(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ボタン本体(10)及びボタン取付具(20)をそれぞれ保持し、生地(1)上に中間材(30)を挟んで前記ボタン本体(10)と前記ボタン取付具(20)とを取り付ける第1ダイ(50)及び前記第1ダイ(50)に対向する第2ダイ(40)を備えるボタン取付部(60)と、
前記中間材(30)の外周形状に対応する形状の不連続な切込を帯状体(30a)上に形成することにより、前記帯状体(30a)上に中間材形成部(300)を形成する切込部(70)と、
前記中間材形成部(300)が形成された帯状体(30a)を前記切込部(70)から前記ボタン取付部(60)へ搬送する搬送部(80)とを備え、
前記ボタン取付部(60)にて、前記中間材形成部(300)を前記帯状体(30a)から抜き取って、前記生地(1)と前記ボタン本体(10)との間又は前記生地(1)と前記ボタン取付具(20)との間に中間材(30)を配置する
ボタン取付装置。
前記切込部(70)は、前記中間材(30)の外周形状を有する刃部(75a)と該刃部(75a)に形成された溝部(75b)とを有する切込刃(75)を備えることを含む請求項1に記載のボタン取付装置。
前記第1ダイ本体部(51)上に配置され、前記中間材形成部(300)が形成された前記帯状体(30a)を前記第1ダイ本体部(51)上で押さえるための帯状体押さえ部(57)を更に備えることを含む請求項4に記載のボタン取付装置。
前記第2ダイ(40)の前記第2パンチ部(43)は、前記中間材形成部(300)が形成された前記帯状体(30a)から前記中間材形成部(300)を打ち抜いて、前記生地(1)と前記ボタン本体(10)との間又は前記生地(1)と前記ボタン取付具(20)との間に前記中間材(30)を取付可能である請求項7に記載のボタン取付装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、作業効率を向上可能なボタン取付装置及びボタン取付方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は一側面において、ボタン本体及びボタン取付具をそれぞれ保持し、生地上に中間材を挟んでボタン本体とボタン取付具とを取り付ける第1ダイ及び第1ダイに対向する第2ダイを備えるボタン取付部と、中間材の外周形状に対応する形状の不連続な切込を帯状体上に形成することにより、帯状体上に中間材形成部を形成する切込部と、中間材形成部が形成された帯状体を切込部からボタン取付部へ搬送する搬送部とを備え、ボタン取付部にて、中間材形成部を帯状体から抜き取って、生地とボタン本体との間又は生地とボタン取付具との間に中間材を配置するボタン取付装置が提供される。
【0007】
本発明に係るボタン取付装置は一実施態様において、切込部は、中間材の外周形状を有する刃部と該刃部に形成された溝部とを有する切込刃を備える。
【0008】
本発明に係るボタン取付装置は別の一実施態様において、切込部は、帯状体を載置する載置面を有する切込本体部と、切込本体部の内部に配置され、中間材の外周形状を有する刃部と該刃部に形成された溝部とを有する切込刃と、切込本体部の上方に配置され、帯状体を、切込本体部の載置面上で押さえる帯状体押さえ部とを備える。
【0009】
本発明に係るボタン取付装置は更に別の一実施態様において、第1ダイは、中間材形成部が形成された帯状体を配置する筒状の第1ダイ本体部と、第1ダイ本体部の内部に配置され、ボタン本体又はボタン取付具を保持して第2ダイと接近又は離間する方向に移動可能であり、中間材形成部が形成された帯状体から中間材形成部を打ち抜いて、生地とボタン本体との間又は生地とボタン取付具との間に中間材を取付可能な第1パンチ部とを備える。
【0010】
本発明に係るボタン取付装置は更に別の一実施態様において、第1ダイ本体部上に配置され、中間材形成部が形成された帯状体を第1ダイ本体部上で押さえるための帯状体押さえ部を更に備える。
【0011】
本発明に係るボタン取付装置は更に別の一実施態様において、帯状体はロール状に巻かれて保持部に保持され、搬送部は、帯状体を引っ張ることにより、保持部から帯状体を送り出す駆動ローラを備え、駆動ローラの駆動により、帯状体を切込部からボタン取付部へ搬送する。
【0012】
本発明に係るボタン取付装置は更に別の一実施態様において、第2ダイは、第1ダイと対向する第2ダイ本体部と、第2ダイ本体部の第1ダイと対向する側の端部に配置された、ボタン本体又はボタン取付具を保持する保持部と、第2ダイ本体部の内部において第1ダイと接近又は離間する方向に移動可能な第2パンチ部とを備える。
【0013】
本発明に係るボタン取付装置は更に別の一実施態様において、第2ダイの第2パンチ部は、中間材形成部が形成された帯状体から中間材形成部を打ち抜いて、生地とボタン本体との間又は生地とボタン取付具との間に中間材を取付可能である。
【0014】
本発明に係るボタン取付装置は更に別の一実施態様において、帯状体は可撓性を有する樹脂シートである。
【0015】
本発明は別の一側面において、生地上に中間材を挟んでボタン本体とボタン取付具とを取り付けるためのボタン取付方法であって、ボタン取付部が備える第1ダイ及び第1ダイに対向する第2ダイに、ボタン本体及びボタン取付具をそれぞれ保持させることと、切込部により、中間材の外周形状に対応する形状の不連続な切込を帯状体上に形成して帯状体上に中間材形成部を形成させることと、中間材形成部が形成された帯状体を、第1ダイと第2ダイとの間に搬送することと、第1ダイと第2ダイとの間に生地を搬送することと、第1ダイと第2ダイとの間に生地及び帯状体を挟んだ状態で、第1ダイと第2ダイを互いに接近させてボタン本体とボタン取付具とを生地上に取り付け、ボタン取付部にて、中間材形成部を帯状体から抜き取って、生地とボタン本体との間又は生地とボタン取付具との間に中間材を配置することとを含むボタン取付方法が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、作業効率を向上可能なボタン取付装置及びボタン取付方法が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載においては、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。なお以下に示す実施の形態はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
【0019】
まず、本発明の実施の形態に係るボタン取付装置100及びボタン取付方法について説明する前に、ボタン取付装置100を用いて取付可能なボタン本体10、生地1、中間材30及びボタン取付具20の概要について、
図1〜
図3を用いて説明する。
【0020】
ボタン本体10は、例えばジーンズ等においてポケットのかん止めや装飾等に使用されるもので、
図1に示すように、ほぼ円板環状の金属又は樹脂製品である。ボタン本体10は、
図2に示すように、中央に上下(
図2の紙面に基づく)に貫通する取り付け用の開口11を有する。ボタン本体10の開口11には、ボタン本体10の生地1への取り付け時に、ボタン取付具20の後述するポスト22が生地1及び中間材30を貫通後に通され、次いで加締められる。
【0021】
ボタン本体10は、半径方向の外側端から内側の開口11へと低くなる緩やかな傾斜が付けられた上面12と、上面12と対向する底面13と、上面12と底面13それぞれの半径方向外側端間に延びる、ボタン本体10の軸線にほぼ平行な外周面14と、上面12と底面13それぞれの半径方向内側端間に延びる、開口11を規定する内周面15とを有する。内周面15は、径がほぼ一定の上半部15aと、径が下方へと縮小し、半径方向内側に若干突出する下半部15bとに区分される。
【0022】
ボタン取付具20は、円板状のベース21と、ベース21の中央からベース21と同心状に突出し、突出端が尖るポスト22とを有する金属又は樹脂製品である。ボタン取付具20のポスト22は、ボタン本体10の生地1への取り付け時に、生地1(及び中間材30)を貫通し、次いでボタン本体10の開口11を通過した後、後述するボタン取付部60(
図4参照)により加締められる。
図3に示すように、加締められたポスト22は、ボタン本体10の内周面15の下半部15bにより係止され、これにより、ボタン本体10の開口11からの抜脱が防止される。
【0023】
中間材30は、可撓性を有する円形の樹脂シートであり、樹脂シートは樹脂製であればよく合成皮革を含む。樹脂シートは、この例では生地1よりも薄く、直径がボタン本体10の外径を若干上回るように設定される。そのため、生地1に取り付けられたボタン本体10の周囲に中間材30の半径方向外側部分が環状に現れる。中間材30の色や形状等を適宜選択することにより、デザイン性を高めることができる。
【0024】
中間材30の直径は、ボタン本体10の外径以下でもよく、ボタン本体10の形状は円形に限らず、楕円形、多角形、星形等にすることができる。また、中間材30の形状も円形に限らず、楕円形、多角形、星形等にすることができる。また、中間材30は、特に生地1が薄い場合に、生地厚を補ってボタン本体10の生地1への確実な取り付けを支援する役割を果たし得る。
【0025】
図4に示すように、本発明の実施の形態に係るボタン取付装置100は、図示しないボタン本体10及びボタン取付具20をそれぞれ保持し、図示しない生地1上に中間材30を挟んでボタン本体10とボタン取付具20とを取り付けるためのボタン取付部60と、
図1に示す中間材30の外周形状に対応する形状の不連続な切込を帯状体30a上に形成することにより、帯状体30a上に中間材形成部300(
図7参照)を形成する切込部70と、中間材形成部300が形成された帯状体30aを切込部70からボタン取付部60へと搬送する搬送部80とを備える。中間材形成部300は、不連続な切込を外周として、その外周に囲まれる部分である。中間材30の外周形状に対して、切込は3箇所以上であることが好ましく、この場合、各3つの切込された箇所の間が、帯状体30aと中間材形成部300とを繋ぐ連結部分である。また、この不連続な切込において、外周方向に沿う切込の長さは、連結部分の長さよりも長い。
【0026】
ボタン取付部60は、
図6に示すように、第1ダイ50及び第1ダイ50に対向する第2ダイ40を備える。第1ダイ50は、中間材形成部300が形成された帯状体30aがその上部に配置される筒状の第1ダイ本体部51と、第1ダイ本体部51の内部に形成された空間内に配置され、ボタン本体10又はボタン取付具20を保持して第2ダイ40と接近又は離間する方向に移動可能な第1パンチ部53と、第1ダイ本体部51上に配置され、中間材形成部300が形成された帯状体30aを第1ダイ本体部51上で押さえるための帯状体押さえ部57とを備える。この第1ダイ50の帯状体押さえ部57は、第1帯状体押さえ部57とも言う。
【0027】
第1帯状体押さえ部57は、帯状体30aの搬送方向(
図7参照)に沿った外側面571がコの字形に成形され、帯状体30aを搬送方向に沿って通すための通路56がその内部に形成された板状部材を用いることができる。
図6に示すように、第1帯状体押さえ部57は、第1ダイ本体部51の内径よりも僅かに大きい外形(直径)を有する開口部57aを備える。
図7に示すように、開口部57aの外径(直径)は、中間材形成部300の外径(直径)よりも小さくなっている。これにより、第1帯状体押さえ部57の開口部57aに沿った縁部57bによって、中間材形成部300の周縁部分が、第1パンチ部53上で押さえられるようになっている。第1帯状体押さえ部57を配置することにより、ボタン本体10とボタン取付具20とを加締める際の取付作業による位置ずれや加締め時に生じるしわ等を発生しにくくすることができる。
【0028】
図6の例では、第1パンチ部53上に配置された第1帯状体押さえ部57の通路56と対向する上面(第1パンチ部53側にある第1帯状体押さえ部57の上面)が、帯状体30aを載置するための載置面58となっている。
【0029】
第1帯状体押さえ部57は特に配置しない場合もある。
図12を用いて後述するが、第1帯状体押さえ部57を配置しない場合は、第1ダイ本体部51の上面が、帯状体30aの載置面58となる。生地1は、第1ダイ本体部51上に配置される。
【0030】
後述するボタン取付方法で詳しく説明するが、第1パンチ部53は、第2ダイ40側へ移動して、第2ダイ40とともにボタン本体10とボタン取付具20とを生地1を挟んで加締めた後、第1ダイ50の載置面58上に配置された帯状体30aから中間材形成部300を抜き取って、生地1とボタン取付具20との間に中間材30を形成させることができる。
【0031】
図6に示すように、第2ダイ40は、第1ダイ50と対向する筒状の第2ダイ本体部41と、第2ダイ本体部41の第1ダイ50と対向する側の端部に配置された、ボタン本体10又はボタン取付具20を保持するための保持部42と、第2ダイ本体部41の内部において第1ダイ50と接近又は離間する方向に移動可能な第2パンチ部43と、保持部42から第1ダイ50の方向に向けて更に突出する突出部41aとを備える。
【0032】
第2ダイ本体部41の内径はボタン本体10の外径よりも若干大きい。保持部42は、一直径方向において対向し、間にボタン本体10を受け入れ可能な二つの保持部材42aと、ボタン本体10を間に受け入れることにより初期位置から半径方向外側にわずかに変位する各保持部材42aを半径方向内側に弾性的に付勢するばね(図示せず)とを含む。各保持部材42aは、その下端に半径方向内側に若干突き出る突起42bを有する。突起42bは、ボタン本体10の底面13を支持する。突起42bの上面は、ボタン本体10が第2パンチ部43によって下方に押されると、ばねの付勢に抗して半径方向外側に変位するように傾斜が付けられている。各保持部材42aは、第2ダイ本体部41の周方向に沿って長い円弧状の部材であり、第2ダイ本体部41の下端付近に設けられた二つの周方向に長い貫通孔42cに対して配置される。第2ダイ本体部41は、二つの貫通孔42cの間にボタン導入口(図示せず)を有し、自動供給装置(図示せず)から供給されるボタン本体10をボタン導入口から二つの保持部材42a間に受け入れるようになっている。ボタン本体10は、作業者が保持部42に対し下方から手動で保持させることもできる。この場合、保持部材42aの突起42bの下面に傾斜を付けて、ボタン本体10を保持させ易くすることができる。
【0033】
第2ダイ本体部41の貫通孔42cより下方に突出した突出部41aは、第2ダイ本体部41の貫通孔42cより上方の部分よりも内径がわずかに大きい。第2パンチ部43は、第2ダイ本体部41の内部を上下に移動可能な、第2ダイ本体部41の内径にほぼ等しい外径の円柱状のパンチ基部43aと、パンチ基部43aの底面から下方にパンチ基部43aと同心状に突出する、パンチ基部43aよりも小径の円柱状のパンチ本体43bとを有する。なお、上記においては、ボタン本体10及び中間材30が円形であることから、その外形は直径に基づいているが、前記したような楕円形や多角形、星形では、外形は、その形状の輪郭となる。
【0034】
図4に示すように、切込部70は、ボタン取付装置100の台座100a上において第1ダイ50と隣接して配置されている。
図6に示すように、切込部70は、帯状体30aを載置する載置面78を有する切込本体部74と、切込本体部74の内部に形成された空間内に配置された切込刃75と、切込本体部74の上方に配置され、帯状体30aを切込本体部74の載置面78上に押さえる帯状体押さえ部77とを備える。切込刃75は、切込本体部74の内部に形成された空間に沿って上下に移動可能である。帯状体押さえ部77は、例えば一端が切込本体部74の上面に固定された片持ち梁の板状部材で形成することができ、切込本体部74の載置面と帯状体押さえ部77との間には、帯状体30aを通すための通路76が設けられている。この切込部70の帯状体押さえ部77は、第1帯状体押さえ部57と区別するために、第2帯状体押さえ部77とも言う。
【0035】
切込本体部74の載置面78と第1ダイ50の載置面58とは、ほぼ同一平面上に配置されることが好ましい。これにより、切込本体部74の載置面78上から第1ダイ50の載置面58上を通過する帯状体30aをよりスムーズに搬送することができる。
【0036】
図6及び
図7に示すように、切込刃75は、中間材30の外周形状に対応する形状を有する刃部(刃先)75aと刃部75aの一部に形成された溝部75bを備える。
図7に示すように、この例においては刃部75aの上面形状は
図7の平面から見てほぼ円状であり、円の中心を通るように十字形に溝部75bが形成されている。
【0037】
図7においては、溝部75bが十字形に形成された例を示しているが、この溝75bは、中間材形成部300が帯状体30aに一部繋がるような不連続な切込形状を形成するという目的を達成するために配置されるものであり、溝75bの具体的形状は、いかなる形状であっても構わないことは勿論である。
【0038】
図6に示すように、刃部75aは外側から中心方向に向けて凹状を有している。これにより、切断時に刃部75aが帯状体30aへ入り込みやすくなる。溝部75bの深さdは、帯状体30aの厚みよりも1〜3倍程度大きくなるように形成されている。これにより、
図6に示す位置の切込刃75を紙面上方へ移動させて帯状体30aを切断する際(
図9参照)に、帯状体30aの溝部75bと対向する部分が、刃部75aによって切断されないので、帯状体30a上には、中間材30の外周形状に対応する形状の不連続な切込が形成できる。
【0039】
図4及び
図5に示すように、搬送部80は、ボタン取付装置100の外側面に固定され、ロール状に巻いた長尺状の帯状体30aを保持する保持部81と、保持部81から引き出された帯状体30aを切込部70へ案内するガイドローラ83と、切込部70及びボタン取付部60を通過した帯状体30aを巻き取る巻取部82とを備える。ここで、巻取部82は、保持部81から帯状体30aを引き出す駆動ローラでもある。保持部81を上流側とし、帯状体30aの搬送方向を下流側とした場合、巻取部82は、切込部70及びボタン取付部60よりも下流側に配置されており、モータにより回転駆動させられて、帯状体30aを巻き取ることが可能である。なお、駆動ローラと巻取部とは別にすることもできる。
【0040】
帯状体30aは、可撓性を有する樹脂シートを好適に利用することができる。帯状体30aは、
図7に示すように、切込部70が帯状体30a上に形成する中間材形成部300の直径よりも大きい幅を有する。帯状体30aの幅が、中間材形成部300の直径よりも大きいため、帯状体30aから中間材30を打ち抜いた後も帯状のまま帯状体30aを巻取部82で巻き取ることができる。巻取部82で巻き取られた帯状体30aは再利用が可能である。
【0041】
次に、
図6〜
図10を用いて、本発明の実施の形態に係るボタン取付方法を説明する。
図6のボタン取付部60は、第1ダイ50及び第2ダイ40が初期位置にある場合を示している。第1ダイ50の第1パンチ部53上には、自動搬送装置又は作業者による手作業により、ボタン取付具20が配置される。第2ダイ40の保持部42には、自動搬送装置又は作業者による手作業により、ボタン本体10が保持させられる。第1ダイ50の載置面58上には、中間材形成部300が形成された帯状体30aが搬送されており、第1ボタン押さえ部57により所定の位置に押さえられている。生地1は、第1ボタン押さえ部57上に配置されている。
【0042】
次に、
図8に示すように、第2ダイ40を下方(第1ダイ50側)へ移動させる。
図9に示すように、第2ダイ40のパンチ本体43bを下方(第1ダイ50側)へ移動させ、保持部材42aによるボタン本体10の保持を解除してボタン本体10の開口11にボタン取付具20のポスト22を貫通させる。更に、パンチ本体43を更に第1ダイ50側へ下降させる。これにより、パンチ本体43は、中間材形成部300が形成された帯状体30aから中間材形成部300を打ち抜くと同時にポスト22の先端を潰す。その結果、ボタン本体10とボタン取付具20との間に生地1と帯状体30aを挟んだ状態で、ボタン本体10とボタン取付具20との取付が行われる。
【0043】
ボタン取付部60においてボタン取付作業が行われるのと同時に、切込部70では、帯状体30aに対する中間材形成部300の形成が行われる。
図9に示すように、切込本体部74の載置面78上に配置された帯状体30aを第2帯状体押さえ部77によって動かないように押さえた状態で、切込刃75を上方へ移動させる。これにより、
図7に示すように、帯状体30a上に中間材30の外周形状に対応する不連続な切込を形成させ、中間材形成部300を形成する。この時、切込刃75の溝部75bにより帯状体30aの一部は切断されずに繋がったままとなるため、中間材形成部300は帯状体30aから完全に分離されずに一体となった状態でボタン取付部60へ搬送可能となる。
【0044】
一方、ボタン取付部60においては、ボタン本体10とボタン取付具20とを生地1上に取り付けた後、第2ダイ40のパンチ本体43bにより下方へ押し込みながら第1ダイ50の第1パンチ部53を下降させることにより、帯状体30aから中間材形成部300を打ち抜き、生地1とボタン取付具20との間に中間材30を形成させる。その後、ボタン取付が完了した生地1をボタン取付部60から抜き出し、
図10に示すように、第1ダイ50と第2ダイ40と切込刃75を初期位置へ戻して作業を終了する。
【0045】
再びボタン本体10とボタン取付具20とを生地1上に取り付ける際には、搬送部80が帯状体30aをボタン取付部60側に一定距離だけ動かすことにより、中間材形成部300が形成された帯状体30aをボタン取付部60の第1ダイ50と第2ダイ40との間の所定の位置へ搬送して、生地1をボタン取付部60へ搬送して、
図6〜
図10に示す各工程を繰り返す。
【0046】
このように、本発明の実施の形態に係るボタン取付装置及びボタン取付方法によれば、切込部70によって不連続な切込を帯状体30a上に形成して帯状体30a上に中間材形成部300を形成し、中間材形成部300を形成した帯状体30aをボタン取付部60へ搬送し、ボタン取付部60において帯状体30aからの中間材30の切り出しを行うことができる。これにより、予め所定形状に切り出した小片状の中間材30をボタン取付部60へ運んでボタン取付作業を実施する場合に比べて、中間材30の位置合わせや、中間材30の搬送のための器具を別途設ける必要がなくなるため、ボタン取付装置100の構成物品数を少なくでき、作業効率を向上させることができる。
【0047】
(その他の実施の形態)
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態及び運用技術が明らかとなろう。
【0048】
図11は、
図1の例とは異なる態様のボタン本体10bとボタン取付具20bの例を表す断面説明図である。ボタン本体10bと生地1との間には中間材30が配置される。生地1及び中間材30は、
図1等に示すものと実質的に同じものであるため、詳細な説明は省略する。
【0049】
ボタン本体10bは例えば樹脂製であり、円筒状の胴部10baと、胴部10baの上方で外径が半径方向外側に拡張する頭部10bbとを有し、頭部10bbが衣服等のボタン穴(図示せず)に出し入れされる。胴部10baの中心部には、ボタン取付具20bの後述するポスト22bを受け入れるための、底面から上方に延びる内孔10bcが設けられる。内孔10bcは下方に開口するが上方には貫通しない。
【0050】
ボタン取付具20bも樹脂製であり、円板状のベース21bと、ベース21bの中心部から突出する1本のポスト22bとを有する。ポスト22bの外径は、ボタン本体10bの内孔10bcの径よりもわずかに大きく、ポスト22bの外周面には、断面直角三角形状の環状溝が軸方向に一例として三つ設けられている。
【0051】
図12は、第1ダイ50の第1パンチ53上にボタン本体10bを配置し、第2ダイ40の保持部42にボタン取付具20bを保持させた状態を表す断面説明図である。
図12に示す第1ダイ50は、第1帯状体押さえ部57を配置していない。この場合、生地1とボタン本体10bとの間に中間材形成部300が形成された帯状体30aを配置して、突出部41aとダイ本体部51の載置面58上で帯状体30aと生地1とを押さえながら、ボタン本体10とボタン取付具20bとの取付を行うことにより、ボタン本体10と生地1との間に中間材30を配置させることが可能である。
【0052】
図13に示す本発明の実施の形態の変形例に係るボタン取付装置100bのように、弾性体54を備える第1ダイ50bを用いることも可能である。第1ダイ50bは、筒状の第1ダイ本体部51bと、第1ダイ本体部51bの内部に配置され、ボタン取付具20を保持して第2ダイ40と接近又は離間する方向に移動可能な第1パンチ部53bと、第1ダイ本体部51aの外側面から第1ダイ本体部51bの中心方向に向けて凹状にくり抜かれた切欠部52と、切欠部52内に配置されたコイルばね等の弾性体54と、弾性体54の一端に接続されたばね受け59を備える。
【0053】
第1ダイ本体部51bの内径はボタン取付具20のベース21の外径と同じかそれをわずかに上回る程度である。第1ダイ本体部51bは、初期状態において、弾性体54により上方に付勢されて、第1ダイ本体部51bの切欠端面51bbに突き当たって静止している。
【0054】
図13に示すボタン取付装置100bを用いてボタン本体10とボタン取付具20とを生地1上に取り付ける場合は、搬送部80により、中間材形成部300が形成された帯状体30aを第1ダイ50bの載置面58上へ搬送し、第1帯状体押さえ部57で帯状体30aを載置面58上で押さえる。第1帯状体押さえ部57上には、生地1を自動搬送装置又は作業者の手作業により搬送する。次いで、第2ダイ40を第1ダイ50側へ下降させる。
【0055】
図14に示すように、第2ダイ40を下降させながらパンチ本体43bでボタン本体10を更に下方へと押し込むと、弾性体54が切欠端面51bbとばね受け59との間で収縮し、載置面58が、初期位置(
図14の基準線)から
図14に示す最下位置へと移動する。この最下位置において、パンチ本体43bでポスト22の先端を潰してボタン本体10とボタン取付具20とを加締めると同時に中間材形成部300を帯状体30aから打ち抜くことにより、ボタン取付具20と生地1との間に中間材(
図3参照)を配置することができる。
【0056】
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、本発明は上記の開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によって表されるものであり、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲において変形し具体化し得るものである。