【実施例】
【0016】
以下、本発明に係る車両用昇降装置のスライダーロック装置を図面に示す実施例により説明すると、本発明の実施例の車両用昇降装置のスライダーロック装置1が配備される車両用昇降装置2はバス型車両3の床面4の下方であって、一方の外側面に出入口5を備える格納部6が設けられる。
【0017】
前記車両用昇降装置2は、格納部6に配備されたスライド駆動機構7により全体が格納自在であると共にアッパアーリンク8aとロアーリンク8bからなる昇降リンク機構8とプラットホーム9を出入口5より車両外に突出し、スライド駆動機構7に配備された昇降駆動機構10により前記昇降リンク機構8を作動してプラットホーム9がバス型車両3の床面4と道路面11との間を昇降自在に設けられる。
【0018】
前記車両用昇降装置2のスライド駆動機構7は、前記格納部6の左右側部の内壁寄り内部にレール12、12とラック杆13、13とが夫々対応して配備され、前記レール12、12に対して前後に離隔し、上下に連接する前上側コロ14aと前下側コロ14bと後上側コロ15aと下側コロ15bが配備されて前記左右のレール12、12に支承されると共にモータ16に減速機構を介して連繋するピニオン17が配備されて前記左右のラック杆13、13に噛合されてなるスライダー18とから設けられる。
【0019】
前記スライダー18の左外側後端部18aと、右外側後端部18bとに後方へ突出して配備された左軸受板19aと右軸受板19bに動力軸20が差し渡されて回転自在に配備される。
【0020】
前記スライダー18には、左右に離隔して油圧シリンダ21aとピストンロッド21bからなる昇降駆動器21が配備される。
【0021】
昇降駆動器21のピストンロッド21bの先端は、基端が前記動力軸20と一体に設けられた並列レバー22、22の先端に差渡された支軸23に連結され、昇降駆動器21の往復作動により動力軸20を所要角回転し、該動力軸20と一体のアッパーリンク8aを回動し、追従回動するロアーリンク8bと共にプラットホーム9を
図1に示すように昇降するように設けられる。
【0022】
前記車両用昇降装置のスライダーロック装置1は、前記格納部6における
天井板6aの後端中央寄りにはストッパー孔24が開孔され、前記スライダー18にはロックピン25が配備される。
【0023】
前記ロックピン25は、スライダー18に設けられる軸受フレーム26に定位置で昇降自在に支承されると共にバネ27により下方に付勢されて配備される。
【0024】
および
前記ロックピン25の上端部25aは、スライダー18が格納部6の後部の停止位置におけるプラットホーム9の昇降作動時において、前記ストッパー孔24に出没自在に設けられる。
【0025】
前記ロックピン25の下端部25bは、中間部29cがスライダー18に設けられるブラケット28に軸支される連繋杆29の前端部29aに軸着して連結され、該連繋杆29の後端部29bにはコロ30が軸着して配備される。
【0026】
前記動力軸20の中央に近くに作動面
部31aと退避面
部31bとを形成したストッパーカム31が設けられ、その作動面
部31a
および退避面
部31bに前記連繋杆29の後端部29bのコロ30が連接するように設けられる。
【0027】
本発明の実施例の車両用昇降装置のスライダーロック装置1は、以上のように構成されるから、
図3に示すように、アッパーリンク8aが水平の角度に支承されるとき、ロックピン25はバネ26により下方に降下し、連繋する連繋杆29を中間部29cの支軸を中心に回動して後端部29bのコロ30をストッパーカム31の退避面
部31bに連接してそのロックピン25の上端部25aを前記格納部6の天井面6aより下方位置に降下させている。そこで、スライダー18はレール12、12に沿ってラック杆13、13に噛合うピニオン17、17の回転でスライダー18を前後に移動をさせることができる。
【0028】
次に、車両用昇降装置2の昇降作動時には、格納部6において、スライダー18を格納部6の後端部6bに移動し、ラック杆13とピニオン17の噛合によりピニオン17の停止作用でスライダー18を後部位置に保持し、昇降駆動器21により動力軸20を所要角度回転すると、該動力軸20に固着される昇降リンク機構8のアッパーリンク8aとロアーリンク8bが同じ角度回動され、プラットホーム9を昇降させるものである。そして、プラットホーム9を道路面11に降下させる場合には道路面11に近づくと、即ち、
図4に示すように、昇降リンク機構8のアッパーリンク8aが所要の下降角を回動すると、動力軸20のストッパーカム31の退避面
部31bに連接していたコロ30がストッパーカム31の作動面
部31aに連接して押出され、連繋杆29は、その中間部29cの支軸を中心に回動し、バネ26を圧縮してロックピン25を上昇させ、ロックピン25の上端部25aを天井板6aに開孔したストッパー孔24に嵌挿し、スライダー18を格納部6と結合して両者をロックするものである。
【0029】
前記ストッパーカム31の作動面
部31aは、動力軸20の軸心から同一半径面で、一定巾が形成されているので、ロックピン25がストッパー孔24に嵌挿した後、作動面
部31aの一定巾だけ動力軸20の回転角に係らずロック状態が維持される。
【0030】
前記のように、格納部6とスライダー18とがロック状態でプラットホーム9は道路面11に接地するから乗客によるバスの振動が道路面の接地抵抗としてスライダー18に伝達されてもスライド駆動機構7には伝達されないから、該スライド駆動機構7に損傷を与えることはないのである。
【0031】
次に、昇降駆動器21により動力軸20を上昇方向に回転すると、ストッパーカム31の作動面
部31aはコロ30から離れるので、連繋杆29に対する圧縮力がなくなり、バネ26の復帰作用で中間部29cの支軸を中心に連繋杆29を回動し、前記ロックピン25を下降させ、その上端部25aをストッパー孔24から外してスライダー18と格納部5のロックを自動的に開放するものである。
【0032】
本発明の車両用昇降装置のスライダーロック装置は、実施例としてバス型車両3の床面4の下方に配備される格納部6に収容されるものを説明したが、車両の床面に配備されるものでも実施できることは勿論である。