【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、本発明の前提部による方法によって達成される。本方法は、投入ホルダーから少なくとも1つのシートを取り出すようなトリガを検出するステップと、このトリガを検出すると、少なくとも1つのシートの特徴を取得するステップと、取得された特徴を含む識別シートを印刷するステップと、を含む。
【0007】
少なくとも1つのシートを取り出すようなトリガは、投入ホルダーのセンサによって又は画像再生装置のユーザインターフェイス表示装置からの信号を介して、検出することができる。画像再生装置のユーザが、投入ホルダーに配置される、又は画像再生装置が複数の投入ホルダーを含む場合に別の投入ホルダーに配置される新しい媒体タイプを規定するためにユーザインターフェイス表示装置を使用するときに、トリガを検出することができる。
【0008】
少なくとも1つのシートの特徴は、ロードされたデジタル媒体カタログによって又は少なくとも1つのシートが画像再生装置に装填されたときに、画像再生装置のメモリに格納される。少なくとも1つのシートの特徴は、少なくとも1つのシートを取り外すためのトリガが検出されるときに、メモリから取得される。
【0009】
投入ホルダーから取り出されたシートは、将来の印刷ジョブのために使い残した媒体を再利用するか、その使い残した媒体を媒体の在庫棚に運ぶことができるようにするために、特定の位置に保持される。識別シートは、少なくとも1つのシートを取り出す前に又は少なくとも1つのシートを取り外した後に、印刷してもよい。投入ホルダーから少なくとも1つのシートを取り出した後に、識別シートを印刷する場合に、識別シートは、画像再生装置が少なくとも2つの元のシート投入ホルダーを有するときに、別の投入ホルダー内に存在するシートに印刷してもよく、又は少なくとも1つのシートが今取り出され、投入ホルダーに置かれた新しいシートの束からシートに印刷してもよい。識別が印刷されたシートは、これから取り出される又は投入ホルダーから既に取り出された少なくとも1つのシートの特徴を含む。識別が印刷されたシートは、投入ホルダーから少なくとも1つのシートを取り出した後に、少なくとも1つのシートの近くに又はそのシート上に置いてもよい。
【0010】
識別シートによって、投入ホルダーから取り出した後に、後の時点で少なくとも1つのシートの識別が容易になる。
【0011】
本方法の一実施形態によれば、少なくとも1つのシートの特徴は、少なくとも1つのシートの量、少なくとも1つのシートの媒体の種類、取出しを担当するオペレータの名前、在庫データ、及び投入ホルダーから最後に印刷されたジョブのメタデータのうちの少なくとも1つを含む。メタデータは、投入ホルダーから媒体に最後に印刷されたジョブのメタデータが反映される。
【0012】
取り外すべきシートの量は、画像再生装置により公知のいくつかの方法で決定することができ、詳述しない。このシートの量は、画像再生装置によって、シートの総重量から推定してもよい。
【0013】
媒体の種類は、少なくとも1つのシートが投入ホルダーに配置された場合に、又はデジタル媒体カタログが画像再生装置にロードされた場合に、ユーザインターフェイスを介して画像再生装置に以前入力された媒体パラメータを含んでもよい。媒体パラメータは、媒体タイプを特定する名前、ブランド、サイズ、色、重量、品質、抄紙方向等であってもよい。
【0014】
投入ホルダーから媒体上に最後に印刷されたジョブのメタデータは、ジョブ名、文書名、顧客名、ユーザ名、プリンタ名、印刷ジョブの日付時刻スタンプ、プリント枚数、仕上げオプション、両面又は片面印刷、少なくとも1つのシートの取出し時間、取出しを指示するトリガを受け取った時間、オペレータの名前等とすることができる。メタデータによって、時間が経った後に、ユーザが、印刷ジョブのためにどの使い残されたシートを使用すべきかを決定するのを助けることができる。
【0015】
随意に、在庫棚に置かれる媒体の容易な管理を実現するために、管理情報システム(MIS)での容易なフィードバックのためのバーコードを識別シート上に印刷してもよい。このバーコードは、適切な媒体を割り当てる又は追加する場合に或いは再び投入される場合に、使用してもよい。媒体を最初に使用した日付及び媒体を最初に保管した日付を設けてもよい。
【0016】
一実施形態によれば、識別シートは、少なくとも1つのシートを取り出すようなトリガを検出すると、自動的に印刷される。識別シートの自動印刷は、印刷ジョブのジョブ設定として実現してもよい。ジョブ設定は、それぞれの印刷ジョブの後に、識別シートを自動的に印刷するように設定してもよい。識別シートの自動印刷は、画像再生装置のシステム設定として実現してもよい。このシステム設定は、全てのジョブの後で又はそれぞれのホルダーを開けるようなトリガを受け取った場合に、識別シートを自動的に印刷するように設定してもよい。
【0017】
一実施形態によれば、識別シートは、要求に応じて印刷される。要求オプションは、識別シートを印刷するために、画像再生装置上のボタン等の明確に示されるアナログ又はデジタル操作部材として実現することができる。操作部材は、画像再生装置のユーザインターフェイスの一部であってもよく、このユーザインターフェイスは、画像再生装置に無線又は有線接続された、コントロールパネル、コンソール、ユーザインターフェイス表示装置、タブレット又はスマートフォンであってもよい。操作部材は、投入ホルダーの一部、投入ホルダーのローカル・ユーザインターフェイス、又は給紙モジュールのローカル・ユーザインターフェイスであってもよく、このモジュールは、画像再生装置のそれぞれの投入ホルダーを含む。給紙モジュールの操作部材によって、識別シートの印刷とそれぞれの投入ホルダーの連続的な開放を達成することができる。操作部材は、画像再生装置の最終仕上げモジュールの一部であってもよい。この仕上げモジュールの場合に、操作部材は、識別シートが送出される、画像再生装置の位置の近くに位置付けされる。識別シートは、投入ホルダーから取り出される少なくとも1つのシートの近くの媒体収集テーブル等の位置に置くために、排出ホルダーから集められる。
【0018】
更なる実施形態によれば、本方法は、取出しトリガを検出したときに、再生装置のユーザインターフェイス表示装置にユーザ入力画面を表示するステップと、ユーザ入力画面を介して識別シートを印刷するための許否を要求するステップと、ユーザ入力画面を介して許否を受け取るステップと、許可を受け取った場合のみ、識別シートを印刷するステップとをさらに含む。
【0019】
要求に応じて識別シートを印刷するステップは、投入ホルダーを開けることに応じて、画像再生装置のユーザインターフェイス表示装置による相互作用を介して実現してもよい。識別シートを印刷する必要がある場合に、オペレータに対する質問事項を、ユーザインターフェイス表示装置に表示してもよい。
【0020】
一実施形態によれば、本方法は、識別シートが印刷されるまで、少なくとも1つのシートを投入ホルダーから取り出すのをロックするロックステップを含む。このロックステップは、許可を受け取った後に行ってもよく、又は例えば投入ホルダーを開けようとする取出しトリガを検出した場合に、自動的に行ってもよい。そうすることによって、ユーザは、識別シートの印刷を許可しなければならないので、これは有利である。識別シートは、さらに、別の投入ホルダーから、少なくとも1つのシートが取り出される投入ホルダーから印刷してもよい。
【0021】
更なる実施形態によれば、識別シートは、例えば取出しトリガの確認を受け取った後に及び/又は識別シートを印刷する許可を受け取った後に、要求に応じてのみ印刷される。
別の更なる実施形態によれば、識別シートは、例えば画像再生装置及びそのユーザについて使用されるサービスレベルの取決めを順守するために、強制的に印刷される。
【0022】
一実施形態によれば、識別シートは、少なくとも1つのシートを取り出すようなトリガが検出された投入ホルダーから印刷される。この場合には、投入ホルダーから媒体を実際に取り出す前に、識別シートは、投入ホルダーから媒体に印刷される。この方法は、その媒体について1つの投入ホルダーのみを有する画像再生装置に特に適している。
【0023】
一実施形態によれば、識別シートは、少なくとも1つのシートを取り出すようなトリガが検出された投入ホルダー以外の別の投入ホルダーから印刷される。この方法は、媒体について複数の投入ホルダーを有する画像再生装置に特に適している。別の投入ホルダーから印刷することにより、ユーザは、取り出される媒体とは異なる他の投入ホルダーから媒体を使用する機会を有する。識別シートは、次に、異なる媒体上に印刷され、少なくとも1つのシートと比較して(サイズが)飛び出ている。
【0024】
一実施形態によれば、識別シートは、画像再生装置が印刷ジョブを現在印刷している又は画像再生装置が最後の印刷ジョブを印刷した同じ排出ホルダーに印刷して排出される。この方法は、1つの排出ホルダーのみを有する画像再生装置に特に適している。
【0025】
一実施形態によれば、識別シートは、画像再生装置が印刷ジョブを現在印刷している又は画像再生装置が最後の印刷ジョブを印刷した排出ホルダー以外の別の排出ホルダーに印刷して排出される。この方法は、複数の排出ホルダーを有する画像再生装置に特に適している。こうして、印刷ジョブの文書を印刷することは、著しく遅延することがない。文書及び識別シートを印刷することは、同時動作として示される。大きな印刷ジョブが処理される且つ投入ホルダーからシートを取り出すようなトリガが検出されたときに、特に便利である。第1の排出ホルダーは、例えばエラー時の排出ホルダー等の、非標準型排出ホルダーであってもよい。
【0026】
一実施形態によれば、識別シートは、両面印刷シートとして印刷される。識別シートの表面だけでなくこの識別シートの裏面に識別データを印刷することにより、識別データは、いずれの側を上向きにして、取り出されたシートの束上に置かれても常に確認することができる。
【0027】
一実施形態によれば、ユーザにとって最も重要な識別データが、識別シートの余白に印刷される。多くの重要なデータが、多数の媒体の束が積み重ねられ且つ識別シートが積重ねられたシートの束から余白の幅だけずらされた場合に、依然として確認することができるので、これは、有利である。
【0028】
本発明は、デジタル画像を受け取った媒体上に印刷する画像再生装置にも関する。この画像再生装置は、印刷ユニットと、受け取った媒体のシートを保持する投入ホルダーと、ユーザインターフェイス装置と、印刷ユニット及びユーザインターフェイス装置を制御する制御装置とを有する。制御装置は、投入ホルダーから少なくとも1つのシートを取り出すようなトリガを検出するための検出手段と、トリガを検出すると、少なくとも1つのシートの特徴を取得するための取得手段とを有しており、印刷ユニットは、取得された特徴を含む識別シートを印刷するように構成される。
【0029】
本発明による画像再生装置の一実施形態によれば、制御装置は、トリガを検出すると、ユーザインターフェイス装置におけるユーザ入力画面を介して識別シートの印刷の許否を要求する要求手段と、ユーザ入力画面を介して許否を受け取る受取り手段とを有しており、制御装置は、受取り手段によって許可を受け取った場合にのみ、識別シートを印刷するように構成される。
【0030】
本発明は、画像再生装置から取り出される少なくとも1つの消耗品に識別を割り当てる方法にも関する。本方法は、画像再生装置から少なくとも1つの消耗品を取り出すようなトリガを検出するステップと、トリガを検出すると、少なくとも1つの消耗品の特徴を取得するステップと、取得された特徴を含む識別シートを印刷するステップとを含む。
【0031】
一実施形態によれば、少なくとも1つの消耗品の特徴は、少なくとも1つの消耗品の量と、少なくとも1つの消耗品の内容物の残量と、該当する場合には、少なくとも1つの消耗品の種類、在庫データ、画像再生装置のカウンタデータ、及び少なくとも1つの消耗品の寿命データのうちの少なくとも1つを含む。
【0032】
一実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つの消耗品を取り出すようなトリガを検出すると、再生装置のユーザインターフェイス表示装置にユーザ入力画面を表示するステップと、ユーザ入力画面を介して識別シートを印刷する許否を要求するステップと、ユーザ入力画面を介して許否を受け取るステップと、許可を受け取った場合のみ、識別シートを印刷するステップとをさらに含む。
【0033】
一実施形態によれば、本方法は、識別シートが印刷されるまで、少なくとも1つの消耗品を取り出するために画像再生装置を開ける開閉手段をロックするロックステップを含む。ロックは、許可を受け取った後に行ってもよい。ロックは、識別シートが印刷されるまで、最初にロックを行ってもよい。これは、消耗品が、画像再生装置から取り出しされる、又は画像再生装置が、取り出された消耗品によって、識別シートをそれ以上印刷できないような状況を回避するために、有利である。
【0034】
本発明は、デジタル画像を印刷する画像再生装置にも関する。画像再生装置は、印刷ユニットと、ユーザインターフェイス装置と、印刷ユニット及びユーザインターフェイス装置を制御する制御装置とを有する。制御装置は、画像再生装置から少なくとも1つの消耗品を取り出すようなトリガを検出する検出手段と、トリガを検出すると、少なくとも1つの消耗品の特徴を取得する取得手段とを有する。印刷ユニットは、取得された特徴を含む識別シートを印刷するように構成される。識別シートは、画像再生装置から少なくとも1つの消耗品を取り出した後に、少なくとも1つの消耗品の付近に又はその上部に置いてもよい。
【0035】
直前に述べた画像再生装置の実施形態によれば、制御装置は、トリガを検出すると、ユーザインターフェイス装置のユーザ入力画面を介して識別シートを印刷する許否を要求する要求手段と、ユーザ入力画面を介して許否を受け取る受取り手段とを有しており、制御装置は、受取り手段によって許可を受け取った場合にのみ、識別シートを印刷するように構成される。
【0036】
本発明は、プロセッサ上で実行されたときに、本発明による本方法を実行するコンピュータプログラムにも関する。
本発明は、本発明によるコンピュータプログラムを含む記録媒体にも関する。