(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の例を図面を用いて説明する。
図23に、本発明の実施の例が適用される現金処理装置の例を示す。現金処理装置1は、紙幣の入金と出金のための入出金口100、紙幣を一時保留するための一時保留部101、102、ジャム紙幣などを回収するための回収庫104、および紙幣を収納するための収納庫105−109が搬送路110で連結されており、搬送路110は双方向に動作可能である。搬送路上には、図示しない、紙幣の搬送方向を切り替えるゲートを複数備え、ゲートはそれぞれ2方向に紙幣を振り分けることが出来る。また、搬送路110には識別部103が設置されている。さらに、現金処理装置1は図示しない制御部を有する。
【0011】
現金処理装置1において、紙幣を分離する機能を有する部分を分離部とし、紙幣を集積する部分を集積部とし、ジャム紙幣を集積する部分をジャム紙幣集積部とする。以下では、ジャム復旧のパターン毎に説明するものとする。
【実施例1】
【0012】
実施例1では、
図1に模式的に示すように、分離部と集積部とジャム紙幣集積部がそれぞれ1つずつ物理的に異なる構成として存在する紙幣搬送処理においてジャムが発生した際のジャム復旧方法を説明する。ここで、分離部と集積部との間の搬送路には、搬送先切替手段が配置され、分離部と搬送先切替手段との間の搬送路をM1、搬送先切替手段と集積部との間の搬送路をM2、搬送先切替手段とジャム紙幣集積部との間の搬送路をM3とする。
【0013】
実施例1では、分離部は一時保留部101、102、収納庫105−109のいずれかが該当する。また、集積部は一時保留部101、102、収納庫105−109、回収庫104のいずれかであって、かつ分離部及びジャム紙幣集積部とは異なる構成が該当する。また、ジャム紙幣集積部は入出金口100また回収庫104が該当する。ここでは、回収庫104から分離の場合は含まない。また、集積部が回収庫104の場合は、ジャム紙幣集積部は入出金口100である。
【0014】
図1は、紙幣搬送処理を示している。分離部F1から搬送路M1に分離された紙幣は、搬送先切替手段G1によって搬送路M1から搬送路M2に搬送され、搬送路M2から集積部D1に集積される。搬送路M1もしくは搬送路M2上で紙幣のジャムが発生した場合は、ジャム検知手段S1もしくはジャム検知手段S2によってジャムを検知する。
【0015】
図2は、ジャム復旧処理の第1処理を示している。搬送先切替手段G1をジャム紙幣収納部J1から分離部F1への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J1と分離部F1を繋ぐ搬送路M3および搬送路M1のみを、ジャム紙幣搬送先J1から分離部F1に向かって一定期間で駆動して動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J1と分離部F1を繋ぐ搬送路M3および搬送路M1上のジャムを解消する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H2が当該処理となる。ジャムを解消するとは、搬送路上の凹凸等への紙幣の引っかかりによって生じたジャムを、ジャム発生時とは逆方向に搬送路を動かすことによって、引っかかりから紙幣を引き戻すことをいう。
【0016】
図3は、ジャム復旧処理の第2処理を示している。搬送先切替手段G1を分離部F1からジャム紙幣搬送先J1への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J1と分離部F1を繋ぐ搬送路M1および搬送路M3のみを、分離部F1からジャム紙幣搬送先J1に向かって動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J1と分離部F1を繋ぐ搬送路M1および搬送路M3上の紙幣をジャム紙幣搬送先J1に収納する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H3が当該処理となる。
【0017】
図4は、ジャム復旧処理の第3処理を示している。搬送先切替手段G1を集積部D1からジャム紙幣搬送先J1への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J1と集積部D1を繋ぐ搬送路M2および搬送路M3のみを集積部D1からジャム紙幣搬送先J1に向かって動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J1と集積部D1を繋ぐ搬送路M2および搬送路M3上のジャムを解消するとともにジャム紙幣搬送先J1と集積部D1を繋ぐ搬送路M2および搬送路M3上の紙幣をジャム紙幣搬送先J1に収納する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H4〜H8が当該処理となるが、H7の処理は集積部D1のみに対して実施される。
【0018】
実施例1は、ジャム紙幣搬送先が、分離部及び集積部とは物理的に異なる。このため、実施例1の場合は、ジャム発生時の処理で使用していない領域に紙幣を回収することできる。また、搬送路上のジャム紙幣を機内現金として回収するジャム復旧等に特に有利である。例えば、入金収納処理において、分離部たる一時保留部から集積部たる収納庫に紙幣を搬送している最中にジャムが発生したとき、ジャム紙幣搬送先を回収庫に設定しジャム復旧処理を実施し、搬送路上のジャム紙幣を回収庫に回収することで入金収納処理を継続することが可能である。ジャム紙幣は、一般に状態が良くなく、枚数の確定処理も難しくなりうるため、回収庫を直接的に使用しない処理のとき、ジャム紙幣搬送先を回収庫として、分離部及び集積部とは物理的に別に設定する場合には、現金処理装置の処理精度をさらに高めることができる。
【実施例2】
【0019】
実施例2では、
図5に模式的に示すように、分離部と集積部がそれぞれ1つずつ存在する。かつ、ジャム紙幣集積部は分離部と物理的に同じ構成である。この場合の紙幣搬送処理においてジャムが発生した際のジャム復旧方法を説明する。ここで、分離部/ジャム紙幣集積部と集積部との間の搬送路には、搬送先切替手段が配置され、分離部/ジャム紙幣集積部と搬送先切替手段との間の搬送路をM4、搬送先切替手段と集積部との間の搬送路をM5とする。
【0020】
実施例2では、分離部/ジャム紙幣集積部は入出金口100とする。また、集積部は一時保留部101、102、収納庫105−109のいずれかが該当する。ここでは、回収庫104への集積の場合は含まない。
図5は、紙幣搬送処理を示している。分離部F2から搬送路M4に分離された紙幣は、搬送先切替手段G2によって搬送路M4から搬送路M5に搬送され、搬送路M5から集積部D2に集積される。搬送路M4もしくは搬送路M5上で紙幣のジャムが発生した場合は、
ジャム検知手段S3もしくはジャム検知手段S4によってジャムを検知する。
【0021】
実施例2では、分離部とジャム紙幣集積部が物理的に同じ構成であるため、ジャム復旧処理の第1処理および第2処理は省略する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H1の判定がYであるため、H2、H3を省略する。
【0022】
図6は、ジャム復旧処理の第3処理を示している。搬送先切替手段G2を集積部D2からジャム紙幣搬送先J2への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J2と集積部D2を繋ぐ搬送路M4および搬送路M5のみを集積部D2からジャム紙幣搬送先J2に向かって動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J2と集積部D2を繋ぐ搬送路M4および搬送路M5上のジャムを解消するとともにジャム紙幣搬送先J2と集積部D2を繋ぐ搬送路M4および搬送路M5上の紙幣をジャム紙幣搬送先J2に収納する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H4〜H8が当該処理となるが、H7の処理は集積部D2のみに対して実施される。
【0023】
実施例2は、ジャム紙幣搬送先が分離部と物理的に同じ構成である。このため、搬送路上のジャム紙幣を機外現金として返却するジャム復旧等に特に有利である。例えば、入金計数処理において、分離部たる入出金口から集積部たる一時保留部に紙幣を搬送している最中にジャムが発生したとき、ジャム紙幣搬送先を入出金口に設定しジャム復旧処理を実施し、搬送路上のジャム紙幣を入出金口に返却することで入金計数処理をリトライすることが可能である。
【実施例3】
【0024】
実施例3では、
図7に模式的に示すように、分離部と集積部がそれぞれ1つずつ存在する。かつ、ジャム紙幣集積部は集積部と物理的に同じ構成である。この場合の紙幣搬送処理においてジャムが発生した際のジャム復旧方法を説明する。ここで、分離部と集積部/ジャム紙幣集積部との間の搬送路には、搬送先切替手段が配置され、分離部と搬送先切替手段との間の搬送路をM6、搬送先切替手段と集積部/ジャム紙幣集積部との間の搬送路をM7とする。
【0025】
実施例3では、分離部は一時保留部101、102、収納庫105−109のいずれかが該当する。また、集積部/ジャム紙幣集積部は入出金口100または回収庫104とする。ここでは、回収庫104からの分離の場合は含まない。
【0026】
図7は、紙幣搬送処理を示している。分離部F3から搬送路M6に分離された紙幣は、搬送先切替手段G3によって搬送路M6から搬送路M7に搬送され、搬送路M7から集積部D3に集積される。搬送路M6もしくは搬送路M7上で紙幣のジャムが発生した場合は、ジャム検知手段S5もしくはジャム検知手段S6によってジャムを検知する。
【0027】
図8は、ジャム復旧処理の第1処理を示している。搬送先切替手段G3をジャム紙幣収納部J3から分離部F3への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J3と分離部F3を繋ぐ搬送路M6および搬送路M7のみをジャム紙幣搬送先J3から分離部F3に向かって一定期間駆動して動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J3と分離部F3を繋ぐ搬送路M6および搬送路M7上のジャムを解消する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H2が当該処理となる。
【0028】
図9は、ジャム復旧処理の第2処理を示している。搬送先切替手段G3を分離部F3からジャム紙幣搬送先J3への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J3と分離部F3を繋ぐ搬送路M6および搬送路M7のみを分離部F3からジャム紙幣搬送先J3に向かって動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J3と分離部F3を繋ぐ搬送路M6および搬送路M7上の紙幣をジャム紙幣搬送先J3に収納する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H3が当該処理となる。
【0029】
実施例3では、集積部とジャム紙幣集積部が物理的に同じ構成であるため、ジャム復旧処理の第3処理は省略する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H4〜H8が当該処理となるが、ジャム紙幣集積部J3と集積部D3が物理的に同じ構成であるため、H7の処理は省略される。
【0030】
実施例3は、ジャム紙幣搬送先が集積部と物理的に同じ構成である。このため、搬送路上のジャム紙幣を機内現金として一括して回収するジャム復旧と、搬送路上のジャム紙幣を機外現金として一括して返却するジャム復旧との双方に有利である。例えば、回収処理において、入出金口から回収庫に紙幣を搬送している最中にジャムが発生したとき、ジャム紙幣搬送先を集積部/ジャム紙幣集積部たる回収庫に設定しジャム復旧処理を実施し、搬送路上のジャム紙幣を回収庫に回収することで紙幣を一括して回収する回収処理を継続することが可能である。また、入金返却処理において、一時保留部から入出金口に紙幣を搬送している最中にジャムが発生したとき、ジャム紙幣搬送先を集積部/ジャム紙幣集積部たる入出金口に設定しジャム復旧処理を実施し、搬送路上のジャム紙幣を入出金口に返却することで入金返却処理をリトライして入金紙幣を一括して返却することが可能である。
【実施例4】
【0031】
実施例4では、
図10に模式的に示すように、分離部(とジャム紙幣集積部がそれぞれ1つずつと集積部が複数存在する紙幣搬送処理においてジャムが発生した際のジャム復旧方法を説明する。ここで、分離部と集積部との間の搬送路には、搬送先切替手段が配置され、分離部と搬送先切替手段との間の搬送路をM8、搬送先切替手段と集積部1との間の搬送路をM9、搬送先切替手段と集積部2との間の搬送路をM10、搬送先切替手段とジャム紙幣集積部との間の搬送路をM11とする。
【0032】
実施例4では、分離部は、一時保留部101、102、収納庫105−109のいずれか一つが該当する。ジャム紙幣集積部は入出金口100が該当する。また、集積部は、一時保留部101、102、収納庫105−109、回収庫104のいずれか複数であって、かつ分離部と異なる構成が該当する。が該当する。ここでは、回収庫104から分離の場合は含まない。
【0033】
図10は、紙幣搬送処理を示している。分離部F4から搬送路M8に分離された紙幣は、搬送先切替手段G4によって搬送路M8から搬送路9もしくは搬送路10に搬送され、搬送路M9から集積部D4に集積されるか、搬送路10から集積部D5に集積される。搬送路M8、搬送路M9もしくは搬送路M10上で紙幣のジャムが発生した場合は、ジャム検知手段S7、ジャム検知手段S8もしくはジャム検知手段S9によってジャムを検知する。
【0034】
図11は、ジャム復旧処理の第1処理を示している。搬送先切替手段G4をジャム紙幣収納部J4から分離部F4への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J4と分離部F4を繋ぐ搬送路M8および搬送路M11のみを、ジャム紙幣搬送先J4から分離部F4に向かって一定期間駆動して動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J4と分離部F4を繋ぐ搬送路M8および搬送路M11上のジャムを解消する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H2が当該処理となる。
【0035】
図12は、ジャム復旧処理の第2処理を示している。搬送先切替手段G4を分離部F4からジャム紙幣搬送先J4への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J4と分離部F4を繋ぐ搬送路M8および搬送路M11のみを、分離部F4からジャム紙幣搬送先J4に向かって動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J4と分離部F4を繋ぐ搬送路M8および搬送路M11上の紙幣をジャム紙幣搬送先J4に収納する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H3が当該処理となる。
【0036】
図13は、ジャム復旧処理の第3処理を示している。搬送先切替手段G4を集積部D4からジャム紙幣搬送先J4への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J4と集積部D4を繋ぐ搬送路M9および搬送路M11のみを集積部D4からジャム紙幣搬送先J4に向かって動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J4と集積部D4を繋ぐ搬送路M9および搬送路M11上のジャムを解消するとともにジャム紙幣搬送先J4と集積部D4を繋ぐ搬送路M9および搬送路M11上の紙幣をジャム紙幣搬送先J4に収納する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H4〜H8が当該処理となり、1つ目の集積部である集積部D4に対して、H7の処理を実施する。
【0037】
図14は、ジャム復旧処理の第3処理を示している。搬送先切替手段G4を集積部D5からジャム紙幣搬送先J4への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J4と集積部D5を繋ぐ搬送路M10および搬送路M11のみを集積部D5からジャム紙幣搬送先J4に向かって動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J4と集積部D5を繋ぐ搬送路M10および搬送路M11上のジャムを解消するとともにジャム紙幣搬送先J4と集積部D4を繋ぐ搬送路M9および搬送路M11上の紙幣をジャム紙幣搬送先J4に収納する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H4〜H8が当該処理となり、2つ目の集積部である集積部D5に対して、H7の処理を実施する。
【0038】
実施例4は、ジャム紙幣搬送先が、分離部及び集積部と物理的に異なる。このため、実施例1と同様に搬送路上のジャム紙幣を機内現金として回収するジャム復旧等に特に有利である。
【実施例5】
【0039】
実施例5では、
図15に示すように、分離部が1つと集積部が複数存在する。かつ、ジャム紙幣集積部は分離部と物理的に同じ構成である。この場合の紙幣搬送処理においてジャムが発生した際のジャム復旧方法を説明する。ここで、分離部/ジャム紙幣集積部と集積部との間の搬送路には、搬送先切替手段が配置され、分離部/ジャム紙幣集積部と搬送先切替手段との間の搬送路をM12、搬送先切替手段と集積部1との間の搬送路をM13、搬送先切替手段と集積部2との間の搬送路をM14とする。
【0040】
実施例5では、分離部/ジャム紙幣集積部は入出金口100とする。また、集積部は一時保留部101、102、収納庫105−109のいずれか複数が該当する。ここでは、回収庫104への集積の場合は含まない。
【0041】
図15は、紙幣搬送処理を示している。分離部F5から搬送路M12に分離された紙幣は、搬送先切替手段G5によって搬送路M12から搬送路M13もしくは搬送路M14に搬送され、搬送路M13から集積部D6に集積されるか、搬送路M14から集積部D7に集積される。搬送路M12、搬送路M13もしくは搬送路M14上で紙幣のジャムが発生した場合は、ジャム検知手段S10、ジャム検知手段S11もしくはジャム検知手段S12によってジャムを検知する。
【0042】
実施例5では、分離部とジャム紙幣集積部が物理的に同じ構成であるため、ジャム復旧処理の第1処理および第2処理は省略する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H1の判定がYになることでH2、H3を省略する。
【0043】
図16は、ジャム復旧処理の第3処理を示している。搬送先切替手段G5を集積部D6からジャム紙幣搬送先J5への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J5と集積部D6を繋ぐ搬送路M12および搬送路M13のみを、集積部D6からジャム紙幣搬送先J5に向かって動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J5と集積部D6を繋ぐ搬送路M12および搬送路M13上のジャムを解消するとともにジャム紙幣搬送先J5と集積部D6を繋ぐ搬送路M12および搬送路M13上の紙幣をジャム紙幣搬送先J5に収納する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H4〜H8が当該処理となり、1つ目の集積部である集積部D6に対して、H7の処理を実施する。
【0044】
図17は、ジャム復旧処理の第3処理を示している。搬送先切替手段G5を集積部D7からジャム紙幣搬送先J5への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J5と集積部D7を繋ぐ搬送路M12および搬送路M14のみを集積部D7からジャム紙幣搬送先J5に向かって動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J5と集積部D7を繋ぐ搬送路M12および搬送路M14上のジャムを解消するとともにジャム紙幣搬送先J5と集積部D7を繋ぐ搬送路M12および搬送路M14上の紙幣をジャム紙幣搬送先J5に収納する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H4〜H8が当該処理となり、2つ目の集積部である集積部D7に対して、H7の処理を実施する。
【0045】
実施例2は、ジャム紙幣搬送先が分離部と物理的に同じ構成である。このため、実施例2と同様に搬送路上のジャム紙幣を機外現金として返却するジャム復旧等に特に有利である。
【実施例6】
【0046】
実施例6では、
図18に模式的に示すように、分離部1つと集積部が複数存在する。かつ、ジャム紙幣集積部は集積部の1つと物理的に同じ構成である。この場合の紙幣搬送処理においてジャムが発生した際のジャム復旧方法を説明する。ここで、分離部と集積部との間の搬送路には、搬送先切替手段が配置され、分離部と搬送先切替手段との間の搬送路をM15、搬送先切替手段と集積部1/ジャム紙幣集積部との間の搬送路をM16、搬送先切替手段と集積部2との間の搬送路をM17とする。
【0047】
実施例6では、分離部は一時保留部101、102、収納庫105−109のいずれか一つが該当する。また、集積部は入出金口100、一時保留部101、102、収納庫105−109、回収庫104のいずれか複数であって、かつ分離部と異なる構成が該当する。また、集積部のうち一つはジャム紙幣集積部を兼ねる。ここでは、回収庫104への分離の場合は含まない。
【0048】
図18は、紙幣搬送処理を示している。分離部F6から搬送路M15に分離された紙幣は、搬送先切替手段G6によって搬送路M15から搬送路M16もしくは搬送路17に搬送され、搬送路M16から集積部D8に集積されるか、搬送路M17から集積部D9に集積される。搬送路M15、搬送路M16もしくは搬送路M17上で紙幣のジャムが発生した場合は、ジャム検知手段S13、ジャム検知手段S14もしくはジャム検知手段S15によってジャムを検知する。
【0049】
図19は、ジャム復旧処理の第1処理を示している。搬送先切替手段G6をジャム紙幣収納部J6から分離部F6への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J6と分離部F6を繋ぐ搬送路M15および搬送路M16のみをジャム紙幣搬送先J6から分離部F6に向かって一定期間駆動して動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J6と分離部F6を繋ぐ搬送路M15および搬送路M16上のジャムを解消する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H2が当該処理となる。
【0050】
図20は、ジャム復旧処理の第2処理を示している。搬送先切替手段G6を分離部F6からジャム紙幣搬送先J6への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J6と分離部F6を繋ぐ搬送路M15および搬送路M16のみを分離部F6からジャム紙幣搬送先へのJ6に向かって動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J6と分離部F6を繋ぐ搬送路M15および搬送路M16上の紙幣をジャム紙幣搬送先J6に収納する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H3が当該処理となる。
【0051】
実施例6では、集積部D8とジャム紙幣集積部が物理的に同じ構成であるため、集積部D8に対するジャム復旧処理の第3処理は省略する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H4〜H8が当該処理となるが、ジャム紙幣集積部J6と集積部D8が同じであるため、H7の処理は省略される。
【0052】
図21は、ジャム復旧処理の第3処理を示している。搬送先切替手段G6を集積部D9からジャム紙幣搬送先J6への方向に切り替え、ジャム紙幣搬送先J6と集積部D9を繋ぐ搬送路M16および搬送路M17のみを、集積部D9からジャム紙幣搬送先J6に向かって駆動して動かすことによって、ジャム紙幣搬送先J6と集積部D9を繋ぐ搬送路M16および搬送路M17上のジャムを解消するとともにジャム紙幣搬送先J6と集積部D9を繋ぐ搬送路M16および搬送路M17上の紙幣をジャム紙幣搬送先J6に収納する。
図22のジャム復旧処理フローでは、H4〜H8が当該処理となり、2つ目の集積部である集積部D9に対して、H7の処理を実施する。
【0053】
実施例6は、ジャム紙幣搬送先が集積部と物理的に同じ構成であるため、実施例3と同様に搬送路上のジャム紙幣を機内現金として回収するジャム復旧及び搬送路上のジャム紙幣を機外現金として返却するジャム復旧に有利である。
【0054】
図22は、上記した実施例1から実施例6のフローを総括する、現金処理装置におけるジャム復旧処理のフローである。なおこのフローは、現金処理装置の制御部によって制御される。
【0055】
ジャム紙幣集積部が分離部と異なる構成に設定されているとき(H1:N)には、上述の第1処理(H2)、第2処理(H3)が実施される。さらに、ジャム紙幣集積部を除く全ての集積部に対して第3処理が実施される(H4〜H8)。
【0056】
一方、ジャム紙幣集積部が分離部と物理的に同じ構成に設定されているとき(H1:Y)には、上述の第1処理(H2)、第2処理(H3)は実施されずに、H4以下の処理が実施される。
【0057】
実施例1〜6全てについて、係員等による有人ジャム復旧処理を行う場合等では、現金処理装置において、ジャム紙幣搬送先を入出金口等のアクセスしやすい箇所に設定してジャム復旧処理を実施してもよい。この場合、搬送路上のジャム紙幣を入出金口等のアクセスしやすい箇所に集めることができ、係員等によるジャム紙幣の回収が容易になる。