特許第6239758号(P6239758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6239758マルチピクセル型アバランシェ光ダイオード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239758
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】マルチピクセル型アバランシェ光ダイオード
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/107 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   H01L31/10 B
【請求項の数】13
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-533966(P2016-533966)
(86)(22)【出願日】2014年8月13日
(65)【公表番号】特表2016-530722(P2016-530722A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】IB2014002025
(87)【国際公開番号】WO2015022580
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2017年8月1日
(31)【優先権主張番号】61/865,503
(32)【優先日】2013年8月13日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514259668
【氏名又は名称】ゼコテック フォトニクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ZECOTEK PHOTONICS INC.
(73)【特許権者】
【識別番号】516044037
【氏名又は名称】サディゴブ,ジラッディン,イェグブ−オグリー
(73)【特許権者】
【識別番号】516044048
【氏名又は名称】サディゴブ,アザール
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】サディゴブ,ジラッディン,イェグブ−オグリー
(72)【発明者】
【氏名】サディゴブ,アザール
【審査官】 佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0230862(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0154044(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0272561(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/057082(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/011617(WO,A2)
【文献】 特開2008−311651(JP,A)
【文献】 特表2009−533870(JP,A)
【文献】 特開2011−003740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/10−31/119
H01L 27/14−27/148
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチピクセル型アバランシェ光トランジスタであって、
半導体層と、
前記半導体層とpn接合部を形成する複数の半導体領域と、
誘電層により前記半導体層から分離された共通導電グリッドと、
前記半導体領域を前記共通導電グリッドと連結させる個々の微小抵抗器と
を備え、
前記半導体領域の表面の一部の上で、それぞれの個々のエミッタ前記半導体領域と電位障壁を形成することによって区別され、前記個々のエミッタは、それぞれの第2の個々の微小抵抗器を用いて追加の導電グリッドに連結されている、マルチピクセル型アバランシェ光トランジスタ
【請求項2】
前記個々のエミッタが、半導体領域と同じ材料で実行されるが、反対型の伝導性を有する、請求項1に記載のマルチピクセル型アバランシェ光トランジスタ
【請求項3】
前記個々のエミッタが、前記半導体領域に対してワイドバンドギャップ半導体で実行される、請求項1に記載のマルチピクセル型アバランシェ光トランジスタ
【請求項4】
前記個々のエミッタが、金属材料で実行される、請求項1に記載のマルチピクセル型アバランシェ光トランジスタ
【請求項5】
前記半導体層が、半導体基板の表面上に形成される、請求項1に記載のマルチピクセル型アバランシェ光トランジスタ
【請求項6】
前記個々のエミッタが、半導体領域と同じ材料で実行されるが、反対型の伝導性を有する、請求項5に記載のマルチピクセル型アバランシェ光トランジスタ
【請求項7】
前記個々のエミッタが、前記半導体領域に対してワイドバンドギャップ半導体で実行される、請求項5に記載のマルチピクセル型アバランシェ光トランジスタ
【請求項8】
前記個々のエミッタが、金属材料で実行される、請求項5に記載のマルチピクセル型アバランシェ光トランジスタ
【請求項9】
前記半導体層が、誘電体基板の表面上に形成される、請求項1に記載のマルチピクセル型アバランシェ光トランジスタ
【請求項10】
前記個々のエミッタが、半導体領域と同じ材料で実行されるが、反対型の伝導性を有する、請求項9に記載のマルチピクセル型アバランシェ光トランジスタ
【請求項11】
前記個々のエミッタが、前記半導体領域に対してワイドバンドギャップ半導体で実行される、請求項9に記載のマルチピクセル型アバランシェ光トランジスタ
【請求項12】
前記個々のエミッタが、金属材料で実行される、請求項9に記載のマルチピクセル型アバランシェ光トランジスタ
【請求項13】
マルチピクセル型アバランシェ光トランジスタであって、
半導体層と、
前記半導体層内に配置され、前記半導体層とpn接合部を画定する複数の半導体領域と、
前記半導体層および前記複数の半導体領域によって画定された表面上に配置された誘電層と、
前記誘電層上に配置され、前記誘電層により前記半導体層から分離された共通導電グリッドと、
前記誘電層を通って延在し、それぞれの半導体領域を前記共通導電グリッドと作動可能に連結させる複数の第1の微小抵抗器と、
前記誘電層を通って延在し、それぞれの半導体領域に作動可能に連結されているそれぞれのエミッタを介して、それぞれの半導体領域を第2の導電グリッドと作動可能に連結させる、複数の第2の微小抵抗器であって、前記エミッタがそれぞれの半導体領域でそれぞれの電位障壁を形成する、第2の微小抵抗器と
を備える、マルチピクセル型アバランシェ光トランジスタ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年8月13日に出願された米国特許仮出願第61/865,503号の利益を主張し、本出願はその全体がすべての目的に対して参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、半導体装置に関し、より詳細には、光信号の内部増幅を有する半導体アバランシェ光ダイオードに関する。
【背景技術】
【0003】
感光性半導体装置は、光情報の検出および処理のために多くの科学装置および家庭内装置に使用される。このような装置のキー要素は、光情報を電気信号に変換する光ダイオードである。感光性および高速応答時間は光ダイオードの基本的な作動パラメータである。従来、真空光電子倍増管はこのような光装置に使用される。しかし半導体光電子倍増管またはマルチピクセル型アバランシェ光ダイオード(MAPD)(マルチピクセル型光子計測装置(MPPC)もしくはシリコン光電子倍増管(SiPM)とも呼ばれる)も開発されており、これらは真空光電子倍増管に取って代わる。
【0004】
例えばロシア特許第1702831号は、その上に小さい独立pn接合部(ピクセル)のマトリクスが形成されるシリコン基板表面を教示している。基板の残留表面は誘電層(二酸化ケイ素)で充填される。ピクセルおよび誘電層の両方の表面上に、約10オームcmの抵抗率の薄い抵抗層および半透明の金属層(電解電極)が形成される。光電子のアバランシェ増幅は、小さい従属pn接合部(ピクセル)内で実行される。アバランシェ電流は、ピクセルの感応面を完全に覆う抵抗層を通って電解電極に流れる。しかし抵抗層および電解電極の両方の透明性が低いため、この装置が可視スペクトルにおいて低い量子効率を提供するので、この装置は不充分である。
【0005】
米国特許第5,844,291号は、ある程度の抵抗率をもつ炭化ケイ素を含み、その上に抵抗層が配置されるn型伝導性のシリコン基板表面、誘電層、およびp型伝導性のエピタキシャルシリコン層を教示している。誘電層の内側にn型伝導性の高ドープ領域が形成され、1つの側面から抵抗層と電気接触し、別の側面からエピタキシャル層と電気接触する。その中で光電子が生成される感光層は、異質物質(すなわち誘電層および抵抗層)の表面上に成長したエピタキシャル層である。この装置も、誘電体表面上にシリコンエピタキシャル層が成長する複雑さのために不充分である。
【0006】
ロシア特許第2102820号は、半導体層表面上に形成された10μ〜100μの大きさを特徴とする小型のpn接合部(ピクセル)のアレイを含むMAPD装置を教示している。ピクセルは、電荷結合を防ぐために必要なある特定の間隔(約10μ)で配置される。各ピクセルは、10〜10Ωの抵抗を有する個々の微小抵抗器により共通導電グリッドに接続される。ピクセルの大きさが小さいため、MAPDは過電圧モード(すなわち耐圧を超える)で機能できる。次いでピクセルの感度領域における光電子(または暗黒電子)の発生により自己消滅するアバランシェ過程が始まる。この過程はガイガーモード放電に似ている。
【0007】
アバランシェ過程は、個々の微小抵抗器に起因してピクセルの電位が耐圧より降下すると消滅し、これによりアバランシェ過程中に電圧源からピクセルを荷電できない。結果として、高速光応答(すなわち振幅の半分の高さにおけるパルス幅が約10nsである)と信号の高いアバランシェ増幅(約10)の独自の組合せが達成される。作動するピクセルからの信号は共通導電グリッドに加えられ、これは線形のMAPD光応答を提供する。2つ以上の光子が1つのピクセルに当たる可能性がわずかである限り、その応答は線形のままである。
【0008】
しかし、一部の与えられた課題は、高速光応答(約1ns)およびより大きい感度領域(少なくとも10mm以上)を有するMAPD装置を必要とする。感度領域を増加させることにより、公知のMAPD装置の高い特殊容量のためにその光応答が伸びる。加えて、公知のMAPD装置内の光信号の高い増幅により望ましくない効果、すなわち光クロストークがもたらされる。この効果は、半導体のアバランシェ領域内の光学光子のさらなる放射によって付随される、高いアバランシェ増幅(約10)の光信号と接続される。これらの光子はMAPD装置の隣接ピクセルに吸収され、アバランシェ過程の誤開始を引き起こす。クロストーク効果を阻止するために、アバランシェ増幅率は10未満に低減されるべきであるが、この低い増幅率は単一の光電子検出モードで機能するためには充分ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記を考慮して、従来の感光性半導体システムの前述の障害および欠陥を克服するために、改良されたマルチピクセル型アバランシェ光ダイオード(MAPD)システムおよび方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態は、半導体層と、該半導体層とpn接合部を形成する複数の半導体領域と、誘電層により該半導体層から分離された共通導電グリッドと、該半導体領域を共通導電グリッドと連結させる個々の微小抵抗器とを有し、該半導体領域の表面の一部の上で、個々のエミッタはそれぞれ該半導体領域と電位障壁を形成することによって区別され、個々のエミッタは第2の個々の微小抵抗器のそれぞれを用いて追加の導電グリッドに連結される、マルチピクセル型アバランシェ光ダイオードを含む。
【0011】
一態様では、個々のエミッタは半導体領域と同じ材料を有するが、反対型の伝導性を有する。
【0012】
別の態様では、個々のエミッタは半導体領域に対してワイドギャップ半導体である。
【0013】
さらなる態様では、個々のエミッタは金属材料を含む。
【0014】
一層さらなる態様では、半導体層は半導体基板の表面上に形成される。
【0015】
一態様では、半導体層は半導体基板の表面上に形成され、個々のエミッタは半導体領域と同じ材料を有するが、反対型の伝導性を有する。
【0016】
別の態様では、半導体層は半導体基板の表面上に形成され、個々のエミッタは半導体領域に対してワイドギャップ半導体を含む。
【0017】
さらなる態様では、半導体層は半導体基板の表面上に形成され、個々のエミッタは金属材料を含む。
【0018】
一態様では、半導体層は誘電体基板の表面上に形成される。
【0019】
別の態様では、半導体層は誘電体基板の表面上に形成され、個々のエミッタは半導体領域と同じ材料を含むが、反対型の伝導性を有する。
【0020】
さらなる態様では、半導体層は誘電体基板の表面上に形成され、個々のエミッタは半導体領域に対してワイドギャップ半導体を含む。
【0021】
一層さらなる態様では、半導体層は誘電体基板の表面上に形成され、個々のエミッタは金属材料を含む。
【0022】
一実施形態では、マルチピクセル型アバランシェ光ダイオードは、半導体層と、半導体層内に配置され、半導体層とpn接合部を画定する複数の半導体領域と、半導体層および複数の半導体領域によって画定された表面上に配置された誘電層と、誘電層上に配置され、誘電層により半導体層から分離された共通導電グリッドと、誘電層を通って延在し、それぞれの半導体領域を共通導電グリッドと作動可能に連結させる複数の第1の微小抵抗器と、誘電層を通って延在し、それぞれの半導体領域に作動可能に連結されたそれぞれのエミッタを介して、それぞれの半導体領域を第2の導電グリッドと作動可能に連結させる、複数の第2の微小抵抗器であって、エミッタはそれぞれの半導体領域でそれぞれの電位障壁を形成する、複数の第2の微小抵抗器とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】マルチピクセル型アバランシェ光ダイオード(MAPD)装置の断面を示すために一部が取り除かれた、MAPD装置の斜視図である。
【0024】
図は一定の縮尺で描かれてはおらず、類似の構造または機能の要素は、すべての図を通して例示目的のために同様の参照番号によって概ね表されていることに留意されたい。また、図は好ましい実施形態の説明を容易にすることを意図するに過ぎないことにも留意されたい。図は記載された実施形態のあらゆる態様を示すものではなく、また本開示の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
現在入手可能なシステムは不充分であるので、微弱光信号、ガンマ線、および核粒子の検出のためにマルチピクセル型アバランシェ光ダイオードが望ましいことを証明し、高い信号増幅(約10以上)における光クロストークを低減し、特殊容量を低減し、光応答速度を向上させるなどの広範囲の利益に対する基礎を提供することができる。この結果から、図1に示されたような開示されたマルチピクセル型アバランシェ光ダイオード(MAPD)100により、本明細書に開示された一実施形態に従って達成することができる。
【0026】
図1は、MAPD装置100の断面を示すために一部105が取り除かれた、MAPD装置100の斜視図を示す。MAPD装置100は、半導体層1によって画定されたスロット110内に配置された複数の半導体領域2を含む、実質的に平坦な半導体層1を備える。例えば一部の実施形態では、図1に描かれたように、スロット110および半導体領域2は実質的に矩形で細長く、半導体層1の頂面と同じ厚さを有することができる。半導体領域2および半導体層1はそれぞれのpn接合部115を画定する。
【0027】
実質的に平坦な誘電層5を半導体層1および半導体領域2の上に配置することができる。各半導体領域2は、誘電層5を通って延在して半導体領域2を導電グリッド4と連結させる、第1の微小抵抗器3を含むことができる。微小抵抗器3および共通導電グリッド4は、誘電層5の頂面に沿って延在することができ、誘電層5は、誘電層5を通って延在し半導体領域2と接触する微小抵抗器3の部分を除いて、微小抵抗器3および共通導電グリッド4を半導体領域2から実質的に隔離させてもよい。
【0028】
加えてエミッタ6を半導体領域2の一部の上に配置し、誘電層5を通って延在する第2の微小抵抗器8により導電グリッド7に作動可能に連結させることができる。微小抵抗器8および導電グリッド7は誘電層5の頂面に沿って延在することができ、誘電層5は、誘電層5を通って延在し半導体領域2と接触する微小抵抗器8の部分を除いて、微小抵抗器8および導電グリッド7を半導体領域2から実質的に隔離させてもよい。
【0029】
加えてMAPD装置100は、半導体層1にバイアスをかける働きをする接触領域9を含むことができる。例えば接触領域9は誘電層5を通って延在し、半導体層1に接触することができる。
【0030】
様々な実施形態では、半導体層1は、所望の直径および厚さを有する半導体基板または誘電体基板上に成長したエピタキシャル半導体層によって画定された、均一の半導体板(基板)を備えることができる。図1に描かれたMAPD装置100の例示的構造および構成を成長させる、構築させる、または別法によりフォトリソグラフィを含むあらゆる適切な手法で生成させてもよい。
【0031】
一部の実施形態では、エミッタ6は半導体領域2と同じ材料を備えることができるが、反対型の伝導性を有する。換言すると、個々のエミッタ6と半導体領域2との間の電位障壁は、同質のpn接合部115を画定することができる。
【0032】
さらなる実施形態では、個々のエミッタ6は、半導体領域2に対してワイドギャップ半導体を備えることができる。換言すると、個々のエミッタ6と半導体領域2との間の電位障壁は、異質のpn接合部115を画定することができる。
【0033】
他の実施形態では、個々のエミッタ6は適切な金属材料を備えることができる。換言すると、個々のエミッタ6と半導体領域2との間にショットキー障壁を形成することができる。
【0034】
MAPD装置100のある作動モードでは、一部の実施形態によれば、共通導電グリッド4および追加の導電グリッド7の両方に対して負のバイアスを半導体層1にかけることができる。小さい大きさを有する実施形態では、半導体領域2(またはピクセル)はガイガーモードで機能することができ、ガイガーモードではバイアスは耐圧特性をΔU=2Vだけ超えてもよい。ガイガーモードのアバランシェ過程は、ピクセル2における単一の光電子の存在によって開始することができ、これにより個々の微小抵抗器3および/または8における電位降下はΔUが2Vまで増加する。同時にピクセル2の電位は同じ値だけ低減する。
【0035】
ΔVが2Bに電位降下することより、半導体領域2と個々のエミッタ6との間の電位障壁を完全に開くことができる。一部の実施形態では、これは個々のエミッタ6を通って流れる高電流の結果として可能になる。パルス電流を追加の個々の微小抵抗器3および/または8によって制限することができる。ピクセル2の電位が個々の微小抵抗器3および/または8を介して電荷することにより前の値に達すると、パルス電流のスイッチを切ることができる。
【0036】
したがって、MAPD装置100内の光信号は微小トランジスタ120内で(すなわち「個々のエミッタ6−半導体領域2−半導体層1」からなる構造内で)再度増幅される。増幅された信号は追加の導電グリッド7の電気回路に接続された外部負荷抵抗において検出される。信号の増幅率の完全値はM=Mav*Mtrと定義され、式中Mavはアバランシェ過程の増幅率であり、Mtrは微小トランジスタ120の増幅率である。
【0037】
したがって低いアバランシェ増幅率(例えばMav=10)を有する、光信号の必要な高い増幅率(例えばM=10)が受領される。一部の実施形態では、その増幅率においてクロストークは非常に低い。ここでは個々の微小トランジスタ120は増幅率Mtr=10を提供する。光信号の立ち上がり時間を低容量の微小トランジスタ120によって改善させることができる。例えば一実施形態では、ピクセル2は50μm×50μmであることが可能であり、微小トランジスタ120の大きさは5μm×5μmを超えない。
【0038】
一部の実施形態では、マルチピクセル型アバランシェ検出器100を以下のように組み立てることができる。半導体層1の表面上に(例えば比抵抗2Ωxcmのn型伝導性のシリコン層)約0.1μm厚さを有する二酸化ケイ素(SiO)の誘電層5を温度1100℃の熱酸化によって形成することができる。フォトリソグラフィを使用して二酸化ケイ素の誘電層5に10μmの間隔で40μmx40μmの大きさの窓を開けることができる。p型半導体領域(すなわちpn型接合部115のピクセル2)を形成するために、投与量0.6x1014イオン/cm、エネルギー70keVのホウ素イオンを開いた窓領域にドープすることができる。一部の実施形態では、各ピクセル2の小部分をドープすることによりエミッタ6を形成することができる。例えば約5μmx5μmの領域に投与量9x1014イオン/cm、エネルギー100keVを有するリン酸イオンをドープすることができる。投与量3x1014イオン/cm、エネルギー70keVを有するホウ素イオンによりピクセル2の一部をさらにドープすることによってピクセル2(すなわちp型シリコン領域)に接触する領域を形成することができる。微小抵抗器3および/または8は、抵抗約20kΩ/スクエアの非晶質シリコンを含むことができ、気相から化学蒸着を使用して生成することができる。共通導電グリッド4および追加の導電グリッド7のどちらも金属アルミニウムの熱蒸着によって形成することができる。
【0039】
様々な実施形態において、本明細書に記載されたこのようなシステムおよび方法は低レベルの光クロストークおよび高速光応答を生成できる。したがって本明細書に記載されたMAPD装置100は、高エネルギー物理学、線量計、医療用陽電子放射走査装置、および他の適切な分野に使用できる。
【0040】
記載された実施形態は様々な修正形態および代替形態の影響を受けやすく、それらの具体例が図に例証として示され、本明細書に詳細に記載されている。しかし記載された実施形態は開示された特定の形または方法に限定されるものではないが、反対に本開示はすべての修正形態、等価物、および代替形態を網羅することを理解されたい。
図1