特許第6239640号(P6239640)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239640
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04B 13/00 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   H04B13/00
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-545248(P2015-545248)
(86)(22)【出願日】2014年10月28日
(86)【国際出願番号】JP2014078674
(87)【国際公開番号】WO2015064597
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2016年3月7日
(31)【優先権主張番号】特願2013-224350(P2013-224350)
(32)【優先日】2013年10月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100153017
【弁理士】
【氏名又は名称】大倉 昭人
(74)【代理人】
【識別番号】100188307
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】西坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】陸 ▲テイ▼
【審査官】 宮田 繁仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−032378(JP,A)
【文献】 特開2013−055574(JP,A)
【文献】 特開2010−050777(JP,A)
【文献】 特開2012−039868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B1/00、1/30−1/59、1/72、11/00−13/02
H04M1/00、1/24−1/82、99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体通信を行うことが可能な電子機器であって、
電池と、
人体通信を行う人体通信機能部と、
前記電池と前記人体通信機能部との間に配置され、前記電池から供給された電圧を昇圧する昇圧部と、
を備え、
前記人体通信機能部は、
人体通信用の制御部と、
前記制御部に接続された、人体通信用の記憶部と、
前記制御部によって制御され、前記記憶部に記憶されるデータを送信可能な人体通信用の通信部と、を備え、
前記電子機器を起動させる操作が行われても前記電子機器が起動しない場合に、前記人体通信機能部は、前記昇圧部から供給される電圧で人体通信を行い、前記昇圧部は、昇圧後の電圧を前記制御部および前記記憶部に供給しない、
電子機器。
【請求項2】
前記人体通信機能部は、電子機器が起動する電圧値よりも低い電圧値で動作する
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記昇圧部は、前記人体通信機能部が信号を送信する場合にのみ、前記電池と前記人体通信機能部とに接続して、昇圧後の電圧を前記人体通信機能部に供給する
請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
人体通信を行うことが可能な電子機器であって、
電池と、
前記電池から電圧が供給され、前記電子機器を起動させる主制御部と、
人体通信を行う人体通信機能部と、
前記電池と前記人体通信機能部との間に配置され、前記電池から供給された電圧を昇圧する昇圧部と、
を備え、
前記人体通信機能部は、
人体通信用の制御部と、
前記制御部に接続された、人体通信用の記憶部と、
前記制御部によって制御され、前記記憶部に記憶されるデータを送信可能な人体通信用の通信部と、を備え、
前記電池の残量が減少することにより前記主制御部が動作しない場合に、前記人体通信機能部は、前記昇圧部から供給される電圧で人体通信を行い、前記昇圧部は、昇圧後の電圧を前記制御部および前記記憶部に供給しない、
電子機器。
【請求項5】
前記人体通信機能部は、前記主制御部が動作可能な最低電圧値よりも低い電圧値で動作する
請求項4に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体通信を行う電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人体通信部により人間の身体を介した通信(人体通信)を行うことが可能な電子機器が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特開2012−191535号公報
【発明の概要】
【0004】
一般的な電子機器においては、機能ブロックが動作できなくなる第1電圧まで電池の電圧が低下した場合、電子機器において利用されるデータ及び設定が保持されないまま動作不可となる可能性がある。このため、電子機器では、動作不可となる事態を回避するために、電池の残量が第1電圧値よりも高い第2電圧値(所定量)になった場合に、自動的にデータ及び設定を保持して、電源をオフにする。
【0005】
本発明は、電池の残量が所定量になり自動的に電源がオフになった場合でも、人体通信を行うことが可能な電子機器を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の電子機器の一例は、人体通信を行うことが可能な電子機器であって、電池と、人体通信を行う人体通信機能部と、前記電池と前記人体通信機能部との間に配置され、前記電池から供給された電圧を昇圧する昇圧部と、を備え、前記人体通信機能部は、人体通信用の制御部と、前記制御部に接続された、人体通信用の記憶部と、前記制御部によって制御され、前記記憶部に記憶されるデータを送信可能な人体通信用の通信部と、を備え、前記電子機器を起動させる操作が行われても前記電子機器が起動しない場合に、前記人体通信機能部は、前記昇圧部から供給される電圧で人体通信を行い、前記昇圧部は、昇圧後の電圧を前記制御部および前記記憶部に供給しない
【0007】
上記の電子機器において、前記人体通信機能部は、前記電子機器が起動できる電圧値よりも低い電圧値で動作してもよい。
【0009】
上記の電子機器において、前記昇圧部は、前記人体通信機能部が信号を送信する場合にのみ、前記電池と前記人体通信機能部とに接続して、昇圧後の電圧を前記人体通信機能部に供給してもよい。
【0011】
本発明の電子機器の一例は、人体通信を行うことが可能な電子機器であって、電池と、前記電池から電圧が供給され、前記電子機器を起動させる主制御部と、人体通信を行う人体通信機能部と、前記電池と前記人体通信機能部との間に配置され、前記電池から供給された電圧を昇圧する昇圧部と、を備え、前記人体通信機能部は、人体通信用の制御部と、前記制御部に接続された、人体通信用の記憶部と、前記制御部によって制御され、前記記憶部に記憶されるデータを送信可能な人体通信用の通信部と、を備え、前記電池の残量が減少することにより、前記主制御部が動作しない場合に、前記人体通信機能部は、前記昇圧部から供給される電圧で人体通信を行い、前記昇圧部は、昇圧後の電圧を前記制御部および前記記憶部に供給しない
【0012】
上記の電子機器において、前記人体通信機能部は、前記主制御部が動作可能な最低電圧値よりも低い電圧値で動作してもよい。
【0013】
本発明によれば、電池の残量が所定量になり自動的に電源がオフになった場合でも、人体通信を行うことが可能な電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態に係る電子機器について説明するためのブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る電子機器の詳細な第1例について説明するためのブロック図である。
図3図3は、詳細な第1例の第1変形例に係る電子機器のブロック図である。
図4図4は、詳細な第1例の第2変形例に係る電子機器のブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る電子機器の詳細な第2例について説明するためのブロック図である。
図6図6は、詳細な第2例の第1変形例について説明するためのブロック図である。
図7図7は、詳細な第2例の第2変形例について説明するためのブロック図である。
図8図8は、詳細な第2例の第3変形例について説明するためのブロック図である。
図9図9は、実施形態に係る電子機器の動作について説明するためのフローチャートである。
【実施形態の説明】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る電子機器1について説明するためのブロック図である。
【0016】
電子機器1は、人体通信を行うことが可能である。すなわち、電子機器1は、人間の身体を介して通信を行う。電子機器1は、電池11と、人体通信機能部20と、を備える。電池11は、例えば、二次電池等である。
【0017】
人体通信機能部20は、電池の残量が所定量以上の場合、電池11から供給される電圧で人体通信を行う。
さらに、人体通信機能部20は、以下に記載する第1の場合又は第2の場合でも、電池11から供給される電圧で人体通信を行う。第1の場合とは、電池11の残量が所定量未満であり、ユーザによる電子機器1を起動させるための操作に関わらず、主制御部12によって電子機器1が起動しない場合である。第2の場合とは、電池11の残量が所定量よりもさらに減少することにより、電池11から供給される電圧では後述する主制御部12が動作しない場合である。ここで、主制御部12は、電池11から電圧が供給される。主制御部12は、電池11の残量が所定量以上であり、かつ電子機器1を起動させるための操作を受け付けた場合に電子機器1を起動させる。なお、電池11の残量が所定量未満の場合には、電子機器は起動しない。
【0018】
電子機器1を起動させるための操作とは、例えば、電子機器1の電源をオンにするための電源投入ボタン(図示せず)の操作である。ユーザによって電源投入ボタンが操作されると、電子機器1は、起動を行う。すなわち、ユーザによって電源投入ボタンが操作されると、主制御部12は、電子機器1を起動させる。
【0019】
所定量は、電子機器1に記憶されるソフトウェアによって電源がシャットダウンされる場合の閾値となる電圧値である。そのソフトウェアは、電池11の残量が所定量未満となる場合に、電池11を保護するために、電子機器1の電源をシャットダウンする。すなわち、ソフトウェアは、電池11の残量が所定量未満となる場合に、電源を投入しない。所定量は、第1電圧値よりも高い。第1電圧値は、電池11から電源供給される各機能ブロックが動作できる最低限の電圧値のうちの最も高い電圧値である。
【0020】
人体通信機能部20は、起動処理を行う電圧値よりも低い電圧値で動作する。又は、人体通信機能部20は、主制御部12が動作可能な最低電圧値よりも低い電圧値で動作する。すなわち、人体通信機能部20は、電池11の残量が所定量未満であり、且つ、電池11の残量が第1電圧値よりも高い場合でも動作する。
【0021】
以下、電子機器1の詳細について説明する。まず、詳細な第1例について説明する。図2は、電子機器1の詳細な第1例について説明するためのブロック図である。
【0022】
電子機器1は、主制御部12と、表示部13と、メインメモリ14と、電源IC15と、人体通信機能部20と、を備える。主制御部12は、電子機器1の全体を制御する。電池11の残量が所定量未満となった場合、主制御部12は、表示部13及びメインメモリ14の動作を停止させると共に、自身(主制御部12)の動作も停止させる。
【0023】
表示部13は、主制御部12による制御に基づいて、画像を表示する。
メインメモリ14は、電子機器1において利用されるアプリケーション及びデータを記憶する。
電源IC15は、例えば、電池11の出力電圧値を所定の電圧値に変換して、電子機器1の各部に供給する。
【0024】
人体通信機能部20は、人体通信用のCPU21と、人体通信用のメモリ22と、人体通信用の通信部23と、を備える。人体通信用のCPU21は、本発明の「制御部」の一実施形態に対応する。メモリ22は、本発明の「記憶部」の一実施形態に対応する。
【0025】
図2に示す場合、CPU21は、ベースバンドIC(BBIC)を備える。CPU21は、人体通信が行われる場合に動作する。CPU21は、メモリ22と、通信部23と、を制御する。
【0026】
メモリ22は、CPU21に接続される。メモリ22は、人体通信によって伝送されるデータ等を記憶する。
通信部23は、CPU21によって制御され、メモリ22に記憶されるデータを送信可能である。通信部23は、高周波集積回路(RFIC)(図示せず)と、アンテナ(図示せず)と、を備える。
CPU21、メモリ22及び通信部23は、いずれも、電池11の残量が所定量未満でも、第1電圧値よりも高い場合動作する。
【0027】
なお、電子機器1は、図2に例示する構成に限定されることはない。例えば、電子機器1は、図3又は図4に示す構成であってもよい。図3は、詳細な第1例の第1変形例に係る電子機器1のブロック図である。図4は、詳細な第1例の第2変形例に係る電子機器1のブロック図である。
【0028】
図3に示すように、人体通信用のメモリは、メインメモリ14と兼用されてもよい。メインメモリ14は、人体通信によって伝送されるデータ等を記憶する。図3に示す構成において、メインメモリ14は、電池11の残量が所定量未満でも、第1電圧値よりも高い場合は動作する。この場合、主制御部12は、電池11の残量が所定量未満となった場合、表示部13の動作を停止させると共に、自身(主制御部12)の動作も停止させる。一方、CPU21は、低電力で動作するため、人体通信を行う場合、メインメモリ14からデータを読み出して、通信部23を介してデータを伝送させる。
【0029】
また、図4に示す電子機器1では、CPUは、メモリ及びカード通信部と一体となる。CPU、メモリ及びカード通信部の符号は、「24」とする。図4に示す電子機器1には、BBIC25と、人体通信用の通信部23とが、独立して配される。
【0030】
カード通信部24は、近距離無線通信を行う。一例として、カード通信部24は、Felica(登録商標)カードの通信を行う。カード通信部24は、近距離無線通信用のアンテナ(図示せず)を備える。CPU24は、人体通信を行う場合、メモリ24に記憶されたデータを、通信部23を介して伝送させる。CPU24は、近距離無線通信を行う場合、メモリ24に記憶されたデータを、カード通信部24を介して伝送させる。
【0031】
次に、詳細な第2例について説明する。図5は、電子機器1の詳細な第2例について説明するためのブロック図である。
【0032】
電子機器1は、主制御部12と、表示部13と、メインメモリ14と、電源IC15と、人体通信機能部20と、を備える。主制御部12と、表示部13と、メインメモリ14と、電源IC15と、人体通信機能部20とは、第1例で説明した各部それぞれと同様な構成である。
【0033】
電子機器1は、昇圧部31をさらに備える。昇圧部31は、電池11と人体通信機能部20との間に配置される。昇圧部31は、電池11から供給された電圧を昇圧する。すなわち、昇圧部31は、電源IC15から出力された電圧を昇圧して、人体通信機能部20を構成する、メモリ22と、CPU21と、通信部23とのそれぞれに供給する。昇圧部31は、例えば、DC/DCコンバータである。
【0034】
又は、図6に示すように、昇圧部31は、人体通信機能部20が信号(データ)を送信する場合にのみ、電池11と人体通信機能部20とに接続して、昇圧後の電圧を人体通信機能部20に供給してもよい。図6は、詳細な第2例の第1変形例について説明するためのブロック図である。電子機器1は、第1スイッチ部32を備える。第1スイッチ部32は、電子機器1が人体通信を行う場合に、電源IC15と人体通信機能部20との間に昇圧部31を接続する。例えば、電子機器1は、通信部23において受信信号を感知した場合、CPU21の制御により第1スイッチ部32を昇圧部31に接続させ、通信部23に昇圧された電圧を印加する。これにより、電子機器1が人体通信を行わない場合には、電源IC15から人体通信機能部20に暗電流が流れないので、電子機器1は、電力消費を抑えることができる。
【0035】
又は、図7に示すように、昇圧部31は、昇圧後の電圧を通信部23のみに供給してもよい。図7は、詳細な第2例の第2変形例について説明するためのブロック図である。電子機器1は、第2スイッチ部33を備える。第2スイッチ部33は、電源IC15と通信部23との間に接続される。第2スイッチ部33は、電子機器1が人体通信を行う場合に、CPU21の制御により、電源IC15と通信部23との間に昇圧部31を接続する。ここで、メモリ22及びCPU21には、直接、電源IC15から電圧が印加される。これにより、電子機器1は、図6に示す場合に比べて、電力消費を抑えることができる。
【0036】
又は、図8に示すように、昇圧部31は、電池11の残量が所定量未満になった場合に、電池11と人体通信機能部20とに接続して、昇圧後の電圧を人体通信機能部20に供給してもよい。図8は、詳細な第2例の第3変形例について説明するためのブロック図である。電子機器1は、第3スイッチ部34を備える。第3スイッチ部34は、電池11の残量が所定量未満になった場合に、電源IC15の制御により、電源IC15と人体通信機能部20との間に昇圧部31を接続する。これにより、電池11の残量が所定量未満になった場合、電池11から出力された電圧は、電源IC15を介さずに、人体通信機能部20に供給される。このような構成でも、電子機器1は、人体通信を行うことができる。
【0037】
次に、図6又は図7に示す場合の電子機器1の動作について説明する。図9は、電子機器1の動作について説明するためのフローチャートである。
【0038】
ステップST1において、CPU21は、通信部23によって受信信号を感知したか否かを判断する。さらに、CPU21は、電池11の残量が所定量未満であるか否かを判断する。電池11の残量が所定量未満であり、且つ、通信部23が受信信号を感知した場合(YES)には、CPU21は、処理をステップST2に進める。通信部23が受信信号を感知していない場合(NO)には、CPU21は、ステップST1の判断を再度行う。
なお、CPU21は、電池11の残量が所定量以上の場合には、通信部23が受信信号を感知しても、処理をステップST2に進めない。すなわち、電池11の残量が所定量以上の場合には、人体通信機能部20には、昇圧部31を介さずに電圧が供給される。
【0039】
ステップST2において、CPU21は、スイッチ部(第1スイッチ部32又は第2スイッチ部33)に、切り替え信号を送信する。ステップST2における切り替え信号は、電池11と昇圧部31とを接続するための信号である。
【0040】
ステップST3において、CPU21は、人体通信を行う。
【0041】
ステップST4において、CPU21は、メモリ22に記憶されるデータの送信が完了したか否かを判断する。送信が完了した場合(YES)には、CPU21は、処理をステップST5に進める。送信が完了してない場合(NO)には、CPU21は、ステップST4の判断を再度行う。
【0042】
ステップST5において、CPU21は、スイッチ部(第1スイッチ部32又は第2スイッチ部33)に、切り替え信号を送信する。ステップST5における切り替え信号は、電池11と昇圧部31とを非接続にするための信号である。
【0043】
以上説明したように、電子機器1は、電池11の残量が、電子機器1が起動しない所定量未満である場合に、電池11から供給される電圧で人体通信を行う。同時に、電池11の残量が減少することにより、主制御部12が動作しない場合に、電池11から供給される電圧で人体通信を行う。これにより、電子機器1は、電池11の電圧が電子機器を起動できる所定の電圧(所定量に対応する電圧)を下回った場合でも、人体通信を行うことができる。
【0044】
電子機器1において、人体通信機能部20は、起動処理を行う電圧値よりも低い電圧値で動作する。すなわち、電子機器1において、人体通信機能部20は、主制御部12が動作可能な最低電圧値よりも低い電圧値で動作する。これにより、電子機器1の各部がソフトウェアによりシャットダウンされる場合でも、電子機器1は、人体通信を行うことができる。
【0045】
電子機器1は、昇圧部31を備える。これにより、電子機器1の各部がソフトウェアによりシャットダウンされて起動することができない場合でも、人体通信機能部20は、昇圧部31によって昇圧された電圧によって動作することができる。
【0046】
電子機器1において、昇圧部31は、人体通信機能部20が信号を送信する場合にのみ、電池11と人体通信機能部20とに接続して、昇圧後の電圧を人体通信機能部20に供給する。これにより、電子機器1が人体通信を行わない場合には、電源IC15から人体通信機能部20に暗電流が流れないので、電子機器1は、電力消費を抑えることができる。
【0047】
電子機器1において、昇圧部31は、昇圧後の電圧を通信部23のみに供給する。これにより、電子機器1は、電力消費をより抑えることができる。
【0048】
本出願は、2013年10月29日出願の日本特許出願・出願番号2013-224350 に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【符号の説明】
【0049】
1 電子機器
11 電池
12 主制御部
20 人体通信機能部
21 CPU(制御部)
22 メモリ(記憶部)
23 通信部
31 昇圧部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9