(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記植え込み可能な遠位ステム構成部品の前記一連の上方の雌ネジの最も内側の直径は、前記一連の下方の雌ネジの最も内側の直径よりも大きい、請求項1に記載の植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具システム。
前記一連の下方の雌ネジの前記雌ネジのそれぞれの最も外側の縁は、丸みがついている、請求項1に記載の植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具システム。
前記スロットが、前記一連の上方の雌ネジの前記上方端を画定する、前記遠位ステム構成部品の側壁内に形成される、請求項1に記載の植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の代表的な実施形態を図面に例として示し、本明細書において詳細に述べる。ただし、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明の趣旨並びに範囲に包含される全ての改変物、等価物、及び代替物を網羅することを意図するものであることが理解されるべきである。
【0018】
解剖学的参照を表す前側、後側、内側、外側、上、下等の用語は、本開示全体にて、本明細書に記載する整形外科植え込みと、患者の天然の解剖学的構造との両方に関して使用される場合がある。これらの用語は、解剖学的構造の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても広く理解された意味を有するものである。明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的参照用語の使用は、特に言及しない限り、それらの十分理解された意味と一致することが意図される。
【0019】
ここで、
図1〜
図5を参照すると、股関節置換術の実施の間に使用するためのモジュール大腿人工装具10が示される。モジュール大腿人工装具10は、近位本体構成部品12と、遠位ステム構成部品14と、を含む。
図64〜
図66に関して以下に考察するように、モジュール大腿人工装具は、近位本体構成部品12と遠位ステム構成部品14との間に2次的なロックを提供するロックボルト504も含む(1次的なロックは、以下に記載されるテーパーロックである)。人工装具10は、人工股関節改良術の間に、患者の大腿骨20(
図40〜
図57参照)の中に植え込まれるように構成される。特に、モジュール式人工装具10は、外科的に準備された(例えば、リーマー加工及び/又はブローチ加工された)患者の大腿骨20の骨髄内管22の中に植え込まれる。
【0020】
頭部構成部品(図示せず)は、患者の天然の寛骨臼又は患者の寛骨臼と置き換えるために患者の骨盤の中に植え込まれる人工臼蓋のいずれかに当たるように、近位本体構成部品12の細長い首部16の端部に固定される。かかる様式では、モジュール大腿人工装具10と、天然の又は人工の寛骨臼とは、患者の股関節の天然の関節を置き換えるシステムとして集合的に機能する。
【0021】
遠位ステム構成部品14は、所与の患者の解剖学的な必要に適合するために、いくつかの異なる構成で提供される場合がある。特に、ステム構成部品14は、患者の解剖学的構造(例えば、長い大腿骨20とともに使用するための比較的長いステム構成部品14、短い大腿骨20とともに使用するための比較的短いステム、その他)に適合するような、様々な異なる長さで構成されてもよい。更に、遠位ステム構成部品14は、所与の患者の解剖学的構造によって要求される場合、弓型形状の構成も提供されてもよい。また更に、所与の患者の解剖学的構造によって要求される場合、遠位ステム構成部品14は、様々な直径も提供されてもよい。1つの例証的な実施形態では、ステム構成部品14は、4つの異なる長さ、すなわち140mm、190mm、240mm、及び290mmで提供されてもよい。かかるステム構成部品は、直径14mm〜31mmの範囲で1mmきざみで提供されるが、いくつかの実施形態では、かかる範囲内の(例えば、28mm及び30mm)特定のサイズが省略される場合がある。かかる例証的な実施形態では、真っ直ぐなステム構成部品は、2つのより短い長さ(すなわち、140mm及び190mm長さ)で利用可能であり、3つのより長いステム長さ(すなわち、190mm、240mm、及び290mm)については、大腿前方弓型部の曲率に対応するように3°の角度で利用可能である。
【0022】
同様に、近位本体構成部品12(及びこれに固定される頭部構成部品)は、患者ごとに異なる解剖学的構造に適合するために必要な柔軟性を提供するように、様々な異なる構成で提供されてもよい。例えば、近位本体構成部品12は、4つの異なる長さ、すなわち、75mm、85mm、95mm、及び105mmで提供されてもよい。遠位ステム構成部品14と同様に、近位本体構成部品12も、様々な直径で提供されてもよい。例えば、1つの例証的な実施形態では、近位本体構成部品12は、3つの異なる直径、すなわち、20mm、24mm、及び28mmで提供されてもよい。近位本体構成部品12のオフセットは、人工装具10のオフセットを増加するように変えられてもよい。頭部構成部品は、所与の患者の解剖学的構造の必要に適合するように、様々な直径で提供されてもよい。
【0023】
図1及び
図2に示されるように、近位本体構成部品12は、これから中間の位置で延在する首部16をともなう本体24を含む。頭部構成部品(図示せず)は、テーパー嵌め又は他の方法で細長い首部16の端部に固定される。本体24は、その中に形成されたテーパー付きボア28も有する。遠位ステム構成部品14のテーパー付きポスト30(
図3〜
図6参照)は、近位本体構成部品12のテーパー付きボア28の中に受容される。以下に詳細に考察されるように、遠位ステム構成部品14のテーパー付きポスト30と近位本体構成部品12のテーパー付きボア28を画定する側壁とを互いに向かって付勢することによって、近位本体構成部品12を遠位ステム構成部品14にテーパー係止する。
【0024】
近位本体構成部品12の本体24の上面は、その中に形成されるカウンターサンク空洞32を有する。カウンターサンク空洞32の下側は、ロック陥凹部34の中に開口する。ロック陥凹部34の下側は、接続ボア36の中に開口し、これは今度はテーパー付きボア28の中に開口する。以下により詳細に考察するように、ロックボルト504(
図64参照)が、カウンターサンク空洞32を通して挿入され、その後遠位ステム構成部品14を係合するように接続ボア36を通して延在する。
【0025】
図3〜
図6に示されるように、テーパー付きポスト30が、遠位ステム構成部品14の本体38の上方端に形成される。遠位ステム構成部品14の本体38の上面は、その中に形成された一連の上方のネジ山40を有する。以下により詳細に考察されるように、上方のネジ山40は、遠位ステム構成部品14を、その使用の間に衝撃を受ける手術器具に結合するために使用される。一連の下方のネジ山42は、上方のネジ山40の下方に位置付けられる。下方のネジ山42は、それらの使用の間に衝撃を受けないこれらの手術器具と一緒に、遠位ステム構成部品14を股関節人工装具10のロックボルト504(
図64参照)に結合するために使用される。下方のネジ山を、大腿人工装具10の植え込みの間に衝撃を与える手術器具の対象としないことにより、人工装具のボルト(すなわち、下方のネジ山42)を固定するために最終的に使用されるこのネジは、外科手技の間、損傷から保護される。本明細書に記載される例示的な実施形態では、上方のネジ山40は、M8サイズのネジ山であり、これに反して下方のネジ山42は、M6サイズのネジ山である。
【0026】
本明細書に記載される例証的な実施形態では、下方のネジ山42は、応力集中を除去するように設計された、改造されたネジ山として具体化される。特に、
図6に最も良好に見ることができるように、下方のネジ山42の外縁54は、丸みがついている。意外なことに、試験及びモデリングは、かかる丸みがついている縁部54は、遠位ステム構成部品14内の応力集中の除去を行うことを示している。応力集中の更なる除去は、下方のネジ山42が形成される止まり穴の遠位端の設計によっても行われる。特に、下方のネジ山42から後方に延在する止まり穴の遠位端56は、点又は他の幾何学的形状ではなく、丸みがついている。すなわち、遠位ステム構成部品14の本体38内に形成される、ネジ山42から後方に延在する止まり穴は、丸みがついている遠位端56を有する。下方のネジ山42の丸みがついている外縁54と同様に、予想外ではあるが、試験及びモデリングは、かかる丸みがついている遠位端56が、遠位ステム構成部品14内で応力集中の除去を行えることを示している。
【0027】
例えば、タブの形状の位置合わせキー44が、遠位ステム構成部品14の本体38の上面から上に延在する。位置合わせキー44は、遠位ステム構成部品14の頂点と一列に並ぶ。すなわち、曲がったステム構成部品14は、その曲率の凸側に沿って延びる頂点(すなわち、脊髄)を有する。遠位ステム構成部品14の植え込みの間に、頂点は、類似の湾曲を有する患者の大腿骨20の対応する側と適切に位置合わなければならない。以下に記載するように、位置合わせキー44は、外科医が頂点の場所を視覚化できるようにすることによって、ステム構成部品14が骨髄内管に位置付けられる場合でさえも、遠位ステム構成部品14の頂点の適切な配向を容易にする。
【0028】
図4に示されるように、キー溝46は、遠位ステム構成部品14の本体38の上面に形成される。上方のネジ山40の外側開口50を画定するキー溝46は、側壁48に形成される。本明細書に記載される例示的な実施形態では、キー溝46は、手術用試用器具の耳たぶ型のキーを受容するように構成される耳たぶ型のスロットとして具体化されるが、他の形状のスロット及びタブが使用されてもよい。以下に考察されるように、かかる特徴は、近位本体構成部品12の植え込みに使用するために複製される近位試用本体構成部品の試用される配向を可能にする。
【0029】
ここで
図7〜
図43を参照すると、大腿人工装具10を患者の大腿骨20の骨髄内管22の中に植え込むために使用される様々な器具が示される。
図7では、患者の大腿骨20の外科的準備の当初のステップの間に使用されてもよいスターターリーマー60を示す。スターターリーマー60は、遠位ステム構成部品14がその中に植え込まれる、患者の骨髄内管22の部分のリーマー加工のために使用される。スターターリーマー60は、回転動力工具86(
図45参照)又は手動用ハンドル80(
図8及び
図44参照)のチャックの中に嵌合する近位端64を有する、細長いシャンク62を含む。スターターリーマー60は、シャンク62と反対側の、遠位端に位置する切削ヘッド66も含む。スターターリーマー60の切削ヘッド66は、そこから延在する複数の螺旋状の切削フルート70を伴う鋭い切削チップ68を含む。切削チップ68は、事前に取り除かれた大腿人工装具からのいかなる破片又はセメントの残物も切り通す。スターターリーマー60は、患者の大腿骨20の骨髄内管22内に位置付けられ、回転すると、切削ヘッド66が、大腿骨の骨組織をリーマー加工するか、又は他の方法で切削し、これにより大腿管への明瞭なアクセスが得られる。大腿管へのかかるアクセスは、大腿人工装具10の構成部品の適切な位置合わせを確実にする。
【0030】
スターターリーマー60は、切削ヘッド66の近位端の上方の場所において、そのシャンク62上に形成される、いくつかの色付きの深さマーク72、74、76、78を含む。色付きの深さマーク72、74、76、78のそれぞれは、いくつかの異なる近位本体構成部品12の標準的なヘッドセンターに対応する。例えば、近位本体構成部品12は、4つの異なる長さ、すなわち75mm、85mm、95mm、及び105mmで提供されてもよい。本明細書に記載される例示的な実施形態では、深さマーク72は、青色で、75mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク74は、緑色で、85mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク76は、黄色で、95mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク78は、赤色で、105mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応する。深さマーク72、74、76、78は、そのそれぞれが対応する色のエポキシインクで充填された、シャンク62に刻まれた溝として具体化されてもよい。外科手技の間に、スターターリーマー60は、患者の大腿骨20の骨髄内管22の中に、所望の深さマークが大転子84(
図44参照)の先端部82と位置が合うまで、より深く進行し、管22への明瞭なアクセスが達成される。かかる方法で、スターターリーマー60が、適当な色付きの深さマーク72、74、76、78を超えて駆動されなければ、管22の遠位端の過剰なリーマー加工は回避される。
【0031】
雄コネクタ88が、スターターリーマー60のシャンク62の近位端64に形成される。コネクタ88は、スターターリーマー60を回転駆動源に結合するために、回転動力工具86(
図45参照)又は手動用ハンドル80(
図8参照)のチャックの中に嵌合する。
【0032】
スターターリーマー60は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタンなどの医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの剛性のポリマーも使用されてもよい。
【0033】
ここで
図9及び
図10を参照すると、患者の大腿骨20の外科的準備の間に、スターターリーマー60の後に使用される場合がある、遠位リーマー90が示される。スターターリーマー60と同様に、遠位リーマー90は、遠位ステム構成部品14がその中に植え込まれる、患者の骨髄内管22の部分をリーマー加工するために使用される。次第により大きい遠位リーマー90を使用することにより、大腿人工装具10の遠位ステム構成部品14を受け入れるために要求される、最終的な幾何学的形状(すなわち、形状)を有するボアを生成する。遠位リーマー90は、延長工具120(
図11〜
図13参照)と嵌合する近位端94を有する、細長いシャンク92を含む。以下で詳細に記載されるように、延長工具120は、今度は、回転動力工具86(
図45参照)又は手動用ハンドル80(
図8参照)のチャックに固定されてもよい。
【0034】
遠位リーマー90は、シャンク92と反対側の、遠位端98に位置する切削ヘッド96も含む。遠位リーマー90の切削ヘッド96は、複数の螺旋状の切削フルート100を含む。切削フルート100の外側の切削面は、遠位ステム構成部品14の幾何学的形状を模倣するようにテーパーとなっている。遠位リーマー90が、患者の大腿骨20の骨髄内管22内に位置付けられ、回転すると、切削フルート100は、リーマー加工又は他の方法で、大腿骨20の骨組織を切削する。
【0035】
遠位ステム構成部品14の様々な異なる構成に対応するように、遠位リーマー90は、同様にいくつかの異なる構成で提供されてもよい。特に、遠位リーマー90は、リーマー加工された、様々な異なる長さ(例えば、比較的長いステム構成部品14の植え込みのために大腿骨20を用意するための比較的長い遠位リーマー90、比較的短いステム構成部品14の植え込みのために大腿骨20を用意するための比較的短い遠位リーマー90、その他)の遠位ステム構成部品14を受容するのに十分なサイズのボアを生成するために、様々な異なる長さで構成されてもよい。更にまた、遠位リーマー90は、様々な直径の遠位ステム構成部品14を受容するのに十分な直径のリーマー加工されたボアを製造するために、いくつかの様々な直径で提供されてもよい。1つの例証的な実施形態では、遠位リーマー90は、4つの異なる長さ、すなわち140mm、190mm、240mm、及び290mmで提供されてもよい。かかるリーマー90は、14mm〜31mmの範囲で、直径1mmきざみで提供される。
【0036】
遠位リーマー90の近位端94は、その中に形成されるカウンターサンクドライブコネクタ102を有する。ドライブコネクタ102は、延長工具120(
図11〜
図13参照)のロッキングジョー148及びドライブスプライン126を受容するような形状にされる。ドライブコネクタ102を画定する側壁104は、その中に画定されるいくつかのL字型のロックスロット106を有する。ロックスロット106の後方に位置付けられた、ドライブコネクタ102を画定する側壁104は、その中に画定される雌ドライブソケット108を有する。本明細書に記載される例証的な実施形態では、雌ドライブソケット108は、延長工具120のドライブスプライン126のサイズ及び形状を補完する、雌六角ドライブソケットとして具体化される。
図11〜
図13に関して以下に記載されるように、延長工具120のロッキングジョー148は、ロックスロット106内に位置付けられてもよく、その後延長工具120を遠位リーマー90の近位端94と選択的に係止するために側壁104と係合される。そのようにすると、延長工具のドライブスプライン126は、遠位リーマー90の雌ドライブソケット108の中に受容される。延長工具120が遠位リーマー90にかかる方法で係止されるとき、延長工具のドライブスプライン126の回転は、遠位リーマー90の回転を生じさせる。
【0037】
図10の断面図に示されるように、止まりボア110の近位端は、コネクタ102の中に開口する。止まりボア110は、雌ドライブソケット108から遠位に離れるように延在する。止まりボア110の上端部は、螺刻されている。すなわち、いくつかのネジ山112が、止まりボア110の近位端を画定する側壁内に形成される。本明細書に記載される例証的な実施形態では、ネジ山112は、止まりボア110の長さを通しては延在しない。結果として、ボアの遠位端は滑らかである(すなわち、螺刻されていない)。ネジ山112は、遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42と一致するようにサイズ設定される。このように、本明細書に記載される例証的な実施形態では、ネジ山112は、M6サイズのネジ山である。
【0038】
スターターリーマー60と同様に、遠位リーマー90は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタンなどの医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの剛性のポリマーも使用されてもよい。
【0039】
ここで
図11〜
図13を参照すると、患者の大腿骨20の外科的準備の間に、遠位リーマー90とともに使用されてもよい延長工具120が示される。延長工具120は、遠位ステム構成部品14がその中に植え込まれる、患者の骨髄内管22の部分をリーマー加工するための遠位リーマー90を駆動するために使用されてもよい。延長工具120は、回転動力工具86(
図45参照)又は手動用ハンドル80(
図8参照)のチャックの中に嵌合する近位端124を有する細長いドライブシャフト122を含む。延長工具120は、ドライブシャフト122と反対側の、遠位端128に位置するドライブスプライン126も含む。延長工具120のドライブスプライン126は、複数個のドライブティース130を含む。ドライブスプライン126のドライブティース130は、遠位リーマー90の雌ドライブソケット108内に位置付けられ、ドライブシャフト122は、遠位リーマー90と連結される。このように、ドライブシャフト122の回転は、遠位リーマー90の回転を生じさせる。
【0040】
延長工具120のドライブシャフト122は、細長いシャフト本体132を含む。雄コネクタ134は、シャフト本体132の近位端136に形成される。ドライブシャフト122を回転駆動源へ結合するために、コネクタ134は、回転動力工具86(
図45参照)又は手動用ハンドル80(
図8参照)のチャックの中に嵌合する。スリーブ138は、シャフト本体132のまわりに位置付けられる。スリーブ138は、ベアリング140を通してシャフト本体132の外表面に連結される。このように、シャフト本体132(そして、ひいてはドライブシャフト122)は、スリーブ138を自由に回る。スリーブ138は、ドライブシャフト122の回転の間、外科医が延長工具120を保持できるように握り部として機能する。
【0041】
細長い先端部142は、シャフト本体132の遠位端から遠位に離れるように延在する。特に、細長い先端部142の近位端144は、シャフト本体132の遠位端146に固定される。細長い先端部142は、その遠位端に形成される一対のロックフランジ148を有する。ロッキングジョー148は、互いに対向している。先端部142は、それを通って延在する細長いボア150を有する。細長いボア150の遠位端(すなわち、ロッキングジョー148に近接したボア150の部分)は、ボア150の残りによって画定される近位ボア154より小さい直径を有する遠位ボア152を画定する。遠位ボア152を画定する側壁は、ドライブスプライン126の外部幾何学的形状と一致する内部幾何学的形状を有する。かかる補足的な特徴は、遠位リーマー90を駆動するときに延長工具120の回転安定性を高める。
【0042】
ドライブシャフト122は、ロック組立体156も含む。ロック組立体156は、枢動ピン160を介してシャフト本体132に枢動的に連結されるロックレバー158を含む。スプリングリンク162の一端は、ロックレバー158と連結され、その他端は、スプラインシャフト166の近位端164と連結される。ドライブスプライン126は、スプラインシャフト166の遠位端168に形成される。ドライブスプライン126は、ドライブスプライン126が細長い先端部142の遠位端の外に延在する、延在すなわちロック位置(
図13に示されるように)と、ドライブスプライン162が細長い先端部142の遠位ボア152の中で、ロッキングジョー148に近位の場所に収納される、収納すなわち係止解除位置との間に位置付け可能である。
【0043】
延長工具120を遠位リーマー90に固定するために、ロッキングジョー148は、遠位リーマーのドライブコネクタ102のロックスロット106の開口端を通して挿入され、その後回転される。次いで、ドライブスプライン126は、その延在した(すなわち、係止した)位置に位置付けられ、そこで、延長工具120を遠位リーマー90に固定するように、遠位リーマーの雌ドライブソケット108内に受容される。
【0044】
スプリングリンク162を介してスプラインシャフト166と連結されることによって、ロックレバー158は、ドライブスプライン126をその延在した(すなわち、係止した)位置とその収納(すなわち、係止されない)位置との間を動くように動作可能である。すなわち、ロックレバー158が、(
図13に示されるように)その係止した位置に位置付けられるとき、ドライブスプラインは、その延在した(すなわち、係止した)位置に位置付けられる。しかしながら、ロックレバー158が、枢動ピン160を中心として枢動するように、下向きに(
図13の配向に)引かれるとき、スプリングリンク162、ひいてはスプラインシャフト166は、スプリングリンク162からの張力を開放し、ドライブスプライン126をその収納(すなわち、係止されない)位置に位置付けるように、右に(
図13の配向で)付勢される。
【0045】
延長工具120は、その細長い先端部142の上に形成される、いくつかの色付きの深さマーク172、174、176、178を含む。スターターリーマー60の深さマーク72、74、76、78と同様に、色付きの深さマーク172、174、176、178のそれぞれは、様々な近位本体構成部品12のうちの1つの標準的なヘッドセンターに対応する。例えば、近位本体構成部品12は、異なる4つの上方/下方長さ、すなわち75mm、85mm、95mm、及び105mmで提供されてもよい。本明細書に記載される例示的な実施形態では、深さマーク172は、青色で、75mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク174は、緑色で、85mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク176は、黄色で、95mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク178は、赤色で、105mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応する。深さマーク172、174、176、178は、そのそれぞれが対応する色のエポキシインクで充填された細長い先端部142に刻まれた溝として具体化されてもよい。外科手技の間に、延長工具120は、患者の大腿骨20の骨髄内管22の中に、所望の深さマークが大転子84(
図45参照)の先端部82と位置が合うまで、より深く進行する。かかる方法で、延長工具120が、適当な色付きの深さマーク172、174、176、178を超えて駆動されなければ、管22の遠位端の過剰なリーマー加工は回避される。
【0046】
延長工具120は、遠位リーマー90の様々な構成のいずれかと嵌合するように構成される。換言すれば、遠位リーマー90の様々な構成のそれぞれは、延長工具120と互換性がある。
【0047】
延長工具120(例えば、ドライブシャフト126の様々な構成部品、遠位先端部142、その他)の金属性構成部品は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタンなどの医療等級金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの剛性のポリマーも使用されてもよい。スリーブ138は、類似の金属から又はデルリンなどのポリマーから構築されてもよい。
【0048】
ここで
図14〜
図20を参照すると、近位試用器具180が示される。近位試用器具180は、モジュール式であり、結果として、2つの別個の構成部品、すなわち、試用シャフト182及び試用首部184として具体化される。本明細書に記載されるもう一方の器具及び植え込み片と同様に、近位試用器具180の構成部品(すなわち、試用シャフト182及び試用首部184)は、いくつかの異なるサイズで提供される場合がある。例えば、本明細書に記載される例証的な実施形態では、試用シャフト182は、遠位リーマー90又は遠位ステム構成部品14に組み付けられるときに、75mm、85mm、95mm、又は105mmの近位本体構成部品12を模倣するように4つの異なる長さ(例えば、75mm、85mm、95mm、又は105mm)で具体化されてもよい。本明細書に記載される例証的な実施形態では、試用首部184は、2つの異なるオフセットサイズ、すなわち45mm及び40mmで提供されてもよい。試用シャフト182及び試用首部184の様々な構成は、異なるサイズの試用を生成するために、混合され、また一致されていてもよい。かかるモジュール式器具は、関連付けられた外科手技を実施するために必要な器具の数を著しく減らす。例えば、いくつかの先行技術の試用器具セットは、12個の異なる近位試用器具を含むが、これに反して本明細書に記載される例証的なシステムは、6つの器具(4つの試用シャフト及び2つの試用首部)を有する。
【0049】
図14〜
図17に示されるように、試用シャフト182は、内部を通って延在する細長いボア188を有する本体186を含む。ロックネジ190は、ボア188内に捕捉される。六角ドライブヘッド192は、その反対側の遠位端に形成されるいくつかのロックネジ山194をともなって、ロックネジ190の近位端内に形成される。ネジ山194は、遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42の中、及び遠位リーマー90のネジ山112の中に受容されるようにサイズ設定される。このように、本明細書に記載される例証的な実施形態では、ロックネジ190のネジ山194は、M6サイズのネジ山である。
図14の斜視図及び
図17の断面図に示されるように、ロックネジ190のドライブヘッド192は、ベアリング196内に捕捉され、試用シャフトの本体186の近位端内に形成される陥凹部198内に位置付けられる。
【0050】
試用シャフト182の本体186は、概して円筒形の形状である。本体186の近位端202は、試用首部184を受容するように、ステム204を画定する。肩部206は、本体186内に形成される。試用首部184は、ステム204を滑動して下がり、かつ肩部206によって支持される。
図14〜
図16に示されるように、ステム204は、その中に形成されたスプライン付き表面208を有する。以下により詳細に記載されるように、スプライン付き表面208は、試用シャフト182に対して所望の配向すなわち「傾斜」(すなわち、回転角)に試用首部184を係止するために、試用首部184(
図18参照)のロック歯止め244によって係合される。
【0051】
図14〜
図16に示されるように、位置合わせ平面部210は、試用シャフトの本体186内に形成される。平面部210は、本体の遠位端212の近くに形成される。位置合わせ平面部210は、平坦な、浅いスロットとして具体化される。平面部210は、外科手技の間に、近位試用器具180の挿入を容易にする。
【0052】
試用シャフト182は、例えば、本体186の遠位端212から外向きに延在するリブの形態の位置合わせキー214も含む。位置合わせキー214の長軸は、上方/下方方向に延在する。位置合わせキー214は、遠位ステム構成部品14の本体38の上面に形成されるキー溝46と嵌合するように構成される(
図4参照)。本明細書に記載される例示的な実施形態では、位置合わせキー214の断面形状は、ステム構成部品のキー溝46の形状を補完する耳たぶ型である。
【0053】
図18〜
図20示されるように、試用首部184は、これから中間の位置で延在する、首部226を有する本体224を含む。試用ヘッド(図示せず)は、テーパー嵌め又は他の方法で細長い首部226に固定される。本体224は、その中に形成されたボア228も有する。ボア228は、本体224の横方向部分を通して上方/下方方向に延在する。試用シャフト182の近位ステム204は、試用首部184のボア228の中に受容される。試用首部184は、試用首部の本体224の下面230が、試用シャフトの本体186に形成される肩部206に接触するまで、試用シャフト182のステム204を滑動して下がる(
図14〜
図17参照)。
【0054】
試用首部184の本体224の上面は、その中に形成されたカウンターサンク空洞232を有する。カウンターサンク空洞232の下側は、ロック陥凹部234の中に開口する。空洞232及び陥凹部234は、ロック機構236を収容する。ロック機構236は、摩擦クランプ238及びロックネジ240を含む。六角ドライブヘッド242は、ロックネジ240の近位端内に形成される。試用首部184が試用シャフト182上に位置付けられるとき、ロック機構236は、試用首部184を、試用シャフト182に対する所望の配向又は「傾斜」(すなわち、回転角)へと係止するために使用されてもよい。特に、六角ドライバー(
図56に示すものなどの)の使用によってロックネジ240が締められるとき、摩擦クランプ238は、試用シャフト182のステム204の外面上に締め付けられ、又は他の方法で外面に係合され、これにより試用首部184が試用シャフト182に対して回転するのを防止する。
図18に示されるように、摩擦クレーム238は、その中に形成されるロック歯止め244を有する。六角ドライバー512(
図56に示されるものなどの)の使用によってロックネジ240が締められるとき、ロック歯止め244は、試用シャフト182のスプライン付き表面208の溝のうちの1つの中に位置付けられるように付勢される。ロック歯止め244は、スプライン付き表面208の溝を形成する側壁に接触し、これにより試用首部184が試用シャフト182に対して回転するのを防止する。ロックネジ240が六角ドライバーで緩められるとき、摩擦クランプ238は、試用シャフト182のステム204を係脱し、これにより試用首部184は、試用シャフト182を中心として自由に回転することができるようになる。
【0055】
試用シャフト182及び近位試用器具180の試用首部184は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタンなどの医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの剛性のポリマーも使用されてもよい。
【0056】
ここで
図21〜
図23を参照すると、リーマーガイドシャフト250が示される。リーマーガイドシャフト250は、仕上げやすり290(
図24及び
図25参照)又は近位リーマー390(
図30〜
図32参照)を外科医が進行させるのをガイドするために、患者の大腿骨20の骨髄内管22内に位置付けられる遠位ステム構成部品14又は遠位リーマー90に固定される場合がある。リーマーガイドシャフト250は、内部を通って延在する細長いボア254を有する本体252を含む。ロックネジ256は、ボア254内に捕捉される。六角ドライブソケット258は、その反対側の遠位端に形成されるいくつかのロックネジ山260をともなって、ロックネジ256の近位端内に形成される。以下に更に詳細に記載するように、六角ドライバーは、六角ドライブソケット258の中に挿入され、リーマーガイドシャフト250を遠位ステム構成部品14又は遠位リーマー90に締め付けるために回転されてもよい。ロックネジのネジ山260は、遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42及び遠位リーマー90のネジ山112の中に受容されるようにサイズ設定される。このように、本明細書に記載される例証的な実施形態では、ロックネジ256のネジ山260は、M6サイズのネジ山である。
【0057】
リーマーガイドシャフト250の本体252の遠位端262は、その中に形成される位置合わせ平面部264を有する。位置合わせ平面部264は、平坦な、浅いスロットとして具体化される。位置合わせ平面部264は、サイズ設定され、かつ遠位ステム構成部品14の本体38の上面から上へ延在する位置合わせキー44のサイズ及び形状を厳密に相補するように形付けられる。上述したように、位置合わせキー44は、遠位ステム構成部品14の頂点と位置合わせする。リーマーガイドシャフト250の遠位ステム構成部品14への取り付けの間、位置合わせキー44は、リーマーガイドシャフトの本体252内に形成される位置合わせ平面部264に当接して接する。
【0058】
近位試用器具180の試用シャフト182と同様に、リーマーガイドシャフト250は、例えば、本体252の遠位端262から外向きに延在するリブの形態の位置合わせキー284も含む。位置合わせキー284の長軸は、上方/下方方向に延在する。位置合わせキー284は、遠位ステム構成部品14の本体38の上面に形成されるキー溝46と嵌合するように構成される(
図4参照)。本明細書に記載される例示的な実施形態では、位置合わせキー284の断面形状は、ステム構成部品のキー溝46の形状を補完する耳たぶ型である。
【0059】
リーマーガイドシャフト250は、その本体252の上に形成される、いくつかの色付きの深さマーク272、274、276、278を含む。スターターリーマー60の深さマーク72、74、76、78、及び延長工具120の深さマーク172、174、76、178と同様に、色付きの深さマーク272、274、276、278のそれぞれは、様々な近位本体構成部品12のうちの1つの標準的なヘッドセンターに対応する。例えば、上記のように、近位本体構成部品12は、異なる4つの上方/下方長さ、すなわち75mm、85mm、95mm、及び105mmで提供されてもよい。本明細書に記載される例示的な実施形態では、深さマーク272は、青色で、75mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク274は、緑色で、85mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク276は、黄色で、95mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク278は、赤色で、105mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応する。深さマーク272、274、276、278は、そのそれぞれが対応する色のエポキシインクで充填されたリーマーガイドシャフト250の本体252内の刻まれた溝として具体化されてもよい。
【0060】
リーマーガイドシャフト250は、近位端の近くに形成される別の色付きのマーク280も含む。
図21及び
図22に示されるように、色付きのマーク280は、リーマーガイドシャフトの本体252の外面に形成される。色付きの深さマーク272、274、276、278と同様に、色付きのマーク280は、リーマーガイドシャフトの本体252に刻まれ、かつ所定の色のエポキシインクで充填された溝として具体化されてもよく、又は代替的にレーザーマークとして具体化されてもよい。本明細書に記載される例証的な実施形態では、色付きのマーク280は黒色である。以下により詳細に記載するように、色付きのマーク280は、外科医が、仕上げやすり290(
図24及び
図25参照)に形成された窓314、又は近位リーマー390(
図30〜
図32参照)に形成された窓414を通して色付きのマーク280を観察することにより適切な着座高さが達成されたことを視覚的に確認できるようにする。特に、外科手技の間に、仕上げやすり290(
図24及び
図25参照)又は近位リーマー390(
図30〜
図32参照)は、色付きのマーク280を、仕上げやすり290(
図24及び
図25参照)に形成された窓314、又は近位リーマー390(
図30〜
図32参照)に形成された窓414をそれぞれ通して見ることができるまで、患者の大腿骨20の骨髄内管22の中により深く進行する。かかる方法で、骨髄内管22の過剰なやすりがけ、又は過剰なリーマー加工が避けられる。
【0061】
リーマーガイドシャフト250は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタンなどの医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの剛性のポリマーも使用されてもよい。
【0062】
ここで
図24及び
図25を参照すると、仕上げやすり290がより詳細に示される。仕上げやすり290は、ある特定の患者の大腿骨20の外科的準備に使用される。例えば、大きい近位の変形が存在しない患者に比較的小さい直径(例えば、14〜20mm)を有する弓状の遠位ステム構成部品14を植え込むとき、仕上げやすり290を利用する必要がある場合がある。仕上げやすり290は、弓状の遠位ステム構成部品14の適切な着座を容易にするために、追加的な骨を取り除く。
【0063】
本明細書に記載されるもう一方の器具及び植え込み片と同様に、仕上げやすり290は、いくつかの異なるサイズで提供されてもよい。例えば、仕上げやすり290は、様々な異なる遠位ステム構成部品14の異なる直径に対応するように、様々な直径で提供されてもよい。1つの例証的な実施形態では、ステム構成部品14は、14〜31mmの範囲で直径1mmきざみで提供されてもよい。かかる場合、仕上げやすり290は、類似のサイズで提供されてもよい。
【0064】
仕上げやすり290は、その近位端296に固定されるハンドル294を有する細長いシャフト292を含む。仕上げやすり290は、反対側の、シャフト292の遠位端302に固定される切削ヘッド298も含む。仕上げやすり290の切削ヘッド298は、アーチ状の形状で、その2つの外側面上に複数の切削歯304を含む。切削歯304は、切削ヘッド298の長さに沿って長手方向に延在する。仕上げやすり290が振動運動をともなって進行するとき、仕上げやすり290の切削歯304は、大腿骨20の骨組織を2つの方向で摩耗するか又は他の方法で切削し、これにより、弓状の遠位ステム構成部品14を受け入れるために要求される幾何学的形状(すなわち、形状)を有するノッチを徐々に生成する。
【0065】
図25に示されるように、ハンドル294は、仕上げやすり290のシャフト292上に、ハンドル294の一端がもう一方より長くなるように位置付けられる。これは、外科医に視覚的な参照を、切削ヘッド298の場所に関して提供する。すなわち、切削ヘッド298は、ハンドル294の短い側として、シャフト292の同じ側に位置する。そうすることにより、ハンドル294の短い側は、仕上げやすり290の使用の間、切削ヘッド298がどこに位置するかの、視覚的な参照を外科医に提供する。これは、切削ヘッド298が遠位ステム構成部品の頂点の予想される場所から180°に位置合わせされるのを可能にする。
【0066】
仕上げやすり290のシャフト292は、その中に形成された止まりガイドボア306を有する。
図25の断面図に示されるように、ガイドボア306の遠位端308は、仕上げやすり290のシャフト292の遠位端302内に、切削ヘッド298に近接する場所において、画定される(すなわち、通って開口する)。上記したように、切削ヘッド298は、その凹側がシャフト292の中心軸と向き合うような、概してアーチ状の形状である。かかる形状は、リーマーガイドシャフト250にガイドボア306が入るための間隙を提供する。
【0067】
反対側の、ガイドボア306の近位端310は、やすりの細長いシャフト292内のその近位端296と遠位端302との間の場所に位置する。ガイドボア306の近位端310は、シャフト292の中間部の近位側の、ハンドル294に固定される、シャフト292がテーパー状により小さい直径に下がるところに位置する。ガイドボア306の中心線と、仕上げやすり290の長手軸とは、同一の線上にある。
【0068】
深さ停止部312は、ガイドボア306の近位端310に位置する。深さ停止部312は、仕上げやすり290が完全に着座するとき、リーマーガイドシャフトのロックネジ256のドライブソケット258の上面282上(
図21〜
図23参照)に達する。本明細書に記載される例証的な実施形態では、深さ停止部312は、やすりのシャフト292内に、その長手軸を横切る角度で形成されるボアの中に溶接される、ドエルピンとして具体化される。やすりのシャフト292と一体化された構成を含む、深さ停止部の他の構成が使用されてもよいことを理解するべきである。
【0069】
図24及び
図25に示されるように、いくつかのスロット付きの開口、すなわち「視界窓」314が、ガイドボア306を画定するやすりのシャフト292の側壁316内に画定される。視界窓314は、ガイドボア306内に受容されると、リーマーガイドシャフト250を外科医が視覚化することができるようにする。そうすることにより、外科医は、仕上げやすり290内に形成された視界窓314を通してリーマーガイドシャフト250の色付きのマーク280を監視することによって、仕上げやすり290の適切な着座が達成されたことを視覚的に確認することができる。具体的には、
図24の正面図に示されるように、やすりのシャフト292の外面はその中に形成される色付きのマーク318を有する。色付きのマーク318は、シャフト292の外側の周囲の周りに延在し、視界窓314と交差する。リーマーガイドシャフト250の色付きのマーク280と同様に、色付きのマーク318は、やすりのシャフト292の外面に刻まれた溝として具体化され、所定の色のエポキシインクで充填されてもよく、又は代替的にレーザーマークとして具体化されてもよい。本明細書に記載される例証的な実施形態では、色付きのマーク318は、黒色である。外科医は、(視界窓314を通して可視である)リーマーガイドシャフト250の色付きのマーク280が、仕上げやすり290の色付きのマーク318と位置が合うとき、仕上げやすり290の適切な着座が達成されたことを視覚的に確認することができる。
【0070】
本明細書に記載される例証的な実施形態では、仕上げやすり290は、少量の骨組織を取り除く仕上げ工具として設計される。このように、本明細書に記載されるもう一方の器具とは異なって、ハンドル294は、やすりのシャフト292の近位端296に着脱不可能に、例えば、溶接によって固定される。かかる配設は、仕上げやすり290が動力工具と連結されるのを防止する。他の配設では、動力式のやすりを実施するのが望ましい場合がある。かかる事例では、
図8の手動用ハンドル80などの取り外し可能なハンドルが採用されてもよい。
【0071】
仕上げやすり290は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタンなどの医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの剛性のポリマーも使用されてもよい。
【0072】
ここで
図26及び
図27を参照すると、ステム挿入工具330が示される。ステム挿入工具330は、遠位ステム構成部品14を患者の大腿骨20の骨髄内管22の中へ植え込むのを容易にするために、遠位ステム構成部品14に固定されてもよい。ステム挿入工具330は、内部を通って延在する細長いボア334を有する本体332を含む。スリーブ336は、挿入工具の本体332のまわりに位置付けられる。スリーブ336は、例えば、オーバーモールドなどによって、挿入工具の本体332の外面と動かないように連結される。スリーブ336は、遠位ステム構成部品14の植え込みの間に外科医がステム挿入工具を保持できるように、握り部として機能する。
【0073】
ロックロッド338は、ボア334内に捕捉される。ノブ340は、ロックロッド338の近位端に固定される。ステム挿入工具330を遠位ステム構成部品14に固定するために使用することに加えて、ノブ340は、衝撃面としても使用される。すなわち、外科医は、遠位ステム構成部品14を、患者の大腿骨20の骨髄内管22内の骨組織の中に駆動するために、ノブ340の上面342を打つ。
図26及び
図27に示されるように、ノブ340は、その中に形成されるいくつかの穴362を有する。ノブ340の回転の間、外科医のてこの作用を増加するために、ロッド又は他のタイプのハンドル(図示せず)が、穴362の中に挿入されてもよい。
【0074】
図27の断面図に示されるように、本体332のボア334内に形成される一連の内ネジ344、及びロックロッド338上の一連の外ネジ358は、ロックロッド338が、ボア334とともに維持できるようにする一方で、使用と使用との間にクリーニングするために、ステム挿入工具330を解体することもできるようにする。
【0075】
ロックロッド338は、その遠位端に形成される一連のロックネジ山346を有する。ネジ山346は、遠位ステム構成部品14(
図6参照)の上方のネジ山40の中に受容されるように、サイズ設定される。上に言及されるように、上方のネジ山40は、遠位ステム構成部品14をステム挿入工具330、及びその使用の間に衝撃を受ける任意の他の手術器具に結合するように使用される。このように、ロックボルト504の大腿人工装具10への組み立てに使用されない一連のネジ山(すなわち、上方のネジ山40)は、外科医によるステム挿入工具330の嵌入に関連付けられた負荷を受ける。そうすることにより、ロックボルト504の大腿人工装具10への組み立てに使用される一連のネジ山(すなわち、下方のネジ山42)は、外科医によるステム挿入工具330の嵌入に関連付けられた負荷を受けない。かかる「ネジ山保持」は、ロックボルト504を受容するステム構成部品のネジ山(すなわち、下方のネジ山42)がステム挿入プロセスによって損傷されないことを確実にする。換言すれば、下方のネジ山42が、大腿人工装具10の植え込みの間に衝撃を受ける手術器具の対象とならないことによって、人工装具のロックボルト504を固定するために最終的に使用されるネジ山(すなわち、下方のネジ山42)は、外科手技の間の損傷から保護される。上記されたように、遠位ステム構成部品14の上方のネジ山40は、M8サイズのネジ山であり、これに反して下方のネジ山42は、M6サイズのネジ山である。このように、挿入工具330のロックネジ山346は、M8サイズのネジ山である。より大きいネジサイズ(例えば、M8に対してM6)にすることによって、ステム挿入工具330のロックネジ山346は、不注意にも遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42の中にねじ込まれる可能性がない。
【0076】
ステム挿入工具330の本体332の遠位端348は、その中に形成された位置合わせノッチ350を有する。位置合わせノッチ350は、遠位ステム構成部品14(
図4参照)の本体38の上面から上に延在する位置合わせキー44のサイズ及び形状に厳密に相補するように、サイズ設定され、かつ形作られる。上述したように、位置合わせキー44は、遠位ステム構成部品14の頂点と位置合わせする。ステム挿入工具330の遠位ステム構成部品14への取り付けの間、位置合わせキー44は、挿入工具の本体332内に形成される位置合わせノッチ350の中に受容される。
【0077】
ステム挿入工具330の本体332の遠位端348は、これに固定される保持フランジ360を有する。保持フランジ360は、本体332の外側周辺部分の周りに延在する。以下により詳細に考察するように、保持フランジ360は、テーパー保護スリーブ380が、ステム挿入工具330の使用の間に、不注意により遠位ステム構成部品14から取り外されるのを防止する。
【0078】
一対の衝撃ウィング352は、ステム挿入工具330の本体332の近位端354から外向きに延在する。本明細書に記載される例証的な実施形態では、衝撃ウィング352は、挿入工具330の本体332と一体として形成される。上記のように、遠位ステム構成部品14の植え込みの間に、外科医は、遠位ステム構成部品14を、患者の大腿骨20の骨髄内管22内の骨組織の中に駆動する(すなわち、遠位ステム構成部品14を下方向に駆動する)ために、ノブ340の上面342を打つ。外科医が、患者の大腿骨20の骨髄内管22から遠位ステム構成部品14を位置変更する又は取り除く必要がある場合(遠位ステム構成部品14がそれにまだ固定された状態で)、外科医は、衝撃ウィング352の下側356(すなわち、衝撃ウィング352の下側)を打つ。かかる衝撃は、ステム挿入工具330(ひいては、これに取り付けられた遠位ステム構成部品14)を上方向に駆動し、これにより、患者の大腿骨20の骨髄内管22から取り除くことができ、又はその中で位置変更することが可能になる。
【0079】
一旦、外科医が遠位ステム構成部品14を患者の大腿骨20の骨髄内管22に位置付けると、ステム挿入工具330は、ロックネジ山346を遠位ステム構成部品14の上方のネジ山40から解放するようにノブ340を回転することによって、遠位ステム構成部品14から接続を外してもよい。
【0080】
ステム挿入工具330は、その本体332の上に形成される、いくつかの色付きの深さマーク372、374、376、378を含む。スターターリーマー60の深さマーク72、74、76、78、延長工具120の深さマーク172、174、176、178、及びリーマーガイドシャフト250の深さマーク272、274、276、278と同様に、色付きの深さマーク372、374、376、378のそれぞれは、様々な近位本体構成部品12のうちの1つの標準的なヘッドセンターに対応する。例えば、上記のように、近位本体構成部品12は、4つの異なる上方/下方長さ、すなわち75mm、85mm、95mm、及び105mmで提供されてもよい。本明細書に記載される例示的な実施形態では、深さマーク372は、青色で、75mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク374は、緑色で、85mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク376は、黄色で、95mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク378は、赤色で、105mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応する。深さマーク372、374、376、378は、そのそれぞれが対応する色のエポキシインクで充填された、ステム挿入工具330の本体332内の刻まれた溝として具体化されてもよい。外科手技の間に、その中に固定される遠位ステム構成部品14をともなうステム挿入工具330は、患者の大腿骨20の骨髄内管22の中に、所望の深さマークが大転子84(
図51参照)の先端部82と位置が合うまで、より深く進行する。かかる方法では、遠位ステム構成部品14の所望の植え込み深さを達成することができる。
【0081】
ステム挿入工具330の金属性構成部品(例えば、挿入工具の本体332、ロックロッド338、その他)は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタンなどの医療等級金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの剛性のポリマーも使用されてもよい。握り部336を、シリコーン等のポリマーで構築してもよい。
【0082】
ここで
図28及び
図29を参照すると、テーパー保護スリーブ380が示される。本明細書に記載される例証的な実施形態では、テーパー保護スリーブ380は、遠位ステム構成部品14とともに包装される。テーパー保護スリーブ380は、遠位ステム構成部品14の上方端に形成されるテーパー付きポスト30上に取り付けられる(
図50〜
図52参照)。上記のように、遠位ステム構成部品14のテーパー付きポスト30は、2つの構成部品テーパーを一緒にテーパー係止する印加された圧縮力により、近位本体構成部品12のテーパー付きボア28の中に受容される。テーパー保護スリーブ380は、外科的プロセスの間の、遠位ステム構成部品14のテーパー付きポスト30の外面への潜在的な損傷を低減、又は更には取り除きさえし、これにより遠位ステム構成部品14と近位本体構成部品12との間のテーパーロックの完全性を高める。テーパー保護スリーブ380は、これを通して延在する細長いボア384を有する、カニューレを取り付けた本体382を含む。
【0083】
細長いボア384内に位置する斜めになった縁部386は、テーパー保護スリーブ380を上方部分と下方部分とに分ける。テーパー保護スリーブ380が、遠位ステム構成部品14の本体38に組み立てられるとき、テーパー保護スリーブ380の斜めになった縁部386の近位開始部は、遠位ステム構成部品14のテーパー付きポスト30の近位表面に係合する。かかる組立の間に、細長いボア384の遠位端を画定するテーパー保護スリーブ380の本体382の部分は、遠位ステム構成部品14のテーパー付きポスト30の遠位表面も係合する。このように、テーパー保護スリーブ380の上方部分は、遠位ステム構成部品14の本体38の上面の上方に置かれる。かかる方法で、テーパー保護スリーブ380の上方部分は、その使用後にテーパー保護スリーブ380を取り除くのを容易にする、鉗子又は他の器具によって掴まれる、又は他の方法で係合される握り部として機能する。テーパー保護スリーブ380の上方部分の外面は、いくつかのリブ388を含む。リブ388は、テーパー保護スリーブ380を取り除く間、鉗子のための係合表面を提供する。
【0084】
上記で言及されるように、テーパー保護スリーブ380は、遠位ステム構成部品14とともに包装される。結果として、遠位ステム構成部品14と一緒に滅菌パッケージ内で外科医に提供される。テーパー保護スリーブ380は、遠位ステム構成部品14上に事前取り付けされてもよく、結果として、遠位ステム構成部品14と同一の滅菌パッケージ内で外科医に提供される。代替的には、テーパー保護スリーブ380は、遠位ステム構成部品14を含む滅菌パッケージとは別の滅菌パッケージで外科医に提供される場合がある。かかる事例では、外科医は、テーパー保護スリーブ380を別個のパッケージから取り出し、その植え込みの前にこれを遠位ステム構成部品14の上に取り付ける。
【0085】
テーパー保護スリーブ380は、医療等級の高分子材料を含む任意の適切な材料から作成されてもよい。かかる高分子材料の例としては、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリエチレン又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が挙げられる。かかる構成では、テーパー保護スリーブ380は、使い捨て器具として使用されてもよい。
【0086】
ここで
図30〜
図32を参照すると、近位リーマー390が、より詳細に示される。近位リーマー390は、患者の大腿骨20を近位本体構成部品12の植え込みのために外科的に準備するために使用される。
図48について以下に考察されるように、近位リーマー390の操作は、最終着座高さ及びステムバイオメカニクスを確実にするように、遠位ステム構成部品14を通して実施される。いくつかの実施形態では、近位リーマー390の操作は、遠位リーマー90が患者の大腿骨20内に位置付けられたときに、遠位リーマー90を通して実施されてもよい。
【0087】
本明細書に記載されるもう一方の器具及び植え込み片と同様に、近位リーマー390は、いくつかの異なるサイズで提供されてもよい。例えば、近位リーマー390は、近位本体構成部品12の様々な異なる構成に順応するように、様々な直径で提供されてもよい。1つの例証的な実施形態では、近位リーマー390は、20mm、24mm、及び28mmの切削ヘッド直径で提供されてもよい。
【0088】
近位リーマー390は、回転動力工具86(
図53参照)又は手動用ハンドル80(
図8参照)のチャックの中に嵌合する近位端394を有する細長いシャフト392を含む。近位リーマー390は、反対側の、シャフト392の遠位端398に位置する切削ヘッド396も含む。近位リーマー390の切削ヘッド396は、複数の螺旋状の切削フルート402を含む。近位リーマー390が患者の大腿骨20内に位置付けられ、回転されるとき、切削フルート402は、近位本体構成部品12の幾何学的形状に順応するための、外科的に生成された空洞を形成するために、大腿骨20の骨組織をリーマー加工、又は他の方法で切削する。切削ヘッド396は、概して円筒形又は円錘形の形状である。切削ヘッド396の中心線と、近位リーマー390の長手軸とは、同一の線上にある。
図30及び
図31に示されるように、切削フルート402の先端刃先404は、シャフト392の遠位端398を超えて延在する。
【0089】
近位リーマー390のシャフト392は、その中に形成される止まりガイドボア406を有する。
図32の断面図に示されるように、ガイドボア406の遠位端408は、切削ヘッド396の近くの場所で、近位リーマー390のシャフト392の遠位端398内に画定される(すなわち、通って開口する)。反対側の、ガイドボア406の近位端410は、リーマーの細長いシャフト392の近位端394の近くに位置する。ガイドボア406の中心線と、近位リーマー390の長手軸とは、同一の線上にある。
【0090】
深さ停止部412は、ガイドボア406の近位端410に位置する。深さ停止部412は、近位リーマー390が完全に着座するとき、リーマーガイドシャフト250のロックネジ256のドライブソケット258の上面282上(
図22〜
図23参照)に達する。本明細書に記載される例証的な実施形態では、深さ停止部412は、リーマーのシャフト392内に、その長手軸を横切る角度で形成されるボアの中に溶接される、ドエルピンとして具体化される。リーマーのシャフト392と一体化された構成を含む、深さ停止部の他の構成が使用されてもよいことを理解するべきである。
【0091】
図30〜
図32に示されるように、いくつかのスロット付きの開口、すなわち「視界窓」414が、ガイドボア406を画定するリーマーのシャフト392の側壁416内に画定される。視界窓414は、ガイドボア406内に受容されると、リーマーガイドシャフト250を外科医が視覚化することができるようにする。そうすることにより、外科医は、近位リーマー390内に形成された視界窓414を通してリーマーガイドシャフト250の色付きのマーク280を監視することによって、近位リーマー390の適切な着座が達成されたことを視覚的に確認することができる。具体的には、
図30の正面図に示されるように、リーマーのシャフト392の外面はその中に形成される色付きのマーク418を有する。色付きのマーク418は、シャフト392の外側の周囲の周りに延在し、視界窓414と交差する。リーマーガイドシャフト250の色付きのマーク280と同様に、色付きのマーク418は、リーマーのシャフト392の外面に刻まれた溝として具体化され、所定の色のエポキシインクで充填されてもよく、又は代替的にレーザーマークとして具体化されてもよい。本明細書に記載される例証的な実施形態では、色付きのマーク418は黒色である。外科医は、(視界窓414を通して可視である)リーマーガイドシャフト250の色付きのマーク280が、近位リーマー390の色付きのマーク418と位置が合うとき、近位リーマー390の適切な着座が達成されたことを視覚的に確認することができる。
【0092】
雄コネクタ420は、リーマーのシャフト392の近位端394に形成される。コネクタ420は、近位リーマー390を回転駆動源に結合するために、回転動力工具86(
図53参照)又は手動用ハンドル80(
図8参照)のチャックの中に嵌合する。
【0093】
近位リーマー390は、その本体392の上に形成される、いくつかの色付きの深さマーク422、424、426、428を含む。スターターリーマー60の深さマーク72、74、76、78、延長工具120の深さマーク172、174、176、178、リーマーガイドシャフト250の深さマーク272、274、276、278、及びステム挿入工具330の深さマーク372、374、376、378と同様に、色付きの深さマーク422、424、426、428のそれぞれは、様々な近位本体構成部品12のうちの1つの標準的なヘッドセンターに対応する。例えば、上記のように、近位本体構成部品12は、異なる4つの上方/下方長さ、すなわち75mm、85mm、95mm、及び105mmで提供されてもよい。本明細書に記載される例示的な実施形態では、深さマーク422は、青色で、75mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク424は、緑色で、85mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク426は、黄色で、95mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応し、深さマーク428は、赤色で、105mm近位本体構成部品12の頭部の中央の場所に対応する。深さマーク422、424、426、428は、そのそれぞれが対応する色のエポキシインクで充填された近位リーマー390の本体392内の刻まれた溝として具体化されてもよい。
【0094】
近位リーマー390は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタンなどの医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。
【0095】
ここで、
図33及び
図34を参照すると、試用挿入工具430が示される。近位試用器具180を締めるために、遠位リーマー90又は患者の大腿骨20の骨髄内管22内に植え込みされた遠位ステム構成部品14ヘのその取り付けを容易にするための試用挿入工具430が使用されてもよい。試用挿入工具430は、枢動ピン434とともに枢動する一対のレバー432をその中に含む、一対の外科用ばさみ又は外科用クランプと類似である。レバー432のそれぞれの近位端は、これに固定されたハンドル又はループ436を有する。レバー432の遠位端は、協調して円筒形に形作られる保持ソケット442を形成する。保持ソケット442は、試用シャフト182の近位端202に形成されるステム204を受容するようにサイズ設定され、かつ形作られる。特に、
図35の正面図に示されるように、保持ソケット442は、その中に形成される陥凹部444を有する。陥凹部444は、それをその中に受容するために、試用シャフト182のステム204の外面のサイズを厳密に模倣するようにサイズ設定される。
図35の正面図でも見ることができるように、陥凹部444は、保持ソケット442が試用シャフト182をしっかりと係合することを確実にするように、「3つの耳たぶ型」の幾何学的形状で構成される。
【0096】
外科医が、2つのループ436を互いから離すように付勢するとき、レバー432はピン434を中心として枢動し、保持ソケット442の2つの半割部は、互いからわずかに離れて広がる。次いで、試用シャフト182のステム204は、保持ソケット442の陥凹部444の中に進行してもよい。その後、外科医は、これによりレバー432をピン434を中心として互いに向かって枢動させるように、2つのループ436を互いに向かって掴むか、又は他の方法で付勢してもよい。このようにすることが、保持ソケット442の2つの半割部を互いに向かって付勢し、これにより、試用シャフト182を保持ソケット442内に保持するように、試用シャフト182のステム204を掴む。
図33に示されるように、試用挿入工具430のレバー432のそれぞれは、ループ436の間の場所でその中に形成される、いくつかのラチェット歯部446を有する。ラチェット歯部446は、外科医が、レバー432を、試用シャフト182が保持ソケット442内に係止される位置に係止することができるようにする。
【0097】
試用挿入工具430は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタンなどの医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。
【0098】
ここで
図36〜
図39を参照すると、傾斜複製器具460が示される。
図58〜
図61について以下により詳細に考察されるように、傾斜複製器具460は、試用の間に、植え込まれる近位本体構成部品12の傾斜が、近位試用器具180の使用によって決定される傾斜を複製することを確実にするために使用されてもよい。
【0099】
傾斜複製器具460は、その遠位端466から延在する位置合わせステム464を有する細長いシャフト462を含む。本明細書に記載される例証的な実施形態では、傾斜複製器具460は、モノリシックの構成部品として具体化される。それ故に、位置合わせステム464は、細長いシャフト462と一体的に形成される。例えば、リブの形態の位置合わせキー468は、位置合わせステム464から外向きに延在する。位置合わせキー468の長手方向軸は、上方/下方方向に延在する。位置合わせキー468は、遠位ステム構成部品14(
図4参照)の本体38の上面に形成される、キー溝46と嵌合するように構成される。本明細書に記載される例示的な実施形態では、位置合わせキー468の断面形状は、ステム構成部品のキー溝46の形状を補完するための耳たぶ型である。かかる方法では、位置合わせキー468は、近位試用器具180(
図14〜
図16参照)の試用シャフト182の遠位端212に形成される位置合わせキー214と同一である。
【0100】
図39の断面図に示されるように、傾斜複製器具のシャフト462は、その近位端472に形成されるカウンターサンク止まり穴470を有する。シャフトの近位端472は、その中に形成される位置合わせスロット474も有する。位置合わせキー468と同様に、位置合わせスロット474の長手方向軸は、上方/下方方向に延在する。位置合わせスロット474の近位端476は開口し、シャフト462内でその遠位端478は閉鎖される。
図39の断面図に示されるように、位置合わせスロット474は、シャフト462内に形成された孔470の中に開口する。
【0101】
図36に示されるように、傾斜複製器具の位置合わせスロット474は、位置合わせキー468と位置合わせされる。特に、位置合わせスロット474の長手方向軸と、位置合わせキーの長手方向軸とは、同じ想像線480上にある。
【0102】
図58〜
図61について以下により詳細に考察されるように、外科手技の間に、近位本体構成部品12を植え込まれる遠位ステム構成部品14にテーパー係止するために、近位試用器具180の試用シャフト182の遠位端212(
図14〜
図16参照)は、傾斜複製器具のシャフト462の近位端内に形成される、止まり穴470の中に挿入される。そうすることにより、近位試用器具180の試用シャフト182上に形成される位置合わせキー214は、傾斜複製器具のシャフト462内に形成される位置合わせスロット474の中に受容される。
【0103】
本明細書に記載されるもう一方の器具の多くと同様に、傾斜複製器具460は、そのシャフト462の外面上に形成されるいくつかの色付きの深さマーク482、484、486、488を含む。本明細書に記載されるもう一方の深さマーク(例えば、スターターリーマー60の深さマーク72、74、76、78、延長工具120の深さマーク172、174、76、178、その他)とは異なって、色付きの深さマーク482、484、486、488のそれぞれは、様々な近位本体構成部品12のうちの1つの標準的なヘッドセンターに対応しないが、様々な近位本体構成部品12(
図2参照)のうちの1つの肩部52の場所に対応する。例えば、上記のように、近位本体構成部品12は、異なる4つの上方/下方長さ、すなわち75mm、85mm、95mm、及び105mmで提供されてもよい。本明細書に記載される例示的な実施形態では、深さマーク482は、青色で、75mm近位本体構成部品12の肩部52の場所に対応し、深さマーク484は、緑色で、85mm近位本体構成部品12の肩部52の場所に対応し、深さマーク486は、黄色で、95mm近位本体構成部品12の肩部52の場所に対応し、深さマーク488は、赤色で、105mm近位本体構成部品12の肩部52の場所に対応する。深さマーク482、484、486、488は、そのそれぞれが対応する色のエポキシインクで充填される、傾斜複製器具460のシャフト462に刻まれた溝として具体化されてもよい。
【0104】
傾斜複製器具460は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタンなどの医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの剛性のポリマーも使用されてもよい。
【0105】
ここで
図40〜43を参照すると、ステムスタビライザー490が示される。ステムスタビライザー490は、ロックボルト504の取り付けの間に植え込みされたモジュール大腿人工装具10が回転するのを防止するために、近位本体構成部品12に固定されてもよい(
図64〜
図66参照)。ステムスタビライザー490は、内部を通って延在する細長いボア494を有する本体492を含む。ドライブロッド514は、ボア494内に捕捉される。四角型ドライブヘッド496は、その反対側の、遠位端に形成されるドライブソケット498をともなってドライブロッド514の近位端内に形成される。ドライブソケット498は、ロックボルト504の頭部502(
図64参照)を受容するようにサイズ設定される。このように、ドライブロッド514のドライブヘッド496の回転は、ドライブソケット498ひいてはその中に位置付けられたロックボルト504の頭部502の回転を生じさせる。
【0106】
図40及び
図42に示されるように、ハンドル506は、ステムスタビライザー490の本体492から離れるように上向きに延在する。外科医は、ロックボルト504の取り付けの間、ステムスタビライザー490の回転(ひいては近位本体構成部品12の対応する回転)を防止するように、ハンドル506をしっかりと持つ。
図40及び
図42に示されるように、ハンドル506は、刻み付の外面を有する。かかるテクスチュア表面は、特に、外科手技の間に一般的に存在する流体の存在下で、外科医のハンドル506を握る能力を向上する。
【0107】
分岐部508は、概して下向きの方向で、ステムスタビライザー490の本体492から延在して離れる。
図64〜
図66について以下に考察されるように、ステムスタビライザー490が植え込まれるモジュール大腿人工装具10上に取り付けられるとき、近位本体構成部品12の細長い首部16は、分岐部508の枝分かれ510の間に捕捉される。このように、外科医が、ロックボルト504の取り付けの間に、ステムスタビライザーが回転するのを防止するとき、分岐部508内に捕捉される近位本体構成部品12の細長い首部16を有することによって、植え込まれるモジュール大腿人工装具10は、同様に回転を防止する。分岐部508の枝分かれ510は、近位本体構成部品12の細長い首部16に対する損傷を防止するために、非金属(例えば、レーデル)キャップでコーティングされても、又は他の方法で被覆されてもよい。
【0108】
ステムスタビライザー490は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタンなどの医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。
【0109】
ここで
図44〜
図66を参照して、外科手技が示され、ここで
図7〜
図43について本明細書に記載される様々な器具が、
図1〜
図6の大腿人工装具10の植え込みのために、患者の大腿骨20を外科的に準備するために使用される。典型的には、改良術の一部として、大腿人工装具10が植え込まれる。このように、外科手技は、手術前計画から始まり、ここで、既存の大腿植え込み片を取り除くことを計画するために、配置場所及び改良大腿人工装具10の配向と一緒に、他のことの中でも、CTスキャン又は他のタイプの手術前画像が得られる場合がある。手術前計画が完成すると、股関節へのアクセスを可能にするために、患者の軟組織が切開され、かつ後退させられる。患者の既存の大腿人工装具の完全な露出が、典型的には達成される。(すなわち、以前に植え込みされた人工装具であり、ここで取り除かれ大腿人工装具10と交換される)。
【0110】
その後、以前の大腿植え込み片は、取り除かれる。具体的には、外科医は、以前の大腿植え込み片を抜き出し、これにより患者の大腿骨20内に、以前の大腿植え込み片が位置していた露出した開口部を残したままにする。次いで、外科医は、改良大腿人工装具10を受容するために、患者の大腿骨20の骨髄内管22の準備をする。当初、
図44に示されるように、外科医は、遠位ステム構成部品14がその中に植え込まれる、患者の骨髄内管22の部分をリーマー加工するために、スターターリーマー60を使用する。これを行うために、外科医は、スターターリーマーの近位端64を手動用ハンドル80(又は、所望により回転動力工具86)のチャックの中に挿入する。次いで、外科医は、スターターリーマー60の切削ヘッド66を、患者の大腿骨20の骨髄内管22内に位置付け、その後ハンドル80を回転する。ハンドルのかかる回転は、切削フルート70に大腿骨の骨組織のリーマー加工又は他の方法で切削を生じさせ、これにより、大腿管への明瞭なアクセスが得られる。かかる骨髄内管22へのアクセスは、それに続く外科的ステップの間の、改良大腿人工装具10の構成部品の適切な位置合わせを確実にする。本明細書に記載される例証的な実施形態では、遠位リーマー加工の前に、大腿管へのかかる明瞭なアクセスを得るために、長さ140mmのスターターリーマー60が使用されてもよい。
【0111】
上記のように、スターターリーマーのシャンク62上の色付きの深さマーク72、74、76、78のそれぞれは、いくつかの異なる近位本体構成部品12の標準的なヘッドセンターに対応する。例えば、近位本体構成部品12は、4つの異なる長さ、すなわち75mm、85mm、95mm、及び105mmで提供されてもよい。本明細書に記載される例証的な方法では、スターターリーマー60は、大腿頭部の回転中心を再度確立するために、85mm近位本体のレベルで着座してもよい。したがって、1サイズ近位本体をより短く、及び2サイズより長くし、脚長を増加又は減少のいずれかに保持する。このように、スターターリーマー60は、深さマーク74(緑色の深さマーク)が大転子84の先端部82と位置合わせするまで(
図44参照)、患者の大腿骨20の骨髄内管22の中により深く進行する。患者の大腿骨20の骨髄内管22への明瞭なアクセスを得た後、スターターリーマー60は、取り除かれる。
【0112】
外科医は、次に、遠位ステム構成部品14がその中に植え込まれる、患者の骨髄内管22の部分をリーマー加工するために遠位リーマー90を利用する。遠位リーマー90は、大腿人工装具10の遠位ステム構成部品14を受け入れるために必要とされる、最終的な幾何学的形状(すなわち、形状)を有するボアを生成する。手術前のテンプレート作製プロセスの間に決定される、遠位ステム構成部品14の所望の直径及び長さに基づいて、外科医は、先ず、使用される遠位リーマー90の適当なサイズを選択する。上で考察したように、具体的には、遠位リーマー90は、4つの異なる長さ、すなわち140mm、190mm、240mm、そして290mmで提供されてもよく、そのそれぞれは、遠位ステム構成部品14の入手可能な長さのうちの1つに対応する。かかるリーマー90は、14mm〜31mmの範囲で、直径1mmきざみで提供される。
【0113】
患者の大腿骨20の骨髄内管22のサイズによって、外科医は、延長工具120に対して適切にサイズ設定された直径及び長さを有する遠位リーマー90を選択し、取り付ける。これを行うために、外科医は、先ず、延長工具120のロックレバー158を(
図13の配向で)下向きに引き、延長工具120のドライブスプライン126をその収納(すなわち、係止されない)位置に位置付ける。次いで、外科医は、延長工具120のロッキングジョー148を、遠位リーマーのドライブコネクタ102のロックスロット106の開口端を通して挿入する。次いで、外科医は、ロッキングジョー148が、遠位リーマーのドライブコネクタ102のロックスロット106内に捕捉されるように、延長工具120を回転する。これにより、延長工具120と選択された遠位リーマー90との間の軸方向の安定性が生成される。次いで、外科医は、ロックレバー158をその係止する位置(
図13に示されるように)まで動かし、これにより、ドライブスプライン126を、それが遠位リーマーの雌ドライブソケット108の中に受容される、その延長した(すなわち、係止する)位置まで動かす。これは遠位リーマー90を、延長工具120に係止し、これにより延長工具120と遠位リーマー90との間に回転安定性を生成する。
【0114】
次いで、延長工具120の雄コネクタ134は、回転動力工具86のチャックの中に挿入される。
図45に示されるように、次いで、外科医は、遠位リーマー90の切削ヘッド96を患者の大腿骨20の骨髄内管22の中に挿入し、動力工具86を起動する。動力工具86は、遠位リーマー90を回転し、これによりその切削フルート100にリーマー加工、又は他の方法で大腿骨20の骨組織を切削させる。延長工具120は、それに固定された遠位リーマー90とともに、所望の深さマーク172、174、176、178が大転子84の先端部82と位置が合うまで、患者の大腿骨20の骨髄内管22の中により深く進行する。
【0115】
次いで、当初の遠位リーマー90は、延長工具120から取り外され、次いで、次に大きい直径及び/又は長さのリーマー90が延長工具120に取り付けられ、このプロセスが繰り返される。外科医は、十分な皮質骨組織との係合(「良好な皮質性チャタリング」として知られる)が達成され、適切な深さが得られるまで、次々により大きい遠位リーマー90で、進行的に直径及び/又は長さをリーマー加工する。
【0116】
その後、外科医は、遠位リーマー90の使用をともなう試用手順を実施することを選ぶ場合がある。具体的には、より大きい近位の変形が存在し、従来の骨ランドマークがない場合、例えば、脚長及びオフセットの早期の指標を得るために、遠位リーマー90の試用が行われてもよい。かかる事例では、外科医は、延長工具120上のロックレバー158を引き、これにより、遠位リーマー90からの延長工具120の結合を解除することができるが、依然として患者の大腿骨20の骨髄内管22内に位置付けられる。その後、
図46に示されるように、外科医は、近位試用器具180を患者の大腿骨20の骨髄内管22内に位置する遠位リーマーに固定する。具体的には、外科医は、リーマー加工の間に利用され、遠位リーマー加工の間に参照される遠位リーマー深さ(すなわち、深さマーク172、174、176、178に基づく)に対応する試用シャフト182を選択する。試用シャフト182を挿入するために、外科医は、試用挿入工具430を使用する。具体的には、外科医は、レバー432がピン434を中心として枢動し、保持ソケット442の2つの半割部が、互いからわずかに離れて広がるように、挿入工具430の2つのループ436を互いから離すように付勢する。次いで、試用シャフト182のステム204は、保持ソケット442の陥凹部444の中に進行してもよい。その後、外科医は、2つのループ436を互いに向かって掴むか、又は他の方法で付勢し、これによりレバー432をピン434を中心として枢動させる。このようにすることが、保持ソケット442の2つの半割部を互いに向かって付勢し、これにより、試用シャフト182を保持ソケット442内に保持するように、試用シャフト182のステム204を掴む。
【0117】
次いで、試用シャフト182の遠位端は、遠位リーマー90の近位端94内に形成されるカウンターサンクドライブコネクタ102の中に挿入される。そうすることにより、試用シャフト182のロックネジ山194は、遠位リーマー90のネジ山112で開始する。次いで、外科医は、六角ドライバー512(
図56に示されるものなどの)を試用シャフトのロックネジ190の六角ドライブヘッド192の中に挿入する。その後、外科医は、試用シャフトのロックネジ190の遠位端に形成されたロックネジ山194を回転するために六角ドライバー512を回転し、これにより試用シャフトのネジ山194を遠位リーマー90のネジ山112の中に駆動する。六角ドライバー512は、ロックネジ190の締めすぎを防止するためにトルク制限六角ドライバーとして具体化されてもよいことを理解されたい。
【0118】
図46に示すように、試用首部184は、試用シャフト182を遠位リーマー90に連結する前に試用シャフト182上に取り付けられてもよい。前もって取り付けられていない場合、試用首部184は、シャフトが遠位リーマー90と連結された後、試用シャフト182上に取り付けられてもよい。これを行うために、外科医は、試用シャフト182の近位ステム204が試用首部184のボア228の中に受容されるように、試用首部184を進行する。試用首部184は、試用首部の本体224の下面230が試用シャフト182の本体186内に形成される肩部206に接するまで試用シャフト182のステム204を滑動して下がる。(
図14〜
図17も参照)。
【0119】
この時点で、試用首部184は、試用シャフト182に対して自由に動くことができる。試用首部184を適切な傾斜で配向すると、手動ユニバーサル六角ドライバー512(
図56に示されるものなどの)を、試用首部のロックネジ240の近位端内に形成される六角ドライブヘッド242内に差し込むことによって、所望の位置に固定することができる。次いで、外科医は、六角ドライバー512を回転することによって、ロックネジ240を締めてもよい。そうすることによって、試用首部の摩擦クランプ238のロック歯止め244は、試用シャフト182のスプライン付き表面208の溝のうちの1つの中に位置付けられるように付勢される。ロック歯止め244は、スプライン付き表面208の溝を形成する側壁に接触し、これにより試用首部184が試用シャフト182に対して回転するのを防止する。六角ドライバー512は、ロックネジ240の締めすぎを防止するために、トルク制限六角ドライバーとして具体化されてもよいことを理解するべきである。
【0120】
次いで、外科医は、試用首部184上に試用大腿骨頭部(図示せず)を取り付け、適当な脚長、オフセット、及び構成部品の配向を確認するために、試用復位を実施してもよい。一旦、試用復位が完了すると、近位試用器具180は、試用挿入工具430を、上に記載される様式で試用シャフト182に連結することによって取り除かれる。次いで、外科医は、六角ドライバー512を試用シャフトのロックネジ190の六角ドライブヘッド192の中に挿入し、これを取り付けの間に回転したのと反対の方向に回転し、これにより試用シャフトのドライブシャフト122の遠位端に形成されたロックネジ山194を、遠位リーマー90のネジ山112から外させる方向に回転する。次いで、近位試用器具180を、遠位リーマー90から取り除くことができる。
【0121】
比較的小さい直径(例えば、14〜20mm)を有する弓状の遠位ステム構成部品14を、大きい近位の変形を示さない患者内に植え込むとき、仕上げやすり290を利用する必要がある場合がある。
図48及び
図49に示されるように、外科医は、弓状の遠位ステム構成部品14の適切な着座を容易にするように、追加的な骨を取り除くために仕上げやすり290を使用してもよい。仕上げやすり290を使用するためには、外科医は、先ずリーマーガイドシャフト250を、依然として患者の大腿骨20の骨髄内管22内に位置付けられたままの、遠位リーマー90に結合する(
図47参照)。これを行うために、リーマーガイドシャフト250の遠位端は、遠位リーマー90の近位端94上に位置付けられる。次いで、外科医は、手動のユニバーサル六角ドライバー512(
図56に示されるものなどの)を、リーマーガイドシャフトのロックネジ256の近位端内に形成される、六角ドライブソケット258内に挿入することによって、リーマーガイドシャフト250を遠位リーマー90に固定する。次いで、外科医は、リーマーガイドシャフトのロックネジ256を駆動するために六角ドライバーを回転してもよく、これによりそのネジ山260を遠位リーマー90のネジ山112の中に駆動する。六角ドライバー512は、ロックネジ256の締めすぎを防止するために、トルク制限六角ドライバーとして具体化されてもよいことを理解するべきである。
【0122】
次いで、外科医は、進行する遠位リーマー加工操作の間に使用される最終遠位リーマー90の直径に対応する直径を有する仕上げやすり290を選択する(かかるサイズは、手術前に決定される遠位ステム構成部品14のサイズにも対応する)。次いで、外科医は、そのガイドボア306の遠位端308がリーマーガイドシャフト250の近位端の上方に位置するように仕上げやすり290を位置付ける。次いで、仕上げやすり290は、リーマーガイドシャフト250が仕上げやすり290のガイドボア306に入るように進行する。一旦リーマーガイドシャフト250の上に挿入されると、外科医は、ハンドル294を使用して、仕上げやすり290を180°の振動運動を通して前後に振動させ、これにより、仕上げやすり290の切削歯304は、2つの方向で、内側皮質の過剰の骨組織を摩耗するか、又は他の方法で切削する。したがって、弓状の遠位ステム構成部品14を受け入れるために要求される、幾何学的形状(すなわち、形状)を有するノッチは、徐々に作成され、遠位ステム構成部品の頂点の計画された場所から180°に位置付けられることになる。仕上げやすり290が完全に着座したとき、仕上げやすりの深さ停止部312は、リーマーガイドシャフトのロックネジ256のドライブソケット258の上面282に達する(
図22及び
図23も参照)。
【0123】
仕上げやすり290のかかる使用の間に、やすりの視界窓314は、やすりのガイドボア306に沿って進行すると、外科医がリーマーガイドシャフト250を視覚化できるようにする。そうすることにより、外科医は、リーマーガイドシャフト250の色付きのマーク280を仕上げやすり290内に形成された視界窓314を通して観察することによって、仕上げやすり290の適切な着座が達成されることを視覚的に確認することができる。具体的には、外科医は、(視界窓314を通して可視である)リーマーガイドシャフト250の色付きのマーク280が、仕上げやすり290の色付きのマーク318と位置が合うとき、仕上げやすり290の適切な着座が達成されたことを視覚的に確認することができる。
【0124】
一旦、やすりがけ操作が完了すると、仕上げやすり290は、リーマーガイドシャフト250から取り除かれる。次いで、リーマーガイドシャフト250は、手動のユニバーサル六角ドライバー512をリーマーガイドシャフトのロックネジ256の近位端内に形成された六角ドライブソケット258内に挿入し、かつロックネジ256を、これを取り付けの間に回転したのと反対の方向に回転することによって、それ自体遠位リーマー90から取り除かれ、これによりロックネジ256の遠位端に形成されたロックネジ山260を、遠位リーマー90のネジ山112から外させる方向に回転する。次いで、リーマーガイドシャフト250を、遠位リーマー90から取り除くことができる。
【0125】
次いで、遠位リーマーは、患者の大腿骨20の骨髄内管22から取り除かれてもよい。これを行うために、外科医は、上に記載した様式で延長工具120を遠位リーマー90に結合する。その後、外科医は、遠位リーマー90を患者の大腿骨20の骨髄内管22から戻して外すように回転動力工具86(又は手動用ハンドル80)を操作する。
【0126】
一旦、遠位リーマー90が取り除かれると、次いで、外科医は、遠位ステム構成部品14を植え込むことができる。これを行うために、外科医は、先ず、テーパー保護スリーブ380が遠位ステム構成部品14の上方端に形成されたテーパー付きポスト30の上に取り付けられていることを確認する。テーパー保護スリーブ380は、それに続く外科的ステップの間に、遠位ステム構成部品14のテーパー付きポスト30の外面への潜在的な損傷を低減、又は更には取り除きさえし、これにより遠位ステム構成部品14と近位本体構成部品12との間のテーパーロックの完全性を高める。上に言及されるように、テーパー保護スリーブ380は、製造業者によって遠位ステム構成部品14上に前もって取り付けられてもよく、結果として外科医の更なる注意を必要としない。代替的には、テーパー保護スリーブ380が別個の滅菌パッケージで外科医に提供された場合、外科医はテーパー保護スリーブ380を別個のパッケージから取り出し、これをその植え込みの前に遠位ステム構成部品14上に取り付ける。
【0127】
その後、
図50に示されるように、遠位ステム構成部品14は、ステム挿入工具330と連結される。外科医は、ステム挿入工具の位置合わせノッチ350を、遠位ステム構成部品14の本体38の上面から上に延在する位置合わせキー44と位置合わせする。上記のように、位置合わせキー44は、遠位ステム構成部品14の頂点と位置合わせする。遠位ステム構成部品14は、位置合わせキー44が、挿入工具の遠位端内に形成される位置合わせノッチ350の中に受容されるようにステム挿入工具330に対して位置付けられる。
【0128】
次いで、外科医は、ステム挿入工具330のノブ340を回転し、そのロックロッド338のロックネジ山346を遠位ステム構成部品14の上方のネジ山40(
図6参照)の中に駆動する。上に言及されるように、上方のネジ山40は、ステム構成部品の植え込みの間に、遠位ステム構成部品14をステム挿入工具330及び任意の他の装着した手術器具に結合するために使用される。
【0129】
次いで、
図51に示されるように、外科医は、遠位ステム構成部品を患者の大腿骨20の骨髄内管22の中に挿入する。外科医は、遠位ステム構成部品14を患者の大腿骨20の骨髄内管22内の骨組織の中に駆動するために、ノブ340の上面342に衝撃を与えるように外科用マレット(図示せず)を使用してもよい。外科医は、遠位ステム構成部品14を、ステム挿入工具330の所望の深さマーク372、374、376、378が大転子84(
図51参照)の先端部82と位置が合うまで、患者の大腿骨20の骨髄内管22の中により深く駆動し続ける。遠位ステム構成部品のかかる植え込みの間に、ステム挿入工具330上に位置する「頂点」のしるしは、弓状の遠位ステム構成部品14の頂点の場所の視覚的表示を提供する。かかる方法により、外科医は、患者の大腿骨20の骨髄内管22内の弓状の遠位ステム構成部品14を適切に配向することができる。
【0130】
一旦、遠位ステム構成部品14の所望の植え込み深さが達成されると、ステム挿入工具330は取り除かれる。これを行うために、外科医は、ステム挿入工具330のノブ340をこれを取り付けの間に回転したのと反対の方向に回転し、これによりロックロッド338の遠位端に形成されたロックネジ山346を回転し、これを遠位ステム構成部品14の上方のネジ山40から外させる方向に回転する。次いで、外科医は、ステム挿入工具330を患者の大腿骨20の骨髄内管22から取り除くことができる。
【0131】
遠位ステム構成部品14が植え込まれると、外科医は、次に近位本体構成部品12を受容するために患者の大腿骨20を準備する。遠位リーマー90によって近位本体の準備が完了している場合でも、植え込みされた遠位ステム構成部品14に対してこれを実施することは、最終的な着座高さ及びステムバイオメカニクスを容易にする。テーパー保護スリーブ380は、近位本体の準備の間、遠位ステム構成部品14のテーパー付きポスト30に固定されたままである。
【0132】
図53に示されるように、外科医は、近位本体構成部品12の適切な着座をしやすくするように、追加的な骨組織を取り除くために近位リーマー390を使用してもよい。近位リーマー390を使用するために、外科医は、先ずリーマーガイドシャフト250を植え込まれる遠位ステム構成部品14(
図52参照)に結合する。これを行うために、外科医は、リーマーガイドシャフトの位置合わせ平面部264を、遠位ステム構成部品14の本体38の上面から上へ延在する位置合わせキー44と位置合わせする。そうすることにより、リーマーガイドシャフト250は、リーマーガイドシャフトの位置合わせキー284が遠位ステム構成部品14(
図4参照)の上面に形成されたキー溝46と位置合わせされ、かつその中に受容されるように、遠位ステム構成部品14に対して位置付けられ、これによりリーマーガイドシャフト250の遠位端を遠位ステム構成部品の上方のネジ山40によって形成される開口の中に挿入する。結果として、リーマーガイドシャフト250のロックネジ山260は、遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42で開始する。次いで、外科医は、手動のユニバーサル六角ドライバー512(
図56参照)を、リーマーガイドシャフトのロックネジ256の近位端内に形成される、六角ドライブソケット258内に挿入することによって、リーマーガイドシャフト250を遠位ステム構成部品14に係止する。次いで、外科医は、リーマーガイドシャフトのロックネジ256を駆動するために六角ドライバーを回転してもよく、これによりネジ山260を遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42の中に駆動する。上記されるように、六角ドライバー512は、ロックネジ256の締めすぎを防止するためにトルク制限六角ドライバーとして具体化されてもよい。
【0133】
次いで、外科医は、近位リーマー390の開始サイズを選択する。例証的な方法では、外科医は、開始サイズとして20mmの直径を有する近位リーマー390を選択してもよい。次いで、選択した開始近位リーマー390(例えば、20mm近位リーマー)の雄コネクタ420は、回転動力工具86又は手動のハンドル80のチャックの中に挿入される。次いで、外科医は、そのガイドボア406の遠位端408がリーマーガイドシャフト250の近位端の上方に位置するように近位リーマー390を位置付ける。次いで、近位リーマー390は、リーマーガイドシャフト250が近位リーマー390のガイドボア406に入るように進行する。
【0134】
一旦、リーマーガイドシャフト250の上に挿入されると、外科医は、回転動力工具86を起動して、近位リーマー390を駆動(すなわち、回転)し、これにより、リーマーの切削ヘッド396の螺旋状の切削フルート402に大腿骨20の骨組織を摩耗、又は他の方法で切削させる。近位リーマーの深さ停止部412は、近位リーマー390が完全に着座するとき、リーマーガイドシャフト250のロックネジ256のドライブソケット258の上面282上(
図22及び
図23参照)に達する。近位リーマー390のかかる使用の間に、リーマーの視界窓414は、リーマーのガイドボア406に沿って進行すると、外科医がリーマーガイドシャフト250を視覚化できるようにする。そうすることにより、外科医は、近位リーマー390内に形成された視界窓414を通してリーマーガイドシャフト250の色付きのマーク280を監視することによって、近位リーマー390の適切な着座が達成されたことを視覚的に確認することができる。具体的には、外科医は、(視界窓414を通して可視である)リーマーガイドシャフト250の色付きのマーク280が、近位リーマー390の色付きのマーク418と位置が合うとき、近位リーマー390の適切な着座が達成されたことを視覚的に確認することができる。
【0135】
次いで、外科医は、開始サイズ(例えば、直径20mm)を有する近位リーマー390を取り除き、所望の皮質骨接触が達成され、リーマー加工された空洞が、外科医によって選択された近位本体構成部品12を受け入れるために必要な、所望の最終的な幾何学的形状(すなわち、形状)を有するまで、患者の大腿骨20を次第により大きい近位リーマー390で進行的にリーマー加工する。
【0136】
一旦近位リーマー加工操作が完了すると、最終的な所望のサイズを有する近位リーマー390が大腿骨20から取り除かれる。次いで、リーマーガイドシャフト250は、手動のユニバーサル六角ドライバー512(
図56に示されるものなどの)をリーマーガイドシャフトのロックネジ256の近位端に形成される六角ドライブソケット258内に挿入し、かつロックネジ256を、取り付けの間に回転したのと反対の方向に回転することによって、それ自体遠位ステム構成部品14から取り除かれ、これによりロックネジ256の遠位端に形成されたロックネジ山260を、遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42から外させる方向に回転する。次いで、リーマーガイドシャフト250は、遠位ステム構成部品14から取り除かれてもよい。
【0137】
図54〜
図56に示されるように、遠位ステム構成部品14から、一旦、リーマーガイドシャフト250が取り除かれると、近位本体試用手順が実施される場合がある。これを行うために、外科医は、先ず近位試用器具180を患者の大腿骨20の骨髄内管22内に植え込まれた遠位ステム構成部品14に固定する。具体的には、外科医は、ステム挿入の間に参照される遠位ステム深さに対応する(すなわち、ステム挿入の間にどの深さマーク372、374、376、378が利用されるか、に基づいて)試用シャフト182を選択する。試用シャフト182を挿入するために、外科医は、試用挿入工具430を使用する。具体的には、外科医は、レバー432がピン434を中心として枢動し、保持ソケット442の2つの半割部が、互いからわずかに離れて広がるように、挿入工具430の2つのループ436を互いから離すように付勢する。次いで、試用シャフト182のステム204は、保持ソケット442の陥凹部444の中に進行してもよい。その後、外科医は、2つのループ436を互いに向かって掴むか、又は他の方法で付勢し、これによりレバー432をピン434を中心として枢動させる。このようにすることが、保持ソケット442の2つの半割部を互いに向かって付勢し、これにより、試用シャフト182を保持ソケット442内に保持するように、試用シャフト182のステム204を掴む。
【0138】
次いで、試用シャフト182の遠位端は、植え込まれる遠位ステム構成部品14の上方端の中に挿入される。これを行うために、外科医は、試用シャフト182の遠位端上に形成される位置合わせ平面部210を、遠位ステム構成部品14の本体38の上面から上へ延在する位置合わせキー44(
図4参照)と位置合わせする。そうすることにより、試用シャフト182の遠位端に形成される位置合わせキー214は、遠位ステム構成部品14(
図4参照)の上面に形成されるキー溝46と位置合わせされ、かつこのキー溝46の中に受容され、これにより試用シャフト182の遠位端を遠位ステム構成部品の上方のネジ山40によって形成される開口の中に挿入する。結果として、試用シャフト182のロックネジ山194は、遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42で開始する。次いで、外科医は、六角ドライバー512(
図56参照)を試用シャフトのロックネジ190の六角ドライブヘッド192の中に挿入する。その後、外科医は、試用シャフトのロックネジ190の遠位端に形成されたロックネジ山194を回転するために六角ドライバー512を回転し、これにより試用シャフトのネジ山194を遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42の中に駆動する。一旦試用シャフト182が遠位ステム構成部品14に固定されると、試用挿入工具430は、取り除かれる。上記されるように、六角ドライバー512は、ロックネジ190の締めすぎを防止するためにトルク制限六角ドライバーとして具体化されてもよい。
【0139】
図54及び
図55に示されるように、試用首部184は、試用シャフト182を遠位ステム構成部品14に連結する前に試用シャフト182上に取り付けられてもよい。前もって取り付けられていない場合、試用首部184は、シャフトが遠位ステム構成部品14と連結された後、試用シャフト182上に取り付けられてもよい。これを行うために、外科医は、試用シャフト182の近位ステム204が試用首部184のボア228の中に受容されるように、試用首部184を進行する。試用首部184は、試用首部の本体224の下面230が試用シャフト182の本体186内に形成される肩部206に接するまで試用シャフト182のステム204を滑動して下がる(
図14〜
図17も参照)。
【0140】
図57に示されるように、プロセスのこの時点で、試用首部184は、試用シャフト182に対して自由に動くことができる。試用首部184を適切な傾斜で配向すると、手動ユニバーサル六角ドライバー512(
図56に示されるものなどの)を、試用首部のロックネジ240の近位端内に形成される六角ドライブヘッド242内に差し込むことによって、所望の位置に固定することができる。次いで、外科医は、六角ドライバーを回転することによって、ロックネジ240を締めてもよい。そうすることによって、試用首部の摩擦クランプ238のロック歯止め244は、試用シャフト182のスプライン付き表面208の溝のうちの1つの位置の中に付勢される。ロック歯止め244は、スプライン付き表面208の溝を形成する側壁に接触し、これにより試用首部184が試用シャフト182に対して回転するのを防止する。上記されるように、六角ドライバー512は、ロックネジ240の締めすぎを防止するためにトルク制限六角ドライバーとして具体化されてもよい。
【0141】
次いで、外科医は、試用首部184上に試用大腿骨頭部(図示せず)を取り付け、適当な脚長、オフセット、及び構成部品の配向を確認するために、試用復位を実施してもよい。試用復位の実施後、必要な場合、外科医は、試用首部184のロックネジ240を緩め、傾斜を調節し、次いでロックネジ240を再度締めることによって、このプロセスを繰り返すことができる。一旦外科医が満足のいく試用復位が完了すると、近位試用器具180は、試用首部184の係止を外さずに、試用シャフト182から取り除かれる。換言すれば、試用首部184の試用シャフト182に対する配向(すなわち、器具の傾斜)は、近位試用器具180の植え込まれる遠位ステム構成部品14からの除去の間維持される。試用首部184の試用シャフト182に対する配向(すなわち、器具の傾斜)を乱すことなく、近位試用器具180を取り除くためには、試用挿入工具430は、上記の様式で試用シャフト182と連結される。次いで、外科医は、六角ドライバー512を試用シャフトのロックネジ190の六角ドライブヘッド192の中に挿入し、これを取り付けの間に回転したのと反対の方向に回転し、これにより試用シャフトのドライブシャフト122の遠位端に形成されたロックネジ山194を、植え込まれる遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42から外させる方向に回転する。次いで、近位試用器具180は、その試用の生成された傾斜が、未だ手つかずのままで、遠位ステム構成部品14から取り除かれてもよい。
【0142】
図58〜
図61に示されるように、近位試用手順によって生成された近位試用器具180を使用した傾斜は、近位本体構成部品12に対して傾斜複製器具460の使用によって複製されてもよい。当初、外科医は、遠位ステム構成部品14の上方端に形成されたテーパー付きポスト30を露出するように、テーパー保護スリーブ380を取り除く。次いで、外科医は、乾燥していて汚れがないことを確認するために、テーパー付きポスト30を点検する。テーパー付きポスト30は、加圧生理食塩水洗浄で洗浄されてもよく、その後クレンジングが必要な場合、完全に乾燥される。
【0143】
次いで、傾斜複製器具460は、植え込まれた遠位ステム構成部品14と連結されてもよい。これを行うために、外科医は、傾斜複製器具460の遠位端に形成された位置合わせキー468を、遠位ステム構成部品14(
図4参照)上面に形成されたキー溝46と位置合わせし、傾斜複製器具460の遠位端を遠位ステム構成部品の上方のネジ山40によって形成された開口の中に挿入する。次いで、
図58に示されるように、近位本体構成部品12は、傾斜複製器具460の上に取り付けられる。これを行うために、外科医は、近位本体構成部品12を進行し、これにより傾斜複製器具460が近位本体構成部品12のテーパー付きボア28の中に受容される。次いで、近位本体構成部品12は、傾斜複製器具460を滑動して下がり、遠位ステム構成部品14のテーパー付きポスト30は、そのテーパー付きボア28の中に受容される。
【0144】
次いで、依然として近位試用の間に画定された傾斜で係止された(
図54〜
図57参照)ままの試用シャフト182及び試用首部184をともなう近位試用器具180は、傾斜複製器具460の近位端と連結される。具体的には、
図60及び
図61に示されるように、近位試用器具180の試用シャフト182の遠位端212(
図14〜
図16参照)は、傾斜複製器具460の近位端に形成される止まり穴470の中に挿入される。そうすることにより、近位試用器具180の試用シャフト182上に形成される位置合わせキー214は、傾斜複製器具のシャフト462内に形成される位置合わせスロット474の中に受容される。
【0145】
次いで、近位本体構成部品12は、近位試用器具180の傾斜と一致するように回転されてもよい。すなわち、外科医は、傾斜複製器具460の長手方向軸を見下ろして、その首部16が、試用首部184の細長い首部226と位置合わせするように、近位本体構成部品12を回転することができる。したがって、近位本体構成部品12は、近位試用(
図54〜
図57参照)の間に得られた、同一の傾斜に置かれる。一旦近位試用器具180の傾斜が近位本体構成部品12の部分で複製されると、次いで、近位試用器具180は、傾斜複製器具460の近位端から持ち上げて外される。
【0146】
図62及び
図63に示されるように、一旦、近位試用器具180が取り除かれると、テーパータンプ540が傾斜複製器具460の上に被せられる場合がある。
図62に示されるように、テーパータンプ540は、その中に形成される細長い止まりボア542である。ボア542は、タンプ540の使用の間に、テーパータンプ540の遠位縁544が傾斜複製器具460を乱すことなく近位本体構成部品12の肩部52に接触するように、サイズ設定される。換言すれば、一旦傾斜複製器具460の上に被せられると、外科医は、傾斜複製器具460がボア542内に達することなく、遠位ステム構成部品14と近位本体構成部品12との間のテーパーロック接続を当初係合するように、テーパータンプ540を外科用マレットで軽く叩くことができる。上記のように、傾斜複製器具460上の色付きの深さマーク482、484、486、488のそれぞれは、一旦、植え込まれると、近位本体構成部品12の肩部52の場所に対応する。このように、色付きの深さマーク482、484、486、488は、傾斜複製器具460を取り除く前に、遠位ステム構成部品14のテーパー付きポスト30と、近位本体構成部品12のテーパー付きボア28とが著しく外れてはいないことを確実にするための深さマークとして使用されてもよい。次いで、テーパータンプ540及び傾斜複製器具460が、取り除かれる。次いで、外科医は、遠位ステム構成部品14と近位本体構成部品12との間のテーパーロック接続を完全に係合するために、米国特許出願整理番号第12/815,915号(2010年6月15日出願)に記載されるテーパー組み立て工具などのテーパー組み立て工具を使用する。
【0147】
次いで、外科医は、適切にサイズ設定されたロックボルト504を得る。ロックボルト504は、
図67〜
図70により詳細に示される。示されるように、ロックボルト504は、その頭部502から離れるように延在するシャンク524を有する。シャンク524は、その中に形成されるいくつかの外ネジ526を有する。ロックボルトのネジ山526は、遠位ステム構成部品14の上方のネジ山40よりも小さいので、ロックボルト504の取り付けの間、螺合せずにこれを通って通過する。その代わりに、ロックボルトのネジ山526は、遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42との螺合のためにサイズ設定される。このように、本明細書に記載される例証的な実施形態では、ロックボルトのネジ山526は、M6ネジ山として具体化される。更に、遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42と同様に、ロックボルトのネジ山526は、応力集中を除去するように設計された改造されたネジ山として具体化される。特に、
図68〜
図69に最も良好に見ることができるように、ロックボルトのネジ山526は、改善されたMJ6×1.0研削ネジ山として具体化される。
【0148】
段付きワッシャ528が、ロックボルト504上に取り付けられる。段付きワッシャ528は、一旦、取り付けられると、ロックボルト504の緩みに抵抗する付勢部材として機能する。
図67〜
図70に示されるように、頭部502のフランジは、段付きワッシャ528に圧力を加えるものとして機能する。クリップ530は、取り付けの前に、段付きワッシャ528をロックボルト504のシャンク524上に維持する。
【0149】
ロックボルト504及び段付きワッシャ528の両方は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタンなどの医療等級の金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい構築されてもよい。クリップ530は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの剛性のポリマーから構築されてもよい。
【0150】
図64に戻ると、一旦、外科医が適切にサイズ設定されたロックボルト504を得ると、次いで、ロックボルト504は、2次的なロックとして作用するように、近位本体構成部品12と遠位ステム構成部品14との間に取り付けられる。これを行うために、外科医は、近位本体構成部品12のカウンターサンク空洞32を通してロックボルト504を挿入する(
図64参照)。その後、外科医は、ロックボルト504を指で回し、これによりロックボルト504のネジ山526と遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42との間の初期の螺合を生じる。次いで、外科医は、所定のトルクをロックボルト504に印加する。これを行うために、外科医は、T字型ハンドルトルクレンチ520などのトルクレンチとともに、
図65及び
図66に示すステムスタビライザー490を使用する。
図65に示されるように、外科医は、先ずトルクレンチ52のドライブソケット522を、ステムスタビライザーのドライブロッド514の近位端に形成される四角型ドライブヘッド496に結合する。一旦、かかる様式で結合すると、トルクレンチ520の回転は、ステムスタビライザーのドライブロッド514、ひいてはその遠位端に形成されるドライブソケット498の回転を生じさせる。
【0151】
次いで、これに固定されたトルクレンチ520をともなうステムスタビライザー490は、植え込みされた大腿人工装具10上に組み立てられる。特に、外科医は、大腿人工装具10と接触するようにステムスタビライザー490を進行し、これによりロックボルト504の頭部502は、ステムスタビライザーのドライブロッド514のドライブソケット498の中に受容され、近位本体構成部品12の細長い首部16は、ステムスタビライザーの分岐部508の枝分かれ510の間に捕捉される(
図66参照)。
【0152】
一旦、ステムスタビライザー490が植え込みされた大腿人工装具10にかかる様式で固定されると、外科医は、ロックボルト504を締める。具体的には、外科医は、クリック音がするまでT字型ハンドルトルクレンチ520を回転する。かかる可聴のクリック音は、ロックボルト504に適切なトルクが掛かっていることを示し、これにより外科医に、ロックボルト504が完全に着座したことの確認を提供する。次いで、これに固定されるトルクレンチ520とともに、ステムスタビライザー490は、植え込まれた大腿人工装具10から取り除かれる。
【0153】
何らかの理由で外科医が遠位ステム構成部品14と近位本体構成部品12との間のテーパーロック接続の係脱を必要とする場合、次いで、外科医は、米国特許出願整理番号第12/873,612号(2010年9月1日出願)に記載されるテーパー分解工具などのテーパー分解工具を使用してもよい。かかる分解工具を使用する前に、外科医は、先ずロックボルト504を取り除く。
【0154】
ここで
図71〜
図73を参照すると、患者の大腿骨20の骨髄内管22に植え込まれた遠位リーマー90又は遠位ステム構成部品14へのその取り付けを容易にする、近位試用器具180に固定されてもよい、試用挿入工具630の別の実施形態が示される。試用挿入工具630は、内部を通って延在する細長いボア634を有する本体632を含む。スリーブ636は、挿入工具の本体632の周りに位置付けられる。スリーブ636は、挿入工具の本体632の外面に、例えば、オーバーモールドなどによって、動かないように連結される。スリーブ636は、近位試用器具180の、遠位リーマー90又は遠位ステム構成部品14への組み立ての間に、外科医が試用挿入工具630を保持できるように握り部として機能する。
【0155】
ドライブロッド638は、ボア634内に捕捉される。ノブ640は、ドライブロッド638の近位端に固定される。ノブ640の回転は、ドライブロッド638の回転を生じさせる。ドライブロッド638は、その遠位端に位置する六角ドライブ先端部652を含む(
図72及び
図73参照)。六角ドライブ先端部652が、近位試用シャフト182の六角ドライブヘッド192内に位置付けられ、かつ回転されるとき、試用シャフトのドライブシャフト122の遠位端に形成されるロックネジ山194も、同様に回転される。上記のように、試用シャフトのドライブシャフト122のかかる回転は、試用シャフトのネジ山194を、遠位ステム構成部品14の下方のネジ山42の中へ又は遠位リーマー90のネジ山112の中へ駆動する。
【0156】
試用挿入工具630の本体632の遠位端は、その中に形成される保持ソケット642を有する。保持ソケット642は、試用シャフト182の近位端202に形成されたステム204を受容するようにサイズ設定され、かつ形作られる。特に、
図73の断面図に示されるように、保持ソケット642は、その中に形成される丸い陥凹部644を有する。陥凹部644の内径は、これをその中に受容するように、試用シャフト182のステム204の外径を厳密に模倣するようにサイズ設定される。これも
図73の断面図に見られるように、保持ソケット642は、内部を通って延在する位置合わせピン646を有する。位置合わせピン646は、試用挿入工具630の長手方向軸に実質的に垂直に配設される。位置合わせピン646は、丸い陥凹部644の片側を本質的に「平らにする」。位置合わせピン646は、近位試用器具180の試用シャフト182を、試用挿入工具630に対して所望の配向で位置合わせする。
【0157】
図72の断面図に示されるように、リテーナ−リング648は、試用挿入工具の保持ソケット642の陥凹部644を画定する、側壁650内に位置付けられる。リテーナ−リング648は、試用シャフト182のステム204の外面上の溝のまわりにパチンと嵌り、近位試用器具180の試用シャフト182を保持ソケット642内に保持する。
【0158】
試用挿入工具630の金属性構成部品(例えば、挿入工具の本体632、ドライブロッド638、その他)は、ステンレス鋼、コバルトクロム、又はチタンなどの医療等級金属から構築されてもよいが、他の金属又は合金が使用されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの剛性のポリマーも使用されてもよい。スリーブ636は、デルリン又はシリコーンなどのポリマーから構築されてもよい。
【0159】
以上、図面及び上記の記述において本開示内容を詳細に図示、及び説明したが、かかる図示、及び説明はその性質上、例示的なものとみなすべきであって、限定的なものとみなすべきではなく、あくまで例示的実施形態を示し、説明したものにすぎず、本開示の趣旨の範囲に含まれる変更及び改変はすべて保護されることが望ましい点が理解される。
【0160】
本開示には、ここに述べた装置、システム、及び方法の様々な特徴に基づく複数の利点がある。本開示の装置、システム、及び方法の代替的実施形態は、ここで述べた特徴の全てを含むわけではないが、こうした利点の少なくとも一部から利益を享受するものである。当業者であれば、本発明の1つ以上の特徴を取り入れた、本開示の趣旨及び範囲に包含される装置、システム、及び方法の独自の実施を容易に考案し得るであろう。
【0161】
〔実施の態様〕
(1) 植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具であって、
植え込み可能な遠位ステム構成部品であって、(i)その外面に形成され、植え込み可能な近位本体構成部品のテーパー付きボアの中に受容されるように構成されるテーパー付きポストと、(ii)前記遠位ステム構成部品の上面の中に開口する上方端を有し、前記遠位ステム構成部品の中へと下方に延在する一連の上方の雌ネジと、(iii)前記一連の上方の雌ネジの下方端の中に開口する上方端を有する一連の下方の雌ネジであって、前記一連の上方の雌ネジから下方に延在する一連の下方の雌ネジと、を有する、植え込み可能な遠位ステム構成部品を備え、前記一連の上方の雌ネジの直径が、前記一連の下方の雌ネジの直径より大きい、植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具。
(2) 前記遠位ステム構成部品が、前記一連の下方の雌ネジの下方端の中に開口する上方端を有する止まり穴を更に有し、
前記止まり穴が、前記一連の下方の雌ネジから下方に延在し、
前記止まり穴が、丸みがついている下方端を有する、実施態様1に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(3) 前記一連の下方の雌ネジの前記雌ネジのそれぞれの最も外側の縁は、丸みがついている、実施態様1に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(4) 前記遠位ステム構成部品が、前記遠位ステム構成部品の前記上面に形成されたキー溝を更に有する、実施態様1に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(5) 前記キー溝が、前記一連の上方の雌ネジの前記上方端を画定する、前記遠位ステム構成部品の側壁内に形成される、実施態様4に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
【0162】
(6) 前記キー溝が、耳たぶ型のスロットを備える、実施態様4に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(7) 前記遠位ステム構成部品が、前記遠位ステム構成部品の前記上面に固定され、かつこれから上方に延在する位置合わせキーを更に有する、実施態様1に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(8) 前記位置合わせキーが、前記遠位ステム構成部品の前記上面から上方に延在するタブを備える、実施態様7に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(9) 前記遠位ステム構成部品が、弓状の遠位ステム構成部品を備え、前記弓状の遠位ステム構成部品が、その凸側に沿って延在する頂点を有し、
前記位置合わせキーが、前記頂点に対応する、前記弓状の遠位ステム構成部品の側に位置付けられる、実施態様7に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(10) 植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具であって、
植え込み可能な遠位ステム構成部品であって、(i)その外面に形成されるテーパー付きポストであって、植え込み可能な近位本体構成部品のテーパー付きボアの中に受容されるように構成されるテーパー付きポストと、(ii)前記遠位ステム構成部品の上面の中に開口し、かつ前記遠位ステム構成部品の中に下方に延在する上方端を有する螺刻されたボアと、(iii)前記遠位ステム構成部品の前記上面に固定され、かつこれから上方に延在する位置合わせキーと、を有する、植え込み可能な遠位ステム構成部品を備える、モジュール式整形外科股関節人工装具。
【0163】
(11) 前記位置合わせキーが、前記遠位ステム構成部品の前記上面から上方に延在するタブを備える、実施態様10に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(12) 前記遠位ステム構成部品が、弓状の遠位ステム構成部品を備え、前記弓状の遠位ステム構成部品が、その凸側に沿って延在する頂点を有し、
前記位置合わせキーが、前記頂点に対応する、前記弓状の遠位ステム構成部品の側に位置付けられる、実施態様10に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(13) 前記遠位ステム構成部品の前記螺刻されたボアが、
前記遠位ステム構成部品の上面の中に開口する上方端を有し、前記遠位ステム構成部品の中へと下方に延在する一連の上方の雌ネジと、
前記一連の上方の雌ネジの下方端の中に開口する上方端を有し、前記一連の上方の雌ネジから下方に延在し、かつ前記一連の上方の雌ネジの直径より小さい直径を有する一連の下方の雌ネジと、を備える、実施態様10に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(14) 前記遠位ステム構成部品が、前記遠位ステム構成部品の前記上面に形成されたキー溝を更に有する、実施態様10に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(15) 前記キー溝が、前記螺刻されたボアの前記上方端を画定する前記遠位ステム構成部品の側壁に形成される、実施態様14に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
【0164】
(16) 前記キー溝が、耳たぶ型のスロットを備える、実施態様14に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(17) 植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具であって、
植え込み可能な遠位ステム構成部品であって、(i)その外面に形成されるテーパー付きポストであって、植え込み可能な近位本体構成部品のテーパー付きボアの中に受容されるように構成されるテーパー付きポストと、(ii)前記遠位ステム構成部品の上面の中に開口し、かつ前記遠位ステム構成部品の中へと下方に延在する上方端を有する螺刻されたボアと、(iii)前記螺刻されたボアの前記上方端を画定する前記遠位ステム構成部品の側壁内に形成されるキー溝と、を有する、植え込み可能な遠位ステム構成部品を備える、モジュール式整形外科股関節人工装具。
(18) 前記キー溝が、耳たぶ型のスロットを備える、実施態様17に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(19) 遠位ステム構成部品が、前記遠位ステム構成部品の前記上面に固定され、かつこれから上方に延在する位置合わせキーを更に有する、実施態様18に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(20) 前記遠位ステム構成部品の前記螺刻されたボアが、
前記遠位ステム構成部品の上面の中に開口する上方端を有する一連の上方の雌ネジであって、前記遠位ステム構成部品の中へと下方に延在する一連の上方の雌ネジと、
前記一連の上方の雌ネジの下方端の中に開口する上方端を有し、前記一連の上方の雌ネジから下方に延在し、かつ前記一連の上方の雌ネジの直径より小さい直径を有する一連の下方の雌ネジと、を備える、実施態様19に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
【0165】
(21) モジュール式整形外科股関節人工装具の遠位ステム構成部品を植え込む外科手技の間に、患者の大腿骨の骨髄内管をリーマー加工するように操作可能な遠位リーマーであって、
細長いシャンクであって、(i)前記細長いシャンクの遠位端に形成される切削ヘッドであって、前記遠位ステム構成部品の前記幾何学的形状に対応する幾何学的形状で配設される複数の螺旋状の切削フルートを有する切削ヘッドと、(ii)反対側の、前記細長いシャンクの近位端に位置付けられた側壁に形成されるドライブコネクタであって、(a)雌ドライブソケットと、(b)前記雌ドライブソケットの中に開口するように前記側壁に形成されるいくつかのロックスロットとを有するドライブコネクタと、を有する、細長いシャンクを備える、遠位リーマー。
(22) 前記ロックスロットが、L字型のロックスロットを備える、実施態様21に記載の遠位リーマー。
(23) 前記ロックスロットが、前記雌ドライブソケットの両側の前記側壁に形成される、実施態様21に記載の遠位リーマー。
(24) 前記雌ドライブソケットが、雌六角ドライブソケットを備える、実施態様21に記載の遠位リーマー。
(25) モジュール式整形外科股関節人工装具の遠位ステム構成部品を植え込む外科手技の間に、患者の大腿骨の骨髄内管をリーマー加工するように操作可能な遠位リーマーであって、
前記遠位ステム構成部品の前記幾何学的形状に対応する幾何学的形状で配設される複数の螺旋状の切削フルートを有する切削ヘッドと、
雌ドライブソケットと、
前記ドライブソケットの中に開口する上方端を有し、これから離れるように下方に延在する螺刻されたボアと、を備える、遠位リーマー。
【0166】
(26) 前記雌ドライブソケットの周りに配設され、かつこの中に開口する、いくつかのロックスロットを更に備える、実施態様25に記載の遠位リーマー。
(27) 前記ロックスロットが、L字型のロックスロットを備える、実施態様26に記載の遠位リーマー。
(28) 前記ロックスロットが、前記雌ドライバーソケットの両側の前記側壁に形成される、実施態様26に記載の遠位リーマー。
(29) 前記雌ドライブソケットが、雌六角ドライブソケットを備える、実施態様25に記載の遠位リーマー。
(30) モジュール式整形外科股関節人工装具の遠位ステム構成部品を植え込む外科手技の間に、患者の大腿骨の骨髄内管をリーマー加工するように操作可能な手術器具アセンブリであって、
(i)前記遠位ステム構成部品の前記幾何学的形状に対応する幾何学的形状で配設される複数の螺旋状の切削フルートを含む切削ヘッドと、(ii)雌ドライブソケットと、を有する、遠位リーマーと、
延長工具であって、(i)前記延長工具を回転駆動源に結合するように構成されるコネクタ、及び(ii)前記延長工具の回転が前記遠位リーマーの回転を生じさせるように、前記遠位リーマーの前記雌ドライブソケット内に位置付けられ、かつこれと係合されたドライブスプライン、を有する、延長工具と、を備える、手術器具アセンブリ。
【0167】
(31) 前記遠位リーマーが、前記雌ドライブソケットの周りに配設され、かつその中に開口するいくつかのロックスロットを更に有し、
前記延長工具が、前記遠位リーマーの前記ロックスロット内に位置付けられたいくつかのロッキングジョーを更に有する、実施態様30に記載の手術器具アセンブリ。
(32) 前記ロックスロットが、前記雌ドライブソケットの両側に形成され、
前記ロッキングジョーが、前記ドライブスプラインの両側に位置付けられる、実施態様31に記載の手術器具アセンブリ。
(33) 前記延長工具の前記コネクタが、回転動力工具のチャックに嵌合するように構成される、実施態様30に記載の手術器具アセンブリ。
(34) 前記雌ドライブソケットが、雌六角ドライブソケットを備える、実施態様30に記載の遠位リーマー。
(35) 整形外科股関節人工装具を植え込むために、外科手技の間に使用するための手術器具アセンブリであって、
(i)円筒状に形作られるステムと、(ii)遠位端に形成されるいくつかのネジ山を有するロックネジであって、前記円筒状に形作られるステムに対して回転可能なロックネジと、を有する、試用シャフトと、
前記試用シャフトに着脱可能に固定される分離している試用首部であって、(i)その中に形成されるボアであって、前記試用シャフトの前記ステムが、前記試用シャフトに対して前記試用首部を回転できるように前記ボアの中に受容される、ボアと、(ii)前記試用シャフトに対する前記試用首部の回転位置を選択的に係止するように動作可能なロック機構と、を有する、試用首部と、を備える、手術器具アセンブリ。
【0168】
(36) 遠位リーマーであって、(i)前記遠位ステム構成部品の前記幾何学的形状に対応する幾何学的形状で配設される複数の螺旋状の切削フルートを含む切削ヘッドと、(ii)その上方端に形成される螺刻されたボアであって、前記試用シャフトの前記ロックネジの前記ネジ山が、前記遠位リーマーの前記螺刻されたボアの中に螺合される、ボアと、を有する、遠位リーマーを更に備える、実施態様35に記載の手術器具アセンブリ。
(37) 前記試用シャフトの前記ステムが、その中に形成されるいくつかの溝を有し、
前記試用首部の前記ロック機構が、前記試用シャフトに対する前記試用首部の回転位置を選択的に係止するために前記いくつかの溝内に選択的に位置付けることができるロック歯止めを有する、実施態様35に記載の手術器具アセンブリ。
(38) 前記試用シャフトの前記ステムは、その中に形成されるいくつかの溝を有し、
前記試用首部の前記ロック機構が、ロック歯止めを有し、前記ロック歯止めが、(i)前記試用シャフトに対する前記試用首部の回転が防止されるように、試用首部の前記いくつかの溝のうちの1つに前記ロック歯止めが位置付けられる、係止された位置と、(ii)前記試用シャフトに対する前記試用首部の回転が可能なように、前記ロック歯止めが位置付けられる、係止解除位置と、の間で位置付けることができ、
前記ロック機構が、前記係止された位置と前記係止解除位置との間で、前記ロック歯止めを動かすために回転可能であるロックネジを更に含む、実施態様35に記載の手術器具アセンブリ。
(39) 前記試用シャフトが、前記ロックネジの前記ネジ山に近接して前記試用シャフトの外面に形成される位置合わせキーを更に有し、
前記試用シャフトが前記遠位ステム構成部品に固定されるときに、前記試用シャフトを前記遠位ステム構成部品に対して所定の配向に位置合わせするように、前記位置合わせキーが、前記遠位ステム構成部品の上面に形成されるキー溝と嵌合するように構成される、実施態様35に記載の手術器具アセンブリ。
(40) 前記試用シャフトの前記ロックネジが、前記ネジ山が形成された前記遠位端と反対側の、前記ロックネジの近位端に形成されたドライブソケットを有する、実施態様35に記載の手術器具アセンブリ。
【0169】
(41) 整形外科股関節人工装具を植え込むために、外科手技の間に使用するための手術器具アセンブリであって、
複数の試用シャフトであって、そのそれぞれが、(i)前記複数の試用シャフトのうちの他の少なくともいくつかの長さとは異なる長さと、(ii)円筒形状に形作られるステムと、(ii)遠位端に形成されるいくつかのネジ山を有するロックネジであって、前記円筒状に形作られるステムに対して回転可能なロックネジと、を有する、複数の試用シャフトと、
前記複数の試用シャフトのそれぞれに別個に固定されるように構成される複数の試用首部であって、前記複数の試用首部のそれぞれが(i)前記複数の試用首部のうちの他の少なくともいくつかのオフセットサイズとは異なるオフセットサイズと、(ii)前記複数の試用シャフトのそれぞれの前記ステムを受容するようにサイズ設定される、前記試用首部の中に形成されるボアと、を有する、複数の試用首部と、を備える、手術器具アセンブリ。
(42) 前記複数の試用首部のそれぞれが、前記複数の試用シャフトのうちの1つに対する前記試用首部の回転位置を選択的に係止するように動作可能なロック機構を含む、実施態様41に記載の手術器具アセンブリ。
(43) 前記複数の試用シャフトのそれぞれの前記ステムが、その中に形成されるいくつかの溝を有し、
前記複数の試用首部のそれぞれの前記ロック機構が、前記試用シャフトに対する前記試用首部の回転位置を選択的に係止するように、前記いくつかの溝内に選択的に位置付け可能なロック歯止めを有する、実施態様42に記載の手術器具アセンブリ。
(44) 遠位リーマーであって、(i)前記遠位ステム構成部品の前記幾何学的形状に対応する幾何学的形状で配設される複数の螺旋状の切削フルートを含む切削ヘッドと、(ii)その上方端に形成される螺刻されたボアであって、前記複数の試用シャフトのそれぞれの前記ロックネジの前記ネジ山が、前記遠位リーマーの前記螺刻されたボアの中に螺合されるようにサイズ設定される、螺刻されたボアと、を有する、遠位リーマーを更に含む、実施態様41に記載の手術器具アセンブリ。
(45) 前記複数の試用シャフトのそれぞれが、前記ロックネジの前記ネジ山に近接して、前記試用シャフトの外面に形成される位置合わせキーを更に有し、
前記試用シャフトが遠位ステム構成部品に固定されるときに、前記試用シャフトを前記遠位ステム構成部品に対して所定の配向に位置合わせするように、前記位置合わせキーが、前記遠位ステム構成部品の上面に形成されるキー溝と嵌合するように構成される、実施態様41に記載の手術器具アセンブリ。
【0170】
(46) 整形外科股関節人工装具の遠位ステム構成部品を植え込むために、外科手技の間に使用するための手術器具であって、
外面に形成される位置合わせキーを有する近位試用器具であって、前記位置合わせキーは、前記近位試用器具が前記遠位ステム構成部品に固定されるとき、前記遠位ステム構成部品に対して前記近位試用器具を所定の配向に位置合わせするように、前記遠位ステム構成部品の上面に形成されるキー溝と嵌合するように構成される、近位試用器具を備える、手術器具。
(47) 前記位置合わせキーが、前記近位試用器具の遠位端から外向きに延在する、細長いリブを備える、実施態様46に記載の手術器具。
(48) 前記近位試用器具が、分離している試用シャフト及び分離している試用首部を有するモジュール式近位試用器具を備え、
前記位置合わせキーが、前記試用シャフトの遠位端内に形成される、実施態様46に記載の手術器具。
(49) 前記位置合わせキーの長手方向軸が、上方/下方方向に延在する、実施態様46に記載の手術器具。
(50) 整形外科股関節人工装具を植え込むための外科手技の間に使用するための手術器具であって、
(i)中に形成されるボアを有する細長いシャフトであって、前記ボアが前記細長いシャフトの遠位端で画定される開口端部、及び前記細長いシャフト内で前記開口端部の近位に位置付けられる盲端部を有する、細長いシャフトと、(ii)反対側の、前記細長いシャフトの近位端に固定されるハンドルと、(iii)前記シャフトの前記遠位端に固定され、かつこれから離れるように延在する切削ヘッドであって、(a)前記切削ヘッドが、前記ボアの前記開口端部を画定する前記細長いシャフトの前記周囲の一部のみを取り囲んで延在するようにアーチ状の形状であり、(b)前記切削ヘッドが、前記切削ヘッドの長さに沿って延在する複数の線状の切削歯を備える、切削ヘッドと、を備える仕上げやすり、を備える、手術器具。
【0171】
(51) 前記ハンドルが、前記細長いシャフトに着脱不可能に固定される、実施態様50に記載の手術器具。
(52) 前記ハンドルが、前記ハンドルの第1の端部が、前記ハンドルの第2の端部が前記シャフトから離間している距離未満の距離だけ前記シャフトから離間されるように前記細長いシャフト上に位置付けられ、
前記切削ヘッドが、前記細長いシャフトの、前記ハンドルの前記第1の端部と同一の側に位置付けられる、実施態様50に記載の手術器具。
(53) 前記仕上げやすりが、前記ボアの前記盲端部に位置付けられる深さ停止部を更に備える、実施態様50に記載の手術器具。
(54) 前記切削ヘッドが2方向の振動運動をともなって進行するとき、前記切削ヘッドの前記切削歯が、骨組織を切削するように構成される、実施態様50に記載の手術器具。
(55) 整形外科股関節人工装具を植え込むための外科手技の間に使用するための仕上げやすりであって、
中に形成されるボアを有する細長いシャフトであって、前記ボアが(i)前記細長いシャフトの遠位端に画定される開口端部と、(ii)前記細長いシャフト内で、前記開口端部の近位に位置付けられる盲端部と、を有する、細長いシャフトと、
反対側の、前記細長いシャフトの近位端に固定されるハンドルと、
前記シャフトの前記遠位端に固定され、かつこれから離れるように延在する切削ヘッドであって、(i)前記切削ヘッドの前記長さに沿って延在し、(ii)前記切削ヘッドが2方向の振動運動とともに進行するとき、骨組織を切削するように構成される、複数の線状切削歯を備える、切削ヘッドと、を備える仕上げやすり。
【0172】
(56) 前記切削ヘッドが、前記ボアの前記開口端部を画定する前記細長いシャフトの前記周囲の一部分のみを取り囲んで延在するような、アーチ状の形状である、実施態様55に記載の仕上げやすり。
(57) 前記ハンドルは、前記ハンドルの第1の端部が前記シャフトから、前記ハンドルの第2の端部が前記シャフトから離間される距離未満の距離だけ離間されるように、前記細長いシャフト上で位置付けられ、
前記切削ヘッドが、前記細長いシャフトの、前記ハンドルの前記第1の端部と同一の側に位置付けられる、実施態様55に記載の仕上げやすり。
(58) 前記ハンドルが、前記細長いシャフトに着脱不可能に固定される、実施態様55に記載の仕上げやすり。
(59) 前記ボアの前記盲端部に位置付けられる深さ停止部を更に備える、実施態様55に記載の仕上げやすり。
(60) 整形外科股関節人工装具を植え込むために、外科手技の間に使用するための手術器具アセンブリであって、
細長いシャフトを備える傾斜複製器具であって、前記細長いシャフトが、(i)その遠位端に形成され、長手方向軸を有する位置合わせキーと、(ii)反対側の、前記細長いシャフトの近位端に形成され、前記位置合わせキーの前記長手方向軸と同一の想像線上にある長手方向軸を有する位置合わせスロットと、を有する、傾斜複製器具を備える、手術器具アセンブリ。
【0173】
(61) 前記位置合わせキーが、前記細長いシャフトの前記遠位端から外向きに延在する細長いリブを備える、実施態様60に記載の手術器具アセンブリ。
(62) 前記位置合わせキーが、耳たぶ型の断面形状を有する、実施態様60に記載の手術器具アセンブリ。
(63) 前記細長いシャフトの前記近位端が、その中に形成される孔を有し、
前記孔が、前記細長いシャフトの前記長手方向軸と平行な方向に延在し、
前記位置合わせスロットが前記孔の中に開口する、実施態様60に記載の手術器具アセンブリ。
(64) 前記孔が、前記細長いシャフトの前記近位端に形成される止まり穴を備える、実施態様63に記載の手術器具アセンブリ。
(65) 外面に形成される位置合わせキーを有する近位試用器具であって、前記傾斜複製器具に対して前記近位試用器具を所定の配向に位置合わせするために、前記近位試用器具の前記位置合わせキーが前記位置合わせスロット内に位置付けられるように前記傾斜複製器具に固定される、近位試用器具を更に備える、実施態様60に記載の手術器具アセンブリ。
【0174】
(66) 前記傾斜複製器具の前記位置合わせキーは、前記傾斜複製器具が遠位ステム構成部品に固定されるとき、前記傾斜複製器具を前記遠位ステム構成部品に対して前記近位試用器具を所定の配向に位置合わせするために、前記遠位ステム構成部品の上面に形成されるキー溝と嵌合するように構成される、実施態様60に記載の手術器具アセンブリ。
(67) 整形外科股関節人工装具を植え込む外科手技の間に使用するための傾斜複製手術器具であって、
遠位端及びこれと反対側の近位端を有する細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記遠位端に形成され、長手方向軸を有する、位置合わせキーと、
前記細長いシャフトの前記近位端に形成され、前記細長いシャフトの前記長手方向軸に平行な方向に延在する孔と、
前記孔を画定する前記細長いシャフトの前記近位端の側壁に形成され、前記位置合わせキーの前記長手方向軸と同一の想像線上にある長手方向軸を有する位置合わせスロットと、を備える、傾斜複製手術器具。
(68) 前記位置合わせキーが、前記細長いシャフトの前記遠位端から外向きに延在する細長いリブを備える、実施態様67に記載の傾斜複製手術器具。
(69) 前記位置合わせキーが、耳たぶ型の断面形状を有する、実施態様67に記載の傾斜複製手術器具。
(70) 前記位置合わせスロットが、前記孔の中に開口する、実施態様67に記載の傾斜複製手術器具。
【0175】
(71) 前記孔が、前記細長いシャフトの前記近位端に形成される止まり穴を備える、実施態様67に記載の傾斜複製手術器具。
(72) 前記位置合わせキーが、前記傾斜複製器具が遠位ステム構成部品に固定されるとき、前記遠位ステム構成部品に対して前記位置合わせスロットを所定の配向に位置合わせするために、前記遠位ステム構成部品の上面に形成されるキー溝と嵌合するように構成される、実施態様67に記載の傾斜複製手術器具。
(73) 整形外科股関節人工装具を植え込むための外科手技の間に使用するための手術器具であって、
細長いシャフトを備える回転工具用具であって、前記細長いシャフトが、(i)前記細長いシャフトの近位端に形成され、回転動力工具の前記チャックの中に嵌合するように構成されるコネクタと、(ii)前記シャフトの外面上に配置されるいくつかの色付きの深さマークであって、前記いくつかの色付きの深さマークのそれぞれがその他の深さマークとは異なる色を有し、前記回転工具用具の操作の所定の深さに対応する前記細長いシャフト上の場所に位置付けられる、色付きの深さマークと、を有する、回転工具用具を備える、手術器具。
(74) 前記回転工具用具が、スターターリーマーを備える、実施態様73に記載の手術器具。
(75) 前記回転工具用具が、リーマー延長工具を備える、実施態様73に記載の手術器具。
【0176】
(76) 前記回転工具用具が、近位リーマーを備える、実施態様73に記載の手術器具。
(77) 前記いくつかの深さマークのそれぞれは、前記細長いシャフトに刻まれた溝を備え、
前記溝は、色付きのエポキシインクで充填される、実施態様73に記載の手術器具。
(78) 植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具であって、
外面に形成されたテーパー付きポストを有する、植え込み可能な遠位ステム構成部品であって、植え込み可能な近位本体構成部品のテーパー付きボアの中に受容されるように前記テーパー付きポストが構成される、遠位ステム構成部品と、
前記テーパー付きポスト上に取り付けられ、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から作成されるテーパー保護スリーブと、を備える、植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具。
(79) 前記テーパー保護スリーブが、内部を通って延在する細長いボアを有するカニューレ状本体を備え、
前記植え込み可能な遠位ステム構成部品の前記テーパー付きポストが、前記細長いボアに位置付けられた、実施態様78に記載の植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具。
(80) 滅菌パッケージを更に備え、前記植え込み可能な遠位ステム及び前記テーパー保護スリーブが前記滅菌パッケージの中に包装された、実施態様78に記載の植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具。
〔実施の態様A〕
(1) 植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具であって、
植え込み可能な遠位ステム構成部品であって、(i)その外面に形成され、植え込み可能な近位本体構成部品のテーパー付きボアの中に受容されるように構成されるテーパー付きポストと、(ii)前記遠位ステム構成部品の中へと下方に延在する一連の雌ネジであって、前記一連の雌ネジのネジ山のそれぞれの最も外側の縁は、丸みがついている、一連の雌ネジと、(iii)前記一連の雌ネジの下方端の中に開口する上方端を有する止まり穴であって、前記一連の雌ネジから下方に延在し、丸みがついている下方端を有する、止まり穴と、を有する、植え込み可能な遠位ステム構成部品を備える、植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具。
(2) 前記遠位ステム構成部品が、前記遠位ステム構成部品の上面に形成されたキー溝を更に有する、実施の態様A1に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(3) 前記キー溝が、前記一連の雌ネジを画定する、前記遠位ステム構成部品の側壁内に形成されている、実施の態様A2に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(4) 前記キー溝が、耳たぶ型のスロットを備える、実施の態様A2に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(5) 前記遠位ステム構成部品が、前記遠位ステム構成部品の上面に固定され、かつこれから上方に延在する位置合わせキーを更に有する、実施の態様A1に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(6) 前記位置合わせキーが、前記遠位ステム構成部品の前記上面から上方に延在するタブを備える、実施の態様A5に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(7) 前記遠位ステム構成部品が、弓状の遠位ステム構成部品を備え、前記弓状の遠位ステム構成部品が、その凸側に沿って延在する頂点を有し、
前記位置合わせキーが、前記頂点に対応する、前記弓状の遠位ステム構成部品の側に位置付けられる、実施の態様A5に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(8) 植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具であって、
植え込み可能な遠位ステム構成部品であって、(i)その外面に形成され、植え込み可能な近位本体構成部品のテーパー付きボアの中に受容されるように構成されるテーパー付きポストと、(ii)前記遠位ステム構成部品の中に下方に延在する螺刻されたボアと、(iii)前記螺刻されたボアの下方端の中に開口する上方端を有する止まり穴であって、前記螺刻されたボアから下方に延在し、丸みがついている下方端を有する、止まり穴と、を有する、植え込み可能な遠位ステム構成部品を備える、植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具。
(9) 前記螺刻されたボアのネジ山のそれぞれの最も外側の縁は、丸みがついている、実施の態様A8に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(10) 前記植え込み可能な遠位ステム構成部品は、前記遠位ステム構成部品の上面に固定され、かつこれから上方に延在する位置合わせキーを更に備える、実施の態様A8に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(11) 前記位置合わせキーが、前記遠位ステム構成部品の前記上面から上方に延在するタブを備える、実施の態様A10に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(12) 前記遠位ステム構成部品が、弓状の遠位ステム構成部品を備え、前記弓状の遠位ステム構成部品が、その凸側に沿って延在する頂点を有し、
前記位置合わせキーが、前記頂点に対応する、前記弓状の遠位ステム構成部品の側に位置付けられる、実施の態様A10に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(13) 前記遠位ステム構成部品が、前記遠位ステム構成部品の上面に形成されたキー溝を更に有する、実施の態様A8に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(14) 前記キー溝が、前記螺刻されたボアを画定する、前記遠位ステム構成部品の側壁内に形成されている、実施の態様A13に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(15) 前記キー溝が、耳たぶ型のスロットを備える、実施の態様A13に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(16) 植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具であって、
植え込み可能な遠位ステム構成部品であって、
その外面に形成され、植え込み可能な近位本体構成部品のテーパー付きボアの中に受容されるように構成されるテーパー付きポストと、
前記遠位ステム構成部品の上面の中に開口する上方端を有し、前記遠位ステム構成部品の中へと下方に延在する一連の上方の雌ネジと、
前記一連の上方の雌ネジの下方端の中に開口する上方端を有する一連の下方の雌ネジであって、(i)前記一連の下方の雌ネジが、前記一連の上方の雌ネジから下方に延在し、(ii)前記一連の下方の雌ネジが、前記一連の上方の雌ネジより小さい直径を有し、(iii)前記一連の下方の雌ネジの前記雌ネジのそれぞれの最も外側の縁は、丸みがついている、一連の下方の雌ネジと、
前記一連の下方の雌ネジの下方端の中に開口する上方端を有する止まり穴であって、前記一連の下方の雌ネジから下方に延在し、丸みがついている下方端を有する、止まり穴と、
を有する、植え込み可能な遠位ステム構成部品を備える、植え込み可能なモジュール式整形外科股関節人工装具。
(17) 前記遠位ステム構成部品が、前記遠位ステム構成部品の前記上面に形成されたキー溝を更に有する、実施の態様A16に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(18) 前記キー溝が、前記一連の上方の雌ネジの前記上方端を画定する、前記遠位ステム構成部品の側壁内に形成されている、実施の態様A17に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(19) 前記キー溝が、耳たぶ型のスロットを備える、実施の態様A17に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(20) 前記遠位ステム構成部品が、前記遠位ステム構成部品の前記上面に固定され、かつこれから上方に延在する位置合わせキーを更に有する、実施の態様A16に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(21) 前記位置合わせキーが、前記遠位ステム構成部品の前記上面から上方に延在するタブを備える、実施の態様A20に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。
(22) 前記遠位ステム構成部品が、弓状の遠位ステム構成部品を備え、前記弓状の遠位ステム構成部品が、その凸側に沿って延在する頂点を有し、
前記位置合わせキーが、前記頂点に対応する、前記弓状の遠位ステム構成部品の側に位置付けられる、実施の態様A20に記載のモジュール式整形外科股関節人工装具。