(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開閉部が前記挿入口の前記部分を閉鎖している場合に、前記開閉操作部に係脱可能に係合し、前記開閉部が前記挿入口の前記部分を開放する場合に、前記開閉操作部との係合が解除される係合部を更に備えることを特徴とする請求項5乃至9の何れか一項に記載の包丁収納装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、俎板は、調理台の天面上に載置される。従って、使用者は、包丁を用いた調理の際、調理台の正面に接近して相対する。
このため、特許文献2に記載のシステムキッチンを使用する使用者は、包丁を用いた調理を行なう前に、まず、調理台から適宜離隔した位置にて、調理台からキャビネット収納部を引き出し、更に、包丁収納装置から包丁を取り出す。次いで、使用者は、キャビネット収納部を調理台へ押し入れる。この後、使用者は、調理台に接近してから、包丁を用いて調理を行なう。
【0006】
つまり、使用者は、抽斗から包丁を取り出すためだけに調理台に対し接離しなければならず、動線が無用に長い。
特許文献1には、このような不都合を解消するための技術事項は記載されていない。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、抽斗から包丁を取り出す際の動線を短縮することができるシステムキッチン及び包丁収納装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るシステムキッチンは、シンク台及びコンロ台の少なくとも一方が、調理台に横方向に隣り合っており、前記一方には、前後方向に出没する抽斗が設けられており、縦姿勢の包丁を収納するための包丁収納装置が前記抽斗に収容されているシステムキッチンにおいて、前記包丁収納装置は、前記抽斗の前記調理台に近い側の妻板に配されて
おり、前記抽斗は、少なくとも前記妻板の上方にギャラリーバーを有し、前記包丁収納装置は、頂部に、夫々に前記包丁の刃を挿入すべき複数の挿入口が、前記抽斗の出没方向に並設されており、前記挿入口の開口周縁部の一部が前記包丁の柄を支持し、前記頂部よりも底部側に、前記ギャラリーバーが嵌脱可能に嵌め込まれる嵌合部が設けられており、着脱可能に前記妻板の側面に取り付けられ、前記挿入口から挿入された刃を収容する筐体と、収納されている前記包丁の取り出しを防止すべく、前記挿入口の前記開口周縁部の他部に囲繞された部分を開閉可能に閉鎖する開閉部と、該開閉部に連結してあり、該開閉部を開閉させるべく往復移動操作される開閉操作部とを備え、前記開口周縁部の一部は、支持している前記柄が前記開閉操作部の側へ傾斜するような傾斜面を有していることを特徴とする。
本発明に係るシステムキッチンは、シンク台及びコンロ台の少なくとも一方が、調理台に横方向に隣り合っており、前記一方には、前後方向に出没する抽斗が設けられており、縦姿勢の包丁を収納するための包丁収納装置が前記抽斗に収容されているシステムキッチンにおいて、前記包丁収納装置は、前記抽斗の前記調理台に近い側の妻板に配されており、前記抽斗は、少なくとも前記妻板の上方にギャラリーバーを有し、前記包丁収納装置は、頂部に、夫々に前記包丁の刃を挿入すべき複数の挿入口が、前記抽斗の出没方向に並設されており、前記挿入口の開口周縁部の一部が前記包丁の柄を支持し、前記頂部よりも底部側に、前記ギャラリーバーが嵌脱可能に嵌め込まれる嵌合部が設けられており、着脱可能に前記妻板の側面に取り付けられ、前記挿入口から挿入された刃を収容する筐体と、収納されている前記包丁の取り出しを防止すべく、前記挿入口の前記開口周縁部の他部に囲繞された部分を開閉可能に閉鎖する開閉部と、該開閉部に連結してあり、該開閉部を開閉させるべく往復移動操作される開閉操作部とを備え、前記筐体には、前記妻板を着脱可能に挟持する挟持部が設けてあり、前記筐体は、前記挟持部を用いて着脱可能に前記妻板の側面に取り付けられるようにしてあることを特徴とする。
本発明に係るシステムキッチンは、シンク台及びコンロ台の少なくとも一方が、調理台に横方向に隣り合っており、前記一方には、前後方向に出没する抽斗が設けられており、縦姿勢の包丁を収納するための包丁収納装置が前記抽斗に収容されているシステムキッチンにおいて、前記包丁収納装置には、前記抽斗の前記調理台に近い側の妻板を着脱可能に挟持する挟持部が設けてあり、前記抽斗は、少なくとも前記妻板の上方にギャラリーバーを有し、前記包丁収納装置は、前記挟持部を用いて着脱可能に前記妻板の側面に取り付けられていると共に、前記妻板の上方のギャラリーバーに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るシステムキッチンは
、前記包丁収納装置は、頂部に、夫々に前記包丁の刃を挿入すべき複数の挿入口が、前記抽斗の出没方向に並設されており、前記挿入口の開口周縁部の一部が前記包丁の柄を支持し、前記頂部よりも底部側に、前記ギャラリーバーが嵌脱可能に嵌め込まれる嵌合部が設けられており、
前記挟持部を用いて着脱可能に前記妻板の側面に取り付けられ、前記挿入口から挿入された刃を収容する筐体と、収納されている前記包丁の取り出しを防止すべく、前記挿入口の前記開口周縁部の他部に囲繞された部分を開閉可能に閉鎖する開閉部と、該開閉部に連結してあり、該開閉部を開閉させるべく往復移動操作される開閉操作部とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る包丁収納装置は、縦姿勢の包丁を収納するための包丁収納装置において、頂部に、夫々に前記包丁の刃を挿入すべき複数の挿入口が、一方向に並設されており、前記挿入口の開口周縁部の一部が前記包丁の柄を支持し、前記頂部よりも底部側に、外部における前記一方向に配された棒状部を嵌脱可能に嵌め込むべき嵌合部が設けられており、着脱可能に外部に取り付けられ、前記挿入口から挿入された刃を収容する筐体と、収納されている包丁の取り出しを防止すべく、前記挿入口の前記開口周縁部の他部に囲繞された部分を開閉可能に閉鎖する開閉部と、該開閉部に連結してあり、該開閉部を開閉させるべく往復移動操作される開閉操作部とを備え
、前記開口周縁部の一部は、支持している前記柄が前記開閉操作部の側へ傾斜するような傾斜面を有していることを特徴とする。
本発明に係る包丁収納装置は、縦姿勢の包丁を収納するための包丁収納装置において、頂部に、夫々に前記包丁の刃を挿入すべき複数の挿入口が、一方向に並設されており、前記挿入口の開口周縁部の一部が前記包丁の柄を支持し、前記頂部よりも底部側に、外部における前記一方向に配された棒状部を嵌脱可能に嵌め込むべき嵌合部が設けられており、着脱可能に外部に取り付けられ、前記挿入口から挿入された刃を収容する筐体と、収納されている包丁の取り出しを防止すべく、前記挿入口の前記開口周縁部の他部に囲繞された部分を開閉可能に閉鎖する開閉部と、該開閉部に連結してあり、該開閉部を開閉させるべく往復移動操作される開閉操作部とを備え、前記筐体には、外部の物体を着脱可能に挟持する挟持部が設けてあり、前記筐体は、前記挟持部を用いて着脱可能に前記棒状部の下方の物体に取り付けられるようにしてあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る包丁収納装置は、前記筐体には、該筐体における前記一方向の一側端部及び他側端部夫々に、前記開閉操作部の往復移動方向に沿う長孔が形成してあり、前記開閉部は、前記筐体の内部に配されており、前記開閉部には、前記筐体に形成された各長孔に対応して、前記開閉操作部を着脱可能に連結すべき連結部が設けてあり、前記開閉操作部は、一部が前記筐体の外部に配され、他部が前記長孔の一方に挿通されて、該一方に対応する前記連結部に着脱可能に連結され、前記一方に案内されて往復移動するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る包丁収納装置は、前記筐体は、前記複数の挿入口が設けてあり、前記開閉操作部が前記一方向の一端部に配されており、前記開閉部が配されており、前記挿入口の開口周縁部の一部が前記包丁の柄を支持する柄支持部と、前記嵌合部が設けられており、着脱可能に外部に取り付けられ、前記柄支持部の前記挿入口から挿入された刃を収容する刃収容部とを有し、該刃収容部の前記頂部の側には、前記柄支持部が、前記開閉操作部を前記刃収容部における前記一方向の一側端部側及び他側端部側の何れの側に向けても着脱可能に取り付けられるようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る包丁収納装置は、前記開口周縁部の一部は、支持している前記柄が前記開閉操作部の側へ傾斜するような傾斜面を有していることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る包丁収納装置は、前記開閉部が前記挿入口の前記部分を閉鎖している場合に、前記開閉操作部に係脱可能に係合し、前記開閉部が前記挿入口の前記部分を開放する場合に、前記開閉操作部との係合が解除される係合部を更に備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る包丁収納装置は、前記係合部は、前記開閉操作部の往復移動方向に交差する方向に突出する凸状をなし、前記開閉操作部は、前記往復移動方向に沿う板状部を有し、該板状部の一面は、指との接触面として用いるべく、前記指の滑り止めが設けてあり、前記板状部の他面側には、前記開閉部が前記挿入口の前記部分を閉鎖している場合に前記係合部が挿脱可能に挿入される係合凹部が設けてあることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る包丁収納装置は、前記筐体には、前記棒状部の下方の物体に上側から当接して支持される筐体支持部が突設してあることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る包丁収納装置は、前記筐体は、磁石を用いて着脱可能に前記棒状部の下方の物体に取り付けられるようにしてあることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る包丁収納装置は、前記筐体には、外部の物体を着脱可能に挟持する挟持部が設けてあり、前記筐体は、前記挟持部を用いて着脱可能に前記棒状部の下方の物体に取り付けられるようにしてあることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る包丁収納装置は、前記挟持部は前記物体を弾性的に挟持するようにしてあることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、システムキッチンは、調理台と、シンク台及びコンロ台の少なくとも一方とを一体に備える。以下ではシンク台を例示して説明するが、コンロ台でも同様である。
調理台とシンク台とは横方向に隣り合っている。シンク台には、抽斗が設けられている。調理台とシンク台とが隣り合う方向、及び、抽斗の出没方向は、使用者がシステムキッチンの正面に相対した場合の左右方向、及び、前後方向である。
【0021】
抽斗における調理台に近い側の妻板には、包丁収納装置が配されている。この包丁収納装置は、本発明に係る包丁収納装置に限定されるものではない。
調理台がシンク台の左側(又は右側)に隣り合っている場合、抽斗における調理台に近い側の妻板とは、抽斗の、左側(又は右側)の妻板である。以下では、この妻板を近接妻板という。
従って、使用者は、包丁を用いた調理を行なう前に、まず、調理台に接近し、シンク台から抽斗を引き出し、更に、包丁収納装置から包丁を取り出す。包丁収納装置は、近接妻板、即ち使用者に近い方の妻板に配されているため、使用者が包丁収納装置から包丁を取り出すことは容易である。
【0022】
次いで、使用者は、抽斗をシンク台へ押し入れる。この後、使用者は、包丁を用いて調理を行なう。
以上のように、使用者は、調理台に接近した後は、調理台及びシンク台の何れに対しても接離することなく、抽斗から包丁を取り出すことが可能である。
【0023】
本発明にあっては、抽斗は、少なくとも近接妻板の上方に、ギャラリーバー(抽斗の前板と先板とを連結する棒状部。即ち前後方向に配された棒状部)を有する。そして、近接妻板とギャラリーバーとに、本発明に係る包丁収納装置が着脱自在に配される。このために、包丁収納装置が備える筐体には、近接妻板の上方のギャラリーバーが嵌脱可能に嵌め込まれる嵌合部が設けられている。また、筐体は、着脱可能に近接妻板の側面に取り付けられる。
【0024】
筐体の頂部には、複数の挿入口が並設されている。各挿入口には、包丁の刃が挿入される。この結果、包丁収納装置には複数の包丁が収納される。複数の挿入口の並設方向は、前後方向である。このため、包丁収納装置は左右方向に小型化される。
更に包丁収納装置は、開閉部及び開閉操作部を備える。開閉操作部は、開閉部に連結してある。
【0025】
包丁の収納を所望する使用者は、開放されている挿入口に、包丁の刃を挿入する。この結果、筐体は、包丁の刃を収容する。包丁の柄は、挿入口の開口周縁部の一部に支持される。
次いで、使用者は、開閉操作部を操作する。このとき、開閉部が、挿入口における包丁の柄を支持していない辺りを閉鎖する。このため、包丁収納装置に収納されている包丁の取り出しが防止される。
【0026】
包丁の使用を所望する使用者は、開閉操作部を操作することによって、開閉部に挿入口を開放させる。この後、使用者は、包丁の柄を握持し、開放されている挿入口から、包丁の刃を引き抜く。この結果、収容されていた包丁が包丁収納装置から取り出される。
【0027】
本発明にあっては、開閉操作部は、筐体に形成された長孔に案内されることによって、往復移動操作される。
長孔は、筐体における前後方向の一側端部及び他側端部夫々に形成されている。即ち、筐体には2つの長孔が形成されている。
開閉部は、筐体の内部に配されている。また、開閉部には、各長孔に対応して、連結部が設けてある。即ち、開閉部には2つの連結部が形成されている。
開閉操作部の一部は、筐体の外部に配される。開閉操作部の他部は、2つの長孔の内、一方に挿通される。また、開閉操作部の他部は、自身が挿通されている長孔に対応する連結部に、着脱可能に取り付けられる。つまり、開閉操作部は、着脱可能に開閉部に連結してある。
【0028】
以上の結果、開閉操作部を、使用者から見て手前側の長孔を通して開閉部に連結することができる。
仮に、開閉操作部を、使用者から見て奥側の長孔を通して開閉部に連結した場合、抽斗を無用に大きく引き出さないと、使用者が開閉操作部を操作することができない虞がある。つまり、開閉操作部を手前側に配することによって、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0029】
このような構成の包丁収納装置を用いることによって、抽斗の右側に位置する近接妻板に配すべき包丁収納装置の構造と抽斗の左側に位置する近接妻板に配すべき包丁収納装置の構造とを共通化することができる。故に、同一の構造の包丁収納装置を量産することによる製造コストの削減を図ることができる。
また、開閉操作部が着脱可能であるため、使用者が使い難い部位に、無用な開閉操作部を配置する必要がない。従って、包丁収納装置の部品点数を低減することによる製造コスト及び材料コストの削減を図ることができる。
【0030】
本発明にあっては、筐体は柄支持部と刃収容部とを有する。刃収容部における筐体の頂部側には、柄支持部が着脱可能に取り付けられる。このとき、柄支持部は、開閉操作部が使用者から見て手前側になるよう柄支持部に取り付けることができる。
このような構成の包丁収納装置を用いることによって、抽斗の右側に位置する近接妻板に配すべき包丁収納装置の構造と抽斗の左側に位置する近接妻板に配すべき包丁収納装置の構造とを共通化することができる。故に、同一の構造の包丁収納装置を量産することによる製造コストの削減を図ることができる。
また、開閉操作部が着脱可能であるため、使用者が使い難い部位に、無用な開閉操作部を配置する必要がない。従って、包丁収納装置の部品点数を低減することによる製造コスト及び材料コストの削減を図ることができる。
【0031】
本発明にあっては、挿入口の開口周縁部が包丁の柄を傾斜させた状態で支持する。このため、収容されている包丁の柄を、使用者から見て手前側に傾斜させることができる。この結果、包丁を出し入れする使用者の利便性を向上させることができる。
【0032】
本発明にあっては、包丁の収納を所望する使用者は、開放されている挿入口に包丁の刃を挿入した後で、開閉操作部を操作する。このとき、開閉部が、挿入口における包丁の柄を支持していない辺りを閉鎖する。また、開閉操作部と係合部とが係合する。この結果、包丁収納装置に収納されている包丁の取り出しが防止される。また、開閉操作部の無用な往復移動が抑制される。
【0033】
包丁の使用を所望する使用者は、開閉操作部を操作する。このとき、開閉操作部と係合部との係合が解除される。また、開閉部が挿入口を開放する。この後、使用者は、包丁の柄を握持し、開放されている挿入口から、包丁の刃を引き抜く。この結果、収容されていた包丁が包丁収納装置から取り出される。
以上のようにして、いわゆるチャイルドロック機能が実現される。
チャイルドロック機能付きの包丁収納装置は、誤操作又は子供のいたずらによる危険な操作な等が抑制されるため、安全性が高い。
【0034】
本発明にあっては、開閉操作部は、開閉操作部の往復移動方向に沿う板状部を有する。
板状部の一面は、使用者の指との接触面として用いられる。このために、板状部の一面には指の滑り止めが設けられている。故に、使用者は、開閉操作部が有する接触面に指を置いて、開閉操作部を容易に往復移動させることができる。
板状部の他面側には、係合凹部が設けてある。
【0035】
開閉操作部が、往復移動の一方向に移動操作されて、開閉部が挿入口を閉鎖すると、凸状の係合部が、開閉操作部に設けられた係合凹部に挿入される。このため、係合部と開閉操作部とが係合する。
一方、開閉操作部が、往復移動の他方向に移動操作されて、開閉部が挿入口を開放すれば、係合部は開閉操作部に設けられた係合凹部から抜け出る。このため、係合部と開閉操作部との係合が解除される。
以上の結果、簡易な構成でチャイルドロック機能を実現することができる。
【0036】
また、係合時及び係合解除時には、凸状の係合部と開閉操作部に設けられた係合凹部との係脱によるクリック感が得られる。このため、使用者にチャイルドロックの完了又はチャイルドロックの解除が分かり易い。
ところで、開閉操作部と係合部とが係合した場合、係合部は開閉操作部が有する板状部に覆われるため、凸状の係合部が存在することによる視覚的な違和感が軽減される。
【0037】
本発明にあっては、筐体には、筐体支持部が突設してある。
筐体の嵌合部がギャラリーバーに嵌め込まれた場合、筐体支持部は近接妻板の上部に当接して支持される。この結果、筐体はギャラリーバー並びに近接妻板の上部及び側面によって3点支持される。従って、包丁収納装置は安定して抽斗に収容される。
【0038】
本発明にあっては、筐体は、磁石を用いて着脱可能に近接妻板の側面に取り付けられる。このため、近接妻板が強磁性体を用いてなる場合に、簡易な構成で筐体を着脱することができる。
【0039】
本発明にあっては、筐体は、近接妻板(例えば近接妻板の上部)を着脱可能に挟持する挟持部を用いて、着脱可能に近接妻板の側面に取り付けられる。このため、近接妻板が強磁性体を用いてなるか否かを問わず、簡易な構成で筐体を着脱することができる。
【0040】
本発明にあっては、挟持部は、近接妻板を着脱可能且つ弾性的に挟持する。このため、近接妻板に対する挟持部の着脱が容易である。また、挟持部が近接妻板を挟持することによる近接妻板の変形又は損傷等が抑制される。
【発明の効果】
【0041】
本発明のシステムキッチンによる場合、使用者は調理台に接近し、その場でシンク下(又はコンロ下)の抽斗を引き出して、包丁を取り出すことができる。即ち、抽斗から包丁を取り出す際の動線を短縮することができる。
しかも、包丁を取り出した後、たとえ抽斗を引き出したままにしておいたとしても、特段の問題なく、包丁を用いた調理を行なうことができる。
【0042】
本発明の包丁収納装置による場合、使用者の要望に応じて、包丁収納装置を抽斗の近接妻板に配した状態又は配していない状態のシステムキッチンを使用者に提供することができる。又は、使用者自身が、使い勝手に応じて包丁収納装置の取り付け又は取り外しを行なうことができる。
包丁収納装置は、近接妻板及びギャラリーバーに取り付けられるため、これらの何れか一方に取り付けられる場合より、安定性が高い。
近接妻板に配されている包丁収納装置は、抽斗から包丁を取り出す際の動線の短縮に寄与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。以下の説明では、図において矢符で示す上下、前後、及び左右を使用する。
【0045】
実施の形態 1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るシステムキッチン1の構成を示す斜視図である。
図1には、左斜め上から正面側を俯瞰した場合のシステムキッチン1が示されている。
システムキッチン1は、コンロ台10、調理台11、及びシンク台12を一体に備えたI型キッチンである。システムキッチン1の左側部、左右方向中央部、及び右側部が、コンロ台10、調理台11、及びシンク台12として機能する。つまり、コンロ台10、調理台11、及びシンク台12は、左右方向の横一列に配されている。
【0046】
コンロ台10は、上部にビルトイン型のグリル付きコンロ101を内蔵し、下部にオーブンレンジ102を内蔵している。コンロ台10の天面には、グリル付きコンロ101に設けられている3個の火口を露出させるための露出口100が設けられている。また、コンロ台10には、グリル付きコンロ101の左側に配された抽斗103と、オーブンレンジ102の左側であって抽斗103の下側に配された抽斗104とが設けられている。抽斗103,104には、例えば調味料の小瓶又は食用油のボトル等が収納される。
【0047】
調理台11は、コンロ台10の右側に隣り合っている。調理台11の天面110は、調理の際の作業スペースとして用いられる。調理台11には、上下3段の抽斗111〜113が設けられている。抽斗111〜113には、図示しないレードル又はカトラリー等が収納される。なお、調理台11は、例えば抽斗111〜113に替えて、ビルトイン型の食器洗い乾燥機を内蔵していてもよい。
シンク台12は、調理台11の右側に隣り合っている。シンク台12の天面にはシンク121が開口している。シンク121の上方には蛇口122が配されている。また、シンク台12には、上下2段の抽斗3,123が設けられている。下段の抽斗123には、図示しない鍋又は薬缶等が収納される。上段の抽斗3には、ザル又はボウル等が収納される。以下では、抽斗3には俎板が収納されているものとする。
【0048】
システムキッチン1は、コンロ台10、調理台11、及びシンク台12の本体となるキャビネット1aを備える。キャビネット1aは、中空の直方体状になしてあり、左右両側壁、後側壁、及び開口を有する天壁と、これらによって囲繞された空間を区画する複数枚の壁部とを用いてなる。この天壁に設けられている開口は、キャビネット1aの上部に、露出口100及びシンク121が設けられたワークトップ(天板)1bが取り付けられることによって閉鎖される。
システムキッチン1は、キャビネット1aに、グリル付きコンロ101及びオーブンレンジ102を組み込み、ワークトップ1bを取り付け、蛇口122を配設し、抽斗103,104,111〜113、抽斗3、及び抽斗123を収容してなる。
【0049】
ここで、抽斗3の構成について説明する。
抽斗3は、シンク台12に対して前後方向に出没する。このために、シンク台12には、抽斗3の出没を案内する図示しない案内レールが備えられている。
抽斗3は、前板31、先板32、底板33、妻板34,35、及びギャラリーバー36,37を備えている。
前板31、先板32、及び底板33は、抽斗3の前部、後部、及び底部を構成する矩形平板状部材である。前板31の前面(外面)には、抽斗3を引き出す際に把持すべき取っ手311が設けられている。妻板34,35は、抽斗3の左右両側部を構成しており、何れも強磁性体を用いてなる。妻板34,35は、互いに鏡像対称性を有する。
本実施の形態においては、抽斗3における左側の妻板34が、調理台11に近い側の妻板である。故に、妻板34は、近接妻板である。
【0050】
ギャラリーバー36,37夫々は、パイプを用いてなる棒状部材である。ギャラリーバー36,37は、何れも、前後方向に沿って横姿勢に配されている。ギャラリーバー36,37夫々の構造は同一である。ギャラリーバー36は、妻板34の上方にて前板31と先板32とを連結している。ギャラリーバー37は、妻板35の上方にて前板31と先板32とを連結している。
抽斗3には、包丁収納装置4が着脱可能に収容されている。
包丁収納装置4には、最大4丁の包丁2,2,…が各縦姿勢で収納される。各包丁2は、一般的な包丁であり、柱状の柄21と、柄21の一端部に配された刃22(次に説明する
図2参照)とを有する。
【0051】
図2は、抽斗3に収容されている包丁収納装置4の外観を示す斜視図である。
図2には、左斜め上から背面側を俯瞰した場合の抽斗3及び包丁収納装置4が示されている。ただし、抽斗3の先板32、妻板35、及びギャラリーバー37の図示は省略してある。
図3は、包丁収納装置4の構成を示す部分断面図である。
図3には、正面側から見た包丁収納装置4が示されており、後述する刃収容部412が断面で示されている。また、
図3には、抽斗3の正面側から前板31を透かして見た場合の底板33、妻板34、及びギャラリーバー36も示されている。前板31は想像線で示されている。
図2及び
図3を参照すればわかるように、妻板34の右面(即ち、妻板34における抽斗3の内部側の面)は、下部から上部へ向けて、外側へ広がるように傾斜している。
【0052】
図4及び
図5は、包丁収納装置4の構成を示す斜視図及び拡大断面図である。
図4には、右斜め上から背面側を俯瞰した場合の包丁収納装置4が示されている。
図5は、包丁収納装置4における後述する柄支持部411近傍の正面断面図である。
以下では、主として
図2〜
図5を参照しつつ、包丁収納装置4について説明する。
包丁収納装置4は、筐体41を備えている。筐体41は、筐体41の頂部を構成している柄支持部411と、筐体41の頂部以外を構成している刃収容部412とを有する。
【0053】
後述するようにして包丁収納装置4に包丁2が収納された場合、刃収容部412は、後述する挿入口42から挿入された刃22を収容する。刃収容部412は、概ね直方体状になしてあり、上部が開口している中空体である。刃収容部412は、上下方向の長さ(高さ)及び前後方向の長さ(前後長)に比べて左右方向の長さ(横幅)が小さい。
刃収容部412の左右両壁夫々には、各複数個の空気孔410,410,…が形成されている。刃22には水分が付着していることがあるが、空気孔410,410,…を通して刃収容部412の内外の空気が通流するため、刃22に付着している水分の蒸散が促進される。
【0054】
刃収容部412の右側壁は、縦姿勢に配された矩形平板状になしてある。
一方、刃収容部412の左側壁は、上部から上下方向中央部までは、縦姿勢に配された矩形平板状になしてあり、上下方向中央部から下部までは、下側へ向けて刃収容部412の横幅が狭まる方向に傾斜している矩形平板状になしてある。つまり、刃収容部412の左側壁は、上下方向中央部にて屈曲している。
従って、刃収容部412の横幅は、上部から上下方向中央部までは一定であるが、上下方向中央部から下部までは漸次減少している。
刃収容部412の左側壁における傾斜部分の傾斜角度は、妻板34の右面の傾斜角度に対応する。
【0055】
刃収容部412の左側壁における傾斜部分の内面には、複数個の永久磁石40,40,…が取り付けてある。刃収容部412は磁力を遮断しない。故に、刃収容部412の左側壁における傾斜部分の外面が、妻板34に接近すると、刃収容部412、ひいては筐体41が、永久磁石40,40,…の磁力によって、着脱可能に妻板34に吸着する。
各永久磁石40を、筐体41の内部の空隙に配置すれば、筐体41の内部空間を有効利用することができる。
なお、磁石を用いて着脱可能に筐体41を妻板34に取り付ける手段は、筐体41及び妻板34の一方を強磁性体で構成し、他方に磁石を内蔵する本実施の形態のような構成に限定されない。例えば、筐体41及び妻板34の両方に、互いに異極の磁石を内蔵することが考えられる。
【0056】
刃収容部412の左側壁における屈曲部分の外面には、ギャラリーバー36を受けるためのバー受け溝431が、刃収容部412の前端部から後端部まで前後方向に形成してある。バー受け溝431の内面は、横姿勢のギャラリーバー36の周面に対応する正面視弧状になしてある。
また、刃収容部412の左側壁から左方へ突設されている上下1対の挟持凸部432,432が、バー受け溝431の前端部及び後端部に対応して、1対ずつ設けられている。バー受け溝431は、挟持凸部432,432間に配されている。
そして、バー受け溝431と1対の挟持凸部432,432とが、嵌合部43として機能する。つまり、2個の嵌合部43,43が、刃収容部412の前端部及び後端部に1個ずつ配されている。ただし、バー受け溝431は、2個の嵌合部43,43で共通である。
【0057】
各挟持凸部432は弾性を有し、挟持凸部432,432の離隔距離はギャラリーバー36の外径よりも短い。このため、挟持凸部432,432間の空隙からバー受け溝431側へギャラリーバー36を押し込むと、嵌合部43に、挟持凸部432,432の弾性によって嵌脱可能に、ギャラリーバー36が嵌め込まれる。
【0058】
柄支持部411は、刃収容部412の上部開口を閉鎖するようにして刃収容部412に取り付けられている。柄支持部411は、横姿勢の半円筒状の天壁41aと、各縦姿勢の円板状の前側壁41b及び後側壁41cとを一体的に備える。天壁41aは、上方に向けて凸状になしてある。
天壁41aには、4個の支持凹部413,413,…が前後方向に並設されている。各支持凹部413は、平面視凸字状をなしている。更に詳細には、各支持凹部413は、横幅が狭い平面視矩形状の前側凹部と、横幅が広い平面視矩形状の後側凹部とが連通してなる。各支持凹部413の後側凹部の前後長及び横幅は、一般的な包丁2の柄21の太さ(例えば楕円柱状の柄であれば長径)よりも長い。
【0059】
各支持凹部413の底部には、前後方向に長い矩形状の挿入口42が開設してある。更に詳細には、支持凹部413の前側凹部の底部に挿入口42の前半部分が開設してあり、支持凹部413の後側凹部の底部に挿入口42の後半部分が開設してる。4個の挿入口42,42,…は、筐体41の頂部に前後方向に並設されている。
挿入口42の開口周縁部は、支持凹部413の底部の一部である。後述するようにして包丁収納装置4に包丁2が収納された場合、支持凹部413の後側凹部の底部は、包丁2の柄21を支持する。従って、挿入口42の後半部分の開口周縁部は、包丁2の柄21を支持する。
【0060】
各挿入口42の前後長さは、包丁2の刃22の刃先から峰までの長さよりも長い。挿入口42の後半部分の前後長さは、包丁2の刃22の刃先から峰までの長さよりも短い。各挿入口42の横幅は、一般的な包丁2の刃22の厚みよりも長く、柄21の太さよりも短い。従って、挿入口42には包丁2の刃22を挿入することはできるが、柄21を挿入することはできない。
各支持凹部413の側壁には、後述する開閉部44が摺動可能に挿通される図示しない挿通孔が形成されている。
【0061】
天壁41aの前端部には、平面視矩形状の長孔46が形成してある。長孔46の長手方向は、天壁41aの周方向に沿い、長孔46の短手方向は、天壁41aの軸長方向(即ち前後方向)に沿う。
天壁41aの外面には、係合部45が突設してある。係合部45は、頂部が丸みを帯びた円錐状になしてある。係合部45の突設位置は、長孔46の開口周縁左端部近傍である。
【0062】
柄支持部411の内部には、開閉部44が配されている。更に詳細には、開閉部44は、柄支持部411の天壁41aの内面に沿って配されている。このために、開閉部44は柄支持部411の天壁41aの内面に沿う半円筒状になしてある。
開閉部44の軸長方向の長さは、天壁41aの軸長方向の長さよりも短く、最も前側の支持凹部413の前端部と最も後ろ側の支持凹部413の後端部との前後方向の離隔距離よりも長い。
【0063】
図6は、包丁収納装置4が備える開閉部44の構成を示す斜視図である。
図6には、右斜め上から正面側を俯瞰した場合の開閉部44の前端部近傍が示されている。
図6には、後述する開閉操作部5が想像線で示されている。
開閉部44の前後方向両端部には、各縦姿勢の円板部441,441が一体に設けてあり、各円板部441には、前後方向に沿う横姿勢の回転軸部442が、開閉部44の外側へ向けて突設されている(
図6には前側の円板部441及び回転軸部442のみ図示)。開閉部44は、回転軸部442,442を中心にして、周方向に回転移動するようにしてある。このために、回転軸部442,442は、柄支持部411の前側壁41b及び後側壁41cによって、回転可能に支持されている。
開閉部44には、各矩形切り欠き状の4個の回避凹部443,443,…が、前後方向に並設されている(
図6には最も前側の回避凹部443のみ図示)。回避凹部443の配置位置は、柄支持部411における支持凹部413の後側凹部に対応する位置である。
【0064】
開閉部44が周方向に回転移動すると、全ての支持凹部413,413,…の前側凹部の上部開口が同時的に開閉される。一方、支持凹部413,413,…夫々の後側凹部の上部開口が閉鎖されることはない。何故ならば、開閉部44に回避凹部443,443,…が設けられていることによって、各支持凹部413の後側凹部の上部開口の閉鎖が回避されるからである。
以上の結果、4個の挿入口42,42,…は、夫々の前半部分が、開閉部44によって同時的に開閉されるが、夫々の後半部分が閉鎖されることはない。
挿入口42が開放されていれば、挿入口42に対する包丁2の刃22の抜き挿しは可能である。一方、挿入口42の前半部分が閉鎖してあれば、挿入口42に対する包丁2の刃22の抜き挿しは不可能である。
【0065】
ところで、開閉部44は、挿入口42に対する包丁2の抜き差しが可能な状態と不可能な状態とを切り替えるものである。従って、挿入口42に対する包丁2の抜き差しが可能な程度に支持凹部413,413,…の前側凹部が開放されるのであれば、支持凹部413,413,…の前側凹部を完全に開放する必要はない。同様に、挿入口42に対する包丁2の抜き差しが不可能な程度に支持凹部413,413,…の前側凹部が閉鎖されるのであれば、支持凹部413,413,…の前側凹部を完全に閉鎖する必要はない。
【0066】
図2〜
図6に示すように、包丁収納装置4は、開閉操作部5を更に備えている。開閉操作部5は、後述するように使用者に操作されることによって、柄支持部411の天壁41aの周方向に沿う方向に往復移動する。以下では、柄支持部411の天壁41aの周方向に沿う方向を往復移動方向という。また、柄支持部411の天壁41aの軸長方向に沿う方向を移動直交方向という。
開閉操作部5は、板状部51及び脚部52を一体に備える。開閉操作部5は、往復移動方向及び移動直交方向夫々について対称形状になしてある。
【0067】
板状部51は、往復移動方向に沿う湾曲した板状部材である。以下では、板状部51の湾曲凸状の面を接触面51aという。
接触面51aは、往復移動方向の長さが柄支持部411の長孔46の長手方向の長さよりも短く、移動直交方向の長さが長孔46の短手方向の長さよりも長い。
接触面51aには、接触面51aに使用者の指が接触した場合における使用者の指の滑り止めとして、複数本の凸条部511,511,…が突設してある。各凸条部511の長手方向は、移動直交方向である。このため、接触面51aに接触した指が往復移動方向に無用に滑ることが抑制される。
なお、接触面51aに設けるべき滑り止めは、凸条部511,511,…に限定されない。例えば接触面51aに設けるべき滑り止めは、千鳥配置された凸部であってもよい。たとえ接触面51aが平坦状であっても、接触面51a自体の指に対する摩擦抵抗が十分に大きければよい。
【0068】
板状部51の湾曲凹状の面側には脚部52が突設されている。脚部52は、往復移動方向の長さが接触面51aの往復移動方向の長さよりも短く、移動直交方向の長さが長孔46の短手方向の長さに対応する。脚部52は、板状部51が柄支持部411の外部に位置する姿勢で、長孔46に挿通されている。そして、脚部52の先端部が、開閉部44に連結されている。脚部52の開閉部44に対する連結は、固定的な連結(例えば接着剤による接着)である。なお、脚部52の開閉部44に対する連結は、着脱可能な連結でもよい。また、板状部51の他面側には、2個の凹部が脚部52を介在して往復移動方向に並設されている。この2個の凹部の内、係合部45に近い方が係合凹部53として機能する。
【0069】
使用者が指を接触面51aに接触させて、往復移動方向の外力を開閉操作部5に加えると、脚部52が長孔46の内面に摺動することによって、開閉操作部5が長孔46に案内されつつ往復移動方向に往復移動する。開閉操作部5の往復移動方向の往復移動に伴い、開閉部44も往復移動方向に往復移動する。
【0070】
使用者が開閉操作部5に対して左方向の外力を加えると、開閉操作部5が長孔46の左端部に移動し、開閉操作部5の板状部51が係合部45に当接する。そして、使用者が左方向の外力を加え続けると、板状部51が一時的に弾性変形することによって、板状部51が係合部45上に乗り上げ、ついには開閉操作部5の係合凹部53に、係合部45が挿脱可能に挿入される。このとき、開閉操作部5と係合部45とが係脱可能に係合する。開閉操作部5と係合部45とが係合している場合、開閉操作部5の無用な往復移動は阻止される(チャイルドロックの完了)。
開閉操作部5の左方向への移動に伴って、開閉部44は挿入口42,42,…夫々の前半部分を閉鎖する。開閉操作部5が長孔46の左端部に達すると、開閉操作部5と係合部45とが係合する。
【0071】
次に、使用者が開閉操作部5に対して右方向の外力を加えると、開閉操作部5の板状部51が一時的に弾性変形することによって、開閉操作部5の係合凹部53から係合部45が離脱する(チャイルドロックの解除)。更に、板状部51が係合部45上に乗り上げ、やがて板状部51が係合部45から離隔する。そして、使用者が右方向の外力を加え続けると、開閉操作部5が長孔46の右端部に移動する。開閉操作部5の右方向への移動に伴って、開閉部44は挿入口42,42,…夫々を開放する。
【0072】
係合部45の頂部が丸みを帯びているため、開閉操作部5と係合部45との係脱は円滑である。
また、開閉操作部5と係合部45との係脱時にクリック感が得られるため、使用者にチャイルドロックの完了又はチャイルドロックの解除が分かり易い。
開閉操作部5と係合部45が係合した場合、係合部45は開閉操作部5の板状部51に覆われる。このため、係合部45が無用に目立つことによって美観を損なう虞はない。
【0073】
次に、システムキッチン1の製造者が抽斗3に包丁収納装置4を取り付ける手順について説明する。
製造者は、抽斗3の妻板34及びギャラリーバー36に対して、包丁収納装置4の筐体41を右側から近づける。
このとき、製造者が、各嵌合部43の挟持凸部432,432間にギャラリーバー36を押し込むと、弾性によって挟持凸部432,432間が一時的に広がる。このため、ギャラリーバー36は、嵌合部43に嵌め込まれる。嵌合部43に嵌め込まれたギャラリーバー36は、バー受け溝431の内面に受け止められた状態で、挟持凸部432,432によって挟持される。
また、製造者が、刃収容部412の左側壁における傾斜部分を、妻板34の右面に接触させると、永久磁石40,40,…の磁力により、筐体41が妻板34に吸着する。つまり、筐体41は、永久磁石40,40,…を用いて着脱可能に妻板34の右面に取り付けられる。
【0074】
以上の結果、包丁収納装置4は、妻板34に着脱可能に配された状態で抽斗3に収容される。
図3には、筐体41の下部を底板33から適長離隔させた状態で、包丁収納装置4が妻板34及びギャラリーバー36に取り付けられている場合が示されている。筐体41の下部が底板33から離隔している理由は、妻板34の下部における右側へ突出した部分を避けるため、である。
このような場合でも、刃収容部412の左側壁が磁力によって妻板34の右面に支持され、ギャラリーバー36に嵌合部43,43が支持されている(即ち、包丁収納装置4が抽斗3によって2点支持されている)ため、包丁収納装置4の安定性は高い。
なお、筐体41が底板33の支持も受けられるようにすれば(例えば、筐体41の下部を底板33に接触させるか、又は、筐体41の下部に、底板33に接触する脚部を突設する等すれば)、包丁収納装置4の安定性は更に高まる。
【0075】
次に、抽斗3から包丁収納装置4を取り外す手順について説明する。
製造者が、包丁収納装置4の筐体41を、抽斗3の妻板34及びギャラリーバー36から右側へ遠ざけると、各嵌合部43の挟持凸部432,432間からギャラリーバー36が抜き出される。このとき、挟持凸部432,432間は、弾性によって一時的に広がる。また、筐体41の妻板34に対する永久磁石40,40,…を用いた吸着が解除される。
以上の結果、製造者は、使用者の要望に応じて、包丁収納装置4を抽斗3の妻板34に配した状態(又は配していない状態)で、システムキッチン1を使用者に提供することができる。
【0076】
なお、システムキッチン1の製造者に限定されず、システムキッチン1の使用者が、抽斗3に対する包丁収納装置4の取り付け及び/又は取り外しを行なってもよい。この場合、使用者は、使い勝手に応じて、包丁収納装置4を抽斗3の妻板34に配した状態(又は配していない状態)のシステムキッチン1を使用することができる。
【0077】
次に、包丁収納装置4に包丁2を収納する手順について説明する。
図7及び
図8は、包丁収納装置4において包丁2の抜き挿しが阻止されている状態を示す斜視図及び平面図である。
図9及び
図10は、包丁収納装置4において包丁2の抜き挿しが可能な状態を示す斜視図及び平面図である。
図7及び
図9には、右斜め上から正面側を俯瞰した場合の包丁収納装置4の柄支持部411の前端部近傍が示されている。
図8及び
図10には、包丁収納装置4の前端部近傍が示されている。
【0078】
まず、使用者は、開閉操作部5と係合部45との係合を解除して、開閉操作部5を長孔46の右端部まで移動させることによって、包丁収納装置4の挿入口42,42,…を開放する(
図9及び
図10参照)。次に、使用者は、包丁2の柄21を握持し、刃22の切っ先を下側に向け、刃22の刃先を前側に向けて、包丁2を縦姿勢にする(
図2参照)。この状態で、使用者は、刃22を、何れか一つの挿入口42(
図7及び
図9においては最も前側の挿入口42)へ挿し入れる。そして、使用者は、柄21の下側の端部が、支持凹部413の底部に当接したときに、柄21から手を離す。
このとき、包丁2の柄21は、筐体41の外部に露出した状態で、支持凹部413の後側凹部の底部に支持される。また、包丁2の刃22は、筐体41の刃収容部412に収容される。
【0079】
次いで、使用者はチャイルドロックを行なう。このために、使用者は、開閉操作部5を長孔46の左端部まで移動させる。この結果、挿入口42,42,…夫々の前半部分が閉鎖され、開閉操作部5と係合部45とが係合する(
図7及び
図8参照)。
開閉操作部5と係合部45との係合は、使用者の開閉操作部5に対する不用意な接触又は子供のいたずら等によって容易に解除されることはない。このため、安全性が向上する。
挿入口42が閉鎖されている状態で包丁2を取り出そうとしても、挿入口42から引き抜かれた刃22のあごが、開閉部44に当接する。このため、包丁収納装置4から包丁2を取り出すことはできない。
また、挿入口42が閉鎖されている状態で包丁2の刃22を挿入口42の後半部分へ挿入しようとしても、刃22が開閉部44に当接する。このため、包丁収納装置4に包丁2を収納することはできない。
【0080】
次に、包丁収納装置4から包丁2を取り出す手順について説明する。
まず、使用者は、開閉操作部5と係合部45との係合を解除して、開閉操作部5を長孔46の右端部まで移動させることによって、挿入口42,42,…を開放する(
図9及び
図10参照)。次に、使用者は、包丁2の柄21を握持し、挿入口42から刃22を引き抜く。このとき、使用者は包丁収納装置4から包丁2を取り出すことができる。
【0081】
次に、包丁2を用いた調理を行なう手順について説明する。
まず、使用者は、調理台11に接近し、シンク台12から抽斗3を引き出す。次いで、使用者は、抽斗3に収納されている俎板を取り出して調理台11の天面110に載置し、更に、包丁収納装置4から包丁2を取り出す。この後、使用者は、抽斗3をシンク台12に収納してから、調理台11上の俎板にて包丁2を用いた調理を行なう。
このように、使用者は、調理台11に接近した後は、調理台11及びシンク台12の何れに対しても接離することなく、抽斗3から包丁2及び俎板を取り出して、調理を行なうことできる。換言すれば、抽斗3から包丁2及び俎板を取り出す際の動線が短い。
包丁収納装置4は、使用者から見て奥側の妻板35ではなく、手前側の妻板34に配されている。このため、包丁を取り出すことは容易である。
【0082】
ところで、抽斗3は、シンク台12における上段側の抽斗であるが、これが下段側の抽斗であっても、包丁収納装置4に対する包丁2の出し入れの手順、及び包丁2を用いた調理を行なう手順は、ほとんど変わらない。
とはいえ、抽斗3が下段側の抽斗である場合、使用者が腰を屈めて包丁2の出し入れする必要がある。このため、抽斗3が上段側の抽斗である場合よりは利便性が悪くなる。換言すれば、抽斗3が上段側の抽斗である方が、包丁2を出し入れする際の利便性を向上させることができる。また、包丁収納装置4から調理台11の天面110まで(即ち包丁2の収納位置から包丁2が使用される位置まで)の距離が短いため、包丁2の取り回しにおける安全性が増すとも考えられる。
しかも、抽斗3が上段側の抽斗である場合、シンク台12におけるキャビネットの左側壁とシンク121の左側壁との間の空隙を、包丁収納装置4及び包丁収納装置4に収納されている各包丁2の柄21を配置するスペースとして有効活用すれば、デッドスペースを低減することができる。
【0083】
本実施の形態においては、開閉操作部5の係合凹部53と凸状の係合部45との挿脱による開閉操作部5と係合部45との係脱を例示したが、開閉操作部と係合部との係脱は、これに限定されるものではない。開閉操作部と係合部との係脱は、例えば、筐体41の長孔46に替えてクランク形状の長孔を設け、この長孔の角部と開閉操作部5の脚部52とが係脱することによるものであってもよい。このような構成の場合、開閉操作部5はクランク形状の長孔に案内されて移動し、開閉部44は、開閉操作部5の移動に伴って、筐体41の内部にて、往復移動方向への回転移動と直交移動方向への直線移動とを行なう。
本実施の形態のような長孔46の場合、開閉操作部5を往復移動方向に直線状に操作すれば開閉部44は開閉する。しかしながら、長孔がクランク形状であると、開閉操作部5を単純に直線状に操作しただけでは開閉部44を開閉させることはできない。即ち、チャイルドロックを実現することができる。
【0084】
なお、システムキッチン1は、調理台11と抽斗3が設けられているシンク台12とが横方向に隣り合っている構成であれば、I型に限定されず、L型又はU型等でもよい。
また、シンク体12に替えてコンロ台10が調理台11の右側に隣り合っている構成であれば、コンロ台10に抽斗3が設けられていればよい。
【0085】
実施の形態 2.
図11は、本発明の実施の形態2に係る包丁収納装置4の構成を示す斜視図である。
図11には、右斜め上から背面側を俯瞰した場合の包丁収納装置4が示されている。
本実施の形態のシステムキッチン1及び包丁収納装置4は、実施の形態1のシステムキッチン1及び包丁収納装置4と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
ここで、第1のシステムキッチン1と第2のシステムキッチン1とを考える。
第1のシステムキッチン1は、実施の形態1のシステムキッチン1と同様の構成を有する。従って、第1のシステムキッチン1における近接妻板は妻板34である。
【0086】
第2のシステムキッチン1は、シンク台12が調理台11の左側に隣り合っている構成である。このような構成においては、抽斗3における右側の妻板35が、調理台11に近い側の妻板である。従って、第2のシステムキッチン1における近接妻板は妻板35である。
妻板35の左面(即ち、妻板35における抽斗3の内部側の面)は、下部から上部へ向けて、外側へ広がるように傾斜している。
【0087】
妻板34,35は互いに鏡像対称性を有するため、包丁収納装置4において、刃収容部412の左側壁における傾斜部分の傾斜角度は、妻板34の右面の傾斜角度に対応すると同時に、妻板35の左面の傾斜角度にも対応する。
また、妻板35も強磁性体を用いてなるため、包丁収納装置4の筐体41は、永久磁石40,40,…の磁力によって、着脱可能に妻板35の左面に吸着する。
更に、ギャラリーバー36,37の構造は同一であるため、嵌合部43,43には、嵌脱可能にギャラリーバー37が嵌め込まれる。
【0088】
実施の形態1の包丁収納装置4の場合、筐体41における天壁41aの前端部にのみ、長孔46及び係合部45が1個ずつ形成してある。本実施の形態の包丁収納装置4の場合、天壁41aの後端部にも、長孔46及び係合部45が1個ずつ形成してある。長孔46,46同士及び係合部45,45同士は、平面視における天壁41aの前後左右方向中心位置に対して点対称である。従って、長孔46,46同士の長手方向(又は短手方向)は、互いに同一の方向である。また、係合部45,45の内、天壁41aの後端部に配されている方の突設位置は、長孔46の開口周縁右端部近傍である。
【0089】
開閉部44の前端部及び後端部には、貫通孔状の連結部47,47が1個ずつ設けられている(
図11には後端部の連結部47のみ図示)。
本実施の形態の包丁収納装置4の開閉操作部5は、脚部52の長さが、実施の形態1における脚部52の長さより長い。脚部52の先端部の形状と連結部47の形状とは対応している。脚部52の先端部が、嵌脱可能に連結部47に嵌め込まれることによって、開閉操作部5の脚部52が連結部47に着脱可能に連結される。この結果、開閉操作部5は、開閉部44の前端部及び後端部の何れかに、着脱可能に取り付けられる。
なお、開閉部44に対する開閉操作部5の着脱可能な連結は、貫通孔状の連結部47に対する開閉操作部5の脚部52の嵌脱可能な嵌め込みに限定されるものではない。例えば、開閉操作部5の脚部52及び連結部47夫々が互いに異極の永久磁石を用いて構成されていてもよい。この場合、永久磁石同士の吸着力によって、開閉操作部5の脚部52が連結部47に着脱可能に連結される。
【0090】
次に、第1及び第2夫々のシステムキッチン1の製造者が、抽斗3に包丁収納装置4を取り付ける手順について説明する。
第1のシステムキッチン1の製造者は、前側の長孔46を通して、開閉操作部5を開閉部44に取り付ける。
次いで、製造者は、
図11に示す包丁収納装置4の前側及び右側が、製造者から見て手前側及び右手側になるよう、包丁収納装置4を把持する。
この後、抽斗3に包丁収納装置4を取り付ける手順は、実施の形態1の手順と同じである。また、抽斗3から包丁収納装置4を取り外す手順も、実施の形態1の手順と同じである。
【0091】
第2のシステムキッチン1の製造者は、後ろ側の長孔46を通して、開閉操作部5を開閉部44に取り付ける。このとき、板状部51の他面側に設けられている2個の凹部の内、係合部45に近い方が係合凹部53として機能する。
次いで、製造者は、
図11に示す包丁収納装置4の前側及び右側が、製造者から見て奥側及び左手側になるよう、包丁収納装置4を把持する。
この後、製造者は、抽斗3の妻板35及びギャラリーバー37に対して、包丁収納装置4の筐体41を左側から近づける。そして、製造者が、各嵌合部43の挟持凸部432,432間にギャラリーバー37を押し込み、筐体41を妻板35の左面に接触させれば、包丁収納装置4は、妻板35に着脱可能に配された状態で抽斗3に収容される。
【0092】
つまり、第2のシステムキッチン1において、抽斗3に包丁収納装置4を取り付ける手順は、第1のシステムキッチン1において、抽斗3に包丁収納装置4を取り付ける手順を左右逆転させたものである。抽斗3から包丁収納装置4を取り外す手順も、第1のシステムキッチン1に係る手順を左右逆転させたものである。
このため、第1(又は第2)のシステムキッチン1に配されていた包丁収納装置4を取り外し、開閉操作部5を前側(又は後ろ側)の連結部47から後ろ側(前側)の連結部47に付け替えれば、第2(又は第1)のシステムキッチン1に配することができる。換言すれば、第1及び第2のシステムキッチン1に配すべき包丁収納装置4,4の構成を共通化することができる。故に、同一の構造の包丁収納装置4を量産することによる製造コストの削減を図ることができる。
また、前後2個の連結部47に対して2個の開閉操作部5を準備する必要がないため、包丁収納装置4の部品点数を低減することによる製造コスト及び材料コストの削減を図ることができる。
【0093】
次に、包丁収納装置4に包丁2を収納する手順、及び、包丁収納装置4から包丁2を取り出す手順について説明する。
第1のシステムキッチン1においては、実施の形態1における手順と同じである。従って、使用者は、開閉操作部5を自身の左手側へ移動させることによってチャイルドロックを行ない、開閉操作部5を自身の右手側へ移動させることによってチャイルドロックを解除する。そして、使用者は、包丁2の刃22の刃先が使用者自身の手前側に向いた状態で、包丁2を出し入れする。このとき、包丁2は使用者の右手側に位置しているため、第1のシステムキッチン1は、右利きの使用者にとって利便性が高い。
【0094】
第2のシステムキッチン1においても、使用者は、開閉操作部5を自身の左手側へ移動させることによってチャイルドロックを行ない、開閉操作部5を自身の右手側へ移動させることによってチャイルドロックを解除する。そして、使用者は、包丁2の刃22の刃先が奥側に向いた状態で、包丁2を出し入れする。このとき、包丁2は使用者の左手側に位置しているため、第2のシステムキッチン1は、左利きの使用者にとって利便性が高い。
以上のように、第1及び第2のシステムキッチン1における包丁収納装置4に包丁2を収納する手順と包丁収納装置4から包丁2を取り出す手順とが概ね共通化されている。
【0095】
次に、包丁2を用いた調理を行なう手順について説明する。
この手順は、第1及び第2のシステムキッチン1の何れであっても、実施の形態1の手順と同じである。従って、何れのシステムキッチン1を用いる場合であっても、抽斗3から包丁2及び俎板を取り出す際の動線は短い。
【0096】
実施の形態 3.
本実施の形態のシステムキッチン1及び包丁収納装置4は、実施の形態1のシステムキッチン1及び包丁収納装置4と略同様の構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0097】
図12及び
図13は、本発明の実施の形態3に係る包丁収納装置4の構成を示す斜視図及び正面図である。
図12及び
図13に示す包丁収納装置4は、第1のシステムキッチン1(実施の形態2参照)が備えるシンク台12に設けられている抽斗3に収容されている。
図12には、右斜め上から正面側を俯瞰した場合の包丁収納装置4が示されている。
一方、
図14及び
図15は、第2のシステムキッチン1(実施の形態2参照)が備えるシンク台12に設けられている抽斗3に収容されている包丁収納装置4の構成を示す斜視図及び正面図である。
図14には、左斜め上から正面側を俯瞰した場合の包丁収納装置4が示されている。
図16は、包丁収納装置4において包丁2の抜き挿しが阻止されている状態を示す平面図である。
図17は、包丁収納装置4において包丁2の抜き挿しが可能な状態を示す平面図である。
【0098】
本実施の形態の包丁収納装置4が備える筐体41の柄支持部61及び刃収容部62は、実施の形態1の包丁収納装置4が備える筐体41の柄支持部411及び刃収容部412に対応する。また、本実施の形態の包丁収納装置4が備える開閉操作部7は、実施の形態1の包丁収納装置4が備える開閉操作部5に対応する。
実施の形態2の包丁収納装置4は、妻板34に配される場合も妻板35に配される場合も開閉操作部5を使用者から見て手前側に配置することが可能である。本実施の形態の包丁収納装置4も、実施の形態2の包丁収納装置4と同様に、妻板34に配される場合も妻板35に配される場合も開閉操作部7を使用者から見て手前側に配置することが可能なように構成してある。
【0099】
まず、第1のシステムキッチン1に係る包丁収納装置4(
図12及び
図13参照)について説明する。
刃収容部62には、実施の形態1のバー受け溝431に対応するバー受け溝671が形成してある。また、刃収容部62の左側壁から左方へ突設されている弾性凸部672,672,…が、バー受け溝671の前端部及び後端部に対応して、2個ずつ設けられている。弾性凸部672は、バー受け溝671の上側に位置している。そして、バー受け溝671と1個の弾性凸部672とが、嵌合部67として機能する。つまり、4個の嵌合部67,67,…が、刃収容部62の前端部及び後端部に2個ずつ配されている。ただし、バー受け溝671は、4個の嵌合部67,67,…で共通である。
【0100】
各弾性凸部672の下部には、正面視弧状の凹面が形成されている。バー受け溝671の内面と弾性凸部672の凹面とは連続している。このような嵌合部67の内面は、ギャラリーバー36の周面に対応する正面視弧状になしてある。
弾性凸部672の凹面の左端部とバー受け溝671の下端部との離隔距離はギャラリーバー36の外径よりも短い。このため、弾性凸部672の凹面の左端部とバー受け溝671の下端部との間の空隙からバー受け溝671側へギャラリーバー36を押し込むと、嵌合部67に、弾性凸部672の弾性によって嵌脱可能に、ギャラリーバー36が嵌め込まれる。
【0101】
刃収容部62の左側壁における各弾性凸部672の下側には、筐体支持部63が配されている。つまり、柄支持部61は、2個ずつ刃収容部62の前端部近傍及び後端部近傍に配された4個の筐体支持部63,63,…を備える。
嵌合部67,67,…にギャラリーバー36が嵌め込まれると、弾性凸部672,672,…は、ギャラリーバー36によって下側から支持される。このとき、筐体支持部63,63,…は妻板34の頂部に上側から当接し、妻板34によって下側から支持される。
そして、刃収容部62は、永久磁石40,40,…の磁力によって、着脱可能に妻板34の右面に吸着する。
以上の結果、本実施の形態における筐体41は、妻板34の頂部及び右面、並びにギャラリーバー36によって支持される。この結果、包丁収納装置4が抽斗3によって3点支持されるため、包丁収納装置4の安定性は実施の形態1の包丁収納装置4よりも更に高い。
【0102】
柄支持部61は、刃収容部62の上部開口を閉鎖するようにして刃収容部62に着脱可能に取り付けられている。ここで、筐体41は、柄支持部61の前端部側を刃収容部62の前側に向けて柄支持部61を刃収容部62に取り付けることも、柄支持部61の前端部側を刃収容部62の後ろ側に向けて柄支持部61を刃収容部62に取り付けることも可能である。第1のシステムキッチン1に係る包丁収納装置4は、柄支持部61の前端部側を刃収容部62の前側にして柄支持部61を刃収容部62に取り付けてある。
柄支持部61を刃収容部62に対して着脱可能に取り付ける構成は特に限定されない。この構成は、例えば、柄支持部61及び刃収容部62夫々の対応する箇所に異極の永久磁石が配されることによるものであってもよい。又は、この構成は、柄支持部61及び刃収容部62夫々に、弾性によって着脱可能に係合し合う突起及び突起受けが設けてあることによるものであってもよい。
【0103】
柄支持部61は、実施の形態1の天壁41a及び後側壁41cに対応する天壁61a及び後側壁を一体に備える。
天壁41aには、実施の形態1の挿入口42,42,…に対応する4個の挿入口64,64,…が前後方向に並設されている(
図16及び
図17に各1個のみ図示)。また、天壁41aの前端部には、実施の形態1の長孔46に対応する図示しない長孔が形成してある。
ただし、天壁41aには、実施の形態1の支持凹部413,413,…に対応するものは設けられていない。
また、天壁41aには、実施の形態1の係合部45に対応するものは設けられていない。つまり、本実施の形態の包丁収納装置4は、チャイルドロック機能を有していない。
【0104】
また、天壁41aには、挿入口64,64,…夫々に対応して、傾斜凹部68,68,…が設けられている(
図16及び
図17に各1個のみ図示)。
各傾斜凹部68は、挿入口64の開口周縁部の前後方向中央部に位置している。傾斜凹部68は、縦姿勢の逆三角形状の左右両側面と、前側及び後ろ側の各矩形状の傾斜面681,682を有する。傾斜面681,682の交差角度は90°である。傾斜面681は、傾斜面681,682の境界部分を通る仮想的な鉛直面に対して前側に所定角度θ(例えば60°)傾斜している。傾斜面681,682には挿入口64の開口周縁部の前後方向中央部が含まれている。
【0105】
4個の挿入口64,64,…の内、前から数えて1個目から3個目までの挿入口64,64,…の何れかに対して包丁2の刃22を挿入した場合、包丁2の柄21の下側の端部は、傾斜凹部68に挿入される。このとき、柄21は、傾斜面681,682によって前側に所定角度θ傾斜した傾斜姿勢で支持される。また、刃22も前側に所定角度θ傾斜した傾斜姿勢で刃収容部62に収容される。
【0106】
刃22が傾斜姿勢で刃収容部62に収容されるため、前から4個目の挿入口64に大型の包丁2の刃22を挿入した場合には、刃22が刃収容部62の後面に当接してしまって、刃22全体を刃収容部62に収容することができない、という不都合が生じることがある。
そこで、前から4個目の挿入口64に対しては、小型の包丁20が収納される。包丁20の刃202は、包丁2の刃22よりも短いため、刃202全体を刃収容部62に収容することができる。このとき、包丁20の柄201は、傾斜面681,682によって前側に所定角度θ傾斜した傾斜姿勢で支持される。
【0107】
包丁2,20が傾斜姿勢で包丁収納装置4に収納される利点は、包丁収納装置4の最下部から、収納されている包丁2,20の最上部までの上下長さが短くなることである。つまり、包丁2,20の収容に必要な空間が上下方向にコンパクトになる。
また、包丁収納装置4に収納されている包丁2,20の柄21,201を使用者が握持し易いことも利点である。何故ならば、柄21,201が使用者から見て手前側に傾いているからである。
前述したように、大型の包丁2を、前から4個目の挿入口64を用いて包丁収納装置4に収納することはできない。一方、小型の包丁20を、前から数えて1個目から3個目までの挿入口64,64,…の何れかを用いて包丁収納装置4に収納することに特段の問題はない。
【0108】
柄支持部61の内部には、実施の形態1の開閉部44に対応する開閉部65が配されている。開閉部65には、各矩形切り欠き状の4個の回避凹部653,653,…が、前後方向に並設されている(
図16に、最も前側の回避凹部653のみ図示)。回避凹部653の配置位置は、柄支持部61における傾斜凹部68(即ち挿入口64の前後方向中央部)と挿入口64の後部とに対応する位置である。従って、開閉部65は、各挿入口64の前部を開閉する。
挿入口64が開放されていれば、挿入口64に対する包丁2の刃22又は包丁20の刃202の抜き挿しは可能である。一方、挿入口64の前部が閉鎖してあれば、挿入口64に包丁2の刃22及び包丁20の刃202の抜き挿しは何れも不可能である。
【0109】
開閉部65には、実施の形態1の開閉部44が有する円板部441,441及び回転軸部442,442に対応する円板部及び回転軸部(各不図示)が設けられている。ただし、柄支持部61には実施の形態1の前側壁41bに対応するものが設けられていないため、開閉部65の前側の回転軸部は、後述する円板部74に回転可能に支持されている。
開閉部65には回避凹部653,653,…が設けられているため、開閉部65は傾斜凹部68,68,…の側面への当接を回避する。つまり、傾斜凹部68,68,…の側面が開閉部65の回転移動を阻害することはない。
【0110】
開閉操作部7は、実施の形態1の開閉操作部5が有する板状部51及び脚部52に対応する板状部71及び不図示の脚部と、円板部74とを一体に備える。開閉操作部7の脚部は、天壁41aの前述した長孔を通して、開閉部65に連結されている。
板状部71には、実施の形態1の凸条部511,511,…に対応する複数本の凸条部711,711,…が設けられている。ただし、板状部71には係合凹部53に対応するものが設けられている必要はない。
円板部74は、板状部71の前端部に縦姿勢で突設されている。円板部74は、開閉部65の前側の回転軸部を支持すると共に、板状部51の往復移動に伴い、この回転軸部を中心にして、この回転軸部と共に回転する。
【0111】
次に、第2のシステムキッチン1に係る包丁収納装置4(
図14及び
図15参照)について説明する。
第2のシステムキッチン1に係る包丁収納装置4は、第1のシステムキッチン1に係る包丁収納装置4と同様の構成である。ただし、第2のシステムキッチン1に係る包丁収納装置4は、柄支持部61の前端部側を刃収容部62の後ろ側に向けて柄支持部61を刃収容部62に取り付けてある。そして、柄支持部61の前端部側及び刃収容部62の後ろ側が製造者又は使用者から見て手間側になるように、筐体41が妻板35に配されている。
このとき、嵌合部67,67,…にギャラリーバー37が嵌め込まれ、筐体支持部63,63,…は妻板35の頂部に上側から当接する。また、刃収容部62は、永久磁石40,40,…の磁力によって、着脱可能に妻板35の左面に吸着する。従って、筐体41は、妻板35の頂部及び左面、並びにギャラリーバー37によって支持される。つまり、第2のシステムキッチン1においても、包丁収納装置4は抽斗3によって3点支持される。
【0112】
なお、本実施の形態の包丁収納装置4も、チャイルドロック機能を有している構成でもよい。
また、本実施の形態の筐体支持部63,63,…に相当するものが、実施の形態1の包丁収納装置4に備えられていてもよい。
【0113】
実施の形態 4.
本実施の形態のシステムキッチン1及び包丁収納装置4は、実施の形態3のシステムキッチン1及び包丁収納装置4と略同様の構成である。具体的には、本実施の形態の包丁収納装置4は、実施の形態3の包丁収納装置4と同様に、妻板34に配される場合も妻板35に配される場合も開閉操作部7を使用者から見て手前側に配置することが可能なように構成してある。以下では、実施の形態3との差異について説明し、その他、実施の形態3に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0114】
図18及び
図19は、本発明の実施の形態4に係る包丁収納装置4の構成を示す斜視図及び正面図である。
図18及び
図19に示す包丁収納装置4は、第1のシステムキッチン1(実施の形態2参照)が備えるシンク台12に設けられている抽斗3に収容されている。
図18には、右斜め上から正面側を俯瞰した場合の包丁収納装置4が示されている。
図18及び
図19は、実施の形態3の
図12及び
図13に対応する。
図20は、包丁収納装置4の内部構成を示す斜視図である。
【0115】
まず、第1のシステムキッチン1に係る包丁収納装置4について説明する。
包丁収納装置4は、実施の形態3における4個の弾性凸部672,672,…に替えて、2個の弾性凸部673,673を備える。
各弾性凸部673は鉤状になしてある。正面視における弾性凸部673の内面の形状は、上側に凹む弧状の凹面である。バー受け溝671の内面と弾性凸部672の凹面とは連続している。そして、バー受け溝671と1個の弾性凸部673とが、実施の形態3の嵌合部67と同様の嵌合部67として機能する。
【0116】
また、包丁収納装置4は、実施の形態3における4個の筐体支持部63,63,…に替えて、2個の弾性挟持部(挟持部)66,66を備える。更に、包丁収納装置4は、永久磁石40,40,…を備えていない。
弾性挟持部66,66は、刃収容部62の前端部近傍及び後端部近傍に1個ずつ配されている。
各弾性挟持部66は、妻板34の頂部を弾性的に挟持する。このために、弾性挟持部66は下向きに開口した凹状になしてある。弾性挟持部66の内面形状は、妻板34の頂部の外面形状に対応する。
【0117】
次に、製造者が抽斗3に包丁収納装置4を取り付ける手順について説明する。
製造者は、抽斗3の妻板34及びギャラリーバー36に対して、包丁収納装置4の筐体41を右上側から近づける。
このとき、製造者が、各嵌合部67へギャラリーバー36を押し込むと、嵌合部67に、弾性凸部673の弾性によって嵌脱可能に、ギャラリーバー36が嵌め込まれる。
また、製造者が、各弾性挟持部66を妻板34の頂部に右上側から被せると、弾性挟持部66が弾性変形によって一時的に広がり、妻板34の頂部が各弾性挟持部66の内部に押し込まれる。この後、弾性挟持部66の弾性復元力によって、妻板34の頂部が挟持される。すると、筐体41(更に詳細には刃収容部62)の左面は、妻板34の右面に接触する。
【0118】
嵌合部67,67にギャラリーバー36が嵌め込まれると、弾性凸部673,673は、ギャラリーバー36によって下側から支持される。また、弾性挟持部66,66が妻板34の頂部を挟持することによって、弾性挟持部66,66は妻板34によって下側から支持され、筐体41の左面は妻板34の右面に左下側から支持される。
以上の結果、本実施の形態における筐体41は、妻板34の頂部及び右面、並びにギャラリーバー36によって支持される。この結果、包丁収納装置4が抽斗3によって3点支持されるため、包丁収納装置4の安定性は、実施の形態3の包丁収納装置4と同様に高い。
【0119】
しかも、本実施の形態の包丁収納装置4は、永久磁石40,40,…を備えていない分、部品点数が少ない。更に、筐体41の内部空間を、永久磁石40の配置空間としてではなく、包丁2の刃22又は包丁20の刃202を収容するための空間、或いは筐体41を補強するリブを突設するための空間等として有効利用することができる。更にまた、妻板34は強磁性体を用いてなる構成に限定されないため、抽斗3の設計の自由度が向上する。
【0120】
ここで、抽斗3から包丁収納装置4を取り外す手順について説明する。
製造者が包丁収納装置4の筐体41を抽斗3の妻板34及びギャラリーバー36から右上側へ遠ざけると、嵌合部67,67及び弾性挟持部66,66夫々の弾性変形を経て、嵌合部67,67からギャラリーバー36が抜き出され、弾性挟持部66,66から妻板34が抜き出される。
以上のような弾性挟持部66は、妻板34に対する着脱が容易である。しかも、弾性挟持部66は、弾性挟持部66自身が弾性変形することにより、妻板34の挟持に伴って妻板34に加えられる外力を緩和することができる。このため、弾性挟持部66に挟持されたせいで妻板34が変形したり損傷したりすることが抑制される。
なお、包丁収納装置4が備えるべき挟持部は、弾性挟持部66に限定されない。故に、包丁収納装置4は、弾性挟持部66に替えて、例えばクランプ状の挟持部を備え、クランプのネジの締め付けによって妻板34を挟持する構成であってもよい。
【0121】
本実施の形態の包丁収納装置4は、3個の刃受け部48,48,…を備える。
刃受け部48,48,…は、前から3個の挿入口64,64,…の下方に1個ずつ配されている。
各刃受け部48は、刃収容部62の左側壁62cの内面に取り付けられた板状部材を用いてなる。刃受け部48は、前側が高く、後ろ側が低くなるよう傾斜している。
包丁2の刃22が挿入口64に挿入されると、刃22の刃先が刃受け部48に受け止められる。この結果、大型の包丁2は、柄21が傾斜凹部68の傾斜面681,682によって支持され、刃22が刃受け部48によって支持された傾斜姿勢で、安定して包丁収納装置4に収納される。
【0122】
本実施の形態においても、柄支持部61は、刃収容部62の上部開口を閉鎖するようにして刃収容部62に着脱可能に取り付けられる。このために、刃収容部62は、前側壁62a、後側壁62b、及び左側壁62cを一体に有する部分(以下、刃収容部62の本体部分という)に対し、右側壁62dがスライド式に開閉可能にしてある。
前側壁62a及び後側壁62b夫々の内面には、溝部621,621が1本ずつ設けられている。前側壁62a及び後側壁62b夫々の下部には、嵌合孔622,622が1個ずつ設けられている。
図20には、後側壁62bの溝部621と、前側壁62aの嵌合孔622とが図示してある。
【0123】
各溝部621の長さ方向は、上下方向である。溝部621,621には、右側壁62dの前後両端部が嵌脱可能に嵌め込まれる。溝部621,621の内面は、右側壁62dの上下方向のスライドを案内する。
嵌合孔622,622には、後述する嵌合突起623,623が嵌脱可能に嵌め込まれる。
右側壁62dの前後両端下部には、左方へ突出する縦姿勢の板状部624,624が1個ずつ設けられている。前側の板状部624の正面には嵌合突起623が突設されている。後ろ側の板状部624の背面には嵌合突起623が突設されている。
図20には前側の嵌合突起623及び板状部624が図示されている。
【0124】
柄支持部61及び刃収容部62の本体部には、例えば、挿入凸部と、挿入凸部が挿脱可能に挿入される挿入凹部とが形成されている(各不図示)。挿入凸部が挿入凹部に挿入されると、柄支持部61が刃収容部62の本体部に対して位置決めされる。
また、柄支持部61及び右側壁62dには、例えば、係合突起と、係合突起が係脱可能に係合する凹状の突起受けとが形成されている(各不図示)。係合突起が突起受けに係合すると、柄支持部61が刃収容部62に着脱可能に装着される。
【0125】
刃収容部62において、右側壁62dに対し下方への外力が加えられると、嵌合孔622,622と嵌合突起623,623との嵌合が解除され、また、前述の係合突起と突起受けとの係合が解除されて、右側壁62dが下方へスライドし、刃収容部62が開く。
刃収容部62が開いた状態であれば、前述の挿入凸部を挿入凹部に対して挿脱することによって、刃収容部62の本体部分に対して柄支持部61を着脱することは容易である。
【0126】
刃収容部62の本体部分に柄支持部61を配置した状態で、右側壁62dに対し上方への外力が加えられると、右側壁62dが上方へスライドし、刃収容部62が閉じる。このとき、嵌合孔622,622に嵌合突起623,623が嵌め込まれ、また、前述の係合突起と突起受けとが係合する。この結果、前側壁62aが刃収容部62の本体部分に装着されると共に、柄支持部61が刃収容部62に装着される。つまり、前側壁62aは、刃収容部62から柄支持部61が脱離することを防止する。
【0127】
なお、右側壁62dは刃収容部62の本体部分をスライド式に開閉する構成に限定されない。例えば、右側壁62dは刃収容部62の本体部分をヒンジ蓋状に開閉する構成でもよい。また、右側壁62dは、刃収容部62の本体部分に嵌脱可能に嵌め込まれることによって刃収容部62の本体部分を開閉する構成でもよい。
【0128】
次に、第2のシステムキッチン1に係る包丁収納装置4について説明する。
第2のシステムキッチン1に係る包丁収納装置4は、柄支持部61の前端部側を刃収容部62の後ろ側に向けて柄支持部61を刃収容部62に取り付けてある。そして、柄支持部61の前端部側及び刃収容部62の後ろ側が製造者又は使用者から見て手間側になるように、筐体41が妻板35に配されている。
このとき、嵌合部67,67,…にギャラリーバー37が嵌め込まれ、弾性挟持部66,66は妻板35の頂部を挟持する。従って、筐体41は、妻板35の頂部及び左面、並びにギャラリーバー37によって支持される。つまり、第2のシステムキッチン1においても、包丁収納装置4は抽斗3によって3点支持される。
【0129】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
また、本発明の効果がある限りにおいて、システムキッチン1又は包丁収納装置4に、実施の形態1,2に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
各実施の形態に開示されている構成要件(技術的特徴)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせによって新しい技術的特徴を形成することができる。