(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239785
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】ガスケット、これを含むスターターのマグネチックスイッチおよびこのマグネチックスイッチを具備するスターター
(51)【国際特許分類】
F16J 3/04 20060101AFI20171120BHJP
F16J 15/52 20060101ALI20171120BHJP
F02N 11/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
F16J3/04 B
F16J15/52 Z
F16J3/04 D
F02N11/00 U
F02N11/00 H
F02N11/00 J
F02N11/00 R
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-557850(P2016-557850)
(86)(22)【出願日】2014年11月14日
(65)【公表番号】特表2017-506319(P2017-506319A)
(43)【公表日】2017年3月2日
(86)【国際出願番号】KR2014010958
(87)【国際公開番号】WO2015088151
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2016年6月3日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0154454
(32)【優先日】2013年12月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516165952
【氏名又は名称】バレオ マンド エレクトリカル システムズ コリア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ク,チンクン
(72)【発明者】
【氏名】ハ,サンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ピョンウ
(72)【発明者】
【氏名】ウ,カンシク
(72)【発明者】
【氏名】イ,チョンイン
(72)【発明者】
【氏名】キム,チコン
【審査官】
山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】
実開平05−006564(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 3/04
F16J 15/52
F02N 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密封機能を遂行し、可撓性を有する樹脂材質のメンブレンと、
前記メンブレンの反りを防止するために前記メンブレンの縁に沿って具備されるメンブレンワッシャーとを含み、
前記メンブレンは、前記メンブレンワッシャーを一側に露出するように形成されるとともに、前記メンブレンワッシャーが一側において分離することを防止するための支持リブを有し、
前記メンブレンと前記メンブレンワッシャーはインサート射出される、車両のエンジン始動用スターターのガスケット。
【請求項2】
前記メンブレンワッシャーは、前記メンブレンとの分離を防止するための折り曲げリブを有する、請求項1に記載の車両のエンジン始動用スターターのガスケット。
【請求項3】
密封機能を遂行し、可撓性を有する樹脂材質のメンブレンと、
前記メンブレンの反りを防止するために前記メンブレンの縁に沿って具備されるメンブレンワッシャーとを含み、
前記メンブレンワッシャーは、前記メンブレンとの分離を防止するための折り曲げリブ有し、
前記メンブレンと前記メンブレンワッシャーはインサート射出される、車両のエンジン始動用スターターのガスケット。
【請求項4】
前記メンブレンは、前記メンブレンワッシャーを一側に露出するように形成されるとともに、前記メンブレンワッシャーが一側において分離することを防止するための支持リブを有する、請求項3に記載の車両のエンジン始動用スターターのガスケット。
【請求項5】
前記メンブレンは、
前記メンブレンワッシャーに支持される枠部材と、
前記枠部材の内側に具備され、蛇腹状に形成されるベローズ部材とを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両のエンジン始動用スターターのガスケット。
【請求項6】
前記メンブレンワッシャーは、前記メンブレンとの分離を防止するための前記メンブレンの一部を収容する収容ホール部を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両のエンジン始動用スターターのガスケット。
【請求項7】
ケースと、
前記ケースの軸方向に沿って往復移動可能に具備されるプランジャーと、
前記ケースと前記プランジャーの隙間を塞ぐ請求項1乃至6のいずれか一項に記載の車両のエンジン始動用スターターのガスケットと、
前記ケースに支持された前記ガスケットが前記プランジャーの軸方向に離脱するのを防止する固定部とを含む、車両のエンジン始動用スターターのマグネチックスイッチ。
【請求項8】
前記固定部は、
前記プランジャーの周面に形成される嵌め込み溝部と、
前記メンブレンの内側に沿って突出して前記嵌め込み溝部に嵌め込まれる嵌め込み凸部とを含む、請求項7に記載の車両のエンジン始動用スターターのマグネチックスイッチ。
【請求項9】
フロントブラケットと、
前記ケースが前記ガスケットを収容する前記フロントブラケットを分離可能に結合する請求項7または8いずれか一項記載のマグネチックスイッチとを含み、
前記ガスケットは変形防止部によって変形が防止される、車両のエンジン始動用スターター。
【請求項10】
前記変形防止部は、
前記ガスケットの枠から延びる位置設定凸部と、
前記位置設定凸部を収容するために前記フロントブラケットに形成される位置設定溝部とを含む、請求項9に記載の車両のエンジン始動用スターター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用スターターに関するもので、より詳細には可撓性を有するメンブレンに硬質のメンブレンワッシャーをインサート射出成形することによって、メンブレンの耐久性を向上させ、メンブレンをプランジャーに堅固に固定することができるようにして防水性を向上させ、自動生産ラインを通じての組み立てを可能にして組み立て性を向上させることができるガスケット、これを含むスターターのマグネチックスイッチおよびこのマグネチックスイッチを具備するスターターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車エンジンは自力で始動することができないため、シリンダーの中で最初に爆発燃焼を起こしてエンジンを回転させるためには、外部の力でクランク軸を回転させなければならない。
【0003】
そして、エンジンのクランク軸を回転させるためのものが始動装置である。
【0004】
このような始動装置は、エンジンのクランキング(cranking)のためのトルクを発生させるスターターと、このスターターの駆動電源を印加するためのバッテリーを含んで構成される。
【0005】
スターターは、マグネチックスイッチ部と、アーマチュアアセンブリー(armature assembly)と、このアーマチュアアセンブリーの駆動力をエンジンのクランク軸に伝達するためのオーバーランニングクラッチ(ORC:OVER RUNNING CLUTCH)およびアーマチュアアセンブリーとアーマチュアの毎分回転数(RPM)を減速させてトルクに変換するギヤアセンブリーと、エンジンのリングギヤにギヤ結合されてスターターの動力を伝達するオーバーランニングクラッチを含んで構成される。
【0006】
前記した技術構成は、本発明の理解を助けるための背景技術であって、本発明が属する技術分野で広く知られた従来技術を意味するものではない。
【0007】
スターターは、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第10−1111546号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
既存のスターターは、ケースに対して往復移動するプランジャーとの隙間を密封するために具備されるメンブレンの変形によって隙間が発生する問題点がある。
【0010】
したがって、これを改善する必要性が求められる。
【0011】
本発明は前記のような問題点を改善するために案出されたもので、可撓性を有するメンブレンに硬質のメンブレンワッシャーをインサート射出成形することによって、メンブレンの耐久性を向上させようとするガスケット、これを含むスターターのマグネチックスイッチおよびこのマグネチックスイッチを具備するスターターを提供することに、その目的がある。
【0012】
そして、本発明はメンブレンのベローズ部材をプランジャーに嵌め込むことによって、ベローズ部材をプランジャーに堅固に固定することができて密封力と防水性を向上させることができ、自動生産ラインを通じての組み立てを可能にして組み立て性を向上させることができるガスケット、これを含むスターターのマグネチックスイッチおよびこのマグネチックスイッチを具備するスターターを提供することに、その目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る車両のエンジン始動用スターターのガスケットは、密封機能を遂行し、可撓性を有する樹脂材質のメンブレン、および前記メンブレンの反りを防止するために前記メンブレンの縁に沿って具備されるメンブレンワッシャーを含み、前記メンブレンと前記メンブレンワッシャーはインサート射出されることを特徴とする。
【0014】
これによって、ガスケットの部品数が低減され、メンブレンを硬質化することで耐久性が向上する。
【0015】
前記メンブレンは、前記メンブレンワッシャーに支持される枠部材、および前記枠部材の内側に具備され、蛇腹状に形成されるベローズ部材を含むことができる。
【0016】
このため、メンブレンは枠部材だけを硬質化してベローズ部材の軟性状態を維持することができる。
【0017】
前記メンブレンは、前記メンブレンワッシャーを一側に露出するように形成され、前記メンブレンワッシャーが一側において分離することを防止するために支持リブを形成することができる。
【0018】
このため、メンブレンワッシャーをメンブレンの一側に露出させることによって、メンブレンの枠部材の厚さの増加を最小化することができ、メンブレンワッシャーの露出位置を支持リブで固定することができる。
【0019】
前記メンブレンワッシャーは、前記メンブレンとの分離を防止するために折り曲げリブを形成することができる。
【0020】
メンブレンワッシャーが折り曲げリブを形成することによって、射出されるメンブレンは折り曲げリブに結束されて任意分離が防止される。
【0021】
前記メンブレンワッシャーは、前記メンブレンとの分離を防止するために、前記メンブレンの一部を収容する収容ホール部を形成することができる。
【0022】
メンブレンワッシャーが収容ホール部を形成することによって、射出されるメンブレンが収容ホール部に満たされて結束されることによって任意分離が防止される。
【0023】
そして、本発明に係る車両のエンジン始動用スターターのマグネチックスイッチは、ケース、前記ケースの軸方向に沿って往復移動可能に具備されるプランジャー、前記ケースと前記プランジャーの隙間を塞ぐガスケット、および前記ケースに支持された前記ガスケットが前記プランジャーの軸方向に離脱するのを防止する固定部を含む。
【0024】
このため、ガスケットが固定部によってプランジャーに固定されるように、容易に組み立て可能である。
【0025】
前記ガスケットは、前記ケースと前記プランジャー間の隙間を塞ぐ密封機能を遂行し、可撓性を有する樹脂材質であり、前記プランジャーを挿入するために挿入ホールを形成するメンブレン、および前記メンブレンの反りを防止するために前記メンブレンの縁に沿って具備されるメンブレンワッシャーを含むことができ、前記メンブレンと前記メンブレンワッシャーはインサート射出され得る。
【0026】
このため、ガスケットの部品数を低減することができ、メンブレンを硬質化することで耐久性が向上する。
【0027】
前記固定部は、前記プランジャーの周面に形成される嵌め込み溝部、および前記メンブレンの内側に沿って突出して前記嵌め込み溝部に嵌め込まれる嵌め込み凸部を含むことができる。
【0028】
固定部が嵌め込み溝部と嵌め込み凸部とを含むことによって、メンブレンは単純にプランジャーに嵌め込まれながら自然に固定装着される。
【0029】
また、本発明に係るマグネチックスイッチを具備する車両のエンジン始動用スターターは、フロントブラケット、およびケースがガスケットを収容するフロントブラケットを分離可能に結合するマグネチックスイッチを含み、変形防止部によってガスケットの変形を防止することを特徴とする。
【0030】
フロントブラケットがケースに組み立てられるとき、ガスケットは変形防止部によって変形が防止される。
【0031】
前記変形防止部は、前記ガスケットの枠から延びる位置設定凸部、および前記位置設定凸部を収容するために前記フロントブラケットに形成される位置設定溝部を含むことができる。
【0032】
位置設定溝部が位置設定凸部を収容したまま、フロントブラケットがケースに組み立てられることによって、ガスケットは変形防止される。
【発明の効果】
【0033】
以上で説明した通り、本発明に係るガスケット、これを含むスターターのマグネチックスイッチおよびこのマグネチックスイッチを具備するスターターは、従来技術とは異なり、可撓性を有するメンブレンに硬質のメンブレンワッシャーをインサート射出成形することによってメンブレンの耐久性を向上させることができる。
【0034】
そして、本発明はメンブレンのベローズ部材をプランジャーに嵌め込むことによってベローズ部材をプランジャーに堅固に固定することができて密封力と防水性を向上させることができ、自動生産ラインを通じての組み立てを可能にして組み立て性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施例に係るスターターのマグネチックスイッチの要部斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例に係るスターターのマグネチックスイッチの要部分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るスターターのマグネチックスイッチの要部背面分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施例に係るガスケットの拡大斜視図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るガスケットを構成するメンブレンとメンブレンワッシャーの分解斜視図である。
【
図6】本発明の一実施例に係るガスケットを構成するメンブレンとメンブレンワッシャーの背面分解斜視図である。
【
図7】本発明の一実施例に係るガスケットの断面図である。
【
図8】本発明の一実施例に係るスターターのマグネチックスイッチの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付された図面を参照して本発明に係るガスケット、これを含むスターターのマグネチックスイッチおよびこのマグネチックスイッチを具備するスターターの実施例を説明する。この過程において、図面に図示された線の厚さや構成要素の大きさなどは説明の明瞭性と便宜上誇張して図示されていることもある。また、後述される用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは使用者、運用者の意図または慣例により異なり得る。したがって、このような用語は、本明細書の全般にわたった内容に基づいて定義されるべきである。
【0037】
図1は本発明の一実施例に係るスターターのマグネチックスイッチの要部斜視図、
図2は本発明の一実施例に係るスターターのマグネチックスイッチの要部分解斜視図、
図3は本発明の一実施例に係るスターターのマグネチックスイッチの要部背面分解斜視図である。
【0038】
図4は本発明の一実施例に係るガスケットの拡大斜視図、
図5は本発明の一実施例に係るガスケットを構成するメンブレンとメンブレンワッシャーの分解斜視図、
図6は本発明の一実施例に係るガスケットを構成するメンブレンとメンブレンワッシャーの背面分解斜視図、
図7は本発明の一実施例に係るガスケットの断面図である。
【0039】
図8は本発明の一実施例に係るスターターのマグネチックスイッチの要部断面図である。
【0040】
図1〜
図3に図示された通り、本発明の一実施例に係る車両始動用スターターのマグネチックスイッチ100はケース110、プランジャー120、ガスケット130、固定部200、フロントブラケット140および変形防止部300を含む。
【0041】
ケース110は、機械締結要素による結合方式を通じてフロントブラケット140に結合され、軸方向に沿って往復移動可能なプランジャー120を具備する。
【0042】
もちろん、ケース110は多様な形状に変更可能である。
【0043】
特に、ケース110は他方にフロントブラケット140を結合する。したがって、ケース110の他方はフロントブラケット140により密閉される。
【0044】
そして、ケース110は内側にプランジャー120を直線往復移動可能に収容することによって、ケース110とフロントブラケット140の結合部位およびケース110とプランジャー120の間には、外部の水気などの異物が流入され得る隙間が発生する。
【0045】
したがって、ケース110とフロントブラケット140の結合部位およびケース110とプランジャー120の間に発生する隙間は密封処理され得る。
【0046】
したがって、ガスケット130が具備される。
【0047】
ガスケット130は、フロントブラケット140の内側に位置し、ケース110の他方に具備される。これによって、ガスケット130はケース110とフロントブラケット140の連結部位の隙間を塞ぎ、ケース110とプランジャー120の隙間を塞ぐ役割をする。
【0048】
このとき、ガスケット130は密封力増大のために、ゴム材質で構成され得る。特に、ガスケット130はプランジャー120の往復移動時に変形が発生しなければならない。この場合、ガスケット130は密封力が弱化され得る。
【0049】
したがって、ガスケット130はメンブレン132およびメンブレンワッシャー134を含む。
【0050】
メンブレン132は密封機能を有する樹脂材質であり、往復移動するプランジャー120に対応するために変形できるように軟質材料で構成される。
【0051】
そして、メンブレンワッシャー134は軟質であるメンブレン132の反りや変形を防止するために、メンブレン132の縁に沿って具備される。特に、メンブレンワッシャー134は硬質材料で構成される。
【0052】
また、メンブレン132とメンブレンワッシャー134は組み立て性向上のためにインサート射出成形される。
【0053】
このとき、メンブレンワッシャー134はスチール材質または硬質の樹脂材質であり得る。
【0054】
一方、メンブレン132は枠部材131およびベローズ部材133を含む。
【0055】
枠部材131はケース110の他方に面接触されたまま支持される。そして、枠部材131はケース110の他方に結合されるフロントブラケット140によってケース110の他側の方向に密着される。
【0056】
このとき、枠部材131はボルト締めなどによって、ケース110の他方に堅固に結合固定される。
【0057】
合わせて、枠部材131は円形または楕円形などのリング形状でなされる。このとき、枠部材131はメンブレンワッシャー134を一体に具備する。すなわち、メンブレンワッシャー134は枠部材131にインサート射出成形される。
【0058】
ベローズ部材133は枠部材131の内側に具備される。そして、ベローズ部材133はプランジャー120を挿入するために挿入ホール135を形成する。
【0059】
特に、ベローズ部材133はプランジャー120とともにケース110内部で直線往復移動の際、空気の流れ方向に応じて収縮および膨張可能に形成され得る。
【0060】
したがって、ベローズ部材133は蛇腹状に形成される。もちろん、ベローズ部材133は多様に形成され得る。
【0061】
したがって、ガスケット130は堅固に組み立てられて防水性を向上させることができる。
【0062】
一方、メンブレンワッシャー134がメンブレン132、特に、枠部材131により完全に囲まれるようにインサート射出される場合、枠部材131は必要以上に厚くなる。
【0063】
このため、メンブレン132はメンブレンワッシャー134を一側に露出するように形成することができる。すなわち、メンブレンワッシャー134は枠部材131の一側に露出するように枠部材131にインサート射出される。
【0064】
このため、メンブレンワッシャー134はメンブレン132、すなわち、枠部材131から任意的に離脱することができる。
【0065】
したがって、
図4〜
図7のように、メンブレン132はメンブレンワッシャー134が一側において分離することを防止するために支持リブ137を形成する。
【0066】
言い換えれば、枠部材131はメンブレンワッシャー134を堅固に拘束するためにインサート射出成形時に支持リブ137を形成する。
【0067】
支持リブ137は、メンブレン132の枠部材131の縁に沿って非連続的に形成され、メンブレンワッシャー134を囲むようになる。
【0068】
特に、支持リブ137は枠部材131の一側に向かって延びることによって、枠部材131と支持リブ137によって溝が形成される。メンブレンワッシャー134は枠部材131と支持リブ137により形成される溝に挿入される形状になされる。
【0069】
支持リブ137の形状および個数は限定されない。このとき、支持リブ137は最小の個数からなることが好ましい。もちろん、支持リブ137は金型(図示しない)でインサート射出成形時に自然に枠部材131に形成される。
【0070】
また、メンブレンワッシャー134はメンブレン132との任意的分離を防止するために折り曲げリブ138を形成することが好ましい。
【0071】
折り曲げリブ138はメンブレンワッシャー134で内側方向または外側方向に折り曲げられるように延長形成される。便宜上、折り曲げリブ138はメンブレンワッシャー134の向き合う両側から内側方向に折り曲げられるように延長形成されるものと図示される。
【0072】
したがって、メンブレンワッシャー134が枠部材131にインサート射出成形される時、折り曲げリブ138は枠部材131とメンブレンワッシャー134の結束力を増加させる役割をする。
【0073】
もちろん、折り曲げリブ138は多様な形状で形成することができる。
【0074】
また、メンブレンワッシャー134はメンブレン132との任意的分離を防止するためにメンブレン132の一部を収容する収容ホール部139を形成する。
【0075】
このため、メンブレンワッシャー134が枠部材131にインサート射出成形時、射出液がメンブレンワッシャー134の収容ホール部139を満たした状態で枠部材131を形成することになる。
【0076】
したがって、メンブレンワッシャー134と枠部材131は堅固に結合される。
【0077】
一方、ガスケット130はケース110の他方に支持されたまま、直線往復移動するプランジャー120に固定されて収縮および弛緩され得る。これは、ガスケット130が密封状態を維持するためである。
【0078】
したがって、
図1〜
図3および
図8のように、固定部200が具備される。固定部200はケース110に支持されたガスケット130がプランジャー120の軸方向に離脱するのを防止する役割をする。
【0079】
ここで、固定部200は嵌め込み溝部210および嵌め込み凸部220を含む。
【0080】
嵌め込み溝部210はプランジャー120の周面に円周方向に陥没形成される。
【0081】
そして、嵌め込み凸部220はメンブレン132、特に、ベローズ部材133の内側に沿って突出形成される。すなわち、嵌め込み凸部220は挿入ホール135の内側面に沿って突出形成される。したがって、嵌め込み凸部220は嵌め込み溝部210に嵌め込まれる。
【0082】
嵌め込み凸部220は多様な形状で形成され得る。
【0083】
したがって、ベローズ部材133はプランジャー120とともに動くことになる。
【0084】
合わせて、プランジャー120がケース110内部に挿入された後、初期状態に復元されるようにする力を受けることができる。
【0085】
したがって、プランジャー120はフランジ122を形成する。そして、プランジャー120は弾性部材124によって弾性復元力を大きく受け、初期状態に復元される。
【0086】
このとき、弾性部材124は、一側がケース110の他方面に弾性支持され、他の一側がフランジ122に弾性支持される。弾性部材124としてコイルスプリングを適用することができる。
【0087】
また、軟質のベローズ部材133を有するガスケット130がプランジャー120に組み立てられた後、フロントブラケット140がガスケット130をカバーリングするようにケース110に組み立てられる。
【0088】
このとき、フロントブラケット140が誤って組み立てられると、ガスケット130の変形が生じることになる。このため、密封力が弱まる。
【0089】
したがって、フロントブラケット140によるガスケット130の変形を防止するように、フロントブラケット140とガスケット130の組み立て位置を設定するために、変形防止部300が具備される。
【0090】
変形防止部300は、位置設定凸部310および位置設定溝部320を含む。
【0091】
位置設定凸部310はガスケット130の枠から外側に延びる。このとき、位置設定凸部310はメンブレンワッシャー134をインサート射出することによって硬質である枠部材131から延長形成することができる。
【0092】
もちろん、位置設定凸部310の形状および個数は限定されない。
【0093】
そして、位置設定溝部320は位置設定凸部310を収容するためにフロントブラケット140に形成される。このとき、位置設定溝部320は位置設定凸部310に一対一で対応するように形成される。
【0094】
位置設定溝部320が位置設定凸部310を収容したまま、フロントブラケット140がケース110に組み立てられることによって、ガスケット130は変形防止される。
【0095】
結果的に、ガスケット130は自動設備(図示しない)を通じてプランジャー120に容易に組み立てられることができ、組み立て性が向上する。
【0096】
本発明は図面に図示された実施例を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術が属する分野で通常の知識を有した者であればこれから多様な変形および均等な他の実施例が可能であることを理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は下記の特許請求の範囲によって定められるべきである。