特許第6239723号(P6239723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6239723
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】耳清掃具
(51)【国際特許分類】
   A47K 7/00 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   A47K7/00 105
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-232200(P2016-232200)
(22)【出願日】2016年11月30日
【審査請求日】2016年12月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】302045602
【氏名又は名称】株式会社レーベン販売
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高部 篤
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−014794(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3115363(JP,U)
【文献】 特開2006−167395(JP,A)
【文献】 特開2011−115346(JP,A)
【文献】 実開平02−124095(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳を清掃するための清掃部を有する耳清掃具であって、
ベース部と、
前記ベース部の少なくとも一部に複数の繊維が静電植毛されて形成される植毛層と、を含み、
前記清掃部は、前記ベース部及び前記植毛層により構成され、
前記清掃部は、外収容部を含み、
前記ベース部は、外周面が凹下して形成される凹部を含み、
前記外収容部は、前記凹部及び前記凹部における前記植毛層により構成され、
前記凹部における前記植毛層は、前記ベース部の外周面における前記植毛層より植毛密度が低い
ことを特徴とする耳清掃具。
【請求項2】
請求項1に記載の耳清掃具であって、
前記清掃部は、掃出部を含み、
前記掃出部は、前記ベース部の外周面における前記植毛層により構成される
ことを特徴とする耳清掃具。
【請求項3】
耳を清掃するための清掃部を有する耳清掃具であって、
ベース部と、
前記ベース部の少なくとも一部に複数の繊維が静電植毛されて形成される植毛層と、を含み、
前記清掃部は、前記ベース部及び前記植毛層により構成され、
前記清掃部は、複数の外収容部を含み、
前記ベース部は、長手方向に伸びる複数のリブが設けられ、隣り合う前記リブの間に長手方向に伸びる溝部が形成され、
複数の前記外収容部は、複数の前記溝部及び前記溝部における前記植毛層により構成され、
前記溝部における前記植毛層は、前記リブにおける前記植毛層より植毛密度が低い
ことを特徴とする耳清掃具。
【請求項4】
耳を清掃するための清掃部を有する耳清掃具であって、
ベース部と、
前記ベース部の少なくとも一部に複数の繊維が静電植毛されて形成される植毛層と、を含み、
前記清掃部は、前記ベース部及び前記植毛層により構成され、
前記清掃部は、複数の外収容部を含み、
前記ベース部は、長手方向に伸びる複数のリブが設けられ、隣り合う前記リブの間に長手方向に伸びる溝部が形成され、
複数の前記外収容部は、植毛されていない複数の前記溝部により構成される
ことを特徴とする耳清掃具。
【請求項5】
耳を清掃するための清掃部を有する耳清掃具であって、
ベース部と、
前記ベース部の少なくとも一部に複数の繊維が静電植毛されて形成される植毛層と、を含み、
前記清掃部は、前記ベース部及び前記植毛層により構成され、
前記清掃部は、内収容部を含み、
前記ベース部は、穴部を含み、
前記内収容部は、前記ベース部の前記穴部及び前記穴部における前記植毛層により構成され、
前記穴部における前記植毛層は、外周面における前記植毛層より植毛密度が低い
ことを特徴とする耳清掃具。
【請求項6】
耳を清掃するための清掃部を有する耳清掃具であって、
ベース部と、
前記ベース部の少なくとも一部に複数の繊維が静電植毛されて形成される植毛層と、を含み、
前記清掃部は、前記ベース部及び前記植毛層により構成され、
前記清掃部は、内収容部を含み、
前記ベース部は、穴部を含み、
前記内収容部は、植毛されていない前記穴部により構成される
ことを特徴とする耳清掃具。
【請求項7】
耳を清掃するための清掃部を有する耳清掃具であって、
ベース部と、
前記ベース部の少なくとも一部に複数の繊維が静電植毛されて形成される植毛層と、を含み、
前記清掃部は、前記ベース部及び前記植毛層により構成され、
前記耳清掃具の先端の前記ベース部における前記植毛層は、長さが異なる2種類以上の繊維が混在して静電植毛されて形成される
ことを特徴とする耳清掃具。
【請求項8】
耳を清掃するための清掃部を有する耳清掃具であって、
ベース部と、
前記ベース部の少なくとも一部に複数の繊維が静電植毛されて形成される植毛層と、を含み、
前記清掃部は、前記ベース部及び前記植毛層により構成され、
前記耳清掃具は、さらに、前記ベース部を支持する支持部を含み、
前記支持部には、植毛領域を区画するための段差部が設けられる
ことを特徴とする耳清掃具。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の耳清掃具であって、
前記耳清掃具は、さらに、柄部を含む
ことを特徴とする耳清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耳清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、耳垢を清掃するために綿棒や耳かきが用いられており、例えば、「耳垢を掻く部分が、細長のスプーン型形状である」耳掻きが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−175195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、綿棒は、ウエットタイプの耳垢には好適であるものの、粉状の乾燥した耳垢の清掃には向いていない。一方、上記スプーン状の耳掻きは、「耳掻き部分及び全体が折れたり曲ったりしない硬い材質の、竹、プラスチック、金属、木材、ガラス、カーボンを使用する」ため、外耳道等を傷つけやすい。
【0005】
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決するためのもので、耳垢清掃効果を向上させる耳清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願に係る耳清掃具は、耳を清掃するための清掃部を有する耳清掃具であって、ベース部と、前記ベース部の少なくとも一部に複数の繊維が植毛されて形成される植毛層と、を含み、前記清掃部は、前記ベース部及び前記植毛層により構成される。
【0007】
また、前記ベース部は、略球体状、略楕円球体状、又は長手方向に直交する断面が楕円形状である板状であってもよい。
【0008】
また、前記清掃部は、掃出部を含み、前記掃出部は、前記ベース部の外周面における前記植毛層により構成されてもよい。
【0009】
また、前記清掃部は、外収容部を含み、前記ベース部は、外周面が凹下して形成される凹部を含み、前記外収容部は、前記凹部及び前記凹部における前記植毛層により構成されてもよい。
【0010】
また、前記凹部における前記植毛層は、外周面における前記植毛層より植毛密度が低いものであってよい。
【0011】
また、前記清掃部は、外収容部を含み、前記ベース部は、外周面が凹下して形成される凹部を含み、前記外収容部は、植毛されていない前記凹部により構成されてもよい。
【0012】
また、前記清掃部は、複数の外収容部を含み、前記ベース部は、長手方向に伸びる複数のリブが設けられ、隣り合う前記リブの間に長手方向に伸びる溝部が形成され、複数の前記外収容部は、複数の前記溝部及び前記溝部における前記植毛層により構成されてもよい。
【0013】
また、前記溝部における前記植毛層は、前記リブにおける前記植毛層より植毛密度が低いものであってもよい。
【0014】
また、前記清掃部は、複数の外収容部を含み、前記ベース部は、長手方向に伸びる複数のリブが設けられ、隣り合う前記リブの間に長手方向に伸びる溝部が形成され、複数の前記外収容部は、植毛されていない複数の前記溝部により構成されてもよい。
【0015】
また、前記清掃部は、内収容部を含み、前記ベース部は、穴部を含み、前記内収容部は、前記ベース部の前記穴部及び前記穴部における前記植毛層により構成されてもよい。
【0016】
また、前記穴部における前記植毛層は、外周面における前記植毛層より植毛密度が低いものであってもよい。
【0017】
また、前記清掃部は、内収容部を含み、前記ベース部は、穴部を含み、前記内収容部は、植毛されていない前記穴部により構成されてもよい。
【0018】
また、前記植毛層は、長さが異なる2種類以上の繊維が植毛されて形成されてもよい。
【0019】
また、前記耳清掃具は、さらに、前記ベース部を支持する支持部を含み、前記支持部には、植毛領域を区画するための段差部が設けられてもよい。
【0020】
また、前記耳清掃具は、さらに、柄部を含んでもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、耳垢清掃効果を向上させる耳清掃具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態1に係る耳清掃具を示す図である。
図2】実施形態1に係る耳清掃具の製造方法を示す図である。
図3】実施形態1の変形例1に係る耳清掃具を示す図である。
図4】実施形態2に係る耳清掃具を示す図である。
図5】実施形態3に係る耳清掃具を示す図である。
図6】実施形態4に係る耳清掃具を示す図である。
図7】実施形態4に係る耳清掃具を示す図で、図6におけるAA線断面図ある。
図8】実施形態5に係る耳清掃具を示す図である。
図9】実施形態6に係る耳清掃具の一例を示す図である。
図10】実施形態6に係る耳清掃具の一例を示すで、図10におけるAA線断面図ある。
図11】実施形態6に係る耳清掃具の他の一例を示す図である。
図12】実施形態7に係る耳清掃具を示す図である。
図13】実施形態7に係る耳清掃具を示す図で、図12におけるAA線断面図ある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本願に係る耳清掃具の実施形態の例を説明する。
【0024】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る耳清掃具1の構成を説明するための図で、図2(a)及び図2(b)は耳清掃具1の製造方法を説明するための図である。
【0025】
耳清掃具1は、ベース部2と、支持部3と、植毛層5とを含む。直接耳に接触して耳垢を清掃するための清掃部10は、ベース部2及び植毛層5により構成される。
【0026】
耳清掃具1は、さらに、柄部4を含んで、ベース部2が、図示のように支持部3を介して柄部4に接続されてもよい。
【0027】
ベース部2は、例えば、図示のように略球体状に形成される。一例として、ベース部2の最大幅(直径)は、1mm〜6mmであり、より好ましくは、2mm〜4mmである。
【0028】
支持部3は、一例として、図示のように略棒状に形成され、長手方向の一端にベース部2が配置され、他端が柄部4と接続される。支持部3は、柄部4と係合するための支持部側係合部31を有し、ここでは、図示のように、支持部側係合部31は、他端端部付近の外周面を一周する溝状に形成される。
【0029】
柄部4は、一例として、図示のように略円柱体状に形成され、その中心部に支持部3を挿入するための挿入部41が設けられる。挿入部41は、柄部4の全長を貫通する貫通孔として設けられてもよいし、図示のように全長の一部に挿入孔が開けられてもよい。挿入部41は、支持部側係合部31に対応した位置に柄部側係合部42が設けられる。柄部側係合部42は、例えば、図示のように、挿入部41の壁面から内側に突出する凸部として形成される。なお、柄部4は、清掃部10を機能させるものであればよく、その形態は特に限定されるものではない。
【0030】
植毛層5は、複数の短い繊維(パイル)がベース部2に植毛されて形成される層である。後述のように、ここでは、静電植毛法が用いられる。繊維の糸の太さは、8ミクロン〜30ミクロン程度であり、より好ましくは、10ミクロン〜20ミクロン程度である。また、繊維の糸の長さは、2mm〜6mm程度であり、より好ましくは、3.5mm〜4.5mmであり、4mm程度が最適である。
【0031】
一例として、耳清掃具1の製造は、造形工程と、静電植毛工程と、組立工程を含む。造形工程では、ベース部2と支持部3と柄部4とが形作られる。一例として、樹脂素材を用いて射出成型等で形作ることができる。
【0032】
静電植毛工程では、図2(a)に示すように、静電植毛法を用いてベース部2に植毛層5を被着させる。より具体的には、例えば、植毛対象部位であるベース部2以外はマスキングしてスプレーガン等で接着剤を塗布し、3万ボルト〜8万ボルトの高い電圧をかけて静電気の力を利用して繊維をベース部2に植え付けた後、余分な繊維を除去する。繊維には、例えば、ナイロン製のもの、レーヨン、ポリエステル等が用いられる。
【0033】
組立工程では、図2(b)に示すように、支持部3を柄部4の挿入部に挿入し、支持部側係合部31と柄部側係合部42とを係合させ(嵌め込んで)、固定させて、耳清掃具を組み立てる。柄部側係合部42は、熱を加えて突起状に形成してもよいし、後から別材を埋め込んで形成してもよい。なお、以上では、支持部側係合部31が溝状で、柄部側係合部42が凸部であるものとして説明したが、その逆でもよいことは言うまでもない。また、支持部3と挿入部41との嵌合力を高めて、支持部側係合部31を省く構成としてもよい。さらには、接着や熱溶着等の方法を用いてもよい。
【0034】
本実施形態では、直接耳に接触して耳垢を清掃するための清掃部10は、ベース部2及び植毛層5により構成される。なお、ここでは、清掃部10は、主に、ベース部2の外周面における植毛層を用いて外耳道内の耳垢を掃き出すことで、耳垢を清掃する。言い換えれば、ここでは、ベース部2の外周面における植毛層が耳垢を掃き出す掃出部を構成する。
【0035】
耳清掃具1は、耳垢を掃き出すように清掃するため、粉状の乾燥した耳垢の清掃に向いている。また、外耳道に直接に接触する部分には、植毛層が被着されているため、外耳道を傷つけることなく、快適に作業をすることができる。
【0036】
<実施形態1の変形例1>
図3は、実施形態1の変形例1に係る耳清掃具1aを説明するための図である。耳清掃具1aは、ベース部2a、支持部3a及び柄部4a、植毛層5aが実施形態1に係る耳清掃具1と異なる。以下では、上記実施例と同様な構成については、説明を省略する。
【0037】
図示のように、ベース部2aは、略楕円球体状に形成される。これにより、より広範囲に外耳道と接触することができ、効果的に作業を行うことができる。
【0038】
支持部3aは、図示のように、さらに、支持部側係合部31に凹部32aが設けられる。対応して、柄部4aには、図示のように、さらに、外周面が凹下して形成される凹部43aが設けられる。これによって、支持部3aと柄部4aとを係合させる際に、さらに、凹部32aと凹部43aとを嵌合させることで、ベース部2aが柄部4aに対して回転することを抑制できる。
【0039】
支持部3aには、植毛領域を区画するための段差部33aが設けられる。段差部33aを設けることにより、植毛工程において、マスキングテープを巻きやすくする等マスキング作業がしやすくなる。段差部33aは、支持部3aの本体との間で段差が形成する形状とし、一例として、ベース部2aから支持部3aに移行する形状とすることができる。例えば、図示のように段差部33aはその最大幅が、ベース部2aよりは小さく、支持部3aよりは大きく形成することができる。なお、図示の段差部33aにも植毛層が形成されているが、その一部又は全部に植毛層が形成されていなくてもよい。
【0040】
植毛層5aは、長さが異なる2種類の繊維51a、52aが植毛されて形成される。長さが異なる2種類の繊維を用いることで、植毛層をバランスよく形成ことができる。また、繊維51a、52aは、長さに応じて太さも適宜調整してもよい。効率よく確実に植毛するために、長い繊維は太くする必要があるが、太くすると柔らかさも低減するので、異なる長さ・太さの2種類の繊維を用いることで、柔らかさのバランスも調整することができる。なお、3種類以上の長さが異なる繊維を用いてもよい。
【0041】
また、植毛層5aには、同じ長さの2種類の異なる素材の繊維を用いてもよい。同じ長さでも素材によって感触が異なるため、2種類の素材を用いてそのバランスを調整することができる。
【0042】
<実施形態2>
図4は、実施形態2に係る耳清掃具1bを説明するための図である。耳清掃具1bは、ベース部2b及び植毛層5bが実施形態1に係る耳清掃具1と異なる。以下では、上記実施例と同様な構成については、説明を省略する。
【0043】
ベース部2bは、図示のように、長手方向に直交する断面が略楕円形状である板状に形成される。一例として、ベース部2bの最大幅mは、2.5mm〜4mmであり、より好ましくは、3mm〜3.5mmである。また、一例として、ベース部2bの長手方向の長さnは、5mm〜15mmであり、より好ましくは、6mm〜10mmである。
【0044】
植毛層5bは、複数の短い繊維(パイル)が静電植毛法によってベース部2bに植毛されて形成される層である。繊維の糸の太さは、8ミクロン〜20ミクロン程度であり、より好ましくは、10ミクロン〜16ミクロン程度である。また、繊維の糸の長さは、0.3mm〜2mm程度であり、より好ましくは、0.5mm〜1.5mm程度である。
【0045】
本実施形態では、直接耳に接触して耳垢を清掃するための清掃部10bは、ベース部2b及び植毛層5bにより構成される。なお、ここでは、清掃部10bは、主に、ベース部2bの外周面における植毛層を用いて外耳道内の耳垢を掃き出すことで、耳垢を清掃する。言い換えれば、ここでは、ベース部2bの外周面における植毛層が耳垢を掃き出す掃出部を構成する。
【0046】
耳清掃具1bは、耳垢を掃き出すように清掃するため、粉状の乾燥した耳垢の清掃に向いている。また、外耳道に直接に接触する部分には、植毛層が被着されているため、外耳道を傷つけることなく、快適に作業をすることができる。
【0047】
また、繊維の長さをより短くすることで、掃出し効果に加えて、粉状の耳垢を外耳道から剥がす効果も得られる。より短い繊維がより高い密度で植毛される植毛層とすることで、清掃効果を高めることができる。
【0048】
<実施形態3>
図5は、実施形態3に係る耳清掃具1cを説明するための図である。耳清掃具1cは、ベース部2c及び植毛層5cが実施形態2に係る耳清掃具1bと異なる。以下では、上記実施例と同様な構成については、説明を省略する。
【0049】
ベース部2cは、図示のように、外周面が凹下して形成される凹部21cを含む。一例として、ベース部2cは、図示のように、略匙状に形成され、支持部3と所定の角度をなすように形成される。
【0050】
植毛層5cは、複数の短い繊維(パイル)が静電植毛法によってベース部2cに植毛されて形成される。繊維の糸の太さは、8ミクロン〜20ミクロン程度であり、より好ましくは、10ミクロン〜16ミクロン程度である。また、繊維の糸の長さは、0.3mm〜2mm程度であり、より好ましくは、0.5mm〜1.5mm程度である。
【0051】
本実施形態では、直接耳に接触して耳垢を清掃するための清掃部10cは、耳垢を掃き出す掃出部11cと、耳垢を収容する外収容部12cを含む。掃出部11cは、ベース部2cの外周面における植毛層によって構成される。外収容部12cは、凹部21c及び凹部21cにおける植毛層によって構成される。ここでは、凹部21cにおける植毛層を、ベース部2cの外周面における植毛層より植毛密度が低く形成してもよい。
【0052】
図示しないが、凹部21cには植毛されていなくてもよい。例えば、静電植毛工程で、凹部21cをマスキングすることにより、凹部21cに植毛されないようにすることができる。この場合、外収容部12cは、凹部21cだけで構成される。
【0053】
耳清掃具1cは、さらに、外収容部12cを有することで、耳垢を収容して外耳道から運び出すことができる。
【0054】
<実施形態4>
図6及び図7は、実施形態4に係る耳清掃具1dを説明するため図である。耳清掃具1dは、ベース部2dが実施形態2に係る耳清掃具1bと異なる。以下では、上記実施例と同様な構成については、説明を省略する。
【0055】
ベース部2dは、図示のように、長手方向に直交する断面が略楕円形状である板状に形成されるとともに、板厚方向に貫通する穴部22dが設けられる。穴部22dは、適宜な大きさ、形状とすることができる。例えば、図示のように、長手方向に長い形状とすることができる。なお、図7に示すように、ベース部2dの厚みや後述する内収容部の形状は、適宜設定することができる。
【0056】
本実施形態では、図7に示すように、直接耳に接触して耳垢を清掃するための清掃部10dは、耳垢を掃き出す掃出部11dと、耳垢を収容する内収容部13dを含む。掃出部11dは、ベース部2dの外周面における植毛層によって構成される。内収容部13dは、穴部22dによって構成される。穴部22dには、図示のように植毛されていない、またはベース部22dの外周の植毛層より植毛の密度が低いものであってもよい。
【0057】
耳清掃具1cは、さらに、内収容部13dを有することで、耳垢を収容して外耳道から運び出すことができる。言い換えれば、耳清掃具1cを用いれば、その外周を、外耳道の壁を擦るように回転させることで、外耳道の表面に付着した耳垢を剥し落すとともに、その内周に耳垢を集めて内収容部13dに収容することができる。
【0058】
<実施形態5>
図8は、実施形態5に係る耳清掃具1eを説明するための図である。耳清掃具1eは、ベース部2eが穴部22eを含む点が、実施形態3に係る耳清掃具1cと異なる。以下では、上記実施例と同様な構成については、説明を省略する。
【0059】
ベース部2eは、図示のように、厚み方向に貫通する穴部22eが設けられる。穴部22eは、図示のように、長手方向に長い形状であることが好ましい。
【0060】
本実施形態では、直接耳に接触して耳垢を清掃するための清掃部10eは、耳垢を掃き出す掃出部11cと、耳垢を収容する外収容部12eと、耳垢を収容する内収容部13eを含む。ここでは、外収容部12eに一時的に集められた耳垢の多くは、内収容部13eにさらに集められる。内収容部13eは、穴部22eによって構成される。穴部22eには、図示のように植毛されていない、またはベース部2eの外周の植毛層より植毛の密度が低いものであってもよい。
【0061】
耳清掃具1eは、さらに、外収容部12c及び内収容部13dを有することで、耳垢を確実に収容して外耳道から運び出すことができる。
【0062】
本実施形態では、図示のように、耳清掃具1eは、柄部を含まないで構成される。また、支持部3は、柄部と係合する必要がないため、支持部側係合部31を含まない。なお、支持部3は、作業に適合した適宜な大きさで形成することができる。
【0063】
<実施形態6>
図9図11は、実施形態6に係る耳清掃具1fを説明するための図である。耳清掃具1fは、ベース部2fが実施形態2に係る耳清掃具1bと異なる。以下では、上記実施例と同様な構成については、説明を省略する。
【0064】
ベース部2fは、図示のように、長手方向に伸びる複数のリブ23fが設けられる。隣り合うリブ23fの間には、長手方向に伸びる溝部24fが形成される。なお、ここでは、4つのリブ23fが設けられる例を図示しているが、3つであってもよいし、5つ、6つ等であってもよい。ベース部2fの最大幅mは、2.5mm〜4mmであり、より好ましくは、3mm〜3.5mmである。ベース部2fの長手方向の長さは、5mm〜15mmであり、より好ましくは、6mm〜10mmである。
【0065】
また、リブ23fは、図10(a)に示すように断面が略矩形に形成されてもよいし、図10(b)に示すように断面が円弧状に形成されてもよいし、図10(c)に示すように断面が爪状に形成されてもよい。また、図10(a)及び図10(b)に示すように、リブ23fは、左右対称に形成されてもよいし、図10(c)に示すように左右非対称に形成されてもよい。また、複数のリブ23fは、同形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
【0066】
本実施形態では、直接耳に接触して耳垢を清掃するための清掃部10fは、耳垢を掃き出す掃出部11fと、耳垢を収容する外収容部12fを含む。掃出部11fは、リブ23fの外周面における植毛層によって構成される。外収容部12fは、溝部24f及び溝部24fにおける植毛層によって構成される。
【0067】
また、図11に示すように溝部24fには植毛されていなくてもよいし、または外周の植毛層より植毛の密度が低いものであってもよい。例えば、静電植毛工程で、溝部をマスキングすることにより、溝部24fに植毛されないようにすることができる。この場合、外収容部12fは、溝部24fだけで構成される。
【0068】
耳清掃具1fは、さらに、複数の外収容部12fを有することで、耳垢を収容して外耳道から運び出すことができる。また、耳清掃の際に、柄部を回すだけで、複数のリブにおける植毛層の繊維に捕捉された耳垢を容易に外収容部12fに集めることができる。
【0069】
<実施形態7>
図12及び図13は、実施形態7に係る耳清掃具1gを説明するための図である。耳清掃具1gは、ベース部2gが穴部22gを含む点が、実施形態6に係る耳清掃具1fと異なる。以下では、上記実施例と同様な構成については、説明を省略する。
【0070】
穴部22gは、一例として、複数の溝部24fの底部の一部が貫通して一つの共通の穴となるように設けられる。好ましくは、図示のように、穴部22gは、ベース部2gの中心部において長手方向に縦長に形成される。
【0071】
本実施形態では、直接耳に接触して耳垢を清掃するための清掃部10gは、耳垢を掃き出す掃出部11fと、耳垢を収容する外収容部12gと、耳垢を収容する内収容部13gを含む。掃出部11fは、リブ23fの外周面における植毛層によって構成される。外収容部12gは、溝部24f及び溝部24fにおける植毛層によって構成される。内収容部13gは、穴部22gによって構成される。ここでは、外収容部12gに一時的に集められた耳垢の多くは、内収容部13gにさらに集められる。なお、ここでは、穴部22gは長い一つの穴として説明したが、複数の穴を形成してもよい。また、穴部22gには、図示のように植毛されていない、またはベース部2gの外周の植毛層より植毛の密度が低いものであってもよい。
【0072】
耳清掃具1gは、さらに、外収容部12g及び内収容部13gを有することで、耳垢を確実に収容して外耳道から運び出すことができる。
【0073】
以上、本発明に係る耳清掃具の実施形態について説明したが、これらは本発明の実施形態の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明には、以上の各実施形態を組み合わせた形態や、様々な変形例が含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g 耳清掃具
10、10b、10c、10d、10e、10f、10g 清掃部
11c、11d、11f 掃出部
12c、12e、12f、12g 外収容部
13d、13e、13g 内収容部
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g ベース部
21c 凹部
22d、22e、22g 穴部
23f リブ
24f 溝部
3、3a 支持部
4、4a 柄部
5、5a、5b、5c、5f 植毛層
【要約】
【課題】 耳垢清掃効果を向上させる耳清掃具を提供する。
【解決手段】 耳を清掃するための清掃部を有する耳清掃具であって、ベース部と、前記ベース部の少なくとも一部に複数の繊維が植毛されて形成される植毛層と、を含み、前記清掃部は、前記ベース部及び前記植毛層により構成される耳清掃具。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13