(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示される技術では、復旧方法が画面に表示されるが、故障した部品が手元に無い場合には、作業者がマニュアルやカタログ等の文書を参照して、電話等で故障部品を発注していたため、故障部品の発注に手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、基板製品生産装置の故障部品の発注を簡単に行うことができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、基板製品を生産する基板製品生産装置を構成する部品のうち故障部品を発注する方法であって、前記部品の部品識別情報を含む部品情報、及び当該部品情報と対応づけされた前記部品の発注先情報を情報記憶装置に記憶する情報記憶工程と、前記基板製品生産装置の故障内容を特定する故障内容特定工程と、情報が表示されるディスプレイ、外部と通信する通信部、及び作業者の操作により前記故障部品の発注を決定するための発注決定操作部を有する持ち運び可能な携帯端末装置の前記通信部に前記故障内容を送信する故障内容送信工程と、前記携帯端末装置が、前記故障内容に対応する故障部品の前記部品情報を前記情報記憶装置に要求する故障部品情報要求工程と、前記携帯端末装置が、前
記情報記憶
装置から取得した前記故障部品の部品情報を前記ディスプレイに表示する故障部品情報表示工程と、作業者の前記発注決定
操作部の操作によって前記故障部品の発注が決定された場合に、前記携帯端末装置が、前記情報記憶装置から前記発注先情報を取得し、前記発注先情報に基づいて発注先に前記故障部品の前記部品情報を含む発注要求を、前記通信部を介して送信する発注要求送信工程と、を有する。なお、前記部品情報は、図であってもよく、或いは部品識別情報自体であってもよく、その他部品に関する情報であればどのような情報であっても差し支え無い。
【0007】
このように、基板製品生産装置が故障すると、作業者が所持する携帯端末のディスプレイに故障部品の部品情報が表示される。そして、作業者は発注決定操作部を操作することによりディスプレイに表示された故障部品を発注することができる。このため、基板製品生産装置の故障部品の発注を簡単に行うことができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、基板製品を生産する基板製品生産装置を構成する部品のうち故障部品を発注するシステムであって、情報が表示されるディスプレイ、外部と通信する通信部、及び作業者の操作により前記故障部品の発注を決定するための発注決定操作部を有する持ち運び可能な携帯端末装置と、前記基板製品生産装置
の故障内容を特定する故障内容特定部と、前記故障内容特定部によって特定された前記故障内容を前記携帯端末
装置の前記通信部に送信する故障内容送信部と、前記部品の部品識別情報を含む部品情報、及び当該部品情報と対応づけされた前記部品の発注先情報が記憶された情報記憶装置と、を有し、前記故障内容を受信した前記携帯端末
装置は、前記故障内容に対応する故障部品の前記部品情報を前記情報記憶装置から取得して、当該故障部品の前記部品情報を前記ディスプレイに表示し、作業者の前記発注決定
操作部の操作によって前記故障部品の発注が決定された場合に、前記携帯端末装置が、前記情報記憶装置から前記発注先情報を取得し、前記発注先情報に基づいて発注先に前記故障部品の前記部品情報を含む発注要求を、前記通信部を介して送信する。
【0009】
このように、基板製品生産装置が故障すると、作業者が所持する携帯端末のディスプレイに故障部品の部品情報が表示される。そして、作業者は発注決定操作部を操作することによりディスプレイに表示された故障部品を発注することができる。このため、基板製品生産装置の故障部品の発注を簡単に行うことができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、前記情報記憶装置は、複数の前記携帯端末装置と通信可能であり、複数の前記携帯端末装置のうち1
の携帯端末
装置から前記故障内容に対応する故障部品の前記部品情報の取得要求を受信した場合には、前記1の携帯端末装置の前記通信部に前記故障部品の前記部品情報を送信する。このように、故障部品の部品情報は、単一の情報記憶装置に記憶されているので、故障部品の部品情報の管理が容易である。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記部品情報には前記部品の図を含み、前記情報記憶装置が、前記
部品識別情報と対応付けされた前記部品の図を記憶する。
【0012】
これにより、故障部品の図がディスプレイに表示されるので、作業者は故障部品を容易に認識することができる。このため、故障部品の誤発注を防止することができる。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の発明において、前記携帯端末
装置が、前記故障内容に対応する故障部品の図を前記情報記憶装置から取得して、当該故障部品の図を前記ディスプレイに表示する。
【0014】
これにより、故障部品の図がディスプレイに表示されるので、作業者は故障部品を容易に認識することができる。このため、故障部品の誤発注を防止することができる。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項2〜請求項5に記載の発明において、前記情報記憶装置は、前記基板製品生産装置を構成する複数の部品が組み付けられている状態の組み図を記憶し、前記携帯端末装置は、作業者の操作により前記組み図に含まれる前記複数の部品のうち前記故障部品を選択するための部品選択部を有し、前記故障内容を受信した前記携帯端末
装置は、前記故障内容に対応する前記組み図を前記情報記憶装置から取得して、前記組み図とともに前記組み図内に強調表示された前記故障部品の概略図を前記ディスプレイに表示し、作業者の前記部品選択部の操作によって、前記組み図内から前記故障部品の概略図が選択された場合に、前記携帯端末
装置は、選択された前記故障部品の図を前記情報記憶装置から取得して、取得した前記故障部品の図を前記ディスプレイに表示する。
【0016】
このように、組み図内に故障部品の概略図が強調表示され、作業者が強調表示された故障部品の概略図を選択すると、当該故障部品の図がディスプレイに表示される。これにより、作業者は、ディスプレイに表示された組み図内における故障部品の位置を認識することができ、容易に故障箇所を認識することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(故障部品発注システム)
以下に、図面を用いて本実施形態の故障部品発注システムについて説明する。
図1に示すように、故障部品発注システム1000は、携帯端末装置100、データベース200、基板製品生産装置500、発注先コンピュータ装置800、通信回線900を有している。
【0019】
(基板製品生産装置)
基板製品生産装置500の一例として、部品実装装置が含まれる。部品実装装置は、部品供給装置520によって供給位置521に供給された部品を、XYZロボット530によって移動される吸着ノズル531で吸着して、コンベア装置510によって搬送される基板に装着する装置である。基板製品生産装置500は、当該装置を統括制御する生産装置制御部550、及び生産装置制御部550と接続し、外部と通信する生産装置通信部560を有している。
【0020】
生産装置制御部550は、基板製品生産装置500の故障箇所及び故障内容を特定する(故障内容特定工程)自己診断機能を有している。当該自己診断機能については、周知技術であるので、ここでの詳細な説明は割愛するが、例えば、指令に対しての応答信号の有無等に基づいて行われる。生産装置制御部550は、故障箇所及び故障内容に対応する「エラーコード」を生成し、当該「エラーコード」を、生産装置通信部560を介して、携帯端末装置100の通信部120に送信する(故障内容送信工程)。
【0021】
(データベース)
データベース200は、データベース通信部210(以下、DB通信部210と略す)、データベース制御部250(以下、DB制御部250と略す)、データベース記憶部260(以下、DB記憶部260と略す)、操作部270を有している。DB通信部210は、複数の携帯端末装置100の通信部120と通信する。生産装置通信部560と通信部120との通信方式、DB通信部210と通信部120との通信方式には、無線LAN、赤外線通信、公共の無線電話回線等が含まれる。
【0022】
DB制御部250は、CPU、RAM、及びこれらを接続するバスとから構成されたECUを有する。CPUは、
図3に示すフローチャートに対応したプログラムを実行する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものである。DB記憶部260は、ハードディスクや不揮発性メモリー等で構成され、前記プログラムや
図8に示す「部品データ」を記憶する。「部品データ」は、「部品識別情報」、「部品図」、及び「発注先情報」との関係を表したデータである。「部品識別情報」は、各部品を識別するための情報である。「部品図」は、各部品の外観を表した図面である。「発注先情報」は、各部品の発注先の情報であり、例えば、インターネット上のURL、Eメールアドレス等が含まれる。
【0023】
操作部270は、データベース200を操作するものであり、キーボードやマウス等のポインティングデバイス、タッチパネルが含まれる。作業者は、操作部270を操作することにより、外部から入力された各部品の「部品図」と、当該「部品図」に対応する「部品識別情報」、「発注先情報」を対応付けして、
図8に示すように、「部品データ」としてDB記憶部260に記憶させる。また、作業者は、操作部270を操作することにより、外部から入力された「アイソメトリック図」(
図4示)や「組み図」(
図5示)をDB記憶部260に記憶させる(情報記憶工程)。
【0024】
(携帯端末装置)
携帯端末装置100は、例えば、PDA(Personal Data Assistance)、タブレット型パーソナルコンピュータ、スマートフォン等であり、作業者が持ち運び可能な装置である。携帯端末装置100は、タッチパネル110、通信部120、制御部150を有している。
【0025】
制御部150は、CPU、RAM、記憶部及びこれらを接続するバスとから構成されたECUを有する。CPUは、
図2に示すフローチャートに対応したプログラムを実行する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものである。記憶部は、不揮発性メモリー等で構成され、前記プログラムを記憶する。制御部150は、タッチパネル110及び通信部120と接続している。
【0026】
タッチパネル110は、ディスプレイと入力操作検出装置とが積層された周知の装置である。通信部120は、インターネット回線や携帯電話回線等の公共の通信回線900を介して、部品の発注先に置かれた発注先コンピュータ装置800と通信可能となっている。
【0027】
(部品発注処理)
以下に、携帯端末装置100の制御部150が実行する「部品発注処理」について、
図2に示すフローチャートを用いて説明する。携帯端末装置100の電源がONとされると、「部品発注処理」が開始し、プログラムはS111に進む。
【0028】
S111において、制御部150が、基板製品生産装置500の生産装置通信部560から、「エラーコード」を受信したと判断した場合には(S111:YES)、プログラムをS112に進め、「エラーコード」を受信していないと判断した場合には(S111:NO)、S111の処理を繰り返す。
【0029】
S112において、制御部150は、S111において受信した「エラーコード」に対応する「アイソメトリック図」を、通信部120を介して、データベース200に要求する(「アイソメトリック図要求」)。なお、制御部150の記憶部には、「エラーコード」と当該エラーコードに対応する「アイソメトリック図」の関係が記憶されている。S112が終了すると、プログラムはS113に進む。
【0030】
S113において、制御部150が、データベース200のDB通信部210から、「アイソメトリック図」を受信したと判断した場合には(S113:YES)、プログラムをS114に進め、「アイソメトリック図」を受信していないと判断した場合には(S113:NO)、プログラムをS113に処理を繰り返す。
【0031】
S114において、制御部150は、
図4に示すように、S113で受信した「アイソメトリック図」をタッチパネル110に表示するとともに、「エラーコード」に対応する故障しているユニット111をタッチパネル110に強調表示する。なお、「アイソメトリック図」とは、
図4に示すように、基板製品生産装置500の斜視図である。S114が終了すると、プログラムはS121に進む。
【0032】
S121において、制御部150が、「組み図表示要求」が選択されたと判断した場合には(S121:YES)、プログラムをS122に進め、「組み図表示要求」が選択されていないと判断した場合には(S121:NO)、S121の処理を繰り返す。作業者が
図4に示す「アイソメトリック図」のうち強調表示された故障しているユニット111をタッチパネル110で選択した場合には、当該ユニット111に対応する「組み図」を表示する要求、つまり「組み図表示要求」が選択される。
【0033】
S122において、S121において選択された故障しているユニット111に対応する「組み図」を、通信部120を介して、データベース200に要求する(「組み図要求」)。S122が終了すると、プログラムはS123に進む。
【0034】
S123において、制御部150が、データベース200のDB通信部210から、「組み図」を受信したと判断した場合には(S123:YES)、プログラムをS124に進め、「組み図」を受信していないと判断した場合には(S123:NO)、S123の処理を繰り返す。
【0035】
S124において、制御部150は、
図5に示すように、S123で受信した「組み図」をタッチパネル110に表示するとともに、「エラーコード」に対応する故障した部品の概略
図112をタッチパネル110に強調表示する。なお、「組み図」とは、
図5に示すように、複数の部品が組み立てられた状態の図であり、基板製品生産装置500を構成する1ユニットの図面である。S124が終了すると、プログラムはS131に進む。
【0036】
S131において、制御部150が、「部品図表示要求」が選択されたと判断した場合には(S131:YES)、プログラムをS132に進め、「部品図表示要求」が選択されていないと判断した場合には(S131:NO)、S131の処理を繰り返す。作業者が
図5に示す「組み図」のうち強調表示された故障部品の概略
図112をタッチパネル110で選択した場合には、当該故障部品の概略
図112に対応する「部品図」を表示する要求、つまり「部品図表示要求」が選択される。
【0037】
S132において、S131において選択された「部品図」、当該「部品図」に対応する「部品識別情報」、及び当該「部品図」に対応する「発注先情報」を、通信部120を介して、データベース200に要求する(「部品図・部品識別情報・発注先情報要求」)(故障部品図要求工程)。S132が終了すると、プログラムはS133に進む。
【0038】
S133において、制御部150が、データベース200のDB通信部210から、「部品図」、「部品識別情報」、及び「発注先情報」を受信したと判断した場合には(S133:YES)、プログラムをS134に進め、「部品図」、「部品図」、及び「発注先情報」を受信していないと判断した場合には(S133:NO)、S133の処理を繰り返す。
【0039】
S134において、制御部150は、
図6に示すように、S133において受信した「部品図」、「部品識別情報」、及び「発注先情報」をタッチパネル110に表示するとともに、「エラーコード」に対応する故障部品の情報113、「エラーコード」に対応する対処方法114、及び発注選択画像115をタッチパネル110に表示する(故障部品表示工程)。本実施形態では、発注選択画像115は、「発注」及び「発注不要」の画像からなっている。
【0040】
S141において、制御部150が、部品発注が選択されたと判断した場合には(S141:YES)、プログラムをS142に進め、部品発注が選択されなかったと判断した場合には(S141:NO)、プログラムをS111に戻す。なお、作業者が、タッチパネル110に表示された「発注」を選択すると、部品発注が選択されたと判断され、タッチパネル110に表示された「発注不要」を選択すると、部品発注が選択されなかったと判断される。もし、作業者が、故障部品のストックを保持し、故障部品の発注が不要である場合には、作業者は、「発注不要」を選択することにより、不要な故障部品の発注を防止することができる。
【0041】
S142において、制御部150は、
図7に示すように、「発注確認画面」をタッチパネル110に表示する。「発注確認画面」には、「部品図」、「部品識別情報」、「発注先情報」、確認画像116、発注決定画像117が含まれる。本実施形態では、発注決定画像117は、「はい」及び「いいえ」の画像からなっている。S142が終了すると、プログラムは、S143に進む。
【0042】
S143において、制御部150が、部品発注が決定されたと判断した場合には(S143:YES)、プログラムをS145に進め、部品発注が決定されなかったと判断した場合には(S143:NO)、プログラムをS111に戻す。なお、作業者が、タッチパネル110に表示された「はい」を選択すると、部品発注が決定されたと判断され、タッチパネル110に表示された「いいえ」を選択すると、部品発注が決定されなかったと判断される。
【0043】
S145において、制御部150は、通信部120を介して、S143で部品発注が決定された「発注先情報」に対応する発注先コンピュータ装置800に、S143で部品発注が決定された部品の「発注要求」を送信する(発注要求送信工程)。なお、「発注要求」には、「部品識別情報」が含まれる。S145が終了すると、プログラムはS111に戻る。
【0044】
(図面等送信処理)
以下に、データベース200のDB制御部250が実行する「図面等送信処理」について、
図3に示すフローチャートを用いて説明する。データベース200の電源がONとされると、「図面等送信処理」が開始し、プログラムはS211に進む。
【0045】
S211において、DB制御部250が、携帯端末装置100の通信部120から、「アイソメトリック図要求」を受信したと判断した場合には(S211:YES)、プログラムをS221に進め、「アイソメトリック図要求」を受信していないと判断した場合には(S211:NO)、プログラムをS212に進める。
【0046】
S212において、DB制御部250が、携帯端末装置100の通信部120から、「組み図要求」を受信したと判断した場合には(S212:YES)、プログラムをS222に進め、「組み図要求」を受信していないと判断した場合には(S212:NO)、プログラムをS213に進める。
【0047】
S213において、DB制御部250が、携帯端末装置100の通信部120から、「部品図・部品識別情報・発注先情報要求」を受信したと判断した場合には(S213:YES)、プログラムをS223に進め、「部品図・部品識別情報・発注先情報要求」を受信していないと判断した場合には(S213:NO)、プログラムをS211に戻す。
【0048】
S221において、DB制御部250は、「アイソメトリック図要求」に対応する「アイソメトリック図」をDB記憶部260から取得し、当該「アイソメトリック図」を携帯端末装置100に送信する。S221が終了すると、プログラムはS211に戻る。
【0049】
S222において、DB制御部250は、「組み図要求」に対応する「組み図」をDB記憶部260から取得し、当該「組み図」を携帯端末装置100に送信する。S222が終了すると、プログラムはS211に戻る。
【0050】
S223において、DB制御部250は、「部品図・部品識別情報・発注先情報要求」に対応する「部品図」、「部品識別情報」、「発注先情報」を、DB記憶部260に記憶されている「部品データ」から取得し、当該「部品図」、「部品識別情報」、「発注先情報」を携帯端末装置100に送信する。S223が終了すると、プログラムはS211に戻る。
【0051】
(本実施形態の効果)
以上の説明から明らかなように、基板製品生産装置500が故障すると、作業者が所持する携帯端末装置100のタッチパネル110(ディスプレイ)に故障部品の図が表示される(
図2のS134、
図6示)。そして、作業者はタッチパネル110(発注決定操作部)を操作することによりタッチパネル110に表示された故障部品を発注することができる(S141〜S145)。このため、基板製品生産装置500の故障部品の発注を簡単に行うことができる。
【0052】
また、携帯端末装置100は持ち運び可能であるので、作業者が、携帯端末装置100のタッチパネル110に表示された故障部品を確認しながら、実際に故障が発生している基板製品生産装置500を視認することにより、故障が発生している基板製品生産装置500における故障部品の発見が容易となる。また、タッチパネル110に表示されている故障部品と、故障が発生している基板製品生産装置500における故障部品を見比べるので、部品の誤発注が防止される。
【0053】
また、「アイソメトリック図」、「組み図」、
図8に示す「部品データ」は、単一のデータベース200(情報記憶装置)に記憶されている。このため、部品の仕様が変わった場合等、基板製品生産装置500の仕様が変わった場合に、単一のデータベース200に記憶されている「アイソメトリック図」や「組み図」、「部品データ」を変更するだけで、図面や「部品データ」の更新作業が完了するので、図面や「部品データ」の管理が容易である。
【0054】
また、基板製品生産装置500が故障すると、
図4に示すように、タッチパネル110に「アイソメトリック図」内において故障しているユニット111が強調表示される(S114)。このため、作業者は、基板製品生産装置500における故障しているユニット111の位置の把握が容易となる。そして、作業者が強調表示された故障しているユニット111を選択すると(S121:YES)、
図5に示すように、故障しているユニット111の「組み図」が強調表示された故障部品の概略
図112とともにタッチパネル110に表示される(S124)。このため、故障しているユニットにおける故障部品の位置の把握が容易となる。そして、作業者が、強調表示された故障部品の概略
図112を選択すると、
図6に示すように、当該故障部品の図がタッチパネル110に表示される。このように、大きいユニットから小さい部品の順番に表示されるので、作業者の故障が発生している基板製品生産装置500における故障部品の位置の把握が容易となる。
【0055】
また、「発注先情報」として、基板製品生産装置500の生産会社が指定する正規の販売店のみしか登録できないとすると、コピー部品等の粗悪部品の発注が防止され、基板製品生産装置500への粗悪部品の組み付けが防止され、基板製品生産装置500の信頼性が向上する。
【0056】
(別の実施形態)
以上説明した実施形態では、「アイソメトリック図」、「組み図」、
図8に示す「部品データ」は、単一のデータベース200に記憶されている。しかし、これら「アイソメトリック図」、「組み図」、「部品データ」が、各携帯端末装置100に記憶されている実施形態であっても差し支え無い。
【0057】
また、複数の故障箇所が有る場合には、過去に頻繁に故障した故障部品を含む「組み図」を優先的に「アイソメトリック図」において強調表示する実施形態であっても差し支え無い。同様に、過去に頻繁に故障した故障部品を優先的に「組み図」内において強調表示する実施形態であっても差し支え無い。
【0058】
以上説明した実施形態では、携帯端末装置100は、ディスプレイと入力操作検出装置とが積層されたタッチパネル110を有する。しかし、ディスプレイと入力操作検出装置が別体である実施形態であっても差し支え無い。
【0059】
以上説明した実施形態では、「組み図」は1階層である。しかし、「組み図」が複数階層である実施形態であっても差し支え無い。
【0060】
以上説明した実施形態では、基板製品生産装置500は、基板に電子部品を実装する装置であるが、基板製品生産装置500は、これに限定されず、例えば、基板にクリームハンダを印刷する装置や、クリームハンダを溶かすリフロー炉等であっても差し支え無く、このような基板製品生産装置500にも本発明の技術的思想が適用可能なことは言うまでもない。
【0061】
以上説明した実施形態では、基板製品生産装置500が故障した場合に携帯端末装置100に故障部品の図が表示される。しかし、故障部品の図が必ず携帯端末装置100に表示される必要は無い。つまり、基板製品生産装置500が故障した場合に携帯端末装置100に表示される情報として、作業者が故障部品を認識可能であればどのような情報であっても差し支え無い。
【0062】
なお、「故障部品」とは、本来の機能が完全に損なわれた状態の部品だけでなく、機能が完全に損なわれていないももの基板製品生産装置を効率良く稼働させるためには別の部品に交換すべき部品も含まれる。