特許第6239961号(P6239961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239961
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】遊技機用上部ヒンジ
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   A63F7/02 326E
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-253539(P2013-253539)
(22)【出願日】2013年12月6日
(65)【公開番号】特開2015-109926(P2015-109926A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2016年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000182122
【氏名又は名称】守山工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100136995
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 千織
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】波平 成彦
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−275264(JP,A)
【文献】 特開2010−162325(JP,A)
【文献】 特開2010−166989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の外枠に対し開閉可能に装着される表枠の上角部に取り付けられ、該外枠に対し表枠を開閉可能に支持し、該表枠に対しガラス枠を開閉可能に支持する遊技機用上部ヒンジにおいて、
上部ヒンジの外殻を形成し、上部に該外枠側の外枠ピンを軸受けする第1軸受部を設け、下部に該ガラス枠側のガラス枠ピンを軸受けする第2軸受部を設けたヒンジ本体と、
該ヒンジ本体内に回動可能に軸支され、該第1軸受部に嵌入された該外枠ピンを回動可能に保持する合成樹脂製の第1回動支持部材と、
該ヒンジ本体内に回動可能に軸支され、該第2軸受部に嵌入された該ガラス枠ピンを回動可能に保持する合成樹脂製の第2回動支持部材と、
該第1回動支持部材及び該第2回動支持部材を共通軸として支持する支軸と、
を備え、
該第2回動支持部材にはばね弾性部が一体に設けられ、
該ばね弾性部は、該第1回動支持部材に当接して該第1回動支持部材が該外枠ピンを保持する側に該第1回動支持部材を付勢するとともに、該第2回動支持部材が該ガラス枠ピンを保持する側に該第2回動支持部材を付勢することを特徴とする遊技機用上部ヒンジ。
【請求項2】
前記第2回動支持部材には操作レバーが一体に設けられたことを特徴とする請求項1記載の遊技機用上部ヒンジ。
【請求項3】
前記第1回動支持部材の端部には操作部が一体に設けられたことを特徴とする請求項1記載の遊技機用上部ヒンジ。
【請求項4】
前記第1回動支持部材には、前記第2回動支持部材のばね弾性部が係合する係合凹部が設けられ、該係合凹部とは前記支軸に対し反対側の該第1回動支持部材の縁部に、該第2回動支持部材と係合する係合凸部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の遊技機用上部ヒンジ。
【請求項5】
前記ヒンジ本体は鋼板をプレス加工して形成され、前記表枠の上角部に取り付けるための直角取付面を有する直角取付部が該ヒンジ本体に設けられ、該ヒンジ本体の正面側の先端部に、内部をカバーするカバー部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の遊技機用上部ヒンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機の外枠に対し表枠を開閉可能に取り付け、表枠に対しガラス枠を開閉可能に取り付ける遊技機用上部ヒンジに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機には、外枠に対し、遊技盤などの機器を取り付けた表枠が第1ヒンジを介して開閉可能に取り付けられ、表枠に対し遊技盤を覆うガラス枠が第2ヒンジを介して開閉可能に取り付けられる。
【0003】
従来、第1ヒンジ、第2ヒンジともに各種の構造のヒンジが製造され、遊技機に使用されているが、例えば、下記特許文献1には、外枠と表枠間及び表枠とガラス枠間に生じやすい隙間を小さくした構造のヒンジ装置が提案されている。
【0004】
しかしながら、この従来のヒンジ装置は、第1ヒンジと第2ヒンジが別個に構成されて取り付けられ、各ヒンジに、複数のヒンジピンが取り付けられるため、ヒンジピンの本数が多く、また、ヒンジピンを保持する保持部材が上下摺動可能に取り付けられ、且つそれを上方に付勢するコイルばねが装着されるなど、構造が複雑化し、部品点数が増大している。また、ヒンジ装置の大きさを、比較的大型化する必要があるため、ヒンジ装置用のスペースが遊技機内の左縁部縦方向に相当量必要となるなどの課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−167970号公報
【特許文献2】特開2010−162325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、従来、外枠に対し表枠を開閉可能に取り付ける第1ヒンジと表枠に対しガラス枠を開閉可能に取り付ける第2ヒンジの上部ヒンジとを一体に構成した上部ヒンジ装置が、上記特許文献2により提案されている。この上部ヒンジ装置は、表枠の上角部に取り付けられ、複雑な構造のピン受け用ハウジング内に、外枠側ヒンジピンを軸受支持する第1軸受部を摺動可能に配設するとともに、ガラス枠側ヒンジピンを軸受支持する第2軸受部を摺動可能に配設する。さらに、この上部ヒンジ装置の第1軸受部、第2軸受部には、各々ガイドピンが嵌挿され、且つ第1軸受部、第2軸受部をヒンジピンの軸受側に付勢するコイルばねが各々に装着され、ガイドピンを保持するためのカラーがピン受け用ハウジングに取り付けられる。
【0007】
このため、この従来のヒンジ装置は、ピン受け用ハウジングの構造が複雑化するとともに、第1軸受部、第2軸受部、2個のガイドピン、2本のコイルばね、及びカラーなど多くの部品を必要とし、組付工程も多く、製造コストが増大する課題があった。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、遊技機の外枠に対し表枠を開閉可能に取り付け、表枠に対しガラス枠を開閉可能に取り付けることができ、構造が簡単で、少ない部品点数で構成可能な遊技機用上部ヒンジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の遊技機用上部ヒンジは、遊技機の外枠に対し開閉可能に装着される表枠の上角部に取り付けられ、該外枠に対し表枠を開閉可能に支持し、該表枠に対しガラス枠を開閉可能に支持する遊技機用上部ヒンジにおいて、
上部ヒンジの外殻を形成し、上部に該外枠側の外枠ピンを軸受けする第1軸受部を設け、下部に該ガラス枠側のガラス枠ピンを軸受けする第2軸受部を設けたヒンジ本体と、
該ヒンジ本体内に回動可能に軸支され、該第1軸受部に嵌入された該外枠ピンを回動可能に保持する合成樹脂製の第1回動支持部材と、
該ヒンジ本体内に回動可能に軸支され、該第2軸受部に嵌入された該ガラス枠ピンを回動可能に保持する合成樹脂製の第2回動支持部材と、
該第1回動支持部材と該第2回動支持部材を共通軸として支持する支軸と、
を備え、
該第2回動支持部材にはばね弾性部が一体に設けられ、
該ばね弾性部は、該第1回動支持部材に当接して該第1回動支持部材が該外枠ピンを保持する側に該第1回動支持部材を付勢するとともに、該第2回動支持部材が該ガラス枠ピンを保持する側に該第2回動支持部材を付勢することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、基本的には、ヒンジ本体、第1回動支持部材、第2回動支持部材、及び支軸のみから上部ヒンジを構成することができるので、構造が非常に簡単となり、少ない部品点数で安価に遊技機用上部ヒンジを製造することができる。また、従来の回動支持部材のように別部材としてコイルばねなどのばね部材を取り付ける必要がなく、製造時にばね部材を組み付ける工数を削減し、運搬時などにばね部材が外れたりする不具合を解消するができる。
【0011】
ここで、上記第2回動支持部材には操作レバーを一体に設けることが好ましい。これによれば、操作レバーをもって第2回動支持部材を回動操作すれば、容易にガラス枠を傾動させてガラス枠ピンを外すことができる。また、第1回動支持部材の端部には操作部を上記ヒンジ本体から露出した状態で設けることが好ましい。これによれば、第1回動支持部材の操作部を持って第1回動支持部材を回動操作すれば、外枠ピンが第1軸受部から外れ、表枠を傾けて外枠ピンとの係合を外すことができる。
【0012】
また、ここで、上記第1回動支持部材には、上記第2回動支持部材のばね弾性部が係合する係合凹部を設けるとともに、該係合凹部とは上記支軸に対し反対側の縁部に、該第2回動支持部材と係合する係合凸部を設けることが好ましい。
【0013】
これによれば、簡単な構造により、第1回動支持部材には、第1軸受部に嵌入された外枠ピンを回動可能に保持させ、第2回動支持部材には、第2軸受部に嵌入されたガラス枠ピンを回動可能に保持させるように、第1回動支持部材と第2回動支持部材を動作させることができる。
【0014】
また、上記ヒンジ本体は鋼板をプレス加工して形成され、上記表枠の上角部に取り付けるための直角取付面を有する直角取付部を、ヒンジ本体に設けるとともに、ヒンジ本体の正面側の先端部に、内部をカバーするカバー部を設けることができる。これによれば、カバー部が正面位置で、ヒンジ本体内の第1回動支持部材及び第2回動支持部材をカバーするため、第1回動支持部材または第2回動支持部材を不正に動かすなどの不正行為を防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の遊技機用上部ヒンジによれば、構造が簡単で、少ない部品点数で構成することができ、遊技機の外枠側の外枠ピンに対し表枠の上角部を簡単に着脱可能に軸支させることができるともに、表枠に対しガラス枠側のガラス枠ピンを簡単に着脱可能に軸支されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態を示す上部ヒンジの斜視図である。
図2】上部ヒンジの右前方から見た斜視図である。
図3】斜め下方から見た上部ヒンジの斜視図である。
図4】上部ヒンジの正面図である。
図5】上部ヒンジの左側面図である。
図6】上部ヒンジの右側面図である。
図7】上部ヒンジの平面図である。
図8】上部ヒンジの底面図である。
図9】上部ヒンジの背面図である。
図10】上部ヒンジの分解斜視図である。
図11】上部ヒンジの分解平面図である。
図12】第1回動支持部材と第2回動支持部材の組付け状態を示す右側面図である。
図13】使用状態を示す遊技機の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1図3はパチンコ機などに使用される遊技機用上部ヒンジの斜視図を示し、その上部ヒンジ1は、遊技機の全体構成を示す図13のように、遊技機の表枠51の上角部に取り付けられるヒンジ器具である。
【0018】
この上部ヒンジ1は、図10に示すように、その外殻を形成し、上部に外枠ピン8aを軸受けする第1軸受部21に設け、下部にガラス枠ピン9aを軸受けする第2軸受部22を設けたヒンジ本体2と、ヒンジ本体2内に回動可能に軸支され、第1軸受部21に嵌入された外枠ピン8aを回動可能に保持する合成樹脂製の第1回動支持部材3と、ヒンジ本体2内に回動可能に軸支され、第2軸受部22に嵌入されたガラス枠ピン9aを回動可能に保持する合成樹脂製の第2回動支持部材4と、第1回動支持部材3と第2回動支持部材4を共通軸として支持する支軸5と、を備えて構成される。
【0019】
上記外枠ピン8aは、図13に示す如く、遊技機の外枠50の上角部に取り付けられる外枠側ヒンジ8に下向きに突設され、上記ガラス枠ピン9aは遊技機のガラス枠52の上角部に取り付けられるガラス枠側ヒンジ9に上向きに突設される。
【0020】
上部ヒンジ1のヒンジ本体2は、図10に示すように、鋼板をプレス加工により曲折して形成され、遊技機の表枠51の上角部に取り付けるために、その背面側に直角取付部23が設けられる。さらに、直角取付部23から正面側に突出するように、水平突出部25が設けられ、水平突出部25には第1軸受部21及び第2軸受部22が設けられる。直角取付部23は取付板を直角に曲折して形成され、一方の取付板に固定ねじ用の複数のねじ孔が設けられる。
【0021】
水平突出部25の内側には、第1回動支持部材3と第2回動支持部材4が、1本の縦方向の支軸5により回動可能に軸支される。ヒンジ本体2の水平突出部25には、上平面板部26が上面水平方向に延設され、上平面板部26の左側面に側壁部28が略直角に曲折して設けられる。側壁部28から上平面板部26にかけて、鈎型に曲折した溝状の第1軸受部21が、その開口部から内側に導入される外枠ピン8aを奥部の軸受部まで受入れ可能に形成される。第1軸受部21は、曲折したガイド溝の終端部まで外枠ピン8aを導入して、終端部に設けた半円形の軸受部で軸受けし、第1回動支持部材3の先端のピン支持部34により、外枠ピン8aを回動可能に軸受部で保持する構造となっている。
【0022】
また、ヒンジ本体2の水平突出部25の正面には、カバー部24が、上平面板部26の前端部を直角に曲折して先端部をカバーするように設けられる。さらに、側壁部28から内側に曲折するように下平面板部27が設けられ、この下平面板部27には、鈎状に曲折した溝状の第2軸受部22が、その内部にガラス枠ピン9aを受入れ可能に形成される。第2軸受部22は、曲折したガイド溝の終端部までガラス枠ピン9aを導入して終端部に設けた半円形の軸受部で軸受けし、回動可能に軸支した第2回動支持部材4の先端のピン支持部44により、その軸受部でガラス枠ピン9aを回動可能に支持する構造となっている。
【0023】
第1回動支持部材3及び第2回動支持部材4は、各々、合成樹脂材料により一体成形される。第1回動支持部材3は、上記のように、外枠ピン8aが第1軸受部21の曲折したガイド溝の終端部まで進入したとき、先端のピン支持部34により、付勢力をもって外枠ピン8aを回動可能に支持するように動作する。そのために、第2回動支持部材4に一体にばね弾性部41が設けられ、このばね弾性部41により、外枠ピン8aを支持する方向つまり第1軸受部21を閉じる側に付勢されるようになっている。
【0024】
なお、図11に示すように、第1回動支持部材3の元部(ピン支持部34と反対側)には、外枠ピン8aを外す際、第1回動支持部材3を回動操作するための操作部35が設けられ、この操作部35は、図7に示すように、ヒンジ本体2の切欠部から露出し、回動操作が可能である。
【0025】
一方、第2回動支持部材4は、ガラス枠ピン9aが第2軸受部22の曲折したガイド溝の終端部まで進入したとき、先端のピン支持部44により、付勢力をもってガラス枠ピン9aを回動可能に支持するように動作する。そのために、第2回動支持部材4は、ばね弾性部41を介して第1回動支持部材3からばね弾性の反力を受け、ガラス枠ピン9aを支持する方向つまり第2軸受部22を閉じる側に付勢される。
【0026】
第1回動支持部材3と第2回動支持部材4は、図10に示すように、1本の共通軸としての支軸5により、共に回動可能に軸支されるが、図12に示すように、第2回動支持部材4は第1回動支持部材3の下側に抱き込むように挿入され、第2回動支持部材4の端部のばね弾性部41が第1回動支持部材3の係合凹部31内に入りその内側の当接面31aに、図3に示す如く当接する。
【0027】
これにより、第1回動支持部材3は、図7図11の時計方向つまり第1軸受部21を閉じる方向に付勢され、第2回動支持部材4は、ばね弾性部41を介して第1回動支持部材3から反力を受けるように、図11の反時計方向つまり第2軸受部22を閉じる方向に付勢される。
【0028】
また、図8図12に示すように、第1回動支持部材3の下縁部には、係合凸部32が突設され、第1回動支持部材3の下側に挿入される第2回動支持部材4の側部がこの係合凸部32に当接した状態となる。これにより、第1回動支持部材3と第2回動支持部材4がヒンジ本体2の内側に挿入されて支軸5により回動可能に軸支された状態で、図7図8に示す如く、第1回動支持部材3の先端のピン支持部34は、第1軸受部21を閉じて外枠ピン8aを軸受可能とし、第2回動支持部材4の先端のピン支持部44は、第2軸受部22を閉じてガラス枠ピン9aを軸受可能とするようになっている。
【0029】
なお、図7図8に示すように、第1回動支持部材3と第2回動支持部材4はヒンジ本体2の内側定位置に挿入されて支軸5により回動可能に軸支された状態で、第1回動支持部材3の操作部35はヒンジ本体2の切欠端部に当接し、第2回動支持部材4の凸部45はヒンジ本体2の切欠端部に当接して、図1図3に示す如く定位置に保持される構造である。
【0030】
このように、上記構成の上部ヒンジ1は、ヒンジ本体2、第1回動支持部材3、第2回動支持部材4、及び支軸5のみから構成されるので、構造が非常に簡単となり、少ない部品点数で安価に遊技機用上部ヒンジを製造することができる。また、従来の回動支持部材のように別部材としてコイルばねなどのばね部材を取り付ける必要がなく、製造時にばね部材を組み付ける工数を削減し、運搬時などにばね部材が外れたりする不具合を解消するができる。
【0031】
上記構成の上部ヒンジ1は、図13に示すように、遊技機の表枠51の上角部に、直角取付部23を用いてその水平突出部25を前方に突き出す形態で固定される。表枠51が開閉可能に装着される外枠50の上角部には、外枠側ヒンジ8が固定され、外枠側ヒンジ8には、外枠ピン8aが下向きに突設される。なお、図13に示すように、外枠50の下角部には、下部ヒンジ53が取り付けられ、下部ヒンジ53上には、下部ヒンジピン53aが上向きに突設される。表枠51の下角部には、下部ヒンジ54が固定され、下部ヒンジ54には下部ヒンジ軸受(軸孔)54aが設けられている。
【0032】
遊技機の外枠50の前面に、表枠51を開閉可能に取り付ける場合、図13のように、先ず、表枠51の下部ヒンジ54の下部ヒンジ軸受54aを、外枠50の下部ヒンジ53の下部ヒンジピン53aに、上から嵌入するように嵌め込み、次に、表枠51を傾けて、その上角部の上部ヒンジ1の第1軸受部21を、外枠50の外枠側ヒンジ8の外枠ピン8aに嵌め込むように動かす。このとき、外枠ピン8aが上部ヒンジ1の水平突出部25の側壁部28に設けた開口から第1軸受部21内に進入する。なお、図13では表枠51及びガラス枠52が閉鎖(角度)状態で図示されているが、実際に表枠51またはガラス枠52を着脱する場合、表枠51及びガラス枠52を開放した状態で、着脱操作は行なわれる。
【0033】
このとき、第1回動支持部材3の先端部が外枠ピン8aに押されて、図7の反時計方向に回動し、第1回動支持部材3が第1軸受部21のガイド溝から内側に外れ、外枠ピン8aはガイド溝を通りその終端部の第1軸受部21まで到達する。これに伴い、第1回動支持部材3がばね弾性部41の付勢力により元の位置(図7の位置)に戻り、第1軸受部21のガイド溝を閉じて、第1回動支持部材3のピン支持部34が外枠ピン8aを第1軸受部21内で回動可能に支持する状態となり、外枠ピン8aは第1軸受部21内で回動可能に軸支される。
【0034】
表枠51の前面に、ガラス枠52を開閉可能に取り付ける場合、図13のように、先ず、ガラス枠52の下部ヒンジ55の下部ヒンジ軸受55aを、表枠51の中間ヒンジ56の中間ヒンジピン56aに、上から嵌入するように嵌め込み、次に、ガラス枠52を傾けて、表枠51の上角部の上部ヒンジ1の第2軸受部22に、ガラス枠52のガラス枠側ヒンジ9のガラス枠ピン9aを嵌め込むように動かす。このとき、ガラス枠ピン9aが上部ヒンジ1の下平面板部27に設けた開口からガイド溝を通り第2軸受部22内に進入する。
【0035】
このとき、第2回動支持部材4の先端部がガラス枠ピン9aに押されて、図8の反時計方向(ばね弾性部41の付勢力に抗する方向)に回動し、第2回動支持部材4が第2軸受部22のガイド溝から内側に外れ、ガラス枠ピン9aはガイド溝を通りその終端部の第2軸受部22まで到達する。これに伴い、第2回動支持部材4はばね弾性部41の付勢力により元の位置(図8の位置)に戻り、第2軸受部22のガイド溝を閉じて、第2回動支持部材4のピン支持部44がガラス枠ピン9aを第2軸受部22内で回動可能に支持する状態となり、ガラス枠ピン9aは第2軸受部22内で回動可能に軸支される。
【0036】
一方、表枠51の上部ヒンジ1を外枠側ヒンジ8から外す場合、第1回動支持部材3の元部の操作部35を持って図1の矢印A方向(図7の反時計方向に)に、第1回動支持部材3を回動させる。これにより、第1回動支持部材3のピン支持部34が第1軸受部21のガイド溝から外れ、外枠ピン8aは第1軸受部21から離脱可能な状態となって、上部ヒンジ1が外枠側ヒンジ8から外される。
【0037】
一方、ガラス枠52のガラス枠側ヒンジ9を上部ヒンジ1から外す場合、操作レバー42を持って図3図8)の矢印B方向に、第2回動支持部材4を回動させる。このとき、第2回動支持部材4がばね弾性部41の付勢力に抗して、図8の反時計方向に回動し、これにより、第2回動支持部材4のピン支持部44が第2軸受部22のガイド溝から外れ、ガラス枠ピン9aは第2軸受部22から離脱可能な状態となって、ガラス枠側ヒンジ9は表枠51の上角部の上部ヒンジ1から外される。
【0038】
このように、第2回動支持部材4に操作レバー42が一体に設けられ、操作レバー42をもって第2回動支持部材4を一方向に回動操作すれば、容易にガラス枠52を傾けてガラス枠ピン9aを外すことができる。また、第1回動支持部材3の操作部35を持って第1回動支持部材3を他方向に回動操作すれば、外枠ピン8aが第1軸受部21から外れ、表枠51の上角部の上部ヒンジ1を、外枠側ヒンジ8から外すことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 上部ヒンジ
2 ヒンジ本体
3 第1回動支持部材
4 第2回動支持部材
5 支軸
8 外枠側ヒンジ
8a 外枠ピン
9 ガラス枠側ヒンジ
9a ガラス枠ピン
21 第1軸受部
22 第2軸受部
23 直角取付部
24 カバー部
25 水平突出部
26 上平面板部
27 下平面板部
28 側壁部
31 係合凹部
31a 当接面
32 係合凸部
34 ピン支持部
35 操作部
41 弾性部
42 操作レバー
44 ピン支持部
45 凸部
50 外枠
51 表枠
52 ガラス枠
53 下部ヒンジ
53a 下部ヒンジピン
54 下部ヒンジ
54a 下部ヒンジ軸受
55 下部ヒンジ
55a 下部ヒンジ軸受
56 中間ヒンジ
56a 中間ヒンジピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13