特許第6239782号(P6239782)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239782
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】ベッド
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/005 20060101AFI20171120BHJP
   A61G 7/008 20060101ALI20171120BHJP
   A47C 20/04 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   A61G7/005
   A61G7/008
   A47C20/04 A
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-551081(P2016-551081)
(86)(22)【出願日】2013年11月6日
(65)【公表番号】特表2016-540613(P2016-540613A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】IB2013002454
(87)【国際公開番号】WO2015067979
(87)【国際公開日】20150514
【審査請求日】2016年11月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】516127293
【氏名又は名称】アイディーイーアソシエーツ・(アイオーエム)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】フィッチ、プレベン・ボー
【審査官】 古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−511682(JP,A)
【文献】 実開昭60−98465(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/00− 7/16
A47C 20/00−20/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部分と、
前記ベース部分の上方に配置され、位置が設定可能な患者支持体(19)を備えている患者支持ベース(10)と、
前記ベース部分に装着され、第1及び第2の対の入れ子式の昇降柱(5)として配設されている4つの入れ子式の昇降柱(5)と、
前記患者支持ベース(10)を支持するための2つのクロスビーム(8)とを具備し、
オペレータハウジング(9)は、前記クロスビーム(8)の少なくとも一方に装着され、又、オペレータハウジング(9)は、前記位置が設定可能な患者支持体を位置設定するための手段を有し、そして、
前記オペレータハウジング(9)と前記患者支持ベース(10)とは手動で解除可能な接続手段を構成しているベッド(1)。
【請求項2】
オペレータハウジング(9)は、前記クロスビーム(8)の各々に接続されており、又、オペレータハウジング(9)の両方は、夫々、前記第1の対の入れ子式の昇降柱(5)、及び、前記第2の対の入れ子式の昇降柱(5)間に配置されている請求項1に記載のベッド(1)。
【請求項3】
枢支手段が、前記クロスビーム(8)に対する前記オペレータハウジング(9)の回動を可能にしている請求項1又は2に記載のベッド(1)。
【請求項4】
前記入れ子式の昇降柱(5)の各々は、開口した第1の端を備えている細長いチューブ状の外側部材(5a)と、少なくとも部分的に前記細長いチューブ状の外側部材(5a)の中にある引込められた位置から、少なくとも部分的に前記細長いチューブ状の外側部材(5a)の外にある伸ばされた位置へと、前記開口した端を通って摺動するように配設された細長いチューブ状の内側部材(5c)とを有し、前記細長いチューブ状の内側部材(5c)は、第1の端部で前記ベース部分に支持されている請求項1に記載のベッド(1)。
【請求項5】
前記4つの昇降柱(5)の各々は、別々に制御され得る請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベッド(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ベッドに、特に限定されるものでは無いが、病院のベッドのように人が必要としている特別なケアのためのベッドに、関し、より特別に、ベース部分と、前記ベース部分の上方に配置され、位置が設定可能な患者支持体を備えている患者支持ベースと、前記ベース部分に装着され、第1及び第2の対の入れ子式の昇降柱として配設されている4つの入れ子式の昇降柱と、前記患者支持ベースを支持するための2つのクロスビームとを具備し、オペレータハウジングは、前記クロスビームの少なくとも一方に装着され、又、オペレータハウジングは、前記位置が設定可能な患者支持体を位置設定するための手段を有し、そして、前記オペレータハウジングと前記患者支持ベースとは手動で解除可能な接続手段を構成しているベッドに、関している。
【背景技術】
【0002】
人が必要なケアのためのベッドには、多くの機能上の要求がなされている。以下では患者と称されている使用者のケアを適切に効率よく果たすことは別として、病院、又は、高齢者擁護施設のようなケアが必要な環境でのベッド自身の取り扱いと、看護婦、ポータ、医者のような全てのケアをする人の人間工学が、考慮されなければならない。
【0003】
ベッドの休む表面は、患者を異なる位置、例えば、眠る、休む、及び/又は、ベッドでの治療のために、座らされる、横にされる、又は、足を立てる、等にするために、異なる形態を可能とする必要がある。又、例えば、患者がベッドに対して出入りできるように、又は、患者を処置又は取り扱うときのケアをする人のための良好な人間工学的な作業ポジションのために、休む表面を下降又は上昇させることが可能である必要がある。ベッドへの出入りに際して、これは、休む表面が横方向に傾斜され得る、即ち、ベッドの一側又は他側を下降させる、場合に、例えば、患者の洗い、向き換え又は治療のために、若しくは、床ずれ等を防ぐために患者の休む位置を変更するために、患者及びケアを助ける人にとって有用であり得る。上述サレタケアをする人の人間工学の観点から、上記機能性の多くを、好ましくは、全てを電動化する必要がある。
【0004】
ベッドは、又、例えば、患者が中に運ばれるのを可能にするため移動可能であるのみならず、ベッドは、使用しないときに、洗浄施設及び/又は保管場所に移動されなければならない。保管の間には、ベッドは、可能な限り小さい保管スペースを取るべきである。ベッドは、衝撃及び衝突が起こり易い移動や保管の間に、損傷されないように、頑丈にされるべきである。又、ベッドは、洗浄の間に、強い洗剤、滅菌、オートクレーブの高圧高温、等に充分に耐えるように、強くあるべきである。
【0005】
上述された患者の搬送の観点で、WO-A-2007/067874により、単一の表面システムを有するベッドを、即ち、患者の便宜、診断、処置、及び、搬送を可能にしている患者支持部分を備えたベッドを提供するように提案されている。しかし、このベッドは、形態、傾斜等について機能性の電動化には一般的に向いていない。また、これは、患者がベッドに出入りするときに、望まれている患者支持体の下降又は上昇が可能ではない。更に、人がベッドの外に落ちやすい傾向があり、この場合には、患者が怪我をするリスクが減じられるようにベッドを低くしている。
【発明の概要】
【0006】
この従来技術を基として、本願発明の目的は、患者の便宜、診断、処置、及び搬送、形態、傾き、回動、昇降のための電動化、に関して融通性が有り、僅かなスペースを必要とし、容易に洗浄及び頑丈にされるベッドを提供することである。
【0007】
本願発明の第1の態様に係われば、この目的は、ベース部分と、前記ベース部分の上方に配置され、位置が設定可能な患者支持体を備えている患者支持ベースと、前記ベース部分に装着され、第1及び第2の対の入れ子式の昇降柱として配設されている4つの入れ子式の昇降柱と、前記患者支持ベースを支持するための2つのクロスビームとを具備し、オペレータハウジングは、前記クロスビームの少なくとも一方に装着され、又、オペレータハウジングは、前記位置が設定可能な患者支持体を位置設定するための手段を有し、そして、前記オペレータハウジングと前記患者支持ベースとは手動で解除可能な接続手段を構成しているベッドにより、達成される。
【0008】
他の好ましい実施の形態に係われば、前記入れ子式の昇降柱の各々は、開口した第1の端を備えている細長いチューブ状の外側部材と、少なくとも部分的に前記細長いチューブ状の外側部材の中にある引込められた位置から、少なくとも部分的に前記細長いチューブ状の外側部材の外にある伸ばされた位置へと、前記開口した端を通って摺動するように配設された細長いチューブ状の内側部材とを有し、前記細長いチューブ状の内側部材は、第1の端部で前記ベース部分に支持されている。これは、患者支持体を非常に低い高さに下降させることをができ可能にし、患者がベッドの外に落ちて損傷するリスクを減じている。
【0009】
更なる他の好ましい実施の形態に係われば、前記4つの昇降柱の各々は、別々に制御され得る。これは、柱の制御での高い自由度を可能にしており、例えば、コンピュータの制御の基で、所定の、又は、無作為のバターンに従って、患者支持体が、傾斜及び回動をすることを可能にしている。このようにして患者支持体を連続して動かすことにより、床ずれ、人工呼吸での必要性、及び、寝たきりの人に対する他の既知の問題を減じることができる。
【0010】
本願発明は、以下の添付された図面を参照して、限定されない例示的な実施の形態を基にして記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本願発明に係わるベッドの第1の実施の形態の分解図である。
図2図2は、設定の変更可能な患者支持体の異なる傾斜と設定とを示している、本願発明に係わるベッドの異なる側面図である。
図3図3は、設定の変更可能な患者支持体の異なる傾斜と設定とを示している、本願発明に係わるベッドの異なる側面図である。
図4図4は、設定の変更可能な患者支持体の異なる傾斜と設定とを示している、本願発明に係わるベッドの異なる側面図である。
図5図5は、設定の変更可能な患者支持体の異なる傾斜と設定とを示している、本願発明に係わるベッドの異なる側面図である。
図6図6は、解除された解除可能な手段と垂直位置に回動された患者支持ベースへとを備えた、本願発明に係わるベッドの斜視図である。
図7図7は、図6の状態で、一緒にまとめられた複数のベッドを示している。
図8図8は、低傾斜位置でのベッドを示している。
図9a図9aは、患者支持ベースへの、ベッドの残りの部分上への、トロリーの助けによる順次の位置付けを示している。
図9b図9bは、患者支持ベースへの、ベッドの残りの部分上への、トロリーの助けによる順次の位置付けを示している。
図9c図9cは、患者支持ベースへの、ベッドの残りの部分上への、トロリーの助けによる順次の位置付けを示している。
図9d図9dは、患者支持ベースへの、ベッドの残りの部分上への、トロリーの助けによる順次の位置付けを示している。
図9e図9eは、患者支持ベースへの、ベッドの残りの部分上への、トロリーの助けによる順次の位置付けを示している。
図9f図9fは、患者支持ベースへの、ベッドの残りの部分上への、トロリーの助けによる順次の位置付けを示している。
図10図10は、本願発明に係わるベッドの第2の実施の形態の分解図である。
図11図11は、図10に示されたベッドの第2の実施の形態で実行されているような本願発明に係わる細長いオペレータハウジングを示している。
図12a図12aは、図11に示されている実施の形態に係わる各オペレータハジング内の傾斜された患者支持ベースの端部を示している。
図12b図12bは、図11に示されている実施の形態に係わる各オペレータハジング内の傾斜された患者支持ベースの端部を示している。
図13a図13aは、図11に示されている実施の形態に係わる細長いオペレータハウジングから患者支持体を解除し取り外す工程を示している。
図13b図13bは、図11に示されている実施の形態に係わる細長いオペレータハウジングから患者支持体を解除し取り外す工程を示している。
図13c図13cは、図11に示されている実施の形態に係わる細長いオペレータハウジングから患者支持体を解除し取り外す工程を示している。
図13d図13dは、図11に示されている実施の形態に係わる細長いオペレータハウジングから患者支持体を解除し取り外す工程を示している。
図14図14は、位置が設定可能な患者支持体の下方からの斜視図である。
図15図15は、図14の位置が設定可能な患者支持体の下方からの斜視図である。
図16図16は、更に取り出されて設置されたベッド側枠を備えている、図15の位置が設定可能な患者支持体と患者支持部との下からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明で、ベッドに関連して使用されたときに、上側。下側、上方、下方、垂直、水平、等のような方向又は位置を示している用語は、通常の使用位置で、即ち、床のような平坦な水平面上でのベッドに対してであるように理解される。沿う、横切る、長手方向のような同様の用語が、ベッドに関連したこれらの一般的な感覚で使用されている。異なる実施の形態で等しいか、互いに対応している部材に対しては、同じ参照符号が使用されている。
【0013】
図1の分解図を最初に考慮すると、ベッド1の種々の部品が示されている。このベッドの基礎部分は、中空で細長いビーム2を有している。この細長いビーム2は、スチール、押し出し成型されたアルミニウム、又は、他の適切な材料により形成され得る。後で説明されるように、細長いビーム2は、例えば、入れ子式(telescopic manner )に、伸長され得る。又、細長いビーム2は、基礎部分の互いに対向した両端部を形成するように、ほぼX形状の端部材3により両端で終端している。これら端部材3は、好ましくは、圧力鋳造されたアルミニウム、又は、補強されたプラスチック材により形成されている。X形状の端部材3の各々は、それ自体公知の方法で、X形状の部材の夫々の1対のアームの両端部の下側に配設された1対のホイール4の上に、既知の方法で支持されている。従って、基礎部分は、かくして、ベッド1は、ある場所から他の場所へと容易に移動され得る。これらホイール4は、ベッドが動いているときに、ベッド1の運動性を増すために、好ましくは、旋回ホイール(swivel wheels)である。更に、これらホイール4は、ベッド1が、患者の重さを伴って移動されるときに、床及び他の表面に対してのストレス及び摩耗を減じるように15cmと25cmとの間のような大きい直径を有していることが、好ましい。しかし、ホイール4のディメンションは、ベッド1の上下動を少なくすることと、床及び他の表面に対する摩耗を減じることと、の間の兼ね合いで定められる。更に、表面に対する摩耗は、ベッド1にプラスチック及びアルミニウムのような軽量材料を適切に使用することにより、減じられる。このような材料の使用により、ベッド1の総重量は、溶接されたスチール製の一般の病院のベッドの約50%に減じられる。好ましくは、ホイール4は、所定の方向に、例えば、ベッド1の長手方向にホイール4をロックするための作り付けのロック手段を有している。この作り付けのロック手段は、個々に、又は、好ましくは、対でホイール4をロックするように、好ましくはワイヤレス遠隔制御され得る。ロックは、ホイール4の旋回動のロックと、ホイールの回転のロックとの両方が可能である。このような作り付けのワイヤレス遠隔制御を使用することは、作業の処置、人間工学、及び、時間の消費の観点で、対でホイール4をロックするために必要な機械的カップリングに対して効果がある。1対のホイール4の旋回動のロックは、ベッド1を運んでいるときに、そのようにすることにより、ボタンを押すだけで良い効果がある。同様に、ベッド1を静止させなければならないか、又はその逆の場合に、その状態でホイール4の回転をロックする。このロックは、ベッド1が移動されない場合には、ベッド1が不用意に走ることを防止するように、同様に、自動的なされ得る。そして、ベッド1が移動されなければならないときには、ホイール4のロックの解除は、ボタンの一回の押しによりなされ得る。更に、ホイール4は、力を与えられないときには、自身で自動的にロックするタイプであり得る。
【0014】
各X形状の部材3の他の対のアームの端部は、基礎部分の高さを低くするために、ホイール4の上に位置している前記対のアームの端部よりも下側に一般的に配置されている。前記他の対のアームの端部の各々の上には、入れ子式の昇降柱5が配置されている。かくして、ベッド1は、ベッド1の両端部に夫々配置された1対の昇降柱5を有している。
【0015】
図4乃至8で良く見られるように、各昇降柱5は、複数のチューブ5a、5b、5cを有している。これらチューブ5a、5b、5cは、好ましくは、冷間引き抜きされたスチール、又は、押し出し成型されたアルミニウムにより、好ましくは、形成されているが、レーザ溶接されたスチールチューブ5a、5b、5cのような他の適切な材料及び製造プロセスも、使用され得る。好ましい実施の形態では、3つのチューブ、即ち、外側チューブ5aと、内側チューブ5cと、中間チューブ5bとが使用されている。外側チューブ5aは、上端が閉じているが、下方の第1の端は開いている。この結果、中間チューブ5b、及び、内側チューブ5cが、細長い外側のチューブ部材5a内に少なくとも部分的にある縮み位置から細長い外側のチューブ部材5aの外に少なくとも部分的にある伸び位置へと第1の開口端を通って摺動することを可能にしている。
【0016】
前記内側チューブ5cは、第1の端部で、基礎部分の端部材3のアームに垂直に、即ち、昇降柱5が垂直になるように、装着されている。基礎部分のX形状の部材3に取着されている昇降柱5の内側チューブ5cと、後述されるように、外側チューブの底部、即ち、これの開口端の近くに接続されている患者支持部分と、を有することにより、外側チューブと、中間チューブと、内側チューブとの間の如何なるギャップも下側に面している効果を有している。かくして、上端で閉じており、大きい直径を有する外側チューブ5aは、内側にあるチューブを、重力の影響により下方に流れて溜る液体を防ぐであろう。かくして、塵埃と同様に水や、洗浄及び殺菌剤が、入る可能性を少なくしている。このことは、認められていない液体、例えば、こぼれるか正しくない洗浄に対して特に関連性がある。しかし、正しい洗浄の間、内側にあるチューブ5b、5cを洗浄するために、昇降柱5が、完全に伸ばされているときら場合も、又、ある。
【0017】
細長い外側のチューブ部材5aの各々の下端部にはブラケット6が、設けられている。これらブラケット6は、好ましくは、細長いチューブ部材5aに、溶接により取着されている。しかし、溶接は、ベッド1の全体の構造では、かなり避けられており、好ましくは、これら溶接は、全体の構造での唯一の溶接である。ベッド1の両端部での各対のブラケット6の少なくとも1つは、長孔7を有している。ブラケット6は、ベッド1の両端部での各対の夫々の昇降柱5間に延びているクロスビーム8を支持している。前記長孔7は、ブラケット6同志が同じ高さに持ち上げられていない場合のブラケット6間の距離の相違を補償し得る。好ましくは、クロスビーム8は、クロスビーム8の傾斜された位置での他のブラケット6に対するストレスを減じるために、長孔7にロックされ得る。
【0018】
前記昇降柱5は、好ましくは、本出願人の前の特許出願 EP-A-1286909に従って駆動される。この特許出願は、参照としてここに組み入れられる。後述されるように、昇降柱5を上昇させるように個々に制御され得る複数の電気昇降モータが、本出願人の前の特許出願 EP-A-1929623に記載されている位置感知及び制御を使用して、好ましくは制御される。この特許出願は、参照としてここに組み入れられる。
【0019】
上述されたように、細長いビーム2は、例えば、2つのチューブを使用した入れ子式の方法で伸長可能である。好ましくは、細長いビーム2のディメンションは、1又は2のチューブが、入れ子式の昇降柱5のチューブ5a、5b、5cのために使用されたのと同じように引き抜かれたチューブの形体で形成され得るように、選択される。細長いビーム2が、入れ子式ではなく単一のチューブにより構成されている場合には、このチューブは、好ましくは、入れ子式の昇降柱5のチューブ5a、5b、5cのために使用されたのと同じように引き抜かれたチューブの形体で形成され得る。いずれの場合でも、必要な部品の数は、異なる目的のためのチューブが、同じ材料の形体(the same stock profile)から切断され得るので、減じられる。細長いビーム2は、好ましくは、参照としてここに組み入れられる本出願人の特許出願 EP-A-1404980に従って、X形状の端部材3に結合されている。
【0020】
オペレータハウジング9が、クロスビーム8の上に、これにより支持されるようにして装着されている。後で説明されるように、このオペレータハウジング9は、クロスビーム8に解除可能に係合している。この結果、係合されたときには、オペレータハウジング9は、クロスビーム8の上方、下方、及び斜め方向の動きに従うことが可能であり、係合が解除されたときには、オペレータハウジング9は、垂直、即ち、実質的に垂直な位置へと回動されることが可能である。保管のためには、全体的に垂直な状態が好ましいが、洗浄のためには、全体に渡って垂直な状態ではなく、水平な側面を避けるために少し傾斜されており、この結果、水及び他の洗剤が集められ得る。このように水平面を避けることは、水及び他の洗剤が流れでることを可能にしている。
【0021】
ベッド1は、更に、患者支持ベース10を有している。この患者支持ベース10は、両端部の所で夫々のオペレータハウジング9に、好ましくは、図13a乃至13dと関連して後で説明されるように、解除可能、取り外し可能、及び、相互交換可能に、装着されている。
【0022】
前記患者支持ベース10は、好ましくは、プラスチック材の一体射出成型部品であるが、使用に応じて、中にシャフト11が位置され得るシールされたキャビティを有するように、又、塵埃等が溜り易い補強リブを隠すように、効果的に、2つの半体を結合させて形成され得る。勿論、伝達シャフト及びロッド11は、特に、患者支持ベース10が、上述された一体射出成型部品として形成されている場合には、好ましくは患者支持ベース10の下側の開成した細長い溝の中に配置され得る。患者支持ベース10は、好ましくは、手動での持ち上げ、支持、及び、取扱いを可能にするように、側部及び端部に支持ハンドル33を有している。
【0023】
図1及び図11の左側に最も良く見られるように、オペレータハウジング9は、各々が凹んだ切欠部13を備えている複数のカンチレバー12を有している。図1の実施の形態では、凹形状の切欠部13は、カンチレバーに一体的に形成されており、図10の実施の形態では、凹んだ切欠部は、適切な方法でカンチレバー12に装着された追加の部材34により設けられている。凹形状の切欠部13は、患者支持ベース10の両端部にある対応した数のスロット29内に形成された短いシャフト14を中に受けるように設定されている。凹形状の切欠部13内での短いシャフト14の摺動が望まれるか、否かに応じて、異なるが。又、顎形状(jaw like)の取着手段が、図1の実施の形態では、凹所を閉じるために使用され得る。この点に関して、取着手段15には、ジャーナル軸受けを形成するように、短いシャフト14の直径に対応した半円形の凹所17が形成されている。このジャーナル軸受けの中で、患者支持ベースは、オペレータハウジング9に対して回動動作をすることが可能である。摺動動作が、望まれる場合には、取着手段15が凹所を閉じるように使用されているのに代わって、取着手段15は、カンチレバー12と一緒になってフック形となるように一端部で開成され得る細長い凹所を有することができる。取着手段15は、患者支持ベース10の取り外しが可能なように、両端部で、前述されたように、オペレータハウジング9とカンチレバー12とに着脱可能である。
【0024】
図10の実施の形態で、前記取着手段15は、更なる部材34と共働するフックである。図12aと12bとの間の比較により最も良く見られるように、前記更なる部材は、これら患者支持ベース10の摺動動作を可能にするか否かに応じて、異なる形態をとり得る。
【0025】
両実施の形態で、取着手段15の形状と凹形状の切欠部13,17の位置とは、患者支持ベース10の水平位置で短いシャフト14が遊びを有さないことを確実にするように適用されている。即ち、オペレータハウジング9間での患者支持ベース10の往復動の可能性を無くしている。このことは、更に、上述されたように、壁、ドア、及び、他の障害物に可能性のある衝突に対して、オペレータハウジング9を保護している。これは、力が、患者支持ベース10とオペレータハウジング9とに伝達されて、如何なる衝撃をも吸収する助けをなしているためである。前記取着手段15は、即ち、第1の実施の形態の顎形状の取着手段15、又は、第2の実施の形態のフック形状の取着手段15は、好ましくは、オペレータハウジング9に枢支されている。いずれの場合でも、これらは、又、好ましくは、凹所を閉じている閉塞位置に取着されていないときには自動的に開いているように、開成位置に向かってばねにより付勢されている。即ち、解除のときには、これらは、自動的に開いて、短いシャフト14の、かくして、全体の患者支持ベース10の取り外しの妨害をしていない。
【0026】
図10の分解図で見られ得るように、細長いオペレータハウジングは、位置が設定可能な部品19の操作のための複数のモータ35を有している。これらモータ35は、細長いオペレータハウジング9の一部を形成しているポケットのような適切な収容部20の中に収容されている。ここで、モータは、汚染物、水、洗剤、腐食物から良く保護されている。
【0027】
患者支持ベースは、位置が設定可能な部品19が接続され得る複数のアクチュエータ18を支持している。説明されたように、これらアクチュエータ18のための駆動モータは、オペレータハウジング9内に、例えば、オペレータハウジング9に形成されている適切な駆動モータ収容部20内に配置された電気駆動モータ35である。これらモータは、昇降柱5を駆動するための昇降モータを除いて、全て、両端部に一緒に配設されている。アクチュエータへの伝達は、患者支持ベース10が、オペレータハウジング9に対して、即ち、前に説明されたように、凹形状の切欠部13及び取着手段15,16内で移動しているときに、差異と角度とをとるように、アクチュエータのディメンションは、適切なシャフト11、クランクシャフト、カルダン継手、スプライン、コイルばね52等を使用してなされる。好ましくは、シャフト11は、オペレータハウジング9内のアクチュエータモータ収容部20内の電気アクチュエータモータに、適切な伝達手段32を介して連結されることが可能なように、多角形の断面を有している。
【0028】
図11から見られ得るように、上記伝達手段32は、適切なブッシング36,37を備えたコイルはねを有している。好ましくは、これらブッシング36,37は、位置が設定可能な部品19のための伝達シャフト11と、電気モータ35と係合している短いオペレータハウジングの出力軸38とに係合して共働するために、六角形孔を有している。これら伝達シャフト11とオペレータハウジングの出力軸38とは、夫々のブッシング36,37と係合するために、適切に、好ましくは、又、六角形の断面を明白に有している。明らかに、矩形断面のような他の適切に合う断面が、代わって使用され得る。オペレータハウジングに近接しているブッシング36は、ハウジングの必要な開口のシールを助けるように、好ましくは、設定されている。
【0029】
前記ブッシング36,37は、伝達シャフト11に対して摺動するように、好ましくは、設定されている。2つの理由が、これに対してある。1つの理由は、差異を補償するためである。特に、患者支持ベース10の長手方向での傾きによりたやすく変わる患者支持ベース10とオペレータハウジング9との間の距離の差異を補償するためである。他の理由は、ベッド1からの患者支持ベース10の取り外しを可能にするように、アクチュエータモータ35からの伝達シャフト11の係合解除を容易にするためである。かくして、ベッド1からの患者支持ベース10の取り外すための全ては、取着手段15,16をこれらのロック位置から解除することと、シャフト11の係合を外すようにブッシングを摺動させることと、患者支持ベース10を離れるように持ち上げることとである。
【0030】
前記ブッシング36,37の摺動は、図11に両頭矢印で示されているように、オペレータハウジング9に沿って操作バー46を前後に移動させることにより、なされる。このように操作バー46を前後に摺動させることにより、適切なカム面47,48が、ブッシング36と係合して、これを動かす。同様に、類似のカム面が、ブッシング36と同様に、取着手段15と係合してこれを動かす。
【0031】
更に、ブッシング36とブッシング37との間のコイルばね32を使用することにより、オペレータハウジングの出力軸38と伝達シャフト11との間のリンクが、曲がることが可能となって、患者支持の異なる傾斜を許容することが可能となる。代わって、カルダンシャフトが、使用され得るが、ブッシング36,37を備えたコイルばね32を使用している曲がることが可能なリンクが、一般的に好ましい。
【0032】
アクチュエータ18のためのこの駆動は、又、電動であるために、これらアクチュエータモータ35は、かくして、個々の位置が設定可能な部品19の位置は、ベッド1の制御パネルの使用により、もしくは、有線又は無線遠隔制御を使用することにより、好ましくは、記載されている患者支持ベース10の横方向の傾き(tilt)のために使用されるのと同様に、ベッドに座っている患者自身により制御され得る。可能な範囲で、アクチュエータ18のためのアクチュエータモータと関係付けされた電子機器及び配線と、患者をモニターするための種々のセンサー、アラーム等と関係付けされた電子機器及び配線が、又、好ましくはオペレータハウジング9内に、好ましくは、配置されている。これらは、強い洗剤、滅菌、機械的衝撃等のような外部からの刺激に対して良く保護されている。もし、例えば、改造によって、アクチュエータのためのアクチュエータモータと関係付けされた電子機器及び配線と、種々のセンサー及び/又はアラーム等と関係付けされた電子機器及び配線が、全てオペレータハウジング9の中に適合させることができないのであれば、これらのうちの幾つかが、オペレータハウジング9又は、好ましくは、クロスビーム8に接続され、クロスビーム8に配設されているV字形状の収容部44内に配置されるような、分かれているハウジング内に適合され得る。分かれているこのようなハウジングは、又、電気的なショックの危険を避けるように12V又は24Vのような低電圧DCのために好ましくはレイアウトされている全体の電気システムのためのバックアップ用のバッテリーを収容し得る。V字形状の収容部44に加えて、クロスビーム8は、アーム及び台を装着するための垂直な盲穴を有する突出部45のような、アームと台の集合体(arm and gallows arrangement)のための収容部を、又、有し得る。クロスビームに配設されているこの突出部45は、台が、患者支持ベースと共に移動し、そして、患者のリーチ内に留まることを可能にしている。
【0033】
オペレータハウジング9からX字形状の端部材3への電気的な接続が、昇降柱5内の移動している部品による配線への損傷を避けるために、昇降柱5への延長可能な、昇降柱5の外部にあるスパイラル状の配線のように、好ましくは、引かれている。
【0034】
患者支持ベース10及び位置が設定可能な部品19が、拡大して詳細に示されている図14乃至16を今参照すると、位置が設定可能な部品19と患者支持ベース10との間に、複数のスペーサブラケット21が配置されている。これらスペーサブラケット21は、位置が設定可能な部品19を平坦なフラッシュ位置に、即ち、図4及び5に示されているように、支持している。図15に最も良く見られるように、スペーサブラケット21は、又、ベッド側枠22が使用されていないときには、ベッド側枠22のための保管スペース39を与えている。図16に見られるように、ベッド側枠22(cot sides)は、塵埃が集まらないようにするために、円滑で丸みが付けられている。図1,9、及び、14乃至16には示されていないけれども、ベッド1は、勿論、例えば、図2乃至4で見られるように、患者の心地よさのために、取り外し可能なマットレス23が装着されて通常に使用される。位置が設定可能な部品19は、好ましくは、複数の低い折り曲げ側部24を、好ましくは、有している。これらは、2つの目的のために機能する。第1の目的は、取外し可能なマットレス23の横方向又は長手方向の動きを防止することである。第2の目的は、これらが、収容部39から引き出されて、図16に示されているように、起立位置に設けられたときに、ベッド側枠22を支持且つロックすることである。
【0035】
図15及び16から見られ得るように、患者支持ベース10の下側には、アクチュエータ18を収容している複数の溝40が設けられている。前記アクチュエータにより、位置が設定可能な部品19は、異なる形態間で動き得る。患者支持ベース10が、フレームに適切に適合されているときに、伝達シャフト11は、又、オペレータハウジング9からアクチュエータ18へと溝40に沿って延びている。患者支持ベースが、更なるベッド側枠22’と適合可能なホイール42を有している。図1の実施の形態に関係しているけれども、図8から、更なるベッド側枠22’は、好ましくは、これらが、ベッド1の外で他のベッド側枠22と重なるように構成されていることが、見られ得る。かくして、これらは、他のベッド側枠22を支持して、ベッド1からの患者の落下に対しての安全性を増している。当業者は、これと同様のほとんどの他の形体が、本願発明に係わるベッド1の種々の実施の形態間で、充分に交換可能であることが、理解される。
【0036】
例えば、図10と関連して図11を参照すると、オペレータハウジング9は、好ましくは、又、取外し可能な端部ボード部材を受けて、例えば、円筒形又は切頭円錐形の孔のような適切な容器を有している端部ボード25により、支持されている。オペレータハウジング9は、相補的なチューブ状、円筒状、切頭円錐状、又は、他の適切に設定された突出部26を有している。
【0037】
更に、ハンドルバー又はノブのようなノブ31が、複数の昇降柱5の各々又は幾つかの外側チューブ5aの上端部に適切にフィットされている。この結果、例えば、引いたり押したりすることにより、ベッドを移動させるときに、良好なグリップを可能としている。更に、図10から見られ得るように、ノブ31は、垂直な切欠部42を有し得る。これら切欠部42は、X形状の部材3の端部にある垂直な盲穴43の上方に垂直に配設されている。切欠部42は、盲穴43の中に適合され得る静脈注射用のポール(intravenous poles)のような支柱(図示されていない)を支持するための助けをなしている。
【0038】
図6図8との間の比較により理解されるように、本願発明に係わるベッド1は、患者支持ベース10を傾ける2つの独立した方法を有している。
【0039】
原理的には、昇降柱5が、ブラケット6を、従って、又、クロスビーム8、オペレータハウジング9、及び、患者支持ベース10、を基礎部分の細長いビーム2の上方に充分に高く上昇させると、装着ブランケット間の長軸を中心とした患者支持ベース10の充分な回動が可能となり得る。しかし、実用上の目的のために、図6及び図7に示されているような充分な垂直の位置に患者支持ベース10を回動させるのには充分である。この最初の可能性は、手動動作に基づいている。適切なロック機構41の解除の後、好ましくは、子供にとって安全であり、又、両手での操作の後、回動手段は、クロスビーム8の軸、シャフト、又は、ピン28を中心としてオペレータハウジング9を回動させるように解除される。この結果、患者支持ベース10は、図示された垂直スペースサーブ位置に回動可能となる。このような回動手段は、種々の異なる方法でなされることができ、又、これをするのに問題が無い当業者を見つけるように頼まれ得る。
【0040】
この充分な垂直の位置で、患者支持ベース10は、細長いビーム2が位置している仮想平面内で細長いビーム2のほぼ上方のスペースを占めている。図7から見られ得るように、この結果、複数のベッド1が、保管、洗浄、消毒、滅菌器内での滅菌、等、のために密に、X字形状の部材3のクロスビームの幅にのみ制限されて。集められ(ganged)得る。ベッド側枠22と端部ボード25との高さが、適切なディメンションの場合には、保管と滅菌、しかし、特に、洗浄と消毒とは、端部ボード25がその位置にあり、ベッド側枠22が、保管位置、即ち、ベッド内から、アクセス可能な位置に、即ち、図6に示されてベッド側枠22の実質的に垂直な位置に、上昇された状態で、行われ得る。前述されたように、洗浄のためには、完全には垂直ではない位置が、望ましい。これは、例えば、洗浄の間にベッド側枠22の上が完全に水平な面とならないようにして、水、及び、他の洗剤が、集まらないようにするためである。このように充分で実質的に垂直な位置で、本願発明に係わるベッド1は、一般のベッドよりも実質的に少ないスペースを占める。本願発明に係わる4つのベッド1は、2つの一般の病院用のベッドとほぼ同じスペースを占め、この結果、必要なスペースを約40%減じている。かくして、多くのベッド1が、滅菌器の中に同時に入れられ、多くのベッド1が、指摘された保管スペースに置かれ、又、多くのベッド1が、輸送の間に貨物車の保持部の中に適合するであろう。
【0041】
図示された実施の形態では、3つのチューブ5a,5b,5cを有する4つの昇降柱5が、使用されている。これは、図5に示されているように、約90乃至100cmの最高高さに患者支持ベース10を上昇させ得るのに充分である。このような高さは、患者支持ベース10を垂直な保管位置に傾斜させ得るためには、充分であるばかりではなく、人のケアにとって人間工学的に好ましい高さに、かくして、患者に対して下方に曲げる必要のない高さに、水平な患者支持ベース10の上昇を可能にしている。
【0042】
第2の傾きの可能性は、昇降柱5の中又は下に、保護された状態で配置されている複数の電気モータ(図示されていない)によりなされる。傾けるために、これら電気モータは、所望の高さへと昇降柱5を、夫々独立して駆動する。回動手段が、安全位置にしっかりとロックされていて、オペレータハウジング9がクロスビーム8に対して固定されている場合には、クロスビーム8の、かくして患者支持ベース10のモータにより制御された傾動が可能となる。理解されるであろうように、昇降柱を夫々独立して駆動させることにより、ベッドの全体の傾斜の変更が、又、可能となっている。以下に説明されるように、モータで制御される昇降柱5は、遠隔及び/又はコンピュータ制御され得る。傾動は、ベッド側枠22が装着されていない場合に、患者がベッド1の外に転がる又はずれる可能性のある、患者又は他のオペレータが不用意に到達可能な角度とすることを防ぐために、例えば、水平に対して25乃至30°の角度に、好ましくは、制限されている。これは、図8に示されているように、ベッド側枠22が、勿論ベッド側枠22が取り外されている場合に、ベッド1の中又は外への患者の移動の助けをなすように、横方向に僅かに傾斜することを可能にしている。駆動は、電気的なので、これは、ベッドに座っている患者が、ベッド1の制御パネル(図示されていない)を使用するか、有線又は無線の遠隔制御を使用することにより、制御されることを可能にしている。更に傾動は、寝たきりの患者の床ずれ、尿、排の汚染のリスクをス少なくする、例えば、12°以上の長手方向の傾斜と可能であれば組み合わされて、変化する小さい横方法の傾斜角度を自動的に与えるために、コンピュータ制御され得る。
【0043】
上述されたように、昇降柱5の外側チューブ5aの下端部に支持ブラケット6が設けられていることにより、支持ブラケット6が、かくして、患者支持ベース10が、非常に低い最低高さに、実質的に基礎部品の細長いビーム2の下側に、完全に下降され得る。これは、前述されているように、眠っている、落着きの無い、又は、薬で麻痺されている患者が、ベッド1の外に落ちたときの怪我のリスクを減じている。図3図4、及び図8から見られ得るように、昇降柱5は、互いに個々に独立して制御可能である。かくして、患者支持ベース10は、図2図3との間の比較により見られ得るように、位置が設定可能な部品19により得ることが可能な種々の位置への更なる自由度を与えるように、一端で下降され他端で上昇され得る。しかし、図3に示されているような長手方向の傾斜位置での患者支持ベース10、及び、図4に示されているトレンデレンブルグ体位のための位置では、オペレータハウジング9相互間の距離が、例えば、患者支持ベース10が水平である図5での位置よりも長くなっている。かくして、オペレータハウジング9の少なくとも1つは、変位可能に設定されており、又、昇降柱5の夫々の対の外側チューブ5aの装着ブラケット6に装着されているクロスビーム8に対して患者支持ベース10を回動させている。好ましくは、上述されているように、ベッド1の一方の端部オペレータハウジング9の所で、取着機構の上部を、カンチレバー12の、例えば、12bで示されているような下側の部分の凹所13の中にある患者支持ベース10の短いシャフト14の短いシャフト14の摺動を可能にするように、形状を設定することにより、なされる。
【0044】
同様に、患者支持ベース10が、図8に示されているように傾斜された、即ち、横方向に傾けられた位置にある場合には、ブラケット6間の距離は、例えば、図5に示されている患者支持ベース10が水平である場合よりも長くなっている。これを補償するために、ベッド1の両端部にあるブラケット6の少なくとも1つは、クロスビーム8の一端部の変位を可能にするように、長孔7を有している。これら長孔7は、ベッドの同じ側に、好ましくは、ある。更に、クロスビーム8の傾斜状態で多くの側方のストレス及び荷重を支える、ベッド1の反対側の対応したブラケット6へのストレスを減じるように、ブラケット6に長孔7をロックさせるための手段が設けられ得る。このような僅かな反れから離れて、昇降柱5、クロスビーム8、オペレータハウジング9、ブラケット6、等は、ベッド1の製造に際して製造及び保管される必要な異なる部品点数を減じるように、ベッド1の両側で、好ましくは、同じである。
【0045】
上記から理解され得るように、オペレータハウジング9を回動可能にユニットとして与えることにより、患者支持ベース10が保管位置として機能する垂直スペースへと容易に回動され得るだけではなく、患者支持ベース10が、ベッドから容易に取り外されることを可能にしている。12から取着手段15を解除するようになされなければならない全てのことは、オペレータハウジングの出力シャフト38とシャフト11との間の簡単な機械的なカップリングを解除することである。この解除により患者支持ベース10は、取り外されることができる。電気的な接続は、患者支持ベース10が、機械的な部品を有する極めて簡単な構成なので、切断される必要がない。
【0046】
最初に図13aを参照すると、患者支持部分の短いシャフト14が、オペレータハウジング9のカンチレバー12の上に位置していることが、見られ得る。フック形状の取着手段15が、患者支持ベース10の短いシャフト14を保持し、追加の部材34にしっかりと係合され、しかし、患者支持ベース10を回動させて傾けるためにカンチレバーに対する短いシャフト14の必要な回転を可能にしている、閉じた位置にある。シャフト11は、ブッシング36に接続さけているコイルばね32に接続されているブッシング37の中で、これに係合されている。オペレータハウジングの短い出力シャフト38は、ブッシング36の中でこれに係合されており、この結果、電気モータ35から伝達シャフトの離れた端部の所でアクチュエータ18(図示されていない)への完全な伝達を確立している。
【0047】
図13bに、コイルばね32が、どのようにして操作バー46のカム面47に、図11と関連して前述されたように、押されているかが、従って、ブッシング37が、オペレータハウジング9に向かって引かれているかが、見られ得る。ブッシング37は、シャフト11がブッシング37ともはや係合されなくなるまで、引かれている。
図13cでは、フック形状の取着機構15のロック機構は、係合が解除されている。上述されたように、フック形状の取着機構15は、開成位置方向に、好ましくは、付勢されており、この結果、もはや、患者支持ベース10の短いシャフト14を追加の部材34にしっかりとは保持させていない。
【0048】
短いシャフト14とシャフト11との両者は、取着手段15及びブッシング37との、夫々の係合が解除されているので、患者支持ベース10の取り外しを邪魔するものは無く、これは、全体に渡って、オペレータハウジング9から、かくしてベッド1の基礎部品から、図13dに示されているように、取り外されることが可能である。明らかに、図13a乃至13dの工程を逆にすることにより、患者支持ベースは、対応している又は同じ基礎部品に、再び装着され得る。
【0049】
この患者支持ベース10の容易な取り外しにより、患者支持ベース10は、患者を運ぶのに際して、多様に使用され得る。かくして、スキャナーのような処置又は検査のステーションに、救急者の中に、等の患者の搬送のときに、患者を患者支持部から取り外すために、困難な、面倒な、又は、幾分危険なプロセスを必要としない。
【0050】
図9a乃至9fは、患者はいないけれどね、このプロセスを示している。図9aは、どのようにして患者支持体が、トロリー30上で、空の基礎部品へと運ばれるかが示されている。基礎部品の昇降柱5は、全て下降されている。トロリー30を使用することにより、患者支持ベース10は、図9bに示されているように、患者支持ベース10は、基礎部品の上方の適切な位置に容易に位置され得る。次に、昇降柱5は、図9cに示されているように、カンチレバー12及び取着手段15,16を備えているオペレータハウジング9が、患者支持体の短いシャフト14と係合するように移動される。全て上昇され、この結果、図9cに示されているように、カンチレバー12及び取着手段15,16を備えているオペレータハウジング9が、患者支持体の短いシャフト14と係合するために移動するように、全て上昇される。かくして、取着手段は、取着されて、オペレータハウジング9とシャフト11との間の機械的なカップリングが、係合される。このときには、トロリー30は、図9d及び9eに示されているように取り外され得、図9fに示されているように、充分に使用可能に組み立てられたベッド1から離間している。患者支持ベース10を取り外すために、対応している工程が、逆の順序でなされ得る。
【0051】
これは、例えば、患者が、ベッドからトロリー30の上へと持ち上げられ、救急車へと運ばれ、トロリーが救急車のために設定されている場合には、トロリーを入れることが可能である救急車の中へと持ち上げられ、そして、他の同様のベースが待機しており、患者支持ベースがかくして適用される他の病院、ケアセンター、又は自宅に搬送される。これらの全ては、患者支持体から患者をどける必要がなく果たされ得、かくして、一般的な方法のように患者をベッドから外にどける際の不都合や危険を回避している。更に、ロジスティックの観点から、これは、ベースが患者に従わせる必要がないために、ベースを都合の良いときに、別に搬送され得るような効果がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図9f
図10
図11
図12a
図12b
図13a
図13b
図13c
図13d
図14
図15
図16