特許第6239668号(P6239668)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧 ▶ 北京大学の特許一覧

特許6239668二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ及びその製造方法
<>
  • 特許6239668-二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ及びその製造方法 図000003
  • 特許6239668-二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ及びその製造方法 図000004
  • 特許6239668-二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ及びその製造方法 図000005
  • 特許6239668-二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ及びその製造方法 図000006
  • 特許6239668-二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ及びその製造方法 図000007
  • 特許6239668-二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ及びその製造方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239668
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/04 20060101AFI20171120BHJP
   G01N 27/12 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   G01N27/04 D
   G01N27/12 B
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-59182(P2016-59182)
(22)【出願日】2016年3月23日
(65)【公開番号】特開2016-212087(P2016-212087A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2016年3月23日
(31)【優先権主張番号】201510208449.1
(32)【優先日】2015年4月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507232478
【氏名又は名称】北京大学
【氏名又は名称原語表記】PEKING UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】リュ ユ
(72)【発明者】
【氏名】リ シングオ
(72)【発明者】
【氏名】ジー ジェン
(72)【発明者】
【氏名】チャン シンファ
【審査官】 小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−191050(JP,A)
【文献】 特開2013−027665(JP,A)
【文献】 特開2005−214626(JP,A)
【文献】 特開昭62−214336(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103512950(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第102507659(CN,A)
【文献】 中国実用新案第203502384(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00−27/24
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサであって、光源、電極、前記電極上に被覆されるホルムアルデヒド感受性材料層及び前記ホルムアルデヒド感受性材料層上に被覆されるホルムアルデヒド吸着材料層を含み、
前記光源は前記ホルムアルデヒド感受性材料層側に設置され、前記ホルムアルデヒド感受性材料層に直接照射することを特徴とする二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ。
【請求項2】
前記ホルムアルデヒド感受性材料層はカドミウムドープ酸化亜鉛ナノ粒子、前記ホルムアルデヒド吸着材料層は多孔質酸化ケイ素ナノ粒子であることを特徴とする請求項1に記載の二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ。
【請求項3】
前記ホルムアルデヒド感受性材料層の厚みは5〜100ミクロン、前記ホルムアルデヒド吸着材料層の厚みは1〜50ミクロンであることを特徴とする請求項に記載の二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ。
【請求項4】
前記光源は紫外光源、前記電極は櫛型電極、アレイ電極又は帯状電極であることを特徴とする請求項1に記載の二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ。
【請求項5】
前記紫外光源は365nm波長の紫外線ランプ又は385nm波長の紫外線発光ダイオードであることを特徴とする請求項に記載の二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ。
【請求項6】
前記電極は、紫外線透過可能な透明電極であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ。
【請求項7】
二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサの製造方法であって、
1)予め製造された酸化亜鉛ナノ粒子をカドミウム塩溶液中に浸し、昇温して溶媒を揮発させ、更に加熱し、乾燥させ、その後か焼し、か焼後微細粉末に粉砕し、前記微細粉末をエタノールに分散させてスラリーを形成するステップと、
2)水、エタノール、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジエタノールアミンの混合物を加熱し、オルトケイ酸テトラエチルを撹拌しながら前記混合物に滴下し、所定の時間撹拌し、生成物をエタノールに分散させてゾル分散液を形成するステップと、
3)ステップ1)で形成された前記スラリーを電極に塗布し、且つ乾かして溶媒を揮発させ、その後、ステップ2)で形成された前記ゾル分散液を前記電極に塗布し、乾かして溶媒を揮発させ、光源を追加してホルムアルデヒドセンサを得るステップと、を含む二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサの製造方法。
【請求項8】
ステップ1)において、70〜90℃に昇温して溶媒を揮発させ、該温度下で10〜14時間加熱し、その後、110〜130℃で1〜3時間乾燥させ、その後、400〜500℃でか焼することを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ2)において、前記混合物を50〜70℃で20〜40分間加熱し、前記所定の時間が1〜3時間であることを特徴とする請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホルムアルデヒドガス監視、ホルムアルデヒドセンサの技術分野に属し、具体的には、二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
安全濃度の限度を超えるホルムアルデヒドガスに長期間接触すると、人の健康に有害であり、目や喉の灼熱感、呼吸困難ひいては命に関わる病気、例えば、鼻がん、骨髄性白血病等を引き起こす可能性がある。目下、中国のホルムアルデヒド汚染は非常に深刻であり、改築されたばかりの家屋のうちの約70%にホルムアルデヒド汚染の問題があるため、ホルムアルデヒドは中国で最も懸念される室内汚染ガスである。
【0003】
センサの技術は、空気の品質を管理する製品に非常に重要であり、消費者が空気の品質を管理する製品の真の役割について疑問があると、関連する製品を疑うことになる。従来、商用センサは、主に電気化学センサに基づくものであり、このようなセンサに白金電極が用いられるため、非常に高価になり、また、該種類センサの正確性、安定性及び選択性がいずれも不十分である。
【0004】
電気化学センサに比べて、半導体センサは、コストが低く、耐用年数が長い等の特殊な優位性を有し、且つ改善の余地が大きい。従来の商用センサは、いずれも200℃以上で作業する必要があるが、この温度ではほとんど全ての有機汚染物が反応して検出されるため、このようなセンサの選択性が非常に低い。ガスへの選択性を向上させるために、一部の研究者が室温下で作業する光触媒式半導体ホルムアルデヒドセンサを製造したが、実用する際にこれらのセンサの検出下限値(1ppmより大きい)が非常に高いままである。表1では、従来のセンサ材料及びその問題が挙げられる。
【0005】
【表1】
【0006】
特許出願CN2007153341(ホルムアルデヒド空気センサ材料及びホルムアルデヒド空気センサ装置の製造方法)は、ホルムアルデヒドガスセンサ材料及びその製造方法、並びにホルムアルデヒドガスセンサデバイスの製造方法に関する。該センサ材料はSnO−TiO二元ナノ粉末からなり、Ti/Snのモル比が0.2−0.5であり、且つ2%−5%のカドミウムをドープしたものであり、材料を無水エタノールとポリエチレングリコールと共にペースト状に粉砕し、その後、電極管に均一に塗布し、電極管を400℃で2−4時間アニールした後、溶接し、エージングし、シールしてホルムアルデヒドガスセンサを得る。該センサは操作温度が低く、ホルムアルデヒドへの感度が高く且つベンゼン、トルエン、キシレン、アンモニア等の室内汚染気体に対して妨害耐性が非常に高く、且つ応答時間と回復時間が非常に短いという特徴を有する。該センサは主に室内改装で生じたホルムアルデヒドガスを検出することに用いられる。しかしながら、該センサの作動温度は260−300℃であり、該温度下ではほとんどすべての室内有機汚染物がセンサ材料表面で酸化されることになり、従って材料の選択性が不十分であり、特にエタノールとホルムアルデヒドを十分に区別できない。また、該技術の検出下限値は20ppmであり、安全濃度(0.06ppm)より2桁高い。
【0007】
特許出願CN201410461045.9(光触媒式ホルムアルデヒドセンサ材料及びその合成方法とホルムアルデヒドセンサ)は、光触媒式ホルムアルデヒドセンサ材料及びその合成方法とホルムアルデヒドセンサに関する。該光触媒式ホルムアルデヒドセンサ材料は主に酸化亜鉛ナノ粒子とカドミウム添加剤からなる。該材料の合成過程で、まず予め合成された酸化亜鉛ナノ粒子をカドミウム塩溶液に均一に分散させ、撹拌しながら溶媒を蒸発させて除去し、得られた沈殿物を高温か焼した後、粉砕し且つ特定の溶媒に均一に分散させてスラリーを形成し、最終的にスラリーを特定のパターンが印刷された電極に回転塗布することによりホルムアルデヒドセンサを得る。該手段は、低コスト、高感度、高選択性の光触媒式ホルムアルデヒドセンサ材料を提供し、酸化亜鉛へのカドミウムドープ量を最適化することによって、コストを大幅に低減させ、選択性を向上させ、且つ検出限度を顕著に改善した。しかしながら、該技術によりホルムアルデヒドの検出下限値を0.5ppmに低下させるものの、安全濃度(0.06ppm)より約1桁高いままであり、生活環境に応用できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題に対して、ホルムアルデヒドセンサの感度を向上させることができる二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に用いられる技術案は、以下のとおりである。
【0010】
二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサであって、光源、電極、前記電極上に被覆されるホルムアルデヒド感受性材料層及び前記ホルムアルデヒド感受性材料層上に被覆されるホルムアルデヒド吸着材料層を含むことを特徴とする二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサ。
【0011】
更に、前記光源の位置について、前記ホルムアルデヒド感受性材料層に照射できることが好ましい。例えば、光源をホルムアルデヒド吸着材料層側に設置する場合は、ホルムアルデヒド吸着材料層が透光性を有するため、光源から発光する光がホルムアルデヒド吸着材料層を透過してホルムアルデヒド感受性材料層に到着する。又は、光源をホルムアルデヒド感受性材料層側に設置する場合は、前記ホルムアルデヒド感受性材料層に直接照射する。この場合に、電極部が光を遮ることを回避するために、紫外線透過可能な透明電極を使用してもよい。
【0012】
更に、前記ホルムアルデヒド感受性材料層はカドミウム(Cd)ドープ酸化亜鉛ナノ粒子、前記ホルムアルデヒド吸着材料層は多孔質酸化ケイ素ナノ粒子である。
【0013】
更に、前記ホルムアルデヒド感受性材料層の厚みは5ミクロン〜100ミクロン、前記ホルムアルデヒド吸着材料層の厚みは1ミクロン〜50ミクロンである。
【0014】
更に、前記光源は紫外光源であり、例えば、365nm波長の紫外線ランプ又は385nm波長の紫外線発光ダイオードであり、前記電極は櫛型電極、アレイ電極、又は帯状電極である。
【0015】
上記二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサの製造方法であって、
1)カドミウムドープ酸化亜鉛ナノ粒子の合成:予め製造された酸化亜鉛ナノ粒子をカドミウム塩溶液中に浸し、その後、昇温して溶媒を揮発させ、加熱してサンプルを乾燥させ、その後、サンプルをか焼し、か焼後、サンプルを微細粉末に粉砕してエタノールで分散させてスラリーを形成するステップと、
2)多孔質酸化ケイ素ナノ粒子の合成:水、エタノール、CATC(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド)、DEA(ジエタノールアミン)を混合して水浴において加熱し、その後、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)を撹拌しながら混合物に滴下し、所定の時間撹拌し続けた後、生成物をエタノールに分散させてゾル分散液を形成するステップと、
3)ステップ1)で製造されたカドミウムドープ酸化亜鉛スラリーを電極に塗布し、乾かして溶媒を揮発させ、その後、ステップ2)で製造された多孔質酸化ケイ素のゾル分散液をカドミウムドープ酸化亜鉛層に塗布し、乾かして溶媒を揮発させ、その後、光源を追加してホルムアルデヒドセンサを得るステップと、を含む製造方法。ホルムアルデヒドを検出する場合には、紫外光源で二層構造領域を照射し、センサの紫外光源照射における抵抗変化をホルムアルデヒド濃度の計算に用いることができる。
【0016】
更に、ステップ1)において、酸化亜鉛ナノ粒子をカドミウム塩溶液中に浸した後、70〜90℃まで昇温して溶媒を揮発させ、該温度下で10〜14時間加熱して110〜130℃で1〜3時間加熱してサンプルを乾燥させ、その後、サンプルを400〜500℃(好ましくは450℃)でか焼する。
【0017】
更に、ステップ2)において、前記混合後、50〜70℃の水浴中で20〜40分間加熱し、オルトケイ酸テトラエチルを混合物に加えた後、1〜3時間撹拌し続ける。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、簡便な方法により、低濃度ホルムアルデヒドに対するカドミウムドープ酸化亜鉛ホルムアルデヒドセンサの感度を大幅に向上させ、該センサの実用的進展を推進し、良好な応用の将来性が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係るホルムアルデヒドセンサの構造模式図である。
図2】本発明に係る好ましいセンサの二層構造部の模式図である。
図3】二層構造センサの製造ステップの模式図である。
図4】多孔質酸化ケイ素ナノ粒子(サンプル量5mg、テスト容器1L)の静的吸着性能図である。
図5】多孔質酸化ケイ素ナノ粒子、ZIF−8及び活性炭吸着材料層を塗布した後のホルムアルデヒド感度比較図である。
図6】カドミウムドープ酸化亜鉛センサと多孔質酸化ケイ素塗膜を追加したセンサとのホルムアルデヒド感度曲線比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の上記目的、特徴及び利点を更に分かりやすくするために、具体的な実施例と図面により、本発明を更に説明する。
【0021】
中国では室内改装汚染問題が深刻であるため、低コスト、高選択性のホルムアルデヒドセンサ製品を求めている。本発明は、二層構造光触媒式ホルムアルデヒドセンサを提供する。図1に示されるように、該センサは、光源、電極及び二層の材料塗膜構造を含む。該二層構造は、電極上に直接被覆される一層の光触媒原理に基づくホルムアルデヒド感受性材料層、及びホルムアルデヒド感受性材料層上に被覆される一層のホルムアルデヒド吸着材料層を含む。光源は、該二層構造領域に照射する紫外光源である。空気中のホルムアルデヒド汚染物が検出されると、該ホルムアルデヒド吸着材料層によりホルムアルデヒド感受性材料層表面のホルムアルデヒド濃度が増され、それによりセンサの感度を向上させる効果を実現し、即ち、低濃度ホルムアルデヒドへの感度を向上させることができる。
【0022】
図2に示されるように、該センサにおいて、ホルムアルデヒド感受性材料層は、ホルムアルデヒドに感応するカドミウム(Cd)ドープ酸化亜鉛ナノ粒子を用いることが好ましく、ホルムアルデヒド吸着材料層は、多孔質酸化ケイ素ナノ粒子を用いることが好ましく、電極は、櫛型電極等を用いてもよい。該ホルムアルデヒド吸着材料層は、ホルムアルデヒドに対して吸着能力を有し、透光性を有し(紫外線を透過できる)、光源から発光する光に吸着材料を透過させて感受性材料に到着でき、電気的性質、光電性質等の感受性材料の半導体特性に悪影響が発生しないという特徴を有する。本発明は、多孔質酸化ケイ素、活性炭、カーボンブラック、ZIF−8等のホルムアルデヒドに対して吸着能力を有する複数種の吸着材料をテストした。そのうち、多孔質酸化ケイ素ナノ粒子だけは、センサのホルムアルデヒド検出に対して好ましい効果を有し、多孔質酸化ケイ素ナノ粒子が上記特徴を有するからである。なお、本発明は、光源をホルムアルデヒド感受性材料層側に設置することで、前記ホルムアルデヒド感受性材料層に直接照射してもよい。この場合に、電極部が光を遮ることを回避するために、紫外線透過可能な透明電極を使用してもよい。
【実施例】
【0023】
本発明に係る二層構造センサの製造ステップは、図3に示され、以下、実施例により製造工程を具体的に説明する。
【実施例1】
【0024】
ステップ1: 酸化亜鉛ナノ粒子の合成
10.77gのZnSO・7HO(375mmol)を25mLの脱イオン水に溶解させる。溶液を50mLの100g/L(1.36mmol/L)NHHCO溶液に滴下し、40℃の水浴下で1h撹拌する。上澄み液を除去し、15mLの脱イオン水で沈殿を三回洗浄し、その後、沈殿を80℃で12h乾燥させ、120℃で2h乾燥させる。乾燥終了後、サンプルをマッフル炉中に入れて500℃で2hか焼する。
【0025】
ステップ2:カドミウム元素の添加
0.4gの予め製造された酸化亜鉛ナノ粒子を秤量して60mLのカドミウム塩溶液(3CdSO・8HO 0.019g)に分散させ、溶液を80℃で撹拌しながら溶媒を蒸発させて除去し、その後、沈殿を80℃で12h乾燥させ、120℃で2h乾燥させる。その後、沈殿を450℃でか焼する。
【0026】
ステップ3:多孔質酸化ケイ素ナノ粒子の合成
6.4mLの水、0.9gのエタノール、1.04gの25%重量百分率のCATC(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド)溶液、0.02gのDEA(ジエタノールアミン)を混合して60℃の水浴に30分間加熱する。その後、0.73mLのTEOS(オルトケイ酸テトラエチル)を撹拌しながら混合物に滴下し、その後、2時間撹拌し続ける。
【0027】
ステップ4:感受性材料層の塗布
ステップ2で得られた固体生成物を微細粉末に粉砕した後無水エタノールに均一に分散させてスラリーを製造し、その後、製造されたスラリーを電極に回転塗布し、ドライヤーでエタノールを蒸発させる(1min)。
【0028】
ステップ5:吸着材料層の塗布
ステップ3で得られた生成物をエタノールで分散させてゾル分散液を製造し、その後、得られた分散液をステップ4で得られた感受性材料層に回転塗布し、ドライヤーでエタノールを蒸発させて二層構造を形成する。
【0029】
ステップ6:ホルムアルデヒドの検出
紫外光源は感受性材料に光触媒効果を発生するため、ホルムアルデヒドの検出に用いられる。紫外光源として365nm波長の紫外線ランプ又は385nm波長の紫外線発光ダイオードが用いられてもよい。紫外光源を開くと、酸化亜鉛材料の光電導効果により、センサの抵抗が低下し始める。所定の時間後(通常、5分間)、抵抗値が安定する。クリーンな空気にある場合には、該抵抗値をRにする。センサをクリーンな空気からホルムアルデヒド含有空気に移すと、センサの抵抗値が低下する。所定の時間後(通常、3分間)、抵抗値が安定し、且つRにする。予め確定される関係に基づき、ホルムアルデヒドの濃度をR/Rにより算出することができる。検出終了後、光触媒効果がセンサ材料に吸着されるホルムアルデヒドに対して分解除去効果を有するため、該センサの抵抗値がRに自動回復できる。
【0030】
多孔質酸化ケイ素ナノ粒子の静的吸着性能曲線は、図4に示され、1L容器中での5mgの多孔質酸化ケイ素ナノ粒子のサンプルによるホルムアルデヒドへの吸着は、200s程度に平衡に達する。
【0031】
カドミウムドープ酸化亜鉛ナノ粒子の表面にそれぞれ多孔質酸化ケイ素ナノ粒子、ZIF−8及び活性炭吸着材料層を塗布した後のホルムアルデヒド感度の比較は、図5に示される。吸着材料塗膜を追加していないカドミウムドープ酸化亜鉛ナノ粒子に比べて、多孔質酸化ケイ素ナノ粒子を塗布したサンプルは、3ppmホルムアルデヒドに対する感度が30%から45%に向上することが分かる。また、ZIF−8や活性炭を塗布したサンプルは、センサの感度を大幅に低下させる。ZIF−8や活性炭がホルムアルデヒドに対して吸着能力を有するが、両者が紫外線を感受性材料層に照射することを阻害し、且つ酸化亜鉛自体の光電性質に対して悪影響を与えるからである。
【0032】
図6はカドミウムドープ酸化亜鉛センサと多孔質酸化ケイ素塗膜を追加したセンサとのホルムアルデヒド感度曲線比較図であり、その横軸はホルムアルデヒド濃度、縦軸はセンサのホルムアルデヒド含有空気への抵抗とクリーンな空気への抵抗との比R/Rである。R/Rの値が小さいほど、ホルムアルデヒドへの感度が高い。同じホルムアルデヒド濃度下で、多孔質酸化ケイ素塗膜を追加したセンサの感度が塗膜のないカドミウムドープ酸化亜鉛センサより著しく高いことが分かる。
【実施例2】
【0033】
実施例1において、ステップ2の方法を下記手段に変更する。
【0034】
ステップ2:カドミウム元素の添加
0.4gの予め製造された酸化亜鉛ナノ粒子を秤量して60mLのカドミウム塩溶液(3CdSO・8HO 0.019g)に分散させ、溶液を70℃で撹拌しながら溶媒を蒸発させ、その後、沈殿を70℃で10h乾燥させ、110℃で1h乾燥させる。その後、沈殿を400℃でか焼する。
【実施例3】
【0035】
実施例1において、ステップ2の方法を下記手段に変更する。
【0036】
ステップ2:カドミウム元素の添加
0.4gの予め製造された酸化亜鉛ナノ粒子を秤量して60mLのカドミウム塩溶液(3CdSO・8HO 0.019g)に分散させ、溶液を90℃で撹拌しながら溶媒を蒸発させ、その後、沈殿を90℃で14h乾燥させ、130℃で3h乾燥させる。その後、沈殿を500℃でか焼する。
【実施例4】
【0037】
実施例1において、ステップ3の方法を下記手段に変更する:
ステップ3:多孔質酸化ケイ素ナノ粒子の合成
6.4mLの水、0.9gのエタノール、1.04gの25%重量百分率のCATC(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド)溶液、0.02gのDEA(ジエタノールアミン)を混合して50℃の水浴において20分間加熱する。その後、0.73mLのTEOS(オルトケイ酸テトラエチル)を撹拌しながら混合物に滴下し、その後、1時間撹拌し続ける。
【実施例5】
【0038】
実施例1において、ステップ3の方法を下記手段に変更する。
【0039】
ステップ3:多孔質酸化ケイ素ナノ粒子の合成
6.4mLの水、0.9gのエタノール、1.04gの25%重量百分率のCATC(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド)溶液、0.02gのDEA(ジエタノールアミン)を混合して70℃の水浴において40分間加熱する。その後、0.73mLのTEOS(オルトケイ酸テトラエチル)を撹拌しながら混合物に滴下し、その後、3時間撹拌し続ける。
【0040】
上記実施例は本発明の技術案を説明するものに過ぎず、これらを制限するものではない。当業者にとっては、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の技術案を改良するか又は同等置換してもよく、本発明の保護範囲が請求項書に記載の内容を基準とすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6