(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記鋳物砂貯留部は、前記先鋭端部に連続して前記ならし方向に延在する一方端部から反対側の他方端部に向かって横方向から縦方向に湾曲形成され、前記一方端部側から移動する鋳物砂を前記他方端部側に貯留する湾曲貯留部である請求項1又は2に記載の鋳型造型装置。
前記鋳物砂ならし部材と前記ガイド筒部との間に、前記重合鋳枠内への鋳物砂の投入時に前進して前記切欠き開口部を閉鎖する閉鎖位置と、前記重合鋳枠内に投入された鋳物砂上面のならし時に後退して前記切欠き開口部を開放するとともに前記鋳物砂貯留部に鋳物砂を貯留する貯留位置と、前記鋳物砂貯留部での鋳物砂の貯留後に前進して前記鋳物砂貯留部から鋳物砂を掃き出す掃出し位置とに位置決めされる閉鎖貯留掃出し板を、さらに備える請求項3記載の鋳型造型装置。
前記閉鎖貯留掃出し板は、基端部が前記ガイド筒部の前記切欠き開口部上端に回動可能に軸支されるとともに、先端部が前記湾曲貯留部の湾曲面に沿って摺動可能に設けられ、
前記閉鎖貯留掃出し板を、前記閉鎖位置、前記貯留位置及び前記掃出し位置に回動して位置決めする位置決め回動駆動装置をさらに備える請求項4記載の鋳型造型装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のものでは、重合鋳枠の上端部より盛り上がった鋳物砂を掻き取る手段が、計量ホッパを構成する壁の「内側下端面」であり、垂直に設けられた面であるため、掻き取りの途中において進行方向前進端側の重合鋳枠内の鋳物砂の密度が高くなり、鋳型強度のばらつきを生じて溶湯注入後の製品の寸法精度不良の原因となるおそれがあった。
掻き取る手段が重合鋳枠の進行方向前進端側に位置する掻き終わりでは、掻き取る手段の面の進行方向側に貯まる砂量が、掻き始めの砂量に比べて多くなる。そのため、掻き取る手段の面が、多く貯まった分の砂を重合鋳枠内に押し付けながら移動することで、重合鋳枠内に多く押し付けられた部分では鋳物砂の砂密度が高くなり、全体として砂密度の不均一を生じてしまうと考えられるからである。
【0007】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、鋳枠内に投入された鋳物砂を砂密度の高低を生じることなく均等にならして造型することができる鋳型造型装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明の構成上の特徴は、鋳物砂をスクイズするスクイズヘッドと、前記スクイズヘッドに対して造型経路に沿って相対的に進退移動するスクイズテーブルと、前記スクイズテーブルに取付けられる模型定盤と、鋳物砂が充填される造型空間を前記模型定盤とともに形成する鋳枠と、前記鋳枠の上端部に重合されて前記鋳枠とともに重合鋳枠を形成する上盛枠と、形成された前記重合鋳枠に投入する鋳物砂を一時的に蓄えるホッパと、前記重合鋳枠に投入された鋳物砂上面をならすためのならし方向に移動可能で、前記ならし方向に交差する方向に延在する鋳物砂ならし部材と、前記鋳物砂ならし部材を、前記重合鋳枠に対し前記ならし方向を含む水平面内で相対的に進退移動させるならし部材進退装置と、
前記ホッパの下部に設けられ、下端部が前記重合鋳枠の上部に近接配置可能とするガイド筒部と、を備え、
前記ガイド筒部は、該ガイド筒部の前記ならし方向と反対側の後方壁の下端部に、下方が開放して形成され前記ガイド筒部の内部と該ガイド筒部の外部とを連通させる切欠き開口部を有し、前記鋳物砂ならし部材は、前記ならし方向の先端上面が傾斜するように形成された先鋭端部と、該先鋭端部に連続し前記ならし方向の後退側に向かって延在し、前記先鋭端部によりすくい取られた鋳物砂を貯留する鋳物砂貯留部と、を有
し、前記先鋭端部が前記ならし方向に対向するとともに、該先鋭端部が前記ガイド筒部の内側に突出しないように前記切欠き開口部に固定されていることである。
【0009】
これによると、重合鋳枠に鋳物砂が投入された後、鋳物砂ならし部材によって、重合鋳枠の上部に盛り上がった鋳物砂を掻き取る際に、先鋭端部を盛り上がった鋳物砂の側面部分に横方向から突き刺すように移動させ、続いて、先鋭端部の傾斜した先端上面によって鋳物砂を上方へすくい取る。このように、鋳物砂を上方へすくい取ることから、鋳物砂ならし部材の先鋭端部の前方に鋳物砂を貯めることがない。そして、すくい取られた鋳物砂は、先鋭端部に連続する鋳物砂貯留部に移動して貯留される。
【0010】
このように、盛り上がった鋳物砂は、上方へすくい取る動作で取り除かれ、ならし方向に前進する鋳物砂ならし部材の前方に鋳物砂を貯めたり横方向に押圧したりすることなくならし方向の後退側の鋳物砂貯留部で貯めるので、重合鋳枠の前進端側となる掻き終わりにおいても、重合鋳枠内に鋳物砂を押し付ける状態を発生させることなく、鋳物砂の砂密度が部分的に高くなることを防止できる。このように、造型される鋳物砂の砂密度を均等にすることで、鋳型強度のばらつきを防止して寸法精度の高い製品を鋳造することができる。
また、ガイド筒部のならし方向と反対側の後方壁の下端部に、ならし方向に対向して鋳物砂ならし部材の先鋭端部が設けられているので、重合鋳枠内に鋳物砂を投入後、ガイド筒部を重合鋳枠に整列した位置から横方向に移動することが、同時に重合鋳枠に投入された鋳物砂の上面をならす動きとなる。このように、重合鋳枠の上部に盛り上がった鋳物砂を余分な動きを生じさせることなく迅速に掻き取ってならすことができる。また、先鋭端部がガイド筒部の内側に突出しないように切欠き開口部に固定されるので、鋳物砂の投入時に障害となることなく円滑に投入作業を実行することができる。
【0013】
請求項
2に係る発明の構成上の特徴は、前記鋳物砂ならし部材は、前記鋳物砂貯留部が前記ガイド筒部の前記ならし方向の反対側の前記後方壁の外側に突出して設けられる請求項
1記載の鋳型造型装置とすることである。
【0014】
これによると、鋳物砂貯留部は、ガイド筒部の前進方向の反対側の後方壁の外側に突出して設けられるので、掻き取る鋳物砂を貯留するために必要な大きさの容量の鋳物砂貯留部を容易に設計することができる。
【0015】
請求項
3に係る発明の構成上の特徴は、前記鋳物砂貯留部は、前記先鋭端部に連続して前記ならし方向に延在する一方端部から反対側の他方端部に向かって横方向から縦方向に湾曲形成され、前記一方端部側から移動する鋳物砂を前記他方端部側に貯留する湾曲貯留部である請求項1
又は2に記載の鋳型造型装置とすることである。
【0016】
これによると、先鋭端部ですくい取られた鋳物砂が、鋳物砂貯留部に送られて貯留される際に、鋳物砂は湾曲貯留部内を滑らかに移動し、鋳物砂が送られる際に大きな抵抗を生じることがないので、先鋭端部前方に鋳物砂を貯めることがない。そのため、重合鋳枠に投入された鋳物砂上面のならす際に、重合鋳枠内に鋳物砂を押し付ける状態を発生させることがない。また、鋳物砂貯留部を縦方向に立ち上げることで、鋳物砂貯留部をコンパクトに形成することができ、省スペース化を図ることができる。
【0017】
請求項
4に係る発明の構成上の特徴は、前記鋳物砂ならし部材と前記ガイド筒部との間に、前記重合鋳枠内への鋳物砂の投入時に前進して前記切欠き開口部を閉鎖する閉鎖位置と、前記重合鋳枠内に投入された鋳物砂上面をならす際に後退して前記切欠き開口部を開放するとともに前記鋳物砂貯留部に鋳物砂を貯留する貯留位置と、前記鋳物砂貯留部での鋳物砂の貯留後に前進して前記鋳物砂貯留部から鋳物砂を掃き出す
掃出し位置とに位置決めされる閉鎖貯留掃出し板を、さらに備える請求項
3記載の鋳型造型装置とすることである。
【0018】
これによると、閉鎖貯留掃出し板は、投入の際に切欠き開口部を閉鎖して、ガイド筒部の切欠き開口部から鋳物砂の吹き出しを防止することができる。また、閉鎖貯留掃出し板は、鋳物砂上面をならす際に、切欠き開口部を開放するとともに後退することで、切欠き開口部と鋳物砂貯留部を連通させることで、すくい取られた鋳物砂を円滑に鋳物砂貯留部に貯留することができる。さらに、閉鎖貯留掃出し板は、鋳物砂上面をならした後に、鋳物砂貯留部に貯留された鋳物砂を掃き出して、鋳物砂ならし部材の次の鋳物砂上面のならしの準備をすることができる。このように、閉鎖貯留掃出し板の一連の無駄のない動きで、鋳物砂の投入、鋳物砂上面のならし、及び次の鋳物砂上面のならしの準備を迅速に行うことができる。
【0019】
請求項
5に係る発明の構成上の特徴は、前記閉鎖貯留掃出し板は、基端部が前記ガイド筒部の前記切欠き開口部上端に回動可能に軸支されるとともに、先端部が前記湾曲貯留部の湾曲面に沿って摺動可能に設けられ、前記閉鎖貯留掃出し板を、前記閉鎖位置、前記貯留位置及び前記掃出し位置に回動して位置決めする位置決め回動駆動装置をさらに備える請求項
4記載の鋳型造型装置。
【0020】
これによると、基端部がガイド筒部の切欠き開口部上端に回動可能に軸支されるとともに、先端部が湾曲貯留部の湾曲面に沿って摺動可能に設けられ、回動位置決め駆動装置により、閉鎖貯留掃出し板を閉鎖位置、貯留位置及び掃出し位置に回動して位置決め可能とするという簡素な構造で、鋳物砂の投入時の切欠き開口部の閉鎖、鋳物砂上面をならす際の切欠き開口部の開放及び鋳物砂の貯留、及び鋳物砂の掃き出しによる次の鋳物砂上面のならし準備という作業を、無駄なくかつ迅速に実行することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施例)
本件発明にかかる鋳型造型装置を使用した実施形態を図に基づいて以下に説明する。鋳型造型装置2は、模型定盤4が上面に固定されたスクイズテーブル6と、模型定盤4に載置される鋳枠8と、鋳枠8に載置される上盛枠10と、模型定盤4、鋳枠8及び上盛枠10で形成される造型空間に鋳物砂12を投入する鋳物砂供給装置14と、スクイズテーブル6に対向する位置に割り出され、造型空間内の鋳物砂12を、背面からスクイズするスクイズヘッド16と、を備えている。
【0023】
スクイズテーブル6は、
図1に示すように、断面長方形に形成され、基台40に固定されている。スクイズテーブル6は、その上に鋳枠8が載置され、鋳枠8の上には上盛枠10が重合される。これらの鋳枠8及び上盛枠10によって重合鋳枠11が形成される。
【0024】
重合鋳枠11の上方には、水平方向に移動するシャトル装置18が設けられ、シャトル装置18には鋳物砂供給装置14とスクイズヘッド16とが並設されている。鋳物砂供給装置14とスクイズヘッド16とは、シャトル装置18のシャトルシリンダ18aによって砂供給位置とスクイズ位置とに夫々割出されて位置決めされるようになっている。
【0025】
シャトル装置18は、図略の構造体に固定されたシャトルシリンダ18aと、シャトルシリンダ18aに嵌入されたピストン部18bと、前記構造体に横架された図略のガイドレールと、前記ガイドレールに沿って水平移動可能に設けられ鋳物砂供給装置14とスクイズヘッド16とを相対移動不能に支持する横架支持部材24と、ピストン部18bを駆動させる油圧ポンプ20とを備えている。
【0026】
シャトルシリンダ18aは、駆動源としての油圧ポンプ20に連通され、シャトルシリンダ18aと油圧ポンプ20との間にはシャトルシリンダ電磁弁22が設けられている。
シャトルシリンダ18aに嵌入されたピストン部18bは、シャトルシリンダ18aの先端部より進退可能に設けられている。ピストン部18bの先端は、横架支持部材24の端部に相対移動不能に連結されている。シャトルシリンダ電磁弁22を切替えることで、ピストン部18bに連結した横架支持部材24が水平方向に移動して、重合鋳枠11に対してスクイズヘッド16或いは鋳物砂供給装置14を対向させる。例えば、
図1において中央の停止位置に位置決めされたシャトルシリンダ電磁弁22を、右側の位置に切り替えると、油圧ポンプ20からの油圧がシャトルシリンダ18aのピストン部18bを突出する側に流入し、ピストン部18bを前進させることで、横架支持部材24に支持された鋳物砂供給装置14とスクイズヘッド16とを
図1における右方向(後述するならし方向)に移動させる。
【0027】
鋳物砂供給装置14は、造型に必要な鋳物砂12を計量して一時的に蓄える四角い容器状のホッパ26と、ガイド筒部28と、コンベヤ装置30等とを備えている。
【0028】
ホッパ26の下端部には鋳物砂12の保持が可能なシャッター32が設けられている。シャッター32は、例えば、互いに平行な水平軸32a,32b線回りに回動可能に軸支された二枚の底板32cからなり、ホッパ26に配置されたモータ34により夫々回動される。
【0029】
例えば、シャッター32の二つの水平軸32a,32bは、ホッパ26の壁部に設けられた図略の軸受部に回動可能に軸支され、一方の水平軸32aの一端部には図略のスプロケットが周設されている。また、一方の水平軸32aと他方の水平軸32bとの間には、ギヤによる図略の逆転機構が設けられている。一方の水平軸32aのスプロケットは、例えば図略のチェーン部材に係合され、チェーン部材はモータ34により循環駆動する。モータ34の回転により、一方の水平軸32aが一方向に回転すると他方の水平軸32bは他方向へ回転する。このようにして、シャッター32の二枚の底板32cが、逆方向に回転して、水平状態と垂直状態とに位置決めされる。シャッター32の二枚の底板32cが、水平状態に位置決めされると鋳物砂12の保持が可能となり、垂直状態に位置決めされるとホッパ26に蓄えられた鋳物砂12が落下するよう構成されている。
【0030】
コンベヤ装置30は、
図6に示すように、ホッパ26の上方に設けられている。コンベヤ装置30は、ローラ30aにより循環駆動するコンベヤベルト30bが掛装され、コンベヤベルト30bにより鋳物砂12を運搬してホッパ26の中に投入する。
ホッパ26の下部には四角い筒状に形成されたガイド筒部28が設けられている。ガイド筒部28は、ホッパ26の下端部に図略の連結ブラケットにより相対移動不能に連結されている。ガイド筒部28の下端部は、ホッパ26が砂供給位置に割出されたときに重合鋳枠の上端部に近接配置される。また、砂供給位置に割り出された時に、シャッター32の底板32cが水平状態から垂直状態に回動され、ホッパ26に蓄えられた鋳物砂12が、ガイド筒部28にガイドされて重合鋳枠11内に投入される。
【0031】
ガイド筒部28の
図1における左側壁部(ならし方向と反対側の後方壁37)の下端部には、下方が開放した切欠き開口部36が形成されている。切欠き開口部36には例えば溶接によって鋳物砂ならし部材38が固定されている。ならし方向は、シャトル装置18によって、鋳物砂ならし部材38が上盛枠10の上部に盛り上がった鋳物砂12を掻き取る方向に移動する方向であり、
図1において、鋳物砂ならし部材38が上盛枠10の左端側から右端側に移動する方向である。
【0032】
鋳物砂ならし部材38は、前記シャトル装置18により移動される方向に対して直角な方向に上盛枠10の幅より少し長く延在する。鋳物砂ならし部材38は、
図2に示すように、ガイド筒部28の内側に対向する先鋭端部42と、すくい取られた鋳物砂12を貯留する鋳物砂貯留部44とを有している。鋳物砂貯留部44は、先鋭端部42に連続してならし方向に延在する一方端部44aから反対側の他方端部44bに向かって横方向から縦方向に湾曲形成され、一方端部44a側から移動する鋳物砂12を他方端部44b側に貯留する湾曲貯留部44cとなっている。湾曲貯留部44cは、ならし方向と反対側の後方壁37の外側に突出した状態で設けられている。
【0033】
前記鋳物砂ならし部材38と切欠き開口部36が形成された後方壁37間には、閉鎖貯留掃出し板46が設けられている。閉鎖貯留掃出し板46は、丁番47によって基端部がガイド筒部28の切欠き開口部36上端に回動可能に軸支されるとともに、先端部が湾曲貯留部44cの湾曲面に沿って摺動可能に設けられている。
【0034】
鋳物砂ならし部材38は、閉鎖貯留掃出し板46を開閉する開閉駆動モータ48と、切欠き開口部36を閉鎖する閉鎖位置Sと他方端部に位置決めされることで鋳物砂貯留部44と切欠き開口部36とを連通する貯留位置Tとに位置センサ50と、を有している。本実施形態では、切欠き開口部36を閉鎖する閉鎖位置Sが掃出し位置を兼ねている。開閉駆動モータ48と位置センサ50によって、貯留位置T及び掃出し位置に回動して位置決めする位置決め回動駆動装置が構成される。
【0035】
スクイズヘッド16は、
図1に示すように、重合鋳枠11内に嵌挿可能で、重合鋳枠11内に投入された鋳物砂12の上面を押圧するスクイズプレート部16aを有している。スクイズプレート部16aを重合鋳枠11内を造型経路に沿って上下動させるスクイズシリンダ16bを有している。スクイズシリンダ16bは、横架支持部材24に固定され、スクイズプレート部16aが下端部に設けられたピストン16cが進退可能に設けられている。スクイズシリンダ16bは油圧ポンプ15に連通され、スクイズシリンダ16bと油圧ポンプ15との間にはスクイズ電磁弁21が設けられている。スクイズ電磁弁21とスクイズシリンダ16bの基端部側との間にリリーフ弁が23設けられ、リリーフ弁23によりスクイズの押圧力が調節可能になっている。
【0036】
次に、発明者らが本願鋳型造型装置を使用した試験結果について、
図8及び
図9に基づいて説明する。
図8は、試験に使用した矩形状の重合鋳枠11の概要を示す平面図であり、重合鋳枠11の中には鋳物砂12が投入されている。ならし方向は、鋳物砂ならし部材38を重合鋳枠11に対して移動する方向を示している。また、1〜10の番号は、ならし後スクイズして鋳型を造型した場合の鋳型強度を測定した位置を示している。この測定した位置は、
図9における測定部位の番号に対応している。
図9は、鋳型強度と測定部位の関係を示すグラフであり、四角形状のポイントで従来例の試験結果を示し、丸形状のポイントで本願鋳型造型装置での試験結果を示している。従来例では、造型後の鋳型強度が14N/cm
2〜20N/cm
2となっており、ならし始めである測定部位1と、ならし終わりである測定部位10とでは、鋳型強度に大きなばらつきを生じている。これに対して本願鋳型造形装置では、15N/cm
2〜17N/cm
2となっており、ならし始めとならし終わりでの鋳型強度に大きなばらつきが生じていない。このように、鋳型強度のばらつきを防止するので、溶湯注入後の製品を高い寸法精度で鋳造することができる。
【0037】
次に、上記のように構成された鋳型造型装置2の作動について図に基づいて以下に説明する。まず、
図1に示すように、シャトル装置18によって鋳物砂供給装置14が、砂供給位置に割り出され、スクイズテーブル6の上方に対向して配置される。鋳物砂供給装置14のホッパ26は、シャッター32の底板32cが水平状態に保持され、予め造型に必要な鋳物砂12を計量して蓄える。スクイズテーブル6と鋳物砂供給装置14の間に、スクイズテーブル6上に載置固定された模型定盤4及び模型定盤4の盤面に固定された造型用模型(図略)が配置されている。模型定盤4上には図略の鋳枠受渡装置により鋳枠8が載置され、鋳枠8には図略の上盛枠支持部材より上盛枠10が載置されている。シャトルシリンダ電磁弁22は、中央位置に位置決めされ、シャトルシリンダ18aへの油圧ポンプ20からの油の供給が停止されている。スクイズヘッド16は、スクイズ電磁弁21が中央位置に決めされ、スクイズプレート部16aが上昇端位置で固定されている。
【0038】
次に、
図3に示すように、ホッパ26のシャッター32の底板32cは、モータ34の駆動によって水平状態から垂直状態に回動する。これによって、ホッパ26に一時貯留されていた鋳物砂12は、模型定盤4、鋳枠8及び上盛枠10で構成される造型空間に投入される。この際、閉鎖貯留掃出し板46は、閉鎖位置Sに位置決めされ、ガイド筒部28の切欠き開口部36を閉鎖している。鋳物砂12は、造形空間の容積よりも少し多く計量されて投入されるので、上盛枠10の上端部より盛り上がった状態となる。鋳物砂ならし部材38は、上盛枠10の上端部に位置決めされ、盛り上がった鋳物砂12のふもと部分に先鋭端部
42が対向する状態となっている。
【0039】
次に、閉鎖貯留掃出し板46は、開閉駆動モータ48の駆動により貯留位置Tに位置決めされる。これによって、切欠き開口部36と鋳物砂貯留部44とが連通する。続いて、シャトルシリンダ電磁弁22を左側位置に位置決めし、油圧ポンプ20をシャトル装置18のシャトルシリンダ18aの基端部側(
図4における左側)に連通させることで、ピストン部18bを前進させる。これによって、鋳物砂ならし部材38は、上盛枠10の上端部に沿ってならし方向に移動し、上盛枠10上に盛り上がった鋳物砂12を平らにならす。先鋭端部42は、盛り上がった鋳物砂12の側面に突き刺さるように移動することで、鋳物砂12に横方向の圧力を付加することがない。また、鋳物砂12は、先端上面42aに沿って上方へすくい取られることとなる。すくい取られた鋳物砂12は、鋳物砂貯留部44にすべて貯留されるので、移動する先鋭端部42の前方に鋳物砂12を貯めることがない。
また、シャッター32の底板32cは、モータ34の駆動によって垂直状態から水平状態に回動される。
【0040】
次に、シャトル装置18のシャトルシリンダ18aの駆動により、スクイズヘッド16が、スクイズ位置に割り出されてスクイズテーブル6と対向する。スクイズヘッド16がスクイズ位置に割り出された段階で、シャトルシリンダ電磁弁22は中央位置に切り替えられスクイズヘッド16は移動を停止する。ホッパ26は上盛枠10から外れた位置に停止する。そして、開閉駆動モータ48を駆動させることで閉鎖貯留掃出し板46の先端を湾曲貯留部44cの内壁に沿って摺動させ、閉鎖貯留掃出し板46を貯留位置Tから掃出し位置(閉鎖位置Sと同じ)に移動させる。これによって、鋳物砂貯留部44に貯留された鋳物砂12は、ホッパ26及びガイド筒部28の下方に設けられた図略の鋳物砂回収容器に落下する。
【0041】
次に、スクイズ電磁弁21を左側位置に切り替えることで、スクイズシリンダ16
bの基部側を油圧ポンプ15に連通させ、ピストン16cを前進させる。これにより、スクイズプレート部16aを上盛枠10に嵌入させてスクイズテーブル6に近づけることで、背面側から鋳物砂12のスクイズを行う。スクイズシリンダ16bとスクイズ電磁弁21の間に設けられたリリーフ弁23によって、スクイズする際の押圧力の調節が行われる。
【0042】
また、鋳物砂12は、コンベヤ装置30のコンベヤベルト30bにより運搬されてホッパ26内に蓄えられる。ホッパ26は、一回の造型に必要な鋳物砂12を計量して蓄える。これによって、次の鋳物砂12の投入が準備される。
【0043】
次に、スクイズ電磁弁21を右側位置に切替えて、スクイズシリンダ16bの先端部側と油圧ポンプ15とが連通することで、ピストン16cは、後退する。これによって、スクイズプレート部16aは、上昇して上盛枠10より外れる。続いて、上盛枠10が外され、図略のコンベヤに造型された鋳型と鋳枠8とが運搬され、図略の型合わせ位置等の次工程に運ばれる。
【0044】
シャトルシリンダ電磁弁22は、右側位置に切り替えられて油圧ポンプ20がシャトルシリンダ18aの先端側に連通され、ピストン部18bを後退させる。これによって、
図1に示すように、砂供給位置にホッパ26が割り出される。
【0045】
上記のように構成された鋳型造型装置2によると、重合鋳枠11に鋳物砂12が投入された後、鋳物砂ならし部材38によって、重合鋳枠11の上部に盛り上がった鋳物砂12を掻き取る際に、先鋭端部42を盛り上がった鋳物砂12の側面部分に横方向から突き刺すように移動させ、続いて、先鋭端部42の傾斜した先端上面42aによって鋳物砂12を上方へすくい取る。このように、鋳物砂12を上方へすくい取ることから、鋳物砂ならし部材38の先鋭端部42の前方に鋳物砂12を貯めることがなく、先鋭端部42がならし方向に向かって鋳物砂12を押して移動させることもない。そして、すくい取られた鋳物砂12は、先鋭端部42に連続する鋳物砂貯留部44に移動して貯留される。
【0046】
このように、盛り上がった鋳物砂12は、上方へすくい取る動作で取り除かれ、前進する鋳物砂ならし部材38の前方に鋳物砂12を貯めたり横方向に押圧したりすることなくならし方向の後退側の鋳物砂貯留部44で貯めるので、重合鋳枠11の前進端側となる掻き終わりにおいても、重合鋳枠11内に鋳物砂12を押し付ける状態を発生させることなく、鋳物砂12の砂密度が部分的に高くなることを防止できる。このように、造型される鋳物砂12の砂密度を均等にすることで、鋳型強度のばらつきを防止して寸法精度の高い製品を鋳造することができる。
【0047】
また、ガイド筒部28のならし方向と反対側の下端部に、ならし方向に対向して鋳物砂ならし部材38の先鋭端部42が設けられているので、重合鋳枠11内に鋳物砂12を投入後、ガイド筒部28を重合鋳枠11から外して移動することで、同時に重合鋳枠11に投入された鋳物砂12の上面をならす動きとなる。このように、重合鋳枠11の上部に盛り上がった鋳物砂12を余分な動きを生じさせることなく迅速に掻き取ってならすことができる。また、先鋭端部
42がガイド筒部28の内側に突出しないように切欠き開口部36に固定されるので、鋳物砂12の投入時に障害となることなく円滑に投入作業を実行することができる。
【0048】
また、鋳物砂貯留部44は、ガイド筒部28の前進方向の反対側の後方壁の外側に突出して設けられるので、掻き取る鋳物砂12を貯留するために必要な大きさの容量の鋳物砂貯留部44を容易に設計することができる。
【0049】
また、先鋭端部42ですくい取られた鋳物砂12が、鋳物砂貯留部44に送られて貯留される際に、鋳物砂12は湾曲貯留部44c内を滑らかに移動し、鋳物砂12が送られる際に大きな抵抗を生じることがないので、先鋭端部42前方に鋳物砂12を貯めることがない。そのため、重合鋳枠11に投入された鋳物砂12上面のならす際に、重合鋳枠11内に鋳物砂12を押し付ける状態を発生させることがない。また、鋳物砂貯留部44を縦方向に立ち上げることで、鋳物砂貯留部44をコンパクトに形成することができ、省スペース化を図ることができる。
【0050】
また、閉鎖貯留掃出し板46は、投入の際に切欠き開口部36を閉鎖して、ガイド筒部28の切欠き開口部36から鋳物砂12の吹き出しを防止することができる。また、閉鎖貯留掃出し板46は、鋳物砂12上面をならす際に、切欠き開口部36を開放するとともに後退することで、切欠き開口部36と鋳物砂貯留部44を連通させることで、すくい取られた鋳物砂12を円滑に鋳物砂貯留部44に貯留することができる。さらに、閉鎖貯留掃出し板46は、鋳物砂12上面をならした後に、鋳物砂貯留部44に貯留された鋳物砂12を掃き出して、鋳物砂ならし部材38の次の鋳物砂12上面のならしの準備をすることができる。このように、閉鎖貯留掃出し板46の一連の無駄のない動きで、鋳物砂12の投入、鋳物砂12上面のならし、及び次の造型の鋳物砂12上面のならしの準備を迅速に行うことができる。
【0051】
また、基端部がガイド筒部28の切欠き開口部36上端に回動可能に軸支されるとともに、先端部が湾曲貯留部44cの湾曲面に沿って摺動可能に設けられ、回動位置決め駆動装置48により、閉鎖貯留掃出し板46を閉鎖位置S、貯留位置T及び掃出し位置に回動して位置決め可能とするという簡素な構造で、鋳物砂12の投入時の切欠き開口部36の閉鎖、鋳物砂
12上面をならす際の切欠き開口部36の開放及び鋳物砂12の貯留、及び鋳物砂12の掃き出しによる次の鋳物砂12上面のならし準備という作業を、無駄なくかつ迅速に実行することができる。
【0052】
なお、上記実施形態では、鋳物砂貯留部44を、一方端部から反対側の他方端部に向かって横方向から縦方向に湾曲形成された湾曲貯留部としたが、これに限定されず、例えば
図10に示すように、鋳物砂貯留部を湾曲させないで傾斜面54で形成してもよく、
図11に示すように、水平面56で形成してもよい。
【0053】
また、鋳物砂ならし部材を溶接によりガイド筒部に固定するものとしたが、これに限定されず、例えば、プレス加工や絞り加工によってガイド筒部と一体に形成するものでもよい。
【0054】
また、スクイズ作業において背面側スクイズだけを行なうものとしたが、これに限定されず、例えば、上盛枠が重ねられた鋳枠の下に下盛枠を重ね合わせた重合枠とし、スクイズ作業において、背面側スクイズの後に模型面側からスクイズテーブルを押圧し、模型定盤を鋳枠に対して上方に相対移動させることで、模型面側からのスクイズを行なうものでもよい。さらに、模型面側からのスクイズと背面側からのスクイズとを両方行うものでもよい。
【0055】
また、閉鎖貯留掃出し板46は、基端部がガイド筒部の切欠き開口部36上端に回動可能に軸支され、先端部が湾曲貯留44c部の湾曲面に沿って摺動可能に設けられるものとしたが、これに限定されず、例えば、閉鎖位置で切欠き開口部を閉鎖する第1の閉鎖板と、貯留位置で鋳物砂貯留部の後端部を閉鎖する第2の閉鎖板とを有するものでも良い。
【0056】
また、閉鎖位置と掃出し位置とを同じ位置としたが、これに限定されず、例えば掃出し位置がガイド筒部の内側又は外側にずれていても良い。
【0057】
また、先鋭端部42を先端部が垂直な平面を有し(
図2参照)、該平面に交差する先端上面42aを有するものとしたが、これに限定されず、例えば、垂直な平面ではなく湾曲状の凸面でもよい。
【0058】
また、ガイド筒部をホッパとは別体のものとしたが、これに限定されず、例えばガイド筒部をホッパとが一体に形成されるものでもよい。
【0059】
斯様に、上記した実施の形態で述べた具体的構成は、本発明の一例を示したものにすぎず、本発明はそのような具体的構成に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の態様を採り得るものである。