(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
図1から
図4を参照して本開示の技術の第1実施形態を説明する。第1実施形態は、本開示の技術における日射遮蔽装置が横型ブラインドに具体化された一例である。
【0009】
図1が示すように、横型ブラインド10において支持部材の一例であるヘッドボックス11は、ラダーコード13と、昇降コード12とを吊り下げている。ラダーコード13は、日射遮蔽部材の一例である複数のスラット14を支持し、ラダーコード13の下端は、ボトムレール15に接続している。昇降コード12は、複数のスラット14の各々に通され、昇降コード12の下端は、ボトムレール15に接続している。
【0010】
ヘッドボックス11の内部に位置するチルトドラム16において、チルトドラム16の周面には、ラダーコード13が接続している。ヘッドボックス11の内部に位置する巻取ドラム17において、巻取ドラム17の周面には、昇降コード12が巻き付けられている。
【0011】
ヘッドボックス11の一端部は、操作ユニット18を収容し、操作ユニット18は、操作プーリー19に接続している。操作プーリー19に挿通された出力軸Aは、操作ユニット18を介して、チルトドラム16と巻取ドラム17とに挿通されている。操作ユニット18は、操作プーリー19に挿通された出力軸Aの回転を、チルトドラム16の回転に変換する機能と、チルトドラム16の回転の後に巻取ドラム17の回転に変換する機能とを有している。
【0012】
ヘッドボックス11の長手方向における一端部において、ヘッドボックス11の前側には、コードホルダー21が接続している。無端の環形状を有するコードの一例である操作コードLMは、コードホルダー21を通して、ヘッドボックス11の内側からヘッドボックス11の前側へ引き出されている。操作コードLMは、操作コードLMの引き下げによる操作コードLMの回転によって操作プーリー19が回転するように、操作プーリー19に掛かっている。
【0013】
そして、操作コードLMの操作によって巻取ドラム17が正転して、巻取ドラム17が昇降コード12を巻き取るとき、ボトムレール15が上昇してスラット14が上昇する。反対に、操作コードLMの操作によって巻取ドラム17が逆転するとき、ボトムレール15が降下してスラット14が降下する。また、操作コードLMの操作によってチルトドラム16が正転するとき、ラダーコード13が駆動して、スラット14が全開する方向にスラット14の角度が変わる。反対に、操作コードLMの操作によってチルトドラム16が逆転するとき、ラダーコード13が駆動して、スラット14が全閉する方向にスラット14の角度が変わる。
【0014】
[コード保持部20の構成]
図2を参照してコード保持部20を説明する。コード保持部20は、中空の箱体形状を有するコードホルダー21と、操作コードLMが通るコードフック22とから構成されている。
【0015】
コードホルダー21の上側壁21Uには、ヘッドボックス11の上側壁と係合する係止爪211が後側に向かって突出している。コードホルダー21の下側壁21Bには、ヘッドボックス11の下側壁と係合する係止爪212が後側に向かって突出している。これら係止爪211、および、係止爪212がヘッドボックス11と係合することによって、コードホルダー21はヘッドボックス11に取り付けられている。
【0016】
コードホルダー21の下側壁21Bには、前後方向に沿って延びる開口を有した下側挿通孔HBが形成されている。コードホルダー21の前側壁21Fには、上下方向に沿って延びる開口を有した前側挿通孔HFが形成されている。コードホルダー21の下側壁21Bとコードホルダー21の前側壁21Fとから構成される角部には、1つの固定軸A1が位置し、固定軸A1は、下側挿通孔HBと前側挿通孔HFとを区画している。
【0017】
コードフック22は、上下方向に沿って延びる矩形の枠体形状を有し、矩形孔である曲形成孔22Hを囲っている。コードフック22における上側辺は、1つの可動軸A2であり、コードフック22における下側辺は、前後方向において可動軸A2よりも前側に位置している。
【0018】
コードフック22における下側辺には、下方に向かって垂れ下がる1つの引き上げコードLSが接続し、引き上げコードLSの下端には操作端23が接続している。また、コードフック22における下側辺には、前側に向かって突き出た環形状を有する1つの接続部24が接続している。接続部24は、接続部24の周方向における一部が切断された有端の環形状を有し、切断された部分から操作コードLMを入れることの可能な形状を有している。
【0019】
ヘッドボックス11から引き出される操作コードLMは、2本のコード要素Lpを1組として引き回され、2本のコード要素Lpの各々の先端は、無端縁Leとして相互に接続している。1組のコード要素Lpは、コードホルダー21の内部から下側挿通孔HBを通してコードホルダー21の下方へ引き回されている。コードホルダー21の下方へ引き回された1組のコード要素Lpは、コードフック22に形成された曲形成孔22Hに通されて、コードホルダー21の下方から再び下側挿通孔HBに向かって折り返されている。これによって、可動軸A2の周面に沿った第1屈曲部LC1が、屈曲部の一例として、操作コードLMに形成されている。
【0020】
コードホルダー21の内部へ折り返された1組のコード要素Lpは、下側挿通孔HBから前側挿通孔HFに通されて、コードホルダー21の下方に向かって再び折り返されている。これによって、固定軸A1の周面に沿った第2屈曲部LC2が操作コードLMに形成されている。そして、ヘッドボックス11から引き出されたコード要素Lpの先端である無端縁Leは、前側挿通孔HFを通じて固定軸A1から吊り下げられている。なお、操作コードLMの中で固定軸A1よりも前方、かつ、下方に垂れ下がる部分は、垂れ下がり部LBであり、垂れ下がり部LBを構成する2本のコード要素Lpの中で一方のコード要素Lpは、接続部24の内側を通り、他方のコード要素Lpは、接続部24の外側を通っている。
【0021】
[コード保持部20の作用]
図3が示すように、コードフック22が最上位置に位置する状態において、コードフック22の可動軸A2は、操作コードLMに吊り上げられた状態であって、操作コードLMには、先に説明した第1屈曲部LC1が形成されていない。コードフック22の上部は、下側挿通孔HBを通じてコードホルダー21の内部に入り込んでいる。操作コードLMは、可動軸A2と固定軸A1との間、および、前側挿通孔HFを通して垂れ下がっている。この状態において、垂れ下がり部LBは、固定軸A1から鉛直方向に沿って操作長Laを有して、操作コードLMによる操作プーリー19の操作を可能としている。
【0022】
コードフック22が最上位置に位置する状態から、垂れ下がり部LBにおける前側のコード要素Lpが引き下げられると、垂れ下がり部LBにおける後側のコード要素Lpがヘッドボックス11に向かって引き込まれる。こうした操作コードLMを引き下げる操作によって、スラット14の開閉、あるいは、スラット14の昇降が調節される。
【0023】
図4が示すように、操作コードLMの操作が完了すると、利用者によって操作端23が引き下げられて、操作端23の降下によってコードフック22が降下する。この際に、垂れ下がり部LBの上端部は、第2屈曲部LC2を介して固定軸A1に単に掛けられた状態であるため、コードフック22の引き下げによって、垂れ下がり部LBの一部はコードホルダー21の内部に引き戻される。結果として、コードフック22が降下すると、固定軸A1と可動軸A2との間を通る操作コードLMが、可動軸A2によって下方に引っ張られて降下して、可動軸A2の周面に沿った第1屈曲部LC1を形成する。
【0024】
コードフック22の降下がさらに進むと、垂れ下がり部LBの長さが短くなり、上昇する無端縁Leが接続部24に引っ掛かる。これによって、無端縁Leの上昇、および、コードフック22の降下が止る。なお、垂れ下がり部LBにおけるいずれのコード要素Lpが操作される場合においても、こうした第1屈曲部LC1の形成は同様である。また、コードフック22が最上位置以外に位置する状態からコードフック22が降下するときも同様である。そして、垂れ下がり部LBが再び下方へ引っ張られることによって、コードフック22は上昇し、垂れ下がり部LBの長さは操作長Laに戻り、操作コードLMの操作が可能な状態となる。
【0025】
上記第1実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)ヘッドボックス11と固定軸A1との間に位置する操作コードLMは、第1屈曲部LC1を介して2つに折り曲げられる。それゆえに、ヘッドボックス11から垂れ下がる操作コードLMの長さは、2つに折り曲げられる長さの分だけ短くなる。結果として、ヘッドボックス11から操作コードLMが垂れ下がることに起因して操作コードが誤って操作されることが抑えられる。
【0026】
(2)コードフック22の降下は、無端縁Leと接続部24との係合によって止るため、コードフック22の過剰な引き下げ、例えば、ヘッドボックス11の内部まで無端縁Leが引き戻されるような引き下げが、操作端23の操作において抑えられる。
【0027】
(3)コードフック22における下側辺が、前後方向において、可動軸A2よりも前側に位置しているため、接続部24に垂れ下がり部LBを通すことが容易であり、また、接続部24の内部を通じた垂れ下がり部LBの昇降も円滑に進む。
【0028】
(4)コードホルダー21に固定軸A1が設けられるため、コードホルダー21と固定軸A1とが別部材である構成と比べて、コード保持部20を構成する部材の点数が少ない。また、コードホルダー21に固定軸A1が固定されているため、固定軸A1と下側挿通孔HBとの相対的な位置、および、固定軸A1と前側挿通孔HFとの相対的な位置の精度も高まる。
【0029】
(5)操作コードLMの無端縁Leが操作コードLMの操作時よりも高いコードフック22の近くに保持されるため、横型ブラインド10の設置された空間に居住する居住者が操作コードLMに引っ掛かる危険性が抑えられる。
【0030】
なお、上記第1実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・コードフック22の降下に際して接続部24の係合する係合先は、無端縁Leに限らず、垂れ下がり部LBの一部に別途設けられたストッパーなどの被係合部であってもよい。この際に、接続部24は、環形状に限らず、被係合部の上昇、および、接続部24の降下によって、接続部24と被係合部とが相互に係合する形状であればよい。
【0031】
・固定軸A1の位置、および、接続部24の位置は、前後方向において可動軸A2と同じ位置、あるいは、可動軸A2よりも後側であってもよい。このような構成であっても、上記(1)(2)(4)(5)の記載に準じた効果は得られる。
【0032】
・ヘッドボックス11と固定軸A1との間に位置する操作コードLMは、前後方向において2重以上の九十九折り形状に折り曲げられてもよく、第1屈曲部LC1、および、第2屈曲部LC2から構成される屈曲部の組を2以上有してもよい。
この際に、2以上の第2屈曲部LC2の各々は、相互に異なる固定軸A1に掛けられる一方で、2以上の第1屈曲部LC1の各々には、相互に異なるコードフック22が掛けられてもよいし、複数の第1屈曲部LC1に対して共通する1つのコードフック22が掛けられてもよい。そして、1つのコードフック22の有する可動軸A2の数は、2以上であってもよい。
【0033】
・コードホルダー21の位置は、ヘッドボックス11の前方に限らず、例えば、ヘッドボックス11の側方に取り付けられてもよい。コードホルダー21の位置は、ヘッドボックス11における操作コードLMの引き回しの仕様に応じて適宜変更されるものであって、操作コードLMが他の部材と不要に擦れない範囲であることが好ましい。
【0034】
・固定軸A1は、コードホルダー21と別体であって、ヘッドボックス11に片持ちされる軸であってもよい。このような構成においては、コードホルダー21そのものが割愛されてもよい。
【0035】
・操作端23、および、引き上げコードLSが割愛されて、コードフック22そのものの引き下げによって可動軸A2が引き下げられて、コードフック22が操作端23の機能を兼ねてもよい。
【0036】
・操作コードLMにおける操作は、1本のコード要素Lpの引き出しや引き戻しに限らず、例えば、1組のコード要素Lpの引き出しや引き戻しなど、ヘッドボックス11の外側に位置する操作コードLMの長さが変わる操作であってもよい。
【0037】
・操作プーリー19は、ヘッドボックス11の内部に位置してもよいし、ヘッドボックス11の外部に位置してもよい。操作プーリー19の回転軸は、ヘッドボックス11の長手方向に沿って延びる形状を有してもよいし、ヘッドボックス11の長手方向と直交する方向、例えば、ヘッドボックスの前後方向に沿って延びる形状を有してもよい。日射遮蔽装置は、昇降用の操作プーリー19と、チルト用の操作プーリー19とを別々に備え、かつ、昇降用の操作プーリー19を回転する操作コードLMと、チルト用の操作プーリー19を回転する操作コードLMとを別々に備えてもよい。そして、2本以上の操作コードLMの中で少なくとも1本の操作コードLMに対してコード保持部20が適用される構成であればよい。
【0038】
・日射遮蔽装置は、横型ブラインド10に限らず、無端の環形状を有する操作コードがヘッドボックスから吊り下げられる日射遮蔽装置であればよく、例えば、縦型ブラインド、ロールスクリーン、プリーツスクリーン、カーテン移送装置であってもよい。
・日射遮蔽部材の位置を変えるコードは、紐体である操作コードLMに限らず、チェーンであってもよい。
【0039】
上記第1実施形態、および、その変形例によれば以下の技術的思想が導き出される。
(付記1)
建築物に据え付けられる支持部材と、前記支持部材から垂れ下がる無端の環形状を有したコードであって、日射遮蔽部材の位置を変える前記コードの操作時において前記支持部材から引き下げられる前記コードと、前記コードの非操作時において前記コードに屈曲部を形成するコード保持部であって、前記コードの無端縁を前記コードの操作時よりも高い前記コード保持部の近くに保持する前記コード保持部と、を備える日射遮蔽装置であって、
前記屈曲部は、一方向に向かって凸となる曲率を有した第1屈曲部と、前記一方向とは逆方向に向かって凸となる曲率を有した第2屈曲部とを含み、
前記コード保持部は、前記第1屈曲部に掛けられて前記第1屈曲部の変位と共に可動する可動軸と、前記前記支持部材に固定されて、前記第1屈曲部よりも前記無端縁に近い部分である前記第2屈曲部が掛かる固定軸と、を備えることを特徴とする日射遮蔽装置。
【0040】
(付記2)
前記可動軸を有して前記第1屈曲部に掛けられたコードフックと、
前記コードにおいて前記第2屈曲部よりも前記コードの無端縁に近い部分は垂れ下がり部であり、前記垂れ下がり部の上昇によって前記垂れ下がり部と係合できる状態で、前記コードフックと前記垂れ下がり部とに接続する接続部と、を備え、
前記接続部は、前記垂れ下がり部の降下を許容し、かつ、前記垂れ下がり部が上昇するときには前記垂れ下がり部と前記接続部との係合によって前記垂れ下がり部を所定の位置に規制する付記1に記載の日射遮蔽装置。
【0041】
(付記3)
前記固定軸は、前記日射遮蔽装置の前後方向において前記可動軸よりも前側に位置し、前記接続部は、前記日射遮蔽装置の前後方向において前記可動軸よりも前側に位置する付記2または3に記載の日射遮蔽装置。
【0042】
(第2実施形態)
図5から
図18を参照して本開示の技術の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、本開示の技術における日射遮蔽装置が横型ブラインドに具体化された一例である。なお、第2実施形態における横型ブラインドは、コード保持部が第1実施形態とは異なる一方で、それ以外の主たる構成は第1実施形態の横型ブラインドと同様である。以下では、こうした差異を説明し、第1実施形態に記載の横型ブラインドと同様の構成については、同一の符号を付してその説明を割愛する。なお、
図5は、操作コードLMの非操作時における横型ブラインドの正面構造を示す。
【0043】
[コード保持部30の構成]
図5が示すように、ヘッドボックス11の両端部の中で右側端部E1には、操作コードLMの引き出されるコードゲート11Hが形成され、左側端部E2には、コードホルダー31が取り付けられている。無端の環形状を有する操作コードLMにおいて最もコードホルダー31に近い部分は無端縁Leであり、操作コードLMにおける無端縁Leは、コード保持部を構成する環形状を有する接続リング32に通されている。
【0044】
接続リング32は、これもまたコード保持部を構成するコードホルダー31を通る引き上げコードLSの一端部に接続し、引き上げコードLSの他端部には、ウエイト33が接続している。この引き上げコードLSは、引き寄せコードの一例である。ウエイト33は、鉛直方向の下方に沿って引き上げコードLSを引っ張っている。引き上げコードLSに引っ張られる操作コードLMは、コードゲート11Hからコードホルダー31に向かって折れ曲がる第1屈曲部LC1を有している。
【0045】
ここで、従来の横型ブラインドにおいて、コードゲート11Hから垂れ下がる操作コードLMの長さは、例えば、最下位置のボトムレール15とヘッドボックス11との間の距離の半分よりも大きい長さHMである。一方で、引き上げコードLSの長さは、こうした長さHMよりも短く設定されている。それゆえに、コードホルダー31から垂れ下がる引き上げコードLSの下端部は、従来の横型ブラインドにおいてコードゲート11Hから垂れ下がる操作コードLMの無端縁Leよりも上方に位置する。
【0046】
なお、本実施形態において、コードゲート11Hと無端縁Leとの間における操作コードLMの長さは、コードゲート11Hとコードホルダー31との間の距離11L以上であってもよいし、コードゲート11Hとコードホルダー31との間の距離11L未満であってもよい。なお、コードゲート11Hと無端縁Leとの間における操作コードLMの長さは、それが最短長である状態で、コードゲート11Hとコードホルダー31との間の距離11Lよりも長いことが好ましい。特に、操作コードLMの操作において、一方のコード要素Lpが引き出され、かつ、他方のコード要素Lpが引き込まれるとき、引き出されるコード要素Lpは、操作コードLMの操作において引き込まれるコード要素Lpよりも長いことが好ましい。このような構成であれば、一方のコード要素Lpが他方のコード要素Lpよりも下側に位置するように、一方のコード要素Lpが下方に向かって特に弛むため、一方のコード要素Lpの引き出し操作が容易である。
【0047】
図6が示すように、コードホルダー31は、逆L字形状を有する断面が横方向に沿って連続する折り曲げ板形状を有している。コードホルダー31の上側壁31Uには、ヘッドボックス11の上側壁の後縁と係合する係止爪311が、ヘッドボックス11に向かって延出している。コードホルダー21の前側壁31Fの中で上端部には、ヘッドボックス11の前側壁の上縁と係合する係止爪312が、ヘッドボックス11に向かって延出し、コードホルダー21の前側壁31Fの中で下端部には、ヘッドボックス11の前側壁の下縁と係合する係止爪313が、ヘッドボックス11に向かって延出している。これら3つの係止爪311、312、313がヘッドボックス11と係合することによって、コードホルダー31はヘッドボックス11に取り付けられる。
【0048】
コードホルダー31の上側壁31Uには、上下方向に沿って上側壁31Uを貫通するねじ止め孔31aが形成されている。例えば、コードホルダー31がヘッドボックス11には固定されず、コードホルダー31が天井面などの壁面に固定されるとき、ねじ止め孔31aを通る雄ねじは、壁面に形成された雌ねじに螺合して、コードホルダー31を壁面に固定する。なお、本実施形態のように、コードホルダー31が係止爪311,312,313によってヘッドボックス11に固定される構成であれば、ねじ止め孔31aを用いたねじ止め、さらにはねじ止め孔31aそのものが割愛されてもよい。
【0049】
コードホルダー31の前側壁31Fには、横方向に沿って前側壁31Fを貫通するコード挿通孔31bが形成されている。コード挿通孔31bの開口は、引き上げコードLSが通る大きさであって、かつ、接続リング32が通らない大きさである。こうした構成によって、引き上げコードLSの接続する接続リング32の位置は、コードホルダー31よりもコードゲート11H側に制約され、接続リング32を通る無端縁Leの位置もまた、コードホルダー31よりもコードゲート11H側に制約される。
【0050】
コード挿通孔31bを通る引き上げコードLSは、コード挿通孔31bの有する両端の開口の中で右側端部E1側の開口から左側端部E2側の開口に向かって延び、左側端部E2側の開口縁において、下方に向かって折れ曲がる第2屈曲部LC2を形成している。
【0051】
操作コードLMの無端縁Leは、引き上げコードLSを介してウエイト33からの張力Fを受け続け、張力に抗した操作力を受けない限り、接続リング32と共々、その移動する範囲の中で最もコードホルダー31の近くに位置する。ウエイト33の重量は、ボトムレール15の重量と遮蔽部材の重量との総和よりも軽いことが好ましく、また、引き上げコードLSに作用する張力は、操作コードLMをコードホルダー31へ引っ張る一方で、その操作コードLMをヘッドボックス11から引き出すことのない程度の力である。
【0052】
図7が示すように、ウエイト33は、例えば、金属などから形成された重量部33aと、重量部33aの全体を覆う弾性力を有した被膜33bとから構成されることが好ましい。こうした構成であれば、ウエイト33の機能として求められる重量が、高い剛体を有する重量部33aによって構成され、高い剛性を有する重量部33aが他の部材と衝突することが、被膜33bによって抑えられる。
【0053】
[コード保持部30の作用]
図8が示すように、ウエイト33が静止しているとき、接続リング32はその移動範囲の中でコードホルダー31に最も近接し、操作コードLMはヘッドボックス11における右側端部E1から左側端部E2に向かって引き回されている。
【0054】
この際に、接続リング32は、操作コードLMの長さによってその位置が定められ、コードホルダー31に当接してもよいし、コードホルダー31に当接しなくてもよく、第1屈曲部LC1を形成する構成であればよい。接続リング32とコードホルダー31とが当接する状態であれば、操作コードLMは、引き上げコードLSから張力を受けること無く、第1屈曲部LC1の形成に伴い、弛みを有した状態を再現しやすい。そして、操作コードLMが弛みを有する状態であれば、操作コードLMの操作に際して、操作コードLMの位置が高くなり過ぎることが抑えられ、操作コードLMの操作の開始が容易である。
【0055】
ウエイト33が最下位置に位置する状態から、利用者によって操作コードLMが下方に引っ張られると、
図8の二点鎖線が示すように、操作コードLMの降下と共に接続リング32が降下し、接続リング32の降下と共にウエイト33が上昇する。
【0056】
操作コードLMが引き下げられた状態において、操作コードLMにおける下方のコード要素Lpがさらに引き下げられると、操作コードLMにおける上方のコード要素Lpがヘッドボックス11の内部に引き込まれる。こうした操作コードLMの操作を経て操作プーリー19が回転し、スラット14の開閉、あるいは、スラット14の昇降が調節される。なお、
図9では、コード要素Lpの引き下げ量に応じた距離だけスラット14が上昇した状態が示されている。
【0057】
図9が示すように、操作コードLMを下方に引っ張る力が、操作コードLMから取り除かれると、ウエイト33がそれの重みに従って降下し、ウエイト33に引っ張られる引き上げコードLSも、コードホルダー31のコード挿通孔31bを通じて降下する。また、引き上げコードLSが降下することに従って、接続リング32が再びコードホルダー31に近づく。そして、
図9の二点鎖線が示すように、接続リング32がその移動範囲の中でコードホルダー31の最も近くに到達して、ウエイト33の降下が停止し、引き上げコードLSの移動、および、操作コードLMの移動も停止する。結果として、操作コードLMの操作に際して一旦引き下げられた操作コードLMは、ヘッドボックス11の右側端部E1から左側端部E2に向かって引き回された状態に戻る。
【0058】
上記第2実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)操作コードLMは、第1屈曲部LC1において2つに折り曲げられ、右側端部E1から左側端部E2に向かって引き回される。それゆえに、操作コードLMが折り曲げられない構成と比べて、操作コードLMが垂れ下がることに起因して操作コードLMが誤って操作されることが抑えられる。
【0059】
(2)操作コードLMの操作に際して一旦引き下げられた操作コードLMは、ウエイト33の重みの作用によって、操作コードLMの操作の終了と共に再び引き上げられる。結果として、操作コードLMが操作されるときにのみ操作コードLMが引き下げられるため、操作コードLMが垂れ下がることに起因して操作コードLMが誤って操作されることが、さらに抑えられる。
【0060】
(3)ウエイト33が最下位置に位置するときに、接続リング32とコードホルダー31とが当接する構成であれば、接続リング32とコードホルダー31との当接によってウエイト33の降下が止められる。そして、操作コードLMと引き上げコードLSとを接続する機能と、ウエイト33の降下を止める機能とを1つの接続リング32が兼ね備えるため、これらの機能が別部材によって実現される構成と比べて、コード保持部30を構成する部材の点数が少ない。
【0061】
(4)操作コードLMの無端縁Leが操作コードLMの操作時よりも高いコードホルダー31の近くに保持されるため、横型ブラインド10の設置された空間に居住する居住者が操作コードLMに引っ掛かる危険性が抑えられる。
【0062】
上記第2実施形態は以下のように変更して実施できる。
[コードホルダー31の位置]
・コードホルダー31の位置は、ヘッドボックス11の左側端部E2に限らず、例えば、ヘッドボックス11において右側端部E1と左側端部E2との間であってもよいし、ヘッドボックス11以外であってもよい。要するに、コードホルダー31の位置は、コードゲート11Hから下方に向かって延びる操作コードLMを、第1屈曲部LC1の形成によって、その延びる方向から折り曲げる位置であればよい。例えば、コードホルダー31は、下記第1変形例、および、第2変形例に記載のように、横型ブラインド10の設置される建築物の天井面Tに取り付けられてもよい。
【0063】
[第1変形例]
・
図10が示すように、コードホルダー31は、例えば、天井面Tであって、ヘッドボックス11の延びる方向において左側端部E2よりも右側端部E1から離れた位置に取り付けられてもよい。この際に、コードホルダー31は、ねじ止め孔31aを通る雄ねじによって天井面Tなどの壁面に固定される。このような構成においても、第2実施形態に記載の(1)から(4)に準じた効果は得られる。
【0064】
なお、コードゲート11Hとコードホルダー31との間の距離D1は、ヘッドボックス11の全長D2よりも大きい。そのため、例えば、コードホルダー31の固定される高さが操作コードLMの操作に支障を来さない高さであって、横型ブラインド10が吹き抜けの空間に設置されるときなど、操作コードLMの長さがヘッドボックス11の全長D2よりも大幅に大きい構成において、上述した効果は特に顕著である。なお、こうした構成においても、ウエイト33が静止した状態では、操作コードLMの操作の開始を容易にするために、操作コードLMは下方に向かって弛みを有する構成が好ましい。
【0065】
[第2変形例]
・
図11が示すように、コードホルダー31は、例えば、天井面Tであって、ヘッドボックス11の前方に取り付けられてもよい。このような構成においても、第2実施形態に記載の(1)から(4)に準じた効果は得られる。また、操作コードLMがコードゲート11Hからその前方へ引き出される構成であれば、操作コードLMの引き回しによる負荷が抑えられる。そのため、横型ブラインド10の他に、図示しない操作プーリー19の回転軸がヘッドボックス11の長手方向に沿って位置するロールスクリーンにおいて、こうした構成は特に好ましい。なお、こうした構成においても、ウエイト33が静止した状態では、操作コードLMの操作の開始を容易にするために、操作コードLMは下方に向かって弛みを有する構成が好ましい。
・また、コードホルダー31は、下記第3変形例、および、第4変形例に記載のように、ヘッドボックス11における特定の位置に取り付けられてもよい。
【0066】
[第3変形例]
・
図12が示すように、ヘッドボックス11を壁などに固定するブラケット35とコードホルダー31とは、相互に並んでいることが好ましい。こうした構成であれば、コードホルダー31の位置がヘッドボックス11の延びる方向に沿ってずれることが抑えられる。
【0067】
この際に、ブラケット35の位置は、ヘッドボックス11の延びる方向において、コードホルダー31よりもコードゲート11Hに近い方がより好ましい。例えば、操作コードLMの操作に際して操作コードLMが引き下げられるとき、コードホルダー31と操作コードLMとの摩擦を通じて、コードホルダー31をコードゲート11Hに近づける方向への応力が、コードホルダー31には作用する。この点で、コードホルダー31のコードゲート11H側にブラケット35が位置する構成であれば、こうした応力によってコードホルダー31の位置がずれることが抑えられる。
【0068】
[第4変形例]
・
図13が示すように、ヘッドボックス11の前面における意匠性を高めるためのカバー部材36をヘッドボックスが備える構成において、カバー部材36の後面にコードホルダー31が固定されてもよい。こうした構成であれば、ヘッドボックス11の本体とカバー部材36との間に、操作コードLMや引き上げコードLSを通す構成が採用可能である。そのため、ヘッドボックス11の前面に展開する操作コードLMや引き上げコードLSをバランスなどのカバー部材36によって覆い隠すことが可能であるから、意匠性が失われることが抑えられもする。
【0069】
この際に、カバー部材36の後面に固定されるコードホルダー31として以下の構成が挙げられる。
【0070】
図14が示すように、カバー部材36の後面に固定されるコードホルダー31は、カバー部材36の後面に沿った板形状を有し、カバー部材36の後面と接触する側面とは反対側の側面にコード挿通孔31bを有している。そして、ねじ止め孔31aに挿通される雄ねじが、カバー部材36の裏面に形成された雌ねじと螺合することによって、コードホルダー31は、カバー部材36に固定される。
【0071】
[コードホルダー31の数]
・1つのヘッドボックス11が2つ以上のコードホルダー31を備えてもよい。この際に、2つ以上のコードホルダー31の中でいずれか1つのコードホルダー31の有するコード挿通孔31bが、接続リング32の通らない開口を有し、そのコードホルダー31以外のコードホルダー31の有するコード挿通孔31bは、接続リング32の通る大きさの開口を有している。例えば、下記第5変形例が示すように、2つのコードホルダー31が、ヘッドボックス11の延びる方向に沿って並んでもよい。
【0072】
[第5変形例]
図15が示すように、2つのコードホルダー31の中で、右側端部E1に近いコードホルダー31が、第1コードホルダー31Rであり、左側端部E2に近いコードホルダー31が、第2コードホルダー31Lである。
【0073】
この際に、接続リング32は、2つのコードホルダー31の間に位置し、第2コードホルダー31Lにおけるコード挿通孔31bの開口は、接続リング32の通らない大きさである。第1コードホルダー31Rにおけるコード挿通孔31bの大きさは、接続リング32の通る大きさである。2つのコードホルダー31を有する構成であれば、操作コードLMが長い場合であっても、操作コードLMが引き上げられた際の弛みが所望の大きさに抑えられるため、引き上げられた状態での操作コードLMの意匠性が高まる。なお、ヘッドボックス11の長手方向に沿って並ぶコードホルダー31は、3つ以上であってもよい。
【0074】
[接続リング32と操作コードとの接続の形態]
下記第6変形例、および、第7変形例が示すように、接続リング32の内側に通される操作コードLMは、1本のコード要素Lpに限らず、2本のコード要素Lpであってもよい。
【0075】
[第6変形例]
・
図16が示すように、操作コードLMの非操作時において、接続リング32はその移動範囲の中でコードホルダー31に最も近くに位置し、操作コードLMは、接続リング32から垂れ下がる垂れ下がり部LBを有している。
【0076】
そして、操作コードLMの操作時において、利用者によって垂れ下がり部LBと共々、操作コードLMが下方に引っ張られると、
図16の二点鎖線が示すように、接続リング32が降下して、接続リング32の降下と共にウエイト33が上昇する。この状態から、操作コードLMが操作されることによって、スラット14の昇降、あるいは、スラット14の開閉が調節される。
【0077】
こうした構成であれば、接続リング32によって2本のコード要素Lpが相互に同じように屈曲するため、接続リング32の移動によって1本のコード要素Lpが屈曲する構成と比べて、接続リング32の移動量に対する操作コードLMの上昇量が大きい。それゆえに、例えば、ヘッドボックス11の長手方向における幅が短い構成、すなわち、接続リング32の移動量が小さい構成であっても、操作コードLMを所望の高さまで引き上げることが可能である。
【0078】
なお、1つの接続リング32に2本のコード要素Lpを通す構成において、
図16が示すように、接続リング32は、接続リング32の内側の空間を2つに区画する区画部32aを有することが好ましい。こうした構成であれば、操作コードLMの操作に際して操作コードLMが引き下げられて、接続リング32に通された操作コードLMが、接続リング32から抜ける方向に移動するとしても、操作コードLMの無端縁Leが区画部32aに引っ掛かる。それゆえに、2本のコード要素Lpが接続リング32から完全に抜けることも抑えられる。ただし、操作コードLMの無端縁Leが区画部32aに引っ掛かった際にも、弛んだ操作コードLMを引き下げることによって操作コードLMを操作することは可能である。
【0079】
[第7変形例]
・
図17が示すように、横型ブラインド10において、スラット14を開閉するポール36Pには、ポール36Pの回転角度を操作するグリップ37が接続し、これらポール36P、および、グリップ37の内部に1つの操作コードLMが通っている。操作コードLMは、2本のコード要素Lpから構成され、これら2本のコード要素Lpの下端が、共通する1つのイコライザー38に接続することによって、無端の環形状を有している。そして、グリップ37の操作によって、スラット14の角度が調節され、
図17の二点鎖線が示すように、イコライザー38が引き下げられて操作コードLMが引き出されることによって、スラット14の昇降が調節される。
【0080】
グリップ37とイコライザー38との間には、2本のコード要素Lpがまとめて通る接続リング32が位置している。接続リング32の内径は、グリップ37の通らない大きさであり、かつ、イコライザー38が通らない大きさであることが好ましい。接続リング32は、引き上げコードLSの一端に接続し、引き上げコードLSの他端はウエイト33に接続している。
【0081】
接続リング32は、引き上げコードLSを介してウエイト33からの張力を受け続け、張力に抗した操作力を受けない限り、グリップ37、および、イコライザー38と共々、その移動範囲においてコードホルダー31の最も近くに位置する。ウエイト33の重量は、ボトムレール15の重量とスラット14の重量との総和よりも軽いことが好ましく、また、引き上げコードLSに作用する張力は、操作コードLMをコードホルダー31へ引っ張る一方で、その操作コードLMをグリップ37側から引き出すことのない程度の力である。
【0082】
そして、操作コードLMが操作されるとき、まず、利用者によってポール36P、グリップ37、および、イコライザー38が鉛直方向の下方に向かって引き下げられると、
図17の二点鎖線が示すように、グリップ37の降下と共に接続リング32が降下し、接続リング32の降下と共にウエイト33が上昇する。グリップ37が引き下げられた状態からイコライザー38が引き下げられると、グリップ37内を挿通してグリップ37の下端側から操作コードLMが引き出され、スラット14の昇降が調節される。
【0083】
図18が示すように、イコライザー38を下方に引っ張る力が、イコライザー38から取り除かれると、ウエイト33がそれの重みに従って降下し、ウエイト33に引っ張られる接続リング32はコードホルダー31に向かって上昇する。そして、接続リング32は、グリップ37とイコライザー38との間において、グリップ37からイコライザー38に向かってスライドする。その結果、接続リング32は、イコライザー38に係止され、かつ、その移動範囲において最もコードホルダー31の近くに到達して、ウエイト33の降下が停止し、接続リング32、イコライザー38、グリップ37、および、ポール36Pの移動も停止する。そして、操作コードLMの操作に際して一旦引き下げられたイコライザー38は、操作時よりも上方の位置に戻る。
【0084】
こうした構成においても、第2実施形態に記載の(1)から(4)に準じた効果は得られる。なお、接続リング32は、グリップ37とイコライザー38との間に位置すればよく、接続リング32の内側に通るコード要素Lpは1本であってもよい。
【0085】
[第8変形例]
・
図19が示すように、2本の昇降コード12の各々は、ボトムレール15からヘッドボックス11の内部に一旦引き回されて、ヘッドボックス11におけるコードゲート11Hから再びボトムレール15に接続している。コードゲート11Hとボトムレール15とをつなぐ2本の昇降コード12は、ボトムレール15を昇降する操作コードLMとして機能する。操作コードLMの操作前において、接続リング32は、イコライザーEの下方であって、高さ方向における操作コードLMの中間に取り付けられている。
【0086】
ヘッドボックス11は、ヘッドボックス11の左側端部にコードホルダー31を備えている。コードホルダー31には、引き上げコードLSが挿通する挿通孔が形成され、コードホルダー31からは、引き上げコードLSの基端部が垂れ下がり、その引き上げコードLSの基端部はウエイト33に接続している。引き上げコードLSの先端部は接続リング32に接続している。操作コードLMの操作前において、接続リング32は、引き上げコードLSからの張力によってコードホルダー31に向けて引っ張られて、操作コードLMにおける2本のコード要素Lpが相互に接触した無端縁を接続リング32の内側に形成する。
なお、
図19の二点鎖線が示すように、コードホルダー31や接続リング32によって構成されるコード保持部を有しない従来の横型ブラインドにおいては、操作コードLMがコードゲート11Hから垂れ下がり、ボトムレール15の下方でループを形成している。そして、操作コードLMがボトムレール15の下方でループを形成する構成では、こうしたループの高さによっては、室内を移動する居住者や室内を移動する移動体に操作コードが引っ掛かってしまい、操作コードが誤って操作されることとなる。
【0087】
図20が示すように、操作コードLMの操作時において、利用者によって操作コードLMが引き下げられてボトムレール15が上昇すると、コードゲート11Hとボトムレール15との間において操作コードLMに、引き下げ量に相当する弛みが形成される。一方で、接続リング32は、引き上げコードLSを通じてウエイト33の重みに応じた張力を受け、コードホルダー31に向かって変位する。そして、操作コードLMは、コードホルダー31に向かって凸となる屈曲部を形成する。結果として、操作コードLMにおける無端縁は操作コードLMの操作時よりも高いコードホルダー31の近くに保持される。また、コード保持部71の上側に位置していた操作コードLMは、コードゲート11Hからコードホルダー31に向けて引っ張られ、接続リング32の下側に位置していた操作コードLMのみが弛んで垂れ下がる。
【0088】
[ウエイト33の降下の停止機構]
[第9変形例]
・
図21が示すように、引き上げコードLSは、コードホルダー31と接続リング32との間にストッパー39を備えてもよい。ストッパー39は、コード挿通孔31bを通らない大きさであって、操作コードLMの非操作時において、引き上げコードLSがウエイト33によって引き下ろされることを、コードホルダー31とストッパー39との係合によって止める。
【0089】
そして、操作コードLMの操作時において、利用者によって操作コードLMが下方に引っ張られると、
図21の二点鎖線が示すように、接続リング32とストッパー39とが降下してウエイト33が上昇する。この状態から、操作コードLMが操作されることによって、スラット14の昇降、あるいは、スラット14の開閉が調節される。
【0090】
このような構成であれば、ウエイト33が最下位置に到達する際に、コードホルダー31と接続リング32との当接が抑えられるため、接続リング32における物理的な強度の制約が軽減される。また、操作コードLMの長さと、引き上げコードLSにおけるストッパー39とウエイト33との間の長さとを各別に設計することが可能であるため、操作コードLMの引き上げられる距離を範囲をもって設定できる。
【0091】
[他の変形例]
・操作コードLMと引き上げコードLSとを接続する接続部は、操作コードLMと引き上げコードLSとを接続する機能を有した部材であればよく、その形状は、リング形状に限定されるものではない。
【0092】
・引き上げコードLSに作用する力は、ウエイト33の重力に限らず、接続リングの変位を通じて、操作コードLMの無端縁を上方に向かって付勢する力であればよく、例えば、一定のトルクを出力するトルクバネであってもよい。
【0093】
・横型ブラインド10は、第1屈曲部LC1を案内するための周面を有した可動軸を備えてもよい。こうした構成であれば、第1屈曲部LC1の形成や第1屈曲部LC1における操作コードLMの移動が円滑である。また、横型ブラインド10は、第2屈曲部LC2を案内するための周面を有した固定軸をコードホルダー31に備えてもよい。こうした構成であれば、第2屈曲部LC2の形成や第2屈曲部LC2における引き上げコードLSの移動が円滑である。
【0094】
・日射遮蔽装置は、横型ブラインド10に限らず、無端の環形状を有する操作コードがヘッドボックスから吊り下げられる日射遮蔽装置であればよく、例えば、ロールスクリーン、プリーツスクリーンであってもよい。
【0095】
・日射遮蔽部材の位置を変えるコードは、紐体である操作コードLMに限らず、チェーンであってもよい。また、引き上げコードLSもまた、紐体に限らず、チェーンであってもよい。
【0096】
上記第2実施形態、および、その変形例によれば以下の技術的思想が導き出される。
(付記4)
建築物に据え付けられる支持部材と、前記支持部材から垂れ下がる無端の環形状を有したコードであって、日射遮蔽部材の位置を変える前記コードの操作時において前記支持部材から引き下げられる前記コードと、前記コードの非操作時において前記コードに屈曲部を形成するコード保持部であって、前記コードの無端縁を前記コードの操作時よりも高い前記コード保持部の近くに保持する前記コード保持部と、を備える日射遮蔽装置であって、
前記コード保持部は、前記コードが通される接続部を引き寄せて前記コードの無端縁を移動させる引き寄せコードを備えることを特徴とする日射遮蔽装置。
【0097】
(第3実施形態)
図22から
図33を参照して本開示の技術の第3実施形態を説明する。第3実施形態は、本開示の技術における日射遮蔽装置がカーテン移送装置に具体化された一例である。なお、
図22から
図34は、操作コードLMの操作時であって、操作コードLMが下方に向かって引っ張られているときのカーテン移送装置の状態を示す。
【0098】
まず、
図22を参照して操作コードの操作時におけるカーテン移送装置の正面構造を説明し、次いで、
図23、および、
図24を参照してカーテン移送装置の平面構造、および、側面構造を説明する。
【0099】
[カーテン移送装置50の構成]
図22が示すように、支持部材の一例であるカーテン移送装置50のカーテンレール51は、カーテンレール51の長手方向における両端部の各々にベルトプーリー52を収容している。2つのベルトプーリー52には、無端の帯形状を有するベルト53が掛かっている。ベルト53の中で紙面の手前側(前側)に位置する部分には、先頭ランナー54A、および、複数の従動ランナー54Bが接続している。先頭ランナー54A、および、複数の従動ランナー54Bは、前側のカーテン55を支持している。なお、ベルト53の中で紙面の奥側(後側)に位置する部分にも、図示されない先頭ランナー54A、および、複数の従動ランナー54Bが接続している。また、これら先頭ランナー54A、および、複数の従動ランナー54Bも、図示されない後側のカーテンを支持している。
【0100】
そして、ベルト53の中で前側に位置する部分が、紙面の右から左に向かって移動するように、ベルト53が回転するとき、先頭ランナー54Aと複数の従動ランナー54Bとは、紙面の右から左に向かって移動する。反対に、ベルト53の中で前側に位置する部分が、紙面の左から右に向かって移動するように、ベルト53が回転するとき、先頭ランナー54Aと複数の従動ランナー54Bとは、紙面の左から右に向かって移動する。なお、図示されない後側の先頭ランナーや複数の従動ランナーもまた、ベルト53における接続先に対して同様の方向に沿って移動し、図示されない後側のカーテンもまた、その接続先に対して同様の方向に沿って移動する。
【0101】
操作コードLMは、ベルト53の延びる方向において、ベルト53の略中間である接続点JLに接続している。操作コードLMは、ベルト53の延びる方向に沿って接続点JLからカーテンレール51の左側端部へ引き回されて、カーテンレール51の左側端部からカーテンレール51の下方に向かって垂れ下がっている。カーテンレール51の左側端部は、操作プーリーLMPを収容し、操作プーリーLMPは、操作コードLMを接続点JLからカーテンレール51の左側端部へ案内し、かつ、カーテンレール51の左側端部からカーテンレール51の下方へ案内している。
【0102】
カーテンレール51の延びる方向において、カーテンレール51の右側端部の外側には、ガイドボックス61が位置している。ガイドボックス61は、例えば、カーテン移送装置50の設置される建築物の壁面に固定されている。ガイドボックス61の内部には、コード保持部を構成する引き上げプーリー62が位置している。
【0103】
操作コードLMは、操作コードLMの高さ方向における途中の部位において、コード保持部において接続部を構成する第1接続リングJ1を通り、第1接続リングJ1には、第1引き上げコードLS1の基端が接続している。第1引き上げコードLS1の先端は、第2接続リングJ2に接続し、第2接続リングJ2には、第2引き上げコードLS2の基端が接続している。第2引き上げコードLS2は、ガイドボックス61に形成されたコード挿通孔61Hを通じて、引き上げプーリー62の上側に掛けられ、引き上げプーリー62を介して、コード保持部において変位部を構成するウエイト63に接続している。ガイドボックス61に形成されたコード挿通孔61Hは、第2引き上げコードLS2を通し、かつ、第2接続リングJ2を通さない大きさを有している。コード挿通孔61Hの高さは、操作コードLMの下端である無端縁Leよりも上側である。
【0104】
図23が示すように、1本の操作コードLMは、前後一対のコード要素Lpから構成され、ベルト53は、前後一対のコード要素Lpの各々に対応する接続点JLを有している。前後一対のコード要素Lpの中でカーテンレール51の前側に位置するコード要素Lpは、前後一対の接続点JLの中でカーテンレール51の前側に位置する接続点JLに接続している。前後一対のコード要素Lpの中でカーテンレール51の後側に位置するコード要素Lpは、前後一対の接続点JLの中でカーテンレール51の後側に位置する接続点JLに接続している。
【0105】
カーテンレール51の左側端部は、前後一対のコード要素Lpの各々に対応する操作プーリーLMPを収容している。カーテンレール51の前側に位置する操作コードLMは、カーテンレール51の前側に位置する接続点JLから、カーテンレール51の前側に位置する操作プーリーLMP上へ引き回されている。カーテンレール51の後側に位置する操作コードLMは、カーテンレール51の後側に位置する接続点JLから、カーテンレール51の前側に位置する操作プーリーLMP上へ引き回されている。
【0106】
図24が示すように、前後一対の操作プーリーLMPから垂れ下がるコード要素Lpの各々の下端は、コード要素Lpの下端同士で接続する無端縁Leを形成している。カーテン移送装置50は、前後一対のコード要素Lpの各々に対応する第1接続リングJ1を備え、カーテンレール51の前側に位置するコード要素Lpは、前側の第1接続リングJ1を通り、かつ、カーテンレール51の後側に位置するコード要素Lpは、後側の第1接続リングJ1を通っている。前後一対の第1接続リングJ1の各々に接続する第1引き上げコードLS1は、共通する1つの第2接続リングJ2に接続している。なお、第1引き上げコードLS1は、第2接続リングJ2の内側を通り、第1引き上げコードLS1の両端部の各々が第1接続リングJ1に接続する1本のコードによって構成されてもよい。
【0107】
[カーテン移送装置50の作用]
図25の二点鎖線が示すように、操作コードLMが操作されるとき、例えば、操作コードLMにおける前側のコード要素Lpが引き下げられ、操作コードLMにおける後側のコード要素Lpがカーテンレール51に引き込まれる。そして、前側の接続点JLが紙面の右から左に移動して、前側のカーテン55が紙面の右から左に移動する。また、後側の接続点JLが紙面の左から右に移動して、後側のカーテンが紙面の右から左に移動する。
【0108】
操作コードLMの操作が終了すると、操作コードLMを下方に向かって引っ張る力が、操作コードLMから取り除かれる。そして、ウエイト63がそれ自体の重みに従って降下し、
図25の太矢印が示すように、第1接続リングJ1は、第1引き上げコードLS1、第2接続リングJ2、および、第2引き上げコードLS2を通じて、紙面の右に向かってウエイト63に引っ張られる。また、第1接続リングJ1を通る操作コードLMも、ウエイト63に引っ張られてガイドボックス61に近づく。
【0109】
この際に、第1接続リングJ1の高さ方向における位置は、操作コードLMと第1接続リングJ1との摩擦によってほぼ維持される一方で、第1接続リングJ1の水平方向における位置は、コード挿通孔61Hに向かって変わる。結果として、第1接続リングJ1を通る操作コードLMは、操作プーリーLMPを中心として回転し、第1接続リングJ1が紙面の右に移動する分だけ、操作コードLMにおける無端縁Leを高くする。そして、操作コードLMは、第1接続リングJ1によって、操作プーリーLMPと第1接続リングJ1とを結ぶ線分と、第1接続リングJ1から下方に垂れ下がる線分とに区画され、第1接続リングJ1において第1屈曲部LC1を形成する。
【0110】
第1接続リングJ1における紙面の右への移動は、第2接続リングJ2とガイドボックス61との当接によって止る。そして、操作コードLMの状態は、操作コードLMが接続点JLから受ける張力と、操作コードLMが第1引き上げコードLS1から受ける張力との釣り合いによって安定する。なお、操作コードLMが再び操作されるとき、操作コードLMの無端縁Leは、ウエイト63による張力に抗した力によって引き下げられて、
図25の二点鎖線が示すように、操作プーリーLMPからほぼ鉛直方向に沿って引っ張られながら操作される。
【0111】
上記第3実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)操作コードLMは、第1屈曲部LC1において2つに折り曲げられ、かつ、操作プーリーLMPから引き上げプーリー62に向かって引き回される。それゆえに、操作コードLMが折り曲げられない構成と比べて、操作コードLMが垂れ下がることに起因して操作コードLMが誤って操作されることが抑えられる。
【0112】
(2)操作コードLMの操作に際して一旦引き下げられた操作コードLMは、ウエイト63の重みの作用によって、操作コードLMの操作の終了と共に再び引き上げられる。結果として、操作コードLMが操作されるときにのみ操作コードLMが引き下げられるため、操作コードLMが垂れ下がることに起因して操作コードLMが誤って操作されることが、さらに抑えられる。
【0113】
(3)第2接続リングJ2とガイドボックス61との当接によってウエイト63の降下が止められる。そして、第1引き上げコードLS1と第2引き上げコードLS2とを接続する機能と、ウエイト63の降下を止める機能とを1つの第2接続リングJ2が兼ね備えるため、これらの機能が別部材によって実現される構成と比べて、カーテン移送装置50を構成する部材の点数が少ない。
【0114】
(4)前後一対のコード要素Lpの各々が、別々の第1接続リングJ1によって引き上げられる。それゆえに、一方のコード要素Lpのみが第1接続リングJ1によって引き上げられる構成と比べて、操作コードLMにおける無端縁Leの位置は、引き上げによって高くなる。結果として、操作コードLMが垂れ下がることに起因して操作コードLMが誤って操作されることが、さらに抑えられる。
【0115】
(5)前後一対のコード要素Lpの各々が、共通する1つのウエイト63に接続している。それゆえに、一方のコード要素Lpのみがウエイト63に接続する構成と比べて、前側の接続点JLに作用する張力と、後側の接続点JLに作用する張力との均一性が高まる。結果として、操作コードLMの引き上げに際してベルト53が移動することが抑えられもする。
【0116】
(6)操作コードLMの無端縁Leが操作コードLMの操作時よりも高い引き上げプーリー62や接続リング32の近くに保持されるため、カーテン移送装置50の設置された空間に居住する居住者が操作コードLMに引っ掛かる危険性が抑えられる。
上記第3実施形態は以下のように変更して実施できる。
【0117】
[第1接続リングJ1の位置]
・第1接続リングJ1は、カーテンレール51の外部に限らず、下記第10変形例、および、第11変形例が示すように、カーテンレール51の内部に位置してもよい。
【0118】
[第10変形例]
・
図26が示すように、第1接続リングJ1は、カーテンレール51の内部に位置し、操作コードLMにおいて、接続点JLと操作プーリーLMPとの間の線分が、第1接続リングJ1に通っている。カーテンレール51は、操作プーリーLMPを左側端部に収容し、引き上げプーリー62、および、ストッパー61Sを右側端部に収容している。
【0119】
第1引き上げコードLS1は、第1接続リングJ1と第2接続リングJ2とに接続し、第2接続リングJ2は、接続点JLとストッパー61Sとの間に位置している。第2引き上げコードLS2の基端は、第2接続リングJ2に接続し、第2引き上げコードLS2の先端は、ストッパー61Sに形成されたコード挿通孔、および、引き上げプーリー62を介してカーテンレール51の下方に垂れ下がり、ウエイト63に接続している。ストッパー61Sに形成されたコード挿通孔は、第2引き上げコードLS2を通し、かつ、第2接続リングJ2を通さない大きさを有している。
【0120】
図27が示すように、カーテン移送装置50は、前後一対のコード要素Lpの各々に対応する第1接続リングJ1を備え、カーテンレール51の前側に位置するコード要素Lpは、前側の第1接続リングJ1を通り、かつ、カーテンレール51の後側に位置するコード要素Lpは、後側の第1接続リングJ1を通っている。前後一対の第1接続リングJ1の各々に接続する1本の第1引き上げコードLS1は、一方の端部において前側の第1接続リングJ1に接続し、他方の端部において後側の第1接続リングJ1に接続している。1本の第1引き上げコードLS1の途中には、カーテンレール51の内部に位置する共通する1つの第2接続リングJ2が通っている。
【0121】
図28の二点鎖線が示すように、こうしたカーテン移送装置50においても、例えば、操作コードLMにおける前側のコード要素Lpが引き下げられ、かつ、操作コードLMにおける後側のコード要素Lpが引き込まれるとき、前側の接続点JLが紙面の右から左に移動して、前側のカーテン55が紙面の右から左に移動する。また、後側の接続点JLが紙面の左から右に移動して、後側のカーテンが紙面の右から左に移動する。
【0122】
操作コードLMの操作が終了すると、操作コードLMを下方に引っ張る力が、操作コードLMから取り除かれる。そして、ウエイト63がそれの重みに従って降下し、第1接続リングJ1は、第1引き上げコードLS1、第2接続リングJ2、および、第2引き上げコードLS2を通じてウエイト63に引っ張られる。第1接続リングJ1を通る操作コードLMは、
図28の実線、および、
図29が示すように、第1接続リングJ1と共に接続点JLよりも右へ引き込まれ、接続点JLと第1接続リングJ1との間において2つに折り曲げられる。すなわち、操作プーリーLMPから右側に延びる操作コードLMは、カーテンレール51の内部において右側に凸となる第1屈曲部LC1を形成し、接続点JLと第1接続リングJ1との間において左右方向に沿って往復する往復部LMDを形成する。
【0123】
第1接続リングJ1における紙面の右への移動は、第2接続リングJ2とストッパー61Sとの当接によって止る。そして、操作コードLMの状態は、操作コードLMが接続点JLから受ける張力と、操作コードLMが第1引き上げコードLS1から受ける張力との釣り合いによって安定する。なお、操作コードLMが再び操作されるとき、操作コードLMの無端縁Leは、ウエイト63による張力に抗した力によって引き下げられて、
図28の二点鎖線が示すように、操作プーリーLMPからほぼ鉛直方向に沿って引っ張られながら操作される。
【0124】
なお、ストッパー61Sは、カーテンレール51の内部に限らず、例えば、カーテンレール51の外側に位置する操作コードLMに設けられてもよい。この際に、ストッパー61Sは、操作コードLMにおける無端縁Leの上昇に際してカーテンレール51の下面と当接し、これによって、第1接続リングJ1の移動を止める機能を発揮してもよい。さらに、こうした構成において、カーテンレール51の内部からストッパー61Sは割愛され、これに伴い、操作コードLMにおける無端縁Leが上昇するときに、第2接続リングJ2がカーテンレール51の下方に引っ張り出されてもよい。こうした構成であれば、第2接続リングJ2の移動する範囲が、カーテンレール51の内側とカーテンレール51の外側とに拡張されるため、第2接続リングJ2の移動する範囲、ひいては、第1接続リングの移動する範囲が広がる。結果として、1本の第1引き上げコードLS1の長さを長くすることが可能であるから、操作コードLMの操作時において、接続点JLの移動する範囲が第1引き上げコードLS1の長さによって規制されることが抑えられる。
こうした構成においても第3実施形態に記載の(1)から(5)に準じた効果は得られ、これらに加え以下の効果も得られる。
【0125】
(6)操作コードLMにおける第1屈曲部LC1や、操作コードLMにおける往復部LMDが、カーテンレール51の内部に収容されるため、これら第1屈曲部LC1や往復部LMDがカーテン移送装置50の外側から視認されることが抑えられる。それゆえに、カーテン移送装置50の意匠性が高まる。
【0126】
(7)操作コードLMの操作時において、接続点JLから操作プーリーLMPに向かって操作コードLMは引き回れる。一方で、操作コードLMの引き上げ時において、接続点JLから引き上げプーリー62に向かって操作コードLMは新たに引き込まれ、かつ、新たに引き込まれた部位において、左右方向に沿って往復する往復部LMDを形成する。それゆえに、接続点JLから引き上げプーリー62に向かって操作コードLMが単に引き込まれる構成と比べて、ウエイト63の単位降下量に対する無端縁Leの上昇量が大きい。そのため、第3実施形態に記載の(1)(2)(4)に準じた効果がさらに高まる。
【0127】
[第11変形例]
・
図30が示すように、カーテンレール51は、カーテンレール51の内部において、操作プーリーLMPと接続点JLとの間に、引き上げプーリー62を収容している。第1接続リングJ1は、カーテンレール51の内部に位置し、操作コードLMにおいて、操作プーリーLMPと引き上げプーリー62との間の線分が、第1接続リングJ1に通っている。第1引き上げコードLS1は、カーテンレール51の内部において第1接続リングJ1に接続し、カーテンレール51に形成されたコード挿通孔を通して垂れ下がり、カーテンレール51の外部においてウエイト63に接続している。ウエイト63は、ストッパーコードLS3を介してストッパーリングJSに接続している。
【0128】
図31が示すように、カーテン移送装置50は、前後一対のコード要素Lpの各々に対応する第1接続リングJ1を備え、カーテンレール51の前側に位置するコード要素Lpは、前側の第1接続リングJ1を通り、かつ、カーテンレール51の後側に位置するコード要素Lpは、後側の第1接続リングJ1を通っている。前後一対の第1接続リングJ1の各々に接続する第1引き上げコードLS1は、共通する1つのウエイト63に接続している。
【0129】
図32が示すように、カーテンレール51から垂れ下がる操作コードLMの中で後側に位置するコード要素Lpは、ストッパーリングJSの内側を通っている。カーテンレール51から垂れ下がる操作コードLMの中で前側に位置するコード要素Lpは、ストッパーリングJSの外側を通っている。
【0130】
図33の二点鎖線が示すように、こうしたカーテン移送装置50においても、例えば、操作コードLMにおける前側のコード要素Lpが引き下げられ、かつ、操作コードLMにおける後側のコード要素Lpが引き込まれるとき、前側の接続点JLが紙面の右から左に移動して、前側のカーテン55が紙面の右から左に移動する。また、後側の接続点JLが紙面の左から右に移動して、後側のカーテンが紙面の右から左に移動する。
【0131】
操作コードLMの操作が終了すると、操作コードLMを下方に引っ張る力が、操作コードLMから取り除かれる。そして、ウエイト63がそれの重みに従って降下し、第1接続リングJ1は、第1引き上げコードLS1を通じてウエイト63に引っ張られる。第1接続リングJ1を通る操作コードLMは、
図33の実線が示すように、操作プーリーLMPと引き上げプーリー62との案内によって、第1接続リングJ1と共にカーテンレール51の下方へ引き出される。カーテンレール51の下方へ引き出された操作コードLMは、下方に向かって凸となる第1屈曲部LC1を形成し、操作プーリーLMPと引き上げプーリー62との間において上下方向に沿って往復する往復部LMDを形成する。
【0132】
操作コードLMの無端縁Leは、第1屈曲部LC1と往復部LMDとの形成によって上昇する。一方で、操作コードLMにおける無端縁Leの上昇は、ウエイト63と共に降下するストッパーリングJSと無端縁Leとの係合によって止る。そして、ウエイト63の降下や第1接続リングJ1の降下もまた、ストッパーリングJSと無端縁Leとの係合によって止る。なお、操作コードLMが再び操作されるとき、操作コードLMの無端縁Leは、ウエイト63による張力に抗した力によって引き下げられて、
図33の二点鎖線が示すように、操作プーリーLMPからほぼ鉛直方向に沿って引っ張られながら操作される。
こうした構成においても第3実施形態に記載の(1)から(5)に準じた効果は得られ、また、第10変形例に記載の(7)に準じた効果も得られる。
【0133】
[他の変形例]
・ウエイト63は、第2実施形態と同じく、例えば、金属などから形成された重量部と、重量部の全体を覆う弾性部とから構成されることが好ましい。
・第1接続リングJ1に作用する力は、ウエイト63の重力に限らず、第1接続リングJ1の変位を通じて、操作コードLMの無端縁を上方に向かって付勢する力であればよく、例えば、一定のトルクを出力するトルクバネであってもよい。
【0134】
・日射遮蔽装置は、カーテン移送装置50に限らず、無端の環形状を有する操作コードがヘッドボックスから吊り下げられる日射遮蔽装置であればよく、例えば、縦型ブラインドであってもよい。
【0135】
・日射遮蔽部材の位置を変えるコードは、紐体である操作コードLMに限らず、チェーンであってもよい。また、第1引き上げコードLS1、および、第2引き上げコードLS2もまた、紐体に限らず、チェーンであってもよい。
【0136】
上記第3実施形態、および、その変形例によれば以下の技術的思想が導き出される。
(付記5)
建築物に据え付けられる支持部材と、前記支持部材から垂れ下がる無端の環形状を有したコードであって、日射遮蔽部材の位置を変える前記コードの操作時において前記支持部材から引き下げられる前記コードと、前記コードの非操作時において前記コードに屈曲部を形成するコード保持部であって、前記コードの無端縁を前記コードの操作時よりも高い前記コード保持部の近くに保持する前記コード保持部と、を備える日射遮蔽装置であって、
前記コード保持部は、前記コードが通される接続部と、前記接続部に接続して前記接続部を変位させる変位部と、を備え、前記接続部において屈曲する前記屈曲部を前記接続部の変位によって形成して前記コードの無端縁を引き寄せることを特徴とする日射遮蔽装置。
【0137】
(第4実施形態)
図31から
図36を参照して本開示の技術の第4実施形態を説明する。第4実施形態は、本開示の技術における日射遮蔽装置が横型ブラインドに具体化された一例である。なお、第4実施形態における横型ブラインドは、コード保持部が第1実施形態とは異なる一方で、それ以外の主たる構成は第1実施形態の横型ブラインドと同様である。以下では、こうした差異を説明し、第1実施形態に記載の横型ブラインドと同様の構成については、同一の符号を付してその説明を割愛する。
【0138】
[コード保持部71の構成]
図34が示すように、横型ブラインド70における操作コードLMは、ヘッドボックス11のコードゲート11Hから吊り下げられている。操作コードLMは、コードゲート11Hから吊り下げられた2本のコード要素Lpの各々の下端が相互に接続する無端の環形状を有している。操作コードLMの途中には、2本のコード要素Lpの各々が通るコード保持部71が取り付けられている。
【0139】
図35が示すように、コード保持部71は、円盤形状を有する従動プーリー72と、相互に嵌合する後側ケース75A、および、前側ケース75Bとから構成されている。
【0140】
従動プーリー72の中心には、従動プーリー72の軸心に沿って延びる円形孔である軸挿通孔73が貫通している。従動プーリー72の外周面は、従動プーリー72の径方向の外側に向かって延びる複数の係止突起74を有している。複数の係止突起74の各々は、従動プーリー72の外周面において後側に位置する後側の係止突起74と、従動プーリー72の外周面において前側に位置する前側の係止突起74とから構成されている。後側の係止突起74は、従動プーリー72の周方向に沿って等配されている。前側の係止突起74は、これもまた従動プーリー72の周方向に沿って等配され、かつ、従動プーリー72の周方向において前側の係止突起74と後側の係止突起74とが重ならないように位置している。前側の係止突起74と後側の係止突起74とは、これらの間の間隔が径方向の外側に向かって広くなるように、先細り形状を有している。
【0141】
後側ケース75Aは、略円形孔形状を有した窪みである収容凹部77を有している。収容凹部77は、従動プーリー72を収容するための窪みであって、収容凹部77の底面の中央に円筒形状を有した回転軸78を有している。また、収容凹部77は、回転軸78の径方向の外側に向かって凸となる円弧面を収容凹部77の内側面として有している。
【0142】
後側ケース75Aの上側壁には、収容凹部77につながる第1導入溝Hi1が形成され、後側ケース75Aの下側壁には、第1導入溝Hi1と対向する位置に、これもまた収容凹部77につながる第1導出溝Ho1が形成されている。また、後側ケース75Aの下側壁には、収容凹部77につながる第2導入溝Hi2が形成され、後側ケース75Aの上側壁には、第2導入溝Hi2と対向する位置に、これもまた収容凹部77につながる第2導出溝Ho2が形成されている。
【0143】
前側ケース75Bの下側壁には、下方に向かって延びるフック79が取り付けられている。フック79の上端部は嵌合部を備え、フック79の嵌合部は、前側ケース75Bの下側壁に形成された嵌合溝に取り外し可能に嵌合している。前側ケース75Bにおける内部の構造は、回転軸78を有していない点において後側ケース75Aと異なる一方で、それ以外の点において後側ケース75Aと同様である。
【0144】
第1導入溝Hi1と第1導出溝Ho1との間には、1本のコード要素Lpが通されている。第1導入溝Hi1と第1導出溝Ho1との間を通るコード要素Lpは、回転軸78の右側に通され、従動プーリー72における前側の係止突起74と後側の係止突起74とに挟まれている。
【0145】
第2導入溝Hi2と第2導出溝Ho2との間には、他の1本のコード要素Lpが通されている。第2導入溝Hi2と第2導出溝Ho2との間を通るコード要素Lpは、回転軸78の左側に通され、これもまた従動プーリー72における前側の係止突起74と後側の係止突起74とに挟まれている。
【0146】
[コード保持部71の作用]
図37が示すように、操作コードLMが操作されるとき、まず、第1導入溝Hi1と第1導出溝Ho1との間を通るコード要素Lpが、そのコード要素Lpを第1導出溝Ho1から引き出すための操作力Foを利用者から受けて、第1導出溝Ho1から引き出される。この際に、コード要素Lpを引き出すための操作力Foの一部は、従動プーリー72の係止突起74とそのコード要素Lpとの係合を通じて、従動プーリー72を紙面にける右回りに回転させる。
【0147】
一方で、従動プーリー72における右回りの回転力は、従動プーリー72の係止突起74と他方のコード要素Lpとの係合を通じて、他方のコード要素Lpを第2導入溝Hi2から引き込むための操作力Fiに変換される。結果として、一方のコード要素Lpが第1導出溝Ho1から引き出されるとき、一方のコード要素Lpの引き出される長さとほぼ同じ長さだけ、他方のコード要素Lpが第2導入溝Hi2から引き込まれる。それゆえに、操作コードLMにおけるコード保持部71の位置は、操作コードLMの回転する操作の有無にかかわらず、操作コードLMの回転する方向においてほぼ一定に保たれる。そして、操作コードLMの回転する操作において操作コードLMの高さが保たれるため、コード保持部71の高さも保たれる。なお、こうした操作コードLMの操作によって、スラット14の開閉、あるいは、スラット14の昇降が調節される。
【0148】
操作コードLMの操作が終了すると、操作コードLMにおける無端縁Leは、利用者によってフック79に引っ掛けられる。これによって、操作コードLMは、下方に向かって凸となる屈曲部を形成して、上下方向に沿って折り曲げられる。そして、操作コードLMの操作前と操作コードLMの操作後とにおいて、コード保持部71の高さがほぼ保たれるため、操作コードLMの操作が繰り返されるとしても、操作コードLMにおける屈曲部の高さはほぼ一定に保たれる。
【0149】
なお、コード保持部71による操作コードLMの引き上げは、利用者によってフック79に無端縁Leが引っ掛けられることに限らず、例えば、操作コードLMにおける定点としてコード保持部71が機能して、以下のように操作コードLMが引き上げられてもよい。
【0150】
図37が示すように、上記第5変形例と同様に、1つのヘッドボックス11が2つのコードホルダー81を備えている。2つのコードホルダー81の各々は、ヘッドボックス11において相互に異なる端部に取り付けられ、2つのコードホルダー81の各々には、引き寄せ部を構成する引き上げコードLSが挿通する挿通孔が形成されている。2つのコードホルダー81に通される引き上げコードLSは、ヘッドボックス11の右側端部E1からヘッドボックス11の左側端部E2に引き回されている。
【0151】
2つのコードホルダー81の中でヘッドボックス11の左側端部E2に近いコードホルダー81からは、引き上げコードLSの基端部が垂れ下がり、その引き上げコードLSの基端部はウエイト33に接続している。2つのコードホルダー81の中でヘッドボックス11の右側端部E1に近いコードホルダー81からは、引き上げコードLSの先端部が垂れ下がり、その引き上げコードLSの先端部はコード保持部71に接続している。
【0152】
図38が示すように、操作コードLMの操作が終了すると、ウエイト33がそれの重みに従って降下して、引き上げコードLSの基端部が、ウエイト33の降下と共に降下する。一方で、引き上げコードLSの先端部は、ウエイト33の降下と共に上昇し、引き上げコードLSの先端部に接続するコード保持部71も上昇する。この際に、コード保持部71は、操作コードLMにおいてそれ自体の位置を保つため、コード保持部71は、操作コードLMと共々上昇する。結果として、操作コードLMの非操作時において、コード保持部71の上側に位置していた操作コードLMは、コード保持部71とコードゲート11Hとの接近によって弛み、下方に向かって凸となる屈曲部を形成して、上下方向に沿って往復する往復部LMDとして折れ曲がる。そして、ウエイト33の降下は、コード保持部71とコードゲート11Hとの当接によって停止する。
【0153】
上記第4実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)操作コードLMが、屈曲部において2つに折り曲げられるため、操作コードLMが折り曲げられない構成と比べて、操作コードLMが垂れ下がることに起因して操作コードLMが誤って操作されることが抑えられる。
【0154】
(2)操作コードLMの操作前と操作コードLMの操作後において、コード保持部71の高さがほぼ保たれるため、折り曲げられた操作コードLMの高さが、操作コードLMの操作ごとにばらつくことも抑えられる。
【0155】
(3)コード保持部71は、操作コードLMにおける定点として機能し、そのコード保持部71の上昇によって操作コードLMが引き上げられる。そして、コード保持部71は、操作コードLMの引き上げられる距離を定めるストッパーとしても機能する。なお、コード保持部71が最上位置に到達した状態で、操作コードLMの無端縁がフック79に引っ掛けられる形態であれば、操作コードLMの位置がさらに高まる。
【0156】
(4)操作コードLMの無端縁Leが操作コードLMの操作時よりも高いコード保持部71の近くに保持されるため、横型ブラインド70の設置された空間に居住する居住者が操作コードLMに引っ掛かる危険性が抑えられる。
【0157】
上記第4実施形態は以下のように変更して実施できる。
・日射遮蔽装置は、横型ブラインド70に限らず、無端の環形状を有する操作コードがヘッドボックスから吊り下げられる日射遮蔽装置であればよく、例えば、縦型ブラインド、ロールスクリーン、プリーツスクリーン、カーテン移送装置であってもよい。
・日射遮蔽部材の位置を変えるコードは、紐体である操作コードLMに限らず、チェーンであってもよい。
【0158】
上記第4実施形態、および、その変形例によれば以下の技術的思想が導き出される。
(付記6)
建築物に据え付けられる支持部材と、前記支持部材から垂れ下がる無端の環形状を有したコードであって、日射遮蔽部材の位置を変える前記コードの操作時において前記支持部材から引き下げられる前記コードと、前記コードの非操作時において前記コードに屈曲部を形成するコード保持部であって、前記コードの無端縁を前記コードの操作時よりも高い前記コード保持部の近くに保持する前記コード保持部と、を備える日射遮蔽装置であって、
前記コード保持部は、前記コードが通される接続部と、
前記接続部に接続して前記接続部を引き寄せる引き寄せ部と、を備え、
前記接続部が、前記コードの回転を受けて回転するプーリーを有し、前記プーリーが回転することによって、前記コードの回転する方向において前記コードに対する位置を保ち、かつ、前記引き寄せ部による前記接続部の引き寄せによって前記コードの無端縁を引き寄せて、前記無端縁とコードゲートとの間に前記屈曲部を形成することを特徴とする日射遮蔽装置。