【実施例】
【0045】
本明細書に記載される化合物は、本明細書に含有される教示および当該技術分野において知られる合成手順に基づいて、多くの方法で調製され得る。以下の非限定例は、開示される発明を説明する。
実施例1
【0046】
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの結晶、形態A物質は、以下のように調製した。
【0047】
約423mgの非晶質ガム/油様6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール遊離塩基化合物を、約6mLのジイソプロピルエーテル(IPE)に溶解した。溶液は、周囲温度(18〜22℃)で約24時間攪拌させて、その時間の間に固体が沈殿した。得られる固体は、ろ過により単離され、真空下周囲温度で約4時間乾燥させた(収率35.8%)。
【0048】
X線粉末回折(XRPD)解析は、固体結晶(形態A)上で行った。XRPD解析は、Siemens D5000上で行い、試料を3〜30または50の2θ度で走査した。100mg未満の試料の場合、約5mgの試料をガラス基材の上にやさしく圧縮し、プラスチック試料ホルダーの中に挿入した。100mgを超える試料の場合、約100mgの試料をプラスチック試料ホルダーの中にやさしく圧縮して、試料表面が平滑であり、試料ホルダーのレベルの真上になるようにした。次いで試料を反射モードで稼働する回折計に搭載し、以下の表1に見られる以下の実験条件を使用して解析した。
【表1】
【0049】
XRPDは、
図1に示される。特徴的ピークは、以下の表2に示されるピークの1つ以上を含む。
【表2】
【0050】
複屈折の存在は、Moticカメラおよび画像取込ソフトウェア(Motic Images Plus2.0)を備えるOlympus BX50F4偏光顕微鏡を使用して、偏光顕微鏡法(PLM)により決定した。画像は、20倍対物レンズを使用して記録した。
図2に示されるように、各例において、約1mgの試料を顕微鏡スライドの上に置いた。
【0051】
結晶化合物は、示差走査熱量測定も特徴とする。約5〜10mgの試料を計量してアルミニウムDSCパンに入れ、特別な定めのない限り、穴のあいたアルミニウム蓋で封をした(非密閉的)。次いで試料パンを冷却されたSeiko DSC6200(冷却器を備える)に搭載し、25℃で保持した。安定した熱流量応答が得られると、次いで試料および参照を10℃/分の走査速度で約280℃まで加熱し、得られる熱流量応答をモニターした。窒素は、パージガスとして流速150cm
3/分で使用した。器具は、インジウム参照基準を使用して、週ベースで温度および熱流量較正した。Muse Measurementソフトウェア(バージョン5.4U)を使用して試料分析を行い、熱イベントの温度は、開始温度として引用し、製造者の仕様書に従って測定した。結果を
図3に表す。DSCに存在するすべての吸熱は、下向きにポイントをトレースする。
【0052】
熱重量/示差熱分析(TG/DTA)も行った。約5〜10mgの試料を計量してアルミニウムパンに入れ、室温で保持された同時熱重量/示差熱分析器(TG/DTA)の中に搭載した。次いで試料を10℃/分の速度で25℃から280℃まで加熱し、その時間の間に試料重量の変化を任意の示差熱イベント(DTA)とともに記録した。窒素は、パージガスとして流速150cm
3/分で使用した。器具は、それぞれ100mg参照重量およびインジウム参照基準を使用して、月ベースで重量および温度較正した。試料分析は、Muse Measurementソフトウェア(バージョン5.4U)を使用して行った。結果を
図4に表す。
【0053】
赤外線分光法は、Bruker Alpha FT−IR分光計上で行った。約2〜20mgの物質を分析に使用し、試料は液体または固体のいずれかであった。スペクトルは、以下のパラメータを使用して得られた。解像度:4cm
−1、背景走査回数:16走査、試料走査回数:16走査、データ収集:4000〜400cm
−1、結果スペクトル:透過率、ソフトウェア:OPUSバージョン6.5。
図5は、調製された結晶化合物のIRスペクトルを表す。
【0054】
1H NMRは、Bruker DPX400 NMR分光計上で行った。試料は、重水素化DMSO中で濃度10〜20mg/mLに調製し、スペクトルは
図6に表す。
【0055】
実施例2
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(遊離塩基)の結晶、形態A物質は、以下のように拡大した。
【0056】
ジイソプロピルエーテル(90mL)を、非晶質ガム/油様物質11.14gを含有する丸底フラスコ(250mL)に添加した。次いでフラスコの首部に取り付けられたコンデンサを用いて、フラスコを50℃まで加熱した。これは、非晶質物質が溶解するのを可能にする。溶液を約300rpmで攪拌した。50℃で5分間維持した後、次いで溶液を約1℃/分の速度で冷却しながら約300rpmで攪拌した。温度が46℃まで冷却されたら、播種するために結晶物質68.2mgをフラスコに添加した。約24℃まで冷却した後、固体が溶液から沈殿しはじめ、実験が4℃まで冷却されるまで沈殿は継続した。4℃に達した後、この温度で約5分間保持した。次いで物質をろ過し、乾燥させるためにフィルタ上で5分間放置した。次いで物質をビーカーに移し、さらに乾燥させるために、周囲温度(約20℃)で真空オーブン(約600mbar)内に入れた。真空オーブン内で24時間維持した後、試料を計量した。
【0057】
NMR解析は、24時間の乾燥後に約2%の残留溶媒の存在を示した。したがって、真空下(約600mbar)周囲温度(約20℃)でさらに24時間試料を乾燥させた(すなわち、合計48時間の乾燥)。さらなる乾燥を行った後、残留溶媒の痕跡は、NMR解析により同定され得なかった。収率は80%であり、HPLC解析は、99.5%を超える純度を示した。XPRDを
図7に示す。
【0058】
実施例3
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの結晶、形態A物質500mgの研削は、以下のとおり行った。
実施例2と同様に、結晶化合物の拡大から得た試料(約500mg)を乳鉢上に置いた(Agate物質、H:35mm、L:77mm)。次いで試料は、乳棒(長さ:80mm、研削直径:17mm)を使用して約5分間研削した。研削手順を通して、試料を約10秒間断続的に放置して、著しい熱が生成されなかったことを保証する。PLMは、長さ約20μm〜80μmの間で計測される粒径を有する複屈折物質を示した。XRPD解析は、物質が、非研削結晶物質と一致するピーク位置とともに高い結晶性を維持することを示した(
図8)。
【0059】
実施例4
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(遊離塩基)の結晶、形態A物質は、以下のように拡大した。
【0060】
20mL丸底フラスコは、攪拌棒または機械攪拌機、および還流コンデンサを備えた(コンデンサを冷水供給器に接続する必要はなく、典型的に結晶化の目的には空冷で十分である)。別個の小バイアル内で、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(1g)を酢酸エチル(1mL)中に溶解した。得られた溶液を、窒素圧を使用して、PTFE 0.2μmフィルタを通して前述の20mL丸底フラスコの中にろ過した。バイアルを酢酸エチル(0.25mL)で洗浄し、得られた溶液を、窒素圧を使用して、同一のPTFE 0.2μmフィルタを通して、ろ液を含有するフラスコの中にろ過した。 n−ヘプタン(10mL)は、窒素圧を使用して、同一のPTFE 0.2μmフィルタを通して、ろ液を含有するフラスコの中にろ過した(注記:n−ヘプタンを酢酸エチル溶液に添加する間に、著しい沈殿が認められた)。得られた混合物を約50〜55℃までゆっくり加熱した(注記:完全な溶解は、多くの場合35〜40℃の間で見られる)。溶液は、35℃までゆっくり冷却し、その時点で攪拌を停止して、種晶(1mg、微粉炭)を添加した。溶液の内部温度は、3時間攪拌することなく約35℃で維持した(注記:フラスコ表面に著しい結晶形成が認められた場合、不定期の短時間(約15分)の強力な攪拌ストロークを印加して、フラスコ表面上の結晶を破壊する)。攪拌しない、または最小限の攪拌で、混合液を1時間当たり1℃の速度で20℃までゆっくり冷却した。混合液の内部温度は、約20℃で10〜18時間維持した。生成物は、ろ過により白色針状結晶として採取し、n−ヘプタン(0.5mL)で洗浄して、ろ過真空条件下で約2時間乾燥させた。固体を計量済みペトリディッシュの上に採取し、ペトリディッシュを被覆して、真空オーブン(20mmHgで21〜25℃)にさらに18時間入れて、結晶形態Aを得た(75〜80%)。
【0061】
XRPD解析は、物質が形態Aと一致するパターンを有する結晶であったことを示した。
【0062】
実施例5
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(遊離塩基)の結晶、形態A物質は、以下のように拡大した。
【0063】
20mL丸底フラスコは、攪拌棒または機械攪拌機、および還流コンデンサを備えた(コンデンサを冷水供給器に接続する必要はなく、典型的に結晶化の目的には空冷で十分である)。別個の小バイアル内で、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(1g)を酢酸エチル(1mL)中に溶解した。得られた溶液を、窒素圧を使用して、PTFE 0.2μmフィルタを通して前述の20mL丸底フラスコの中にろ過した。バイアルを酢酸エチル(0.25mL)で洗浄し、得られた溶液を、窒素圧を使用して、同一のPTFE 0.2μmフィルタを通して、ろ液を含有するフラスコの中にろ過した。 n−ヘプタン(10mL)は、窒素圧を使用して、同一のPTFE 0.2μmフィルタを通して、ろ液を含有するフラスコの中にろ過した(注記:n−ヘプタンを酢酸エチル溶液に添加する間に、著しい沈殿が認められた)。得られた混合液を約50〜55℃までゆっくり加熱した(注記:完全な溶解は、多くの場合35〜40℃の間で見られる)。溶液は、25℃までゆっくり冷却し、3時間ゆっくり攪拌しながらこの温度を維持した(注記:白色沈殿衝突および攪拌速度は、効率的な混合のために調節される必要があり得る)。混合液を20℃までゆっくり冷却し、混合液の内部温度は、この温度で10〜18時間維持した。生成物は、ろ過により白色綿毛状の固体として採取し、n−ヘプタン(0.5mL)で洗浄して、ろ過真空条件下で約2時間乾燥させた。固体を計量済みペトリディッシュの上に採取し、ペトリディッシュを被覆して、真空オーブン(20mmHgで21〜25℃)にさらに18時間入れて、結晶形態Aを得た(75〜80%)。
【0064】
XRPD解析は、物質が形態Aと一致するパターンを有する結晶であったことを示した。
【0065】
実施例6
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(遊離塩基)の結晶、形態A物質は、以下のように拡大した。
【0066】
20mL丸底フラスコは、攪拌棒または機械攪拌機、および還流コンデンサを備えた(コンデンサを冷水供給器に接続する必要はなく、典型的に結晶化の目的には空冷で十分である)。別個の小バイアル内で、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(1g)をトルエン(約1mL)中に溶解した。得られた溶液を、窒素圧を使用して、PTFE 0.2μmフィルタを通して前述の20mL丸底フラスコの中にろ過した。バイアルをトルエン(加温または室温、0.25mL)で洗浄し、得られた溶液を、窒素圧を使用して、同一のPTFE 0.2μmフィルタを通して、ろ液を含有するフラスコの中にろ過した。n−ヘプタン(5mL)は、窒素圧を使用して、同一のPTFE 0.2μmフィルタを通して、ろ液を含有するフラスコの中にろ過した(注記:n−ヘプタンをトルエン溶液に添加する間に、著しい沈殿が認められた)。得られた混合液を約50〜55℃までゆっくり加熱した(注記:完全な溶解は、多くの場合35〜40℃の間で見られる)。溶液は、28℃までゆっくり冷却し、この時点で種晶(1mg、微粉炭)を添加した。溶液の内部温度は、3時間攪拌せずに約28℃で維持した(注記:フラスコ表面に著しい結晶形成が認められた場合、不定期の短時間(約15分)の強力な攪拌ストロークを印加して、フラスコ表面上の結晶を破壊する)。攪拌しない、または最小限の攪拌で、混合液を1時間当たり1℃の速度で20℃までゆっくり冷却した。混合液の内部温度は、約20℃で10〜18時間維持した。生成物は、ろ過により白色棒状結晶として採取し、n−ヘプタン(0.5mL)で洗浄して、ろ過真空条件下で約2時間乾燥させた。固体を計量済みペトリディッシュの上に採取し、ペトリディッシュを被覆して、真空オーブン(20mmHgで21〜25℃)にさらに18時間入れて、結晶形態Aを得た(65〜75%)。
【0067】
XRPD解析は、物質が形態Aと一致するパターンを有する結晶であったことを示した。
【0068】
実施例7
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(遊離塩基)の結晶版は、以下のように拡大した。表3に見られるように、3つの異なる容器から得た非晶質ガム/油様遊離塩基物質を500mL丸底フラスコの中で混合した。
【表3】
【0069】
ジイソプロピルエーテルを各容器に最初に添加した後、約300rpmで攪拌しながら3つの容器を50℃まで加熱し、物質の大部分が溶解したと思われるまでこの温度で保持した。次いで各容器からの溶液を500mL丸底フラスコに移した。次いで残りの物質を溶解するために、ジイソプロピルエーテルの2回目の添加を各容器に加え、容器の内容物を500mL丸底フラスコの中に流し入れた。3つの容器からの材料を混合した後、500mL丸底フラスコは、ジイソプロピルエーテル約185mL中に溶解された物質約28.56gを含有した。次いで約300rpmで攪拌しながら、フラスコを50℃まで加熱し、この温度で約10分間保持した。これは、すべての物質が完全に溶解するのを可能にした。50℃で10分間維持した後、次いで約300rpmで攪拌しながら、溶液を約1℃/分の速度で冷却した。温度が30℃まで冷却されると、播種するために、例えば、実施例1で製造された結晶物質14.8mgをフラスコに添加した(結晶性播種物質は、種としてフラスコに添加される前に、メノウ乳鉢および乳棒を使用して約1分間すりつぶした)。4℃まで冷却を継続すると、粘性のスラリーが得られるまで溶液から固体が沈殿した。約300rpmで攪拌しながら、フラスコを4℃でさらに1時間保持した。次いで物質をろ過し、乾燥させるためにフィルタ上で約10分間放置した。次いで物質をビーカーに移し、さらに乾燥させるために、周囲温度(約20℃)で真空オーブン(約600mbar)内に入れた。真空オーブン内で48時間維持した後、試料を計量した。
1H NMR解析は、48時間の乾燥後に約2.4%の残留溶媒の存在を示した。したがって、真空下(約600mbar)周囲温度(約20℃)でさらに3日間試料を乾燥させた(すなわち、合計5日間の乾燥)。さらなる乾燥を行った後、
1H NMR解析は、1.13%の残留溶媒の存在を示した。次いで試料を真空下(約600mbar)30℃でさらに3.5日間乾燥させた(すなわち、合計8.5日間の乾燥)。
【0070】
次いで
1H NMR解析を行ったところ、残留溶媒の痕跡を同定することができなかった。HPLC解析は、99.5%を超える純度を示した。XPRDを
図9に示す。
【0071】
実施例8
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの遊離塩基の結晶版は、以下のようにフマギロールから拡大した。
【0072】
5Lガラス反応器内で、トルエン(1.5L)、フマギロール(300g)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC、375g(87.9%))、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP、261g)、および4−[(2−N,N−ジメチルアミノ)エトキシ]桂皮酸(501g)をこの順序で反応器に室温で添加した。混合液を20℃から約45〜58℃まで30分かけて加熱し、その温度でさらに1〜3時間、反応が完了するまで攪拌した。反応の完了は、1%未満のフマギロールの存在下で、薄層クロマトグラフィ(ジクロロメタン:メタノール(4:1)、シリカプレート、アニスアルデヒド可視化)によりモニターした(注記:反応は、典型的に完了まで2〜3時間を要する)。
【0073】
反応が完了したことを確認した後、混合液を20〜25℃まで35分かけて冷却し、トルエン(1.5L)を添加した。得られた混合液は、セライトパッド(300g)を通してろ過し、すべての溶解されていない物質を除去して、セライトパッドをトルエン(3.0L)で洗浄した。混合された濾液(6.85L)は、HPLCにより定量的に解析した(所望の生成物520g(97%)が濾液中に存在すると推定された)。
【0074】
トルエン濾液は、pH4.0〜4.5の250mM酢酸アンモニウム緩衝溶液で洗浄した(2回洗浄、線状1回当たり4.5L)。酢酸アンモニウム緩衝溶液は、精製水(9L)中に酢酸アンモニウム(174g)を溶解し、酢酸(283g)を添加してpHを調節することにより調製した。DMAPおよび桂皮酸の大部分が除去されたことを確認した後(薄層クロマトグラフィ解析(ジクロロメタン:メタノール(4:1)、アニスアルデヒド可視化))、有機相を5% NaHCO
3(1.5L)および精製水(1.5L)で洗浄した。HPLC解析を行ったところ、DMAPは検出されなかった。
【0075】
活性炭(30g、Nuchar SA−20)をトルエン溶液に添加し、混合液を20分間攪拌した。セライトパッド(300g)を通して懸濁液を20分かけてろ過することにより活性炭を除去し、ろ液を0.2μmフィルタ(Waters,カタログNo.186003524)を通してさらに20分かけてろ過した。真空で回転蒸発器を使用してトルエン溶液を濃縮し(浴温=35〜40℃、15〜25mbar)、濃縮物の
1H NMRを取り、残留トルエンを15.3%と決定された。
【0076】
濃縮物に対して、n−ヘプタン(1.0L)を添加し、得られる混合物を真空で(浴温=35〜40℃、15〜25mbar)25分かけて濃縮した(生成物は塊のある固体になった)。濃縮物中の残留トルエンは、
1H NMR解析から0%と決定された。
【0077】
この濃縮物に、トルエン(0.2μmフィルタを通してろ過された0.3L)およびn−ヘプタン(0.2μmフィルタを通してろ過された1.2L)を添加し、得られた混合液を40〜51℃まで40分かけてゆっくり加熱し、固体を完全に溶解させた。混合液を25〜36℃までゆっくり冷却し、形態A種晶45mgを添加した。混合液を攪拌せずに室温で10〜25時間維持した。
【0078】
生成物をろ過により採取し、フィルタケーキをn−ヘプタンで洗浄して(0.2μmフィルタを通してろ過された300mL)、真空下(0.2〜0.3インチHg)で24時間28〜30℃の間で乾燥させて、HPLC純度98〜99%の6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの遊離塩基の結晶形態(375g、70.6%)を得た(ろ液を濃縮してHPLC解析による純度80.9%のろ液濃縮物(117g)を得た)。
【0079】
XRPD解析は、物質が形態Aと一致するパターンを有する結晶であったことを示した。
【0080】
実施例9
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(遊離塩基)の結晶版の再結晶化は、以下のように行った。
【0081】
250mL丸底フラスコに結晶6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(遊離塩基、19g)を充填した。トルエン(約19mL)を添加し、約150rpmで攪拌しながら(楕円形の磁気攪拌棒、長さ:2.5cm)、反応液を磁気ホットプレート攪拌器(加熱マントルを有する)上でゆっくり(約1℃/分)約55℃まで加熱した。溶解が完了した後、ヘプタン(約171mL、約55℃に予熱)をゆっくり添加し、固形物質が即時に溶液から沈殿し始めた。10分の攪拌後、沈殿した固体は溶解していたが、少量の黄色ガムが存在した。ガムを除去するために、溶液を異なる丸底フラスコ(250mL、約55℃に予熱)に移した。ホットプレートの電源を切り、反応液を55℃から周囲温度(約22℃)まで自然に冷却する前に、移された溶液を新しいフラスコ内で約5分間ゆっくり攪拌した(約150rpm)。固形物質は、約28℃で溶液から結晶化した。周囲温度(約22℃)に冷却した後、スラリーをさらに3時間、ゆっくり攪拌し続けた(約150rpm)。3時間後、小隔膜ポンプに接続されたブフナー漏斗(直径:7.7cm)およびブフナーフィルタフラスコ(500mL)を使用して、固体をろ過した。二重ろ紙をフィルタ内で使用した(ろ紙直径5.5cm)。物質をフィルタ上で約10分間乾燥させた。次いで固形物質を表面積の大きい(直径14cm)の結晶化ディッシュの中に入れ、真空下(圧力約25mbar、絶対圧読み取り)、周囲温度(約22℃)で約7日間、ガレンカンプ真空オーブン内で乾燥させて、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの遊離塩基の結晶形態を得た(約15lg、79.4%)。
【0082】
XRPD解析は、物質が形態Aと一致するパターンを有する結晶であったことを示した。
【0083】
実施例10
X線決定に適した6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(形態A)の結晶物質は、以下のように、蒸気拡散アプローチによる溶媒−抗溶媒を利用して調製した。
【0084】
濃度100mg/mLの形態Aのろ過溶液は、周囲温度で適量のメチル−t−ブチルエーテル中で形態Aの試料(
図10および11を参照)を攪拌した後、溶液を、0.7μmガラス繊維フィルタを通して、1.2mLバイアル挿入体の中にろ過することにより調製した。この時点で、ろ過溶液をペンタンの蒸気に暴露して、結晶物質の形成を生じ、これを単結晶構造決定のために提出した。単結晶構造決定手順は、以下のように行った。
【0085】
形態Aの単結晶試料は、少量のパラトンN油とともに、Mitegenポリイミド顕微標本上に載置した。すべてのX線測定は、−163℃の温度で、Bruker−Nonius Kappa Axis X8 Apex2回折計上で行った。単位セルの寸法は、4.76°<2θ<55.5°の対称拘束適合9994反射から決定した。データ収集方法は、多数のωおよびφ走査であり、最大59.34°(2θ)までのデータを収集した。フレーム統合は、SAINT(Bruker−Nonius,SAINTバージョン2009.9,2009,Bruker−Nonius,Madison,WI 53711,USA)を使用して行った。SADABSを使用し、対称同等データのマルチスキャン平均化を用いて、得られた原データを拡大縮小し、吸収を訂正した(Bruker−Nonius,SADABSバージョン2009.9,2009,Bruker−Nonius,Madison,WI)。
【0086】
結晶構造は、XSプログラムを使用する直接方法により溶解した(Bruker−AXS,XSバージョン2009.9,2009,Bruker−AXS,Madison,WI 53711,USA)。すべての非水素原子は、初期溶液から得られた。水素原子は、理想の位置に導入され、親原子上に乗ることが許された。C3原子部位は、2位にわたって障害された。代替位置は、C3′と指定された。第1位の正規化占有率は、0.698(10)まで精密化された。絶対構造は、回折データから決定することができなかった。C14の絶対構成は、フマギリンの構造において報告された対応する原子(C6)の絶対構成(R)に設定した(Halasz,J.et.al.Tetrahedron,2000,56,10081.)。すべての他の立体中心は、その割り当てに対して設定した。構造モデルは、F
2に基づくフルマトリクス最小二乗を使用して、データに適合させた。計算された構造因子は、通常集計からの異常分散に対する訂正を含む。構造は、SHELXTLからのXLプログラムを使用して精密化し(Bruker−AXS,XLバージョン2009.9,2009,Bruker−AXS,Madison,WI 53711,USA)、グラフィックプロットは、一連のNRCVAX結晶学的プログラムを使用して生成した。
【0087】
単結晶決定のためのORTEP図面は、
図12Aに示す。結晶データのまとめは、以下の表5に見られる。
表5
【0088】
図12AのORETP図面の結晶構造に関するデータは、
図12Cに示される。室温での形態AのX線回折パターンと、110Kで得られた単結晶データから計算されたパターンとの比較は、
図12Bに示される。
【0089】
実施例11
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの結晶、形態C物質は、以下のように調製した。
【0090】
非晶質物質は、6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロール(20mg)をメタノール(0.5mL)中に溶解し、得られた溶液を遠心分離蒸発器に4時間配置することにより調製した。非晶質相は、ラマン分光法を使用して検出することができ、非晶質物質は、1633および1707cm
−1において特徴的ピークを示したが、形態Aは、1627および1700cm
−1において関連ピークを示した。
【0091】
6−O−(4−ジメチルアミノエトキシ)シンナモイルフマギロールの非晶質物質の試料は、周囲温度で純トリクロロエタンの蒸気に暴露させた。非晶質形態は、容易に潮解した。潮解した試料は、冷却環境で保存し、Genevac遠心分離蒸発器を使用して蒸発乾燥させた。次いで試料を密閉し、ドライアイスに約15分沈めて、冷凍庫内で保管した(約25℃)。試料は、冷凍庫内で保管する間(−20℃、9日間)はガラス状のままであり、次いで5℃で(9日間)保管すると、結晶、形態Cを生じた(マイクログラフについては
図13を参照)。形態C試料の一部は、周囲温度で放置した。周囲温度での試料、ならびに5℃で保管された試料は、3日後に形態Aに変化した。形態Cは、形態Aに対して準暗転であることが認められた。
【0092】
X線粉末回折(XRPD)解析は、固体結晶(形態C)上で行った。XRPD解析は、HI−STAR GADDS検出器を有するBruker D8 Discovery回折計、またはSiゼロ背景ウエハ上のPANalytical X′Pert Pro回折計上で行った。すべてのディフラクトグラムは、単色Cu Kα(45kV/40mA)放射線およびステップサイズ0.02の2θ度を使用して収集した。XRPDは、
図14に示される。形態CのXRPDパターンは、形態Aの特徴的ピークのいずれも示さないが、純粋相である。
【0093】
特徴的XRPDピークは、以下の表4に示されるピークの1つ以上を含む。
【表4】
【0094】
赤外線分光法は、DTGS検出器およびDurascopeを備えるNicolet 6700分光計(Thermo Electron)上で行った。スペクトルは、以下のパラメータ:4cm
−1解像度、64走査、Happ−Genzelアポディゼーション関数および2−レベルゼロ埋めを使用して得られた。
【0095】
図15は、調製された結晶、形態C化合物のIRスペクトルを表す。
図15に見られるように、形態CのIRスペクトルは、形態Aに対するピーク移行を示す。例えば、カルボニル領域において、形態Cは、1707cm
−1でピークを示すが、形態Aは、1700cm
−1で対応するピークを示す。別の例では、形態Cは、894cm
−1でピークを示すが、形態Aは、指紋領域において同様のピークを示さない。
【0096】
特徴的IRピークは、以下の表5に示されるピークの1つ以上を含む。
【表5】
【0097】
ラマン分光法は、1064nm Nd:YVO
4励起レーザー、InGaAsおよび液体N
2冷却されたGe検出器を備える、Nicolet NXR9650またはNXR960分光計(Thermo Electron)を利用して行った。すべてのスペクトルは、4cm−1解像度、64−128走査、Happ−Genzelアポディゼーション関数および2−レベルゼロ埋めを使用して得られた。
【0098】
参照による組み込み
以下に列挙されるものを含む、本明細書において言及されるすべての発行物および特許は、各個別の発行物または特許が参照することにより具体的かつ個別に組み込まれるかのように、あらゆる目的で参照することによりそれら全体が本明細書に組み込まれる。対立が生じる場合は、本明細書における任意の定義を含む本出願が優先される。
【0099】
均等物
対象発明の特定の実施形態が論じられたが、上記明細書は例証であって制限するものではない。本発明の多くの変形が、この明細書を検討するとき、当業者には明らかとなるであろう。本発明の全範囲は、請求項およびそれらの均等物の全範囲、ならびに明細書およびそのような変形を参照することにより決定されるべきである。
【0100】
他に指定のない限り、明細書および請求項において使用される成分、反応条件などの量を表すすべての数字は、いかなる場合も用語「約」により修正されると理解されるものである。したがって、反対の指示がない限り、本明細書および添付の請求項に記載される数値パラメータは、本発明により得られることが求められる所望の特性に応じて異なり得る近似値である。
【0101】
特許を請求するのは以下のものである。