(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0017】
〔1〕<最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能な不揮発性メモリを内蔵する表示制御装置>
本発明の代表的な実施の形態に係る表示制御装置(20)は、レジスタファイル(3)と、不揮発性メモリ(1、NVM:Non-Volatile Memory)と、不揮発性メモリ制御回路(2)と、インターフェース回路(4)とを有し、前記複数のレジスタに格納される値に基づいて制御を行う表示制御装置であって、以下のように構成される。前記レジスタファイル(3)は、第1レジスタ(Reg_1〜Reg_x)と第2レジスタ(Reg_x+1〜Reg_x+y)を含む複数のレジスタを有しレジスタアドレスで指定されるレジスタをアクセス可能に構成される。前記不揮発性メモリ(1)は、前記レジスタのビット数と同じビット数の1回のみのデータの書込みが可能な不揮発性記憶素子(OTP:One Time Programmable)で構成されるワードを複数備え不揮発性メモリアドレスで指定されるワードをアクセス可能に構成される。前記インターフェース回路(4)は、前記複数のレジスタに対する外部からのアクセスを可能とする。
【0018】
前記不揮発性メモリは、第1バンク(バンクA)と、第2バンク(バンクB)とを備え、さらに、第1バンク情報(バンクA情報)と、第2バンク情報(バンクB情報)とを格納可能に構成される。前記第1バンク(バンクA)は、前記第1レジスタの値を格納可能なnワードを含み、前記第2バンク(バンクB)は、前記第2レジスタの値を格納可能なmワードを含む。ここで、nとmはそれぞれ自然数であり、互いに異なる。前記第1バンク情報(バンクA情報)は、前記第1レジスタの最新のデータが格納されている前記不揮発性メモリ内の位置情報を示し、前記第2バンク情報(バンクB情報)は、前記第2レジスタの最新のデータが格納されている前記不揮発性メモリ内の位置情報を示す。
【0019】
前記不揮発性メモリ制御回路は、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とを順次読み出し(S1_A,S1_B)、読み出された前記第1バンク情報に基づいて前記第1バンクにアクセスし(S3_A,S10_A)、読み出された前記第2バンク情報に基づいて前記第2バンクにアクセスする(S3_B,S10_B)制御を可能に構成される。
【0020】
これにより、第1バンク(バンクA)に格納されるパラメータは最大書き換え回数がn回となり、第2バンク(バンクB)に格納されるパラメータは最大書き換え回数がm回となる。したがって、表示のための種々の制御パラメータを保持するレジスタと、各レジスタに保持されるパラメータを記憶する不揮発性メモリとを備える表示制御装置において、1つの不揮発性メモリに最大書き換え回数の異なる複数のバンクを形成して、パラメータごとに、要求される最大書き換え回数に応じたバンクに記憶されるように、構成することができる。このように、最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能な不揮発性メモリを内蔵する半導体集積回路、特に、表示制御装置を提供することができる。
【0021】
〔2〕<アドレスカウンタ>
項1において、前記不揮発性メモリ制御回路は、アドレスカウンタ(8)を備える。前記不揮発性メモリ制御回路は、前記アドレスカウンタの出力に基づいて前記レジスタアドレスを算出する。さらに、前記アドレスカウンタの出力と読み出された前記第1バンク情報に基づいて前記第1バンクにアクセスするための不揮発性メモリアドレス(NVMアドレス)を算出し、前記アドレスカウンタの出力と読み出された前記第2バンク情報に基づいて前記第2バンクにアクセスするための不揮発性メモリアドレスを算出可能に構成される(6)。
【0022】
これにより、レジスタアドレスと対応する不揮発性メモリアドレス(NVMアドレス)が、共通のアドレスカウンタ(8)の出力から算出され、第1バンクへのアクセスと第2バンクへのアクセスが順次実行される。不揮発性メモリ制御回路(2)内の回路が共通化されるので、回路規模と動作時の消費電力の増加を招くことなく、1つの不揮発性メモリ(1)に最大書き換え回数の異なる複数のバンクを形成することができる。
【0023】
〔3〕<ロード>
項2において、前記不揮発性メモリ制御回路にはロード開始信号が入力される。前記不揮発性メモリ制御回路は、前記ロード開始信号がアサートされたときに、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とを読み出す(S1_A,S1_B)。その後、前記第1バンク情報に基づいて前記第1バンクの中の前記第1レジスタの最新のデータが格納されているワードからデータを読み出して前記第1レジスタに転送する(S3_A)。さらにその後、前記第2バンク情報に基づいて前記第2バンクの中の前記第2レジスタの最新のデータが格納されているワードからデータを読み出して前記第2レジスタに転送する(S3_B)。
【0024】
これにより、不揮発性メモリからレジスタファイルへのパラメータのロードを、それらのパラメータが格納されているバンクが異なる場合にも、レジスタアドレスのカウントアップに合わせて、1つのシーケンス内で順次実行することができる。
【0025】
〔4〕<書込み>
項2において、前記不揮発性メモリ制御回路には書込み開始信号が入力される。前記不揮発性メモリ制御回路は、前記書込み開始信号がアサートされたときに、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とを読み出す(S1_A,S1_B)。その後、前記第1バンク情報に基づいて前記第1バンクの中の未書込みのワード(書込み予定ワード)に前記第1レジスタのデータを書込む制御(S7_A,S8_A,S10_A)を可能に構成されている。さらにその後、前記第2バンク情報に基づいて前記第2バンクの中の未書込みのワード(書込み予定ワード)に前記第2レジスタのデータを書込む制御(S7_B,S8_B,S10_B)を可能に構成されている。
【0026】
これにより、レジスタファイルから不揮発性メモリへのパラメータの書込みを、それらのパラメータが格納されているバンクが異なる場合にも、レジスタアドレスのカウントアップに合わせて、1つのシーケンス内で順次実行することができる。
【0027】
〔5〕<更新バンクの指定>
項4において、前記不揮発性メモリ制御回路にはさらに更新バンク指定情報が入力される。前記不揮発性メモリ制御回路は、前記書込み開始信号がアサートされ、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とを読み出した(S1_A,S1_B)後に、更新バンクの選択を実行可能に構成される。前記更新バンクの選択は、前記更新バンク指定情報に基づいて、前記第1レジスタのデータを前記第1バンクへの前記書込みを実行するか否かを切替え、さらにその後、前記第2レジスタのデータを前記第2バンクへの前記書込みを実行するか否かを切替える制御(S4、S6、S9、S14、S16、S19)である。
【0028】
これにより、最大書き換え回数の異なる複数のバンクのそれぞれを独立に、更新するか否かを指定することができる。
【0029】
〔6〕<エンプティチェックとライトベリファイ>
項4または項5において、前記不揮発性メモリ制御回路は、前記書込み開始信号がアサートされ、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とを順次読み出した(S1_A,S1_B)後に、エンプティチェックとライトベリファイを実行可能に構成される。
【0030】
前記エンプティチェックでは、前記第1レジスタのデータを前記第1バンクへの前記書込みを実行する(S10_A)前に、前記第1バンクの中の前記書込み予定ワードのデータを読み出して当該ワードが未使用であることを確認し、当該ワードが未使用でなかった場合に書込み失敗を出力する(S7_A,S8_A)。前記第2レジスタのデータを前記第2バンクへの前記書込みを実行する(S10_B)前に、前記第2バンクの中の前記書込み予定ワードのデータを読み出して当該ワードが未使用であることを確認し、当該ワードが未使用でなかった場合に書込み失敗を出力する(S7_B,S8_B)。
【0031】
前記ライトベリファイでは、前記第1レジスタのデータを前記第1バンクの当該ワードへの前記書込みを実行した(S10_A)後に、前記第1バンクの当該ワードのデータを読み出して前記第1レジスタに保持されるデータとの一致/不一致を比較し、不一致の場合に書込み失敗を出力する(S11_A)。前記第2レジスタのデータを前記第2バンクの当該ワードへの前記書込みを実行した(S10_B)後に、前記第2バンクの当該ワードのデータを読み出して前記第2レジスタに保持されるデータとの一致/不一致を比較し、不一致の場合に書込み失敗を出力する(S11_B)制御を可能に構成される。
【0032】
これにより、不揮発性メモリの信頼性を高めることができる。
【0033】
〔7〕<最大書き換え回数が同じレジスタごとにまとめて制御>
項1において、前記レジスタファイルは、前記第1レジスタを含むx個のレジスタ(Reg_1〜Reg_x)と、前記第2レジスタを含むy個のレジスタ(Reg_x+1〜Reg_x+y)とを含んで構成される。ここで、xとyはそれぞれ自然数である。
【0034】
前記不揮発性メモリは、前記第1バンクに前記x個のレジスタのそれぞれの値を格納可能なnワードの格納領域をx組(バンクA1〜バンクAn)備え、前記第2バンクに前記y個のレジスタのそれぞれの値を格納可能なmワードの格納領域をy組(バンクB1〜バンクBm)備え、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報の格納領域を備えて構成される。
【0035】
前記第1バンク情報は、前記x個のレジスタのそれぞれの最新のデータが格納されている位置が前記nワードのうちの何ワード目かを示す情報であり、前記第2バンク情報は、前記y個のレジスタのそれぞれの最新のデータが格納されている位置が前記mワードのうちの何ワード目かを示す情報である。
【0036】
前記不揮発性メモリ制御回路には書込み開始信号が入力され、前記不揮発性メモリ制御回路は、前記書込み開始信号がアサートされたときに、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とを読み出す(S1_A,S1_B)。その後、前記x組の記憶領域のそれぞれnワードのうち前記第1バンク情報に基づいて指定される未書き込みのワード位置に、前記x個のレジスタのそれぞれの値を順次書込む(S10_A)制御を可能に構成されている。また、前記y組の記憶領域のそれぞれmワードのうち前記第2バンク情報に基づいて指定される未書き込みのワード位置に、前記y個のレジスタのそれぞれの値を順次書込む(S10_B)制御を可能に構成されている。
【0037】
これにより、レジスタファイル(3)を構成する複数のレジスタを、最大書き換え回数の異なるグループに分けて、それぞれをまとめて制御することができ、レジスタごとに制御する場合よりも回路規模を小さく抑え、動作時の消費電力を低く抑えることができる。最大書き換え回数の異なるグループが3グループ以上の場合、それに応じて不揮発性メモリ上にバンクとバンク情報の記憶領域を備えればよい。
【0038】
〔8〕<グループ毎の最大書き換え回数を可変>
項7において、前記不揮発性メモリは、前記x個のレジスタの最大書き換え回数であるnとその個数xと前記y個のレジスタの最大書き換え回数であるmとその個数yとを含む、レジスタ毎の最大書き換え回数情報(バンク分割情報)を指定する最大書き換え回数記憶領域をさらに備える。
【0039】
前記不揮発性メモリ制御回路は、前記書込み開始信号がアサートされたときに、前記最大書き換え回数記憶領域からレジスタ毎の前記最大書き換え回数情報を読み出し、読み出した前記最大書き換え回数情報に基づいて前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とを読み出す(S1_A,S1_B)。その後、読み出した前記最大書き換え回数情報と前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とに基づいて、前記第1バンクと前記第2バンクにアクセス(S3_A,S10_A,S3_B,S10_B)可能に構成される。
【0040】
これにより、レジスタ毎、または、レジスタのグループ毎の最大書き換え回数を可変に構成することができる。
【0041】
〔9〕<1チップ>
項1から項8のうちのいずれか1項において、前記レジスタファイルと、前記不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリ制御回路と、前記インターフェース回路とは、同一の半導体基板上に形成される。
【0042】
これにより、表示制御装置を集積してコストを削減し、また、表示装置における部品点数を減らし、実装面積を低減することができる。
【0043】
〔10〕<最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能な不揮発性メモリを内蔵し、最大書き換え回数が同じグループ毎に管理する表示制御装置>
本発明の代表的な実施の形態に係る表示制御装置(20)は、レジスタファイル(3)と、不揮発性メモリ(1)と、不揮発性メモリ制御回路(2)と、インターフェース回路(4)とを有し、前記複数のレジスタに格納される値に基づいて制御を行う表示制御装置であって、以下のように構成される。前記レジスタファイル(3)は、複数のレジスタを有する。前記不揮発性メモリ(1)は、前記レジスタのビット数と同じビット数の1回のみのデータの書込みが可能な不揮発性記憶素子(OTP)で構成されるワードを複数備える。前記インターフェース回路(4)は、前記複数のレジスタに対する外部からのアクセスを可能とする。
【0044】
前記不揮発性メモリは、前記複数のレジスタのそれぞれに対応して、それぞれの最大書き換え回数と等しいワード数のデータ記憶領域(バンクA,バンクB,バンクC,バンクD,…)と、最新のデータが書き込まれた位置情報(バンク情報)を格納するフラグ記憶領域とを備える。
【0045】
前記複数のレジスタは最大書き換え回数が同じであるレジスタごとのグループに分けられ、前記グループ毎に、当該グループに含まれる全てのレジスタの値は、それぞれのレジスタに対応する前記データ記憶領域の中で同じ相対的ワード位置に書き込まれ、前記相対的ワード位置が前記フラグ記憶領域に前記最新のデータが書き込まれた位置情報として格納される。
【0046】
これにより、表示のための種々の制御パラメータを保持するレジスタと、各レジスタに保持されるパラメータを記憶する不揮発性メモリとを備える表示制御装置において、1つの不揮発性メモリに最大書き換え回数の異なる複数のレジスタのグループ毎に、要求される最大書き換え回数に応じたワード数のデータ記憶領域を備え、グループ毎に最新の書込み位置の情報を管理することができる。このように、最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能な不揮発性メモリを内蔵する半導体集積回路、特に、表示制御装置を提供することができる。
【0047】
〔11〕<グループ毎の最大書き換え回数を可変>
項10において、前記不揮発性メモリは、前記グループ毎の最大書き換え回数を指定する最大書き換え回数記憶領域をさらに備える。
【0048】
これにより、グループ毎の最大書き換え回数を可変に構成することができる。
【0049】
〔12〕<最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能な不揮発性メモリを内蔵する半導体集積回路>
本発明の代表的な実施の形態に係る半導体集積回路(30)は、レジスタファイル(3)と、不揮発性メモリ(1)と、不揮発性メモリ制御回路(2)とを有し、以下のように構成される。前記レジスタファイル(3)は、第1レジスタ(Reg_1〜Reg_x)と第2レジスタ(Reg_x+1〜Reg_x+y)を含む複数のレジスタを有し、レジスタアドレスで指定されるレジスタをアクセス可能に構成される。
【0050】
前記不揮発性メモリ(1)は、前記レジスタのビット数と同じビット数の1回のみのデータの書込みが可能な不揮発性記憶素子(OTP)で構成されるワードを複数備え不揮発性メモリアドレス(NVMアドレス)で指定されるワードをアクセス可能に構成される。前記不揮発性メモリは、第1バンク(バンクA)と、第2バンク(バンクB)とを備え、さらに、第1バンク情報(バンクA情報)と、第2バンク情報(バンクB情報)とを格納可能に構成される。前記第1バンク(バンクA)は、前記第1レジスタの値を格納可能なnワードを含み、前記第2バンク(バンクB)は、前記第2レジスタの値を格納可能なmワードを含む。ここで、nとmはそれぞれ自然数であり、互いに異なる。前記第1バンク情報(バンクA情報)は、前記第1レジスタの最新のデータが格納されている前記不揮発性メモリ内の位置情報を示し、前記第2バンク情報(バンクB情報)は、前記第2レジスタの最新のデータが格納されている前記不揮発性メモリ内の位置情報を示す。
【0051】
前記不揮発性メモリ制御回路は、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とを読み出し(S1_A,S1_B)、読み出された前記第1バンク情報に基づいて前記第1バンクにアクセスし(S3_A,S10_A)、読み出された前記第2バンク情報に基づいて前記第2バンクにアクセスする(S3_B,S10_B)制御を可能に構成される。
【0052】
これにより、第1バンク(バンクA)に格納されるパラメータは最大書き換え回数がn回となり、第2バンク(バンクB)に格納されるパラメータは最大書き換え回数がm回となる。したがって、表示のための種々の制御パラメータを保持するレジスタと、各レジスタに保持されるパラメータを記憶する不揮発性メモリとを備える半導体集積回路において、1つの不揮発性メモリに最大書き換え回数の異なる複数のバンクを形成して、パラメータごとに、要求される最大書き換え回数に応じたバンクに記憶されるように、構成することができる。このように、最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能な不揮発性メモリを内蔵する半導体集積回路を提供することができる。
【0053】
〔13〕<アドレスカウンタ>
項12において、前記不揮発性メモリ制御回路は、アドレスカウンタ(8)を備える。前記不揮発性メモリ制御回路は、前記アドレスカウンタの出力に基づいて前記レジスタアドレスを算出する。さらに、前記アドレスカウンタの出力と読み出された前記第1バンク情報に基づいて前記第1バンクにアクセスするための不揮発性メモリアドレス(NVMアドレス)を算出し、前記アドレスカウンタの出力と読み出された前記第2バンク情報に基づいて前記第2バンクにアクセスするための不揮発性メモリアドレス(NVMアドレス)を算出可能に構成される(6)。
【0054】
これにより、レジスタアドレスと対応する不揮発性メモリアドレス(NVMアドレス)が、共通のアドレスカウンタの出力から算出され、第1バンクへのアクセスと第2バンクへのアクセスが順次実行され、不揮発性メモリ制御回路内の回路が共通化されるので、回路規模と動作時の消費電力の増加を招くことなく、1つの不揮発性メモリに最大書き換え回数の異なる複数のバンクを形成することができる。
【0055】
〔14〕<ロード>
項13において、前記不揮発性メモリ制御回路にはロード開始信号が入力される。前記不揮発性メモリ制御回路は、前記ロード開始信号がアサートされたときに、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とを読み出す(S1_A,S1_B)。その後、前記第1バンク情報に基づいて前記第1バンクの中の前記第1レジスタの最新のデータが格納されているワードからデータを読み出して前記第1レジスタに転送する(S3_A)。さらにその後、前記第2バンク情報に基づいて前記第2バンクの中の前記第2レジスタの最新のデータが格納されているワードからデータを読み出して前記第2レジスタに転送する(S3_B)。
【0056】
これにより、不揮発性メモリからレジスタファイルへのパラメータのロードを、それらのパラメータが格納されているバンクが異なる場合にも、レジスタアドレスのカウントアップに合わせて、1つのシーケンス内で順次実行することができる。
【0057】
〔15〕<書込み>
項13において、前記不揮発性メモリ制御回路には書込み開始信号が入力される。前記不揮発性メモリ制御回路は、前記書込み開始信号がアサートされたときに、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とを読み出す(S1_A,S1_B)。その後、前記第1バンク情報に基づいて前記第1バンクの中の未書込みのワード(書込み予定ワード)に前記第1レジスタのデータを書込む制御(S7_A,S8_A,S10_A)を可能に構成されている。さらにその後、前記第2バンク情報に基づいて前記第2バンクの中の未書込みのワード(書込み予定ワード)に前記第2レジスタのデータを書込む制御(S7_B,S8_B,S10_B)を可能に構成されている。
【0058】
これにより、レジスタファイルから不揮発性メモリへのパラメータの書込みを、それらのパラメータが格納されているバンクが異なる場合にも、レジスタアドレスのカウントアップに合わせて、1つのシーケンス内で順次実行することができる。
【0059】
〔16〕<更新バンクの指定>
項15において、前記不揮発性メモリ制御回路にはさらに更新バンク指定情報が入力される。前記不揮発性メモリ制御回路は、前記書込み開始信号がアサートされ、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とを読み出した(S1_A,S1_B)後に、更新バンクの選択を実行可能に構成される。前記更新バンクの選択は、前記更新バンク指定情報に基づいて、前記第1レジスタのデータを前記第1バンクへの前記書込みを実行するか否かを切替え、さらにその後、前記第2レジスタのデータを前記第2バンクへの前記書込みを実行するか否かを切替える制御(S4、S6、S9、S14、S16、S19)である。
【0060】
これにより、最大書き換え回数の異なる複数のバンクのそれぞれを独立に、更新するか否かを指定することができる。
【0061】
〔17〕<エンプティチェックとライトベリファイ>
項15または項16において、前記不揮発性メモリ制御回路は、前記書込み開始信号がアサートされ、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とを読み出した(S1_A,S1_B)後に、エンプティチェックとライトベリファイを実行可能に構成される。
【0062】
前記エンプティチェックでは、前記第1レジスタのデータを前記第1バンクへの前記書込みを実行する(S10_A)前に、前記第1バンクの中の未書込みの前記ワード(書込み予定ワード)のデータを読み出して当該ワードが未使用であることを確認し、当該ワードが未使用でなかった場合に書込み失敗を出力する(S7_A,S8_A)。前記第2レジスタのデータを前記第2バンクへの前記書込みを実行する(S10_B)前に、前記第2バンクの中の未書込みの前記ワード(書込み予定ワード)のデータを読み出して当該ワードが未使用であることを確認し、当該ワードが未使用でなかった場合に書込み失敗を出力する(S7_B,S8_B)。
【0063】
前記ライトベリファイでは、前記第1レジスタのデータを前記第1バンクの当該ワード(書込み予定ワード)への前記書込みを実行した(S10_A)後に、前記第1バンクの当該ワードのデータを読み出して前記第1レジスタに保持されるデータとの一致/不一致を比較し、不一致の場合に書込み失敗を出力する(S11_A)。前記第2レジスタのデータを前記第2バンクの当該ワード(書込み予定ワード)への前記書込みを実行した(S10_B)後に、前記第2バンクの当該ワードのデータを読み出して前記第2レジスタに保持されるデータとの一致/不一致を比較し、不一致の場合に書込み失敗を出力する(S11_B)制御を可能に構成される。
【0064】
これにより、不揮発性メモリの信頼性を高めることができる。
【0065】
〔18〕<最大書き換え回数が同じレジスタごとにまとめて制御>
項12において、前記レジスタファイルは、前記第1レジスタを含むx個のレジスタ(Reg_1〜Reg_x)と、前記第2レジスタを含むy個のレジスタ(Reg_x+1〜Reg_x+y)とを含んで構成される。ここで、xとyはそれぞれ自然数である。
【0066】
前記不揮発性メモリは、前記第1バンクに前記x個のレジスタのそれぞれの値を格納可能なnワードの格納領域をx組(バンクA1〜バンクAn)備え、前記第2バンクに前記y個のレジスタのそれぞれの値を格納可能なmワードの格納領域をy組(バンクB1〜バンクBm)備え、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報の格納領域を備えて構成される。
【0067】
前記第1バンク情報は、前記x個のレジスタのそれぞれの最新のデータが格納されている位置が前記nワードのうちの何ワード目かを示す情報であり、前記第2バンク情報は、前記y個のレジスタのそれぞれの最新のデータが格納されている位置が前記mワードのうちの何ワード目かを示す情報である。
【0068】
前記不揮発性メモリ制御回路には書込み開始信号が入力され、前記不揮発性メモリ制御回路は、前記書込み開始信号がアサートされたときに、前記第1バンク情報と前記第2バンク情報とを読み出す(S1_A,S1_B)。その後、前記x組の記憶領域のそれぞれnワードのうち前記第1バンク情報に基づいて指定される未書き込みのワード位置に、前記x個のレジスタのそれぞれの値を順次書込む(S10_A)制御を可能に構成されている。また、前記y組の記憶領域のそれぞれmワードのうち前記第2バンク情報に基づいて指定される未書き込みのワード位置に、前記y個のレジスタのそれぞれの値を順次書込む(S10_B)制御を可能に構成されている。
【0069】
これにより、レジスタファイル(3)を構成する複数のレジスタを、最大書き換え回数の異なるグループに分けて、それぞれをまとめて制御することができ、レジスタごとに制御する場合よりも回路規模を小さく抑え、動作時の消費電力を低く抑えることができる。最大書き換え回数の異なるグループが3グループ以上の場合、それに応じて不揮発性メモリ上にバンクとバンク情報の記憶領域を備えればよい。
【0070】
〔19〕<最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能な不揮発性メモリ>
本発明の代表的な実施の形態に係る半導体集積回路(30)は、レジスタファイル(3)と、不揮発性メモリ(1)と、不揮発性メモリ制御回路(2)とを有し、前記複数のレジスタに格納される値に基づいて制御を行う表示制御装置であって、以下のように構成される。前記レジスタファイル(3)は、複数のレジスタを有する。前記不揮発性メモリ(1)は、前記レジスタのビット数と同じビット数の1回のみのデータの書込みが可能な不揮発性記憶素子(OTP)で構成されるワードを複数備える。
【0071】
前記不揮発性メモリは、前記複数のレジスタのそれぞれに対応して、それぞれの最大書き換え回数と等しいワード数のデータ記憶領域(バンクA,バンクB,バンクC,バンクD,…)と、最新のデータが書き込まれた位置情報(バンク情報)を格納するフラグ記憶領域とを備える。
【0072】
前記複数のレジスタは最大書き換え回数が同じであるレジスタごとのグループに分けられ、前記グループ毎に、当該グループに含まれる全てのレジスタの値は、それぞれのレジスタに対応する前記データ記憶領域の中で同じ相対的ワード位置に書き込まれ、前記相対的ワード位置が前記フラグ記憶領域に前記最新のデータが書き込まれた位置情報として格納される。
【0073】
これにより、表示のための種々の制御パラメータを保持するレジスタと、各レジスタに保持されるパラメータを記憶する不揮発性メモリとを備える表示制御装置において、1つの不揮発性メモリに最大書き換え回数の異なる複数のレジスタのグループ毎に、要求される最大書き換え回数に応じたワード数のデータ記憶領域を備え、グループ毎に最新の書込み位置の情報を管理することができ、管理のための情報の記憶領域を最小限に留めることができる。このように、最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能な不揮発性メモリを内蔵する半導体集積回路を提供することができる。
【0074】
〔20〕<グループ毎の最大書き換え回数を可変>
項19において、前記不揮発性メモリは、前記グループ毎の最大書き換え回数を指定する最大書き換え回数記憶領域をさらに備える。
【0075】
これにより、グループ毎の最大書き換え回数を可変に構成することができる。
【0076】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0077】
〔実施形態1〕<最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能な不揮発性メモリを内蔵する半導体集積回路>
図3は、本発明の一実施形態に係る不揮発性メモリ(NVM)1とその制御回路2の構成例を示すブロック図である。
図2は、レジスタファイル3の一例を示す説明図であり、
図1は、不揮発性メモリ(NVM)1のアドレス割り付けの一例を示す説明図である。
【0078】
半導体集積回路30は、レジスタファイル3と、不揮発性メモリ(NVM)1と、不揮発性メモリ制御回路(NVM制御回路)2とを含んで構成される。特に制限されないが、半導体集積回路30は、例えば、公知のCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor field effect transistor)LSIの製造技術を用いて、シリコンなどの単一半導体基板上に形成される。レジスタファイル3には、図示されないホストプロセッサから種々の制御パラメータが書き込まれ、半導体集積回路30内の種々の機能ブロックに対して、制御信号として供給される。NVM1は、レジスタファイル3に書き込まれた種々の制御パラメータが書き込まれ、半導体集積回路30への電源供給が遮断された後も不揮発に保持する。レジスタファイル3からNVM1への書込み(書き換え)と、NVM1から読み出した制御パラメータのレジスタファイル3への読み出し(ロード)は、それぞれ書込み開始信号とロード開始信号に基づいて、NVM制御回路2が生成するNVMアドレスとレジスタアドレスによって制御され、実行される。レジスタファイル3は、
図2に示されるように、最大書き換え回数がn回のレジスタReg_1〜Reg_xと最大書き換え回数がm回のレジスタReg_x+1〜Reg_x+yを含んで構成される。特に制限されないが、全てのレジスタが例えば8ビットで構成され、個々のレジスタは、レジスタアドレスを指定することによってアクセスされる。
【0079】
NVM1は、1回のみのデータの書込みが可能な不揮発性記憶素子(OTP)で構成されるワードを複数備え、不揮発性メモリアドレス(NVMアドレス)で指定されるワード単位でアクセスすることができるように構成されている。ここで1ワードは、レジスタファイル3を構成する各レジスタのビット数(
図2では8ビット)と同じビット数である。1回のみのデータの書込みが可能な不揮発性記憶素子(OTP)は、例えば、ポリシリコンや金属配線を溶融して切断することによって、情報を書き換える素子により、形成することができるが、本発明では、そのデバイス構造や形成方法は任意である。NVM1は、レジスタReg_1〜Reg_xの値を格納するバンクAとレジスタReg_x+1〜Reg_x+yの値を格納するバンクBとを備え、さらに、バンクA情報バンクB情報とを格納可能に構成される。バンクAは、レジスタReg_1〜Reg_xのxワードの値を1組として、最大書き換え回数n回に対応するn組のバンクA1〜バンクAnの記憶領域である。初めにレジスタReg_1〜Reg_xの値がバンクA1に書き込まれる。その後、レジスタReg_1〜Reg_xのうちの1個でも書き換えが必要になれば、値の変更されたレジスタを含むレジスタReg_1〜Reg_xのxワードを一括して次のバンクA2に書き込む。その後、書き換えの必要が生じる度に、レジスタReg_1〜Reg_xの値を順次バンクA3,バンクA4,…バンクAnに書き込む。これにより、レジスタReg_1〜Reg_xの最大書き換え回数はn回となっている。バンクBは、レジスタReg_x+1〜Reg_x+yのyワードの値を1組として、最大書き換え回数m回に対応するm組のバンクB1〜バンクBmの記憶領域である。バンクAと同様に、バンクBはバンクB1からバンクBmまでの記憶領域を備え、書き換えが生じる度にバンクB1からバンクBmまでの各バンクが一括して順次書き換えられる。
【0080】
バンクA情報とバンクB情報は、バンクAとバンクBのそれぞれにおいて、最新の記憶領域が、バンクA1からバンクAnまでのうちのどこか、バンクB1からバンクBmまでのうちのどこかを示す位置情報である。バンクA情報とバンクB情報も、最大書き換え回数に合わせて、それぞれ最大n回と最大m回書き換えられるため、nワードとmワードで構成される。バンクAとバンクBの中での書き換えは、バンクA1からバンクAnへ順次、また、バンクB1からバンクBmへ順次行われるように構成されているので、バンク情報は1ワード当たり1ビットで構成することができるが、NVM1を複雑な構成にしないようにするために、一律同じビット数のワードで構成することもできる。
【0081】
図1は、バンクA,バンクBとバンク情報を同じビット数のワードで構成した例である。これにより、バンク情報とバンクA,バンクBを一連のNVMアドレス空間に割り付けることができ、NVM1の回路が単純化される。特に制限されないが、例えば
図1に示されるように、NVMアドレス1〜nにバンクA情報が格納され、n+1〜n+mにバンクB情報が格納され、続くNVMアドレスn+m+1〜n+m+nxにバンクA、さらにそれに続くn+m+nx+1〜n+m+nx+myにバンクBが割り付けられる。
【0082】
NVM制御回路2は、バンク情報リード回路5と、NVM/REGアドレス生成回路6と、アドレスカウンタ8を含むインターフェース回路7と、VERIFY回路9と、レジスタ書込クロック生成回路10とを含んで構成される。インターフェース回路7には、書込み開始信号とロード開始信号が入力され、これらの開始信号がアサートされると、アドレスカウンタ8がカウント動作を開始する。カウント値はNVM/REGアドレス生成回路6とVERIFY回路9に供給される。NVM/REGアドレス生成回路6はまず、NVMアドレスに、バンク情報のアドレス(
図1では1〜n+m)を出力して、バンク情報リード回路5にバンクA情報とバンクB情報を読み出す。NVM/REGアドレス生成回路6は次に、読み出されたバンク情報を使ってバンクAとバンクBの一方または両方にアクセスするための、NVMアドレスを出力し、同時に対応するレジスタアドレスを出力する。
図3に示されるように、VERIFY回路9を備えて、一旦NVM1に書き込んだ値をVERIFY回路9に読み出し、レジスタファイル3に保持される値との比較することによって、ベリファイ結果を出力する。レジスタ書込クロック生成回路10は、NVM/REGアドレス生成回路6で生成されるレジスタアドレスに基づいて、レジスタ書込クロックを生成し、レジスタファイル3に供給する。
【0083】
これにより、表示のための種々の制御パラメータを保持するレジスタファイル3と、レジスタファイル3内の各レジスタに保持されるパラメータを記憶する不揮発性メモリ(NVM)1とを備える半導体集積回路30において、1つの不揮発性メモリ(NVM)1に最大書き換え回数の異なる複数のバンクを形成して、パラメータごとに、要求される最大書き換え回数に応じたバンクに記憶されるように、構成することができる。このように、最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能な不揮発性メモリ(NVM)1を内蔵する半導体集積回路30を提供することができる。
【0084】
<表示制御装置の構成例>
図4は、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路30の一例である表示制御装置20の構成例を示すブロック図である。表示制御装置20は、
図3に示した半導体集積回路30と同様に構成された、レジスタファイル3と、不揮発性メモリ(NVM)1と、不揮発性メモリ制御回路(NVM制御回路)2とを含み、さらに、ホストインターフェース4、ゲート線駆動制御信号生成回路21、ソース線駆動回路22、電圧生成・制御回路23、タイミング生成回路24、タイミング制御回路25、階調電圧生成回路26、表示データ抽出回路27、レベルシフタ28、及び、階調電圧選択回路29等を含んで構成される。表示制御装置20は、図示されない表示パネルに接続される。表示パネルには液晶素子が2次元に配列され、ゲート線で選択されたライン上の液晶素子の容量(キャパシタ)に、ソース線を介して画素値が書き込まれることにより、表示データが表示される。表示データは、図示されないホストプロセッサからホストインターフェース4を介して供給される。ホストプロセッサからは、さらに制御コマンドも供給される。
【0085】
ホストプロセッサは、制御コマンドにより、レジスタファイル3に適切な制御パラメータを設定することによって、表示制御装置20が所望の動作をするように制御を行う。例えば、電圧生成・制御回路23は、レジスタファイル3に設定されたパラメータに従って、共通電圧レベルVcomやゲート信号の高電圧側と低電圧側の電圧レベル(VGH/VGL)やアナログ電源の電圧レベル(AVDD/AVSS)を生成して供給する。また、タイミング生成回路24やタイミング制御回路25に対してタイミング制御パラメータを供給する。タイミング生成回路24で生成されたタイミング信号は、タイミング制御回路25で制御されてゲート線駆動制御信号生成回路21に供給される。
【0086】
ゲート線駆動制御信号生成回路21は、各ゲート線を駆動するための出力アンプを備え、指定されたハイレベル/ローレベル(VGH/VGL)を指定のタイミングで出力する。タイミングの制御には、スルーレートの制御が含まれても良い。各ゲート線を駆動するための出力アンプとゲート信号を順次伝送するためのシフトレジスタが表示パネル側に設けられている場合には、ゲート線駆動制御信号生成回路21は、スキャンを開始させるためのフラグと、フラグをシフトさせてゲート線を順次駆動するためクロック、及びその他の制御信号などを、出力するように構成しても良い。これにより、全てのゲート線を個別に駆動する信号を出力するよりも少ない数の端子を備えればよい。
【0087】
ソース線駆動回路22は、端子32を介して、図示されない表示パネルのソース線を駆動する。ソース線駆動回路22の出力は、ホストプロセッサから入力される表示データに対応するアナログ値である。電圧生成・制御回路23で生成されるソース線のための電源電圧を、階調電圧生成回路26が分圧して複数の階調電圧を生成し、階調電圧選択回路29に供給する。表示データ抽出回路27は、ホストプロセッサから受信する通信パケットを解釈して表示データを抽出し、レベルシフタ28を介して階調電圧選択回路29に供給する。階調電圧選択回路29は、表示データに対応する階調レベルを選択してソース線駆動回路22に供給する。ソース線駆動回路22は、例えばボルテージフォロワの出力回路を備えており、選択された階調レベルを、端子32を通して出力し、接続される表示パネルのソース線を駆動する。
【0088】
これにより、表示のための種々の制御パラメータを保持するレジスタファイル3と、各レジスタに保持されるパラメータを記憶する不揮発性メモリ(NVM)1とを備える表示制御装置20において、1つの不揮発性メモリ(NVM)1に最大書き換え回数の異なる複数のバンクを形成して、パラメータごとに、要求される最大書き換え回数に応じたバンクに記憶されるように、構成することができる。このように、最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能な不揮発性メモリ(NVM)1を内蔵する表示制御装置20を提供することができる。
【0089】
特に制限されないが、表示制御装置20は、例えば、公知のCMOSLSIの製造技術を用いて、シリコンなどの単一半導体基板上に形成される。これにより、表示制御装置20を集積してコストを削減し、また、表示装置における部品点数を減らし、実装面積を低減することができる。
【0090】
<動作例>
図5と
図6は、本発明の一実施形態に係る半導体集積回路30の動作例を示すフローチャートであり、
図5にロード時の動作、
図6に書込み時の動作をそれぞれ示す。上述の表示制御装置20の動作も同様である。ロードとは、不揮発性メモリ(NVM)1に格納されている制御パラメータを読み出して対応するレジスタに書き込む動作であり、書込みとは、レジスタに保持されている制御パラメータをNVM1に転送する動作である。
【0091】
図5に示すようにロード時には、まず、書込み回数フラグ(バンクA情報)リード(S1_A)と書込み回数フラグ(バンクB情報)リード(S1_B)とを実行する。即ち、NVM/REGアドレス生成回路6によってNVMアドレスに、バンク情報のアドレス(
図1では1〜n+m)を出力して、バンク情報リード回路5にバンクA情報とバンクB情報を読み出す。次にリードバンク選択(S2_A,S2_B)で、バンクAとバンクBの一方又は両方からのロードかを判定する。ステップS2_AでバンクAが書き込み済みであると判定されたときには、先に読み出したバンクA情報に基づいて、バンクAの中から最新の値をレジスタファイル3に読み出す(S3_A)。また、ステップS2_BでバンクBが書き込み済みであると判定されたときには、先に読み出したバンクB情報に基づいて、バンクBの中から最新の値をレジスタファイル3に読み出す(S3_B)。
【0092】
図6に示すように書込み時にも、まず、書込み回数フラグ(バンクA情報)リード(S1_A)と書込み回数フラグ(バンクB情報)リード(S1_B)とを実行する。次に書込みバンク選択ステップ(S5_AとS5_B)を実行する。読み出したバンクA情報に基づいて、バンクAの書き換え回数が最大書き換え回数のn回に達したときは書込み失敗(Write Fail)を出力して終了する。n回未満の場合には、更新されたデータを書き込むべきバンクを、バンクA1からバンクAnの中から1つを選択する(S5_A)。次に、読み出したバンクB情報に基づいて、バンクBの書き換え回数が最大書き換え回数のm回に達したときは書込み失敗(Write Fail)として終了し、m回未満の場合には、更新されたデータを書き込むべきバンクを、バンクB1からバンクBmの中から1つを選択する(S5_B)。更新バンクの指定状態を判定するステップ(S4_AとS4_B)をさらに設けても良い。更新バンクの指定とは、複数のバンク(本実施形態ではバンクAとバンクB)のそれぞれについて、データの更新(書き換え)が必要か否かを指定することを指し、本実施形態では、バンクAとバンクBの一方又は両方への書込みが指定される。例えば最大書き換え回数の多い、バンクBのみを書き換える場合には、バンクAについてのステップを省略して、書き込みステップ全体を高速化することができる。以下、S6_A,S6_B,S9_A,S9_Bも同様である。バンクAとバンクBの一方又は両方への書込みの指定は、例えば、レジスタファイル3に新たなレジスタを追加して行うことができる。この追加したレジスタは、レジスタファイル3の値をNVM1に書き込むときに指定すればよく、このレジスタ自体のデータはNVM1への書込みの対象とはされない。
【0093】
次にエンプティチェックを行う。書込みバンク選択ステップ(S5_AとS5_B)で次にデータを書き込むべきバンクと判定されたバンクのデータを、エンプティチェックステップ(S7_AとS7_B)で一旦読み出し、未書込みであることを確認する(S8_AとS8_B)。OTPでは既に書込みに使用された素子に対して再度書き込みの動作を行っても正しく動作しないので、既に書込みに使用された素子であると判断された場合は、書込み失敗(Write Fail)として終了する。データを書き込むべきバンクと判定されたバンクが未使用(未書込み)であることが確認された後、対応するレジスタのデータを書き込む(S10_AとS10_B)。さらにライトベリファイを行っても良い。データの書込みの後、もう一度読み出し、書き込んだレジスタのデータと照合することにより、ライトベリファイを行う(S11_AとS11_B)。エンプティチェックとライトベリファイにより、信頼性をより高めることができる。
【0094】
<効果>
本発明により、最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能な不揮発性メモリを内蔵する半導体集積回路、特に、表示制御装置を提供することができる。従来技術に基づく比較例として、最大書き換え回数が一律の不揮発性メモリを内蔵する半導体集積回路が考えられる。
図7は、最大書き換え回数が一律の場合の構成を比較例として示す説明図である。実施形態1と同様に、半導体集積回路30は、レジスタファイル3_1と、不揮発性メモリ(NVM)1_1と、不揮発性メモリ制御回路(NVM制御回路)2_1とを含んで構成される。レジスタファイル3_1のデータは、NVM1_1への1回目の書込み、2回目の書込み、を経て最大書き換え回数のn回目の書込みまで、毎回全てのレジスタのデータが一律にNVM1_1に書き込まれる。最新の書込み位置を知るために、NVM1_1には書込み回数情報が記憶されている。
【0095】
最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能とするためには、最大書き換え回数ごとに、複数のNVMとNVM制御回路を備えればよい。
図8は、最大書き換え回数が2通りの場合の構成を比較例として示す説明図である。半導体集積回路30は、レジスタファイル3_2と、不揮発性メモリ(NVM)1_2と1_3と、不揮発性メモリ制御回路(NVM制御回路)2_2と2_3とを含んで構成される。レジスタファイル3_2を構成するレジスタReg_1〜Reg_xに格納されるパラメータには、n回の最大書き換え回数が要求され、レジスタReg_x+1〜Reg_x+yには、m回の最大書き換え回数が要求されるとすると、n回の最大書き換え回数に対応するNVM1_2とNVM制御回路2_2と、m回の最大書き換え回数に対応するNVM1_3とNVM制御回路2_3とを備えればよい。
【0096】
これに対して、本実施形態によれば、NVM1とNVM制御回路2がそれぞれ1つに共通化される。NVM1では一連のNVMアドレスの中にバンク情報として、1_2の書込み回数情報と1_3の書込み回数情報の両方を割り付け、NVMアドレスによって所望の書込み回数情報を読み出すことができるようにした。レジスタのデータを格納するバンクも同様に、一連のNVMアドレスの中に割り付けた。これにより、1個のアドレスカウンタ8と1個のNVM/REGアドレス生成回路6によって、最大書き換え回数の異なるパラメータを格納するためのバンク情報とバンクに、順次アクセスすることができるように構成することができた。これと同様に、インターフェース回路7とVERIFY回路9とレジスタ書込クロック生成回路10も、それぞれ1つに共通化することにより、NVM制御回路の回路規模を縮小することができ、合せて動作時の消費電力を低減することができる。発明者による試作の結果、NVM制御回路の回路規模は3/5に縮小することができた。さらに、単一のシーケンスにより、バンクAとバンクBへの書込みが可能であり、また、NVM1からの読み出しによりレジスタファイル3へのデータのロードも、単一のシーケンスによって実行することができる。
【0097】
〔実施形態2〕<最大書き換え回数が複数の場合>
実施形態1には最大書き換え回数がn回とm回の2種類のパラメータがある場合についての例を示したが、さらに、本実施形態ではさらに3種類以上の場合について説明する。
【0098】
図9は、最大書き換え回数が複数の場合のグルーピングの一例を示す説明図である。レジスタファイル3にはレジスタReg_A〜Reg_Zが含まれ、
図9左のように、個々に最大書込み回数が規定されているものとする。このとき、
図9右のように、同じ最大書込み回数のレジスタが同じバンクに記憶されるように、レジスタのグルーピングを行う。最大書込み回数が1回のレジスタReg_AとReg_BはバンクAに、4回のレジスタReg_C,Reg_E,Reg_G,Reg_ZはバンクBに、6回のレジスタReg_DとReg_HはバンクCに、8回のレジスタReg_FはバンクDに、それぞれグルーピングされる。
【0099】
図10は、最大書き換え回数の種類が複数の場合の不揮発性メモリのアドレス割り付けの一例を示す説明図である。バンク情報は、最大書込み回数に合わせたワード数が割り当てられる。バンクAは最大1回書込みであるので、書込み済みか未書込みかを示せばよく、バンク情報は1ワードである。以下最大4回書込みのバンクBには4ワード、最大6回書込みのバンクCには6ワード、最大8回書込みのバンクCには8ワードが、それぞれ割り付けられる。さらに、バンクAにはレジスタReg_AとReg_Bの値を書き込む領域が1ワードずつ割り付けられ、バンクBには、4個のレジスタReg_C,Reg_E,Reg_G,Reg_Zの値を書き込む領域が1ワードずつについて、それぞれ4回書き込みのための4バンク、バンクB1からバンクB4の合計16ワードが割り付けられる。バンクCには2個のレジスタReg_DとReg_Hの値を書き込む領域が1ワードずつについて、それぞれ6回書き込みのための6バンク、バンクC1からバンクC6の合計12ワードが割り付けられる。バンクDにはレジスタReg_Fの値を書き込む領域が8回書き込みのための8バンク、バンクD1からバンクD8の合計8ワードが割り付けられる。
【0100】
それぞれワード数が予めわかっているので、NVM/REGアドレス生成回路6は、バンク情報リード回路5に読み出されたバンク情報に基づいて、アクセス対象のバンクのNMVアドレスを算出することができる。
【0101】
以上説明したように、最大書き換え回数が3種類以上の場合についても同様に、最大書き換え回数の異なるパラメータを格納可能な不揮発性メモリを内蔵する半導体集積回路、特に、表示制御装置を提供することができる。
【0102】
〔実施形態3〕<最大書き換え回数を可変に構成する場合>
実施形態1と2では、パラメータごとに要求される最大書き換え回数が、ICの設計時点で既に規定されている場合について説明した。しかし、例えば本発明を表示制御装置に適用する場合には、接続される表示パネルの仕様や特性が、ICの設計時点で特定できないばかりでなく、表示制御装置の表示パネルへの実装工程の中の特性の合せ込み(調整)工程で、NVMへの書込みが何度行われるかが、特定できない場合もある。そのような場合は、パラメータごと又はパラメータのグループ毎に要求される最大書き換え回数を可変にすることにより、解決される。
【0103】
図11は、最大書き換え回数を可変に構成する場合の不揮発性メモリのアドレス割り付けの一例を示す説明図である。
図10に示した不揮発性メモリのアドレス割り付けの例に対して、最大書き換え回数、即ちバンク分割情報の記憶領域を追加する。この領域に格納される情報に基づいて、それ以下のバンク情報の記憶領域と、各バンクの記憶領域が特定される。バンク分割情報が可変である以外は、
図10に示したアドレス割り付けと同様であるので、説明を省略する。
【0104】
図12は、最大書き換え回数を可変に構成する場合の不揮発性メモリ(NVM)1とその制御回路2の構成例を示すブロック図である。
図3に示したブロック図と比較して、バンク分割情報リード回路11が追加されている。他の構成は、
図3に示したのと同様であるので、説明を省略する。バンク分割情報リード回路11には、NVM1から読み出された、バンク分割情報が入力され、それに基づいて、アドレスカウンタ8を制御することにより、指定されたバンク分割に合わせたNVMアドレスを、NVM/REGアドレス生成回路6によって生成させることができる。
【0105】
図13は、最大書き換え回数が複数の場合の半導体集積回路30の動作例(書込み)を示すフローチャートである。初期設定において、各レジスタの最大書込み回数を、
図11に示したNVM1の最大書き換え回数記憶領域に書き込む(S12)。この書込み(S12)は、半導体集積回路30またはそれを利用した表示装置20の出荷前に行っても良いし、表示パネルに実装された時点で行ってもよい。遅くとも他の制御パラメータのNVM1への書込みが行われるよりも前に行う必要がある。
【0106】
書込み時には、まず、最大書き換え回数記憶領域にアクセスして、バンク分割情報を読み出す(S22)。その後、書込み回数フラグ(バンクA情報)リード(S1_A)から、読み出されたバンク分割情報で規定されるバンクxxの書込み回数フラグ(バンクxx情報)リード(S1_xx)までを実行する。この回数は、書込み回数の異なるレジスタのグループの数に相当する。このグループの数は、固定値としてもよい。バンクAからバンクxxの各バンクへの書込みの指定状態を判定するステップ(S14_A〜S14_xx)をさらに設けても良い。書き換えの不要なバンクについてのステップを省略して、書き込みステップ全体を高速化することができる。以下、S16_A〜S16xx,S19_A〜S19xxも同様である。次に書込みバンク選択ステップ(S15_A〜S15_xx)を実行する。読み出したバンク情報に基づいて、各バンクの書き換え回数が、バンク分割情報に指定される回数に達したときは書込み失敗(Write Fail)を出力して終了し、それ未満の場合には、更新されたデータを書き込むべきバンクを選択する(S15_A〜S15_xx)。
【0107】
次にエンプティチェックを行う。各バンクの書込みバンク選択ステップ(S15_A〜S15_xx)で次にデータを書き込むべきバンクと判定されたバンク(書込み予定バンク)のデータを、エンプティチェックステップ(S17_A〜S17_xx)で一旦読み出し、未書込みであることを確認する(S18_A〜S18_xx)。既に書込みに使用された素子であると判断された場合は、書込み失敗(Write Fail)として終了する。データを書き込むべきバンク(書込み予定バンク)と判定されたバンクが未使用(未書込み)であることが確認された後、対応するレジスタのデータを書き込む(S20_A〜S20_xx)。さらにライトベリファイを行っても良い。書込みの後、それぞれもう一度読み出し、書き込んだレジスタのデータと照合することにより、ライトベリファイを行う(S21_A〜S21_xx)。
【0108】
以上のように、レジスタ毎、または、レジスタのグループ毎の最大書き換え回数を可変に構成することができる。
【0109】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0110】
例えば、表示制御回路は、表示データ抽出回路27とレベルシフタ28の間に、フレームメモリをさらに含んで構成されても良く、また、その他のタッチコントローラなどのその他の回路ブロックを含んで構成されても良い。また、各ブロックの区分や名称は一例であって、各ブロックの統合や分割、各ブロックに含まれる部分的な回路やサブブロックの他のブロックへの移動は、任意である。