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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239791
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】基地局、プロセッサ及びユーザ端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20171120BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20171120BHJP
【FI】
   H04W52/02 111
   H04W4/06 150
【請求項の数】3
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-572081(P2016-572081)
(86)(22)【出願日】2016年1月27日
(86)【国際出願番号】JP2016052251
(87)【国際公開番号】WO2016121786
(87)【国際公開日】20160804
【審査請求日】2017年7月26日
(31)【優先権主張番号】62/109,984
(32)【優先日】2015年1月30日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】キュリーズ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
(72)【発明者】
【氏名】安達 裕之
(72)【発明者】
【氏名】守田 空悟
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/131087(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/145035(WO,A1)
【文献】 3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group RadioAccess Network;Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA);Medium Access Control (MAC) protocol specification(Release 12),3GPP TS 36.321,3GPP,2014年12月,V12.4.0,pp.32-33
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SC−PTM(Single Cell Point To Multipoint)をサポートする基地局であって、
ユーザ端末へ信号を送信するトランスミッタと、
第1の設定及び第2の設定を前記ユーザ端末に設定するコントローラと、を備え、
前記第1の設定は、前記SC−PTMにより前記基地局から送信されるマルチキャストデータを受信するための制御信号が伝送される物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を前記ユーザ端末が間欠的に監視することに関する設定であり、
前記第1の設定は、前記PDCCHを前記ユーザ端末が受信する期間であるOn−duration timerを含み、
前記第1の設定は、前記SC−PTMにより同一のマルチキャストデータを受信する複数のユーザ端末に共通に割り当てられるグループRNTI(Radio Network Temporary Identifier)に対応する設定であり、
前記第2の設定は、前記基地局が他の送信方法により送信されるデータを受信するための制御信号が伝送される物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を前記ユーザ端末が間欠的に監視することに関する設定である基地局。
【請求項2】
SC−PTM(Single Cell Point To Multipoint)をサポートする基地局を制御する装置であって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、第1の設定及び第2の設定をユーザ端末に設定する処理を実行し、
前記第1の設定は、前記SC−PTMにより前記基地局から送信されるマルチキャストデータを受信するための制御信号が伝送される物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を前記ユーザ端末が間欠的に監視することに関する設定であり、
前記第1の設定は、前記PDCCHを前記ユーザ端末が受信する期間であるOn−duration timerを含み、
前記第1の設定は、前記SC−PTMにより同一のマルチキャストデータを受信する複数のユーザ端末に共通に割り当てられるグループRNTI(Radio Network Temporary Identifier)に対応する設定であり、
前記第2の設定は、前記基地局が他の送信方法により送信されるデータを受信するための制御信号が伝送される物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を前記ユーザ端末が間欠的に監視することに関する設定である装置。
【請求項3】
SC−PTM(Single Cell Point To Multipoint)をサポートするユーザ端末であって、
基地局から信号を受信するレシーバと、
コントローラと、を備え、
前記レシーバは、第1の設定及び第2の設定を前記基地局から受信し、
前記コントローラは、前記第1の設定及び前記第2の設定を設定し、
前記第1の設定は、前記SC−PTMにより前記基地局から送信されるマルチキャストデータを受信するための制御信号が伝送される物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を前記ユーザ端末が間欠的に監視することに関する設定であり、
前記第1の設定は、前記PDCCHを前記ユーザ端末が受信する期間であるOn−duration timerを含み、
前記第1の設定は、前記SC−PTMにより同一のマルチキャストデータを受信する複数のユーザ端末に共通に割り当てられるグループRNTI(Radio Network Temporary Identifier)に対応する設定であり、
前記第2の設定は、前記基地局が他の送信方法により送信されるデータを受信するための制御信号が伝送される物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を前記ユーザ端末が間欠的に監視することに関する設定であるユーザ端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおける基地局、プロセッサ及びユーザ端末に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(Third Generation Partnership Project)において、マルチキャスト/ブロードキャスト伝送を実現する技術として、MBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)が仕様化されている。
【0003】
MBMSにおいて、複数のセルは、MBSFN(Multicast−Broadcast Single−Frequency Network)サブフレームと称される特別なサブフレームを使用して、同一のMBSFNエリアに属する複数のセルが同一のマルチキャスト/ブロードキャストデータを送信する。ユーザ端末は、複数のセルから送信されるマルチキャスト/ブロードキャストデータを受信する。
【0004】
MBMSは、MBSFNサブフレームがMBMS用となってしまうことに加えて、MBSFNサブフレームを動的に変更することが困難であるため、無線リソースの無駄が生じ易い。
【0005】
一方で、無線リソースの利用効率を高めつつマルチキャスト伝送を実現するために、単一セルPTM(SCPTM:Single−Cell Point−To−Multipoint)伝送が検討されている。MBSFNエリア単位でのマルチキャスト/ブロードキャスト伝送が適用されるMBMSとは異なり、SCPTMにはセル単位でのマルチキャスト伝送が適用される。また、SCPTM伝送において、グループに属する複数のユーザ端末に対するマルチキャストデータを送信するために物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)が使用されることが想定されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP寄書「RP−142205」
【発明の概要】
【0007】
第1特徴に係る基地局は、SC−PTM(Single Cell Point To Multipoint)をサポートする基地局である。前記基地局は、ユーザ端末へ信号を送信するトランスミッタと、第1の設定及び第2の設定を前記ユーザ端末に設定するコントローラと、を備える。前記第1の設定は、前記SC−PTMにより前記基地局から送信されるマルチキャストデータを受信するための制御信号が伝送される物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を前記ユーザ端末が間欠的に監視することに関する設定である。前記第1の設定は、前記PDCCHを前記ユーザ端末が受信する期間であるOn−duration timerを含む。前記第1の設定は、前記SC−PTMにより同一のマルチキャストデータを受信する複数のユーザ端末に共通に割り当てられるグループRNTI(Radio Network Temporary Identifier)に対応する設定である。前記第2の設定は、前記基地局が他の送信方法により送信されるデータを受信するための制御信号が伝送される物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を前記ユーザ端末が間欠的に監視することに関する設定である。
【0008】
第2特徴に係る装置は、SC−PTM(Single Cell Point To Multipoint)をサポートする基地局を制御する装置である。前記装置は、プロセッサを備える。前記プロセッサは、第1の設定及び第2の設定をユーザ端末に設定する処理を実行する。前記第1の設定は、前記SC−PTMにより前記基地局から送信されるマルチキャストデータを受信するための制御信号が伝送される物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を前記ユーザ端末が間欠的に監視することに関する設定である。前記第1の設定は、前記PDCCHを前記ユーザ端末が受信する期間であるOn−duration timerを含む。前記第1の設定は、前記SC−PTMにより同一のマルチキャストデータを受信する複数のユーザ端末に共通に割り当てられるグループRNTI(Radio Network Temporary Identifier)に対応する設定である。前記第2の設定は、前記基地局が他の送信方法により送信されるデータを受信するための制御信号が伝送される物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を前記ユーザ端末が間欠的に監視することに関する設定である。
【0009】
第3特徴に係るユーザ端末は、SC−PTM(Single Cell Point To Multipoint)をサポートするユーザ端末である。前記ユーザ端末は、基地局から信号を受信するレシーバと、コントローラと、を備える。前記レシーバは、第1の設定及び第2の設定を前記基地局から受信する。前記コントローラは、前記第1の設定及び前記第2の設定を設定する。前記第1の設定は、前記SC−PTMにより前記基地局から送信されるマルチキャストデータを受信するための制御信号が伝送される物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を前記ユーザ端末が間欠的に監視することに関する設定である。前記第1の設定は、前記PDCCHを前記ユーザ端末が受信する期間であるOn−duration timerを含む。前記第1の設定は、前記SC−PTMにより同一のマルチキャストデータを受信する複数のユーザ端末に共通に割り当てられるグループRNTI(Radio Network Temporary Identifier)に対応する設定である。前記第2の設定は、前記基地局が他の送信方法により送信されるデータを受信するための制御信号が伝送される物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を前記ユーザ端末が間欠的に監視することに関する設定である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態及び第2実施形態に係るLTEシステムの構成図である。
図2】第1実施形態及び第2実施形態に係る無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。
図3】第1実施形態及び第2実施形態に係る無線フレームの構成図である。
図4】第1実施形態及び第2実施形態に係るUEのブロック図である。
図5】第1実施形態及び第2実施形態に係るeNBのブロック図である。
図6】第1実施形態及び第2実施形態に係るSCPTMを説明するための図である。
図7】第1実施形態に係るPDCCH監視タイミングを説明するための図である。
図8】第1実施形態の動作パターン2に係るDRX−Configの内容を示す図である。
図9】第1実施形態の動作パターン3に係るサブフレーム設定情報の内容を示す図である。
図10】第1実施形態の動作パターン4において一部の変数を設定するための設定情報等を示す図である。
図11】第1実施形態の変更例1に係るシーケンス図である。
図12】第2実施形態に係るページングメッセージの構成例を示す図である。
図13】第2実施形態の動作パターン1を示すシーケンス図である。
図14】第2実施形態の動作パターン2を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態の概要]
本実施形態は、SCPTM伝送を適切に行うことを可能とするユーザ端末及び基地局を提供することを目的とする。
【0012】
第1実施形態に係るユーザ端末は、複数のユーザ端末を含むグループに属する。前記ユーザ端末は、物理下りリンク制御チャネルを間欠的に監視するDRX動作を制御する制御部と、前記物理下りリンク制御チャネルの監視結果に基づいて、物理下りリンク共有チャネルを介して基地局から前記複数のユーザ端末に送信されるマルチキャストデータを受信する受信部と、を備える。前記制御部は、前記グループのグループ識別子に基づいて、前記DRX動作における前記物理下りリンク制御チャネルの監視タイミングを決定する。
【0013】
第1実施形態において、前記受信部は、前記監視タイミングにおいて前記物理下りリンク制御チャネルを監視することにより、前記マルチキャストデータに対応するスケジューリング情報を受信する。
【0014】
第1実施形態において、前記制御部は、前記グループ識別子に基づく前記監視タイミング及び前記グループ識別子に基づかない他の監視タイミングの両タイミングにおいて前記物理下りリンク制御チャネルを監視するよう制御する。
【0015】
第1実施形態の変更例1において、前記グループ識別子は、前記基地局から取得したグループRNTIである。前記制御部は、前記ユーザ端末がRRCコネクティッドモードからRRCアイドルモードに遷移しても、前記グループRNTIを保持する。
【0016】
第1実施形態の変更例2において、前記制御部は、前記グループ識別子に基づく前記監視タイミング及び前記グループ識別子に基づかない他の監視タイミングのうち、前記グループ識別子に基づく前記監視タイミングにおいてのみ前記物理下りリンク制御チャネルを監視するよう制御する。
【0017】
第1実施形態の変更例2において、前記受信部は、前記マルチキャストデータが送信されるか否かを示す情報を含むページングメッセージを前記基地局から受信する。前記制御部は、前記ページングメッセージに基づいて、前記グループ識別子に基づく前記DRX動作を開始する。
【0018】
第1実施形態に係る基地局は、グループに属する複数のユーザ端末が在圏するセルを管理する。前記基地局は、物理下りリンク制御チャネルを介して、物理下りリンク共有チャネルのスケジューリング情報を送信し、前記物理下りリンク共有チャネルを介して前記複数のユーザ端末にマルチキャストデータを送信する送信部と、前記グループのグループ識別子に基づいて、前記物理下りリンク制御チャネルを前記複数のユーザ端末が監視する監視タイミングを特定する制御部と、を備える。
【0019】
第1実施形態において、前記送信部は、前記監視タイミングにおいて、前記マルチキャストデータに対応する前記スケジューリング情報を送信する。
【0020】
第1実施形態の変更例3において、前記送信部は、前記マルチキャストデータを送信するか否かを示す情報を含むページングメッセージを送信する。
【0021】
第2実施形態に係るユーザ端末は、複数のユーザ端末を含むグループに属する。前記ユーザ端末は、ページングメッセージを基地局から受信する受信部と、前記ページングメッセージに基づいて、物理下りリンク共有チャネルを介してマルチキャストデータを受信するか否かを決定する制御部と、を備える。前記ページングメッセージは、前記マルチキャストデータが送信されるか否かに関する通知情報を含む。
【0022】
第2実施形態において、前記通知情報は、前記マルチキャストデータの送信開始又は前記マルチキャストデータの送信終了を示す情報である。
【0023】
第2実施形態において、前記通知情報は、前記マルチキャストデータの送信が開始されるグループ又は前記マルチキャストデータの送信が終了されるグループのグループ識別子である。
【0024】
第2実施形態において、前記受信部は、前記マルチキャストデータの送信に使用される無線リソースに関するリソース情報を含むメッセージを前記基地局から受信する。前記制御部は、前記ページングメッセージに含まれる前記通知情報に基づき前記マルチキャストデータの送信開始が示される場合、前記リソース情報が示す無線リソースにより前記マルチキャストデータを受信する。
【0025】
第2実施形態の動作パターン1において、前記メッセージは、ブロードキャストメッセージである。
【0026】
第2実施形態の動作パターン2において、前記制御部は、前記マルチキャストデータの送信に使用される無線リソースの通知を前記基地局に要求する。前記メッセージは、前記要求に応じて送信されるユニキャストメッセージである。
【0027】
第2実施形態の動作パターン3において、前記制御部は、前記ページングメッセージに基づいて、物理下りリンク制御チャネルを間欠的に監視するDRX動作を開始するか否かを決定する。前記DRX動作における前記物理下りリンク制御チャネルの監視タイミングは、前記グループのグループ識別子に基づいて決定される。
【0028】
第2実施形態に係る基地局は、グループに属する複数のユーザ端末が在圏するセルを管理する。前記基地局は、物理下りリンク共有チャネルを介してマルチキャストデータを送信するか否かを決定する制御部と、前記マルチキャストデータを送信するか否かに関する通知情報を含むページングメッセージを送信する送信部と、を備える。
【0029】
第2実施形態において、前記通知情報は、前記マルチキャストデータの送信開始又は前記マルチキャストデータの送信終了を示す情報である。
【0030】
第2実施形態において、前記通知情報は、前記マルチキャストデータの送信が開始されるグループ又は前記マルチキャストデータの送信が終了されるグループのグループ識別子である。
【0031】
第2実施形態において、前記送信部は、前記マルチキャストデータの送信に使用される無線リソースに関するリソース情報を含むメッセージをさらに送信する。
【0032】
第2実施形態の動作パターン1において、前記メッセージは、ブロードキャストメッセージである。
【0033】
第2実施形態の動作パターン2において、前記送信部は、前記マルチキャストデータの送信に使用される無線リソースの通知をユーザ端末から要求された場合、該ユーザ端末に前記メッセージをユニキャストで送信する。
【0034】
[第1実施形態]
以下において、3GPP規格に基づく移動通信システムであるLTEシステムに本発明を適用する場合の実施形態を説明する。
【0035】
(LTEシステムの概要)
まず、LTEシステムのシステム構成について説明する。図1は、LTEシステムの構成図である。
【0036】
図1に示すように、LTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
【0037】
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、セル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
【0038】
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
【0039】
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
【0040】
EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。S−GWは、データの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。E−UTRAN10及びEPC20は、ネットワークを構成する。
【0041】
さらに、EPC20の外部(すなわち、インターネット)には、GCS AS(Group Communication Service Application Server)31が設けられる。GCS AS31は、グループ通信用のアプリケーションサーバである。GCS ASは、MB2−U及びMB2−Cインターフェイスを介してBM−SC22と接続され、SGiインターフェイスを介してP−GW23と接続される。GCS AS31は、グループ通信におけるグループの管理やデータ配信(MBMSを使うか、ユニキャストを使うかの判断も含む)等を行う。
【0042】
図2は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図2に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
【0043】
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
【0044】
MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順等を行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
【0045】
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
【0046】
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
【0047】
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッドモードであり、そうでない場合、UE100はRRCアイドルモードである。
【0048】
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。
【0049】
図3は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
【0050】
図3に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのシンボル及び1つのサブキャリアにより1つのリソースエレメント(RE)が構成される。また、UE100に割り当てられる無線リソース(時間・周波数リソース)のうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
【0051】
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に下りリンク制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される領域である。また、各サブフレームの残りの部分は、主に下りリンクデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。また、各サブフレームには、セル固有参照信号(CRS:Cell specific Reference Signal)などの下りリンク参照信号が配置される。
【0052】
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に上りリンク制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、主に上りリンクデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。また、各サブフレームには、サウンディング参照信号(SRS)などの上りリンク参照信号が配置される。
【0053】
(UE100の構成)
図4は、UE100(ユーザ端末)の構成を示すブロック図である。図4に示すように、UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。
【0054】
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。
【0055】
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0056】
制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
【0057】
UE100は、ユーザインターフェイス及びバッテリを備えてもよい。ユーザインターフェイスは、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタン等を含む。ユーザインターフェイスは、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号を制御部130に出力する。バッテリは、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
【0058】
(eNB200の構成)
図5は、eNB200(基地局)のブロック図である。図5に示すように、eNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。
【0059】
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0060】
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
【0061】
制御部230は、eNB200における各種の制御を行う。制御部230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
【0062】
バックホール通信部240は、他のeNB200及び上述したネットワークエンティティとのバックホール通信に用いられる。
【0063】
(単一セルPTM伝送の概要)
以下において、単一セルPTM伝送(SCPTM)について説明する。SCPTMは、無線リソースの利用効率を高めつつマルチキャスト伝送を実現する。図6は、第1実施形態に係るSCPTM関連動作を説明するための図である。
【0064】
図6に示すように、SCPTMにおいて、eNB200は、PDSCHを使用して、単一のセルによりマルチキャストデータを送信する。すなわち、MBSFNエリア単位でのマルチキャスト/ブロードキャスト伝送が適用されるMBMSとは異なり、SCPTMは、セル単位でのマルチキャスト伝送が適用される。
【0065】
同一のマルチキャストデータを受信する複数のUE100(UE100−1、UE100−2…)は、UEグループを構成する。当該UEグループ内の各UE100には、共通のグループ識別子が割り当てられている。グループ識別子は、例えばTMGI(Temporary Mobile Group Identity)又はグループRNTI(Radio Network Temporary Identifier)である。グループ識別子は、eNB200(又はMCE11)により割り当てられる。或いは、グループ識別子は、コアネットワーク(EPC20)のエンティティにより割り当てられてもよい。或いは、グループ識別子は、アプリケーションサーバ(例えば、GGS AS31)により割り当てられてもよい。
【0066】
SCPTMが適用される典型的なアプリケーションは、グループ通信サービス(例えば、グループ通話サービス)である。グループ通信サービスにおいては、下りリンクにマルチキャスト伝送が適用され、上りリンクにユニキャスト伝送が適用され得る。
【0067】
(DRX動作の概要)
以下において、DRX(DRX: Discontinuous Reception)動作について説明する。
【0068】
UE100は、バッテリを節約するために、DRX動作を行うことが可能である。DRX動作を行うUE100は、PDCCHを間欠的に監視する。通常、サブフレーム中のPDCCHは、当該サブフレーム中のPDSCHのスケジューリング情報(無線リソース及びトランスポートフォーマットの情報)を運搬する。
【0069】
UE100がRRCアイドルモードである場合、UE100は、着信があることを通知するページングメッセージを受信するためにPDCCHを間欠的に監視するDRX動作を行う。ページングメッセージは、PDCCHの共通サーチスペースに含まれ得る。UE100におけるPDCCH監視タイミングは、通常、UE100の識別子(IMSI:International Mobile Subscriber Identity)に基づいて定められる。このため、PDCCH監視タイミングはUE100ごとに異なる場合が多い。
【0070】
UE100がRRCコネクティッドである場合、UE100は、通信すべきデータが所定期間存在しないときにDRX動作を行う。DRX動作状態にあるUE100は、周期的に、すなわち、間欠的にPDCCHを監視する。PDCCHを監視する期間は、DRXのON期間(On−duration)と称される。また、On−durationが設定される周期は、DRX周期(DRXサイクル)と称される。On−duration及びDRXサイクルは、RRCメッセージにより設定されたDRX設定(DRX−Config)に従う。このため、PDCCH監視タイミングはUE100ごとに異なる場合が多い。
【0071】
このように、UE100は、バッテリを節約するためにDRX動作を行うことが可能である。一方で、上述したSCPTM伝送は、PDSCHを介してマルチキャストデータを送信する技術である。よって、DRX動作を行う複数のUE100がマルチキャストデータを受信するためには、当該複数のUE100におけるDRX動作を揃えなければならない。しかしながら、DRX動作の設定内容はUE100ごとに異なるため、SCPTM伝送を適切に行うことが困難である。
【0072】
(UE100の動作)
以下において、第1実施形態に係るUE100の動作について説明する。具体的には、上述したSCPTM伝送及びDRX動作を両立するための動作について説明する。
【0073】
第1実施形態に係るUE100は、複数のUE100を含むUEグループに属する。UEグループは、SCPTM伝送によるグループ通信を行うグループである。UE100の制御部130は、PDCCHを間欠的に監視するDRX動作を制御する。UE100の受信部110は、PDCCHの監視結果に基づいて、PDSCHを介してeNB200から複数のUE100に送信されるマルチキャストデータ(以下、「SCPTMデータ」という)を受信する。
【0074】
第1実施形態において、UE100の制御部130は、自UEグループのグループ識別子に基づいて、DRX動作におけるPDCCH監視タイミングを決定する。このように、UE100がグループ識別子に基づいてPDCCH監視タイミングを決定することにより、UEグループごとにPDCCH監視タイミングを揃えることが可能となる。PDCCH監視タイミングの決定動作の詳細については後述する。
【0075】
なお、UE100が複数のUEグループに属する場合、複数のUEグループに対応する複数のPDCCH監視タイミング設定(DRX設定)が適用されてもよい。
【0076】
UE100の受信部110は、PDCCH監視タイミングにおいてPDCCHを監視することにより、SCPTMデータに対応するスケジューリング情報を受信する。これにより、スケジューリング情報に基づいてPDSCH(SCPTMデータ)を受信することができる。
【0077】
第1実施形態において、UE100の制御部130は、グループ識別子に基づくPDCCH監視タイミング及びグループ識別子に基づかないPDCCH監視タイミングの両タイミングにおいてPDCCHを監視するよう制御する。
【0078】
ここで、グループ識別子に基づかないPDCCH監視タイミングとは、既存3GPP仕様に従った通常のPDCCH監視タイミングである。具体的には、UE100がRRCアイドルモードである場合、IMSIに基づいて定められるPDCCH監視タイミングである。UE100がRRCコネクティッドモードである場合、通常のDRX−Configに基づいて定められるPDCCH監視タイミングである。
【0079】
図7は、第1実施形態に係るPDCCH監視タイミングを説明するための図である。図7(a)に示すPDCCH監視タイミングは、通常のPDCCH監視タイミング(通常のDRX設定)である。図7(b)に示すPDCCH監視タイミングは、グループ識別子に基づくPDCCH監視タイミング(グループDRX設定)である。図7(c)に示すように、UE100は、通常のPDCCH監視タイミング及びグループ識別子に基づくPDCCH監視タイミングの両タイミングにおいてPDCCHを監視する。
【0080】
(eNB200の動作)
以下において、第1実施形態に係るeNB200の動作について説明する。具体的には、上述したSCPTM伝送及びDRX動作を両立するための動作について説明する。
【0081】
第1実施形態に係るeNB200は、UEグループに属する複数のUE100が在圏するセルを管理する。eNB200の送信部210は、PDCCHを介して、PDSCHのスケジューリング情報を送信し、PDSCHを介して当該複数のUE100にSCPTMデータを送信する。eNB200の制御部230は、当該UEグループのグループ識別子に基づいて、PDCCHを当該複数のUE100が監視するPDCCH監視タイミングを特定する。具体的には、eNB200は、UE100におけるPDCCH監視タイミングの決定動作と同様の決定動作を行うことにより、UE100におけるPDCCH監視タイミングを特定する。PDCCH監視タイミングの決定動作の詳細については後述する。
【0082】
第1実施形態において、eNB200の送信部210は、特定したPDCCH監視タイミングにおいて、SCPTMデータに対応するスケジューリング情報を送信する。すなわち、マルチキャストデータを、PDCCH監視タイミングに対応するサブフレームに割り当てる。これにより、UEグループに属し、且つDRX動作を行うUE100が、スケジューリング情報を受信し、受信したスケジューリング情報に基づいてPDSCH(SCPTMデータ)を受信することができる。
【0083】
(PDCCH監視タイミングの決定動作)
以下において、第1実施形態に係るPDCCH監視タイミングの決定動作について説明する。
【0084】
(1)動作パターン1
動作パターン1は、RRCアイドルモードのDRX動作におけるPDCCH監視タイミングを、IMSIではなく、グループ識別子に基づいて決定する動作パターンである。RRCアイドルモードのDRX動作におけるPDCCH監視タイミング(PDCCH監視サブフレーム)は、Paging Occasion(PO)と称される。
【0085】
UE100(及びeNB200)は、Paging Occasion(PO)、及び、Paging Occasionを含みうる無線フレームであるPaging Frame(PF)を下記のように計算する。
【0086】
PFのシステムフレーム番号(SFN)は、下記の式(1)から求められる。
【0087】
SFN mod T= (T div N) * (グループ識別子 mod N) …(1)
【0088】
ここで、Tは、ページングメッセージを受信するためのUE100のDRXサイクルであり、無線フレームの数で表される。Nは、TとnBのうち最小値である。nBは、4T, 2T, T, T/2, T/4, T/8, T/16, T/32から選択される値である。グループ識別子は、上述したように、TMGI又はグループRNTIである。グループ識別子をそのまま使用するのではなく、例えば「グループ識別子mod 1024」により求められる値を使用してもよい。なお、eNB200以外の装置がグループ識別子を割り当てる場合、当該装置からeNB200に割当グループ識別子が通知される。
【0089】
このようにして求められたPFのうち、POのサブフレーム番号は、下記のように求められる。まず、下記の式(2)により、インデックスi_sを求める。
【0090】
i_s = floor(グループ識別子/N) mod Ns …(2)
【0091】
ここで、Nsは、1とnB/Tのうち最大値である。
【0092】
次に、表1または表2からNs及びインデックスi_sに対応するPOを求める。表1はLTE FDDシステムに適用され、表2はLTE TDDシステムに適用される。表1および表2において、N/Aは非適用を表す。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】
動作パターン1に係るPDCCH監視タイミングの決定動作は、RRCアイドルモードの場合だけでなく、RRCコネクティッドモードの場合にも適用可能である。
【0096】
(2)動作パターン2
動作パターン2は、RRCコネクティッドモードのDRX動作におけるPDCCH監視タイミングを定義するDRX−Configを、グループ識別子を指定してeNB200からUE100に通知する動作パターンである。
【0097】
図8は、動作パターン2に係るDRX−Configの内容を示す図である。DRX−Configは、RRCメッセージによりeNB200からUE100に通知される。図8に示すように、動作パターン2に係るDRX−Configは、グループDRX用のDRX−Config(GroupDRX−Config)として定義される。GroupDRX−Configは、図8の破線枠に示すように、当該GroupDRX−Configが適用されるグループ識別子(TMGI及び/又はグループRNTI)を含む。UE100は、自UEグループのグループ識別子に対応するGroupDRX−Configに基づいて、PDCCH監視タイミング(On−duration及びDRXサイクル等)を決定する。
【0098】
動作パターン2に係るPDCCH監視タイミングの決定動作は、RRCコネクティッドモードの場合だけでなく、RRCアイドルモードの場合にも適用可能である。
【0099】
(3)動作パターン3
動作パターン3は、PDCCH監視タイミングに対応するサブフレームを示す設定情報を、グループ識別子を指定してeNB200からUE100に通知する動作パターンである。
【0100】
図9は、動作パターン3に係るサブフレーム設定情報(SCPTM−SubframeConfig)の内容を示す図である。図9に示すように、SCPTM−SubframeConfigは、PDCCH監視タイミング(サブフレーム)を定義するパラメータに加えて、当該SCPTM−SubframeConfigが適用されるグループ識別子(TMGI及び/又はグループRNTI)を含む。UE100は、自UEグループのグループ識別子に対応するSCPTM−SubframeConfigに基づいて、PDCCH監視タイミング(サブフレーム)を決定する。
【0101】
動作パターン3に係るPDCCH監視タイミングの決定動作は、RRCコネクティッドモード及びRRCアイドルモードの両方に適用可能である。
【0102】
(4)動作パターン4
動作パターン4は、動作パターン1を変更した動作パターンである。
【0103】
RRCアイドルモードのDRX動作においては、ページングメッセージの特性から以下が考慮されている。
【0104】
・UEの省電力化のため、長周期が用いられている。
【0105】
・ページングに用いることができるサブフレームが限定されている。(最大で、0,4,5,9 サブフレーム)
【0106】
・ページングメッセージを送信できる無線フレームが限定される可能性がある。(nB = T/2, ,,, T/32)
【0107】
そのため、グループ通信(SCPTM)の受信目的で、ページング設定(PCCH Config)及びPaging Frame(PF)及びPaging Occasion(PO)算出式を流用するのは好ましくない虞がある。
【0108】
よって、動作パターン4において、例えば以下の式を利用し、グループ通信用のパラメータを用いて、グループ通信の受信を行ってもよい。PF(Reception Frameと称されてもよい)は、下記の式(3)から求められる。
【0109】
SFN mod TGroup= TGroup *(UE_IDGroup mod TGroup) …(3)
【0110】
また、PO(Reception Occasionと称されてもよい)は、下記の式(4)から求められる。
【0111】
i_sGroup = UE_IDGroup mod NsGroup …(4)
【0112】
ここで、式(3)及び(4)における変数について表3に示す。
【0113】
【表3】
【0114】
通常のRRCアイドルモードのDRXとは異なり、式(3)において、ページング用のnBを無視し、任意の無線フレームが選択できるように変更されている。また、式(4)において、サブフレームの限定をグループ通信用に変更している。
【0115】
図10は、動作パターン4において一部の変数を設定するための設定情報(GroupComm−Config)等を示す図である。GroupComm−Configは、RRCメッセージによりeNB200からUE100に通知される。
【0116】
図10(a)に示すように、GroupComm−Configは、グループ通信用の周期(DRXサイクル)である「GroupPagingCycle」、及び「GroupOccasion」を含む。図10(b)は、「GroupOccasion」の例を示し、図10(c)は、「i_sGroup」の例を示す。
【0117】
なお、動作パターン4に係るPDCCH監視タイミングの決定動作は、RRCアイドルモードの場合だけでなく、RRCコネクティッドモードの場合にも適用可能である。
【0118】
(第1実施形態のまとめ)
第1実施形態において、UE100は、自UEグループのグループ識別子に基づいて、DRX動作におけるPDCCH監視タイミングを決定する。このように、UE100がグループ識別子に基づいてPDCCH監視タイミングを決定することにより、UEグループごとにPDCCH監視タイミングを揃えることが可能となる。
【0119】
[第1実施形態の変更例1]
上述した第1実施形態において、eNB200(又はMCE11)から割り当てられたグループRNTIをグループ識別子として使用する場合、UE100がRRCアイドルモードに遷移してもグループRNTIを保持することが好ましい。UEグループ内の一部のUE100がRRCアイドルモードに遷移しても、残りのUE100はRRCコネクティッドモードであり得るため、UEグループ内の各UE100のPDCCH監視タイミングを合わせる必要があるからである。
【0120】
よって、第1実施形態の変更例1において、UE100の制御部130は、自UE100がRRCコネクティッドモードからRRCアイドルモードに遷移しても、グループRNTIを保持する。そして、UE100の制御部130は、保持しているグループRNTIに基づいて、PDCCH監視タイミングを決定する。なお、グループRNTIは、例えば、RRCアイドルモードのUE100に対してRRCメッセージ(又はMACメッセージ)によりeNB200(又はMCE11)が設定する。
【0121】
また、グループRNTIの保持及び/又は解放に関する設定情報をeNB200からUE100に通知してもよい。図11は、第1実施形態の変更例1に係るシーケンス図である。図11に示すように、eNB200は、UE100とのRRC接続を解放するための「RRC Connection Release」メッセージに、グループRNTIの保持及び/又は解放に関する設定情報を含めてもよい。eNB200は、UE100から受信するGC indicationに基づいて当該設定情報をUE100に送信してもよい。
【0122】
当該設定情報は、グループRNTIの保持期間を定義するタイマ値を含む。UE100は、RRCアイドルモードに遷移した際にタイマを起動し、当該タイマが設定タイマ値に達するまでグループRNTIを保持してもよい。なお、UE100がSCPTMの受信に興味を持っている場合には、タイマが満了するまでグループRNTIを保持し、UE100がSCPTMの受信に興味を持っていない場合には、タイマ値に達するか否かに関わらずグループRNTIを破棄してもよい。
【0123】
また、図11は、「RRC Connection Release」メッセージを使用してグループRNTIの保持及び/又は解放に関する設定を行うシーケンスであるが、「RRC Connection Release」メッセージを使用しない方法も可能である。例えば、RRCコネクティッドモードの際にeNB200から設定タイマ値を受信する、又はUE100に設定タイマ値を事前設定しておく。そして、RRC Conection Releaseの際にタイマを起動し、当該タイマ値が設定タイマ値に達した場合(満了した場合)、グループRNTIを解放する。
【0124】
[第1実施形態の変更例2]
上述した第1実施形態において、UE100の制御部130は、グループ識別子に基づくPDCCH監視タイミング及びグループ識別子に基づかないPDCCH監視タイミング(通常のPDCCH監視タイミング)の両タイミングにおいてPDCCHを監視するよう制御していた。しかしながら、通常のPDCCH監視タイミングを適用せずに、グループ識別子に基づくPDCCH監視タイミングのみを適用してもよい。
【0125】
第1実施形態の変更例2において、UE100の制御部130は、グループ識別子に基づくPDCCH監視タイミング及びグループ識別子に基づかない他のPDCCH監視タイミング(通常のPDCCH監視タイミング)のうち、グループ識別子に基づくPDCCH監視タイミングにおいてのみPDCCHを監視するよう制御する。eNB200の制御部230は、通常のDRX設定をUE100が破棄又は休止していると認識する。
【0126】
この場合、eNB200は、通常のPDCCH監視タイミングに合わせてUE100に送信するべき情報を、グループ識別子に基づくPDCCH監視タイミングに合わせてUE100に送信することが好ましい。
【0127】
[第1実施形態の変更例3]
上述した第1実施形態に係るPDCCH監視タイミングの決定動作(グループ識別子に基づくDRX動作)は、必ずしも常に実施しなくてもよい。例えば、SCPTMデータの送信が開始される前において、UE100は、グループ識別子に基づくDRX動作を行わなくてもよい。
【0128】
第1実施形態の変更例3において、eNB200の送信部210は、SCPTMデータを送信するか否かを示す情報を含むページングメッセージを送信する。UE100の受信部110は、SCPTMデータが送信されるか否かを示す情報を含むページングメッセージをeNB200から受信する。UE100の制御部130は、ページングメッセージに基づいて、グループ識別子に基づくDRX動作を開始する。例えば、UE100の制御部130は、SCPTMデータが送信されことを示す情報がページングメッセージに含まれている場合、グループ識別子に基づくDRX動作を開始する。このようなページングメッセージの詳細については、第2実施形態において説明する。
【0129】
[第2実施形態]
第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。
【0130】
上述した第1実施形態は、DRX動作におけるPDCCH監視タイミングをグループ識別子に基づいて決定する実施形態である。これに対し、第2実施形態は、PDCCH監視を行うか否かをページングメッセージにより制御する実施形態である。
【0131】
(UE100の動作)
以下において、第2実施形態に係るUE100の動作について説明する。
【0132】
第2実施形態に係るUE100は、複数のUE100を含むUEグループに属する。UE100の受信部110は、ページングメッセージをeNB200から受信する。UE100の制御部130は、ページングメッセージに基づいて、SCPTMデータを受信するか否かを決定する。ページングメッセージは、PDSCHを介して複数のUE100にSCPTMデータが送信(すなわち、SCPTM伝送)されるか否かに関する通知情報とUEグループのグループ識別子とを含む。
【0133】
このように、SCPTM伝送されるSCPTMデータの利用可能性をeNB200がページングメッセージにより通知することにより、該当するUEグループに属するUE100は、適切なタイミングでSCPTMデータを受信することができる。
【0134】
図12は、第2実施形態に係るページングメッセージの構成例を示す図である。図12の破線枠に示すように、通知情報は、SCPTMデータの送信開始(又はSCPTMデータの送信終了)を示す通知情報(sc−PTM−indication)である。或いは、通知情報は、SCPTMデータの送信が開始されるUEグループ(又はSCPTMデータの送信が終了されるUEグループ)のグループ識別子リスト(TMGI−List)である。ページングメッセージは、通知情報の設定変更の有無を示す情報をさらに含んでもよい。或いは、「通知情報の設定変更の有無」を「通知情報」に代えて送信してもよい。また、「設定変更の有無」とは、具体的には、SC−PTM送信状態が開始から終了、又はその逆に変更したことを示すものであってもよい。
【0135】
第2実施形態において、UE100の受信部110は、SCPTMデータの送信に使用される無線リソースに関するリソース情報を含むメッセージをeNB200から受信する。UE100の制御部130は、ページングメッセージに含まれる通知情報に基づきSCPTMデータの送信開始が示される場合、リソース情報が示す無線リソースによりマルチキャストデータを受信する。必要に応じて、マルチキャストデータの受信に先立ち、PDCCHを監視する。このようなシーケンスの詳細については後述する。
【0136】
(eNB200の動作)
以下において、第2実施形態に係るeNB200の動作について説明する。
【0137】
第2実施形態に係るeNB200は、UEグループに属する複数のUE100が在圏するセルを管理する。eNB200の制御部230は、PDSCHを介してSCPTMデータを送信(すなわち、SCPTM伝送)するか否かを決定する。eNB200の送信部210は、SCPTMデータを送信するか否かに関する通知情報とグループのグループ識別子とを含むページングメッセージを送信する。
【0138】
上述したように、通知情報は、SCPTMデータの送信開始(又はSCPTMデータの送信終了)を示す情報である。或いは、通知情報は、SCPTMデータの送信が開始されるグループ(又はSCPTMデータの送信が終了されるグループ)のグループ識別子リストである。
【0139】
第2実施形態において、eNB200の送信部210は、SCPTMデータの送信に使用される無線リソースに関するリソース情報を含むメッセージをさらに送信する。
【0140】
(動作シーケンス)
以下において、第2実施形態に係る動作シーケンスについて説明する。
【0141】
(1)動作パターン1
図13は、第2実施形態の動作パターン1を示すシーケンス図である。動作パターン1において、SCPTMデータの送信に使用される無線リソースに関するリソース情報を含むメッセージは、ブロードキャストメッセージ(ブロードキャストRRCメッセージ)である。このようなブロードキャストRRCメッセージをSIB Xと称する。
【0142】
図13に示すように、ステップS211において、eNB200は、特定のUEグループに対するSCPTMデータの送信開始を決定する。eNB200は、SCPTMデータの送信開始を示す情報及び当該特定のUEグループのグループ識別子を含むページングメッセージを送信する。当該特定のUEグループに属するUE100は、ページングメッセージを受信し、マルチキャストデータの受信を決定する。
【0143】
UE100は、SIB Xを受信するために、先ずSIB1をeNB200から受信し、SIB1に基づいてSIB Xのスケジューリング情報を取得する。
【0144】
ステップS212において、eNB200は、SCPTMデータの送信に使用される無線リソースに関するリソース情報を含むSIB Xを送信する。SIB Xは、UEグループ(グループ識別子)ごとのリソース情報を含む。UE100は、SIB Xを受信し、自UEグループに対応するリソース情報を取得する。SIB Xは、第1実施形態に係る動作を行うためのグループRNTIを含んでもよい。
【0145】
リソース情報は、SCPTMデータの送信に使用されるサブフレームを示す情報を含む。SCPTMデータの送信に使用されるサブフレームとは、SCPTMデータが送信される可能性のあるサブフレームであってもよい。この場合、UE100は、当該サブフレームにおいてPDCCHを監視する。なお、サブフレームを示す情報は、ビットマップ形式で表現されてもよい。例えば、SCPTMデータの送信に使用されるサブフレームを「1」、SCPTMデータの送信に使用されないサブフレームを「0」とするビットからなるビットマップである。
【0146】
或いは、リソース情報は、より詳細な情報であってもよい。例えば、リソース情報は、SCPTMデータの送信に使用される無線リソース(サブフレーム、リソースブロック)及びトランスポートフォーマット等の情報を含む。この場合、UE100は、必ずしも当該サブフレームにおいてPDCCHを監視することを要しない。
【0147】
ステップS213において、eNB200は、SIB Xにおけるリソース情報で示した無線リソースを使用して、SCPTMデータを送信する。UE100は、SIB Xにおけるリソース情報に基づいて、SCPTMデータを受信する。
【0148】
(2)動作パターン2
図14は、第2実施形態の動作パターン2を示すシーケンス図である。動作パターン2において、SCPTMデータの送信に使用される無線リソースに関するリソース情報を含むメッセージは、ユニキャストメッセージ(例えば、個別RRCメッセージ)である。
【0149】
図14に示すように、ステップS221において、eNB200は、特定のUEグループに対するSCPTMデータの送信開始を決定する。eNB200は、SCPTMデータの送信開始を示す情報及び当該特定のUEグループのグループ識別子を含むページングメッセージを送信する。当該特定のUEグループに属するUE100は、ページングメッセージを受信し、マルチキャストデータの受信を決定する。
【0150】
ステップS222において、UE100は、SCPTMデータの送信に使用される無線リソースの通知をeNB200に要求する。このようなメッセージは、例えばグループ通信興味通知である。グループ通信興味通知は、UE100が興味を持つグループ通信に対応するグループ識別子(例えば、TMGI)を含んでもよい。グループ通信興味通知は、具体的には、「GC indication」であってよく、「GC indication」はTMGIリストを含んでもよい。
【0151】
ステップS223において、eNB200は、UE100からの要求に応じて、リソース情報を含むユニキャストメッセージをUE100に送信する。例えば、eNB200は、グループ通信興味通知に含まれるグループ識別子に対応するリソース情報をユニキャストメッセージによりUE100に通知する。リソース情報の構成については、動作パターン1と同様である。
【0152】
ステップS224において、eNB200は、ユニキャストメッセージにおけるリソース情報で示した無線リソースを使用して、SCPTMデータを送信する。UE100は、ユニキャストメッセージにおけるリソース情報に基づいて、SCPTMデータを受信する。
【0153】
(3)動作パターン3
動作パターン3は、上述した第1実施形態の変更例3と同様の動作パターンである。UE100は、ページングメッセージに基づいて、DRX動作を開始するか否かを決定する。DRX動作におけるPDCCH監視タイミングは、自UEグループのグループ識別子に基づいて決定される。
【0154】
(第2実施形態のまとめ)
上述したように、SCPTM伝送されるSCPTMデータの利用可能性をeNB200がページングメッセージにより通知することにより、該当するUEグループに属するUE100は、適切なタイミングでSCPTMデータを受信することができる。
【0155】
[その他の実施形態]
上述した第1実施形態及び第2実施形態は、別個独立して実施される場合に限定されない。第1実施形態及び第2実施形態を組み合わせて実施してもよい。
【0156】
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、移動通信システムとしてLTEシステムを例示した。しかしながら、本出願はLTEシステムに限定されない。LTEシステム以外のシステムに本出願を適用してもよい。
【0157】
[付記]
(導入)
単一セルポイントツーマルチポイント(PTM)伝送のサポートに関する新たな研究アイテムが承認された。人気のビデオ/アプリのダウンロード、モバイル広告及び車のための交通情報等の商用ユースケースと、クリティカル通信とについて、本研究アイテムは、Rel−12のeMBMSベースのメカニズムと比較して、グループ通信のためのよりフレキシブルな/効率的な無線インターフェイスを検討する。Rel−13の研究における大きな課題の一つは、PDSCHを介した「動的マルチキャスト」として期待され、研究の目的は以下のように特定される。
【0158】
ユーザグループ(すなわち、特定のサービス/コンテンツに共通の興味を持っているユーザ)を対象とする、PDSCHを介したDLマルチキャストを、UEが受信するための方法を研究する。
【0159】
単一セルPTM伝送に対して、HARQフィードバックとCSIレポートがまだ必要であるかを検討し、もしそうであれば可能な解決策を特定する。
【0160】
サービスの継続性の側面を研究する。
【0161】
本付記において、PDSCHが単一セルPTMのために使われることを想定し、単一セルPTM受信の観点から、幾つかの可能な問題が特定された。
【0162】
(検討)
本研究アイテムに対する我々の理解に基づいて、アイドルモード又はコネクティッドモードの何れで、UEが単一セルPTM受信を行うことが目的である。SIDは、解決策が、同じセル内のMBSFN配置を補完することができるべきであることを明確に言及するので、アイドルモードのUEは、単一セルPTM信号とeMBMS受信との両方を受信できるべきである。プッシュツートークのようなクリティカル通信のためのユースケースを考慮し、音声データを送信するコネクティッドモードのUEは、単一セルPTM伝送を受信する可能性がある。従って、単一セルPTM受信は、アイドルモードとコネクティッドモードとの両方において行われるべきである。
【0163】
提案1:単一セルPTM受信がアイドルモードとコネクティッドモードとの両方において行われると仮定すべきである。
【0164】
単一セルPTMでのマルチキャスト送信のためにPDCCHが仮定される場合に、DRX、PDCCH監視等の下記の問題が考慮されるべきである。DRXから独立して行われるeMBMS受信と比較して、コネクティッドモードにおける単一セルPTM受信における課題の一つは、既存のDRXメカニズム内に該受信が動作できるようにすることである。課題は、DRXと単一セルPTMとの間のサブフレーム揃いに由来する。MBSFNサブフレームは、通常のサブフレームから完全に分離されているが、単一セルPTM伝送は、PDCCHにマッピングされ、PDCCHによってスケジュールされることができるため、単一セルPTM伝送は、通常のサブフレーム内で発生する可能性がある。
【0165】
現在のアイドルモード手順において、UE−IDによってランダム化されるページングの機会のみにおいてUEがPDCCHを監視するように要求されるが、コネクティッドモードのUEは、個別シグナリングを介してサービングセルによって制御され、アクティブ時間の間にPDCCHを監視するように要求される。同じグループ内の全てのUEに対して適用可能であるPTM伝送の機会を決定するために、更なる検討が必要である。換言すると、同じグループに割り当てられている全てのUEに対して、PDCCHを監視する機会が揃うべきである。
【0166】
提案2:PDSCHが単一セルPTM伝送のために想定される場合、同じグループに割り当てられている全てのUEに対して、PDCCHを監視する機会を十分に揃える方法が検討されるべきである。
【0167】
以下の選択肢が考えられる。
【0168】
選択肢1:アイドルモード及びコネクティッドモードにおいて、既存のDRXメカニズムを拡張する。
【0169】
選択肢2:既存のDRXメカニズムから独立する新たなDRXメカニズムを導入する。
【0170】
選択肢3:スマートeNB実装に任せる。
【0171】
eNBの観点から見れば後方互換性に影響を与える(例えば、特にアイドルモードにおいて、DRX機会を変更することが困難であるかもしれない)が、選択肢1を基準メカニズムとして考えることができる。
【0172】
標準化のための工夫がより多くなると予期されるが、DRXルールがグループID(例えば、TMGI又はグループRNTI等)と関連している場合、選択肢2がより簡単な方法であるかもしれない。
【0173】
標準化の観点から見れば、選択肢3が最も簡単な選択肢であると考えられる。
【0174】
しかしながら、eNBが同じグループに属するアイドルUEのUE−IDを知ることのできる方法と、コネクティッドモードの全てのUEに対してページング機会をDRX On期間に揃える方法と、が検討されるべきである。選択肢3における、データ配信に興味を持っている全てのUEをサポートする困難と、選択肢1における、後方互換性に与える影響と、に起因して、アイドルとコネクティッド両方のUEのためのSC−PTM受信をサポートする新たなDRXメカニズムが必要であるかを検討すべきである。
【0175】
提案3:単一セルPTM伝送のための新たなDRXメカニズムが必要であるかを検討すべきである。
【0176】
(結論)
この付記において、単一セルPTMのためのDRX揃いの問題が検討された。
【0177】
DRX揃いの問題を解決するための基礎として使用され得る3つの選択肢が提供される。
【0178】
[相互参照]
米国仮出願第62/109984号(2015年1月30日)の全内容が参照により本願明細書に組み込まれている。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明は、通信分野において有用である。
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