(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した、情報へのアクセス制御技術に関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0013】
従来、電気機器が使用されるときに、その電気機器と共に所定物品が用いられる場合がある。例えば、電気機器である洗濯機に対して、洗濯機と共に用いられる洗濯洗剤又は柔軟剤等の物品が所定物品である。また、電気機器である電子レンジに対して、レンジに入れて調理するレトルトなどのレンジ調理食材が所定物品である。また、電気機器である美顔器に対して、美顔器を肌にあてて使用する際に同時に用いられる化粧品が所定物品である。
【0014】
一般に、電気機器は、使用されるたびに、使用されたときの設定情報又は使用された結果に関する情報であるログ(ログ情報)を出力及び蓄積する機能がある。電気機器の保守者は、ログを解析することで、電気機器の使用のされ方、使用頻度、又は、故障に関する情報などを知ることができる。また、電気機器の保守者又は開発者は、このようにして得られた情報を活用して、故障の原因を特定したり、新たな電気機器の開発のための情報を入手したりすることができる。
【0015】
一方、電気機器と共に用いられる所定物品については、所定物品の使用され方についての情報が得られることが少ない。その結果、所定物品の提供者は、使用者が所定物品をどのように使用したかについての情報を得ることができないことが多い。特に、物品の開発者が従来と異なる使用方法で使用される物品を開発したとき、その物品を使用者がどのように使用したかについての情報を得たいと考えるが、その情報を得ることは難しい。
【0016】
そこで、電気機器のログに、その電気機器と共に使用された所定物品に関する情報を付加することにより、所定物品の使用のされ方に関する情報を電気機器のログから得る手法が考えられる。しかし、所定物品の使用のされ方に関する情報は、その所定物品の提供者にとって有用な情報であるだけでなく、同業他社又は競合する事業者にとっても有用な情報である。そのため、その情報へアクセスできる者を一定の範囲に制限するアクセス制御が必要となる。電気機器の例として洗濯機を、所定物品の例として洗濯洗剤を用いて、具体的に説明する。洗濯洗剤の使用量や、洗濯洗剤を使用したときの洗濯機の設定(洗い時間、すすぎ回数など)のような洗濯洗剤の使用のされ方に関する情報を取得しようとするとき、当該情報を洗濯機のログから取得することが考えられる。洗濯洗剤の使用のされ方に関する情報は、当該洗濯洗剤の製造事業者にとって有用であると同時に、競合の洗濯洗剤事業者にとっても有用である。この場合、当該洗濯洗剤の製造事業者が洗濯洗剤の使用のされ方に関する情報にアクセスでき、競合の洗剤事業者が当該情報にアクセスできないようにするアクセス制御が必要となる。
【0017】
従来、個人情報をサーバに管理し、個人情報の登録者が個人情報にアクセス可能な参照者のカテゴリを登録し、当該カテゴリに基づいて参照者の個人情報へのアクセス制御を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0018】
また、個人情報をサーバに管理し、参照者が個人情報にアクセスする際に、個人情報の登録者に対してサーバへのアクセス制御及びアクセス先の情報を通知する技術が開示されている(例えば、特許文献2)。
【0019】
また、一時的な参照者と恒久的な参照者とのそれぞれに、異なる種別のデータベースへのアクセス権を与える技術が開示されている(例えば、特許文献3)。
【0020】
しかしながら、所定物品を用いて電気機器が使用される場合に、所定物品が用いられているときの電気機器の使用方法に関する情報への適切なアクセス制御ができないという問題がある。
【0021】
この問題は、上記の特許文献1〜3のいずれの技術によっても解決されない。
【0022】
そこで、所定物品を用いて電気機器が使用される場合の使用方法に関する情報への適切なアクセス制御を行うアクセス制御方法を提供する。
【0023】
上記の問題を解決するために、本発明の一態様に係るアクセス制御方法は、所定物品を用いて使用される電気機器の使用履歴を示すログ情報を受け付けるログ入力ステップと、前記所定物品を特定するための情報を含む物品情報を受け付ける物品情報入力ステップと、前記ログ入力ステップで受け付けた前記ログ情報と、前記物品情報入力ステップで受け付けた前記物品情報とを関連付けて格納するログ格納処理ステップと、前記ログ情報へのアクセスがあった場合に、当該ログ情報に関連付けられた前記物品情報に基づいて当該ログ情報へのアクセスを許可するか否かを制御するアクセス制御ステップとを含むアクセス制御方法である。
【0024】
これによれば、所定物品の使用履歴が、当該所定物品を用いて使用される電気機器の使用履歴から取得される。そして、所定物品の使用履歴に関連付けられた物品情報から所定物品の提供者を特定し、アクセスルールに基づいて、所定物品の使用履歴にアクセスしようとするアクセスユーザに対するアクセス制御が行われる。よって、所定物品を用いて電気機器が使用される場合の使用方法に関する情報への適切なアクセス制御を行うことができる。
【0025】
例えば、前記アクセス制御方法は、さらに、前記ログ入力ステップで受け付けた前記ログ情報に対して、前記物品情報を示すタグ情報を付加するタグ付加ステップを含み、前記ログ格納処理ステップでは、前記タグ付加ステップで前記タグ情報を付加した後の前記ログ情報であるタグ付ログ情報を格納し、前記アクセス制御ステップでは、前記タグ付ログ情報に含まれる前記タグ情報に基づいて当該タグ付ログ情報へのアクセスを許可するか否かを制御するとしてもよい。
【0026】
これによれば、所定物品の使用履歴が、当該所定物品を用いて使用される電気機器の使用履歴から取得される。そして、所定物品の使用履歴に付加された物品情報から所定物品の提供者を特定し、アクセスルールに基づいて、所定物品の使用履歴にアクセスしようとするアクセスユーザに対するアクセス制御が行われる。よって、所定物品を用いて電気機器が使用される場合の使用方法に関する情報への適切なアクセス制御を行うことができる。
【0027】
例えば、前記アクセス制御ステップでは、前記ログ格納処理ステップによって格納された前記ログ情報へのアクセスをしようとするアクセスユーザと当該ログ情報に付加された前記タグ情報により特定される前記所定物品の提供者との関係を用いて、アクセスユーザと物品の提供者との関係に対して当該アクセスユーザによるアクセスを許可するか否かを示すルールを参照することで、前記アクセスを許可するか否かを制御するとしてもよい。
【0028】
これによれば、所定物品の提供者があらかじめ指定したアクセスルールに基づいて、所定物品の使用履歴にアクセスしようとするアクセスユーザに対するアクセス制御が行われる。よって、所定物品を用いて電気機器が使用される場合の使用方法に関する情報への適切なアクセス制御を行うことができる。
【0029】
例えば、前記ログ入力ステップでは、使用された前記電気機器の種別を示す第一機器情報を含む前記ログ情報を受け付け、前記物品情報入力ステップでは、前記物品情報として、さらに、前記所定物品を用いて使用される電気機器の種別を示す第二機器情報を受け付け、前記タグ付加ステップは、前記ログ情報のうち、前記第一機器情報が前記第二機器情報に等しい前記ログ情報に対して前記タグ情報を付加するとしてもよい。
【0030】
これによれば、通信端末は、物品情報で指定される電気機器のログだけに対して、タグを付加することができる。通信端末は、通信端末に多数の種別の電気機器が接続される場合においても、接続された電気機器で用いられる所定物品に対応するタグを付加することができる。その結果、電気機器のログへアクセスするアクセスユーザに対する適切なアクセス制御が可能となる。よって、多数の種別の電気機器が接続される場合においても、適切なアクセス制御を行うことができる。
【0031】
例えば、前記ログ入力ステップでは、前記電気機器が使用された際に用いられた前記所定物品の提供者を特定するための第一提供者情報を含む前記ログ情報を受け付け、前記物品情報入力ステップでは、前記物品情報として、さらに、前記所定物品の提供者を特定するための第二提供者情報を受け付け、前記タグ付加ステップでは、前記ログ情報のうち、前記第一提供者情報により特定される提供者が、前記第二提供者情報により特定される提供者に等しい前記ログ情報に対して前記タグ情報を付加するとしてもよい。
【0032】
これによれば、通信端末は、物品情報で指定される所定物品の提供者のログだけに対して、タグを付加することができる。通信端末は、通信端末に多数の種別の電気機器が接続される場合においても、接続された電気機器で用いられる所定物品に対応するタグを付加することができる。その結果、電気機器のログへアクセスするアクセスユーザに対する適切なアクセス制御が可能となる。よって、多数の種別の電気機器が接続される場合においても、適切なアクセス制御を行うことができる。
【0033】
例えば、前記物品情報入力ステップでは、前記物品情報として、さらに、前記タグ情報を付加する回数を受け付け、前記タグ付加ステップでは、前記物品情報入力ステップで前記回数を含む前記物品情報を受け付けてから、前記回数分の前記ログ情報に対して前記タグ情報を付加するとしてもよい。
【0034】
これによれば、1回の物品情報の入力に対して1個のログ情報に対してタグを付加するだけでなく、回数として指定された個数のログ情報に対してタグを付加することができる。よって、効率よくアクセス制御のためのタグ付加処理を行うことができる。
【0035】
例えば、前記ログ入力ステップでは、前記所定物品の名称を含む前記ログ情報を受け付け、前記物品情報入力ステップでは、前記物品情報として、さらに、前記所定物品の名称を受け付け、前記タグ付加ステップでは、前記ログ入力ステップで受け付けた前記ログ情報のうち、前記ログ情報に含まれる名称が前記物品情報入力ステップで受け付けた前記名称に一致するログ情報に前記タグ情報を付加するとしてもよい。
【0036】
これによれば、通信端末が所定物品の名称を含む物品情報受け付け、さらに、所定物品の名称を含む電気機器のログ情報を受け付ける場合に、所定物品の名称が一致するログ情報に対してタグを付加することができる。よって、より正確にアクセス制御のためのタグ付加処理を行うことができる。
【0037】
例えば、前記ログ入力ステップでは、前記所定物品の固有番号を含む前記ログ情報を受け付け、前記物品情報入力ステップでは、前記物品情報として、さらに、前記所定物品の固有番号を受け付け、前記タグ付加ステップでは、前記ログ入力ステップで受け付けた前記ログ情報のうち、前記ログ情報に含まれる固有番号が前記物品情報入力ステップで受け付けた前記固有番号に一致するログ情報に前記タグ情報を付加するとしてもよい。
【0038】
これによれば、通信端末が所定物品の固有番号を含む物品情報受け付け、さらに、所定物品の固有番号を含む電気機器のログ情報を受け付ける場合に、所定物品の固有番号が一致するログ情報に対してタグを付加することができる。通信端末は、同一種別の所定物品であっても、固有番号が異なる物品に対して、異なるタグを付加することができる。その結果、物品の固有番号ごとに、アクセスユーザに対する適切なアクセス制御を行うことが可能となる。よって、より正確にアクセス制御のためのタグ付加処理を行うことができる。
【0039】
例えば、前記ログ格納処理ステップは、前記ログ情報として、前記ログ情報と、複数の前記ログ情報に対して統計処理が施されることで生成された統計ログ情報とを格納し、前記アクセス制御ステップでは、前記ログ情報と前記統計ログ情報とのそれぞれに対して、前記アクセスユーザによるアクセスを許可するか否かを示す前記ルールを参照することで、前記アクセスを許可するか否かを制御するとしてもよい。
【0040】
これによれば、ログ情報の生データと、ログ情報の統計データとのそれぞれに対して異なるアクセス制御を行うことができる。よって、より細かい粒度でアクセス制御ができる。
【0041】
例えば、前記物品情報入力ステップでは、前記所定物品に取り付けられたQR(Quick response)コード(登録商標)を読み取ることで、前記物品情報を受け付け、前記ログ入力ステップでは、前記電気機器とのNFC(Near field communication)通信により、前記ログ情報を受け付けるとしてもよい。
【0042】
これによれば、通信端末は、効率よいデータ入力手段又はデータ転送手段を用いて、物品情報又はログ情報を受け付けることができる。よって、通信端末はより効率よくアクセス制御のための情報を受け付けることができる。
【0043】
例えば、前記アクセス制御方法は、さらに、前記電気機器の設定情報を作成し、前記設定情報を前記電気機器へ出力する機器設定ステップを含み、前記ログ入力ステップでは、前記機器設定ステップで前記設定情報を出力した前記電気機器の使用履歴を示す前記ログ情報を受け付けるとしてもよい。
【0044】
これによれば、ユーザは、一般に電気機器より豊富なユーザインタフェースを搭載する通信端末上で電気機器の設定情報を作成し、その設定情報を電気機器に出力することによって、電気機器の設定を行うことができる。ユーザは、通信端末上で電気機器の設定情報を作成するため、電気機器上で設定を行うより速く正確に詳細な設定を行うことができる。その結果、所定物品の提供者にとって有用なログ情報が取得される。
【0045】
例えば、前記アクセス制御ステップでは、前記アクセスユーザが、前記タグ情報により示される前記所定物品の提供者に一致する場合に、前記アクセスユーザによる前記ログ情報へのアクセスを許可するという第一ルールを含む前記ルールを参照することで、前記アクセスを許可するか否かを制御するとしてもよい。
【0046】
これによれば、所定物品の提供者が、所定物品の使用履歴にアクセスできるように、アクセス制御が行われる。よって、所定物品を用いて電気機器が使用される場合の使用方法に関する情報への適切なアクセス制御を行うことができる。
【0047】
例えば、前記アクセス制御ステップでは、前記アクセスユーザが、前記所定物品の提供者があらかじめ指定したユーザ群に含まれる場合に、前記アクセスユーザによる前記ログ情報へのアクセスを許可するという第二ルールを含む前記ルールを参照することで、前記アクセスを許可するか否かを制御するとしてもよい。
【0048】
これによれば、指定されたアクセスユーザだけが所定物品の使用履歴にアクセスできるように、アクセス制御が行われる。よって、所定物品を用いて電気機器が使用される場合の使用方法に関する情報への適切なアクセス制御を行うことができる。
【0049】
例えば、前記アクセス制御ステップでは、前記アクセスユーザが、前記所定物品の提供者があらかじめ指定したユーザ群に含まれる場合に、前記アクセスユーザによる前記ログ情報へのアクセスを拒否するという第三ルールを含む前記ルールを参照することで、前記アクセスを許可するか否かを制御するとしてもよい。
【0050】
これによれば、指定されたアクセスユーザだけが所定物品の使用履歴にアクセスできないように、アクセス制御が行われる。よって、所定物品を用いて電気機器が使用される場合の使用方法に関する情報への適切なアクセス制御を行うことができる。
【0051】
また、本発明の一態様に係るアクセス制御システムは、通信端末とサーバとを備えるアクセス制御システムであって、前記通信端末は、所定物品を用いて使用される電気機器の使用履歴を示すログ情報を受け付けるログ入力部と、前記所定物品を特定するための情報を含む物品情報を受け付ける物品情報入力部と、前記ログ入力部が受け付けた前記ログ情報と、前記物品情報入力部が受け付けた前記物品情報とを前記サーバに送信する送信部とを有し、前記サーバは、前記ログ情報と前記物品情報とを前記通信端末から受信する受信部と、前記受信部が受信した前記ログ情報と前記物品情報とを関連付けて格納するログ格納処理部と、前記ログ情報へのアクセスがあった場合に、当該ログ情報に関連付けられた前記物品情報に基づいて当該ログ情報へのアクセスを許可するか否かを制御するアクセス制御部とを有するアクセス制御システムである。
【0052】
これにより、上記のアクセス制御方法と同様の効果を奏する。
【0053】
また、本発明の一態様に係る通信端末は、上記に記載のアクセス制御システムにおける通信端末である。
【0054】
これにより、上記のアクセス制御方法と同様の効果を奏する。
【0055】
また、本発明の一態様に係るサーバは、上記に記載のアクセス制御システムにおけるサーバである。
【0056】
これにより、上記のアクセス制御方法と同様の効果を奏する。
【0057】
また、本発明の一態様に係るアクセス制御方法は、所定物品を用いて使用される電気機器の使用履歴を示すログ情報を送信する通信端末と、前記通信端末が送信した前記ログ情報に関連付けられた前記物品情報に基づいて、当該ログ情報へのアクセスを許可するか否かを制御するサーバとを備えたアクセス制御システムにおいて、前記通信端末で動作するアクセス制御方法であって、所定物品を用いて使用される電気機器の使用履歴を示すログ情報を受け付けるログ入力ステップと、前記所定物品を特定するための情報を含む物品情報を受け付ける物品情報入力ステップと、受け付けた前記ログ情報と、受け付けた前記物品情報とを、前記サーバに送信する送信ステップとを含むアクセス制御方法である。
【0058】
これにより、上記のアクセス制御方法と同様の効果を奏する。
【0059】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0060】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0061】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0062】
(実施の形態1)
本実施の形態において、ユーザが電気機器の一例である洗濯機を、当該電気機器とともに用いられる物品(所定物品)の一例である洗濯洗剤を用いて使用するときのログ(ログ情報)を、洗濯洗剤の提供者であるA社とA社の同業他社であるB社とがアクセスする際のアクセス制御について説明する。なお、「提供者」とは、所定物品を、所定物品を使用する者等に提供する立場にある者を意味し、具体的には、製造事業者、販売事業者、卸売業者、又は、小売業者などを意味する。さらに、「提供者」に、製造事業者等が指定する事業者を含めてもよい。
【0063】
なお、アクセスとは、以下の2つの通信形態がある。1つは、情報を得ようとする者(取得者ともよぶ)が、情報を保有している者(保有者ともよぶ)に対して情報を取得するための要求信号を送信し、当該要求信号の応答として保有者が取得者へ情報を渡すような通信形態(いわゆるPull型通信)である。また、もう1つは、上記のような要求信号を用いずに、保有者から取得者へ一方的に情報を渡すような通信形態(いわゆるPush型通信)である。
【0064】
なお、本実施の形態では、通信端末と電気機器とは、1対1に対応するものとする。これは、例えば、電気機器が家庭にある洗濯機であり、通信端末がそれを利用するその家庭の母の携帯端末である場合を想定したものである。
【0065】
[1.1 アクセス制御システムの全体構成]
図1は、本実施の形態に係るアクセス制御システム1のブロック図である。
【0066】
図1に示されるように、本実施の形態に係るアクセス制御システム1は、通信端末11とサーバ12とを備える。そして、通信端末11は、物品情報入力部111と、ログ入力部112と、タグ付加部113と、送信部114とを有する。また、サーバ12は、受信部121と、タグ付ログ格納処理部122と、アクセス制御部123と、アクセスルール格納部124Aとを有する。
【0067】
[1.2 通信端末の構成]
[1.2.1 物品情報入力部]
物品情報入力部111は、電気機器(不図示)とともに用いられる所定物品に関する情報である物品情報を受け付ける。物品情報は、少なくとも、所定物品を特定するための情報を含む。物品情報の具体例は、所定物品の提供者の名称又は略称、所定物品の名称又は略称などである。なお、電気機器と所定物品との組み合わせの具体例は、洗濯機と洗濯洗剤、レンジとレンジ調理用食材、及び、炊飯器と具材などである。また、物品情報は所定物品ごとに定められるので、所定物品が変わると、物品情報が変更される。具体的には、ユーザが、洗濯機において使用する洗濯洗剤を使用し始めると、物品情報入力部111は、新たな洗濯洗剤に関する物品情報を受け付ける。また、例えば、ユーザが洗濯洗剤の使用モニタになることを意図して、通信端末に対応する物品情報を入力すると、物品情報入力部111は、新たな洗濯洗剤に関する物品情報を受け付ける。このようにして、物品情報が変更される。
【0068】
物品情報とは、少なくとも、所定物品を特定するための情報を含む。物品情報の具体例を
図5Aに示す。
【0069】
図5Aは、所定物品の一例である洗濯洗剤AAAの物品情報の一例である。
図5Aに示される物品情報501は、所定物品の提供者を特定するための情報A(「提供者」欄)と、所定物品の名称AAA(「物品名称」欄)とを含む。なお、物品情報は、さらに、所定物品が使用される電気機器(洗濯機といった情報、あるいはある特定のメーカの特定の品番号であってもよい)を特定するための情報を含んでもよい。
【0070】
[1.2.2 ログ入力部]
ログ入力部112は、電気機器(不図示)と接続し、電気機器の使用履歴を示すログ(ログ情報)を受け付ける。ログは、例えば、電気機器を動作させるときの設定情報、又は、電気機器を動作させた結果に関する情報などを含む。電気機器との接続は、例えば、無線通信により実現される。
【0071】
電気機器のログの具体例を
図5Bに示す。
【0072】
図5Bは、電気機器の一例である洗濯機のログの一例である。
図5Bに示される電気機器のログ502は、当該電気機器固有の情報として、電気機器の種別(「機器」欄)、及び、電気機器の機種名(「機種」欄)、並びに、当該電気機器が使われたときの設定情報として、使用された日時(「日時」欄)、洗いに要する時間(「洗い」欄)、すすぎの回数(「すすぎ」欄)、脱水に要する時間(「脱水」欄)、及び、乾燥に要する時間(「乾燥」欄)を含む。また、当該電気機器が使われた結果に関する情報として、水の使用量、洗剤の使用量、及び、洗濯物の容量を含む。なお、ログに含まれる情報は、電気機器の種別により異なる場合もあるし、複数の電気機器の種別に渡って共通のものとなる場合もある。
図5Bの例では、電気機器が洗濯機であり、機種番号がA01であり、洗濯ログの日時が2012年1月1日の午前6時であり、洗い、すすぎ、脱水及び乾燥のそれぞれの設定が、16分、2回、13分及び0分であることを示す。また、実際に使用した水の量、自動投下される洗剤の使用量、そのときの洗濯物の容量がそれぞれ、70L(リットル)、30ml、3kgであることを示す。
【0073】
[1.2.3 タグ付加部]
タグ付加部113は、ログ入力部112が受け付けたログに対して、物品情報入力部111が受け付けた物品情報を示すタグを付加する。タグとは、具体的には、
図5Aに示される物品情報501の内容を記述したものであってよいし、物品情報501の内容と対応するコード(数値)(例えば、「1111」)であってもよい。また、タグが付加されたログの例は、
図5Bに示されるログ502のヘッダ部に、
図5Aに示される物品情報501が追加されたものである。なお、タグが付加されたログのことをタグ付ログと呼ぶこともある。また、タグは物品情報を示すものであるので、タグ付ログのことを物品情報付きログということもできる。
【0074】
図5Cは、タグ付ログの説明図である。ログ入力部112が受け付けたログ512に対して付加されるタグ511について説明する。ログの一部にタグが埋め込まれる場合、
図5Cの(a)に示されるように、ログ512は、一部にタグ511を埋め込まれたものとなる。ログのヘッダ部分にタグを埋め込む場合、
図5Cの(b)に示されるように、ログ512の先頭部分にタグ511が連結されたものとなる。ログのフッタ部分にタグを埋め込む場合、
図5Cの(c)に示されるように、ログ512の終端部分にタグ511が連結されたものとなる。
【0075】
[1.2.4 送信部]
送信部114は、タグ付加部113がタグを付加したログをサーバ12に送信する。なお、送信のタイミングについては、ログ情報の入力後に送信部114がサーバ12と接続して送信するとしてもよいし、いくつかのログ情報を蓄積した後に任意のタイミングでサーバ12と接続して送信するとしてもよい。
【0076】
[1.3 サーバの構成]
[1.3.1 受信部]
受信部121は、通信端末11の送信部114が送信した、タグが付加されたログを受信する。
【0077】
[1.3.2 タグ付ログ格納処理部]
タグ付ログ格納処理部122は、タグが付加されたログをログ記億部(不図示)に格納する。なお、ログ記億部は、タグ付ログ格納処理部122と一体化されたものであってもよいし、サーバ12が備えるものであってもよいし、サーバ12の外部に存在するものであってもよい。ログ記億部がサーバ12の外部に存在する場合には、タグ付ログ格納処理部122は、通信回線などを通じてログ記億部にログを格納する。
【0078】
[1.3.3 アクセス制御部]
アクセス制御部123は、タグ付ログ格納処理部122によって格納されたログへのアクセスを行うアクセスユーザである洗濯洗剤の提供者であるA社、又は、A社の同業他社であるB社からのアクセスを受け付ける。そして、アクセス制御部123は、アクセスルール格納部124Aに格納されているルール124を参照することで、タグが付加されたログへのアクセスを許可するか否かを制御する。
【0079】
なお、上記は、A社又はB社からサーバへのPull型通信によるアクセスの場合についての説明である。サーバからA社又はB社へのPush型通信の場合には、サーバからA社又はB社への通信について、アクセス制御部123が、アクセスルール格納部124Aに格納されているルール124を参照することで、タグが付加されたログへのアクセスを許可するか否かを制御する。
【0080】
[1.3.4 アクセスルール格納部]
アクセスルール格納部124Aは、アクセスユーザによるログへのアクセスを許可するか否かを示すルール124を格納している。ルール124は、アクセスユーザと所定物品の提供者との関係に基づいてアクセスを許可するか否かを示すものである。ルール124の具体例について説明する。
図6、
図7、及び、
図8にルールの例を示す。
【0081】
図6は、本実施の形態に係るルールの一例である。
図6に示されるルール601は、洗剤の提供者によるログへのアクセスを許可することを意味するルール、及び、洗濯洗剤の提供者の同業他社によるログへのアクセスを拒否することを意味するルールである。ルール601に従うと、例えば、A社が提供する洗濯洗剤AAAのログに対して、提供者であるA社がアクセスすることを許可される一方、A社の同業他社であるB社がアクセスすることを拒否される。言い換えれば、A社が独占的(排他的)に洗濯洗剤AAAのログにアクセスすることができる。なお、この場合、ルール601に示されていないアクセスユーザのログへのアクセスを許可するようにしてもよいし、拒否するようにしてもよい。その実現方法としては、ルール601に、上記の内容を追加する(例えば、アクセスユーザ「上記以外のユーザ」に対して、ログへのアクセス「許可」を追加する)方法でもよい。また、アクセス制御部123が、ルール601に登録されていないアクセスユーザによるアクセスを許可または拒否するようにあらかじめ設定されており、その設定に従って動作するという方法で実現されてもよい。
【0082】
図7は、本実施の形態に係るルールの他の一例である。
図7に示されるルール701は、アクセスを許可されるアクセスユーザを示すリスト(いわゆるホワイトリスト)である。また、各アクセスユーザが、生データと統計データとのそれぞれへのアクセスを許可されるか否かのそれぞれについて示される。ルール701に従うと、以下のようなアクセス制御が行われる。すなわち、洗濯洗剤AAAのログに対して、B社は生データ及び統計データへのアクセスを許可される。また、C社及びD社は、統計データへのアクセスのみを許可される。なお、ホワイトリストに登録されていないアクセスユーザは、データへのアクセスを拒否される。
【0083】
図8は、本実施の形態に係るルールの他の一例である。
図8に示されるルール801は、アクセスを拒否されるアクセスユーザを示すリスト(いわゆるブラックリスト)である。また、各アクセスユーザが、生データと統計データとのそれぞれへのアクセスを拒否されるか否かのそれぞれについて示される。ルール801に従うと、以下のようなアクセス制御が行われる。すなわち、洗濯洗剤AAAのログに対して、F社は生データ及び統計データへのアクセスを拒否される。また、G社及びH社は、生データへのアクセスのみを拒否される。なお、ブラックリストに登録されていないアクセスユーザは、データへのアクセスを許可される。
【0084】
なお、ルール601、701、又は、801は、洗濯洗剤の提供者であるA社があらかじめ設定したものであってもよいし、A社が指定した業者が設定したものであってもよい。
【0085】
なお、サーバ12は、これらのルールを複数組み合わせてアクセスユーザへのアクセス制御を行うことが可能である。その際、同一のアクセスユーザへのアクセス許可とアクセス拒否とがルール内に共存することがあり得る。つまり、相反するアクセス制御のルールが共存することがあり得る。その場合、適用するルールの優先順位を設定しておき、優先順位の順にルールを適用することで、矛盾なくアクセス制御を行うことができる。また、このようにすると、状況に応じて複数のルールの適用可否を切り替えることで、効率よくルールを運用することができる。
【0086】
[1.4 アクセス制御システム利用時の構成]
図2は、本実施の形態に係るアクセス制御システム1の利用例を示す図である。
【0087】
図2に示されるように、アクセス制御システム1は、ユーザ宅20内の通信端末11の、ネットワーク14、及び、サーバ12を含む構成により利用される。
【0088】
ユーザ宅20内には、洗濯機21と洗濯洗剤22とがある。洗濯洗剤22には、洗濯洗剤22の提供者などを示すQR(Quick response)コード(登録商標)23が取り付けられている。通信端末11は、ネットワーク14を介してサーバ12と通信可能である。サーバ12には、ログ記億部13が接続される。
【0089】
この構成において、通信端末11は、洗濯洗剤22(QRコード(登録商標)23)と洗濯機21とから情報を受け取り、その情報に対して後述するタグ付加処理等を行った後、その情報をサーバ12に送信する。その情報を取得することを意図して、洗濯洗剤の提供者であるA社、及び、A社の同業他社であるB社が、ネットワーク14を介してサーバ12に対してアクセスする。
【0090】
なお、ログ記億部13がサーバ12に接続される形態を
図2に示したが、ログ記億部13は、サーバ12の一機能として、サーバ12内に存在する形態も可能である。
【0091】
なお、通信端末11が複数存在し、複数の通信端末11が1つのサーバ12へログを送信する構成をとることも可能である。これは、例えば、電気機器が家庭にある洗濯機であり、通信端末がその洗濯機を利用するその家庭の父と母との携帯端末である場合を想定したものである。この場合、携帯端末のID情報をログに付加してサーバに送信してもよい。これにより、ユーザごとに個別に、電気機器の設定情報を記録することができる。
【0092】
なお、通信端末11は、電気機器の一機能として、電気機器の内部に搭載されてもよい。言い換えれば、通信端末11は、電気機器に内蔵されてもよい。つまり、通信端末11と電気機器とは、以下の構成をとることが可能である。
【0093】
(1)電気機器の内部に通信端末11を備える構成。本構成によれば、ユーザは、物品を保持し物品のQRコード(登録商標)を、電気機器内の通信端末11のQRコード(登録商標)リーダにかざすことにより、通信端末11に物品情報を読み取らせる。
【0094】
(2)通信端末11と電気機器とが別体である構成。本構成によれば、ユーザは、通信端末11を物品のQRコード(登録商標)にかざすことで、通信端末11に物品情報を読み取らせる。
【0095】
[1.5 アクセス制御システムにおけるログの格納処理]
図3は、本実施の形態に係るアクセス制御システム1におけるログの格納処理のフローチャートである。
図3に示されるアクセス制御システム1におけるログの格納処理について説明する。
【0096】
まず、通信端末11の物品情報入力部111は、物品情報の入力を受け付ける(S301)。物品情報の入力方法には様々な方法がある。物品情報の入力方法には、例えば、所定物品に取り付けられたQRコード(登録商標)を、QRコード(登録商標)リーダにより読み取る方法がある。また、所定物品のパッケージなどに記述されたコードをユーザが通信端末11に入力する方法がある。また、通信端末11が所定物品のパッケージなどに記述されたURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすることによって、通信端末11に入力する方法でも実現可能である。
【0097】
次に、通信端末11のログ入力部112は、電気機器のログを受け付ける(S302)。電気機器のログを受け付ける方法には様々な方法がある。例えば、NFC(Near field communication)又はIEEE802.11規格等の無線通信によって、通信端末11が受信する方法がある。また、Ethernet(登録商標)又はPLC(Power Line Communication)等の有線通信によって、通信端末11が受信する方法がある。
【0098】
電気機器のログは、当該電気機器が使われるときの設定情報、又は、当該電気機器が使われた結果に関する情報などを含む。電気機器のログは、一例として、ユーザが所望の設定で電気機器を使用するために電気機器に設定を入力した後に、通信端末11と電気機器との間の通信により通信端末11に転送されることで、通信端末11に入力される。なお、ユーザが電気機器への設定を1回入力した後に、通信端末11が、その1回分の設定情報を入力されるようにしてもよいし、ユーザが電気機器への設定を複数回入力した後に、通信端末11が、その複数回分の設定情報を入力されるようにしてもよい。
【0099】
なお、ステップS301とS302との順序は逆であってもよい。
【0100】
次に、通信端末11のタグ付加部113は、ログにタグを付加する(タグ付加処理)(S303)。タグとは、物品情報501の内容を示す付加情報のことである。ログにタグを付加するとは、具体的には、ログの一部、又は、ログのヘッダ部分(若しくは、フッタ部分)に物品情報501の内容を示す付加情報を埋め込むことを意味する。
【0101】
タグ付加部113は、ログ入力部112が受け付けたログに対して、物品情報入力部111が受け付けた物品情報を示すタグを付加する。ここで、物品情報入力部111が物品情報を受け付けた後に、ログ入力部112が受け付けたログに対して、物品情報を示すタグを付加するようにしてもよい。また、物品情報入力部111が物品情報を受け付けた時点で、ログ入力部112が受け付けている最新のログに対して、物品情報を示すタグを付加するようにしてもよい。本実施の形態では、物品情報入力部111が物品情報を1回受け付けた後に、ログ入力部112が受け付けた最初の1個のログに対して、物品情報を示すタグを付加することとする。
【0102】
タグ付加部113の処理の具体例を
図5Cを参照しながら説明する。タグ付加部113は、ログ入力部112が受け付けたログ512に対してタグ511を付加する処理について説明する。ログの一部にタグを埋め込む場合、
図5Cの(a)に示されるように、ログ512は、一部にタグ511を埋め込まれたものとなる。ログのヘッダ部分にタグを埋め込む場合、
図5Cの(b)に示されるように、ログ512の先頭部分にタグ511が連結されたものとなる。ログのフッタ部分にタグを埋め込む場合、
図5Cの(c)に示されるように、ログ512の終端部分にタグ511が連結されたものとなる。
【0103】
次に、通信端末11の送信部114は、通信回線を介して物品情報を示すタグが付加されたログをサーバ12に送信する(S304)。
【0104】
次に、サーバ12の受信部121は、通信端末11から受信したログをログ記億部13に格納する(S305)。なお、ログ記億部13は、サーバ12が備えるものであってもよいし、サーバ12の外部に存在してもよい。
【0105】
以上の処理により、洗濯洗剤22に関するタグが付加された後の洗濯機21のログが、サーバ12によりログ記億部13に格納される。
【0106】
なお、複数の通信端末11が、同様のログを並行してサーバ12に送信することも可能である。その際には、通信端末11を識別するためのIDをタグに含めて、ログに付加するようにしてもよい。その場合、サーバにおいて格納されたログに付加されたIDから、通信端末11が一意に特定される。
【0107】
[1.6 アクセス制御システムのアクセス制御処理]
図4は、本実施の形態に係るアクセス制御システムのアクセス制御のフローチャートである。
図4を用いて、洗濯洗剤の提供者であるA社とA社の同業他社であるB社とがサーバ12にアクセスする際に行われる、ログに付加されているタグ情報を用いたアクセス制御について説明する。
【0108】
まず、サーバ12は、アクセスユーザ(A社またはB社)による、ログへのアクセスを受け付ける(S401)。
【0109】
次に、サーバ12は、ルール124を参照し、アクセスユーザによるアクセスを許可するか、又は、拒否するかを判定する(S402及びS403)。ルール124は、ログへのアクセスを行うアクセスユーザと所定物品の提供者との関係に基づいて、前記アクセスを許可するか、又は、拒否するかを示すものである。ログには、所定物品の提供者の情報が、タグとして付加されている。サーバ12は、ログに付加されたタグの情報を用い、ルール124に従って、アクセスユーザによるログへのアクセスが許可されるか否かを判定する。また、ルール124は、各ログの情報そのものである生データと、各ログを統計処理したデータである統計データとのそれぞれについて、アクセスを許可するか、又は、拒否するかを示すようにしてもよい。さらに、各ログを加工したデータである加工データのそれぞれについても、アクセスを許可するか、又は、拒否するかを示すようにしてもよい。ここで、加工とは、例えば、ログに含まれている個人情報を削除することである。
【0110】
次に、サーバ12は、ステップS403で判定されたアクセスの許可又は拒否に基づいて、アクセスユーザによるアクセスに対してアクセス制御を行う。つまり、S403でアクセスを許可すると判定された場合(S403で「許可」)には、当該アクセスユーザによるアクセスを許可する(S404)。一方、S403でアクセスを拒否すると判定された場合(S403で「拒否」)には、当該アクセスユーザによるアクセスを拒否する(S405)。
【0111】
以上の処理によって、サーバ12は、アクセス制御に関するルール124を参照することで、アクセスユーザによるログへのアクセスを制御することができる。このアクセス制御におけるデータの流れを
図9において説明する。
【0112】
図9Aは、本実施の形態に係るアクセス制御におけるデータの流れの説明図である。
【0113】
図9Aにおいて、データ(タグ付ログ)901は、洗濯機のログ502に対して、洗濯洗剤AAAの物品情報501がタグとして付加されたものである。タグ付ログ901は、通信端末11を経由してサーバ12のタグ付ログ格納処理部122により格納される。次に、洗濯洗剤AAAの提供者であるA社がログへアクセスすると、アクセス制御部はルール601に基づいたアクセス制御によりアクセスを許可され、A社はログを入手することができる。一方、洗濯洗剤AAAの提供者でないB社がログへアクセスすると、アクセス制御部によるアクセス制御によりアクセスを拒否され、B社はログを入手することができない。このようにして、洗濯洗剤AAAの提供者であるA社だけがログを入手することができる。つまり、所定物品を用いて電気機器が使用される場合の使用方法に関する情報へのアクセス制御を行うことができる。
【0114】
以降において、本実施の形態に係るアクセス制御システムにおける通信端末の表示画面の例を示す。
【0115】
図9Bは、本実施の形態に係るアクセス制御システムにおける通信端末の表示画像の第一例を示す図である。
【0116】
図9Bに示される表示画像は、通信端末11が物品情報を受け付けるとき(
図3のステップS301)の表示画像の一例である。
図9Bには、ユーザに対して物品(商品)のQRコード(登録商標)を撮影することを促すメッセージが表示されている。また、上記のメッセージとともに撮影により取得される画像が表示されている。ユーザが「取り込み」ボタンを操作すると、操作時点で表示画面に表示されていた画像が、撮影画像として取得される。
【0117】
図9Cは、本実施の形態に係るアクセス制御システムにおける通信端末の表示画像の第二例を示す図である。
【0118】
図9Cに示される表示画像は、通信端末11が物品情報を受け付けるとき(例えば、
図3のS301)の表示画像の一例であり、
図9Bに示される表示画像においてQRコード(登録商標)を取り込んだ後に表示される表示画像の一例である。
図9Cには、物品のログをサーバに送信する期間(商品のモニタ期間)と、それに対してユーザが受け取る対価(インセンティブ)に関する情報などが記載されている。
【0119】
図9Dは、本実施の形態に係るアクセス制御システムにおける通信端末の表示画像の第三例を示す図である。
【0120】
図9Dに示される表示画像は、通信端末が電気機器のログを受け付けるとき(
図3のステップS302)の表示画像の一例である。
図9Dには、電気機器である洗濯機からログを取得することを目的として、通信端末11を洗濯機にタッチすることを促すメッセージが表示されている。
【0121】
図9Eは、本実施の形態に係るアクセス制御システムにおける通信端末の表示画像の第四例を示す図である。
【0122】
図9Eの(a)は、ユーザが取得した電気機器の使用履歴の一覧表示画像の一例である。
図9Eの(a)には、電気機器を使用した日(年月日)を横軸をとして、縦軸に一日あたりの電気機器の使用回数が示されている。また、電気機器を使用したときに、物品とともに電気機器を使用してログをサーバに提供した場合には、そのことが分かるようになっている。例えば、
図9Eの(a)から、2012年1月1日には、電気機器が1回使用され、そのときには、電気機器とともに物品として商品AAAが使用されたことがわかる。また、2012年1月30日には、電気機器が2回使用され、そのときには、電気機器とともに物品として商品BBBが使用されたことがわかる。なお、例えば、2012年1月1日の使用に対応する矩形201を選択したときに、その使用時のログ502(
図5B)又はタグ付ログ(
図9A)を表示するようにしてもよい。
【0123】
図9Eの(b)は、ユーザが取得した電気機器の使用履歴の一覧表示画像の一例である。
図9Eの(b)には、一ヶ月に含まれる日を、1週間を1行として表示したカレンダの形式で、当該日に使用された電気機器の使用履歴が示されている。また、電気機器を使用したときに、物品とともに電気機器を使用してログをサーバに提供した場合には、そのことが分かるようになっている。なお、例えば、2012年1月1日の使用に対応する図形211を選択したときに、その使用時のログ502(
図5B)又はタグ付ログ(
図9A)を表示するようにしてもよい。
【0124】
なお、
図9Eに示される画像は、通信端末に表示される画像として説明したが、この画像は、このアクセス制御システムにアクセスする端末に表示される画像として用いられることも可能である。
【0125】
つまり、A社の社員が端末を用いてアクセス制御システムにアクセスした場合に、端末の表示画面に
図9Eの(a)又は(b)のような画像が表示されるようにしてもよい。また、A社の商品モニタが複数(例えば10人)存在する場合には、まず、商品モニタの全員分の情報を統合した
図9Eの(a)又は(b)のような画像が表示され、そこで、商品モニタのうちの1人を選択した場合に
図9Eの(a)又は(b)のような画像が表示されるようにしてもよい。そこでさらに、特定の日(例えば、2012年1月1日)の使用に対応する図形211を選択したときに、その使用時のログ502(
図5B)又はタグ付ログ901(
図9A)を表示するようにしてもよい。
【0126】
(実施の形態1の変形例1)
本実施の形態の変形例1において、ユーザが電気機器の一例であるレンジと、所定物品の一例であるレンジ調理用食材とを共に利用するときのログを、レンジ調理用食材の提供者であるE社とE社の同業他社であるF社とがアクセスする際のアクセス制御について説明する。
【0127】
本実施の形態の変形例1は、本実施の形態に対して、物品情報及びログの形式が異なる。異なる部分について詳細に説明する。
【0128】
図10Aは、所定物品の一例であるレンジ調理食材EEEの物品情報の一例である。
図10Aに示される物品情報1001は、所定物品を用いて使用される電気機器(「対象機器」欄)がレンジであり、所定物品の提供者を特定するための情報(「提供者」欄)がE社である。なお、物品情報は、さらに、所定物品が使用される電気機器を特定するための情報を含んでもよい。
【0129】
図10Bは、電気機器の一例であるレンジのログの一例である。
図10Bに示される電気機器のログ1002は、当該電気機器が使われるときの設定情報として、調理に要する時間(「時間」欄)、調理に要する電力(「出力」欄)、及び、調理結果がユーザの意図したものであったか否かを示す情報(「調理成功」欄)を含む。
【0130】
図10Aに示される物品情報と、
図10Bに示されるログとを用いて、アクセス制御部123は、実施の形態1と同様のアクセス制御を行うことができる。つまり、アクセス制御部123は、レンジ調理食材EEEのログに対するE社によるアクセスが許可され、F社によるアクセスが拒否されるようにアクセス制御を行う。
【0131】
(実施の形態1の変形例2)
本実施の形態の変形例2において、ユーザが電気機器の一例である炊飯器と、所定物品の一例である具材とを共に利用するときのログを、具材の提供者であるR社とR社の同業他社であるS社とがアクセスする際のアクセス制御について説明する。
【0132】
本実施の形態の変形例2は、本実施の形態に対して、物品情報及びログの形式が異なる。異なる部分について詳細に説明する。
【0133】
図11Aは、所定物品の一例である具材RRRの物品情報の一例である。
図11Aに示される物品情報1101は、所定物品を用いて使用される電気機器(「対象機器」欄)が炊飯器であり、所定物品の提供者を特定するための情報(「提供者」欄)がR社である。なお、物品情報は、さらに、所定物品が使用される電気機器を特定するための情報を含んでもよい。
【0134】
図11Bは、電気機器の一例である炊飯器のログの一例である。
図11Bに示される電気機器のログ1102は、当該電気機器が使われるときの設定情報として、調理対象の米の種別(「お米の種類」欄)、調理方法の種別(「炊き方」欄)、調理されてできた調理物の水分量(「水分量」欄)、及び、調理結果がユーザの意図したものであったか否かを示す情報(「調理成功」欄)を含む。
【0135】
図11Aに示される物品情報と、
図11Bに示されるログとを用いて、アクセス制御部123は、実施の形態1と同様のアクセス制御を行うことができる。つまり、アクセス制御部123は、具材RRRのログに対するR社によるアクセスが許可され、S社によるアクセスが拒否されるようにアクセス制御を行う。
【0136】
(実施の形態1の変形例3)
本実施の形態の変形例3において、ユーザが電気機器の一例である美顔器と、所定物品の一例である化粧品とを共に利用するときのログを、化粧品の提供者と、提供者の同業他社とがアクセスする際のアクセス制御について説明する。
【0137】
本実施の形態の変形例3は、本実施の形態に対して、物品情報及びログの形式が異なる。異なる部分について詳細に説明する。
【0138】
通信端末は、物品情報として、化粧品の情報を受け付ける。美顔器は、美顔器の先のセンサーにより、当該化粧品が使われていることをセンシングするとともに、別途センシングにより得られるユーザの肌状態に関する情報、美顔器設定メニュー、使用時間などの履歴(ログ)にタグ情報を付加する。このようにして生成されるログ情報に対して、実施の形態1と同様のアクセス制御を行うことができる。
【0139】
(実施の形態1の変形例4)
本実施の形態の変形例4において、通信端末がログにタグを付加するのではなく、ログとタグとのそれぞれを受け付けてサーバに送信し、サーバにおいてログとタグとを関連付けてアクセス制御を行う例について説明する。
【0140】
図11Cは、実施の形態1の変形例4に係るアクセス制御システムのブロック図である。本変形例における通信端末11Cは、実施の形態1における通信端末11における物品情報入力部111、及びログ入力部112に代えて、物品情報入力部111C、及びログ入力部112Cを備える。また、サーバ12Cは、タグ付ログ格納処理部122に代えて、ログ格納処理部122Cを備える。
【0141】
物品情報入力部111Cは、電気機器(不図示)とともに用いられる所定物品に関する情報である物品情報を受け付ける。そして、物品情報入力部111Cは、受け付けた物品情報を送信部114に渡す。
【0142】
ログ入力部112Cは、電気機器(不図示)と接続し、電気機器の使用履歴を示すログを受け付ける。そして、ログ入力部112Cは、受け付けたログを送信部114に渡す。
【0143】
その後、物品情報又はログは、送信部114によってサーバ12Cに送信された後、サーバ12Cの受信部121により受信される。なお、物品情報とログとは、同時にサーバ12Cに送信されてもよいし、物品情報だけ、又は、ログだけがサーバ12Cに送信されてもよい。
【0144】
ログ格納処理部122Cは、物品情報又はログを取得し、取得した物品情報又はログをログ記憶部(不図示)に格納する。ここで、ログ格納処理部122Cが物品情報を取得した場合には、その後に受信するログは、当該物品情報により示される物品とともに電気機器が使用されたときのログであるとして扱うことにする。つまり、ログ格納処理部にてログとタグとを、それらの受信タイミングを用いて関連付けて扱うことができる。
【0145】
アクセス制御部123及びアクセスルール格納部124Aは、実施の形態1におけるものと同様である。よって、サーバ12Cは、サーバ12と同様に、格納されたログへのアクセスを行うアクセスユーザに対するアクセス制御を行うことができる。
【0146】
上記のようにすることで、実施の形態1のようにタグが付加されたログ(タグ付ログ)に代えて、関連付けられたログとタグとを用いて、実施の形態1と同様のアクセス制御を実現することができる。
【0147】
なお、上記で示した電気機器と所定物品との例を含め、以下のような電気機器と所定物品とについて、本実施の形態を適用することが可能である。
【0148】
・電気機器:洗濯機。所定物品:洗剤、衣料。
・電気機器:レンジ。所定物品:簡単調味料、食材。
ログとして、レンジ設定、レンジセンサー情報(温度、時間)、成功/失敗のユーザコメント。
・電気機器:美顔機。所定物品:化粧品、人間(センサー情報)。
ログとして、美顔機の使用頻度、メニュー、化粧品リピート率、実際の肌の状態(センサー)。
・電気機器:シェーバ。所定物品:化粧品、人間(センサー情報)。
・電気機器:頭皮エステ。所定物品:化粧品、人間(センサー情報)。
・電気機器:炊飯器。所定物品:米。
・電気機器:パン焼き機。所定物品:材料キット。
・電気機器:体組成計。所定物品:サプリメント。
【0149】
[1.7 実施の形態1の効果]
以上のように、本実施の形態によれば、以下に示されるタグ付加処理が可能となる。(1)物品情報が入力されたら、電気機器のログの1回分にタグを付加すること。(2)物品情報が入力されたら、入力後の電気機器の各ログに同じタグを付加し、新しい物品情報が入力されたら付加するタグを変更し、電気機器の各ログに変更後のタグを付加すること。そして、このようにタグ付けされたログにアクセスするアクセスユーザに対する適切なアクセス制御をすることができる。
【0150】
以上のように、本実施の形態に係るアクセス制御システムによれば、所定物品の使用履歴が、当該所定物品を用いて使用される電気機器の使用履歴から取得される。そして、所定物品の使用履歴に付加された物品情報から所定物品の提供者を特定し、アクセスルールに基づいて、所定物品の使用履歴にアクセスしようとするアクセスユーザに対するアクセス制御が行われる。よって、所定物品を用いて電気機器が使用される場合の使用方法に関する情報への適切なアクセス制御を行うことができる。
【0151】
これにより、例えば、洗濯洗剤メーカはその洗濯洗剤がすすぎ一回のタイプである場合に、実際にユーザがその設定で利用しているかの情報を得ることができる。さらに、そのときのログ情報を他のライバルメーカには参照されないようにアクセス制御することができる。さらに、別途ログ情報を提供した電気機器およびそのユーザを特定する別途情報とあわせることにより、ユーザへの洗剤の使い方指導や、インセンティブを与えることができる。
【0152】
また、所定物品の提供者があらかじめ指定したアクセスルールに基づいて、所定物品の使用履歴にアクセスしようとするアクセスユーザに対するアクセス制御が行われる。よって、所定物品を用いて電気機器が使用される場合の使用方法に関する情報への適切なアクセス制御を行うことができる。
【0153】
また、ログ情報の生データと、ログ情報の統計データとのそれぞれに対して異なるアクセス制御を行うことができる。よって、より細かい粒度でアクセス制御ができる。
【0154】
また、通信端末は、効率よいデータ入力手段又はデータ転送手段を用いて、物品情報又はログ情報を受け付けることができる。よって、通信端末はより効率よくアクセス制御のための情報を受け付けることができる。
【0155】
また、所定物品の提供者が、所定物品の使用履歴にアクセスできるように、アクセス制御が行われる。よって、所定物品を用いて電気機器が使用される場合の使用方法に関する情報への適切なアクセス制御を行うことができる。
【0156】
また、指定されたアクセスユーザだけが所定物品の使用履歴にアクセスできるように、アクセス制御が行われる。よって、所定物品を用いて電気機器が使用される場合の使用方法に関する情報への適切なアクセス制御を行うことができる。
【0157】
また、指定されたアクセスユーザだけが所定物品の使用履歴にアクセスできないように、アクセス制御が行われる。よって、所定物品を用いて電気機器が使用される場合の使用方法に関する情報への適切なアクセス制御を行うことができる。
【0158】
(実施の形態2)
本実施の形態において、所定の条件を満たすログに対してのみタグを付加し、このログを用いてアクセス制御を行うアクセス制御システムの例を説明する。実施の形態1では、物品情報入力後の1回分のログ(又は、各ログ)にタグを付加することができる。これに対して、本実施の形態において、ユーザが電気機器の一例である洗濯機と、所定物品の一例である洗濯洗剤とを共に利用するときのログに対してタグを付加する際に、所定の条件を満たすログに対してのみタグを付加し、このログを用いてアクセス制御を行う例を説明する。
【0159】
なお、本実施の形態では、1つの通信端末は、1つまたは複数の電気機器に接続しうる。
【0160】
[2.1 アクセス制御システムの全体構成]
図12Aは、本実施の形態に係るアクセス制御システムのブロック図である。
【0161】
図12Aに示されるように、本実施の形態に係るアクセス制御システム1Aは、通信端末11Aとサーバ12とを備える。そして、通信端末11Aは、物品情報入力部111と、ログ入力部112と、タグ付加部113と、送信部114と、判定部115とを有する。また、サーバ12は、実施の形態1におけるものと同一である。
【0162】
本実施の形態において通信端末11Aは、実施の形態1の構成に対して、判定部115を備える点が異なる。
【0163】
[2.2 通信端末の構成]
[2.2.1 判定部]
判定部115は、物品情報の項目の内容に基づいて、受け付けたログに対してタグを付加するか否かを判定し、タグを付加すると判定されたログに対してタグを付加する。ここで、物品情報の項目とは、少なくとも、電気機器(対象機器)、物品の提供者、タグ付加回数、物品名称、及び、固有番号のいずれかを含む。
【0164】
[2.3 アクセス制御システムの処理]
図12Bは、本実施の形態に係るアクセス制御システムのフローチャートである。
図12Bのフローチャートは、
図3のフローチャートに対して、ステップS1101の処理が追加されたものである。以下で、実施の形態1と異なる部分について詳細に説明する。
【0165】
まず、通信端末11Aの物品情報入力部111は、物品情報の入力を受け付ける(S301)。物品情報の入力を受け付ける方法は実施の形態1と同様である。本実施の形態では、物品情報の内容が以下のように異なる。
【0166】
図13は、本実施の形態に係る物品情報の一例である。
図13に示される物品情報1301は、所定物品を用いて使用される電気機器(「対象機器」欄)と、所定物品の提供者を特定するための情報(「提供者」欄)とに加えて、タグを付加する回数(「タグ付加回数」欄)、洗濯洗剤の名称(「物品名称」欄)、及び、洗濯洗剤の固有番号(「固有番号」欄)を含む。洗濯洗剤AAAの場合の具体例として、タグを付加する回数は30回、洗濯洗剤の名称は「AAA」、洗濯洗剤の固有番号は、「No.12345」である。
【0167】
次に、通信端末11Aのログ入力部112は、電気機器のログを受け付ける(S302)。電気機器のログを受け付ける方法は実施の形態1と同様である。
【0168】
次に、通信端末11Aの判定部115は、S302で受け付けたログが、タグを付加する対象であるか否かを判定する(S1201)。具体的には、物品情報の各項目の内容が、使用された所定物品の情報と一致する場合にタグを付加するようにする。以下で詳細に説明する。
【0169】
(1)対象機器の判定
通信端末11が電気機器と通信した際に、当該電気機器のカテゴリ(種別)を認識することができる場合を想定する。その場合、通信端末11が識別した電気機器のカテゴリが、物品情報1301の対象機器と一致するか否かを判定する。そして、一致すると判定されたログに対してタグを付加する。
【0170】
(2)提供者の判定
通信端末11が取得した電気機器のログに、電気機器とともに用いられた所定物品の提供者を特定する情報が含まれる場合を想定する。その場合、電気機器のログに含まれる提供者を特定する情報が、物品情報1301の「提供者」の内容と一致するか否かを判定する。そして、一致すると判定されたログに対してタグを付加する。
【0171】
なお、電気機器とともに用いられた所定物品の提供者を特定する情報が含まれるようにするには、さまざまな方法があり得る。例えば、あらかじめ通信端末11によって当該情報を電気機器に登録しておく方法がある。また、電気機器が洗濯機の場合には、洗濯機が洗濯洗剤の成分を分析し、その提供者を特定することで当該情報を生成する方法がある。
【0172】
(3)タグ付加回数の判定
タグ付加部113は、電気機器から受け付けたログが、物品情報1301を受け付けてから何個目であるかをカウントする場合を想定する。その場合、当該物品情報1301を受け付けてからの物品情報1301の個数が、物品情報1301の「タグ付加回数」より少ないか否かを判定する。そして、一致すると判定されたログに対してタグを付加する。
【0173】
なお、使用開始時の洗剤の量と洗剤の使用量とから洗剤の残量を算出し、洗剤の残量が0より大きいときに、タグ付加部113がログに対してタグを付加するようにしてもよい。例えば、使用開始時の洗剤の量が900mlであり、一回あたり30mlを使用する場合には、一回使用後の洗剤の残量が870ml、2回使用後の洗剤の残量が840mlとなり、30回使用後の洗剤の残量が0となる。つまり、30回分の使用のログに対して、タグ付加部113がタグを付加する。
【0174】
なお、所定物品に使用期限が設定される場合、使用期限経過後に使用したときのログに対しては、タグ付加部113は、タグを付加しないようにしてもよい。
【0175】
(4)物品名称の判定
通信端末11が取得した電気機器のログに、電気機器とともに用いられた所定物品の物品名称が含まれる場合を想定する。その場合、電気機器のログに含まれる物品名称が、物品情報1301の「物品名称」の内容と一致するか否かを判定する。そして、一致すると判定されたログに対してタグを付加する。
【0176】
なお、電気機器とともに用いられた所定物品の物品名称が含まれるようにするには、さまざまな方法があり得る。例えば、あらかじめ通信端末11によって物品名称を電気機器に登録しておく方法がある。また、電気機器が洗濯洗剤の成分を分析し、その物品名称を特定する方法がある。
【0177】
(5)固有番号の判定
通信端末11が取得した電気機器のログに、電気機器とともに用いられた所定物品の固有番号が含まれる場合を想定する。その場合、電気機器のログに含まれる固有番号が、物品情報1301の「固有番号」の内容と一致するか否かを判定する。そして、一致すると判定されたログに対してタグを付加する。
【0178】
なお、電気機器とともに用いられた所定物品の固有番号が含まれるようにするには、さまざまな方法があり得る。例えば、あらかじめ通信端末11によって固有番号を電気機器に登録しておく方法がある。
【0179】
ここまでで、判定部115が、タグを付加する対象のログであるか否かを判定する方法について説明した。なお、上記(1)〜(5)のうち、いずれか1つを使用してもよいし、複数を組み合わせてもよいし、すべてを使用してもよい。
【0180】
以上の判定により、タグ付加対象であると判定された(S1201でYes)ログに対して、タグを付加する(S303)。
【0181】
ログにタグが付加された後の処理は、実施の形態1と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0182】
[2.4 実施の形態2の効果]
以上のようにすることで、通信端末11は、複数の電気機器において、複数の所定物品が用いられるときであっても、各ログに適切なタグを付加することができる。その結果、ログに対して適切なアクセス制御を行うことができる。
【0183】
以上のように、本実施の形態に係るアクセス制御システムによれば、通信端末は、物品情報で指定される電気機器のログだけに対して、タグを付加することができる。通信端末は、通信端末に多数の種別の電気機器が接続される場合においても、接続された電気機器で用いられる所定物品に対応するタグを付加することができる。その結果、電気機器のログへアクセスするアクセスユーザに対する適切なアクセス制御が可能となる。よって、多数の種別の電気機器が接続される場合においても、適切なアクセス制御を行うことができる。
【0184】
また、通信端末は、物品情報で指定される所定物品の提供者のログだけに対して、タグを付加することができる。通信端末は、通信端末に多数の種別の電気機器が接続される場合においても、接続された電気機器で用いられる所定物品に対応するタグを付加することができる。その結果、電気機器のログへアクセスするアクセスユーザに対する適切なアクセス制御が可能となる。よって、多数の種別の電気機器が接続される場合においても、適切なアクセス制御を行うことができる。
【0185】
また、1回の物品情報の入力に対して1個のログ情報に対してタグを付加するだけでなく、回数として指定された個数のログ情報に対してタグを付加することができる。よって、効率よくアクセス制御のためのタグ付加処理を行うことができる。
【0186】
また、通信端末が所定物品の名称を含む物品情報受け付け、さらに、所定物品の名称を含む電気機器のログ情報を受け付ける場合に、所定物品の名称が一致するログ情報に対してタグを付加することができる。よって、より正確にアクセス制御のためのタグ付加処理を行うことができる。
【0187】
また、通信端末が所定物品の固有番号を含む物品情報受け付け、さらに、所定物品の固有番号を含む電気機器のログ情報を受け付ける場合に、所定物品の固有番号が一致するログ情報に対してタグを付加することができる。よって、より正確にアクセス制御のためのタグ付加処理を行うことができる。
【0188】
また、特定の固有番号だけのログ情報を用いることにより、モニター数を限定したアクセス制御、例えば100人を対象とした所定の洗濯洗剤を用いたときの洗濯機の設定およびログに対するアクセス制御をすることができる。
【0189】
また、1つの物品情報を入力したら、物品情報に対応する物品を使用している期間を物品情報の容量等から自動的に判別し、当該期間のログだけにタグを付加することができる。よって、物品の使用のたびに物品情報を入力する必要がない。また、ユーザが物品の使用モニタとなり、物品の利用履歴を提供するとユーザがインセンティブを得られるようにする場合、ユーザが使用モニタとなっている期間のログのみにタグ付けする、という使い方もできる。
【0190】
(実施の形態3)
実施の形態1および実施の形態2では、通信端末が電気機器より利用時の設定情報を受け取っていたが、本実施の形態においては、ユーザが通信端末上で電気機器の設定情報を作成し、通信端末が設定情報を電気機器へ出力することによって、電気機器を設定する例について説明する。
【0191】
[3.1 アクセス制御システムの全体構成]
図14は、本実施の形態に係るアクセス制御システム1Bのブロック図である。
図14に示されるように、アクセス制御システム1Bは、通信端末11Bとサーバ12とを備える。そして、通信端末11Bは、物品情報入力部111と、ログ入力部112と、タグ付加部113と、送信部114と、機器設定部116とを有する。また、サーバ12は、実施の形態1におけるものと同一である。
【0192】
本実施の形態において通信端末11Bは、実施の形態1の構成に対して、機器設定部116を備える点が異なる。
【0193】
[3.2 通信端末の構成]
[3.2.1 機器設定部]
機器設定部116は、電気機器の設定情報を作成し、その設定情報を電気機器へ出力する。電気機器の設定情報を作成するには、電気機器の設定情報を作成するために提供されるWebサイト又はソフトウェアを利用してもよい。電気機器への出力は、例えば、無線通信により実現される。
【0194】
[3.3 アクセス制御システムの処理]
図15は、本実施の形態に係るアクセス制御システムのフローチャートである。
図15のフローチャートは、
図3のフローチャートに対して、ステップS1501の処理が追加されたものである。以下で、実施の形態1と異なる部分について詳細に説明する。
【0195】
通信端末11は、電気機器の設定情報を作成し、その設定情報を電気機器へ出力する(S1501)。まず、ユーザが通信端末11を操作することにより、通信端末11上で電気機器の設定情報を作成する。なお、電気機器の設定情報を作成するために、電気機器の設定情報を作成するために提供されるWebサイト又はソフトウェアを利用してもよい。次に、作成された設定情報を電気機器へ出力する。出力する際の通信方法は、ログを受け付ける際の通信方法と同様の通信方法を用いることができる。
【0196】
S1501で作成された設定情報は、電気機器のログに反映し、ログの入力処理(S302)において、通信端末11に入力される。なお、機器設定部116が作成した電気機器の設定情報を、ログの一部としてタグ付加部113に出力してもよい。このようにすれば、電気機器からログとして受け付ける情報量を削減することができる。
【0197】
S1501以外の処理については、実施の形態1における処理と同一であるため記述を省略する。
【0198】
[3.4 実施の形態3の効果]
以上のように、本実施の形態に係るアクセス制御システムによれば、ユーザは、一般に電気機器より豊富なユーザインタフェースを搭載する通信端末上で電気機器の設定情報を作成し、その設定情報を電気機器に出力することによって、電気機器の設定を行うことができる。ユーザは、通信端末上で電気機器の設定情報を作成するため、電気機器上で設定を行うより速く正確に詳細な設定を行うことができる。その結果、所定物品の提供者にとって有用なログ情報が取得される。
【0199】
なお、タグ付加部113が、サーバ12内に存在する構成をとることも可能である。つまり、通信端末11の物品情報入力部111が受け付けた物品情報と、ログ入力部112が受け付けたログとを、送信部114がサーバに送信し、サーバ12内のタグ付加部113がログにタグを付加することも可能である。その際、例えば、電気機器が洗濯機の場合、ログ入力部112が受け付けたログの中に洗剤の成分が含まれているときには、洗剤の成分を含むログを送信部114がサーバに送信し、サーバ12内で洗剤の成分からその提供者を特定するようにしてもよい。このようにすることで、洗剤の成分分析のような複雑な処理をサーバ12で行うことができ、通信端末11の処理負荷を低減することができる。さらに、送信部114がサーバに送信する物品情報とログとは、それぞれ物品情報501(
図5A)とログ502(
図5B)とのような具体的な文字列又は数値である代わりに、それらを示すIDであってもよい。その場合、サーバ12がIDから具体的な文字列又は数値への変換処理を行った上で、それに続く処理(タグ付ログ格納処理部122の処理など)を行うようにする。
【0200】
(その他変形例)
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0201】
(1)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(LArge ScAle IntegrAtion:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0202】
また、上記の各装置を構成する構成要素の各部は、個別に1チップ化されていても良いし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。
【0203】
また、ここでは、システムLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field ProgrAmmABle GAte ArrAY)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
【0204】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0205】
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0206】
(3)本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0207】
また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0208】
また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0209】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
【0210】
また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0211】
(4)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【0212】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態のアクセス制御システムなどを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
【0213】
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、通信端末とサーバとを備えるアクセス制御システムにおけるアクセス制御方法であって、前記通信端末が、所定物品を用いて使用される電気機器の使用履歴を示すログ情報を受け付けるログ入力ステップと、前記通信端末が、少なくとも前記所定物品を特定するための物品情報を受け付ける物品情報入力ステップと、前記通信端末が、前記ログ入力ステップで受け付けた前記ログ情報に対して、前記物品情報を示すタグ情報を付加するタグ付加ステップと、前記通信端末が、前記タグ付加ステップで前記タグ情報を付加した後の前記ログ情報であるタグ付ログ情報を前記サーバに送信する送信ステップと、前記サーバが、前記送信ステップで送信した前記タグ付ログ情報を受信する受信ステップと、前記受信ステップで受信した前記タグ付ログ情報を格納するタグ付ログ格納処理ステップと、前記サーバが、前記タグ付ログ格納処理ステップで格納された前記タグ付ログ情報へのアクセスルールを格納するアクセスルール格納ステップと、当該タグ付ログ情報の前記タグ情報と前記アクセスルールとを参照することで、当該タグ付ログ情報へのアクセスを許可するか否かを制御するアクセス制御ステップとを含むアクセス制御方法を実行させる。
【0214】
また、このプログラムは、コンピュータに、ログ情報をサーバに送信する通信端末における通信方法であって、所定物品を用いて使用される電気機器の使用履歴を示すログ情報を受け付けるログ入力ステップと、少なくとも前記所定物品を特定するための物品情報を受け付ける物品情報入力ステップと、前記ログ入力ステップで受け付けた前記ログ情報に対して、前記物品情報を示すタグ情報を付加するタグ付加ステップと、前記タグ付加ステップで前記タグ情報を付加した後の前記ログ情報であるタグ付ログ情報を、アクセスユーザによる前記タグ付ログ情報へのアクセスを許可するか否かを制御する前記サーバに送信する送信ステップとを含む通信方法を実行させる。
【0215】
また、このプログラムは、コンピュータに、所定物品を用いて使用される電気機器の使用履歴を示すログ情報を受け付けるログ入力ステップと、前記所定物品を特定するための情報を含む物品情報を受け付ける物品情報入力ステップと、前記ログ入力ステップで受け付けた前記ログ情報と、前記物品情報入力ステップで受け付けた前記物品情報とを関連付けて格納するログ格納処理ステップと、前記ログ情報へのアクセスがあった場合に、当該ログ情報に関連付けられた前記物品情報に基づいて当該ログ情報へのアクセスを許可するか否かを制御するアクセス制御ステップとを含むアクセス制御方法を実行させる。
【0216】
また、このプログラムは、コンピュータに、所定物品を用いて使用される電気機器の使用履歴を示すログ情報を送信する通信端末と、前記通信端末が送信した前記ログ情報に関連付けられた前記物品情報に基づいて、当該ログ情報へのアクセスを許可するか否かを制御するサーバとを備えたアクセス制御システムにおいて、前記通信端末で動作するアクセス制御方法であって、所定物品を用いて使用される電気機器の使用履歴を示すログ情報を受け付けるログ入力ステップと、前記所定物品を特定するための情報を含む物品情報を受け付ける物品情報入力ステップと、受け付けた前記ログ情報と、受け付けた前記物品情報とを、前記サーバに送信する送信ステップとを含むアクセス制御方法を実行させる。
【0217】
以上、一つまたは複数の態様に係るアクセス制御システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。