(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記顧客登録データは、前記顧客が電子マネーを利用するか否か、その顧客の購買履歴およびその購買履歴に応じた割引サービスの段階をさらに含む請求項1に記載の販売データ処理装置。
前記顧客登録データは、前記顧客が電子マネーを利用するか否か、その顧客の購買履歴およびその購買履歴に応じた割引サービスの段階をさらに含む請求項4に記載の販売データ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
≪ブロック図≫
【0011】
図1は、この発明の販売データ処理装置およびその販売データ処理装置と通信する外部の機器の構成を示すブロック図である。外部の機器として、顧客が持つ携帯通信端末111、電子マネー決裁端末211およびデータセンター311を図示している。
【0012】
販売データ処理装置11の具体的態様は、店舗に設置されるPOS端末であり、外部のデータセンター311と通信する。また、販売データ処理装置11には、種々の電子マネーの決裁に用いる電子マネー決裁端末211が接続されている。顧客の有する携帯通信端末111が電子マネー機能を有していてもよいが、
図1では、ICカードの形状を有するものとして電子マネー200を示している。
以下、販売データ処理装置11について説明する。
販売データ処理装置11は、処理部21、表示部29、入力部31、印刷部33、通信部35、NFC部36を備える。
【0013】
処理部21は、CPUと周辺回路で構成され、販売データ処理装置11の各部を制御し、売上げる商品の登録、集計および支払いに係る処理を行う。処理部21は、顧客情報参照部21aおよび精算処理部21bを含む。これらは、前記CPUが処理プログラムを実行することによってそれぞれの機能が実現される。
【0014】
顧客情報参照部21aは、後述する近接検出部36aが顧客の携帯通信端末111の近接を検知したときに通信部35を介して外部のデータセンター311にアクセスし、その携帯通信端末111に関連付けて登録された顧客登録データ300の内容を参照する。
【0015】
精算処理部21bは、顧客情報参照部21aが参照する顧客登録データ300の内容に基づいて、その顧客について精算処理を行い、電子レシートおよびレシート印刷用の印刷データを生成する。
表示部29は、精算処理部21bが扱う売上、集計および支払いに関連する取引内容や合計金額を表示する。
【0016】
入力部31は、キーボード31aおよびバーコードリーダー31bを含む。キーボード31aは、売上げる商品の単価などの取引情報の入力(登録)操作を受付ける。バーコードリーダー31bは、売処処理する商品に付されたバーコードを読み取る。
印刷部33は、レシート等の印字を行う。
【0017】
通信部35は、外部のデータセンター311や外部の機器等と通信するためのインターフェイスで、具体的にはイーサネット等を用いた通信でイントラネットやインターネット等のネットワークに接続された外部の機器と通信する。
【0018】
NFC部36は、近距離無線通信技術(Near Field Communication)を用いて顧客が携帯する携帯通信端末111との間で通信を行う。具体的にはBluetooth(登録商標)の規格や、Felica(登録商標)やMIFARE(登録商標)等非接触ICカードの規格に準拠した技術が適用可能であるが、これらに限定されるものでない。この実施形態では、Bluetoothの規格に基づく通信を行うものとして説明する。Bluetoothは、数m程度の機器間接続に使われる短距離無線通信技術の一つで、販売データ処理装置11に近接した顧客の携帯通信端末111との間でデータの送受信ができる。この実施形態では、顧客登録データの識別情報や電子レシート情報データを送受信する。
【0019】
NFC部36は、近接検出部36aおよび近接通信部36bを含む。近接検出部36aは、顧客登録データに関連付けられた携帯通信端末111が販売データ処理装置11に近接したことを検知する。近接通信部は、精算処理部21bが生成した電子レシートを携帯通信端末111に送信する。両者は機能が異なるが、共通のハードウェアを用いてそれぞれの機能が実現される。
携帯通信端末111は、顧客が携帯し販売データ処理装置11に近接したときに販売データ処理装置11と通信する。
【0020】
携帯通信端末111と後述するデータセンター311に格納される顧客登録データとの関連付けは、例えば次のようにして行われる。顧客はその店舗のWebページ等にアクセスしてその店舗から電子レシートやポイントサービス等を受けるためのユーザーIDを登録する。店舗側は、前記Webページ上で登録されたそれぞれの顧客登録データをデータセンター311に格納して管理する。さらに、店舗側は専用のアプリケーションを予め用意しておく。前記登録を行ったユーザーはそのアプリケーションを携帯通信端末にダウンロードする。アプリケーションは、それがダウンロードされた携帯通信端末がユーザーを識別するための情報(ユーザーID)を送信する機能を提供する。ただし、この態様は一例でこれに限定されるものでない。例えば、後述するようにBluetoothのペアリングの機能を用いるようにしてもよい。
以上、販売データ処理装置11の構成について説明した。続いて、携帯通信端末111について説明する。
携帯通信端末111は、端末処理部121、端末表示部129、端末入力部131、端末通信部135および端末NFC部136を備える。
【0021】
端末処理部121は、CPUを中心としてメモリーや他の周辺回路で構成され、携帯通信端末111が備える各ブロックを制御する。さらに、例えば端末通信部135を介してインターネット上の前記Webページにアクセスする処理は、ダウンロードした前記アプリケーションを実行する処理などを行う。
【0022】
端末表示部129は、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置などで構成され、前記Webページの内容や前記アプリケーションのダウンロード、インストール、設定等に係る画面を表示する。
端末入力部131は、携帯通信端末111への操作を受け付けるもので、端末表示部129と共に設けられるタッチパネルやスイッチ等で構成される。
【0023】
端末通信部135は、例えば携帯電話の3G、LTEあるいは4G等の通信規格および/またはWi−Fi等の無線LAN規格に適合した通信を行う機能を提供するインターフェイスである。
端末NFC部136は、販売データ処理装置11のNFC部36に対応して両者間の通信を実現するブロックである。
以上、携帯通信端末111の構成について説明した。
【0024】
電子マネー決裁端末211は、電子マネー200の読み取りおよび書き込みを行う装置である。電子マネー200は、例えばSuika(登録商標)、Edy(登録商標))、nanaco(登録商標)、WAON(登録商標)等で知られる情報通信技術を用いた電子決済サービスを利用するために顧客が携帯する非接触型ICカード等の物理的な記録媒体である。
【0025】
データセンター311は、電子レシートを提供する事業者等が各店舗の売上データや商品単価、在庫などのデータ等を管理保管する施設である。さらに、この実施形態においてデータセンター311は、登録された顧客の顧客登録データ300やポイントデータ301を管理する。
【0026】
顧客登録データ300は、登録された顧客を識別するユーザーID、その顧客が電子レシートの発行を希望するか否か、電子マネーを利用するか否か、顧客の購買履歴とそれに応じた割引サービスの段階等の情報を含む。電子レシートの発行を希望するか否か、電子マネーを利用するか否かは、後述するユーザー登録の際に顧客の意志に応じて登録される。
【0027】
ポイントデータ301は、各顧客が有するポイントの情報であり、購買金額に基づき付与されるポイント、電子レシートの利用に基づき付与されるポイント等の情報を含む。
≪電子レシートの発行に関連するサービス≫
続いて、この発明に係る電子レシートの発行およびそれに関連するサービスの概要について説明する。
(実施の形態1)
第1の態様によれば、次の手順を経て電子レシートが発行され、それに係るサービスが提供されるようになる。
【0028】
図2は、この実施形態において、電子レシートの発行およびそれに係るサービスの提供を受ける手順の例を示す説明図である。
図2を用いてその手順を説明する。
【0029】
手順1.顧客による事前のユーザー登録
電子レシート45を受領する為に、顧客は販売データ処理装置あるいは店舗が提供するWebページ等を経由して店舗側のデータセンター311にあらかじめユーザー登録を行う。ユーザー登録を行うことによって、Bluetoothなどの近接通信手段で店舗の販売データ処理装置11と顧客の携帯通信端末111とが接続できるようにしておく。
【0030】
例えば、販売データ処理装置11と携帯通信端末111の双方がBluetooth通信機能を備えた機器であって、店舗のレジで顧客の売上、集計および支払いの処理を行うときに顧客の申請により事前のユーザー登録を行う場合を例に挙げる。この場合、データ処理装置11のオペレータは、申請に応じてデータ処理装置11のキーボード31aを操作してユーザー登録の処理を行う。ユーザー登録時に、以下に述べるペアリングの処理を用いて顧客の携帯端末の認識を行う。即ち、Bluetooth通信機能を備えた機器同士は、接続相手を特定する為にペアリングと呼ばれる処理を行う。双方の機器に同一のパスキー(認証鍵、PINともいう)を入力して交換が終わると、ペアリングが完了する。一度ペアリングを行った機器間では、次回から自動的に接続が確立されてパスキーの入力は不要である。ペアリングに係る認証鍵をその顧客のユーザーIDと対応付けて顧客登録データ300に含めて格納することで、その携帯通信端末111と顧客登録データとが関連付けられる。事前登録で顧客登録データ300として登録される内容は、電子レシートの発行を希望するか否か、電子マネーを利用するか否かの項目を含み、顧客の意志に応じた選択が登録される。なお、Webページ上でユーザー登録を行う場合は、販売業者が運営するWebページにユーザーIDによりログインを行い、認証完了後に所定の入力フォームにより電子レシートの発行希望の有無、電子マネーの利用可否を選択する。選択された内容を顧客データ300に対して新規または更新登録を行うようにする。
【0031】
ユーザー登録は、一つの店舗についての登録であってもよいが、一つの販売業者についての登録であってもよい。即ち、その業者の複数の店舗について共通の顧客登録データ300を用いてもよい。さらに、複数の販売業者からなるグループについての登録であってもよい。その場合、前記グループに加入している販売業者のいずれの店舗についても共通の顧客登録データ300を用いた処理が行われる。
【0032】
手順2.電子レシートの発行
ユーザー登録で、電子レシートの発行を希望した顧客10が携帯通信端末111を持って来店し、商品を購入するためにレジに並び、店舗に設置された販売データ処理装置11に接近すると、近接検出部36aは、ペアリングが完了した機器の近接を検出する。
【0033】
その検出に応答して処理部21は、通信部35を介してデータセンター311に格納された顧客登録データ300にアクセスする。そして、前記ペアリングに係る認証鍵が登録された顧客10の顧客登録データを特定する。
【0034】
顧客10の登録データの内容が、電子レシートの発行を希望している場合、精算処理部21bは、その顧客について精算処理を行い、その処理が修了したら電子レシートのデータを生成する。そして、近接通信部36bを介して電子レシート45を携帯通信端末111に送信する。紙のレシートについては、レシートを発行しないかもしくは総額のみの簡略化された内容を印字する。
【0035】
手順3.ポイントの加算
この実施形態において、精算処理部21bは、電子レシート45を発行しかつ紙のレシートを発行しないかもしくは簡略化されたレシートを発行した場合、顧客10にポイントを付与する。あるいは次回の割引率を変動させるなどの特典を与える。
このような特典を顧客に与えることにより、紙のレシート発行の印刷量が低減されるように顧客を誘導する。
【0036】
(実施の形態2)
実施の形態2では、電子マネーで決裁する場合の態様を説明する。
図3は、この実施形態において、電子レシートの発行およびそれに係るサービスの提供を受ける手順の異なる例を示す説明図である。
【0037】
手順1.顧客による事前のユーザー登録
ユーザー登録の手順は実施の形態1と同様であるが、実施の形態2では、電子マネー情報も含めたユーザー登録を行う。
【0038】
手順2.電子レシートの発行
顧客10が携帯通信端末111を持って販売データ処理装置111に接近したことを検出すると、精算処理部21bは、精算処理の際に電子レシート45を携帯通信端末111に送信する。紙のレシートについては、レシートを発行しないかもしくは総額のみの簡略化された内容を印字する。これらの処理は、実施の形態1と同様である。
この実施形態において、顧客10は、支払いの際に電子マネー200で支払いを行う。精算処理部21bは、電子マネーの決済額や残高を携帯通信端末111に自動送信する。
これにより、顧客10は電子マネー専用の端末に出向いて残高照会を都度行わなくても、携帯通信端末111で電子マネーの残高を確認できる。
【0039】
手順3.ポイントの加算
ポイントの加算処理は、実施の形態1と同様である。
【0040】
(実施の形態3)
電子レシートの応用例として、販売データ処理装置11は、一回限りの印字出力を許容する属性を電子レシート45に付加して携帯通信端末111に送信してもよい。電子レシート45を受信した顧客10は、自ら所有するプリンタなど販売データ処理装置11以外の装置で必要に応じてレシートあるいは領収書を一回に限り印字することができる。
【0041】
(実施の形態4)
さらなる応用例として、事前にユーザー登録しておけば、家族全員の週間取引や月間取引をデータセンター311で集計し、受信するサービスを提供してもよい。
【0042】
以上のように、この発明に係る電子レシートの発行およびそれに関連するサービスを提供することにより、店舗側および顧客側は以下の利益を得ることが期待される。
電子レシートを発行する店舗側としては、印刷するレシート用紙の削減、印刷時間、受け渡し時間の削減が図れる。
さらに、電子レシート発行に応じた特典ポイントを顧客に付与する場合は、ポイントの加算によって顧客の購買機会が増え、売上増加が期待される。
顧客は、電子レシート発行のサービスを受けることにより、特典ポイントが加算される。
実施の形態3によれば、顧客は、携帯通信端末111受領した電子レシートに基づくレシートあるいは領収書を必要に応じて一回に限り印字することができる。
【0043】
また、実施の形態4によれば、顧客は電子レシートだけでなく、それを加工したデータをデータセンター311から受領して家庭や事業における会計管理に役立てることができる。
【0044】
≪フローチャート≫
上述の実施形態において、処理部21が実行する処理の流れをフローチャートに基づいて以下に説明する。
図4は、上述の実施形態において、携帯通信端末111の端末処理部121が実行するユーザー登録処理の流れを示すフローチャートである。
図4では、顧客が携帯通信端末111を用いて店舗が用意したウェブページにアクセスしてユーザー登録を行う場合の端末処理部121の処理を示している。
図4の態様では、ウェブページではユーザー登録時に設定項目が順を追って表示されるものとしている。
【0045】
図4で、端末処理部121は、インターネット上に店舗が用意したユーザー登録用のウェブページにアクセスする(ステップS11)。端末処理部121は、端末通信部135を介してインターネット上で前記ウェブページを提供するサーバーと通信する。そして、端末表示部129にウェブページの画面が表示される。
【0046】
ウェブページの画面に、電子レシートの発行を許可するか否かの選択が表示される。画面に従って顧客が何れかの選択を行うと、端末入力部131は選択の操作を受付ける。端末処理部121は、端末通信部135を介してその操作を前記サーバーに通知する(ステップS13)。サーバー側ではその選択が仮記憶される。
【0047】
続いて、ウェブページの画面に、電子マネーの決裁を許可するか否かの選択が表示される。画面に従って顧客が何れかの選択を行うと、端末入力部131は選択の操作を受付ける。端末処理部121は、端末通信部135を介してその操作を前記サーバーに通知する(ステップS15)。サーバー側ではその選択が仮記憶される。
【0048】
電子マネーによる決裁を許可する選択を受付けた場合(ステップS17のYes)、ウェブページの画面には、電子レシート発行時に電子マネーの決済額、残高のデータを受信するか否かの選択が表示される。電子マネーによる決裁を禁止する選択を受付けた場合(ステップS17のNo)、その画面はスキップされる。前記画面に従って顧客が何れかの選択を行うと、端末入力部131は選択の操作を受付ける。端末処理部121は、端末通信部135を介してその操作を前記サーバーに通知する(ステップS19)。サーバー側ではその選択が仮記憶される。
【0049】
以下、同様にしてユーザー登録に係る他の項目の選択画面が表示され、顧客による選択の操作を端末入力部131が受付けると、端末処理部121はその操作を前記サーバーに通知する(ステップS21)。サーバー側ではその選択が仮記憶される。他の項目には、例えばユーザーIDの登録が含まれる。その他、実施の形態3で述べたように電子レシートの一度限りの印字を許容するか否かの選択、実施の形態4で述べた家族全員の取引データをデータセンター311で集計して提供するか否かの選択が含まれてもよい。
【0050】
最後に、各設定項目の内容を承認するか否かの画面が表示される。顧客が承認の操作を行うと、端末入力部131がその操作を受付けて、端末処理部121はその操作を前記サーバーに通知する(ステップS23)。サーバー側では、仮記憶された各選択の内容に基づいて顧客登録データ300にその顧客に対応するデータが追加される。
以上がユーザー登録時の処理の例である。続いて、販売データ処理装置11が顧客の精算処理を行う際の処理について説明する。
図5および
図6は、販売データ処理装置11の処理部21(精算処理部21bを含む)が実行する精算処理を示すフローチャートである。
【0051】
図5で、処理部21は、近接検出部36aが携帯通信端末111の近接を検出するのを待って(ステップS31のYes)、近接した携帯通信端末の識別情報を取得する(ステップS33)。Bluetoothのペアリングに係る認証鍵を識別情報として用いる場合は、その認証鍵を取得する。
【0052】
そして、通信部35を介してデータセンター311と通信し、取得された認証鍵に対応する顧客が顧客登録データ300に登録されているか否かについて照会を行う(ステップS35)。登録されているか否かに応じた処理は、後述するステップS43で実行される。
【0053】
続いて、処理部21は、売り上げる商品の登録を行う(ステップS37).商品の登録は、バーコードリーダー31bまたはキーボード31aを用いて行われる。各商品が登録された後、次の商品の登録を受付けるか、すべての商品が登録されて支払の処理に移るかを判断する(ステップS39)。次の商品が登録された場合(ステップS39のNo)、ルーチンは前述のステップS37へ戻り登録の受付けを繰り返す。
【0054】
支払い処理に移る場合(ステップS39のYes)は、登録された商品の売上金額を集計し、現金、カードあるいは電子マネーによる支払いの処理を行う(ステップS41)。
【0055】
支払いの処理を行った後、処理部21は、前記ステップS35で照会を行った携帯通信端末が顧客登録データ300に登録されたものか否かを確認する(ステップS43)。登録されていなければ(ステップS43のNo)、ルーチンは後述する
図6のステップS61へ進み、レシートの印刷を行う。
【0056】
登録されている場合(ステップS43のYes)、その顧客に係る顧客登録データの設定が電子レシートの発行を許可しているか否かを調べる(ステップS45)。許可していなければ、ルーチンは後述する
図6のステップS61へ進み、レシートの印刷を行う。
【0057】
電子レシートの発行を許可している顧客の場合(ステップS45のYes)、処理部21は、電子レシートのデータを生成して携帯通信端末111へ電子レシートを送信する(
図6のステップS47)。
【0058】
電子レシートの送信完了を待って(ステップS49)、処理部21はさらに、電子レシート発行に係る特典ポイントをその顧客に対して発行する(ステップS51)。そして、その顧客に対してポイントを発行した旨と発行したポイント数をデータセンター311に知らせる(ステップS53)。データセンター311は、各顧客のポイントデータ301を管理しているので、その顧客についてポイントデータ301の更新を要求する。
【0059】
ポイントに係る通知の送信完了を待って(ステップS55)、処理部21は、その顧客について紙のレシートの発行を省略するか否かを判断する(ステップS57)。電子レシートを発行した顧客についてレシートの印刷を省略するか否かは、店舗側が一律に決めてもよいし、ユーザー登録時の選択項目の一つとして顧客に選択させてもよい。レシートの印字を省略する場合は(ステップS57のYes)、処理を終了する。
【0060】
レシートの印字を行う場合、ルーチンはステップS61へ進む。ここで、処理部21は、簡易のレシート印字を行うか通常のレシート印字を行うかを判断する。即ち、電子レシートを発行した顧客に対しては(ステップS61のYes)、通常のレシートに比べて簡易な内容の印刷データを生成し(ステップS63)、その後ルーチンはステップS67へ進む。例えば、売上の商品明細を省略して合計の売上額と消費税のみの印刷データである。
【0061】
一方、電子レシートを発行しない顧客に対しては(ステップS61のNo)、通常のレシートの印刷データを生成し(ステップS65)、その後ルーチンはステップS67へ進む。そして、処理部21は、生成された印刷データに基づいて印刷部33にレシートを印刷させ(ステップS67)、処理を終了する。
以上が、精算処理の流れである。続いて、携帯通信端末111が電子レシートを受信した際の処理を説明する。
図7は、端末処理部121が、販売データ処理装置11から電子レシート45を受信して表示する処理を示すフローチャートである。
【0062】
図7で、端末処理部121は、電子レシートを受信したときは(ステップS51のYes)、受信した電子レシートの内容を端末表示部129に表示させる(ステップS53)。
【0063】
さらに、電子マネーの残高、決済額等を受信したときは(ステップS55のYes)、受信した電子マネーの残高、決済額等の内容を端末表示部129に表示させ(ステップS57)。処理を終了する。
以上に述べたように、
【0064】
この発明による販売データ処理装置は、予め登録された携帯通信端末が近接したことを検出する近接検出部と、前記携帯通信端末と関連付けて予め登録された顧客登録データを参照する顧客情報参照部と、前記顧客登録データに係る顧客について精算処理を行い、電子レシートおよび印刷データを生成する精算処理部と、生成された電子レシートを、前記携帯通信端末に送信する近接通信部と、前記印刷データに基づいてレシートを印刷し得る印刷部とを備え、前記顧客登録データは、電子レシートの要否を含み、前記精算処理部は、売上の処理を行うときに顧客登録データに応じた処理を行い、前記電子レシートの要否に係る顧客登録データに応じて電子レシートと印刷されたレシートの少なくとも何れかを発行することを特徴とする。
【0065】
この発明において、近接検出部および近接通信部は、NFC(Near Field Communication)規格の通信技術、例えばBluetooth(登録商標)やRFID(Radio Frequency Identification)関連規格の技術を用いて携帯通信端末の近接を検出し、顧客情報参照部が参照すべき顧客登録データを特定し得るものである。その具体的な態様は、例えば、スマートフォンやタブレット端末とBluetooth通信を行うためのハードウェアおよびソフトウェアである。近接検出部は、その顧客登録データに関連付けられた携帯通信端末が近接したかを検知する点で、電子レシートを前記携帯通信端末に送信する近接通信部と機能的に異なるが、両者が共通のハードウェアで構成されてもよい。
【0066】
精算処理部は、顧客について売上げる商品の登録、集計および支払いの処理を行って販売データを生成するものである。この明細書では、これら一連の処理を精算処理と呼んでいる。精算処理部は、さらに電子レシートを生成し、前記印刷部にレシートを印刷させてもよい。その具体的な態様は、例えば、CPUが処理プログラムを実行することによりその機能が実現される。
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
【0067】
(実施の形態5)
前記精算処理部は、電子レシートの発行を要求した顧客については、電子レシートの発行を要求しない顧客よりも簡略化されたレシートを印刷するかまたはレシートの印刷を行わないようにしてもよい。
【0068】
このようにすれば、電子レシートの発行を要求した顧客については、印刷したレシートを簡略化または省略してレシートの印刷および受け渡しに伴う費用や時間を削減することができる。
【0069】
(実施の形態6)
前記精算処理部は、前記顧客登録データに応じて精算処理時に付与すべきポイントを決定してもよい。
【0070】
このようにすれば、前記顧客登録データに応じた顧客毎のきめ細かなポイント付与処理に対応することができる。引いては、顧客毎のきめ細かなサービスを提供して顧客の満足度を高め、購買意欲を高めることができる。
【0071】
(実施の形態7)
前記精算処理部は、前記顧客登録データに応じて精算処理時に適用すべき割引率を決定してもよい。
【0072】
このようにすれば、前記顧客登録データに応じた顧客毎のきめ細かな割引サービスに対応することができる。引いては、顧客の満足度を高め、購買意欲を高めることができる。
【0073】
(実施の形態8)
前記登録は、店舗ごと、販売業者ごとまたは複数の販売業者からなるグループごとの登録であってもよい。
このようにすれば、一つの店舗に限らず、同一販売業者や複数の販売業者からなるグループに共通したサービスに対応できる。
【0074】
(実施の形態9)
前記精算処理部は、前記近接検出部が複数の携帯通信端末が近接していることを検出したとき何れの携帯通信端末に関連付けられた顧客登録データに係る精算処理を行うかを販売データ処理装置のオペレータに選択させてもよい。
このようにすれば、精算処理を行う顧客をオペレータが確認したうえで精算処理を行うので、誤った顧客に対して精算処理が行われるのを回避できる。
【0075】
(実施の形態10)
精算処理をする顧客の生体認証を行うかまたはその顧客による認証の操作を受け付ける顧客認証部をさらに備え、前記精算処理部は、前記近接検出部が複数の携帯通信端末が近接していることを検出したとき、認証された顧客の顧客登録データに応じた処理を行ってもよい。
【0076】
このようにすれば、生体認証された顧客またはる認証の操作を行った顧客について精算処理を行うので、誤った顧客に対して精算処理が行われるのを回避できる。
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
【0077】
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。