(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施の形態例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説
明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様
々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実
施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではないとする。
【0032】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である半導体装置について説明する。
【0033】
本実施の形態における半導体装置の構造の一例について
図1を用いて説明する。
図1は本
実施の形態における半導体装置の構造の一例を示す図であり、
図1(A)は上面図であり
、
図1(B)は、
図1(A)の線分A1−A2における断面図である。
【0034】
図1に示す半導体装置は、
図1(A)に示すように、基板100と、電極101と、配線
102と、機能回路103と、酸化物半導体層104と、を有し、さらに
図1(B)に示
すように、絶縁層106と、絶縁層107と、を有する。
【0035】
また、
図1(B)に示すように、配線102は基板100上に設けられ、絶縁層106は
配線102を挟んで基板100上に設けられ、酸化物半導体層104は絶縁層106上に
設けられ、絶縁層107は酸化物半導体層104を挟んで絶縁層106上に設けられる。
【0036】
なお、本明細書において、特に指定する場合を除き、AはB上に設けられる、またはAは
Bの上に設けられると記載した場合、Bは必ずしもAの上に直接接して設けられる必要は
なく、例えば断面視においてAとBと間に別の対象物が介在する場合も含むものとする。
ここで、A、Bは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、膜、層、な
ど)であるとする。
【0037】
また、AはBの下に設けられると記載した場合も同様に、Aは必ずしもBの下に直接接し
て設けられる必要はなく、例えば断面視においてAとBとの間に別の対象物が介在する場
合も含むものとする。
【0038】
電極101は、絶縁層106及び絶縁層107に設けられた開口部105を介して配線1
02に電気的に接続される。電極101は、半導体装置の端子電極としての機能を有する
。端子電極は、例えば外部から信号が入力される端子(信号入力端子ともいう)、電源が
与えられる端子(電源端子ともいう)、または他の素子または回路などとの接続部として
用いられる端子(接続端子ともいう)としての機能を有することができる。電極101と
しては、例えば導電材料を用いることができる。
【0039】
配線102としては、例えば導電材料を用いることができる。
【0040】
機能回路103は、所定の機能を有する回路であり、例えば電極101及び配線102を
介して信号が入力され、入力された信号に応じて動作が制御される。例えば機能回路10
3は、例えば電極101及び配線102を介して電圧が与えられる。機能回路103は、
例えば半導体素子を有する電子回路を用いて構成することができ、さらに半導体素子は、
例えば酸化物半導体材料を用いて構成することができる。酸化物半導体材料は、一部に透
光性を有するものがあり、また例えば非晶質シリコンなどより高い移動度を有する。
【0041】
なお、一般的に電圧とは、2点間における電位の差(電位差ともいう)のことをいい、電
位とは、ある基準点から電場内の別の一点へ単位電荷を運ぶために必要な仕事量のことを
いう。しかし、電子回路では、回路図などにおいて、一点のみであっても、例えば該一点
の電位と基準となる電位(基準電位ともいう)との電位差を値として用いることがあり、
また、電圧と電位の値は、回路図などにおいていずれもボルト(V)で表されることがあ
るため、区別が困難である。そこで、本願の書類(明細書及び特許請求の範囲)では、あ
る一点の電圧と示す場合、特に指定する場合を除き、ある一点の電圧とは、該一点の電位
と基準電位との電位差を示すものとする。
【0042】
電源電圧としては、例えば相対的に高電圧側の電圧または低電圧側の電圧を用いることが
できる。高電圧側の電源電圧を高電源電圧(V
ddともいう)といい、低電圧側の電源電
圧を低電源電圧(V
ssともいう)という。また、接地電位を高電源電圧または低電源電
圧として用いることもできる。例えば高電源電圧が接地電位の場合には、低電源電圧は接
地電位より低い電圧であり、低電源電圧が接地電位の場合には、高電源電圧は接地電位よ
り高い電圧である。
【0043】
酸化物半導体層104としては、例えば酸化物半導体材料を用いることができる。よって
例えば機能回路103に酸化物半導体材料を用いた半導体素子を適用する場合には、機能
回路103の半導体素子に用いられる半導体層と、酸化物半導体層104を同一層とし、
同一の酸化物半導体材料からなる半導体膜(酸化物半導体膜ともいう)を選択的にエッチ
ングして、機能回路103の半導体素子に用いられる半導体層と、酸化物半導体層104
と、を形成することもできるため、工程数を増やさずに酸化物半導体層104を形成する
ことができる。
【0044】
酸化物半導体膜としては、例えばSn、In、及びZnのいずれかを含む酸化物半導体膜
などを用いることができる。また、酸化物半導体膜を用いる場合、酸化物半導体膜にアモ
ルファス成分を含むものを用いることもできる。また、酸化物半導体膜の中に結晶粒(ナ
ノクリスタルともいう)を含むものを用いることもできる。このとき、酸化物半導体膜中
の結晶粒(ナノクリスタルともいう)は直径1nm〜10nm、代表的には2nm〜4n
m程度である。
【0045】
また、酸化物半導体としては、例えば、InMO
3(ZnO)
m(m>0)で表記される
構造の酸化物半導体を用いることもできる。なお、Mは、ガリウム(Ga)、鉄(Fe)
、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びコバルト(Co)から選ばれた一の金属元素
または複数の金属元素を示す。例えばMとして、Gaの場合があることの他、GaとNi
またはGaとFeなど、Ga以外の上記金属元素が含まれる場合がある。また、上記酸化
物半導体において、Mとして含まれる金属元素の他に、不純物元素としてFe、Niその
他の遷移金属元素、または該遷移金属の酸化物が含まれているものがある。本明細書にお
いては、InMO
3(ZnO)
m(m>0)で表記される構造の酸化物半導体のうち、M
として少なくともGaを含む構造の酸化物半導体をIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体
と呼び、該薄膜をIn−Ga−Zn−O系非単結晶膜ともいう。
【0046】
また、酸化物半導体膜として上記の他にも、In−Sn−Zn−O系、Al−In−Zn
−O系、Ga−Sn−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Al−Sn−Zn−O系、
In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−O系、Sn−O系、Z
n−O系の酸化物半導体膜を用いることができる。
【0047】
図1に一例として示すように、本実施の形態の半導体装置は、酸化物半導体層と、配線ま
たは電極を形成する導電層と、酸化物半導体層と導電層との間に設けられた絶縁層により
形成された容量素子を有する。この容量素子は保護回路の一部としての機能を有する。ま
た、この容量素子は、ノイズによる影響を低減するためのフィルタ回路の一部としての機
能を有する。
【0048】
なお、
図1では、一例として、平面視において、酸化物半導体層104と電極101が重
なり、且つ酸化物半導体層104と配線102が重なる構造の半導体装置について説明し
ているが、
図1に示す半導体装置の構造に限定されず、本実施の形態の半導体装置では、
他の構造も適用することができる。本実施の形態における半導体装置の構造の他の一例に
ついて
図2を用いて説明する。
図2は、本実施の形態における半導体装置の構造の一例を
模式的に示す図であり、
図2(A)は上面図であり、
図2(B)は
図2(A)の線分A1
−A2における断面図である。
【0049】
図2に示す半導体装置は、
図2(A)に示すように電極101と、配線102と、機能回
路103と、酸化物半導体層104と、配線108と、を有し、さらに
図2(B)に示す
ように、絶縁層106と、絶縁層107と、を有する。
【0050】
また、
図2(B)に示すように、配線102は基板100上に設けられ、絶縁層106は
配線102を挟んで基板100上に設けられ、酸化物半導体層104は絶縁層106上に
設けられ、配線108は絶縁層106上に設けられ、絶縁層107は酸化物半導体層10
4及び配線108を挟んで絶縁層106上に設けられ、電極101は絶縁層107上に設
けられる。すなわち
図2(A)に示すように、平面視において、酸化物半導体層104と
配線102が重なる構造である。
【0051】
配線108は、酸化物半導体層104に電気的に接続され、電極101は、配線108に
電気的に接続される。
【0052】
機能回路103は、電極101及び配線108を介して信号が入力され、入力された信号
に応じて動作が制御される。または電極101及び配線108を介して電圧が与えられる
。
【0053】
なお、その他の
図2に示す半導体装置の各構造の説明は、
図1に示す半導体装置の各構造
の説明と同じであるため、
図1に示す半導体装置の各構造の説明を適宜援用する。
【0054】
さらに、本実施の形態における半導体装置の構造の他の一例について
図3を用いて説明す
る。
図3は、本実施の形態における半導体装置の構造の一例を模式的に示す図であり、図
3(A)は上面図であり、
図3(B)は
図3(A)の線分A1−A2における断面図であ
る。
【0055】
図3に示す半導体装置は、
図3(A)に示すように電極101と、配線102と、機能回
路103と、酸化物半導体層104と、を有し、さらに
図3(B)に示すように、絶縁層
106と、絶縁層107と、を有する。
【0056】
また、
図3(B)に示すように絶縁層106は配線102を挟んで基板100上に設けら
れ、酸化物半導体層104は絶縁層106上に設けられ、絶縁層107は酸化物半導体層
104を挟んで絶縁層106上に設けられ、電極101は絶縁層107を挟んで酸化物半
導体層104上に設けられる。すなわち
図3(A)に示すように、平面視において、酸化
物半導体層104と電極101が重なり、酸化物半導体層104と配線102が重ならな
い構造である。なお、その他の
図3に示す半導体装置の各構造の説明は、
図1に示す半導
体装置の各構造の説明と同じであるため、
図1に示す半導体装置の各構造の説明を適宜援
用する。
【0057】
さらに、本実施の形態における半導体装置の構造の他の一例について
図4を用いて説明す
る。
図4は、本実施の形態における半導体装置の構造の一例を模式的に示す図であり、図
4(A)は上面図であり、
図4(B)は
図4(A)の線分A1−A2及びA3−A4にお
ける断面図である。
【0058】
図4に示す半導体装置は、
図4(A)に示すように電極101と、配線102と、機能回
路103と、酸化物半導体層104と、を有し、さらに
図4(B)に示すように、絶縁層
106と、絶縁層107と、を有する。
【0059】
また、
図4(B)に示すように、絶縁層106は配線102を挟んで基板100上に設け
られ、酸化物半導体層104は絶縁層106を挟んで配線102上に設けられ、絶縁層1
07は酸化物半導体層104を挟んで絶縁層106上に設けられ、電極101は絶縁層1
07上に設けられる。すなわち
図4(A)に示すように、平面視において、酸化物半導体
層104と配線102が重なり、酸化物半導体層104と電極101が重ならない構造で
ある。なお、その他の
図4に示す半導体装置の各構造の説明は、
図1に示す半導体装置の
各構造の説明と同じであるため、
図1に示す半導体装置の各構造の説明を適宜援用する。
【0060】
なお、
図1、
図2、及び
図4に示す半導体装置は、平面視において、配線102と酸化物
半導体層104が重なる構造である。本実施の形態の半導体装置を必ずしも配線と酸化物
半導体層を重ねて設ける構造にする必要はないが、配線と酸化物半導体層とが重なる構造
にすることにより、光の入射による酸化物半導体層の劣化を抑えることができる。
【0061】
さらに、本実施の形態における半導体装置の構造の他の一例について
図5を用いて説明す
る。
図5は、本実施の形態における半導体装置の構造の一例を模式的に示す図であり、図
5(A)は上面図であり、
図5(B)は
図5(A)の線分A1−A2における断面図であ
る。
【0062】
図5に示す半導体装置は、
図5(A)に示すように電極101と、配線102と、機能回
路103と、酸化物半導体層1041と、酸化物半導体層1042と、配線108と、を
有し、さらに
図5(B)に示すように、絶縁層106と、絶縁層107と、を有する。
【0063】
また、
図5(B)に示すように、配線102は基板100上に設けられ、絶縁層106は
配線102を挟んで基板100上に設けられ、配線108は、絶縁層106上に設けられ
、酸化物半導体層1041は、絶縁層106を挟んで配線102上に設けられ、酸化物半
導体層1042は、絶縁層106及び配線108を挟んで配線102上に設けられ、絶縁
層107は、酸化物半導体層1041及び酸化物半導体層1042並びに配線108を挟
んで絶縁層106上に設けられ、電極101は、絶縁層107上に設けられる。すなわち
図5(A)に示すように、平面視において、酸化物半導体層1041と電極101及び配
線102が重なり、酸化物半導体層1042と配線102及び電極101が重なる構造で
ある。
【0064】
電極101は、絶縁層106及び絶縁層107に設けられた開口部1051を介して配線
102に電気的に接続される。また、電極101は、絶縁層107に設けられた開口部1
052を介して配線108に電気的に接続される。
【0065】
酸化物半導体層1041及び酸化物半導体層1042としては、例えば
図1に示す酸化物
半導体層104に適用可能な材料を用いることができる。
【0066】
なお、その他の
図5に示す半導体装置の各構造の説明は、
図1に示す半導体装置の各構造
の説明と同じであるため、
図1に示す半導体装置の各構造の説明を適宜援用する。
【0067】
図5に一例として示すように、本実施の形態の半導体装置は、酸化物半導体層を複数有し
、複数の酸化物半導体層と、配線または電極を形成する導電層と、酸化物半導体層と導電
層との間に設けられた絶縁層により形成された容量素子を複数有する構造とすることもで
きる。この容量素子のそれぞれは、保護回路の一部としての機能を有する。また、この容
量素子は、ノイズによる影響を低減するためのフィルタ回路の一部としての機能を有する
。例えば一方の容量素子を正電圧の信号が入力、または正電圧が与えられる場合に機能す
るフィルタ回路の一部とし、他方の容量素子を負電圧の信号が入力、または負電圧が与え
られる場合に機能するフィルタ回路の一部とすることもできる。また
図5に示す半導体装
置では、複数の酸化物半導体層をそれぞれ同じ導電型にすることができるため、工程数の
増加を防ぐことができる。
【0068】
さらに、本実施の形態における半導体装置の構造の他の一例について
図6を用いて説明す
る。
図6は、本実施の形態における半導体装置の構造の一例を模式的に示す図であり、図
6(A)は上面図であり、
図6(B)は
図6(A)の線分A1−A2における断面図であ
る。
【0069】
図6に示す半導体装置は、
図6(A)に示すように電極101と、配線102と、機能回
路103と、酸化物半導体層1041と、酸化物半導体層1042と、を有し、さらに図
6(B)に示すように、絶縁層106と、絶縁層107と、を有する。
【0070】
また、
図6(B)に示すように、配線102は基板100上に設けられ、絶縁層106は
配線102を挟んで基板100上に設けられ、酸化物半導体層1041及び酸化物半導体
層1042は絶縁層106を挟んで配線102上に設けられ、絶縁層107は、酸化物半
導体層1041及び酸化物半導体層1042を挟んで絶縁層106上に設けられ、電極1
01は、絶縁層107上に設けられる。すなわち
図6(A)に示すように、
図6に示す半
導体装置は、平面視において、酸化物半導体層1041及び酸化物半導体層1042と配
線102が重なり、酸化物半導体層1041及び酸化物半導体層1042と電極101が
重ならない構造である。なお、
図6(B)に示す酸化物半導体層1041と酸化物半導体
層1042の平面視における間隔は、適宜設定することができる。また、本実施の形態の
半導体装置は、必ずしも配線と酸化物半導体層を重ねて設ける必要はないが、配線と酸化
物半導体層とが重なる構造にすることにより、光の入射による酸化物半導体層の劣化を抑
えることができるため、好ましい。
【0071】
酸化物半導体層1041及び酸化物半導体層1042としては、例えば
図1に示す酸化物
半導体層104に適用可能な材料を用いることができる。
【0072】
なお、その他の
図6に示す半導体装置の各構造の説明は、
図1に示す半導体装置の各構造
の説明と同じであるため、
図1に示す半導体装置の各構造の説明を適宜援用する。
【0073】
図6に一例として示すように、本実施の形態の半導体装置は、酸化物半導体層を複数有し
、複数の酸化物半導体層と、配線または電極を形成する導電層と、酸化物半導体層と導電
層との間に設けられた絶縁層により形成された容量素子を複数有する構造とすることもで
きる。この容量素子はそれぞれ保護回路の一部としての機能を有する。また、この容量素
子は、ノイズによる影響を低減するためのフィルタ回路の一部としての機能を有する。例
えば一方の容量素子は正電圧の信号が入力、または正電圧が与えられる場合に機能するフ
ィルタ回路の一部とし、他方の容量素子を負電圧の信号が入力または負電圧が与えられる
場合に機能するフィルタ回路の一部とすることもできる。
【0074】
さらに、本実施の形態における半導体装置の構造の他の一例について
図7を用いて説明す
る。
図7は、本実施の形態における半導体装置の構造の一例を模式的に示す図であり、図
7(A)は上面図であり、
図7(B)は
図7(A)の線分A1−A2における断面図であ
る。
【0075】
図7に示す半導体装置は、
図7(A)に示すように電極101と、配線102と、機能回
路103と、酸化物半導体層104と、を有し、さらに
図7(B)に示すように、絶縁層
106と、絶縁層107と、を有する。
【0076】
また、
図7(B)に示すように、酸化物半導体層104は基板100上に設けられ、絶縁
層106は酸化物半導体層104を挟んで基板100上に設けられ、配線102は絶縁層
106を挟んで酸化物半導体層104上に設けられ、絶縁層107は配線102上に設け
られ、電極101は、配線102及び絶縁層107上に設けられる。すなわち
図7(A)
に示すように、平面視において、酸化物半導体層104と配線102が重なり、酸化物半
導体層104と電極101が重なる構造である。なお、その他の
図7に示す半導体装置の
各構造の説明は、
図1に示す半導体装置の各構造の説明と同じであるため、
図1に示す半
導体装置の各構造の説明を適宜援用する。
【0077】
なお、
図7に示す半導体装置は、平面視において、酸化物半導体層104と配線102が
重なり、酸化物半導体層104と電極101が重なる構造であるが、本実施の形態の半導
体装置は、これに限定されず、配線102と酸化物半導体層104が重なり、電極101
と酸化物半導体層104が重ならない構造、または電極101と酸化物半導体層104が
重なり、配線102と酸化物半導体層104が重ならない構造とすることもできる。
【0078】
さらに
図1乃至
図7のそれぞれに示す半導体装置の等価回路について
図8を用いて説明す
る。
図8は、
図1乃至
図7のそれぞれに示す半導体装置の等価回路を示す回路図であり、
図8(A)は、
図1、
図2、
図3、
図4、及び
図7のそれぞれに示す半導体装置の等価回
路を示し、
図8(B)は、
図5及び
図6のそれぞれに示す半導体装置の等価回路を示す。
【0079】
図8(A)に示す等価回路は、端子111と、抵抗素子112と、容量素子113と、機
能回路114と、を有する。
【0080】
端子111は電極101を一部に含み、端子111を介して信号が入力、または電圧が与
えられる。
【0081】
抵抗素子112は、例えば配線102の配線抵抗を利用して形成することができる。また
これに限定されず、本実施の形態の半導体装置では、例えば半導体材料などを用いて別途
抵抗素子を形成することもできる。
【0082】
容量素子113は、第1端子及び第2端子を有し、第1端子が抵抗素子112を介して端
子111に電気的に接続され、且つ第1端子が機能回路114に電気的に接続され、第2
端子には端子115を介して所定の電圧が与えられる。容量素子113の第1端子は、例
えば、導電層及び半導体層の一方により構成される。また、容量素子113の第2端子は
、導電層及び半導体層の他方により構成される。導電層としては、例えば電極101、配
線102、また配線108などを用いることができ、半導体層としては、例えば酸化物半
導体層104を用いることができる。また、容量素子113の第2端子に所定の電圧が与
えられる。所定の電圧としては、例えば電源電圧が挙げられる。電源電圧の値は、入力さ
れる信号に応じて所望の機能が得られるように適宜設定することができる。ただし、これ
に限定されず、容量素子113の第2端子を浮遊状態とすることもできる。容量素子11
3は、可変容量としての機能を有する。
【0083】
図8(A)に示すように、
図1、
図2、
図3、
図4、及び
図7のそれぞれに示す半導体装
置は、抵抗素子及び容量素子を用いたフィルタ回路を有する構成である。
【0084】
次に本実施の形態の半導体装置の動作の一例として等価回路が
図8(A)に示す構成であ
る半導体装置の動作について説明する。ここでは、入力信号の電圧の絶対値が一定値以下
の場合と、一定値より大きい場合に分けて説明する。なお、一定値は、例えば機能回路の
仕様などを考慮して適宜設定することができる。
【0085】
容量素子113は、入力信号の電圧に応じて容量値が変化する。入力信号の電圧の絶対値
が一定値以下の場合、容量素子113の端子間に印加される電圧の絶対値は一定値より小
さく、容量素子113の容量は一定値より小さいため、フィルタ回路の入力信号に対する
出力信号の遅延時間は一定値より小さい。よってフィルタリング効果が小さくなる。なお
、容量素子に印加される電圧、容量素子の容量、及び遅延時間は、半導体装置の仕様に応
じて適宜設定することができる。
【0086】
また、入力信号の電圧の絶対値が一定値より大きい場合、容量素子113の端子間に印加
される電圧の絶対値は一定値より大きく、入力信号に応じて容量素子113の容量が一定
値より大きくなるため、フィルタ回路の入力信号に対する出力信号の遅延が大きくなる。
これにより入力信号の電圧の絶対値が一定値以下の場合よりノイズに対するフィルタリン
グの効果が大きくなる。以上が、等価回路が
図8(A)に示す構成である半導体装置の動
作である。
【0087】
図8(B)に示す等価回路は、端子111と、抵抗素子112と、容量素子1131と、
容量素子1132と、機能回路114と、を有する。
【0088】
端子111は電極101を一部に含み、端子111を介して信号が入力、または電圧が与
えられる。
【0089】
抵抗素子112は、例えば配線102の配線抵抗を利用して形成することができる。また
これに限定されず、本実施の形態の半導体装置では、例えば半導体材料などを用いて別途
抵抗素子を形成することもできる。
【0090】
容量素子1131は、第1端子及び第2端子を有し、第1端子が抵抗素子112を介して
端子111に電気的に接続され、且つ第1端子が機能回路114に電気的に接続され、第
2端子には端子1151を介して高電源電圧が与えられる。容量素子1131の第1端子
は、例えば導電層により構成される。また、容量素子1131の第2端子は、例えば半導
体層により構成される。導電層としては、例えば電極101、配線102、また配線10
8などを用いることができ、半導体層としては、例えば酸化物半導体層1041を用いる
ことができる。容量素子1131は、可変容量としての機能を有する。
【0091】
容量素子1132は、第1端子及び第2端子を有し、第1端子が抵抗素子112を介して
端子111に電気的に接続され、且つ第1端子が機能回路114に電気的に接続され、第
2端子には端子1152を介して低電源電圧が与えられる。容量素子1132の第1端子
は、例えば半導体層により構成される。また、容量素子1132の第2端子は、例えば導
電層により構成される。導電層としては、例えば電極101、配線102、また配線10
8などを用いることができ、半導体層としては、例えば酸化物半導体層1042を用いる
ことができる。容量素子1132は、可変容量としての機能を有する。
【0092】
図8(B)に示すように、
図5及び
図6に示す半導体装置は、抵抗素子及び2つの容量素
子を用いたフィルタ回路を有する構成である。
【0093】
次に本実施の形態の半導体装置の動作の一例として等価回路が
図8(B)に示す構成であ
る半導体装置の動作について説明する。ここでは、一例として端子111を介して信号が
入力される場合について説明し、また入力信号の電圧の絶対値が一定値以下の場合と、一
定値より大きい場合に分けて説明する。なお、一定値は、例えば機能回路の仕様などを考
慮して適宜設定することができる。
【0094】
容量素子1131及び容量素子1132は、入力信号の電圧に応じて容量値が変化する。
入力信号の電圧の絶対値が一定値以下の場合、容量素子1131及び容量素子1132の
端子間に印加される電圧は一定値より小さく、容量素子1131及び容量素子1132の
容量は一定値より小さいため、フィルタ回路の入力信号に対する出力信号の遅延時間は一
定値より小さい。よってフィルタリング効果が小さくなる。なお、容量素子に印加される
電圧、容量素子の容量、及び遅延時間は、半導体装置の仕様に応じて適宜設定することが
できる。
【0095】
また、入力信号の電圧が一定の正の値より大きい場合、容量素子1131の端子間に印加
される電圧は一定の正の値より大きく、入力信号に応じて容量素子1131の容量が一定
値より大きくなるため、フィルタ回路の入力信号に対する出力信号の遅延が大きくなる。
これにより入力信号の電圧が一定の正の値以下または一定の負の値以上の場合よりノイズ
に対するフィルタリングの効果が大きくなる。
【0096】
また、入力信号の電圧が一定の負の値より小さい場合、容量素子1132の端子間に印加
される電圧は一定の負の値より小さく、入力信号に応じて容量素子1132の容量が一定
値より大きくなるため、フィルタ回路の入力信号に対する出力信号の遅延が大きくなる。
これにより入力信号の電圧が一定の正の値以下または一定の負の値以上の場合よりノイズ
に対するフィルタリングの効果が大きくなる。以上が、等価回路が
図8(B)に示す構成
である半導体装置の動作である。
【0097】
以上のように、電圧の絶対値が一定値以下の信号が入力された場合に容量素子の容量を小
さくし、機能回路に入力される信号の遅延を小さくし、電圧の絶対値が一定値より大きい
信号が入力された場合に容量素子の容量を大きくし、機能回路に入力される信号の遅延を
大きくすることにより、実動作の阻害を低減し、例えばノイズが生じた場合には、入力信
号のノイズによる影響を低減することができる。なお、信号に限定されず、端子電極を介
して電圧が与えられる場合であっても電圧のノイズによる影響を低減することができる。
【0098】
また、酸化物半導体を用いた半導体素子を有する機能回路は、例えば多結晶半導体を用い
た半導体素子を有する機能回路と比較して比較的高い動作電圧を必要とすることが多いた
め、入力信号の電圧の絶対値が高い傾向にある。しかしながら本実施の形態の半導体装置
のように、容量素子を用いたフィルタ回路を機能回路と端子電極との電気的接続間に設け
ることにより、酸化物半導体を用いた半導体素子を有する機能回路であってもノイズによ
る影響を低減することができる。
【0099】
さらに、半導体層を用いた容量素子の電圧−容量特性について計算により検証を行った。
なお計算には、シミュレータとしてSilvaco社製TCADソフトウェアATLAS
を用いた。また、計算では、容量素子を一例として半導体層を用いたMIS容量とした。
また計算に使用した主なパラメータについて表1に示す。
【0101】
表1に示すように、バンドギャップ(E
gともいう)は3.0eV、1.1eVの2とお
りとした。E
g=3.0eVは半導体層に酸化物半導体の一つとして非晶質酸化物半導体
を用いた場合のバンドギャップの一例であり、E
g=1.1eVは、比較例として半導体
層にシリコン半導体を用いた場合のバンドギャップの一例である。また、測定周波数は1
×10
6kHzとした。また、半導体層はn型とした。
【0102】
容量素子の電圧―容量特性の検証結果について
図9を用いて説明する。
図9は、本実施の
形態における容量素子の電圧−容量特性の計算結果を示す図であり、横軸が容量素子に印
加される電圧(V
cともいう)であり、縦軸が全体の容量Cを絶縁層の容量C
oxで割っ
たものである。
【0103】
図9に示すように、電圧−容量特性は、上記パラメータなどにより設計されたデバイスで
想定される特性を示した。例えば−1V以下の負電圧側において、E
g=3.0eVのと
きのC/C
oxは約0.13に収束し、E
g=1.1eVのときのC/C
oxは約0.2
4に収束し、E
g=3.0eVのときの容量がE
g=1.1eVのときの容量より小さく
なる。また、正電圧側では、E=3.0eV及びE
g=1.1eVのときのいずれも電圧
が高くなるにつれて容量が大きくなり、C/C
ox=1に収束する。このことから、半導
体層を用いた容量素子は、いずれも蓄積状態のときに容量が大きくなり、反転状態のとき
に容量が小さくなる特性を有し、さらに反転状態のときにE
g=3.0eVの半導体を用
いた場合の容量は、E
g=1.1eVの半導体を用いた場合の容量より小さくなることが
わかる。反転状態のときの容量素子の容量は、絶縁層の容量と半導体層の空乏層容量とが
直列接続されたものと等しくなる。
【0104】
このことから、半導体層を用いた容量素子をフィルタ回路に用いる場合、電圧の絶対値が
一定値以下である通常の信号が入力される場合には、容量素子を反転状態にすることが好
ましく、電圧の絶対値が一定値より大きい信号が入力される場合には、容量素子を蓄積状
態にすることが好ましいことがわかる。ただし必ずしもこれに限定されるものではない。
【0105】
さらに、半導体層を有する容量素子を用いたフィルタ回路について、計算による機能検証
を行った。まず本計算に用いたフィルタ回路の回路モデルについて
図10を用いて説明す
る。
図10は、本実施の形態における機能検証を行うフィルタ回路の回路モデルを示す回
路図である。
【0106】
図10に示す回路モデルは端子201と、抵抗素子202と、容量素子203と、端子2
04と、容量素子205と、端子206と、端子207と、を有する。
【0107】
図10に示す回路モデルでは、端子201を介して入力信号(INともいう)が入力され
る。入力信号は、抵抗素子202、容量素子203、及び容量素子205により構成され
るフィルタ回路に入力され、フィルタ回路の出力信号(OUTともいう)が端子207を
介して出力される。
【0108】
さらに
図10に示す回路モデルでは、端子204を介して高電源電圧が与えられ、端子2
06を介して低電源電圧が与えられるものとする。
【0109】
上記
図10に示す回路モデルを用いて検証を行った。なお本計算には、Silvaco社
製TCADソフトウェアATLASを用いた。また、本計算では、容量素子を一例として
半導体層を用いたMIS容量とした。また、本計算では、表1に示すパラメータを適宜使
用した。
【0110】
さらに本計算は、入力信号として、ハイ状態(Hともいう)の電圧が5V、ロウ状態(L
ともいう)の電圧が0Vである(H=5V、L=0V)第1のデジタル信号(DS1とも
いう)、H=15V、L=10Vの第2のデジタル信号(DS2ともいう)、またはH=
−5V、L=−10Vの第3のデジタル信号(DS3ともいう)が入力される場合につい
てそれぞれ行った。また、本計算では、第1のデジタル信号が入力される場合には容量素
子203及び容量素子205が反転状態になり、第2のデジタル信号が入力される場合に
容量素子205が蓄積状態になり、第3のデジタル信号が入力される場合に容量素子20
3が蓄積状態になるようにV
dd=8Vとし、V
ss=−3Vとした。また、本計算では
、反転状態時において、E
g=3.0eVのときのC/C
oxを0.13とし、E
g=1
.1eVのときのC/C
oxを0.24となるように半導体層の厚さ及び半導体層のキャ
リア密度などを設定した。また半導体層はn型とした。
【0111】
計算結果について
図11乃至
図13を用いて説明する。
図11乃至
図13は、
図10に示
す回路モデルの計算による検証における入出力特性を示す図である。
【0112】
図11(A)は第1のデジタル信号が入力される場合の入出力特性を示す図であり、横軸
が時間を抵抗素子202の抵抗(Rともいう)×絶縁層の容量C
oxで割ったものであり
、縦軸が信号電圧(V
sigともいう)である。また、
図11(B)は
図11(A)のT
1−T2間の拡大図である。なお、本計算では、RC
ox=2.83μsとなるように抵
抗素子202の抵抗と絶縁層の容量面積を設定した。
【0113】
図12(A)は第2のデジタル信号が入力される場合の入出力特性を示す図であり、横軸
が時間を抵抗素子202の抵抗×絶縁層の容量C
oxで割ったものであり、縦軸が電圧で
ある。また、
図12(B)は
図12(A)のT1−T2間の拡大図である。
【0114】
図13(A)は第3のデジタル信号が入力される場合の入出力特性を示す図であり、横軸
が時間を抵抗素子202の抵抗×絶縁層の容量C
oxで割ったものであり、縦軸が電圧で
ある。また、
図13(B)は
図13(A)のT1−T2間の拡大図である。
【0115】
なお、
図11(A)、
図12(A)、及び
図13(A)において、横軸の各目盛間の値は
同じである。また、
図11(B)、
図12(B)、及び
図13(B)において、横軸の各
目盛間の値は同じである。
【0116】
第1のデジタル信号が入力される場合、
図11に示すように、E
g=3.0eVの場合の
出力信号(OUTともいう)の立ち上がり時間または立ち下がり時間の遅延がE
g=1.
1eVの場合の出力信号の立ち上がり時間または立ち下がり時間の遅延より小さくなる。
これは、上記
図9に示すように、反転状態において、E
g=3.0eVのときの容量がE
g=1.1eVのときの容量より小さくなるためである。
【0117】
また、第2のデジタル信号が入力される場合、
図12に示すように、E
g=3.0eVの
場合の出力信号及びE
g=1.1eVの場合の出力信号の立ち上がり時間の遅延が第1の
デジタル信号が入力される場合に比べて大きくなる。これは、上記
図9に示すように、蓄
積状態において、E
g=3.0eVのときの容量及びE
g=1.1eVのときの容量とも
電圧が高くなるにつれて一定値まで大きくなるためである。
【0118】
また、第3のデジタル信号が入力される場合、
図13に示すように、E
g=3.0eVの
ときの出力信号及びE
g=1.1eVのときの出力信号の立ち下がり時間の遅延が第1の
デジタル信号が入力される場合に比べて大きくなる。これは、上記
図9に示すように、蓄
積状態において、E
g=3.0eVのときの容量及びE
g=1.1eVのときの容量のい
ずれの容量とも電圧が高くなるにつれて一定値まで大きくなるためである。
【0119】
さらに第1のデジタル信号乃至第3のデジタル信号のそれぞれが入力される場合の出力信
号の遅延時間について表2にまとめた。なお、表2において、tfは立ち下がり時間を示
し、trは立ち上がり時間を示し、さらに(tf+tr)/2より平均遅延時間について
も示した。なお、遅延時間は、ここでは、出力信号が入力信号の振幅の10%から90%
まで変化するのに要する時間と定義した。さらに表2に示す値は各遅延時間をRC
oxで
割ったものである。
【0121】
表2に示すように、平均遅延時間は、第2のデジタル信号(DS2)及び第3のデジタル
信号(DS3)が入力される場合より第1のデジタル信号(DS1)が入力される場合の
方が小さくなる。また、第1のデジタル信号が入力される場合、E
g=3.0eVのとき
の平均遅延時間は、E
g=1.1eVのときの出力信号の平均遅延時間より小さくなる。
【0122】
上記検証結果により酸化物半導体層を有する容量素子を用いたフィルタ回路は、絶対値が
一定の範囲内である電圧の信号が入力された場合には、出力信号の遅延を少なくすること
ができ、また絶対値が一定の範囲外である電圧の信号が入力された場合には、出力信号を
遅延させることができることがわかる。これにより実動作の阻害を低減し、例えばノイズ
などにより一定値より高い絶対値の電圧である信号が入力される場合にノイズによる影響
を低減することができることがわかる。
【0123】
なお、例えば酸化物半導体層に熱処理を施した場合であっても上記特性と同様の検証結果
を得ることは当然可能である。
【0124】
また、遅延時間は、上記に示すように抵抗及び容量の値によって決まるため、例えば機能
回路の仕様に応じて入力信号、高電源電圧、低電源電圧の値を適宜設定することにより、
本計算で用いられたフィルタ回路と同等のフィルタ特性を得ることも当然可能である。
【0125】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置について説明する。
【0126】
本実施の形態の表示装置の構成について
図14を用いて説明する。
図14は本実施の形態
の表示装置の構成の一例を示す図である。
【0127】
図14に示す表示装置は、端子電極501と、配線502と、走査線駆動回路503と、
走査線5031と、信号線駆動回路504と、信号線5041と、画素部505と、を有
する。
【0128】
端子電極501は、端子部506に設けられ、例えば走査信号及び映像信号などが入力さ
れる信号入力端子の一部、及び電源電圧が印加される電源端子の一部としての機能を有す
る。
【0129】
走査線駆動回路503は、配線502を介して端子電極501に電気的に接続される。走
査線駆動回路503は、端子部506から例えば制御信号などの信号が入力、または電源
電圧が与えられ、入力された信号に応じたタイミングで走査線5031を介して走査信号
を出力する。
【0130】
信号線駆動回路504は、配線502を介して端子電極501に電気的に接続される。信
号線駆動回路504は、端子部506から例えば制御信号及び映像信号などの信号が入力
、または電源電圧が与えられ、入力された信号に応じたタイミングで信号線5041を介
して映像信号を出力する。
【0131】
画素部505は、複数の画素5051を有し、それぞれの画素5051は、走査線503
1のいずれか及び信号線5041のいずれかに電気的に接続され、走査信号及び映像信号
が入力される。
【0132】
次に画素5051の回路構成の一例について
図15を用いて説明する。
図15は画素50
51の回路構成の一例を示す図である。
【0133】
図15(A)に示す画素は、トランジスタ611と、液晶素子612と、容量素子613
と、を有する。
【0134】
トランジスタ611は、ゲート端子、ソース端子、及びドレイン端子の少なくとも3つの
端子を有する。
【0135】
なお、本明細書において、ゲート端子とは、ゲート電極及びゲート電極に電気的に接続さ
れる配線(ゲート配線ともいう)となる導電層の一部または全部のことをいう。また、ソ
ース端子とは、ソース電極及びソース電極に電気的に接続される配線(ソース配線ともい
う)となる層(導電層などを含む)の一部または全部のことをいう。また、ドレイン端子
とは、ドレイン電極及びドレイン電極に電気的に接続される配線(ドレイン配線ともいう
)となる層(導電層などを含む)の一部または全部のことをいう。
【0136】
また、本明細書において、トランジスタのソース端子とドレイン端子は、トランジスタの
構造や動作条件などによって互いに入れ替わる可能性があり、ゲート端子以外のトランジ
スタの端子のいずれがソース端子またはドレイン端子であるかを限定することが困難であ
る。そこで、本明細書においては、複数の端子のうち、ソース端子及びドレイン端子のい
ずれか一方となる端子をソース端子及びドレイン端子の一方と表し、ソース端子及びドレ
イン端子の他方となる端子をソース端子及びドレイン端子の他方と表す。
【0137】
トランジスタ611は、選択スイッチとしての機能を有する。また、トランジスタ611
は、ゲート端子が
図15に示す走査線5031に電気的に接続され、ソース端子及びドレ
イン端子の一方が信号線5041に電気的に接続される。
【0138】
液晶素子612は、第1端子及び第2端子を有し、第1端子がトランジスタ611のソー
ス端子及びドレイン端子の他方に電気的に接続され、第2端子に所定の値の電圧が与えら
れる。液晶素子612は、例えば第1端子の一部または全部となる第1の電極と、第2端
子の一部または全部となる第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に電圧が印加さ
れることにより透過率が変化する液晶分子を有する層(液晶層という)と、により構成す
ることができる。
【0139】
液晶層の一例、液晶層に適用可能な液晶材料の一例、または液晶層を含む液晶素子612
に適用可能な液晶モードの一例としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメク
チック液晶、ディスコチック液晶、サーモトロピック液晶、リオトロピック液晶、低分子
液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC)、強誘電液晶、反強誘電液晶、主鎖型
液晶、側鎖型高分子液晶、プラズマアドレス液晶(PALC)、バナナ型液晶、TN(T
wisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nem
atic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(
Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−dom
ain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned
Vertical Alignment)、ASV(Advanced Super
View)モード、ASM(Axially Symmetric aligned M
icro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Bi
refringence)モード、ECB(Electrically Control
led Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric
Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectri
c Liquid Crystal)モード、PDLC(Polymer Disper
sed Liquid Crystal)モード、ゲストホストモード、ブルー相(Bl
ue Phase)モードなどがある。
【0140】
容量素子613は、第1端子及び第2端子を有し、第1端子がトランジスタ611のソー
ス端子及びドレイン端子の他方に電気的に接続され、第2端子に所定の電圧が与えられる
。容量素子613は、第1端子の一部または全部となる第1の電極と、第2端子の一部ま
たは全部となる第2の電極と、絶縁層と、を有する構成である。容量素子613は保持容
量としての機能を有する。なお、容量素子613は必ずしも設ける必要はないが、容量素
子613を設けることにより、トランジスタ611のリーク電流による影響を抑制するこ
とができる。
【0141】
次に
図15(A)に示す画素の動作について説明する。
【0142】
まず
図14に示す走査線駆動回路503により走査線5031が選択されると、走査線駆
動回路503から入力される走査信号によりトランジスタ611がオン状態になる。
【0143】
このとき液晶素子612の第1端子及び容量素子613の第1端子の電位が信号線駆動回
路504により入力される映像信号に応じた電位となり、液晶素子612は、第1端子と
第2端子の間に印加される電圧に応じて配向が制御され、画素は、液晶素子612の透過
率に応じて表示を行う。上記動作を走査線5031毎に順次行うことにより、すべての画
素においてデータが書き込まれる。以上が
図15(A)に示す画素の動作である。
【0144】
なお、本実施の形態の表示装置における画素の回路構成は、
図15(A)に示す画素の回
路構成に限定されず、例えば
図15(A)に示す画素の回路構成に別のスイッチング素子
(トランジスタを含む)、抵抗素子、または容量素子などを設ける構成とすることもでき
る。
【0145】
また、本実施の形態の表示装置における画素の回路構成は、
図15(A)に示す画素の回
路構成に限定されず、他の回路構成とすることもできる。本実施の形態の表示装置におけ
る画素の回路構成の他の一例について
図15(B)を用いて説明する。
図15(B)は、
本実施の形態の表示装置における画素の回路構成の一例を示す回路図である。
【0146】
図15(B)に示す画素は、トランジスタ611と、容量素子613と、トランジスタ6
14と、発光素子615と、を有する。
【0147】
トランジスタ611は、ゲート端子が走査線5031に電気的に接続され、ソース端子及
びドレイン端子の一方が信号線5041に電気的に接続される。
【0148】
容量素子613は、第1端子及び第2端子を有し、第1端子がトランジスタ611のソー
ス端子及びドレイン端子の他方に電気的に接続され、第2端子に第1の電圧が与えられる
。容量素子613は保持容量としての機能を有する。なお容量素子613は必ずしも設け
る必要はないが、容量素子613を設けることにより、一定期間トランジスタ614のオ
ン状態を維持することができる。
【0149】
トランジスタ614は、ゲート端子がトランジスタ611のソース端子及びドレイン端子
の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方に第1の電圧が与えられ
る。
【0150】
発光素子615は、第1端子及び第2端子を有し、第1端子がトランジスタ614のソー
ス端子及びドレイン端子の他方に電気的に接続され、第2端子に第2の電圧が与えられる
。発光素子615は、例えば第1端子の一部または全部となる第1の電極と、第2端子の
一部または全部となる第2の電極と、第1の電極と第2の電極の間に電圧が印加されるこ
とにより発光する電界発光層より構成することができる。発光素子615としては、例え
ばEL(エレクトロルミネセンスともいう)素子を用いることができ、EL素子としては
、例えば有機EL素子または無機EL素子を用いることができる。
【0151】
なお第1の電圧は、高電源電圧及び低電源電圧のいずれか一方であり、第2の電圧は高電
源電圧及び低電源電圧の他方である。いずれが高電源電圧か低電源電圧かであるかは例え
ばトランジスタ614の極性によって設定され、例えばトランジスタ614がP型トラン
ジスタであれば、第1の電圧は高電源電圧に設定され、第2の電圧は低電源電圧に設定さ
れることが多く、N型トランジスタであれば第1の電圧は低電源電圧に設定され、第2の
電圧は高電源電圧に設定されることが多い。
【0152】
発光素子615における第1の電極または第2の電極は、少なくとも一方が透光性を有す
る導電材料を用いて形成されたものであればよい。これにより、基板とは逆側の面から発
光を取り出す上面射出や、基板側の面から発光を取り出す下面射出や、基板側及び基板と
は反対側の面から発光を取り出す両面射出構造の発光素子とすることができる。透光性を
有する導電材料としては、例えば酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タング
ステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを
含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜
鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を
用いることもできる。
【0153】
電界発光層は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されてい
てもどちらでも良い。複数の層で構成されている場合、第1の電極上に電子注入層、電子
輸送層、電界発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層する。なおこれらの層を全
て設ける必要はない。電界発光層としては有機化合物または無機化合物を用いて形成する
ことができる。
【0154】
次に
図15(B)に示す画素の動作について説明する。
【0155】
まず
図14に示す走査線駆動回路503により走査線5031が選択されると、走査線駆
動回路503から入力される走査信号によりトランジスタ611がオン状態になる。
【0156】
このときトランジスタ614のゲート端子及び容量素子613の第1端子の電位が信号線
駆動回路504により入力される映像信号に応じた電位となり、トランジスタ614はオ
ン状態になり、トランジスタ614のソース端子及びドレイン端子の間に電流が流れる。
さらにトランジスタ614に流れる電流に応じて所定の電圧が発光素子615の第1端子
及び第2端子の間に印加され、画素は表示を行う。上記動作を走査線5031毎に順次行
うことにより、すべての画素においてデータが書き込まれる。以上が
図15(B)に示す
画素の動作である。
【0157】
また信号線5032から画素に入力されるデータ信号がデジタル形式の場合、画素はトラ
ンジスタのオン状態とオフ状態の切り替えによって、発光もしくは非発光の状態となる。
よって、面積階調法または時間階調法を用いて階調の表示を行うことができる。面積階調
法は、1画素を複数の副画素に分割し、各副画素を
図15(B)に示す回路構成にして独
立にデータ信号に基づいて駆動させることによって、階調表示を行う駆動法である。また
時間階調法は、画素が発光する期間を制御することによって、階調表示を行う駆動法であ
る。
【0158】
発光素子615は、例えば
図15(A)に示す液晶素子612などに比べて応答速度が高
いので、時間階調法に適している。具体的に時間階調法で表示を行なう場合、1フレーム
期間を複数のサブフレーム期間に分割する。そしてビデオ信号に従い、各サブフレーム期
間において画素の発光素子を発光または非発光の状態にする。複数のサブフレーム期間に
分割することによって、1フレーム期間中に画素が実際に発光する期間のトータルの長さ
を、ビデオ信号により制御することができ、階調を表示することができる。
【0159】
次に
図14に示す表示装置の走査線駆動回路503若しくは信号線駆動回路504などの
駆動回路、または画素5051におけるトランジスタの構造の一例について
図16を用い
て説明する。
図16は
図14に示す表示装置の画素におけるトランジスタの構造の一例を
示す断面図である。
【0160】
図16(A)に示すトランジスタは、導電層601と、絶縁層602と、導電層603a
及び導電層603bと、半導体層604と、を有する。
【0161】
導電層601は、被形成面(
図16(A)では基板600)上に設けられる。導電層60
1はゲート電極としての機能を有する。さらに平面視において、導電層601を半導体層
604と重ねて配置することにより、半導体層604に入射する光を低減する遮光層とし
ての機能を導電層601に持たせることもできる。導電層601が遮光層としての機能を
有することにより、半導体層604の光による劣化を抑制することができる。よって半導
体層604に酸化物半導体材料を用いた場合でも所望の機能を有することができる。
【0162】
絶縁層602は、導電層601上に設けられる。絶縁層602はゲート絶縁層としての機
能を有する。
【0163】
導電層603a及び導電層603bは、絶縁層602の一部の上に設けられる。導電層6
03aはソース電極及びドレイン電極の一方としての機能を有し、導電層603bはソー
ス電極及びドレイン電極の他方としての機能を有する。例えば導電層603aがソース電
極としての機能を有する場合には導電層603bはドレイン電極としての機能を有する。
【0164】
なお、
図16(A)に示すトランジスタにおいて、導電層603a及び導電層603bが
絶縁層602を挟んで導電層601上に設けられているが、これに限定されず、本実施の
形態の半導体装置は、例えば導電層601上以外の部分の絶縁層602上に導電層603
a及び導電層603bを有する構成とすることもできる。
【0165】
半導体層604は、導電層603a及び導電層603bを挟んで絶縁層602の上に設け
られる。半導体層604は、チャネルが形成される層(チャネル形成層ともいう)である
。
【0166】
また、
図16(A)に示す構造に限定されず、本実施の形態のトランジスタは、
図16(
B)に示す構造とすることもできる。
【0167】
図16(B)に示すトランジスタは、導電層601と、絶縁層602と、導電層603a
及び導電層603bと、半導体層604と、バッファ層605a及びバッファ層605b
と、を有する。
【0168】
図16(B)に示すトランジスタは、
図16(A)に示すトランジスタの構造にバッファ
層を追加した構造である。よって
図16(A)に示すトランジスタと同じ部分については
、
図16(A)に示すトランジスタの説明を適宜援用し、
図16(A)に示すトランジス
タと異なる部分について以下に説明する。
【0169】
バッファ層605aは導電層603a上に設けられ、バッファ層605bは導電層603
b上に設けられる。バッファ層605a及びバッファ層605bは、導電層603aまた
は導電層603bと半導体層604との電気的な接続を良好にする層としての機能を有す
る。なおバッファ層605a及びバッファ層605bは、必ずしも導電層603aまたは
導電層603b上に設ける必要はなく、導電層603a及び導電層603bと電気的に接
続されていればよい。
【0170】
バッファ層605a及びバッファ層605bは、例えば半導体層604と同じ材料及び同
じ作製方法を用いて形成することができる。また、バッファ層605a及びバッファ層6
05bは、半導体層604と同じ導電率または半導体層604より高い導電率であること
が好ましい。バッファ層605a及びバッファ層605bは、例えば半導体膜を形成し、
フォトリソグラフィー工程により半導体膜上にレジストマスクを選択的に形成し、半導体
膜をエッチングすることにより形成することができる。
【0171】
図16(B)に示すトランジスタは、ソース電極及びドレイン電極の上層にチャネル形成
層となる半導体層を有する、いわゆるボトムコンタクト構造である。ボトムコンタクト構
造とすることにより、ソース電極及びドレイン電極と半導体層の接触面積を増やすことが
できる。なお、ボトムコンタクト構造に限定されず、本実施の形態のトランジスタは、チ
ャネル形成層となる半導体層上にソース電極及びドレイン電極を有する、いわゆるトップ
コンタクト構造とすることもできる。
【0172】
図16(A)及び
図16(B)に示すトランジスタは、ゲート電極上にソース電極及びド
レイン電極、並びにチャネル形成層を有する、いわゆるボトムゲート構造である。ボトム
ゲート構造とすることにより、ゲート絶縁層及び半導体層の連続成膜が可能になる。
【0173】
なお、本実施の形態の半導体装置は、ボトムゲート構造に限定されず、トップゲート構造
とすることもできる。トップゲート構造のトランジスタの構造について
図17を用いて説
明する。
図17は、
図14に示す表示装置の画素におけるトランジスタの構造の一例を示
す断面図である。
【0174】
図17に示すトランジスタは、導電層601と、絶縁層602と、導電層603a及び導
電層603bと、半導体層604と、を有する。
【0175】
半導体層604は、被形成面(
図17では基板600)上に設けられる。半導体層604
は、チャネルが形成される層(チャネル形成層ともいう)である。
【0176】
絶縁層602は、半導体層604を挟んで基板600上に設けられる。絶縁層602はゲ
ート絶縁層としての機能を有する。
【0177】
導電層601は、絶縁層602を挟んで半導体層604上に設けられる。導電層601は
ゲート電極としての機能を有する。
【0178】
絶縁層606は、導電層601を挟んで絶縁層602上に設けられる。絶縁層606は、
導電層601を保護する保護層としての機能を有する。
【0179】
導電層603a及び導電層603bは、絶縁層606の一部の上に設けられる。導電層6
03aは、絶縁層602及び絶縁層606に設けられた開口部を介して半導体層604に
電気的に接続され、導電層603bは、絶縁層602及び絶縁層606に設けられた開口
部を介して半導体層604に電気的に接続される。導電層603aはソース電極及びドレ
イン電極のいずれか一方としての機能を有し、導電層603bはソース電極及びドレイン
電極の他方としての機能を有する。例えば導電層603aがソース電極としての機能を有
する場合には導電層603bはドレイン電極としての機能を有する。
【0180】
次に
図14に示す表示装置における走査線駆動回路503及び信号線駆動回路504の構
成の一例について
図18を用いて説明する。
図18は
図14に示す表示装置における駆動
回路の構成の一例を示す図であり、
図18(A)は走査線駆動回路の構成の一例を示すブ
ロック図であり、
図18(B)は信号線駆動回路の構成の一例を示すブロック図である。
【0181】
図18(A)に示す走査線駆動回路503は、シフトレジスタ711、レベルシフタ71
2、バッファ回路713と、を有する。
【0182】
シフトレジスタ711にはゲートスタートパルス(GSP)、ゲートクロック信号(GC
K)などの信号が入力される。
【0183】
レベルシフタ712は、入力された信号をもとに用途によって異なる複数の信号を生成す
る機能を有する。
【0184】
バッファ回路713は、入力されたレベルシフタ712の出力信号を増幅する機能を有し
、例えばオペアンプなどを有する構成とすることができる。
【0185】
図18(B)に示す信号線駆動回路504は、シフトレジスタ721、ラッチ回路722
、レベルシフタ723、バッファ回路724、DA変換回路725と、を有する。
【0186】
シフトレジスタ721は、ソーススタートパルス(SSP)、ソースクロック信号(SC
K)などの信号が入力される。
【0187】
ラッチ回路722は、画像データ信号(DATA)及びラッチ信号(LAT)が入力され
、入力された画像データ信号を一定期間保持し、保持した信号を一斉に
図14における画
素部に出力する。これを線順次駆動と呼ぶ。
【0188】
レベルシフタ723は、入力された信号をもとに用途によって異なる複数の信号を生成す
る機能を有する。
【0189】
バッファ回路724は、入力された信号を増幅させる機能を有し、例えばオペアンプなど
を有する構成とすることができる。
【0190】
DA変換回路725は、入力された信号がデジタル信号の場合にアナログ信号に変換する
機能を有する。なお、入力される信号がアナログ信号の場合には必ずしも設ける必要はな
い。
【0191】
上記駆動回路は、例えば酸化物半導体材料を用いた半導体素子を用いて構成することがで
きる。半導体素子としては、例えばトランジスタ、容量素子、または抵抗素子などが挙げ
られる。例えばトランジスタを用いる場合には、画素と同じ構造のトランジスタを用いる
こともできる。
【0192】
次に端子部506の構造の一例について
図19を用いて説明する。
図19は、
図14に示
す表示装置における端子部506の構造の一例を示す図であり、
図19(A)は上面図で
あり、
図19(B)は、
図19(A)の線分B1−B2における断面図である。
【0193】
図19(A)に示す端子部506は、端子910a、端子910b、及び端子910cを
有する。さらに
図19(B)に示すように半導体層9032と、絶縁層905と、絶縁層
906と、を有する。
【0194】
端子910aは導電層901aと、導電層902aと、を有し、端子910bは導電層9
01bと、導電層902bと、を有し、端子910cは、導電層901cと、導電層90
2cと、を有する。
【0195】
また、
図19(B)に示すように、絶縁層905は、導電層902a、導電層902b、
及び導電層902c上に設けられ、半導体層9032は、絶縁層905を挟んで導電層9
02a、導電層902b、及び導電層902c上に設けられ、絶縁層906は半導体層9
032上に設けられ、導電層901a、導電層901b、及び導電層901cは、絶縁層
906を挟んで半導体層9032の上に設けられる。すなわち、平面視において、半導体
層9032と導電層901a、導電層901b、及び導電層901cが重なり、且つ半導
体層9032と導電層902a、導電層902b、及び導電層902cが重なる構造であ
る。
【0196】
導電層901a乃至導電層901cは、それぞれ例えば半導体装置の端子電極としての機
能を有する。導電層901a乃至導電層901cとしては、例えば
図16に示す導電層6
01の形成に用いられる導電膜に適用可能な材料を用いて形成することができる。よって
例えば一つの導電膜を用いて導電層601、及び導電層901a乃至導電層901cを同
一工程で形成することもできる。
【0197】
導電層902aは、開口部904aを介して導電層901aに電気的に接続され、導電層
902bは、開口部904bを介して導電層901bに電気的に接続され、導電層902
cは、開口部904cを介して導電層901cに電気的に接続される。導電層902a乃
至導電層902cは、それぞれ例えば表示装置の駆動回路や画素部に信号を供給するため
の配線(信号線、ソース線、またはゲート線ともいう)、または電源を供給するための配
線(電源線ともいう)としての機能を有する。導電層902a乃至導電層902cとして
は、例えば
図16に示す導電層603a及び導電層603bの形成に用いられる導電膜に
適用可能な材料を用いることができる。よって例えば一つの導電膜を用いて導電層603
a及び導電層603b、並びに導電層902a乃至導電層902cを同一工程で形成する
こともできる。
【0198】
半導体層9032としては、例えば
図16に示す半導体層604の形成に用いられる半導
体膜に適用可能な材料を用いることができる。よって例えば一つの半導体膜を用いて半導
体層604及び半導体層9032を同一工程で形成することもできる。
【0199】
絶縁層905及び絶縁層906としては、例えばシリコンなどを含む絶縁層などを用いる
ことができる。よって例えば同一の絶縁膜を用いて
図16に示すトランジスタのゲート絶
縁層としての機能を有する絶縁層602及び誘電体層としての機能を有する絶縁層905
を形成することもできる。
【0200】
図19に一例として示すように、本実施の形態の半導体装置は、酸化物半導体層と、配線
または電極を形成する導電層と、酸化物半導体層と導電層との間に設けられた絶縁層によ
り形成された容量素子を有する。この容量素子はノイズによる影響を低減するためのフィ
ルタ回路としての機能を有する。
【0201】
また、本実施の形態の半導体装置は、該酸化物半導体層と、配線または電極を形成する導
電層と、酸化物半導体層と導電層との間に設けられた絶縁層により形成された容量素子を
複数有し、酸化物半導体層が複数の端子間に一続きで設けられた構造である。よって微細
なパターニングを行う必要がなくなるため、製造工程を簡略にすることができる。ただし
図19に示す構造に限定されず、本実施の形態の表示装置では、端子毎に酸化物半導体層
を設ける構成とすることもできる。
【0202】
次に本実施の形態の表示装置における端子部の動作について説明する。ここでは、端子部
に信号が入力される場合の動作について説明し、入力信号の電圧の絶対値が一定値以下の
場合と、一定値より大きい場合に分けて説明する。なお、一定値は、例えば機能回路の仕
様などを考慮して適宜設定することができる。
【0203】
容量素子は、入力信号の電圧に応じて容量値が変化する。入力信号の電圧の絶対値が一定
値以下の場合、容量素子の容量は一定値より小さいため、フィルタ回路の入力信号に対す
る出力信号の遅延は小さい。よってフィルタリング効果が小さくなる。なお、容量素子に
印加される電圧の絶対値の一定値、容量の一定値、及び遅延時間の一定値は、半導体装置
の仕様に応じて適宜設定することができる。
【0204】
また、入力信号の電圧の絶対値が一定値より大きい場合、容量素子の端子間に印加される
電圧の絶対値は一定値より大きく、入力信号に応じて容量素子の容量が一定値より大きく
なるため、フィルタ回路の入力信号に対する出力信号の遅延が大きくなる。これにより入
力信号の電圧の絶対値が一定値以下の場合よりノイズに対するフィルタリングの効果が大
きくなる。以上が本実施の形態の半導体装置の動作である。
【0205】
以上のように、電圧の絶対値が一定値以下の信号が入力された場合に容量素子の容量を小
さくし、機能回路に入力される信号の遅延を小さくし、電圧の絶対値が一定値以上の信号
が入力された場合に容量素子の容量を大きくし、機能回路に入力される信号の遅延を大き
くすることにより、実動作の阻害を低減し、例えばノイズが生じた場合には、入力信号の
ノイズによる影響を低減することができる。
【0206】
また、酸化物半導体を用いた半導体素子を有する駆動回路や画素部は、例えば多結晶半導
体を用いた半導体素子を有する機能回路と比較して比較的高い動作電圧を必要とすること
が多いため、入力信号の振幅が高い傾向にある。しかしながら本実施の形態の半導体装置
のように、容量素子を用いたフィルタ回路を、表示装置の駆動回路や画素部と、端子電極
との電気的接続間に設けることにより、酸化物半導体を用いた半導体素子を有する表示装
置であってもノイズによる影響を低減することができる。
【0207】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0208】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置の作製方法について説明する。
【0209】
本実施の形態の表示装置の作製方法の一例として端子部並びに画素及び駆動回路などを構
成する半導体素子部の作製方法について
図20乃至
図22を用いて説明する。
図20乃至
図22は、本実施の形態における表示装置の端子部及び半導体素子部の作製方法の一例を
示す断面図である。なお、
図20乃至
図22に示す表示装置の端子部及び半導体素子部の
作製方法では、一例として半導体素子としてトランジスタを形成する場合について説明す
る。
【0210】
まず
図20(A)に示すように、基板1000を用意し、基板1000上に導電層100
1a及び導電層1001bを形成する。導電層1001a及び導電層1001bは、例え
ば基板1000上に導電膜を形成し、該導電膜を選択的にエッチングすることにより形成
することができる。
【0211】
基板1000としては、例えばガラス基板、石英基板、セラミック基板、またはサファイ
ア基板などを用いることができる。ガラス基板としては、例えば無アルカリガラス基板な
どを用いることができ、無アルカリガラス基板としては、例えばバリウムホウケイ酸ガラ
ス、アルミノホウケイ酸ガラス、またはアルミノシリケートガラスなどを用いた基板が挙
げられる。また、半導体装置作製に用いられる各処理の温度に耐えうるのであれば、基板
100としてプラスチック基板を用いることもできる。また、表面に絶縁処理を施すので
あれば、半導体基板、金属基板、またはステンレス基板などを用いることもできる。
【0212】
導電膜としては、例えばモリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミ
ニウム、銅、ネオジム、またはスカンジウムなどの導電性材料またはこれらを主成分とす
る合金材料を含む導電膜を用いることができる。また導電膜の形成には、例えばスパッタ
法を用いることができる。また、導電層1001a及び導電層1001bは、例えばフォ
トリソグラフィー工程により導電膜上にレジストマスクを形成し、導電膜を選択的にエッ
チングすることにより形成することができる。
【0213】
なお、スパッタ法としては、スパッタ用電源に高周波電源を用いるRFスパッタ法と、D
Cスパッタ法があり、さらにパルス的にバイアスを与えるパルスDCスパッタ法もある。
【0214】
また、材料の異なるターゲットを複数設置できる多元スパッタ装置もある。多元スパッタ
装置は、同一チャンバーで異なる材料膜を積層成膜することも、同一チャンバーで複数種
類の材料を同時に放電させて成膜することもできる。
【0215】
また、チャンバー内部に磁石機構を備えたマグネトロンスパッタ法を用いるスパッタ装置
や、グロー放電を使わずマイクロ波を用いて発生させたプラズマを用いるECRスパッタ
法を用いるスパッタ装置がある。
【0216】
また、スパッタ法を用いる成膜方法として、成膜中にターゲット物質とスパッタガス成分
とを化学反応させてそれらの化合物薄膜を形成するリアクティブスパッタ法や、成膜中に
基板にも電圧をかけるバイアススパッタ法もある。
【0217】
また、エッチングとしては、ドライエッチングまたはウェットエッチングを用いることが
できる。ドライエッチングに用いるエッチング装置としては、反応性イオンエッチング法
(RIE法)を用いたエッチング装置や、ECR(Electron Cyclotro
n Resonance)やICP(Inductively Coupled Pla
sma)などの高密度プラズマ源を用いたドライエッチング装置を用いることができる。
また、ICPエッチング装置と比べて広い面積に渡って一様な放電が得られやすいドライ
エッチング装置としては、上部電極を接地させ、下部電極に13.56MHzの周波数の
電源を接続し、さらに下部電極に3.2MHzの周波数の電源を接続したECCP(En
hanced Capacitively Coupled Plasma)モードのエ
ッチング装置がある。このECCPモードのエッチング装置であれば、例えば基板として
、第10世代の3mを超えるサイズの基板を用いる場合にも対応することができる。
【0218】
また、導電膜としては、上記に挙げた材料を含む導電膜を積層させた積層膜を用いること
もできる。例えば導電膜の一つとしてアルミニウム膜を用いて導電層1001a及び導電
層1001bを形成する場合、アルミニウム膜のみでは耐熱性が低く、腐蝕しやすい等の
問題点があるため、耐熱性導電膜との積層膜を用いて形成することにより、アルミニウム
膜のみの導電膜より耐熱性、耐蝕性などを高めることができるため、好ましい。耐熱性導
電膜の材料としては、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム
、及びスカンジウムから選ばれた元素、上述した元素を成分とする合金、上述した元素を
組み合わせた合金膜、または上述した元素を成分とする窒化物を用いることができる。
【0219】
積層構造の導電膜としては、例えばアルミニウム膜上にモリブデン膜を積層した導電膜、
銅膜上にモリブデン膜を積層した導電膜、銅膜上に窒化チタン膜もしくは窒化タンタル膜
を積層した導電膜、または窒化チタン膜とモリブデン膜とを積層した導電膜などが挙げら
れる。
【0220】
次に
図20(B)に示すように、基板1000、導電層1001a、及び導電層1001
b上に絶縁層1002を形成する。さらに、絶縁層1002を選択的にエッチングするこ
とにより、絶縁層1002に開口部を形成し、導電層1001aの一部を露出させる。
【0221】
絶縁層1002としては、例えばシリコン、アルミニウム、イットリウム、タンタル、及
びハフニウムのいずれかの酸化物、窒化物、酸化窒化物、若しくは窒化酸化物、またはそ
れらの化合物を少なくとも2種以上含む化合物からなる絶縁膜を用いることもできる。
【0222】
次に
図21(A)に示すように、絶縁層1002を挟んで導電層1001bの一部の上に
導電層1003a及び導電層1003bを形成する。導電層1003a及び導電層100
3bは、例えば絶縁層1002上に導電膜を形成し、該導電膜を選択的にエッチングする
ことにより形成することができる。
【0223】
導電層1003a及び導電層1003bの形成に用いることができる導電膜としては、例
えばスパッタ法や真空蒸着法等を用いて、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(
Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)
、Nd(ネオジム)、スカンジウム(Sc)から選ばれた元素を含む金属、上述の元素を
成分とする合金、または、上述の元素を成分とする窒化物等からなる材料で形成すること
ができる。導電層1003a及び導電層1003bは、例えばフォトリソグラフィー工程
により導電膜上に選択的にレジストマスクを形成し、その後導電膜をエッチングすること
により形成することができる。
【0224】
例えば、モリブデン膜やチタン膜の単層膜を導電膜とすることができる。また積層膜を導
電膜とすることもでき、例えば、アルミニウム膜とチタン膜を積層して導電膜とすること
もできる。また、チタン膜と、アルミニウム膜と、チタン膜とを順に積層した3層構造と
してもよい。また、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜とを順に積層した3層
構造としてもよい。また、これらの積層構造に用いるアルミニウム膜として、ネオジムを
含むアルミニウム(Al−Nd)膜を用いてもよい。さらに、シリコンを含むアルミニウ
ム膜を導電膜とすることもできる。
【0225】
また、導電膜として、透光性を有し且つ導電性が高い材料を用いて形成してもよい。この
ような材料として、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:
ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、有機インジウム、有機スズ
、酸化亜鉛(ZnO)等を用いることができる。
【0226】
次に
図21(B)に示すように、絶縁層1002を挟んで導電層1001a上に半導体層
1005aを形成し、導電層1003a及び導電層1003b上、並びに絶縁層1002
を挟んで導電層1001b上に半導体層1005bを形成する。半導体層1005a及び
半導体層1005bは、例えば絶縁層1002上に半導体膜を形成し、半導体膜を選択的
にエッチングすることにより形成することができる。
【0227】
半導体層1005a及び半導体層1005bの形成に用いることができる半導体膜として
は、例えば酸化物半導体膜などを用いることができる。酸化物半導体膜としては、例えば
Sn、In、及びZnのいずれかを含む酸化物半導体膜などが挙げられる。また、酸化物
半導体膜を用いる場合、酸化物半導体膜にアモルファス成分を含むものを用いることもで
きる。また、酸化物半導体膜の中に結晶粒(ナノクリスタル)を含むものを用いることも
できる。このとき、酸化物半導体膜中の結晶粒(ナノクリスタル)は直径1nm〜10n
m、代表的には2nm〜4nm程度である。
【0228】
また、酸化物半導体としては、例えば、InMO
3(ZnO)
m(m>0)で表記される
構造の酸化物半導体を用いることもでき、InMO
3(ZnO)
m(m>0)で表記され
る構造の酸化物半導体の中では、特にIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体を用いるのが
好ましい。なお、Mは、ガリウム(Ga)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(
Mn)及びコバルト(Co)から選ばれた一の金属元素または複数の金属元素を示す。例
えばMとして、Gaの場合があることの他、GaとNiまたはGaとFeなど、Ga以外
の上記金属元素が含まれる場合がある。また、上記酸化物半導体において、Mとして含ま
れる金属元素の他に、不純物元素としてFe、Niその他の遷移金属元素、または該遷移
金属の酸化物が含まれているものがある。
【0229】
なお、In−Ga−Zn−O系非単結晶膜を用いる場合、In−Ga−Zn−O系非単結
晶膜を形成した後、100℃〜600℃、代表的には200℃〜400℃の熱処理を行う
と良い。例えば、大気または窒素雰囲気下で350℃、1時間の熱処理を行うことにより
半導体膜を構成するIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体膜の原子レベルの再配列が行わ
れる。この熱処理(光アニール等も含む)により、酸化物半導体膜中におけるキャリアの
移動を阻害する歪みを低減することができる。なお、上記の熱処理を行うタイミングは、
酸化物半導体膜の形成後であれば特に限定されない。また、本実施の形態の表示装置にお
ける端子部は、平面視において酸化物半導体層が導電層に重なる構造であるため、熱処理
により酸化物半導体層を効率良く加熱することができる。また、本実施の形態の表示装置
における端子部は、例えば上記実施の形態1の
図2に示す半導体装置と同様に、端子部を
酸化物半導体層が導電層と接する構造にすることにより、熱処理により酸化物半導体層を
さらに効率良く加熱することもできる。
【0230】
In−Ga−Zn−O系非単結晶膜は、例えばスパッタ法を用いて成膜した後、200℃
〜500℃、代表的には300〜400℃で10分〜100分の熱処理が行われる。熱処
理後のXRD(X線回折)の分析では、熱処理後においてもIn−Ga−Zn−O系非単
結晶膜の結晶構造としてアモルファス構造が観察される。
【0231】
また、酸化物半導体膜として上記の他にも、In−Sn−Zn−O系、Al−In−Zn
−O系、Ga−Sn−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Al−Sn−Zn−O系、
In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−O系、Sn−O系、Z
n−O系の酸化物半導体膜を用いることができる。
【0232】
なお、半導体層1005a及び半導体層1005bは、例えばフォトリソグラフィー工程
により半導体膜上に選択的にレジストマスクを形成し、その後半導体膜をエッチングする
ことにより形成することができる。
【0233】
次に
図22(A)に示すように、導電層1003a及び導電層1003b並びに半導体層
1005a及び半導体層1005bを挟んで絶縁層1002上に絶縁層1006を形成す
る。好ましくは、導電層1003a及び導電層1003bの上面及び側面、並びに半導体
層1005a及び半導体層1005bの上面及び側面上に絶縁層1006を形成する。
【0234】
絶縁層1006は、例えば端子部において容量素子の誘電体層としての機能を有し、また
、半導体素子部においてトランジスタの保護層としての機能を有することもできる。絶縁
層1006としては、例えば絶縁層1002に適用可能な材料を用いて形成することがで
きる。
【0235】
次に
図22(B)に示すように、絶縁層1002及び絶縁層1006に設けられた開口部
を介して導電層1001aに電気的に接続されるように導電層1007aを形成し、絶縁
層1006に設けられた開口部を介して導電層1003bに電気的に接続されるように導
電層1007bを形成する。導電層1007a及び導電層1007bは、例えば絶縁層1
006上に導電膜を形成し、該導電膜を選択的にエッチングすることにより形成すること
ができる。
【0236】
このとき導電層1007aは、絶縁層1006を挟んで半導体層1005a上に形成する
ことが好ましい。絶縁層1006を挟んで半導体層1005a上に形成することにより半
導体層1005a、絶縁層1006、及び導電層1007aにより容量素子を構成するこ
とができる。
【0237】
導電層1007a及び導電層1007bとしては、例えば酸化タングステンを含むインジ
ウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウ
ム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛
酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電膜などを用
いて形成することができる。
【0238】
なお、導電層1007a及び導電層1007bは、例えばフォトリソグラフィー工程によ
り導電膜上に選択的にレジストマスクを形成し、その後導電膜をエッチングすることによ
り形成することができる。
【0239】
以上の工程により端子部及び半導体素子部を形成することができる。
【0240】
図20乃至
図22に一例として示すように、本実施の形態の表示装置の作製方法により端
子部における容量素子、及び画素部などの半導体素子部の半導体素子を同一工程で形成す
ることができるため、製造工程数の増加を防止することができる。
【0241】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0242】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置の一形態として、発光パネルの外観及
び断面について、
図23を用いて説明する。
図23は、本実施の形態における発光パネル
の構造例を示す図であり、
図23(A)は上面図であり、
図23(B)は、
図23(A)
の線分H−Iにおける断面を示す断面図である。
【0243】
図23に示す発光パネルは、第1の基板6501上に画素部6502、信号線駆動回路6
503a、6503b、及び走査線駆動回路6504a、6504bを有し、画素部65
02、信号線駆動回路6503a、6503b、及び走査線駆動回路6504a、650
4bを囲むようにシール材6505が設けられている。画素部6502、信号線駆動回路
6503a、6503b、及び走査線駆動回路6504a、6504bの上に第2の基板
6506が設けられている。よって画素部6502、信号線駆動回路6503a、650
3b、及び走査線駆動回路6504a、6504bは、第1の基板6501とシール材6
505と第2の基板6506とによって、充填材6507と共に密封されている。このよ
うに外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフ
ィルム、紫外線硬化樹脂フィルムなど)やカバー材でパッケージング(封入)することが
好ましい。
【0244】
また第1の基板6501上に設けられた画素部6502、信号線駆動回路6503a、6
503b、及び走査線駆動回路6504a、6504bは、TFTを複数有しており、図
23(B)では、画素部6502に含まれるTFT6510と、信号線駆動回路6503
aに含まれるTFT6509とを例示している。画素部6502、信号線駆動回路650
3a、6503b、及び走査線駆動回路6504a、6504bのそれぞれが有するTF
Tとしては、例えば上記実施の形態に示すトランジスタのいずれかを適用することができ
る。
図23に示す半導体装置では、トランジスタの一例として
図16(A)に示す構造を
適用し、具体的な説明については
図16(A)の説明を適宜援用する。なお
図23におい
て、TFT6509、6510はN型TFTである。
【0245】
また、
図23に示す発光パネルは、TFTの表面凹凸を低減するため、及びTFTの信頼
性を向上させるため、TFTを保護層や平坦化絶縁膜としての機能を有する絶縁層(絶縁
層6551、絶縁層6552)で覆う構成となっている。
【0246】
ここでは、保護層として積層構造の絶縁層6551を形成する。ここでは、絶縁層655
1の一層目として、スパッタ法を用いて酸化珪素膜を形成する。保護層として酸化珪素膜
を用いると、ソース電極及びドレイン電極として用いるアルミニウム膜のヒロック防止に
効果がある。
【0247】
また、絶縁層6551の二層目として、スパッタ法を用いて窒化珪素膜を形成する。保護
層として窒化珪素膜を用いると、ナトリウムなどの可動イオンが半導体領域中に侵入して
、TFTの電気特性を変化させることを抑制することができる。
【0248】
また、保護層を形成した後に、半導体層のアニール(250℃〜400℃)を行ってもよ
い。
【0249】
また、平坦化絶縁膜として絶縁層6552を形成する。絶縁層6552としては、ポリイ
ミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシなどの、耐熱性を有する有
機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料
)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)などを用
いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶
縁層6552を形成してもよい。
【0250】
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−S
i結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキ
ル基やアリール基)やフルオロ基を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有してい
ても良い。
【0251】
絶縁層6552の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法
、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン
印刷、オフセット印刷など)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナ
イフコーターなどを用いることができる。材料液を用いて絶縁層6552を形成する場合
、ベークする工程で同時に、半導体層のアニール(300℃〜400℃)を行ってもよい
。絶縁層6552の焼成工程と半導体層のアニールを兼ねることで効率よく表示装置を作
製することが可能となる。
【0252】
またTFT6510上に発光素子6511が設けられる。発光素子6511は、TFT6
510のソース電極またはドレイン電極に電気的に接続され、画素電極である第1の電極
6517、電界発光層6512、第2の電極6513の積層構造により構成される。なお
発光素子6511は
図23に示す構造に限定されず、本実施の形態の表示装置では、発光
素子6511の光を取り出す方向などに合わせて、発光素子6511の構造を適宜変える
ことができる。
【0253】
隔壁6520は、第1の電極6517上に設けられる。さらに
図23に示す発光パネルは
、隔壁6520に設けられた開口部を介して第1の電極6517に電気的に接続されるよ
うに電界発光層6512を有し、電界発光層6512上に第2の電極6513を有する。
隔壁6520としては、感光性の材料を用いることが好ましく、側壁が連続した曲率を持
つ傾斜面となるように該感光性材料層の第1の電極6517上に開口部を形成することに
より隔壁6520を形成することが好ましい。
【0254】
電界発光層6512としては、例えば
図15(B)に示す発光素子615を構成する電界
発光層と同じ材料を用いることができる。また、電界発光層6512は、単数の層で構成
されていても、複数の層の積層で構成されていても良い。
【0255】
また、
図23に示す発光パネルにおいて、発光素子6511に酸素、水素、水分、二酸化
炭素などが侵入しないように、第2の電極6513及び隔壁6520上に保護層を形成し
てもよい。保護層としては、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、DLC膜などを用いることが
できる。
【0256】
また、信号線駆動回路6503a、6503b、走査線駆動回路6504a、6504b
、または画素部6502に与えられる各種信号及び電位は、FPC6518a、6518
bから供給されている。
【0257】
また
図23に示す発光パネルでは、接続端子電極6515は、発光素子6511が有する
第1の電極6517と同じ導電膜から形成され、端子電極6516は、TFT6509、
6510が有するゲート電極と同じ導電膜から形成される。
【0258】
また、端子電極6516上に半導体層6550が設けられている。半導体層6550はフ
ィルタ回路を構成する容量素子の電極としての機能を有する。
【0259】
接続端子電極6515は、FPC6518aが有する端子と、異方性導電膜6519を介
して電気的に接続されている。
【0260】
発光素子6511からの光の取り出し方向に位置する基板としては、透光性を有する基板
を用いることが好ましく、透光性を有する基板としては、ガラス板、プラスチック板、ポ
リエステルフィルムまたはアクリルフィルムのような透光性を有する材料を用いることが
できる。
【0261】
また、充填材6507としては、窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化
樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル
、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはE
VA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。
図23に示す表示装置では、
一例として充填材6507として窒素を用いる。
【0262】
また、必要であれば、発光素子6511からの光の射出面に偏光板、または円偏光板(楕
円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィル
ムを適宜設けてもよい。また、偏光板または円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例え
ば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すこ
とができる。
【0263】
信号線駆動回路6503a、6503b、及び走査線駆動回路6504a、6504bは
、
図23に示す構造に限定されず、本実施の形態の表示装置では、別途用意された基板上
に単結晶半導体膜または多結晶半導体膜を用いて半導体素子が形成された駆動回路を実装
した構成としてもよい。また、信号線駆動回路6503a、6503bのみ、若しくは信
号線駆動回路6503a、6503bの一部、または走査線駆動回路6504a、650
4bのみ、若しくは走査線駆動回路6504a、6504bの一部を別途形成して実装し
ても良い。
【0264】
以上の工程により、信頼性の高い発光パネルを作製することができる。
【0265】
次に本実施の形態における表示装置の一形態として、液晶パネルの外観及び断面について
、
図24を用いて説明する。
図24は本実施の形態における液晶パネルの構造例を示す図
であり、
図24(A1)(A2)は上面図であり、
図24(B)は、
図24(A1)(A
2)のM−Nにおける断面図である。
【0266】
図24に示す液晶パネルは、第1の基板6001上に画素部6002と、信号線駆動回路
6003と、走査線駆動回路6004と、を有し、画素部6002、信号線駆動回路60
03、及び走査線駆動回路6004を囲むようにして、シール材6000及びシール材6
005が設けられている。また、画素部6002及び走査線駆動回路6004上に第2の
基板6006が設けられ、画素部6002と、走査線駆動回路6004とは、第1の基板
6001とシール材6000とシール材6005と第2の基板6006とによって、液晶
層6008と共に封止されている。TFT6010、6011、及び液晶素子6013を
有し、第1の基板6001上にTFT6010、6011、及び液晶素子6013が第1
の基板6001と第2の基板6006との間にシール材6000及びシール材6005に
よって封止されている。また、第1の基板6001上のシール材6000及びシール材6
005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に信号線駆動
回路6003が実装されている。
【0267】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG方法、
ワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いることができる。
図24(A1)
は、COG方法により信号線駆動回路6003を実装する例であり、
図24(A2)は、
TAB方法により信号線駆動回路6003を実装する例である。
【0268】
また第1の基板6001上に設けられた画素部6002と、走査線駆動回路6004は、
TFTを複数有しており、
図24(B)では、画素部6002に含まれるTFT6010
と、走査線駆動回路6004に含まれるTFT6011とを例示している。
【0269】
TFT6010、6011としては、上記実施の形態に示す構造のTFTのいずれかを適
用することができる。
図24に示す液晶パネルでは、TFTの一例として
図16(A)に
示す構造のTFTを適用する。また
図24に示す液晶パネルにおいて、TFT6010、
6011はN型TFTとして説明する。
【0270】
また、液晶素子6013が有する画素電極6030は、TFT6010のソース電極また
はドレイン電極に電気的に接続されている。そして液晶素子6013の対向電極6031
は第2の基板6006上に形成されている。画素電極6030と対向電極6031と液晶
層6008とが重なっている部分が、液晶素子6013に相当する。なお、画素電極60
30、対向電極6031はそれぞれ配向膜としての機能を有する絶縁層6032、603
3が設けられ、絶縁層6032、6033を介して液晶層6008を挟持している。
【0271】
またスペーサ6035は、絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状の隔壁で
あり、画素電極6030と対向電極6031との間の距離(セルギャップ)を制御するた
めに設けられている。なお球状のスペーサを用いても良い。また、対向電極6031は、
TFT6010と同一基板上に設けられる共通電位線と電気的に接続される。共通接続部
を用いて、一対の基板間に配置される導電性粒子を介して対向電極6031と共通電位線
とを電気的に接続することができる。なお、導電性粒子はシール材6005に含有させる
。
【0272】
なお
図24に示す液晶パネルは、透過型液晶表示パネルの例であるが、これに限定されず
、本実施の形態の液晶表示パネルは、反射型液晶表示パネルまたは半透過型液晶表示パネ
ルとすることもできる。
【0273】
また、本実施の形態の液晶表示パネルは、基板の外側(視認側)に偏光板を設け、内側に
着色層、表示素子に用いる電極という順に設ける構成、または基板の内側に偏光板を設け
る構成にすることができる。また、偏光板と着色層の積層構造も偏光板及び着色層の材料
や作製工程条件によって適宜設定すればよい。また、ブラックマトリクスとしての機能を
有する遮光膜を設けてもよい。
【0274】
また、
図24に示す液晶表示パネルは、TFTの表面凹凸を低減するため、及びTFTの
信頼性を向上させるため、TFTを保護層や平坦化絶縁膜としての機能を有する絶縁層(
絶縁層6020、絶縁層6021)で覆う構成となっている。
【0275】
ここでは、保護層として積層構造の絶縁層6020を形成する。ここでは、絶縁層602
0の一層目として、スパッタ法を用いて酸化珪素膜を形成する。保護層として酸化珪素膜
を用いると、ソース電極及びドレイン電極として用いるアルミニウム膜のヒロック防止に
効果がある。
【0276】
さらに、絶縁層6020の二層目として、スパッタ法を用いて窒化珪素膜を形成する。保
護層として窒化珪素膜を用いると、ナトリウムなどの可動イオンが半導体領域中に侵入し
て、TFTの電気特性を変化させることを抑制することができる。
【0277】
また、保護層を形成した後に、半導体層のアニール(250℃〜400℃)を行ってもよ
い。
【0278】
また、平坦化絶縁膜として絶縁層6021を形成する。絶縁層6021としては、ポリイ
ミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシなどの、耐熱性を有する有
機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料
)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)などを用
いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶
縁層6021を形成してもよい。
【0279】
絶縁層6021の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法
、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン
印刷、オフセット印刷など)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナ
イフコーターなどを用いることができる。絶縁層6021を材料液を用いて形成する場合
、ベークする工程で同時に、半導体層のアニール(300℃〜400℃)を行ってもよい
。絶縁層6021の焼成工程と半導体層のアニールを兼ねることで効率よく表示装置を作
製することが可能となる。
【0280】
画素電極6030及び対向電極6031としては、例えば酸化タングステンを含むインジ
ウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウ
ム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛
酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用
いることができる。
【0281】
また、画素電極6030、対向電極6031は、導電性高分子(導電性ポリマーともいう
)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した画
素電極は、シート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率が70%
以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.
1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0282】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子が用いることができる。例え
ば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンま
たはその誘導体、もしくはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
【0283】
また別途形成された信号線駆動回路6003、走査線駆動回路6004または画素部60
02に与えられる各種信号及び電位は、FPC6018から供給されている。
【0284】
また、接続端子電極6015は、液晶素子6013が有する画素電極6030と同じ導電
膜から形成され、端子電極6016は、TFT6010、6011のゲート電極と同じ導
電膜で形成されている。
【0285】
また、端子電極6016上に半導体層6050が設けられている。半導体層6050はフ
ィルタ回路を構成する容量素子の電極としての機能を有する。
【0286】
接続端子電極6015は、FPC6018が有する端子と、異方性導電膜6019を介し
て電気的に接続されている。
【0287】
また
図24に示す液晶パネルは、信号線駆動回路6003を別途形成し、信号線駆動回路
6003を第1の基板6001に実装している構成であるが、これに限定されず、本実施
の形態の液晶パネルは、走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回
路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
【0288】
図24に一例として挙げたように、本発明の一態様である半導体装置を適用した液晶パネ
ルを作製することができる。
【0289】
さらに上記液晶パネルを用いた液晶表示モジュールの一例について
図25を用いて説明す
る。
図25は本実施の形態の液晶表示モジュールの一例を示す図である。
【0290】
図25に示す液晶表示モジュールは、TFT基板2600と対向基板2601がシール材
2602により固着され、その間にTFT等を含む画素部2603、液晶層を含む表示素
子2604、着色層2605が設けられることにより表示領域が形成されている構造であ
る。着色層2605はカラー表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合は、赤、緑
、青の各色に対応した着色層が各画素に対応して設けられている。また、TFT基板26
00と対向基板2601の外側には偏光板2606、偏光板2607、拡散板2613が
配設されている。また、光源は冷陰極管2610と反射板2611により構成され、回路
基板2612は、フレキシブル配線基板2609によりTFT基板2600の配線回路部
2608と接続され、また、回路基板2612には、コントロール回路や電源回路などの
外部回路が組みこまれている。また偏光板と、液晶層との間に位相差板を有した状態で積
層してもよい。
【0291】
以上のように、本実施の形態の液晶パネルを用いて液晶表示モジュールを構成することが
できる。
【0292】
なお、本実施の形態の表示装置は、FPCとの接続部に酸化物半導体層を有する容量素子
を備えたフィルタ回路を有する構成であるため、例えば映像信号にノイズが生じた場合で
あってもノイズによる影響を低減することができる。また、本実施の形態の表示装置では
、基板として例えばガラス基板、またはプラスチック基板などを用いた場合であっても基
板に帯電した電荷の影響を低減することができ、また例えば第10世代の3mを超えるサ
イズの基板を用いる場合にも同様である。
【0293】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と、適宜組み合わせることができる。
【0294】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置の一例として電子ペーパについて説明
する。
【0295】
本発明の一態様である半導体装置は、電子ペーパに用いることもできる。電子ペーパは、
電気泳動表示装置(電気泳動ディスプレイともいう)とも呼ばれており、紙と同じ読みや
すさ、他の表示装置に比べ低消費電力、薄くて軽い形状とすることが可能という利点を有
している。
【0296】
電気泳動ディスプレイは、様々な形態が考えられ得るが、プラスの電荷を有する第1の粒
子と、マイナスの電荷を有する第2の粒子とを含むマイクロカプセルが溶媒または溶質に
複数分散されたものであり、マイクロカプセルに電界を印加することによって、マイクロ
カプセル中の粒子を互いに反対方向に移動させて一方側に集合した粒子の色のみを表示す
るものである。なお、第1の粒子または第2の粒子は染料を含み、電界がない場合におい
て移動しないものである。また、第1の粒子の色と第2の粒子の色は異なるもの(無色を
含む)とする。
【0297】
このように、電気泳動ディスプレイは、誘電定数の高い物質が高い電界領域に移動する、
いわゆる誘電泳動効果を利用したディスプレイである。電気泳動ディスプレイは、液晶表
示装置には必要な偏光板、対向基板も必要なく、厚さや重さが半減する。
【0298】
上記マイクロカプセルを溶媒中に分散させたものが電子インクと呼ばれるものであり、こ
の電子インクはガラス、プラスチック、布、紙などの表面に印刷することができる。また
、カラーフィルタや色素を有する粒子を用いることによってカラー表示も可能である。
【0299】
また、アクティブマトリクス基板上に適宜、二つの電極の間に挟まれるように上記マイク
ロカプセルを複数配置すればアクティブマトリクス型の表示装置が完成し、マイクロカプ
セルに電界を印加すれば表示を行うことができる。
【0300】
なお、マイクロカプセル中の第1の粒子および第2の粒子は、導電体材料、絶縁体材料、
半導体材料、磁性材料、液晶材料、強誘電性材料、エレクトロルミネセント材料、エレク
トロクロミック材料、磁気泳動材料から選ばれた一種の材料、またはこれらの複合材料を
用いればよい。
【0301】
次に本実施の形態における電子ペーパの構造について
図26を用いて説明する。
図26は
本実施の形態における電子ペーパの構造の一例を示す断面図である。
【0302】
図26に示す電子ペーパは、基板580上にTFT581と、TFT581上に積層して
設けられた絶縁層582、絶縁層583、及び絶縁層584と、絶縁層582乃至絶縁層
584に設けられた開口部を介してTFT581のソース電極またはドレイン電極に接す
る電極587と、電極588と、電極587と基板596に設けられた電極588との間
に黒色領域590a及び白色領域590bと、周りに液体で満たされているキャビティ5
94を含む球形粒子589と、球形粒子589の周りに設けられた充填剤595と、を有
する。
【0303】
TFT581としては、本発明の一態様である半導体装置を用いることができる。
図26
に示す電子ペーパでは、一例として
図1(A)に示す構造の半導体装置を適用する。
【0304】
球形粒子589を用いた方式はツイストボール表示方式といい、ツイストボール表示方式
とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を表示素子に用いる電極である第1の電極及び第
2の電極の間に配置し、第1の電極及び第2の電極に電位差を生じさせて球形粒子の向き
を制御することにより、表示を行う方式である。
【0305】
また、球形素子の代わりに電気泳動素子を用いることも可能である。透明な液体と、正に
帯電した白い微粒子と負に帯電した黒い微粒子とを封入した直径10μm〜200μm程
度のマイクロカプセルを用いる。第1の電極と第2の電極との間に設けられるマイクロカ
プセルは、第1の電極と第2の電極によって、電場が与えられると、白い微粒子と、黒い
微粒子が逆の方向に移動し、白または黒を表示することができる。この原理を応用した表
示素子が電気泳動表示素子である。電気泳動表示素子は、液晶表示素子に比べて反射率が
高いため、補助ライトは不要であり、また消費電力が小さく、薄暗い場所でも表示部を認
識することが可能である。また、表示部に電源が供給されない場合であっても、一度表示
した像を保持することが可能であるため、電波発信源から表示機能付き半導体装置(単に
表示装置、または表示装置を具備する半導体装置ともいう)を遠ざけた場合であっても、
表示された像を保存しておくことが可能となる。
【0306】
図26に一例として挙げたように、本実施の形態における電子ペーパは、上記実施の形態
に示す端子部と同様に酸化物半導体層と、配線または電極を形成する導電層と、酸化物半
導体層と導電層との間に設けられた絶縁層により形成された容量素子を有する構成とする
ことができる。この容量素子は保護回路の一部としての機能を有する。また、この容量素
子は、ノイズによる影響を低減するためのフィルタ回路の一部としての機能を有するため
、電子ペーパに用いた場合も同様に実動作の阻害を低減し、ノイズによる影響を低減する
ことができる。
【0307】
または上記電子ペーパは、情報を表示するものであればあらゆる分野の電子機器に用いる
ことが可能である。例えば、電子ペーパを用いて、電子書籍(電子ブック)、ポスター、
電車などの乗り物の車内広告、クレジットカードなどの各種カードにおける表示などに適
用することができる。電子機器の一例を
図27に示す。
図27は、本実施の形態の電子書
籍の一例を示す図である。
【0308】
図27に示すように、電子書籍2700は、筐体2701および筐体2703の2つの筐
体で構成されている。筐体2701および筐体2703は、軸部2711により一体とさ
れており、該軸部2711を軸として開閉動作を行うことができる。このような構成によ
り、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0309】
筐体2701には表示部2705が組み込まれ、筐体2703には表示部2707が組み
込まれている。表示部2705および表示部2707は、互いに異なる映像を表示する構
成としてもよく、例えば一続きの映像を表示する構成としてもよい。また、互いに異なる
画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(
図27では表示部2705)に
文章を表示し、左側の表示部(
図27では表示部2707)に画像を表示することができ
る。
【0310】
また、
図27では、筐体2701に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐体2
701において、電源2721、操作キー2723、スピーカ2725などを備えている
。操作キー2723により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキー
ボードやポインティングディバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や
側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、またはACアダプタおよびUSB
ケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成
としてもよい。さらに、電子書籍2700は、電子辞書としての機能を持たせた構成とし
てもよい。
【0311】
また、電子書籍2700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、
電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすること
も可能である。
【0312】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0313】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置を表示部に備えた電子機器について説
明する。
【0314】
本実施の形態の電子機器の構成の一例について
図28乃至
図30を用いて説明する。
図2
8乃至
図30は、本実施の形態の電子機器の構成の一例を示す図である。
【0315】
本発明の一態様である表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用すること
ができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン
受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメ
ラ等のカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう
)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機など
が挙げられる。
【0316】
図28(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置9600は、
筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映像を表示
することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601を支持し
た構成を示している。
【0317】
テレビジョン装置9600の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモ
コン操作機9610により行うことができる。リモコン操作機9610が備える操作キー
9609により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9603に表示され
る映像を操作することができる。また、リモコン操作機9610に、当該リモコン操作機
9610から出力する情報を表示する表示部9607を設ける構成としてもよい。上記実
施の形態の表示装置を表示部9603に適用することにより、例えば筐体9601が透光
性を有するものであってもよい。
【0318】
なお、テレビジョン装置9600は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機に
より一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線に
よる通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向
(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0319】
図28(B)は、デジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、デジタルフォト
フレーム9700は、筐体9701に表示部9703が組み込まれている。表示部970
3は、各種画像を表示することが可能であり、例えばデジタルカメラなどで撮影した画像
データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0320】
なお、デジタルフォトフレーム9700は、操作部、外部接続用端子(USB端子、US
Bケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構
成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に
備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒
体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像デー
タを取り込み、取り込んだ画像データを表示部9703に表示させることができる。
【0321】
また、デジタルフォトフレーム9700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい
。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0322】
図29(A)は携帯型遊技機であり、筐体9881と筐体9891の2つの筐体で構成さ
れており、連結部9893により、開閉可能に連結されている。筐体9881には表示部
9882が組み込まれ、筐体9891には表示部9883が組み込まれている。また、図
29(A)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部9884、記録媒体挿入部988
6、LEDランプ9890、入力手段(操作キー9885、接続端子9887、センサ9
888(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、
化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振
動、におい、または赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9889)など
を備えている。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも表
示装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることがで
きる。
図29(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラムまたは
データを読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報
を共有する機能を有する。なお、
図29(A)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに
限定されず、様々な機能を有することができる。
【0323】
図29(B)は大型遊技機であるスロットマシンの一例を示している。スロットマシン9
900は、筐体9901に表示部9903が組み込まれている。また、スロットマシン9
900は、その他、スタートレバーやストップスイッチなどの操作手段、コイン投入口、
スピーカなどを備えている。もちろん、スロットマシン9900の構成は上述のものに限
定されず、少なくとも本発明に係る表示装置を備えた構成であればよく、その他付属設備
が適宜設けられた構成とすることができる。
【0324】
図30(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機9000は、筐体9001
に組み込まれた表示部9002の他、操作ボタン9003、外部接続ポート9004、ス
ピーカ9005、マイク9006などを備えている。
【0325】
図30(A)に示す携帯電話機9000は、表示部9002を指などで触れることで、情
報を入力ことができる。また、電話を掛ける、或いはメールを作成するなどの操作は、表
示部9002を指などで触れることにより行うことができる。
【0326】
表示部9002の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表
示モードであり、第2は、文字などの情報の入力を主とする入力モードである。第3は表
示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
【0327】
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部9002を文字の入力を
主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合
、表示部9002の画面のほとんどにキーボードまたは番号ボタンを表示させることが好
ましい。
【0328】
また、携帯電話機9000内部に、ジャイロ、加速度センサなどの傾きを検出するセンサ
を有する検出装置を設けることで、携帯電話機9000の向き(縦か横か)を判断して、
表示部9002の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
【0329】
また、画面モードの切り替えは、表示部9002を触れること、または筐体9001の操
作ボタン9003の操作により行われる。また、表示部9002に表示される画像の種類
によって切り替えるようにすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画
のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える。
【0330】
また、入力モードにおいて、表示部9002の光センサで検出される信号を検知し、表示
部9002のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モード
から表示モードに切り替えるように制御してもよい。
【0331】
表示部9002は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部90
02に掌や指を触れることで、掌紋、指紋などを撮像することで、本人認証を行うことが
できる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライトまたは近赤外光を発光するセン
シング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
【0332】
図30(B)も携帯電話機の一例である。
図30(B)の携帯電話機は、筐体9411に
、表示部9412、及び操作ボタン9413を含む表示装置9410と、筐体9401に
操作ボタン9402、外部入力端子9403、マイク9404、スピーカ9405、及び
着信時に発光する発光部9406を含む通信装置9400とを有しており、表示機能を有
する表示装置9410は電話機能を有する通信装置9400と矢印の2方向に脱着可能で
ある。よって、表示装置9410と通信装置9400の短軸同士を取り付けることも、表
示装置9410と通信装置9400の長軸同士を取り付けることもできる。また、表示機
能のみを必要とする場合、通信装置9400より表示装置9410を取り外し、表示装置
9410を単独で用いることもできる。通信装置9400と表示装置9410とは無線通
信または有線通信により画像または入力情報を授受することができ、通信装置9400と
表示装置9410とは、それぞれ充電可能なバッテリーを有する。
【0333】
上記に一例として挙げたように、本発明の一態様である表示装置は、様々な電子機器に適
用することができる。また、本発明の一態様である表示装置を搭載することにより電子機
器の信頼性を向上させることができる。
【0334】
また、本発明の一態様である表示装置を表示部に適用することにより、例えば筐体を透光
性を有する構成にした場合であっても透光性の低下を抑制することができ、また、筐体を
透光性を有する構成にした場合であっても平面視において導電層と酸化物半導体層とが重
なる場合には光の入射による酸化物半導体層の劣化を抑制することができる。
【0335】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。