(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上方素子の上部表面は、少なくとも2つの異なる摩擦係合表面を有し、少なくとも1つの摩擦係合表面はテクスチャ加工された表面を有し、前記力感知スイッチは前記テクスチャ加工された表面の下に配置される、請求項1に記載の遠隔制御デバイス。
前記可撓性ビームの表面上に配置された少なくとも1つの追加ひずみゲージを更に備え、前記少なくとも1つの追加ひずみゲージは前記処理デバイスに動作可能に接続される、請求項5に記載の遠隔制御デバイス。
前記上方素子は追加のテクスチャ加工された表面を含み、入力デバイスは前記追加のテクスチャ加工された表面の下の前記内部空洞内に配置される、請求項1に記載の遠隔制御デバイス。
前記入力デバイスはタッチスクリーンディスプレイアセンブリを有し、前記追加のテクスチャ加工された表面は透明な上方素子ガラスを有する、請求項9に記載の遠隔制御デバイス。
前記テクスチャ加工された表面の下にある、前記上方素子の下側に形成された1つ以上の締結具を更に備え、前記1つ以上の締結具は前記筐体に機械的に係合するように構成される、請求項2に記載の遠隔制御デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で説明される実施形態は、コンピュータ、タブレットコンピューティングデバイス、及びビデオストリーミングメディアデバイスなどのネットワークデバイスと共に使用され得る遠隔制御デバイスを提供する。ネットワークデバイスの1つの好適な非限定的実施例は、ストリーミングメディアプレーヤである。遠隔制御デバイスは、少なくとも1つのテクスチャ加工された表面及び第2の表面を含む、異なる摩擦係合表面を有する上方素子を備える。少なくとも1つのテクスチャ加工された表面は、タッチ及び/又は力入力などのユーザ入力を受け取ってもよい。力感知スイッチは、遠隔制御デバイスの筐体内に配置されてもよく、加えられた力の量に基づくアナログ入力を提供してもよい。即ち、力感知スイッチは、力感知スイッチが入力を登録するか又は入力を登録しないかではないという意味で、2値的ではない。力感知スイッチは、上方素子に加えられた力の量に基づく複数の出力状態又は信号レベルを有してもよい。
【0015】
力感知スイッチは、可撓性ビームの上部表面上に配置された1つ以上のドームスイッチ及び1つ以上のひずみゲージを備えてもよい。下方向の力が入力面に加えられると、下方向の力はドームスイッチ及び可撓性ビームにも加えられる。この力は、ドームスイッチ内の変形可能構造を圧縮し、その結果、加えられた力に基づき、可撓性ビームを撓ませるか又はひずませる。ビームのひずみの量は、入力面に加えられた力の量によって変化し得る。ひずみゲージ(単数又は複数)は、ビームのひずみの量を測定してもよく、1つ以上のひずみゲージに動作可能に接続された処理デバイスは、少なくとも1つのひずみゲージから受信したひずみ測定値に基づき、入力面に加えられた力の量を判定してもよい。
【0016】
上方素子の下部表面の一部分は、テクスチャ加工された表面が加えられた力に基づき屈曲することを可能にする様式で、筐体に固着されてもよい。例えば、第2の表面の下にある下部表面のみが、筐体に、又は筐体内の縁取りに固着されてもよい。このため、テクスチャ加工された表面は、加えられた力に応じて、固着された下部表面と固着されていない下部表面との間のインタフェースにおいて、又はその付近で屈曲することができる。
【0017】
上方素子は、1つ以上の入力ボタンを更に備える。入力ボタンは、音量コントロール、チャネルコントロール、ホームボタン、選択ボタン、ナビゲーションボタン、一時停止又は再生ボタン、及びデバイス又はモードボタンなどの様々なユーザ入力を提供してもよい。入力ボタンは表面と同一平面上にあってもよく、表面を越えて突出又は延在してもよく、表面に対してくぼんでいてもよく、又は、いくつかの入力ボタンが同一平面上にあるか若しくはくぼんでいる一方で他の入力ボタンが突出するという点において、両者の組み合わせであってもよい。追加で又は代替として、入力ボタンは、入力ボタン及びその機能を特定することにおいてユーザを支援するための、任意の所与の形状及び/又は表面を有してもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、遠隔制御デバイスの上方素子は、複数のテクスチャ加工された表面を備える。力感知スイッチは、1つのテクスチャ加工された表面の下に配置されてもよく、トラックパッドなどの別の入力デバイスは、別のテクスチャ加工された表面の下に配置されてもよい。
【0019】
ここで
図1を参照すると、1つ以上の力感知スイッチを備え得る遠隔制御デバイスの斜視図が示されている。遠隔制御デバイス100は、筐体102及びガラス上方素子104を備える。上方素子104は、本明細書においてガラス上方素子として説明されているが、他の実施形態は、プラスチック、金属、又はガラス、プラスチック、若しくは金属の様々な組み合わせなどの異なる材料又は材料の組み合わせによって上方素子を形成してもよい。
【0020】
筐体102は、内部空洞(図示せず)が筐体102の下部表面と側壁との間に配置されるように形成される。内部空洞は、様々な構造的、電気的及び/又は機械的構成要素を含んでもよい。例えば、内部空洞は、電源、処理デバイス、1つ以上のマイクロフォン、メモリ又はデータ記憶デバイス、1つ以上の無線通信デバイス、及び1つ以上のコネクタポートを含んでもよい。筐体102は、金属、プラスチックなどの任意の好適な材料(単数又は複数)、又は材料の組み合わせから作製されてもよい。
【0021】
ガラス上方素子104の上部表面は、テクスチャ加工された表面106及び第2の表面108を含む、少なくとも2つの異なる摩擦係合表面を含むように分割されてもよい。テクスチャ加工された表面106及び第2の表面108は、実質的に同じ寸法を有してもよく、又は2つの表面は異なる寸法を有してもよい。更に、テクスチャ加工された表面106及び第2の表面108は、
図1に示す場所と異なる場所に配置されてもよい。
【0022】
第2の表面108は滑らかであるか、又は何らかのテクスチャリング又は被覆を含んでもよい。テクスチャ加工された表面106は、タッチ及び/又は力入力などのユーザ入力に使用されてもよい。ユーザの指は、テクスチャ加工された表面の上又は上方でより容易に移動又は摺動することができ、これは、指が接触する表面の量が、滑らかな表面に比べて少ないためである。追加で又は代替として、第2の表面はユーザ入力に使用されてもよい。
【0023】
開口部(図示せず)は、1つ以上の入力ボタン110を提供するために、第2の表面108及び/又はテクスチャ加工された表面106内を通って延在してもよい。入力ボタンは、音量コントロール、チャネルコントロール、ホームボタン、選択ボタン、ナビゲーションボタン、一時停止又は再生ボタン、及びデバイス又はモードボタンなどの様々なユーザ入力を提供してもよい。入力ボタン110は、金属又はプラスチックを含む任意の好適な材料で形成されてもよい。入力ボタンは表面と同一平面上にあってもよく、表面に対してくぼんでいてもよく、表面を越えて突出又は延在してもよく、又はこれらの構成の組み合わせであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、これらの入力ボタンが同一平面上にある一方で、他の入力ボタンが突出してもよい。追加で又は代替として、入力ボタンは任意の所与の形状及び/又は表面を有してもよい。例えば、ある入力ボタンがテクスチャ加工された凹形又は凸形の表面を有する一方で、別の入力ボタンが滑らか又は平坦な表面を有してもよい。入力ボタンは、ユーザが入力ボタンを互いから区別することを支援するために、異なる形状であってもよい。ボタン表面には隆起したシンボルが形成されてもよく、又はユーザが入力ボタン及びその機能を特定することを支援するために、入力ボタン若しくは入力ボタンの周囲の領域が照光されてもよい。
【0024】
ガラス上方素子104は、マイクロフォン又はスピーカ(単数又は複数)のための1つ以上の開口部112を備えてもよい。追加で又は代替として、筐体102は、マイクロフォン又は1つ以上のスピーカのための開口部(単数又は複数、図示せず)を備えてもよい。
【0025】
図2は、
図1に示す遠隔制御デバイスのブロック図である。遠隔制御デバイス100は、1つ以上の処理デバイス200、1つ以上のデータ記憶デバイス202、入出力(I/O)デバイス(単数又は複数)204、電源206、及び1つ以上のセンサ208を備えてもよい。1つ以上の処理デバイス200は、遠隔制御デバイス100の動作のうちのいくつか又は全てを制御してもよい。処理デバイス(単数又は複数)200は、遠隔制御デバイス100の実質的に全ての構成要素と、直接的又は間接的に通信してもよい。例えば、1つ以上のシステムバス若しくは信号ライン210又は他の通信機構は、処理デバイス(単数又は複数)200、データ記憶デバイス(単数又は複数)202、I/Oデバイス(単数又は複数)204、電源206、及び/又はセンサ(単数又は複数)の間の通信を提供してもよい。処理デバイス(単数又は複数)200は、データ又は命令を処理、受信、又は送信することができる任意の電子デバイスとして実装されてもよい。例えば、1つ以上の処理デバイス200は、マイクロプロセッサ、中央演算処理装置(central processing unit;CPU)、特定用途向け集積回路(application−specific integrated circuit;ASIC)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor;DSP)、又は複数のそのようなデバイスの組み合わせであってもよい。本明細書に記載する場合、用語「処理デバイス」とは、単一のプロセッサ若しくは処理ユニット、複数のプロセッサ、複数の処理ユニット、又は他の適切に構成されたコンピューティング要素(単数又は複数)を包含することを意図している。
【0026】
データ記憶デバイス(単数又は複数)202は、遠隔制御デバイス100によって使用され得る電子データを記憶してもよい。例えば、データ記憶デバイスは、例えば、オーディオファイル、設定及びユーザプリファレンス、並びにタイミング信号などの電子データ又はコンテンツを記憶してもよい。データ記憶デバイス(単数又は複数)202は、任意の種類のメモリとして構成されてもよい。単なる例示であるが、メモリは、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ、取り外し可能メモリ、若しくは他の種類の記憶素子として、任意の組み合わせで実装されてもよい。
【0027】
入出力デバイス(単数又は複数)204は、データをユーザ又は1つ以上の他の電子デバイスから受信してもよい。更に、入出力デバイス(単数又は複数)204は、ユーザ又は他の電子デバイスへのデータの送信を容易にしてもよい。例えば、入出力デバイス204は、無線又は有線接続を介して電子信号を送信してもよい。無線及び有線接続の例は、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線、及びイーサネット(登録商標)を含むが、これらに限定されない。
【0028】
他の実施形態では、入出力デバイス(単数又は複数)204は、ディスプレイ、トラックパッドなどのタッチ感知入力面、1つ以上のボタン、1つ以上のマイクロフォン若しくはスピーカ、キーボード、及び/又は力感知スイッチ(単数又は複数)を備えてもよい。例えば、力感知スイッチは、ボタン、キーボード上のキー、及び/又は遠隔制御デバイスの入力面の内部に含まれてもよい。
【0029】
電源206は、エネルギーを遠隔制御デバイス100に提供することができる任意のデバイスと共に実装されてもよい。例えば、電源206は、1つ以上のバッテリ若しくは充電式バッテリ、又は遠隔制御デバイスを壁コンセントなどの別の電源に接続する接続ケーブルであってもよい。
【0030】
1つ以上のセンサ208は、動きセンサ、近接センサ、方位センサ(例えば、ジャイロスコープ)、及び/又は加速度計などの任意の好適な種類のセンサ(単数又は複数)を含んでもよい。
【0031】
ここで
図3を参照すると、非作動位置又は弛緩位置にあるドームスイッチの一実施例の簡略化された図が示されている。ドームスイッチ300は、基板302、基板302内に配置された導電トレース304及び306、内側導電接点308、並びに外側導電リング310を備える。基板302は、可撓性回路、プリント配線基板、フレーム構造、又は筐体壁などの任意の好適な種類の基板であってもよい。例示された実施形態では、基板は可撓性回路である。導電トレース304は内側導電接点308に接続され、導電トレース306は外側導電リング310に接続される。
【0032】
ドームスイッチ300は、変形可能構造312を更に備える。変形可能構造312は、例示された実施形態ではドームとして成形されるが、他の実施形態では、変形可能構造は異なる形状に成形されてもよい。変形可能構造312は、可撓性外側材料314、及び変形可能構造312を基板302に接続する接着剤316を含んでもよい。可撓性外側材料は、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)などの任意の好適な可撓性材料から作製されてもよい。可撓性外側材料314の下側は、外側導電リング310に接続される、黒鉛又は金などの導電材料318でコーティングされる。接触構造320は、テクスチャ加工された表面106(
図1)の下側と可撓性外側材料314との間に配置されてもよい。
【0033】
非作動状態の間、導電材料318、内側接点308、及び外側接触リング310は互いと接触せず、これによってドームスイッチは「開放」又は「オフ」状態となる。これは、導電材料318、内側接点308、及び外側接触リング310内を通って形成される回路が完成していないためである。指322がテクスチャ加工された表面106を押下すると、接触構造320は変形可能構造312を押下し、これによって変形可能構造312は、導電材料318が内側導電接点308及び外側導電リング310の両方に接触するように圧縮される。この動作によって、導電材料318、内側接点308、及び外側接触リング310内を通って形成される回路が完成し、ドームスイッチは作動又は「オン」状態になる。
【0034】
他の実施形態は、ドームスイッチ300を異なる様式で構築してもよい。例えば、ドームなどの変形可能構造は、入力面の下側に固着された外側導電リングにドームの基部が接続されるような反転位置に配置されてもよい。内側導電接点は、ドームの下にある入力面の下側にも配置される。ドームの内側表面は、導電材料でライニングされてもよい。非作動状態では、スイッチは「開放」又は「オフ」状態であり、これはドームが陥没しておらず、ドーム内の導電材料が内側導電接点及び外側導電リングの両方に接触していないためである。ドームスイッチは、ユーザが入力面を押下し、かつ反転されたドームが、内側導電接点及び外側導電リングの両方がドームの内部に並んでいる導電材料と接触するように圧縮されたときに作動する。この動作によって回路は閉鎖され、スイッチは「オン」状態になる。
【0035】
代替として、他の実施形態では、ドームスイッチは金属ドーム上に配置されたゴムドームを含んでもよい。ゴムドームは、ゴムドームの下側の中心から下方向に延在するプランジャ部分を含んでもよい。プランジャ部分は、金属ドームの最上部の中心の上方に配置されてもよい。金属ドームの下には膜が配置され、その膜内に導電接触パッドが埋め込まれる。非作動状態では、導電接触パッドは互いと接触せず、スイッチは「オフ」状態となる。ドームスイッチを「オン」状態にするために、ユーザは、プランジャ部分が金属ドームの最上部の中心に接触し、その部分を押下するように、入力面を押下してゴムドームを圧縮し、これによって金属ドームが陥没して膜が押下される。金属ドームが膜を押下すると、導電接触パッドはスイッチに接続され、そのスイッチを閉鎖する。
【0036】
力感知スイッチの実施形態は、ドームスイッチ300などの少なくとも1つのドームスイッチを含む。
図4は、非作動状態である力感知スイッチの一実施例の簡略化された図であり、
図5は、作動状態である力感知スイッチ401を示している。ドームスイッチ300は、可撓性ビーム400(
図4)の上部表面上に配置される。図には1つのドームスイッチのみが示されているが、実施形態は、1つ以上のドームスイッチを可撓性ビームの上部表面上に配置してもよい。
【0037】
一実施形態では、可撓性ビーム400は、可撓性ビームの外又は下に延在し、電子デバイス内の構成要素又は表面に接続される、支持構造402を有する、テーブル又はスツールと類似した形状に成形される。他の実施形態では、可撓性ビームは異なる様式で構築されてもよい。単なる例示であるが、可撓性ビームは片持ちビームとして構成されてもよい。
【0038】
可撓性ビーム400は構造403に固着される。単なる例示であるが、構造403はフレーム若しくはエンクロージャの表面であってもよく、又は構造はフレーム又はエンクロージャに固着された別個の要素であってもよい。可撓性ビーム400を構造403に固着するために、任意の好適な方法、例えば、接着剤又は締結具などが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、エンクロージャ及び可撓性ビームが1つの部品となるように、可撓性ビーム400がエンクロージャと共に成形されてもよい。
【0039】
ドームスイッチ300に隣接するか又はその周囲にある可撓性ビームの上部表面上に、1つ以上のひずみゲージ404が配置されてもよい。追加で又は代替として、他の実施形態では、1つ以上のひずみゲージ404は、可撓性ビーム400の他の表面上に配置されてもよい。例えば、可撓性ビームの下部表面上の2つの支持構造602の間に、1つ以上のひずみゲージが配置されてもよい。そのような実施形態では、可撓性ビーム400の上部表面上にもひずみゲージ(単数又は複数)が配置されてもよい。
【0040】
前に説明したように、いくつかの実施形態では、基板302は可撓性回路又はプリント配線基板である。例示された実施形態では、導電コネクタ406は、ひずみゲージ404を可撓性回路基板又はプリント配線基板302に動作可能に接続してもよい。一実施形態では、他の可撓性回路408が可撓性ビームの上部表面上に配置されてもよい。第2の導電コネクタ410は、ドームスイッチの可撓性回路基板302を可撓性回路408に動作可能に接続してもよい。可撓性回路408は処理デバイス又はメインロジックボード(図示せず)に接続されてもよい。他の実施形態では、処理デバイスを含むメインロジックボードは、可撓性ビーム400の上部表面上に配置されてもよく、第2の導電コネクタ410は、ドームスイッチの可撓性回路基板302をメインロジックボードに動作可能に接続してもよい。他の実施形態では、可撓性回路408は省略されてもよく、可撓性回路基板302は処理デバイス又はメインロジックボードに接続されてもよい。
【0041】
下方向の力(矢印500によって表される)が遠隔制御デバイスのテクスチャ加工された表面(図示せず)に加えられると、変形可能構造312及び可撓性ビーム400にも下方向の力が加えられる。下方向の力は、変形可能構造312を陥没させ、かつドームスイッチを作動させるのに十分であり得、又は力は、ドームスイッチを作動させるのに不十分ながら、変形可能構造312を圧縮する。いずれの場合も、可撓性ビーム400は、加えられた力に基づき撓む。ビームの様々な量の撓みが、破線502及び504によって表される。破線502はビームの少量の撓みを表し、破線504はビームのより大きい量の撓みを表す。ビームのひずみの量を測定するために、ひずみゲージ(単数又は複数)404が測定されてもよい。例えば、各ひずみゲージは、ひずみゲージによって測定されたビームのひずみの量を表す信号を出力してもよい。
【0042】
1つ以上のひずみゲージからの信号(単数又は複数)は、導電コネクタ406、可撓性回路302、導電コネクタ410、及び可撓性回路408を使用する処理デバイス又はメインロジックボードに送信されてもよい。処理デバイスは、少なくとも1つのひずみゲージ404によって測定されたひずみの量に基づき、テクスチャ加工された表面に加えられた力の量を判定してもよい。実施形態は、機械式、抵抗式、静電容量式、及び光学式のひずみゲージを含む、任意の好適な種類のひずみゲージを使用してもよい。単なる例示であるが、半導体ひずみゲージ又は接合金属ひずみゲージが使用されてもよい。
図6〜
図8は、1つ以上の実施形態における力感知スイッチ内で使用され得る様々な種類のひずみゲージを示す。
【0043】
いくつかの実施形態では、力感知スイッチ401をテスト及び/又は較正するために、ドームスイッチ300が使用されてもよい。例えば、ドームスイッチは、既知であり、かつ再現可能な力において陥没してもよい。ドームスイッチの陥没が力感知スイッチによって検出され、ドームスイッチが「オフ」状態から「オン」状態に変化したとき、少なくとも1つのひずみゲージによって測定されたひずみが、この力において較正されてもよい。ひずみゲージは主に線形であるため、ゼロ荷重におけるひずみ測定値、及びドームスイッチが陥没する力におけるひずみ測定値は、力感知スイッチ401を較正するのに十分である。
【0044】
いくつかの実施形態では、力感知スイッチは、ドームスイッチ300が作動しない限り動作可能にならない。ドームスイッチが作動すると、処理デバイスは、少なくとも1つのひずみゲージから受信した信号に基づき、加えられた力の量を判定する。他の実施形態では、力感知スイッチは、ドームスイッチが作動しているかどうかにかかわらず動作する。加えられた力に基づき、ドームスイッチは(作動せずに)圧縮されるか又は作動し、どちらの場合も、処理デバイスは、少なくとも1つのひずみゲージから受信した信号に基づき、加えられた力の量を判定する。
【0045】
可撓性ビーム400は、ビームのひずみが最大点(例えば、破線504)までのみとなることを可能にし、それによって、可撓性ビームがひずみ過ぎて破損するか又は動作不可能になることを防止する、材料又は材料の組み合わせで形成されてもよい。例えば、可撓性ビーム400は、鋼、アルミニウム、ガラス、及び/又はプラスチックから作製されてもよい。追加で又は代替として、可撓性ビームが撓み過ぎることを防止するために、可撓性ビームの下側よりも低い高さを有する構造(図示せず)が、ビーム400の下に配置されてもよい。可撓性ビームの下側は、ビームの下にある構造の上部表面までのみ、ひずんでもよい。このため、可撓性ビーム400は撓みの最大量を有してもよく、これは、各ひずみゲージが、そのゲージが測定し得るひずみの量に関して制限を有することを意味する。可撓性ビームが最大撓みに達すると、ひずみゲージ(単数又は複数)は、追加の(最大撓みに達するのに必要な力を上回る)力が入力面に加えられても、それ以上のひずみを測定しない。
【0046】
図6〜
図8は、力感知スイッチ内で使用され得る様々な種類のひずみゲージ構成の回路図である。
図6では、ひずみゲージS1及び3つの定抵抗器Rが、完全なホイートストンブリッジに接続されている。ホイートストンブリッジは、ブリッジ回路の2つの区間を均衡させることによって不明な電気抵抗を測定するのに使用される電気回路である。1つの区間は不明な構成要素を含み、3つの区間は既知の電気抵抗を有する抵抗器によって形成される。例示された実施形態では、電圧供給V
EXが回路に印加されたときに、出力電圧V
OUTが生成される。可撓性ビームに力が加えられ、ビームが撓むと、ひずみゲージS1の抵抗を変更し、かつ出力電圧V
OUTを変化させるひずみが生成される。
【0047】
図7は、別の種類のひずみゲージ構成の回路図を示す。4つのひずみゲージS
1A、S
1B、S
2A、及びS
2Bが、完全なホイートストンブリッジ内で電気的に接続される。この構成では、4つのひずみゲージは、3つの既知の抵抗器及び1つの不明な構成要素を置き換える。ほぼゼロの出力を得るために抵抗器を均衡させる代わりに、ひずみゲージS
1A、S
1B、S
2A、S
2Bの抵抗を使用して、電圧出力V
OUTが生成される。可撓性ビームに加えられた力によって、各ひずみゲージ内の抵抗を変化させるひずみが発生する。ひずみゲージ内の抵抗が変化したときに電圧供給V
EXが回路に加えられると、出力電圧V
OUTが生成される。
【0048】
ひずみゲージは、領域700に示されるように配置されてもよい。ひずみゲージは、S
1A及びS
1Bが1つの軸(例えば、
図9の中央X軸916)に平行なひずみを検出し、S
2A及びS
2BがX軸に平行なひずみによって生成されたポアソンひずみを検出するように、同じ場所に配置されてもよい。
【0049】
図8では、ひずみゲージS
1及び定抵抗器R
1が直列に接続されている。この構成は一般に、ハーフブリッジと呼ばれる。抵抗器R
1は、出力電圧V
OUTが概ねV+とV−の中間に位置するように、ひずみゲージS
1の抵抗とほぼ等しくなるように選択される。力感知スイッチに力が加えられると、可撓性ビームは撓み、ひずみゲージS
1においてひずみが生成される。ひずみゲージS
1におけるひずみは、ひずみゲージS
1の抵抗を変化させ、これによって出力電圧V
OUTが変化する。
【0050】
ここで
図9を参照すると、力感知スイッチの上面図が示されている。力感知スイッチ900は、共通キャリア902上に形成された4つのひずみゲージS
1A、S
1B、S
2A、S
2Bを備える。共通キャリア902は、可撓性ビーム906の上部表面904に固着されてもよい。他の実施形態では、ひずみゲージのうちの2つが上部表面904上に配置され、他の2つのひずみゲージが可撓性ビームの下部表面上に配置されてもよい。
【0051】
可撓性回路908は可撓性ビーム906の上部表面904上に配置され、変形可能構造910は可撓性回路908上に配置される。前に説明したように、変形可能構造910及び可撓性回路908は、ドームスイッチとして構成される。支持構造912は
図9において破線として示され、これは、力感知スイッチを上から見たときに、それらの支持構造が見えないためである。
【0052】
導電コネクタ914は、V
OUT、V
EX、及び4つのひずみゲージS
1A、S
1B、S
2A、及びS
2Bを可撓性回路908に電気的に接続する。共通キャリア902は、可撓性ビーム906の中央X軸916に合わせて整列される。共通キャリア902は、電気的接触パッド918が可撓性ビーム906の縁部により近付き、ビームの中心からより遠ざかるように、上部表面904上に配置される。パッドへの損傷を回避するために、電気的接触パッド918を荷重位置から離して配置すると役立つ場合があるが、代替実施形態は、共通キャリア及び/又はひずみゲージを異なる方向に向けてもよいことを理解されたい。
【0053】
例示された実施形態では、電気的接触パッド918は、
図7に示すノード702、704、706、708に接続され、正の入力電圧V
EX+はS
1A及びS
2Bに接続され、負の入力電圧V
EX-はS
1B及びS
2Aに接続される。差動出力の一方の側である負の出力V
OUT-は、S
1AとS
2Aとの間に接続される。差動出力の他方の側である正の出力V
OUT+は、S
1BとS
2Bとの間に接続される。
【0054】
図10は、ガラス上方素子104が筐体102から取り外された、
図1の遠隔制御デバイス100を示す図である。筐体102は、内部空洞1000が筐体1002の底部1002と側壁1004との間に配置されるように形成される。筐体102は、金属又はプラスチックなどの任意の好適な材料(単数又は複数)から作製されてもよい。内部空洞1000は、様々な構造的、電気的及び/又は機械的構成要素を含んでもよい。例えば、内部空洞1000は、1つ以上のバッテリ又は充電式バッテリ1006などの電源及びメインロジックボード1008を含んでもよい。メインロジックボードは、1つ以上の処理デバイスに加えて様々な集積回路を備えてもよい。例えば、メインロジックボードは、データ記憶デバイス、1つ以上のマイクロフォン、及び他の支持回路を備えてもよい。内部空洞1000には、赤外線、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、又はRFデバイスなどの1つ以上の無線通信デバイスが含まれてもよい。
【0055】
コネクタポート1010は、充電式バッテリを充電するための壁コンセントなどの電源に遠隔制御デバイス100を接続する、電気コード又はケーブル1012を収容してもよい。追加で又は代替として、遠隔制御デバイス100は、電源を充電するための充電ドックに接続されてもよい。
【0056】
縁取り1014は、側壁1004の内縁部に沿って外側に延在又は突出してもよい。いくつかの実施形態では、ガラス上方素子104の下側の一部分が縁取り1014に接続されてもよい。例えば、第2の表面108の下にある上方素子104の下部表面が筐体に接続されてもよい。ガラス上方素子104は、任意の好適な様式で接続されてもよい。例えば、ガラス上方素子104を縁取り1014に固着するために、接着剤が使用されてもよい。他の実施形態では、ガラス上方素子の下側が、第2の表面及びテクスチャ加工された表面の少なくとも一部の下などの他の構成で、筐体に固着されてもよい。
【0057】
一実施形態では、テクスチャ加工された表面106の下にある、ガラス上方素子104の下側は、縁取り1014に接続されない。これによって、力がテクスチャ加工された表面106に加えられたときに、ガラス上方素子104が屈曲することが可能になる。上方素子の下側の一部分は筐体に固着されるため、上方素子は、固着された下部表面と固着されていない下部表面との間のインタフェースにおいて、又はその付近で、旋回せずに屈曲する。ユーザがテクスチャ加工された表面を押下したときに、ユーザが表面における如何なる動きも検出しないように、ガラス上方素子において使用されるガラス又は材料の種類によって、屈曲範囲が制限されてもよい。力感知スイッチ1016は、テクスチャ加工された表面106の下にある、筐体102の底部1002上に配置されてもよい。指が表面を押下したときなど、力がテクスチャ加工された表面に加えられると、テクスチャ加工された表面が屈曲し、力感知スイッチ1016が可撓性ビーム内のひずみを感知する。メインロジックボード1008上の処理デバイスは、可撓性ビーム上の1つ以上のひずみゲージによって生成された信号(単数又は複数)に基づき、テクスチャ加工された表面106に加えられた力の量を判定してもよい。1つの力感知スイッチのみが示されているが、他の実施形態は複数の力感知スイッチを含んでもよい。例えば、力感知スイッチはテクスチャ加工された表面106の下に配置されてもよく、別の力感知スイッチは少なくとも1つの入力ボタン110と組み合わせて使用されてもよい。追加で又は代替として、2つ以上の力感知スイッチがテクスチャ加工された表面106の下に配置されてもよい。
【0058】
ここで
図11を参照すると、
図10に示すガラス上方素子104の下部表面の図が示されている。支持層1100は、ガラス上方素子104の下部表面に接続されてもよい。支持層1100は、任意の好適な材料(単数又は複数)から作製されてもよい。一実施形態では、支持層1100は様々なプラスチックから作製される。角部領域1102は、例えば、デュロメータ硬度50を有するプラスチックなどのより柔らかいプラスチックで形成されてもよい。支持層1100の残りの領域1104は、ガラス入りナイロンなどのより硬いプラスチックで形成されてもよい。より柔らかい角部領域1102は、遠隔制御デバイスが落下したときなど、遠隔制御デバイスが強制的に表面に打ち当たったときに、支持を提供し、外力を吸収してもよい。
【0059】
ボタンアセンブリ1106は、ガラス上方素子104の下側の、ガラス上方素子と支持層1100との間に組み付けられてもよい。ボタンアセンブリ1106は、入力ボタン(
図1及び
図10の110)及び入力ボタンの動作に必要な全ての回路及び構成要素を備えてもよい。ボタンアセンブリ1106は、ガラス上方素子104の上部表面に対して入力ボタンを配置及び制御することも支援してもよい。
【0060】
支持層1100を薄くするため、又はガラス上方素子104の下側を露出するために、開口部1108が支持層1100内に形成されてもよい。開口部1108は、力感知スイッチのドームスイッチがガラス上方素子104のより近くに配置されることを可能にしてもよい。開口部1108は、開口部1108の上に配置されたテクスチャ加工された表面が、テクスチャ加工された表面に加えられた力に応じてより容易に屈曲することも可能にしてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、テクスチャ加工された表面106は屈曲可能であり、縁取り1014に固着されないため、縁取り1014又は筐体102に機械的に係合し、テクスチャ加工された表面106が筐体102から持ち上げられるか又は引き抜かれることを防止するために、締結具1110が支持層1100上に成形又は形成されてもよい。例えば、締結具1110は、縁取りの縁部に係合するか、又は開口部によって縁取り1014内に収容されるフック形状を備えてもよい。他の実施形態は、より少ないか又はより多くの締結具を使用してもよく、締結具は任意の所与の形状で構成されてもよい。追加で又は代替として、締結具は筐体と共に形成され、支持層1100に係合してもよい。
【0062】
ここで
図12を参照すると、ガラス上方素子が筐体から取り外された、遠隔制御デバイスの別の実施例の図が示されている。遠隔制御デバイス1200は、
図10の遠隔制御デバイス1000と同じ要素及び構成要素のうちのいくつかを含んでもよい。単純化するために、
図10のものと同じ参照番号が類似の要素及び構成要素に対して使用され、これらの特徴は、
図12に関連して詳細に説明されない。
【0063】
遠隔制御デバイス1200は、筐体1202及びガラス上方素子1204を備える。上方素子1204はガラス上方素子として説明されているが、他の実施形態は、異なる材料又は材料の組み合わせによって上方素子を形成してもよい。ガラス上方素子1204は、第1のテクスチャ加工された表面1206、第2のテクスチャ加工された表面1208、及び第2の表面108を含む、3つの異なる摩擦係合表面を備えるように分割される。第1及び第2のテクスチャ加工された表面は、実質的に同じ寸法を有してもよく、又は2つの表面は異なる寸法を有してもよい。更に、第2の表面108は、一方又は両方のテクスチャ加工された表面と同じ又は異なる寸法を有してもよい。第1のテクスチャ加工された表面1206、第2のテクスチャ加工された表面1208、及び第2の表面108は、
図12に示す場所と異なる場所に配置されてもよい。
【0064】
第1及び第2のテクスチャ加工された表面1206及び1208は、タッチ及び/又は力入力などのユーザ入力に使用されてもよい。入力デバイス1212は、第1のテクスチャ加工された表面1206などのテクスチャ加工された表面のうちの一方の下に配置されてもよく、力感知スイッチ1016は、他方のテクスチャ加工された表面(例えば、表面1208)の下に配置されてもよい。例えば、一実施形態では、入力デバイス1212は、ユーザが第1のテクスチャ加工された表面1206を使用して対話するトラックパッドであってもよい。別の実施形態では、入力デバイス1212は、第1のテクスチャ加工された表面1206が、ユーザがスクリーン上に表示されたアイコン、ボタン、又はメニューと対話するためにタッチする透明な上方素子ガラスである、任意の好適な種類のタッチスクリーンであってもよい。更に第3の実施形態では、力感知スイッチ1012は省略されてもよく、トラックパッド及びタッチスクリーンなどの2つの異なる入力デバイスが、遠隔制御デバイス1200内に含まれてもよい。
【0065】
図13は、
図10〜
図12に示す遠隔制御デバイスを製造する方法のフローチャートである。最初に、ブロック1300に示されるように、ガラス上方素子が形成及び成形される。1つ以上の実施形態では、ガラス上方素子は、アルミニウムシリケート複合材料から作製されてもよい。その後、1つ以上の入力ボタンのための開口部が、ガラス上方素子内を通って形成されてもよい(ブロック1302)。次に、ブロック1304に示されるように、ガラス上方素子の側縁部の周囲に、縁部輪郭が形成されてもよい。いくつかの実施形態では、筐体又はフレームがガラス上方素子を取り囲まないため、ガラス上方素子の側縁部は完全に露出する。したがって、側縁部は縁部輪郭を形成するように成形され得る。例えば、1つ以上の実施形態では、側縁部が、1つ以上の括弧「()」又は文字「c」と類似した形状の曲線的な縁部輪郭を有するように、切断工具によって切断されてもよい。
【0066】
その後、マスキング材料が、ガラス上方素子の上部表面の、後からテクスチャ加工されない領域に塗布される(ブロック1306)。テクスチャ加工された表面は、任意の所与の形状で、任意の場所において製造されてもよく、テクスチャ加工された表面の形状及び/又は位置を画定するために、マスキング材料が使用されてもよい。次に、ブロック1308に示されるように、ガラス上方素子の上部表面の、マスキング材料によって覆われていない露出領域が、テクスチャ加工された表面を形成するためにエッチングされる。
【0067】
ブロック1306において使用されるマスキング材料の種類は、ブロック1308において使用されるエッチング処理によって異なってもよい。単なる例示であるが、テクスチャ加工された表面を生成するためにサンドブラスト方法が使用された場合、マスキング材料は再剥離型ビニル接着剤であってもよい。代替として、化学エッチング処理がエッチング処理として使用された場合、マスキング材料はフォトレジストなどのレジスト材料であってもよい。
【0068】
テクスチャ加工された表面が形成された後、ブロック1310に示されるように、マスキング材料は除去される。
図12に関連して説明されるように、遠隔制御デバイスは複数のテクスチャ加工された表面を備えてもよい。いくつかの実施形態では、テクスチャ加工された表面は、ユーザにとって実質的に同じテクスチャ又は触感を有するテクスチャ加工された表面として実施されてもよい。これらの実施形態では、ブロック1306において塗布されるマスキング材料は、同じテクスチャ又は触感を有するテクスチャ加工された表面となる領域及び場所を露出させる様式で塗布されてもよい。
【0069】
他の実施形態では、複数のテクスチャ加工された表面は、ユーザにとって異なるテクスチャ又は触感を有してもよい。ユーザにとって触感が異なる別個のテクスチャ加工された表面は、ユーザがそれぞれのテクスチャ加工された表面の下に配置された入力デバイスを特定するのに役立つ場合がある。これらの実施形態では、方法は、ガラス上方素子の上部表面の別の領域が異なるテクスチャ又は触感を有するテクスチャ加工された表面となるかどうかに関する、ブロック1312における判定を含んでもよい。そのような表面となる場合、方法はブロック1306へと戻る。ブロック1306、1308、及び1310は、テクスチャ加工された表面が全て形成されるまで繰り返される。
【0070】
テクスチャ加工された表面が全て生成されたら、処理はブロック1314へと移り、そこではガラス上方素子が化学強化される。ガラス上方素子を化学強化することは、ガラス上方素子内に亀裂が形成されることを防止するのに役立つ場合があり、かつガラス上方素子が欠損又は破損する可能性を低減し得る。次に、ブロック1316に示されるように、ボタンアセンブリ及び/又は支持層がガラス上方素子に取り付けられてもよい。両方がガラス上方素子に取り付けられる場合、最初にボタンアセンブリが取り付けられ、その後に支持層が取り付けられてもよい。
【0071】
その後、遠隔制御デバイスを製造するために、ガラス上方素子が筐体に固着される。前に説明したように、いくつかの実施形態では、ガラス上方素子の下部表面の一部分のみが、筐体に、又は筐体内の縁取りに固着されてもよい。第2の表面の下側のみを筐体に接続することは、テクスチャ加工された表面が、加えられた表面に応じて屈曲することを可能にする。他の実施形態では、ガラス上方素子の下側が異なる様式で筐体に接続されてもよい。例えば、第2の表面の下、及びテクスチャ加工された表面の少なくとも一部の下にあるガラス上方素子の下部表面が、縁取り又は筐体に固着されてもよい。
【0072】
他の実施形態では、
図13に示す方法は、異なる様式で実行されてもよい。ブロックは追加若しくは削除されてもよく、又は異なる順序で実行されてもよい。単なる例示であるが、1つのみのテクスチャ加工された表面が形成される実施形態、又は同じテクスチャを有する複数のテクスチャ加工された表面がガラス上方素子の上部表面上に形成される実施形態では、ブロック1312が省略されてもよい。代替として、上方素子がガラス以外の材料から作製される実施形態では、ブロック1312が省略されてもよい。
【0073】
図14は、
図13のブロック1308においてテクスチャ加工された表面を生成する方法のフローチャートである。例示された処理は、2つの工程から成る処理を含む。第1の工程では、露出領域の表面における起伏を生成するために、露出領域がエッチングされる(ブロック1400)。その後、ブロック1402に示されるように、起伏を修正するために起伏表面が研磨される。例えば、研磨は、でこぼこ表面の尖り具合が軽減されて摩擦係数が低下するように、起伏を平滑化してもよい。
【0074】
図15は、ガラス上方素子104の上部表面の一部分に塗布されたマスキング材料1500を示す。露出部分1502は、テクスチャ加工された表面となる、ガラス上方素子の領域である。従来技術の方法では、露出部分1502をエッチングし、露出部分の表面における起伏1600を生成するために、ブロック1400(
図14)において化学エッチングが使用される。ただし、
図16に示されるように、化学エッチングは、露出部分1502内のガラス上方素子104の一部もエッチング又は除去し、その結果、露出部分1502の上部表面と、マスキング材料によって保護された部分1602の上部表面との間の段差S1は顕著なものとなる。段差S1はユーザにとって顕著なものとなり得、状況によっては、ユーザがガラス上方素子に指で触れるか又はガラス上方素子上で指を動かすときに、ユーザにとって好ましくない場合がある。
【0075】
ブロック1400において化学エッチングを使用する代わりに、本明細書で説明される一実施形態は、研磨粒子を含む研磨エッチングを使用する。研磨粒子は液体に混合されてもよい。液体は研磨粒子にとってのキャリアであり、露出部分の表面に対して所望の圧力量で研磨粒子を塗布する。
図17は、ガラス上方素子を研磨エッチングする方法を示す。マスキング材料1500は、ガラス上方素子104の上部表面の一部分に塗布される。液体及び研磨粒子1702の混合物1700は、上部表面における起伏を生成するために、上部表面の露出部分に塗布されてもよい。単なる例示であるが、研磨粒子はガラスビーズであってもよく、液体は水であってもよく、混合物はノズルから上部表面の露出部分上に噴霧されてもよい。ガラスビーズの直径は、所望の起伏に基づいてもよい。例えば、ガラスビーズの直径は、粒子の平均直径が10.3であるか、又は粗粒指定値が1000である、超微粒の微小粗粒であってもよい。一実施形態では、超微粒の微小粗粒であるガラスビーズは、100 Raを下回る表面起伏を生み出す。Raはナノメートルで表現された平均起伏である。他の実施形態では、ガラスビーズの直径は、異なる表面起伏Raを生成するために、より大きくてもよい。例えば、表面において500〜1000の表面起伏を形成するために、より大きい直径のガラスビーズが使用されてもよい。
【0076】
研磨粒子の量及び混合物内の液体の量は、表面に形成される所望の起伏、及び/又は
図14のブロック1402で使用される研磨の量に基づいてもよい。追加で又は代替として、他の実施形態では、研磨粒子のサイズ及び形状は異なってもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、研磨粒子(例えば、ガラスビーズ)の少なくとも一部分がリサイクルされ、1つ以上の追加のガラス上方素子を製造するときに再度使用されてもよい。例えば、ガラスビーズはフィルタを使用して水から分離されてもよく、前に使用した一定の割合のガラスビーズが、別のガラス上方素子を形成するときに、新しいガラスビーズに混合されてもよい。
【0078】
別の実施形態では、
図14のブロック1400において、所望の表面起伏を生成するために、機械研磨が研磨エッチングの代わりに使用されてもよい。例えば、化合物は、パッドと共にガラス上方素子の露出表面に塗布されてもよい。パッド及び化合物の組み合わせは、表面に起伏を生成し得る。
【0079】
図18は、研磨エッチングが実行された後のガラス上方素子を示す。起伏1800は、ガラス上方素子104の上部表面の一部分に形成され、上方素子は、
図16に示す段差S1よりも小さい段差S2を有する。より小さい段差S2は顕著なものでなくてもよく、又は段差S1よりもユーザにとって顕著なものでなくてもよい。
【0080】
ガラス上方素子は、ガラス上方素子の表面に起伏を形成するための様々な技術を説明するために使用されてきたが、他の実施形態は、この構成に限定されない。起伏は、異なる種類の材料又は表面において生成されてもよい。単なる例示であるが、起伏はプラスチック又は金属表面において形成されてもよく、又は表面は、異なる種類の製品において、例えば、トラックパッドの外部表面、キーボードのキー、入力ボタン、マウスの表面、又はユーザが対話する任意の他の表面などにおいて使用されてもよい。
【0081】
ここで
図19〜
図20を参照すると、遠隔制御デバイスにおいて使用するのに好適な力感知スイッチの別の実施例の簡略化された断面図が示されている。
図19は、非作動状態である力感知スイッチを示す。力感知スイッチ1900に含まれている要素のうちのいくつかは、
図4に示すものと同じ要素である。単純化するために、これらの同一要素は詳細には説明されない。
【0082】
力感知スイッチ1900は、可撓性ビーム400の下部表面1902と、可撓性ビームの下及び支持構造403の上に配置された電極1904との間の静電容量の変化を計測することによって、力を検出する。電極1904は、例えば、金属などの任意の好適な材料から作製されてもよい。可撓性ビーム400の下部表面1902及び電極1904の組み合わせは、静電容量式感知素子を形成する。
【0083】
力感知スイッチが非作動状態であるときの、下部表面1902と電極1904との間の間隙又は距離はD1である。下方向の力(
図20の矢印2000)が入力面(図示せず)に加えられると、変形可能構造312及び可撓性ビーム400にも下方向の力が加えられる。下方向の力は、変形可能構造312を陥没させ、かつドームスイッチを作動させるのに十分であり得、又は力は、ドームスイッチを作動させるのに不十分ながら変形可能構造312を圧縮する。いずれの場合も、加えられた力に基づき、変形可能構造312は圧縮され、可撓性ビーム400は撓む。ビームの撓みは、可撓性ビームの下部表面1902と電極1904との間の距離を変化させる。例示された実施形態では、距離はD2まで減少する。距離が変化した結果、下部表面1902と電極1904との間の静電容量は変化する。測定された静電容量は、加えられた力の関数として較正され、力センサとして使用されてもよい。
【0084】
下部表面1902及び電極1904によって形成された静電容量式感知素子は、自己静電容量モード又は相互静電容量モードで動作してもよい。相互静電容量モードでは、電極1904は、励起信号、及び電極1904に接続され、下部表面1902と電極1904との間の静電容量を測定するために走査される感知線によって駆動されてもよい。静電容量式感知素子が自己静電容量モードで動作するとき、静電容量は参照信号又は電圧に関連して測定される。
図21は、
図19〜
図20に示す力感知スイッチと共に使用するのに好適な自己静電容量感知システムのブロック図である。電極1904は、アースなどの基準電圧に接続されてもよい。感知回路は、下部表面1902と電極1904との間の静電容量を測定するために、電極に接続された感知線2100を走査する。感知回路に接続された処理デバイスは、走査するように感知回路に指示してもよく、かつ感知回路から測定値を受信し、測定値に基づき、入力面に加えられた力の量を判定してもよい。
【0085】
様々な実施形態について、その特定の特徴を具体的に参照しながら詳細に説明してきたが、本開示の趣旨及び範囲内で、変形及び変更を実施してもよいことが理解されるであろう。例えば、力感知スイッチなどの入力デバイスは、テクスチャ加工された表面の下に配置されるものとして説明してきた。他の実施形態はこの構成に限定されず、入力デバイスは第2の表面の下に配置されてもよい。別の実施例として、処理デバイスは、1つ以上の力感知スイッチを有する遠隔制御デバイス内に含まれなくてもよい。代わりに、遠隔制御デバイスは、処理デバイスに動作可能に接続されてもよく、力感知スイッチ(単数又は複数)によるひずみ測定値は、有線又は無線接続を使用して処理デバイスに送信されてもよい。追加で又は代替として、他の実施形態は、追加の構造的、電気的及び/又は機械的構成要素を遠隔制御デバイス内に含めてもよい。例えば、追加の構造的支持を提供するために、ガラス上方素子と筐体の底部との間に補強材プレートが配置されてもよい。
【0086】
本明細書では具体的な実施形態について説明してきたが、適用例はこれらの実施形態に限定されないことに留意されたい。具体的には、一実施形態に関連して説明されている任意の特徴は、入れ替え可能な場合、他の実施形態において使用されてもよい。同様に、異なる実施形態の特徴は、入れ替え可能な場合、交換されてもよい。