(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下では、印刷用紙9が搬送される方向を「第1方向」と称し、第1方向に直交する水平方向を「第2方向」と称する。
【0037】
<1.記録装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る記録装置1の構成を、概念的に示した図である。
図2は、ヘッドユニット20の下面図である。
図3は、ノズルヘッド22の下面図である。
図4は、記録装置1の制御系統を示したブロック図である。
【0038】
この記録装置1は、長尺帯状の被記録媒体である印刷用紙9を搬送しつつ、複数のヘッドユニット20から印刷用紙9にインク滴を吐出することにより、印刷用紙9にカラー画像を記録するインクジェット方式の印刷装置である。
図1に示すように、記録装置1は、搬送機構10、4つのヘッドユニット20、画像取得部30、および制御部40を備えている。
【0039】
搬送機構10は、印刷用紙9をその長手方向である第1方向に搬送するための機構である。本実施形態の搬送機構10は、巻き出し部11、複数のローラ12、巻き取り部13、およびモータ14を有する。また、
図1中に概念的に示したように、巻き出し部11、複数のローラ12、および巻き取り部13には、動力源となるモータ14が、連結されている。
【0040】
モータ14を駆動させると、巻き出し部11、複数のローラ12、および巻き取り部13がそれぞれ回転する。そうすると、印刷用紙9は、巻き出し部11から繰り出され、複数のローラ12により構成される搬送経路に沿って、巻き取り部13へ搬送される。各ローラ12は、水平軸を中心として回転することによって、印刷用紙9を搬送経路の下流側へ案内する。また、複数のローラ12に印刷用紙9が接触することで、印刷用紙9に張力が与えられる。搬送後の印刷用紙9は、巻き取り部13へ回収される。
【0041】
4つのヘッドユニット20は、印刷用紙9の搬送経路の上方に、第1方向に間隔をあけて配列されている。4つのヘッドユニット20は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のインク滴を、印刷用紙9の上面に吐出する。4つのヘッドユニット20の構造は、ほぼ同等であるため、以下では、1つのヘッドユニット20の構造について、説明する。
【0042】
図2に示すように、ヘッドユニット20は、筐体21と、筐体21に固定された複数のノズルヘッド22と、を有している。各ノズルヘッド22は、筐体21の下面に露出した吐出面を有する。複数のノズルヘッド22は、幅方向に沿って千鳥状に(斜交いに交互に)配列されている。
【0043】
複数のノズルヘッド22は、第2方向に配列された第1のノズルヘッド列221と、第1のノズルヘッド列221より下流側の位置において幅方向に配列された第2のノズルヘッド列222とを有する。そして、第1のノズルヘッド列221の各ノズルヘッド22と、第2のノズルヘッド列222の各ノズルヘッド22とが、第2方向に関して交互に配列されている。このように、複数のノズルヘッド22を千鳥状に配置したことで、複数のノズルヘッド22が、第2方向に高い密度で配列されている。
【0044】
また、各ノズルヘッド22は、インク滴を吐出する複数のノズル24を有する。
図3に示すように、複数のノズル24は、各ノズルヘッド22の吐出面に、二次元的に配列されている。具体的には、各ノズルヘッド22は、複数のノズル列23が第1方向に配列された構造を有する。各ノズル列23は、第2方向に直線状に配列された複数のノズル24により構成されている。
【0045】
本実施形態では、各ノズルヘッド22は第1ノズル列231、第2ノズル列232、第3ノズル列233、および第4ノズル列234の4つのノズル列23を有し、各ノズル列23は、それぞれ80個のノズル24を有する。すなわち、各ノズルヘッド22は、320個のノズル24を有する。ただし、各ノズルヘッド22に含まれるノズル列23の数や、各ノズル列に23に含まれるノズル24の数は、これに限られない。各ノズルヘッド22が2つ、8つ、または16個など他の数のノズル列23を有していてもよいし、各ノズル列23が5個、20個、あるいは180個など他の数のノズル24を有していてもよい。
【0046】
ノズルヘッド22内の個々のノズル24は、第2方向に位置をずらして配列されており、印刷用紙9上の1ピクセル幅の領域に対して、1つのノズル24が割り当てられている。一方、各ノズル列23において、複数のノズル24は、第2方向に等間隔に配置されている。1つのノズルヘッド22が4つのノズル列23を有するため、各ノズル列23内において第2方向に隣り合う2つのノズル24は、4ピクセル分離れた位置に配置されている。
【0047】
記録装置1の稼働時には、搬送機構10により印刷用紙9を搬送しつつ、当該印刷用紙9の上面に、複数のノズル24からインク滴が吐出される。各ヘッドユニット20には、上述の通り、複数のノズル24を有するノズルヘッド22が、幅方向に沿って千鳥状に複数配置されている。このため、各ヘッドユニット20は、印刷用紙9の上面のほぼ全幅に亘って、インク滴を吐出することができる。また、このようなインク滴の吐出処理を、4つのヘッドユニット20において順次に行うことにより、印刷用紙9の上面にカラーパターンが形成される。すなわち、搬送装置10と、4つのヘッドユニット20とにより、印刷用紙9に画像等のパターンを記録する記録部が構成されている。
【0048】
画像取得部30は、
図1に示すように、各ヘッドユニット20の下流側に配置されている。画像取得部30は、各ヘッドユニット20により印刷用紙9に記録されたパターンの画像データを取得する。本実施形態では、画像取得部30は、ライン状のCCDカメラを備え、印刷用紙9に記録されたパターンの全体または一部を光電的に読み取る。これにより、4つのヘッドユニット20により印刷用紙9上に形成されたパターンの画像データを取得する。
【0049】
制御部40は、記録装置1内の各部を動作制御するための部位である。
図1中に概念的に示したように、本実施形態の制御部40は、CPU等の演算処理部41、RAM等のメモリ42、およびハードディスクドライブ等の記憶部43を有するコンピュータにより構成されている。また、制御部40は、搬送機構10のモータ14、4つのヘッドユニット20、および画像取得部30と、それぞれ電気的に接続されている。
【0050】
制御部40は、記憶部43に記憶されたコンピュータプログラム431やデータ432を、メモリ42に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラム431およびデータ432に基づいて、演算処理部41が演算処理を行うことにより、記録装置1内の各部を動作制御する。これにより、記録装置1における印刷処理や、後述する位置ずれ量の検出・調整処理が進行する。なお、制御部40は、電子回路により構成されていてもよい。
【0051】
また、
図4に示すように、本実施形態の制御部40は、ソフトウエア上で実現される処理部として、吐出制御部44、濃度データ取得部45、および検出部46を有する。吐出制御部44、濃度データ取得部45、および検出部46の各機能は、上述の演算処理部41、メモリ42、および記憶部43により実現される。
【0052】
吐出制御部44は、各ノズル列23におけるインク滴の吐出を制御する。したがって、吐出制御部44は、各ノズル列23におけるインク滴の吐出位置を制御する。本実施形態では、インク滴の吐出位置の制御は、各ノズル24からのインク滴の吐出タイミングを制御することにより行われる。本実施形態では、印刷用紙9を一定速度で搬送しながら、各ノズル列23からのインク滴の吐出を行う。印刷用紙9は、第1ノズル列231、第2ノズル列232、第3ノズル列233、そして第4ノズル列234の順に、各ノズル列23の下方を通過しつつ、各ノズル列23のうちの所定のノズル24から吐出されるインク滴を受ける。したがって、各ノズル列23からのインク滴の吐出タイミングにより、印刷用紙9への第1方向のインク滴の着弾位置が決まる。よって、吐出制御部44が、各ノズル列23のインク滴の吐出タイミングを調整することにより、各ノズル列23からの第1方向の吐出位置を揃えることができる。
【0053】
濃度データ取得部45は、画像取得部30が取得した画像データに基づいて、指定された領域内の、第1方向の濃度分布データを取得する。検出部46は、濃度データ取得部45が取得した濃度分布データに基づいて、比較対象となる2つの領域に記録されたパターンの第1方向の位置ずれ量を検出する。
【0054】
<2.印刷の流れ>
次に、記録装置1を用いた印刷の流れについて説明する。
図5は、記録装置1における印刷の流れを示したフローチャートである。以下に、
図5を参照しつつ、1つのノズルヘッド22を用いて、印刷用紙9に1ピクセル幅の1本の直線を記録する際の、印刷の流れを説明する。
【0055】
記録装置1では、印刷用紙9を搬送しながら、各種パターンの印刷を行う。まず、制御部40がモータ14を動作させることにより、搬送機構10が駆動し、印刷用紙9の搬送が開始される(ステップS101)。
【0056】
記録装置1は、印刷用紙9を搬送しつつ、各ノズル列23からのインク滴の吐出を行うことにより、目的のパターンの印刷を行う。本実施形態では、第1ノズル列231が第1方向の最も上流側に位置するため、第1ノズル列231、第2ノズル列232、第3ノズル列233、および第4ノズル列234の順にインク滴の吐出が行われる。
【0057】
まず、第1吐出時刻において、第1ノズル列231からインク滴が吐出される(ステップS102)。第1吐出時刻は、パターン印刷の目標位置を基準として、予め設定されている。
【0058】
次に、第1吐出時刻から僅かに遅延した第2吐出時刻において、第2ノズル列232からインク滴が吐出される(ステップS103)。続いて、第2吐出時刻から僅かに遅延した第3吐出時刻において、第3ノズル列233からインク滴が吐出される(ステップS103)。そして、同様に、第3吐出時刻から僅かに遅延した第4吐出時刻において、第4ノズル列234からインク滴が吐出される(ステップS104)。
【0059】
第2吐出時刻、第3吐出時刻および第4吐出時刻は、第1吐出時刻を基準とし、印刷用紙9の搬送速度を考慮して、予め制御部40内に書き換え可能に記憶されている。これにより、各ノズル列23から吐出されたインク滴が、それぞれ印刷用紙9上の第1方向の同じ位置に着弾する。その結果、第2方向に延びる1ピクセル幅のパターンが形成される。
【0060】
図6は、記録装置1を用いて記録した1ピクセル幅の直線パターンの例を示した図である。
図6中、(a)は、各ノズル列23による第1方向の吐出位置にずれがない場合の直線パターンの例を表している。また、(b)および(c)は、各ノズル列23による第1方向の吐出位置にずれがある場合の直線パターンの例を表している。
【0061】
図6(a)に示すように、直線パターンは、第1ノズル列231から吐出したインク滴により記録された第1ドットD1、第2ノズル列232から吐出したインク滴により記録された第2ドットD2、第3ノズル列233から吐出したインク滴により記録された第3ドットD3、および、第4ノズル列234から吐出したインク滴により記録された第4ドットD4が順に並ぶことによって構成される。
【0062】
各ドットD1〜D4のそれぞれは、1ピクセルに対応する領域に対して割り当てられている。そのため、隣り合うドットの中心点間の第2方向の距離は、一定の距離d0となる。また、同じノズル列23により記録されたドット同士の中心点間の第2方向の距離は、一定の距離d1となる。本実施形態において、第2方向に並ぶノズル列の数は4列であるから、d1は、d0の4倍の距離となる。
【0063】
各ノズル列23の吐出タイミングが充分に調整され、各ノズル列23の吐出位置にずれがない場合、
図6中、(a)に示すように、各ドットD1〜D4は、第1方向の同じ位置に配置される。このとき、直線パターンの第1方向の幅は、各ドットの幅と同じになる。一方、各ノズル列23の吐出タイミングが充分に調整されていない場合、各ノズル列23の吐出位置にずれが生じ、
図6中(b)や(c)に示すように、各ドットD1〜D4の第1方向の位置が揃わない。すなわち、ドットD1に対して、ドットD2〜D4が第1方向に位置ずれする。このとき、直線パターンの第1方向の幅は、各ドットの幅よりも大きくなる。
【0064】
このような第1方向についての位置ずれを解消するためには、各ノズル列23の吐出タイミングを調整する必要がある。各ノズル列23の吐出タイミングを調整する方法について、以下に詳しく述べる。
【0065】
<3.テストパターンの印刷、および、位置ずれ量の検出>
続いて、記録装置1におけるテストパターンの印刷、および、位置ずれ量の検出について、説明する。当該テストパターンは、各ノズル列23間の印刷時における記録位置のずれ量を可視化するものである。
図7は、記録装置1におけるテストパターンの印刷の流れを示したフローチャートである。
図8は、テストパターンの印刷前後における印刷用紙9の上面図である。
【0066】
ここでは、一例として、第1ノズル列231を基準ノズル列、第2ノズル列232を調整対象ノズル列とした場合の、テストパターンの印刷および位置ずれ量検出の流れについて、以下に説明する。
【0067】
まず、印刷用紙9に、基準パターンP1と調整対象パターンP2とを含むテストパターンが印刷される。テストパターンを印刷するときには、はじめに、制御部40は、印刷用紙9上の、第1方向の所定位置において第2方向に延びる帯状領域Fを、テストパターンの印刷目標位置として設定する。そして、制御部40の吐出制御部44は、帯状領域Fを基準領域F1と調整領域F2とに区別する(ステップS201)。
【0068】
本実施形態では、
図8に示すように、吐出制御部44は1つのノズルヘッド22に対応する帯状領域Fを第2方向に5つに分割し、基準領域F1と調整領域F2とが交互に配置されるように、基準領域F1と調整領域F2とを区別する。このように、基準領域F1と、調整領域F2とを交互に配置することにより、ノズルヘッド22の第2方向の両端における第1方向の位置ずれの影響を受けにくくすることができる。すなわち、基準領域F1と調整領域F2との位置ずれ量の検出精度を上げることができる。
【0069】
次に、制御部40は、モータ14を駆動させることにより、搬送機構10を動作させ、印刷用紙9の搬送を開始する。そして、吐出制御部44は、所定の第1吐出時刻に、第1ノズル列231の所定のノズル24に、インク滴の吐出を実行させる。これにより、基準領域F1を目標としてインク滴が吐出される。その結果、印刷用紙9の基準領域F1付近に基準パターンP1が記録される(ステップS202)。
【0070】
基準パターンP1の記録後も、印刷用紙9は引き続き、搬送機構10に搬送され続ける。このため、印刷用紙9とノズルヘッド22とが第1方向に相対移動する(ステップS203)。
【0071】
続いて、吐出制御部44は、所定の第2吐出時刻に、第2ノズル列232の所定のノズル24に、インク滴の吐出を実行させる。これにより、調整領域F2を目標としてインク滴が吐出される。その結果、印刷用紙9の調整領域F2付近に調整対象パターンP2が記録される(ステップS204)。以上のステップS201〜S204により、
図8に示すように、基準パターンP1と調整対象パターンP2とを含む、テストパターンPが印刷用紙9に記録される。
【0072】
図8に示すように、基準パターンP1は、第1ノズル列231から吐出されたインク滴により形成された複数の第1ドットD1からなる。また、調整対象パターンP2は、第2ノズル列232から吐出されたインク滴により形成された複数の第2ドットD2からなる。ここでは、基準パターンP1を構成する第1ドットD1を基準ドット、調整対象パターンP2を構成するする第2ドットD2を調整対象ドットと呼ぶこととする。複数の基準ドットおよび複数の調整対象ドットは、それぞれ、第2方向に沿って配列される。
【0073】
前述の通り、同じノズル列により記録されたドット同士の中心点間の距離は、d1である。したがって、1つの基準ドットD1の中心点と、他の基準ドットD1の中心点との距離は、d1の整数倍の距離となる。同様に、1つの調整対象ドットD2の中心点と、他の調整対象ドットD2の中心点との距離も、d1の整数倍の距離となる。一方、基準ドットD1の中心点と、調整対象ドットD2の中心点との距離(例えば、
図8中に示した距離d2やd3)は、d1の整数倍とは異なる距離となる。
【0074】
本実施形態では、基準ノズル列である第1ノズル列231が、調整対象ノズル列である第2ノズル列232よりも上流側に位置していたため、基準パターンP1が調整対象パターンP2より先に記録されたが、本発明はこれに限られない。たとえば、基準ノズル列を第4ノズル列234とした場合、帯状領域Fは、第2ノズル列232の下方を通過した後に、第4ノズル列234の下方を通過する。この場合、調整対象ノズル列である第2ノズル列232により調整対象パターンが記録された後で、印刷用紙9が下流側に搬送され、基準ノズル列である第4ノズル列234により基準パターンが記録される。
【0075】
なお、本実施形態のテストパターンPでは、調整領域F2に基準パターンP1が記録されないが、本発明はこれに限られない。テストパターンPのバリエーションについては、後述する。
【0076】
基準パターンP1および調整対象パターンP2が印刷用紙9に記録されると、次に、記録装置1は、基準パターンP1と調整対象パターンP2との第1方向の位置ずれ量を検出する。
【0077】
ステップS204の後、印刷用紙9はさらに搬送され、帯状領域Fが画像取得部30の下方付近まで搬送される。そして、画像取得部30は、基準パターンP1および調整対象パターンP2を含むテストパターンPの画像データ300を取得する(ステップS205)。
【0078】
図4に示すように、画像取得部30で取得した画像データ300は、制御部40の濃度データ取得部45へと引き渡される。濃度データ取得部45は、画像データ300に基づいて、帯状領域F付近における濃度分布を解析する。そして、濃度データ取得部45は、基準領域F1付近における第1方向の濃度分布データ451と、調整領域F2付近における第1方向の濃度分布データ452とを含む濃度分布データ450を取得する(ステップS206)。
【0079】
具体的には、濃度データ取得部45は、画像データ300の基準領域F1付近および調整領域F2付近の各領域において、第2方向の濃度の平均値を求める。これにより、濃度データ取得部45は、基準領域F1付近における第1方向の濃度分布データ451と、調整領域F2付近における第1方向の濃度分布データ452とを含む、濃度分布データ450を取得する。なお、本実施形態では、濃度分布データ450は、各領域における第2方向の濃度の平均値であったが、各領域における第2方向の濃度の積算値であってもよい。
【0080】
そして、制御部40の検出部46は、濃度分布データ450に基づいて、基準パターンP1に対する調整対象パターンP2の第1方向の位置ずれ量を検出する(ステップS207)。
【0081】
図9は、テストパターンPの画像データ300の一部分と、濃度分布データ450の例を示した図である。
図9中、(a)は、基準パターンP1と調整対象パターンP2とが、第1方向に一致している例、(b)および(c)は、調整対象パターンP2が、基準パターンP1に対して上流側にずれている例である。
【0082】
図9中、(a)に示すように、基準パターンP1と調整対象パターンP2とが、第1方向に一致している場合、基準領域F1付近の濃度分布データ451と調整領域F2付近の濃度分布データ452とは、一致する。一方、
図9中(b)および(c)に示すように、基準パターンP1と調整対象パターンP2との第1方向のずれが大きくなるにつれ、基準領域F1付近の濃度分布データ451と調整領域F2付近の濃度分布データ452とに、ずれが生じる。具体的には、各濃度分布データ451,452の濃度値の重心位置がずれる。したがって、濃度分布データ450を解析することにより、基準パターンP1と調整対象パターンP2との第1方向の位置ずれ量を検出することができる。
【0083】
本実施形態では、検出部46は、各濃度分布データ451,452の濃度分布の重心座標を計算することにより、基準パターンP1の第1方向の重心位置x10と、調整対象パターンP2の第1方向の重心位置x20とを計算する。そして、重心位置x10と、重心位置x20との第1方向のずれ量およびずれ方向を検出することにより、検出部46は、基準パターンP1に対する調整対象パターンP2の第1方向の位置ずれ量460を検出する。
【0084】
なお、本実施形態では、濃度分布データ450の各領域F1,F2における重心位置を計算することにより、基準パターンP1と調整対象パターンP2との第1方向の位置ずれ量を検出したが、本発明はこの限りではない。検出部46による位置ずれ量460の検出方法のバリエーションについては、後述する。
【0085】
最後に、
図4に示すように、検出部46により検出された位置ずれ量460を、吐出制御部44へフィードバックする(ステップS208)。これにより、吐出制御部44は、検出部46が検出した位置ずれ量460に基づいて、ノズル列23のそれぞれのインク滴の吐出時刻を調節する。すなわち、吐出制御部44は、ノズル列23のそれぞれについて、印刷用紙9上の吐出目標位置を調節する。
【0086】
具体的には、調整対象パターンP2が、基準パターンP1より上流側にずれている場合、調整対象ノズル列である第2ノズル列232の吐出時刻を早める。また、調整対象パターンP2が、基準パターンP1より下流側にずれている場合、調整対象ノズル列である第2ノズル列232の吐出時刻を遅らせる。また、吐出時刻の変更量は、位置ずれ量460の大きさに対応した時間とする。印刷用紙9の搬送速度を考慮することにより、位置ずれ量460に対応する吐出時刻の変更量を決定できる。
【0087】
このように、この記録装置1では、基準パターンP1と調整対象パターンP2とを含む1つのテストパターンPを印刷し、当該テストパターンPの濃度分布データを解析することにより、ノズル列23間の記録位置のずれを補正することができる。
【0088】
<4.テストパターンの種類>
ここで、テストパターンの種類について、以下に説明する。
【0089】
<4−1.第1テストパターン>
まず、
図9を参照しつつ、上記の実施形態で用いたテストパターンP(以下「第1テストパターンP」と呼ぶ)について、以下に詳細を説明する。
【0090】
第1テストパターンPを記録する際、吐出制御部44は、基準ノズル列である第1ノズル列231から、基準領域F1の全体を目標としてインク滴を吐出させることにより、基準パターンP1を記録させる。この際、第1ノズル列から、調整領域F2に対しては、インク滴を吐出させない。また、吐出制御部44は、調整対象ノズル列である第2ノズル列232から、調整領域F2の全体を目標としてインク滴を吐出させることにより、調整対象パターンP2を記録させる。この際、第2ノズル列232から、基準領域F1に対しては、インク滴を吐出させない。
【0091】
これにより、第1テストパターンPでは、基準領域F1付近においては基準パターンP1のみ、調整領域F2付近においては調整対象パターンP2のみが記録される。すなわち、基準領域F1付近の濃度分布データ451は、基準パターンP1のみの濃度分布データとなり、調整領域F2付近の濃度分布データ452は、調整対象パターンP2のみの濃度分布データとなる。
【0092】
そのため、濃度分布データ451の濃度分布範囲の下流側端部の位置(以下、下端位置)x11は、基準パターンP1の下端位置と一致する。濃度分布データ451の濃度分布範囲の上流側端部の位置(以下、上端位置)x12は、基準パターンP1の上端位置と一致する。また、濃度分布データ451の濃度分布の重心位置x10は、基準パターンP1の第1方向の重心位置と一致する。
【0093】
同様に、濃度分布データ452の下端位置x21は調整対象パターンP2の下端位置と、濃度分布データ452の上端位置x22は調整対象パターンP2の上端位置と、それぞれ一致する。また、濃度分布データ452の濃度分布の重心位置x20は、調整対象パターンP2の第1方向の重心位置と一致する。
【0094】
第1テストパターンPでは、各濃度分布データ451,452が、各パターンP1,P2のみの濃度分布を表すため、位置ずれ量の検出処理が容易である。また、基準パターンP1と調整対象パターンP2とが重ならないため、インク滴がにじみやすい印刷用紙9を用いた場合でも、にじみによる誤差が生じにくい。また、インク滴が重なることによる印刷用紙9の伸縮も生じにくい。
【0095】
<4−2.第2テストパターン>
次に、第2テストパターンについて説明する。
図10は、第2テストパターンPaと、その濃度分布データ450aを示した図である。
【0096】
第2テストパターンPaを記録する際、吐出制御部44は、基準ノズル列である第1ノズル列231から、基準領域F1全体および調整領域F2全体を目標としてインク滴を吐出させることにより、基準パターンP1を記録させる。また、吐出制御部44は、調整対象ノズル列である第2ノズル列232から、調整領域F2の全体を目標としてインク滴を吐出させることにより、調整対象パターンP2を記録させる。この際、第2ノズル列232から、基準領域F1に対しては、インク滴を吐出させない。
【0097】
これにより、第2テストパターンPaでは、基準領域F1付近においては基準パターンP1のみ、調整領域F2付近においては基準パターンP1と調整対象パターンP2の両方が記録される。すなわち、基準領域F1付近の濃度分布データ451aは、基準パターンP1のみの濃度分布データとなり、調整領域F2付近の濃度分布データ452aは、基準パターンP1と調整対象パターンP2の両方を含むパターンの濃度分布データとなる。
【0098】
そのため、第2テストパターンPaの基準領域F1付近の濃度分布データ451aは、第1テストパターンPの基準領域F1付近の濃度分布データ451と同じである。すなわち、濃度分布データ451aの下端位置x11aは、基準パターンP1の下端位置と、濃度分布データ451aの上端位置x12aは、基準パターンP1の上端位置と、それぞれ一致する。また、濃度分布データ451aの重心位置x10aは、基準パターンP1の第1方向の重心位置と一致する。
【0099】
また、
図10の(a)に示すように、基準パターンP1および調整対象パターンP2の第1方向の位置が揃っている場合、濃度分布データ451aの下端位置x11a、上端位置x12aおよび重心位置x10aと、濃度分布データ452aの下端位置x21a、上端位置x22aおよび重心位置x20aとは、それぞれ一致する。
【0100】
一方、
図10の(b)および(c)に示すように、基準パターンP1と調整対象パターンP2とが第1方向にずれている場合、濃度分布データ452aの下端位置x21aは、基準パターンP1および調整対象パターンP2のいずれか一方の下端位置と一致する。
図10の(b)および(c)においては、調整対象パターンP2が基準パターンP1よりも上流側にずれているため、濃度分布データ452aの下端位置x21aは、基準パターンP1の下端位置と一致する。すなわち、濃度分布データ452aの下端位置x21aと濃度分布データ451aの下端位置x11aとが、一致する。また、濃度分布データ452aの上端位置x22aは、基準パターンP1および調整対象パターンP2の他方の上端位置と一致する。
図10の(b)および(c)においては、濃度分布データ452aの上端位置x22aは、調整対象パターンP2の上端位置と一致する。
【0101】
このように、濃度分布データ452aの下端位置x21aおよび上端位置x22aの少なくとも一方は、濃度分布データ451aの下端位置x11aまたは上端位置x12aと一致する。
【0102】
また、調整領域F2付近では、基準パターンP1と調整対象パターンP2とが同密度で分布しているため、濃度分布データ452aの重心位置は、基準パターンP1の第1方向の重心位置と、調整対象パターンP2の第1方向の重心位置との中点となる。
【0103】
第2テストパターンPaでは、調整領域F2付近において、基準パターンP1と調整対象パターンP2の両方が記録される。このため、基準パターンP1と調整対象パターンP2とが第1方向にずれている場合、肉眼視において基準領域F1と比べて濃く、かつ、太い線に見える。基準パターンP1と調整対象パターンP2とが第1方向にずれていない場合であっても、肉眼視において基準領域F1と比べて濃い線に見える。このため、第2テストパターンPaは、基準領域F1と調整領域F2との区別を目視により判断しやすい。したがって、基準パターンP1と調整対象パターンP2との記録位置のずれを、目視により確認しやすい。
【0104】
<4−3.第3テストパターン>
次に、第3テストパターンについて説明する。
図11は、第3テストパターンPbと、その濃度分布データ450bを示した図である。
【0105】
第3テストパターンを記録する際、吐出制御部44は、基準ノズル列である第1ノズル列231から、基準領域F1全体と、調整領域F2の一部とを目標としてインク滴を吐出させることにより、基準パターンP1を記録させる。また、吐出制御部44は、調整対象ノズル列である第2ノズル列232から、調整領域F2の他の一部を目標としてインク滴を吐出させることにより、調整対象パターンP2を記録させる。この際、第2ノズル列232から、基準領域F1に対しては、インク滴を吐出させない。
【0106】
図11の例では、調整領域F2を目標として、第1ノズル列231および第2ノズル列232のそれぞれが、1つおきのノズルからインク滴を吐出することにより、互いのノズル列23から吐出したインク滴が、印刷用紙9上で重ならないように設定されている。
【0107】
これにより、第2テストパターンPbでは、基準領域F1付近においては基準パターンP1のみ、調整領域F2付近においては基準パターンP1と調整対象パターンP2の両方が互いに重ならない位置に記録される。すなわち、基準領域F1付近の濃度分布データ451bは、基準パターンP1のみの濃度分布データとなり、調整領域F2付近の濃度分布データ452bは、基準パターンP1と調整対象パターンP2の両方を含むパターンの濃度分布データとなる。
【0108】
そのため、第3テストパターンPbの基準領域F1付近の濃度分布データ451bは、第1テストパターンPの基準領域F1付近の濃度分布データ451と同じである。すなわち、濃度分布データ451bの下端位置x11bは、基準パターンP1の下端位置と、濃度分布データ451bの上端位置x12bは、基準パターンP1の上端位置と、それぞれ一致する。また、濃度分布データ451bの重心位置x10bは、基準パターンP1の第1方向の重心位置と一致する。
【0109】
また、
図11の(a)に示すように、基準パターンP1および調整対象パターンP2の第1方向の位置が揃っている場合、濃度分布データ451bの下端位置x11b、上端位置x12bおよび重心位置x10bと、濃度分布データ452bの下端位置x21b、上端位置x22bおよび重心位置x20bとは、それぞれ一致する。
【0110】
一方、
図11の(b)および(c)に示すように、基準パターンP1と調整対象パターンP2とが第1方向にずれている場合、濃度分布データ452bの下端位置x21bは、基準パターンP1および調整対象パターンP2のいずれか一方の下端位置と一致する。
図11の(b)および(c)においては、調整対象パターンP2が基準パターンP1よりも上流側にずれているため、濃度分布データ452bの下端位置x21bは、基準パターンP1の下端位置と一致する。すなわち、濃度分布データ452bの下端位置x21bと濃度分布データ451bの下端位置x11bとが、一致する。また、濃度分布データ452bの上端位置x22bは、基準パターンP1および調整対象パターンP2の他方の上端位置と一致する。
図11の(b)および(c)においては、濃度分布データ452bの上端位置x22bは、調整対象パターンP2の上端位置と一致する。
【0111】
このように、濃度分布データ452bの下端位置x21bおよび上端位置x22bの少なくとも一方は、濃度分布データ451bの下端位置x11bまたは上端位置x12bと一致する。
【0112】
また、調整領域F2付近では、基準パターンP1と調整対象パターンP2とが同密度で分布しているため、濃度分布データ452bの重心位置は、基準パターンP1の第1方向の重心位置と、調整対象パターンP2の第1方向の重心位置との中点となる。なお、
図11では、調整領域F2付近において基準パターンP1と調整対象パターンP2とが同密度で分布しているが、基準パターンP1と調整対象パターンP2との分布密度が異なる場合は、濃度分布データ452bの重心位置は、両パターンP1,P2の分布密度の比率に応じた位置となる。
【0113】
第3テストパターンPbでは、調整領域F2付近において、基準パターンP1と調整対象パターンP2の両方が記録される。したがって、基準パターンP1と調整対象パターンP2とが第1方向にずれている場合、肉眼視において基準領域F1と比べて太い線に見える。このため、基準パターンP1と調整対象パターンP2とがずれている場合に、第3テストパターンPbは、基準領域F1と調整領域F2との区別を目視により判断しやすい。したがって、基準パターンP1と調整対象パターンP2との記録位置のずれを、目視により確認しやすい。
【0114】
また、基準パターンP1と調整対象パターンP2とのずれが小さい、または、無い場合であっても、基準パターンP1と調整対象パターンP2とが重なりにくい。これにより、パターンの重なりによるにじみが抑制される。したがって、にじみが生じる場合と比べて、正確な濃度分布データを得ることができる。また、インク滴が重なることによる印刷用紙9の伸縮も生じにくい。
【0115】
<5.位置ずれ量検出方法>
続いて、位置ずれ量検出方法について、詳細に説明する。上述の通り、検出部46は、濃度分布データ450に含まれる基準領域F1付近の濃度分布データ451と、調整領域F2付近の濃度分布データ452とから、基準パターンP1と調整対象パターンP2との第1方向の位置ずれ量を検出する。以下に、検出部46における位置ずれ量460検出の方法について説明する。
【0116】
<5−1.重心位置による検出>
上記の実施形態では、検出部46は、濃度分布データ450の重心位置を解析することにより、基準パターンP1と調整対象パターンP2との第1方向の位置ずれ量460を検出している。以下に、テストパターンの種類に応じた、重心位置による位置ずれ量460の検出方法について説明する。
【0117】
図9に示した第1テストパターンPでは、基準領域F1付近の濃度分布データ451の重心位置x10は、基準パターンP1の第1方向の重心位置と一致する。また、調整領域F2付近の濃度分布データ452の重心位置x20は、調整対象パターンP2の第1方向の重心位置と一致する。
【0118】
したがって、重心位置x10に対する重心位置x20の位置ずれ量は、基準パターンP1に対する調整対象パターンP2の位置ずれ量460と一致する。このように、第1テストパターンPでは、基準パターンP1と調整対象パターンP2との第1方向の位置ずれ量460を、重心位置x10に対する重心位置x20の位置ずれ量として検出することができる。
【0119】
図10に示した第2テストパターンPaでは、基準領域F1付近の濃度分布データ451の重心位置x10aは、基準パターンP1の第1方向の重心位置と一致する。一方、調整領域F2付近では、上述の通り、基準パターンP1と調整対象パターンP2とが同密度で分布しているため、濃度分布データ452aの重心位置x20aは、基準パターンP1の第1方向の重心位置と、調整対象パターンP2の第1方向の重心位置との中点となる。
【0120】
すなわち、重心位置x10aに対する重心位置x20aの位置ずれ量は、基準パターンP1に対する調整対象パターンP2の位置ずれ量460の半分となる。このように、第2テストパターンPaでは、基準パターンP1と調整対象パターンP2との第1方向の位置ずれ量460を、重心位置x10aに対する重心位置x20aの位置ずれ量の2倍として検出することができる。ただし、この場合、重心位置x10aに対する重心位置x20aの位置ずれ量に含まれる計測誤差も2倍となるため、第1テストパターンPに比べて、位置ずれ量460の検出精度が下がる。
【0121】
第3テストパターンPbでは、
図11に示すように、調整領域F2付近において基準パターンP1と調整対象パターンP2とが同密度で分布する場合は、第2テストパターンPaと同様である。なお、調整領域F2付近における基準パターンP1と調整対象パターンP2との密度が異なる場合は、基準パターンP1と調整対象パターンP2との密度の比を考慮する必要が生じ、検出部46における解析が煩雑となる。そのため、調整領域F2付近における基準パターンP1と調整対象パターンP2との密度が異なる場合は、後述する分布幅による検出を行った方が精度良く検出を行うことができる。
【0122】
<5−2.分布幅による検出>
検出部46は、濃度分布データ450の分布幅を解析することにより、基準パターンP1と調整対象パターンP2との第1方向の位置ずれ量460を検出することができる。以下に、テストパターンの種類に応じた、分布幅による位置ずれ量460の検出方法について説明する。
【0123】
図9に示した第1テストパターンでは、上述の通り、濃度分布データ451の下端位置x11および上端位置x12はそれぞれ、基準パターンP1の下端位置および上端位置と一致する。また、濃度分布データ452の下端位置x21と上端位置x22はそれぞれ、調整対象パターンP2の下端位置および上端位置と一致する。
【0124】
したがって、下端位置x11に対する下端位置x21の位置ずれ量は、基準パターンP1に対する調整対象パターンP2の位置ずれ量と一致する。また、上端位置x12に対する上端位置x22の位置ずれ量は、基準パターンP1に対する調整対象パターンP2の位置ずれ量460と一致する。このように、第1テストパターンPでは、基準パターンP1と調整対象パターンP2との第1方向の位置ずれ量460を、下端位置x11に対する下端位置x21の位置ずれ量、または、上端位置x12に対する上端位置x22の位置ずれ量として検出することができる。
【0125】
また、第1テストパターンPでは、基準パターンP1と調整対象パターンP2との第1方向の位置ずれ量460を、下端位置x11に対する下端位置x21の位置ずれ量と、上端位置x12に対する上端位置x22の位置ずれ量との平均として検出してもよい。この場合、上端位置同士の位置ずれ量のみ、または、下端位置同士の位置ずれ量のみと比べ、計測誤差の影響が小さくなる。
【0126】
図10に示した第2テストパターンPaでは、上述の通り、濃度分布データ452aの下端位置x21aおよび上端位置x22aの少なくとも一方は、濃度分布データ451aの下端位置x11aまたは上端位置x12aと一致する。
【0127】
下端位置x11aと下端位置x21aとが一致している場合、上端位置x12aに対する上端位置x22aの位置ずれ量は、基準パターンP1に対する調整対象パターンP2の位置ずれ量460と一致する。同様に、上端位置x12aと上端位置x22aとが一致している場合、下端位置x11aに対する下端位置x21aの位置ずれ量は、基準パターンP1に対する調整対象パターンP2の位置ずれ量460と一致する。
【0128】
このように、第2テストパターンPaでは、基準パターンP1と調整対象パターンP2との第1方向の位置ずれ量460を、下端位置x11aに対する下端位置x21aの位置ずれ量、または、上端位置x12aに対する上端位置x22aの位置ずれ量として検出することができる。
【0129】
図11に示した第3テストパターンPbでは、第2テストパターンPaと同様、濃度分布データ452bの下端位置x21bおよび上端位置x22bの少なくとも一方は、濃度分布データ451bの下端位置x11bまたは上端位置x12bと一致する。
【0130】
したがって、第3テストパターンPbでも、第2テストパターンPaと同様、基準パターンP1と調整対象パターンP2との第1方向の位置ずれ量460を、下端位置x11bに対する下端位置x21bの位置ずれ量、または、上端位置x12bに対する上端位置x22bの位置ずれ量として検出することができる。
【0131】
なお、濃度分布データ450の各濃度分布データの下端位置および上端位置の検出は、例えば、閾値を設けることにより行われる。
図9中、(a)の濃度分布データ451に示すように、濃度値が所定の閾値c以上となる範囲をパターンの分布範囲とし、その下端位置を濃度分布データ451の下端位置x11、その上端位置を濃度分布データ451の上端位置x12として検出してもよい。
【0132】
このように、濃度分布データ450の各濃度分布データの下端位置および上端位置の検出を閾値を設けて行う場合、テストパターンの記録に使用するインク滴の色に応じて異なる閾値を設定してもよい。
【0133】
<6.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0134】
<6−1.テストパターンの配列>
上記の実施形態では、
図8に示すように、1つの帯状領域Fが第2方向に5つに分割され、基準領域と調整領域とが交互に配置されていたが、本発明はこれに限られない。
【0135】
以下に、テストパターンの配列についての例を挙げるが、説明の簡便のため、いずれの例においても基準領域には基準パターンのみ、調整領域には、対応する調整対象パターンのみが記録される、第1テストパターンを用いて説明する。しかしながら、第2テストパターン等の他のテストパターンの場合にも、以下のような配列を適用できる。
【0136】
図12は、一変形例に係るテストパターンの配列を示した図である。テストパターンPcは、ノズルヘッドの1つの基準ノズル列および1つの調整対象ノズル列についてのテストパターンを、2つの帯状領域Fに記録したものである。
【0137】
図12の例では、1つのノズルヘッドに対応する2つの帯状領域Fは、それぞれ第2方向に5つに分割され、基準領域F1と調整領域F2とが交互に配置されている。そして、2つの帯状領域Fにおいて、基準領域F1同士、あるいは調整領域F2同士が互いに第1方向に重ならないように、配置されている。
【0138】
このようにすると、基準ノズル列全体についての基準パターンと、調整対象ノズル列全体についての調整対象パターンとについて、第1方向の位置を比較することが出来る。これにより、基準パターンと調整対象パターンとの位置ずれ量の検出精度をさらに上げることができる。
【0139】
図13は、他の変形例に係るテストパターンの配列を示した図である。
図13の例では、1つの帯状領域Fが、基準領域F1と、第1調整領域F2と、第2調整領域F3と、第3調整領域F4とを含む。基準領域F1は、基準ノズル列(例えば第1ノズル列)からインク滴を吐出させる目標となる領域である。第1調整領域F2は、第1調整ノズル列(例えば第2ノズル列)からインク滴を吐出させる目標となる領域である。また、第2調整領域F3および第3調整領域F4はそれぞれ、第2調整ノズル列(例えば第3ノズル列)および第3調整ノズル列(例えば第4ノズル列)からインク滴を吐出させる目標となる領域である。
【0140】
図13の例では、1つの帯状領域Fが、基準領域F1と、複数の異なるノズル列に対応する複数の調整領域F2〜F4とを有することにより、1つの帯状領域Fにより、複数の調整対象ノズル列の位置ずれ量を検出できる。したがって、テストパターンの印刷に使用するインク量をより抑制できる。
【0141】
<6−2.他の変形例>
また、上記の実施形態の記録装置は、被記録媒体への記録を行う記録部と、画像取得部と、濃度データ取得部と、検出部とを有していたが、本発明はこの限りではない。本発明の記録装置は、被記録媒体への記録を行う記録部のみを有しており、画像取得部と、濃度データ取得部と、検出部とが、それぞれ記録装置独立した他の装置に属していてもよい。
【0142】
例えば、記録装置がインクジェットプリンタ、画像取得部がスキャナ、濃度データ取得部および検出部がパーソナルコンピュータで実現されてもよい。また、記録装置が入力部をさらに有し、検出部において検出した位置ずれ量を外部から入力する構成であってもよい。
【0143】
また、上記の実施形態では、ノズルヘッド22の位置を固定し、当該ノズルヘッド22に対して印刷用紙9を第1方向に移動させていた。しかしながら、印刷用紙9の位置を固定し、当該印刷用紙9に対してノズルヘッド22を第1方向に移動させてもよい。すなわち、本発明の相対移動手段は、ノズルヘッドと被記録媒体とを、第1方向に相対移動させるものであればよい。
【0144】
また、上記の記録装置1は、被記録媒体としての印刷用紙9に画像を記録するものであった。しかしながら、本発明の記録装置は、一般的な紙以外のシート状の被記録媒体(例えば、樹脂製のフィルム等)に、画像等のパターンを記録するものであってもよい。
【0145】
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。