントと通信するために使用することもできる。
【0044】
プロセッサ210はまた、記憶デバイス230と通信してもよい。記憶デバイス230は、任意の適切な情報記憶デバイス、光記憶デバイス、並びに/又は、ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス及びリードオンリーメモリ(ROM)デバイスなどの半導体記憶デバイスを含んでもよい。
【0045】
記憶デバイス230は、プロセッサ210を制御するためのプログラム240を保存してもよい。プロセッサ210は、プログラム240の命令を実行し、それによって、本発明の一態様に従って動作する。例えば、プロセッサ210は、レンズの定置、送達される電流の効果、創傷発生電流、創傷感染フィードバックなどを記述している情報を受信してもよい。記憶デバイス230はまた、1つ又は複数のデータベース250、260内の眼用関連データを保存することもできる。データベース250、260は、レンズへのエネルギー、及びレンズからのエネルギーを制御するための特定の制御ロジックを含んでもよい。
【0046】
装置
最近の実験は、創傷から生じる電流を測定し、更に効果を調べるために実行されている。小さな自然に発生する検出された直流(d.c.)電気信号は、特定の創傷環境での関係及び機能を理解するために測定し、分析されている。しかしながら、これらの実験のほとんどは、制御された環境で実行され、日常的に使用し/従うことができ、かつ制御された方法で特定の環境において所望の機能を達成し得る実用的な装置又は方法は、提案も発明もされていない。反対に、実験では、大型のデバイス、慎重に使用する必要がある振動プローブ、及び人体に有害な試薬を使用する。
【0047】
以下の節で参照される図及びそれぞれの説明で、本発明者は、角膜上皮層など、1つ又は複数の眼球表面の制御された治癒を促進するために、生体適合性の方法で機能することができてもよい、本発明の装置を記載する。より具体的には、眼内に見出される上皮細胞の重層化層の治癒を制御し、促進するために、眼に接触して定置し得る、レンズである。
【0048】
図3を参照すると、例示的な眼用レンズ構成300の断面が描かれている。例示的な眼用コンタクトレンズにおいて、コンタクトレンズは、レンズの調整、位置付け、又は定置などの事柄のために設計され得る構造体に囲まれたオプティカルゾーン302を中央に有するように設計されてもよい。本発明の発明主体による最近の開発により、前記周囲構造301、即ち容積機会(volume opportunity)に、機能性コンポーネントを安全に定置することが可能となっている。機能性コンポーネントはまた、特に治療機能のために設計されたコンタクトレンズの適切な領域に定置することもでき、これらのレンズは、球面補正に使用される一般的なコンタクトレンズと設計において異なっていてもよい。
【0049】
オプティカルゾーンを囲む容積を使用するため、又はオプティカルゾーンで光学的品質に望ましくない影響を大幅に生じ得る機能性部品の定置を制限するために、エネルギー印加を伴うフレックス技術のダイ、又は光学技術のダイ、又はSIC−デバイスの1つ又は組合せが使用されてもよい。前記封入されたエネルギー印加されたデバイスは、制御された電流を安全に提供することができ、かつ/又は制御された方法で活性薬を分注することができる。
【0050】
図4を参照すると、例示的なSIC−デバイスの三次元的表現が、アイテム410の型式の層基材インサートを使用して完全に形成された眼用レンズ400において示されている。この表現は、デバイスの内部に存在する異なる層が理解できるように眼用レンズからの部分切欠き図を示している。アイテム420は、基材インサートの封入層の断面における本体材料を示す。このアイテムは、描かれているように、眼用レンズの全周を囲んでもよい。実際のインサートは、完全な環状のリング、又は典型的な眼用レンズのサイズの制約の範囲内にありつつ、他の形状を含み得ることが、当業者には明らかであろう。
【0051】
アイテム430、431、及び432は、機能層の積層体として形成された基材インサートに見出され得る多数の層のうちの3層を示す。単一の層は、特定の目的に資する構造的、電気的又は物理的特性を有する能動的及び受動的コンポーネント並びに部分の1つ又は複数を含んでもよい。
【0052】
層430は、例えば、電池、キャパシタ、及びレシーバーの1つ又は複数などのエネルギー印加源を層430内に含んでもよい。この場合、アイテム431は、非限定的な例示的な意味において、眼用レンズのための作動信号を検出する、超小型回路を層内に含んでもよい。
【0053】
外部源から電力を受けることができ、電池層430を充電し、かつ/又はレンズが充電環境にない場合に層430からの電池電力の使用を制御することができる電力調整層432が含まれてもよい。電力調整により、基材インサートの中央の環状の切欠き内にアイテム410として示される、例示的な活性レンズへの信号を制御してもよい。
【0054】
埋め込まれた基材インサートを有するエネルギー印加されたレンズは、例えば、エネルギー貯蔵手段としての電気化学セル又は電池などのエネルギー源を含んでもよく、かつ幾つかの例では、眼用レンズが定置される環境からのエネルギー源を含む材料の封入物及び分離物を含んでもよい。
【0055】
基材インサートはまた、回路のパターン、コンポーネント、及びエネルギー源を含んでもよい。様々な例が、レンズの装用者がそれを通して見ることになるオプティカルゾーン周辺部の周囲に回路のパターン、コンポーネント、及びエネルギー源を配置する基材インサートを含んでもよいが、一方で、他の例は、コンタクトレンズの装用者の視界に悪影響を及ぼさないほどの小型の回路のパターン、コンポーネント、及びエネルギー源を含んでもよく、したがって、基材インサートはこれらをオプティカルゾーンの内部又は外部に配置してもよい。
【0056】
一般に、基材インサートは、レンズを形作るために使用される成形型部分に対して所望の位置にエネルギー源を定置するオートメーションを介して、眼用レンズ内に統合される。
【0057】
基材の機能化積層体のうちの1つ又は複数の層は、薄膜電源を含んでもよい。その薄い電源は、本質的に基材上の電池と見なすことができる。薄膜電池(しばしばTFBと称される)は、材料を薄層又は薄膜に蒸着させるために既知の蒸着過程を使用してシリコンなどの好適な基材上に構成されてもよい。これらの薄膜層の1つの蒸着過程には、スパッタ蒸着を挙げることができ、様々な材料を蒸着するために使用されてもよい。膜の蒸着後、膜は、次の層を蒸着する前に処理されてもよい。蒸着膜に対する一般的な過程には、リソグラフィ又はマスキング技術を挙げることができ、続いてエッチング又は他の材料除去技術が実行され、したがって、膜層は、基材表面の二次元で物理的形状を有することができる。
【0058】
層は、パリレン及びチタンにより、又はエポキシ及びガラス層により封入されてもよい。層は、パリレン、チタン、エポキシ、ガラス、又は他の層で封入されてもよい。他の層と同様に、これらの最終的な層のパターニング及びエッチングがあってもよい。例えば、それらは、封入された電池が電気的に接触し得る露出機構を有してもよい。幾つかの例では、酸素、水蒸気、他の気体及び液体の1つ又は複数が侵入するのを防ぐために、パッケージングにおいてエンクロージャを含むであろう。したがって、これらの例は、絶縁層の1つ又は複数を含み得る、1つ又は複数の層におけるパッケージングを含んでもよく、絶縁層は、非限定的な例として、パリレン及び不透過性層(例えば、金属、アルミニウム、チタン、及び生体適合性であってもよい不透過性フィルム層を形成する同様の材料を含み得る)を含んでもよい。不透過性材料は、ガラス、アルミナ、シリコン、又は他の材料の、精密に形成/切断されたカバー層を含んでもよい。
【0059】
幾つかの基材は、電気絶縁を提供する材料から形成されてもよく、あるいは、幾つかの基材は、導電性又は半導電性であってもよい。それにもかかわらず、基材材料のこれらの代替的態様は、積層型集積コンポーネントデバイスに統合されて少なくとも部分的にデバイスのエネルギー印加機能を提供することができる、薄型コンポーネントを形成し得る最終薄膜電池と一致してもよい。
【0060】
薄膜電池が積層型集積デバイスの薄型コンポーネントである薄膜電池を含む例では、電池は、パッシベーション膜内の開口部によるアクセスを介した他の薄型コンポーネントへの接続を有してもよい。接続は、パッケージの外側とであってもよく、無線方式で行われてもよい。接続は、例えば、無線周波数接続、容量性電気通信、磁気結合、光結合、又は無線通信の方法を規定する複数の手段のうちの他の手段を含む方法により行われてもよい。
【0061】
部分420又は容積機会内の任意の部分は、その中に保存され、かつそこから送達される活性薬を有してもよい。活性薬が望まれる場合、眼用デバイスは、本体内にリザーバを備えてもよく、リザーバは、活性剤薬含有材料を含んでもよい。材料は、プラグによって送達される試薬又は活性薬と互換性のある任意の材料であってもよく、多数の方法により活性薬を放出することができる。例えば、材料の溶解若しくは分解、又は材料からの活性薬の拡散などである。多孔質セラミック、脂質、ワックス、並びにこれらの欠如及び組合せを含むがこれらに限定されない無機材料を含む天然由来及び合成の両方の非高分子材料、並びに高分子材料を含むがこれらに限定されない高分子材料を含むがこれに限定されない任意の数の材料が挙げられる。
【0062】
好ましくは、活性剤含有材料は高分子材料であり、その中に少なくとも1つの活性剤が配置されるか、全体に分散されるか、ないしは別の方法で含有される。本体は、好ましくは活性剤に対して不透過性であり、リザーバはそれを通じて活性剤が放出されてもよい少なくとも1つの開口部を有する。
【0063】
選択された活性剤含有材料に応じて、活性剤は、その材料からほぼ即座に放出されてもよく、又は活性剤は、所望の期間にわたって持続的な方法で放出されてもよい。例えば、少なくとも部分的に水溶性である1つ又は複数の高分子から構成される高分子材料が使用されてもよい。そのような高分子材料が涙液の水性環境に暴露されたときに、好ましくは、活性剤が溶解され、溶解しながら放出されるであろう。
【0064】
あるいは、活性剤は、エネルギー印加された流路を介して眼科環境(ophthalmic environment)上へ活性剤を分注することができる組み込まれたマイクロ流体ポンプを使用して分注されてもよい。例えば、マイクロ流体ポンプは、溶液の接触角を変更し、それによって活性剤が分注される、エネルギー印加することができる流路を含んでもよい。
【0065】
活性薬又は活性剤の例としては、例えば、トブラマイシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン、ガチフロキサシン、シプログロキサシン(ciprogloxacin)、ゲンタマイシン、スルフイソキサゾロンジオラミン(sulfisoxazolone diolamine)、スルファセタミドナトリウム(sodium sulfacetamide)、ネオマイシン、プロパミジン(neomycin propanidine)、スルファジアジン及びピリメタミンを含むが、これらに限定されない抗感染症薬を挙げることができる。
【0066】
更に又は代わりに、眼用デバイスは、ホルミビルセンナトリウム(formivirsen sodium)、ホスカルネトナトリウム、トリフルリジン、テトラカインHCL、ナタマイシン及びケトコナゾール(ketocaonazole)が挙げられるがこれらに限定されない抗ウイルス薬を送達してもよい。更に、鎮痛薬もまた挙げることができ、例えば、アセトアミノフェン、コデイン、イブプロフェン及びトラマドールが挙げられるが、これらに限定されない。最後に、幾つかの例においては、限定はされないが、例えば、ビタミン、抗酸化剤、及び機能性食品(ビタミンA、D及びE、ルテイン、タウリン、グルタチオン、ゼアキサンチン、脂肪酸、並びにこれらに類するものを含む)を更に含み得る活性薬又は活性剤もまた送達し得る。
【0067】
図5を参照すると、例示的なエネルギー印加された眼用レンズの別の構成が描かれている。501において、マイクロコントローラは、眼用デバイスの光学部505に対する眼用デバイスの非光学部分に設計されたポケットの中に位置付けられてもよい。前記マイクロコントローラ501は、埋め込まれたエネルギー印加を提供するために、陽極503に接続する陰極504の領域を含む電池と接続してもよい。
【0068】
更に、502において、ある型式のポンプ機構又は前述のように溶解可能な基材を含み得るリザーバが、デバイス500のこの部分に含まれてもよい。506において、眼科環境との直接的な接触を避けることが所望され得る場合、層は、コンポーネントを封入するように使用されてもよい。
【0069】
図6を参照すると、例示的なコンポーネントの概略図が描かれている。前記コンポーネントは、眼用デバイスにエネルギー印加する方法のうち、当該技術分野で公知、又は同じ発明主体による他の出願に開示される新規の方法の、いずれか1つ又はそれらの組合せを使用して、デバイス内に埋め込まれてもよい。例えば、光学機器における(複数の)SIC−デバイスを使用するための方法を使用する。
【0070】
600において、眼は、眼用インターフェイス605に接触又は近接する。眼用インターフェイス605は、例えば、露出したコンタクトレンズを含んでもよい。前記眼用インターフェイス605は、コントローラ610と、電流発生器615と、1つ又は複数のセンサ650と、薬剤分注ポート645と、を含むか又はそれらに接続してもよい。コントローラ610は、例えば、
図2に記載されるようなものであってもよく、更なる(複数の)マイクロコントローラ、タイマ、信号調節デバイス、ステートマシンデバイス、及び/又は、イベントトリガデバイスを更に含んでもよい。電流発生器615は、電圧モード又は電流モードの、例えば、DC又はAC、並びに異なる波形及び周波数などを発生することが可能である。センサ650は、例えば、フォトセンサ又はアンテナなど、創傷を検知し、かつ/若しくは監視するため、又はデバイスとの通信を提供するために使用されるセンサを含んでもよい。
【0071】
活性剤又は活性薬が望まれる場合、薬剤分注ポート645は、薬剤分注リザーバ670と接続してもよく、例えば、眼科環境に入るとき、又は信号650によるなど、それが所望され得る場合、活性コンポーネントを溶解し、分注する機能を有する高分子又はポンプ手段655を含んでもよい。
【0072】
更に、コントローラ610は、分注ポート645、1つ又は複数のセンサ650、及び/又は、電力管理デバイス620と接続してもよい。電力管理デバイスは、例えば、整流器、フィルタ、電圧調整器及び電池充電器を含んでもよく、エネルギー貯蔵デバイス625、外部電源630、又は内部エネルギー供給源640の1つ又は複数と接続してもよい。外部エネルギー源630は、例えば、太陽電池、コイル(誘電)、アンテナ(RF)、熱電式又は圧電式「Energy Harvesting」などを含んでもよい。外部電源通信635は、LED、誘電、EFなどであってもよい。メガネ又は眼帯などの眼用デバイスに近接して位置付けられるデバイスとの通信が発生してもよい。
【0073】
エネルギー貯蔵625は、他の例で必要となり得る。エネルギー貯蔵手段は、例えば、電池(アルカリ、リチウムイオン、リチウム、亜鉛空気など)、キャパシタ、又は、例えば、SIC−デバイス技術を使用してレンズに埋め込まれたスーパーキャパシタを含んでもよい。
【0074】
図7を参照すると、創傷714の治癒を監視し、改善するための例示的な電気システム700が描かれている。電池702又は他の好適な電源は、前述のように、電子発生器回路704にエネルギーを供給してもよい。この発生器は、当該技術分野で公知の幾つかの技術の1つ又は複数を使用して、創傷714の治癒を改善するために必要な所望の電圧及び電流を生成してもよい。この回路は、電池電圧から降下させるように調節してもよく、例えば4Vの電池から創傷にわたって0.25Vを送達する。これは、一般的なリニア電圧レギュレータの使用により行ってもよい。また、例えば、1.5Vの電池から5Vの電位を生成するためにチャージポンプを使用することを含むことにより、電池から利用可能な電圧より高い電圧を作り出すことも可能である。電子回路704は、スイッチングネットワーク706に接続してもよい。このスイッチングネットワークは、例えば、Hブリッジ形式のMOSFETスイッチによって実現してもよい。スイッチングネットワーク706は、コンタクト710及び712に接続してもよい。これらの接点は、創傷への電気的接続を提供してもよく、創傷714からスイッチングネットワーク706に電流を流すことができる。スイッチングネットワーク706はまた、センサ回路708に接続されてもよい。このようなセンサは、治癒過程により、創傷にわたって誘起される電圧を検出してもよい。センサはまた、電圧、電流、及び抵抗など、創傷のパラメータを測定してもよい。
【0075】
図8を参照すると、創傷814の治癒を監視し、改善するための電気システム800の回路概略図が描かれている。前述のように、創傷814は、電圧源824によって表され得る、関連した電界を有する。創傷はまた、周囲の組織の抵抗とは異なる測定可能な抵抗826を有してもよい。前述のように、接点810及び812は、創傷に好適に近接して位置付けられてもよい。また、前述のように、これらの接点は、適切な生体適合性の導電性材料であってもよく、又は生体適合性の導電性材料によって封入されてもよい。接点810及び812は、Hブリッジとして示されるスイッチングネットワーク828に接続してもよく、これは、エレクトロニクスの分野で知られている一般的な回路であり、印加又は測定される電圧及び電流の接続、切断、及び極性のトグルを可能にする。コントローラ806は、スイッチ820及び822に加えて、スイッチングネットワーク828を制御してもよい。スイッチは、業界で一般的なように、MOSFETデバイスにより実施されてもよい。コントローラは、例えば、マイクロコントローラとして実施されてもよい。スイッチ820は、発電機ブロック802をスイッチングネットワーク828に接続してもよい。この発電機ブロック802は、創傷治癒のために望ましい電圧、電流、波形、及び周波数を発生するために必要な回路を含有することができる。スイッチ822は、センサブロック804をスイッチングネットワーク828に接続してもよい。センサブロック804は、創傷814の電圧824、抵抗826、又は他のパラメータを測定してもよい。例えば、創傷にわたる測定可能な領域824は、センサ804が、そのような状態を検出し、それらの状態へ変化することができるように、創傷治癒又は感染症とともに変化してもよい。
【0076】
あるシステム状態では、スイッチ822は閉じられてもよく、一方、スイッチ820は開かれてもよく、スイッチングネットワーク828の所望のスイッチは、発電機802を接続することなく、接点810及び812を介して、センサ804を創傷814に接続するように有効及び無効に設定できる。
【0077】
センサ804は、例えば、差動又は計装用増幅器など、エレクトロニクス産業において一般的な技術によって電圧を測定するように設計されてもよい。センサ804はまた、静電容量センサ、抵抗センサ、又は他の電気的センサとして構成されてもよい。別のシステム状態では、スイッチ820は閉じられてもよく、一方、スイッチ822は開いたままにされてもよい。発電機802は、創傷治癒のための所望のパラメータにプログラムされ、スイッチングネットワーク828並びに接点810及び812を介して創傷814に接続してもよい。
【0078】
発電機802は、治癒を促進するために、制御電圧源、制御電流源、又は交流発電機として動作してもよい。発電機802は、様々な電圧、電流、及び周波数範囲用に設計されてもよいが、前述したように、治癒を促進するために、創傷1514にわたって、0.25−0.5Vの範囲内の電圧が所望され得る。例えば、細胞成長の方向を変えるために電流を反転させる、又は有向治癒と無向治癒(directed and undirected healing)との間で脈動するなど、802及び828の状態は、治癒中に変えられてもよい。代わりに、又はこれに加えて、発電機802は、対応する値の電流又は電圧が創傷に印加される間、創傷814にわたって、又は介して、電圧又は電流を検出する回路を含有してもよい。これらのパラメータは、治癒中に監視されてもよく、制御された電圧又は電流がそれに応じて修正されてもよい。これは、センサ804に置き換えられてもよく、又はセンサ804を補ってもよい。コンポーネント802、804、及び806は、電池又は誘導電力伝送など、適切なエネルギー源(図示せず)から電力を供給される。
【0079】
創傷治癒を促進するために、例えば、組織及び特定の治療に応じ、ミリメートル当たり10ミリボルトから5ボルトの幅広い範囲の印加される電界及び誘電が示唆されている。同様に、様々な電界及び電流が、損傷組織にわたって測定されている。802のような発電機及び804などのようなセンサは、治療及び診断パラメータを測定し、かつ供給するために、十分な範囲の能力(電圧、電流)及びプログラマビリティを有するべきである。あるいは、回路は、特定の治療及び診断の要件に合わせて高度にカスタマイズすることができる。
【0080】
背景技術及び参考文献に記載されるように、健全な組織及び損傷した組織にわたってセンサを通過させることにより、創傷を検出することができる。例えば、電流密度の測定値は、プローブが創傷の上を通過するとき、近くの健全な組織とは対照的に、明確な偏差を示す。治療システムは、例えば、特定の好ましい位置における眼の手術中に使用される切開など、一般的な創傷と互換性がある特定の幾何学形状で設計、製造されてもよい。多くの治療システムは、様々な創傷の幾何学形状を覆うように製造してもよい。3Dプリント、又は他のジャストインタイム、オンサイトの製造技術により、医師は、創傷の幾何学形状を測定し、特注の治療装置を製造することが可能になる。治療システムは、組織の周囲に位置付けられる幾つかの電気接点を含有してもよい。センサは、創傷の幾何学形状を検出し、所望の接点のみを介して治療用電流を送ることができるであろう。
【0081】
図9を参照すると、創傷位置の範囲にわたって創傷を検出し、治癒を改善するための例示的な治療システム900が描かれている。組織902は、創傷904を含有する。前述のように、接点906、908、910、912、914及び916は、生体適合性の手段によって電気的接触を提供してもよい。スイッチングネットワーク918により、発電機及び/又はセンサ回路920は、例えば、隣接する対など、特定のセンサと接続することができる。システムは、最初に、接点906と908との間の電位差を測定してもよい。システムは、次に、908と910との間、910と912との間、912と914との間、及び914と916との間を測定してもよい。既に説明したように、接点906と908との間、又は914と916との間との測定可能な差異が、創傷にまたがって位置付けられ得る接点910と912との間に存在し得る。システムはまた、この差異を検出し、接点910と912との間のみにわたって治療電流を印加してもよい。別の創傷が、おそらく別の個体上に、例えば、接点906と908との間に存在する場合がある。システムは、この創傷を検出し、接点906と908との間に治療領域を適用してもよい。この概念は、様々な創傷の長さ、幅、形状、及び位置に提供するために、接点の多次元グリッド又は他の構成に拡張されてもよい。
【0082】
本明細書に記載されるセンサ(例えば、センサ804)は、抵抗率、導電率、インピーダンス、周囲の健全な組織に対する色(例えば刺激と相関する赤色)、pH、サイトカイン、及び炎症性マーカーを測定するために使用される1つ又は複数のセンサを含んでもよい。測定は、創傷全体の「大域的」測定であってもよく(サイトカイン)、又は、創傷にわたる複数の点で実行されてもよい(固有抵抗)。
【0083】
本明細書に記載される発電機(例えば、発電機820)は、DC電源、又は安定化電圧若しくは安定化電流のいずれかであってもよい。発電機はまた、例えば、パルス発生器、AC電源、又は任意の波形発生器であってもよい。発電機は、例えば、1〜100mV/mmの整数値の範囲の電界、及び/又は、1〜10μA/mmの整数値の範囲の磁界(Hフィールド)を作り出すために使用されてもよく、より具体的には、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50mV/mm、及び1、2、3、4、5、6、7、8、9、10μA/mmの磁界が使用されてもよい。具体例としては、25mV/mmの電界、及び/又は2.2μA/mmの磁場を作り出すことが挙げられる。発電機からの出力例は、約0.1〜1.0mA(例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9及び1.0mA)に制限される電流値で、その間の整数値を含む約10〜100Vにおける約65〜100MHzである。波形は、少なくとも約1時間の間、印加されてもよい。
【0084】
発電機によって出力される信号の更なる例としては、非対称及び双方向の短パルス、正弦波AC信号、パルス電流、並びに極短時間及び高電圧のパルス電圧の1つ又は複数が挙げられる。発電機からの典型的な出力値には、パルス幅5〜200μs(例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200μs)及び電流値約1.0〜2.0mA(1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、又は2.0mA)未満で、その間の整数値を含む1〜125Hzにおける、約100〜150V(例えば、100、105、110、115、120、125、130、135、140、及び145V)が挙げられる。出力波形の更なる例としては、80パルス/秒の速度で送達されるパルス持続時間100μ秒の電流、並びに約25〜約80V(例えば、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80V)の範囲及びその間の整数値を含む電圧で、2つのピークを持つ単相性波形(即ち、逆鋸歯状)が挙げられる。出力波形の更なる例としては、約100Vにおける、約100Hzの周波数での、約0.1msの持続時間のパルスが挙げられる。
【0085】
本発明は、概して、眼の創傷又はびらんの治癒を補助するための電流を送達することができる眼用デバイスに関する。眼用デバイスは、埋め込まれたエネルギー源を有するか、又は、アンテナを介してエネルギーを得てもよい。眼用デバイスはまた、ある状態又は信号によって薬を分注することができる、リザーバ内に収容される活性薬を含んでもよく、眼球表面による薬の受容は、前記電界又は更に放出される電界によって促進することができる。
【0086】
本発明の種々の態様及び例が、以下の番号を付与した項の非網羅的なリストに挙げられる。
1項:眼のびらんの制御された治癒のための装置であって、
電界を送出することができるエネルギー放出接点と電気的に接続する電流発生器の使用により、エネルギー源から眼球表面上/内へエネルギーを伝送するためにプログラムされることができる、エネルギー印加可能なコントローラを含む光学面を含み、
コントローラ、電流発生器、及びエネルギー放出接点が、眼球表面における前記装置の位置決めを可能にするため、生体適合性であるか、又は導電性の生体適合性層によって封入されている、装置。
2項:光学面が、約0以外の屈折力を有する、1項に記載の装置。
3項:エネルギーが、装置に埋め込まれた電池に蓄えられる、1項に記載の装置。
4項:電池が、積層型集積コンポーネントデバイスパッケージング技術を使用して埋め込まれる、3項に記載の装置。
5項:電源のエネルギーが、前記眼用デバイスに接続するRFアンテナを介して、無線で取得される、1項に記載の装置。
6項:RFアンテナが、眼用デバイスに近接するデバイスに接続する、5項に記載の装置。
7項:電源デバイスが、眼鏡内に収容される、6項に記載の装置。
8項:電源デバイスが、眼帯内に収容される、6項に記載の装置。
9項:所定の方法で送達される活性薬を収容することができるリザーバを更に含む、1項に記載の装置。
10項:眼のびらんにより自然に放出される電界の変化を測定することができる1つ又は複数のセンサを更に含む、1項に記載の装置。
11項:センサが、感染症を示す電界の閾値の変化を検出すると、活性薬を送達することが更に可能である、10項に記載の装置。
12項:リザーバが、鎮痛薬を含む活性薬を収容する、9項に記載の装置。
13項:リザーバが、抗ウイルス薬を含む活性薬を収容する、9項に記載の装置。
14項:リザーバが、抗感染症薬を含む活性薬を収容する、9項に記載の装置。
【0087】
〔実施の態様〕
(1) 眼球表面の創傷の治癒を制御する方法であって、
眼を検査することと、
該眼の眼球表面のびらんを診断することと、
眼の生理学的データを収集することと、
制御された電流を送達することが可能な眼用デバイスを適合させることと、
該眼球表面の該びらんの自然放出電流を補助するために、該眼用デバイスによって放出される前記電流をプログラムすることと、
該診断されたびらんの治癒の間に前記眼用デバイスを着用することと、を含む、方法。
(2) 前記眼用デバイスと前記眼球表面とが接触すると、活性剤を送達することを更に含み、該活性剤の該送達は、前記電流の使用によって促進される、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記診断された眼のびらんにより自然に放出される電流を監視することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記自然に放出される電流の、前記眼球表面の炎症の増加又は感染症を示す所定の閾値からの変化を検出することを更に含む、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記眼球表面の炎症の増加又は感染症の信号を受けると、活性剤を送達することを更に含む、実施態様4に記載の方法。
【0088】
(6) 前記示された状態を効果的に治療するために、所定の用量及び頻度で前記活性剤を送達することを更に含む、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記眼球表面による前記活性剤の受容を補助するための更なる電荷を送達することを更に含む、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記放出される電流を一方向に送達することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記放出される電流を、極性をトグルする直流電流として送達することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記放出される電流を交流電流として送達することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0089】
(11) 前記放出される電流を所定の波形で送達することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記放出される電流を所定の頻度で送達することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(13) 眼のびらんの制御された治癒のための装置であって、
電界を送出することが可能なエネルギー放出接点と電気的に接続する発電機の使用により、エネルギー源から眼球表面上/内へエネルギーを伝送するためにプログラムされることができる、エネルギー印加可能なコントローラを含む光学面を含み、該コントローラ、発電機、及びエネルギー放出接点が、眼球表面における前記装置の位置決めを可能にするため、生体適合性であるか、又は導電性の生体適合性層によって封入されている、装置。
(14) 前記発電機が、電流発生器を含む、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記発電機が、制御された電圧源、制御された電流源、又は交流発電機のうちの1つを含む、実施態様13に記載の装置。
【0090】
(16) 前記光学面が、約0以外の屈折力を有する、実施態様13に記載の装置。
(17) 前記エネルギーが、前記装置に埋め込まれた電池に蓄えられる、実施態様13に載の装置。
(18) 前記電池が、積層型集積コンポーネントデバイスパッケージング技術を使用して埋め込まれる、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記エネルギー源の前記エネルギーが、前記眼用デバイスに接続するRFアンテナを介して無線で得られる、実施態様13に記載の装置。
(20) 前記RFアンテナが、前記眼用デバイスに近接するデバイスに接続する、実施態様19に記載の装置。
【0091】
(21) 前記エネルギー源が、眼鏡内に収容される、実施態様20に記載の装置。
(22) 前記エネルギー源が、眼帯内に収容される、実施態様20に記載の装置。
(23) 所定の方法で送達される活性薬を収容することができるリザーバを更に含む、実施態様13に記載の装置。
(24) 前記眼のびらんにより自然に放出される電界の変化を測定することができる1つ又は複数のセンサを更に含む、実施態様13に記載の装置。
(25) 前記センサが、感染症を示す電界の閾値の変化を検出すると、活性薬を送達することが更に可能である、実施態様24に記載の装置。
【0092】
(26) 前記リザーバが、鎮痛薬を含む活性薬を収容する、実施態様23に記載の装置。
(27) 前記リザーバが、抗ウイルス薬を含む活性薬を収容する、実施態様23に記載の装置。
(28) 前記リザーバが、抗感染症薬を含む活性薬を収容する、実施態様23に記載の装置。