特許第6239997号(P6239997)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239997
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】冷却器
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20171120BHJP
   H01L 23/40 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H01L23/46 Z
   H01L23/40 Z
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-29311(P2014-29311)
(22)【出願日】2014年2月19日
(65)【公開番号】特開2015-154035(P2015-154035A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000107538
【氏名又は名称】株式会社UACJ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100172409
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 朗宏
(72)【発明者】
【氏名】枝 義弥
(72)【発明者】
【氏名】諸井 努
(72)【発明者】
【氏名】細川 俊之
【審査官】 木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−010195(JP,A)
【文献】 特開2005−064382(JP,A)
【文献】 特開平3−153095(JP,A)
【文献】 米国特許第6367544(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0082377(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/34−23/473
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋部材と、
第一の流路部と、
第二の流路部と、
を備え、
前記蓋部材の外面に第一の発熱体が設けられ、前記第二の流路部の外面に第二の発熱体が設けられ、
前記第一の発熱体の使用温度と、前記第二の発熱体の使用温度とが異なり、
前記第一の流路部と、前記第二の流路部との間に断熱層が設けられた、
ことを特徴とする冷却器。
【請求項2】
前記断熱層が気体を含む空間である、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
前記断熱層が複数の開口部を備え、
前記複数の開口部が前記空間を介して連通する、
ことを特徴とする請求項2に記載の冷却器。
【請求項4】
前記断熱層の外縁部にロウ溜まり部が設けられた、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の冷却器。
【請求項5】
前記ロウ溜まり部にアルミニウム繊維が設けられた、
ことを特徴とする請求項4に記載の冷却器。
【請求項6】
前記ロウ溜まり部に溝が設けられた、
ことを特徴とする請求項4に記載の冷却器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電力機器制御用の半導体素子を内蔵した半導体モジュールの放熱を行うため、平板状の水冷プレートが使われている。近年、搭載効率を高めるため、平板状の水冷プレートの両面に発熱素子が配置されるようになってきた。その際、両面の素子の発熱密度あるいは許容温度が異なる場合には、水冷プレートの一方の面ともう一方の面との間に温度差が生じ、温度の低い面に反対側の面(温度の高い面)からの熱が伝わることがあった。このため、平板状の水冷プレートの流路を2層にして、水冷プレートの両面の素子の条件に合った過不足の無い冷却性能を有する流路を設けられてきた。このようにすることによって、許容温度が高い半導体素子が設けられる面が高い冷却性能を有するようにすることができ、製造コストの低減や手間を省くことができるようになった。
【0003】
しかしながら、上述の2層構造を有し、それぞれの面に適した流路が設けられても、発熱密度あるいは許容温度の違いから、依然として両面に温度差が生じることがあった。そして、温度が高い側から温度が低い側に熱が伝わってしまい、温度が低い側の流路内を流れる冷却水の温度を上昇させ、許容温度の低い側の半導体モジュールの温度を上昇させてしまうことがあった。
【0004】
このような素子間の温度の伝わり方を改善するために、特許文献1および特許文献2が提案されてきた。
【0005】
特許文献1には、素子の配置が重ならないようにずらす方法が記載されているが、素子の配置が変えられない冷却器への適用は困難であった。また、特許文献1の方法は自然空冷に関連する装置であり、流路内の冷却媒体の温度上昇を解決するものではない。
【0006】
また、特許文献2の放熱体においては、平板状の水冷プレートの両面に素子を配置する構造ではなく、発熱量が異なる素子毎に放熱体が必要なため、搭載効率を高くすることが難しく、それゆえに多数の発熱素子を冷却することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−124400号公報
【特許文献2】特開2012−28714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、高い冷却効率を有し、かつ、省スペース化された冷却器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明にかかる冷却器は、
蓋部材と、
第一の流路部と、
第二の流路部と、
を備え、
前記蓋部材の外面に第一の発熱体が設けられ、前記第二の流路部の外面に第二の発熱体が設けられ、
前記第一の発熱体の使用温度と、前記第二の発熱体の使用温度とが異なり、
前記第一の流路部と、前記第二の流路部との間に断熱層が設けられた、
ことを特徴とする。
【0010】
前記断熱層が気体を含む空間であってもよい。
【0011】
前記断熱層が複数の開口部を備え、
前記複数の開口部が前記空間を介して連通してもよい。
【0012】
前記断熱層の外縁部にロウ溜まり部が設けられてもよい。
【0013】
前記ロウ溜まり部にアルミニウム繊維が設けられてもよい。
【0014】
前記ロウ溜まり部に溝が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高い冷却効率を有し、かつ、省スペース化された冷却器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る冷却器の外観形状を模式的に示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る冷却器の内部構造および熱の伝わり方を模式的に示す断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る、流路を備える冷却器の内部構造を模式的に示す分解斜視図である。
図4】本発明の変形例に係る、インナーフィンが設けられた流路を備える冷却器の内部構造を模式的に示す分解斜視図である。
図5】本発明の変形例に係る、ロウ溜まり部が設けられた中間断熱層部材の構造を模式的に示す上面図である。
図6】本発明の変形例に係る、ロウ溜まり部にアルミニウム繊維が配置された中間断熱層部材の構造を模式的に示す上面図である。
図7】本発明の変形例に係る、ロウ溜まり部に細い溝が配置された中間断熱層部材の構造を模式的に示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る冷却器について詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施形態に係る冷却器100の外形を模式的に示す斜視図である。図2は本発明の実施形態に係る冷却器100の内部構造を模式的に示す断面図である。図1に示すように、冷却器100は、蓋部材1、冷却媒体の流入口2、冷却媒体の流出口3、開口部4を備える。冷却器100の外形寸法は本発明の効果を奏する範囲で適宜選択され、以下に限定されるものではないが、たとえば、厚さ30mm〜50mm×幅200mm〜300mm×長さ500mm〜600mmなどが用いられる。なお、開口部4は冷却器100の奥行き方向を貫通するように設けられている(奥行き側の開口部は図示せず)。本発明の実施形態においては、冷却媒体としては、たとえば、水、不凍液などが用いられる。図2に示すように、平板状の冷却器100においては、蓋部材1の外面(図2中、蓋部材1の上面)および第二の流路部11の外面(図2中、第二の流路部11の下面)にそれぞれ使用温度が異なる発熱体(半導体モジュール5、高温半導体モジュール6(第二の発熱体)および低温半導体モジュール7(第一の発熱体))が設けられる。本発明の実施形態においては、高温半導体モジュール6の使用温度は半導体モジュールの使用温度よりも高く、半導体モジュール5の使用温度は低温半導体モジュール7の使用温度よりも高い。半導体モジュール5、高温半導体モジュール6および低温半導体モジュール7の寸法は本発明の効果を奏する範囲で適宜選択され、以下に限定されるものではないが、たとえば、幅130〜150mm×長さ185〜195mmなどが用いられる。また、半導体モジュール5、高温半導体モジュール6および低温半導体モジュール7の使用温度は本発明の効果を奏する範囲で適宜選択され、以下に限定されるものではないが、たとえば、それぞれ、40〜60℃、75〜85℃、25〜35℃などが用いられる。また、冷却器100は、2層構造の流路部(第一の流路部9および第二の流路部11)を備え、第一の流路部9と第二の流路部11との間には、中間断熱層部材10内に配置された断熱層12が設けられている。断熱層12は、第一の流路部9および第二の流路部11と隔てられた空気の層を有する中空状の空間である。また、断熱層12以外の部分では、中間断熱層部材10の中実状の部分を介して第一の流路部9と第二の流路部11とが熱的に接合されている。なお、第二の流路部11の外面(図2中、下面)は、冷却器100の蓋の役割を有する。
【0019】
蓋部材1、流入口2、流出口3、第一の流路部9、中間断熱層部材10、第二の流路部11のそれぞれは、たとえば、JIS A1050合金などのアルミニウム合金、銅、ステンレスなどの熱伝導性の高い材料で形成される。
【0020】
図3は、本発明の実施形態に係る、流路15を備える冷却器100の内部構造を模式的に示す分解斜視図である。なお、図3および後述する図4においては、図面の簡略化のため、半導体モジュール5、高温半導体モジュール6および低温半導体モジュール7は図示されていない。図3に示すように、第一の流路部9は、その内部に、流路15と、孔30と、を備え、第二の流路部11は、その内部に、流路15と、孔30と、を備える。第一の流路部9および第二の流路部11の寸法は本発明の効果を奏する範囲で適宜選択され、以下に限定されるものではないが、たとえば、厚さ10〜20mm×幅200〜300mm×長さ500〜600mmなどが採用される。また、第二の流路部11の下部に流入口2および流出口3が設けられ、孔30と接続される。流路15および孔30は、流入口2から流入する冷却媒体が冷却器100の内部を流れた後、流出口3から流出するようにする機能を有する。第一の流路部9および第二の流路部11において流路15を形成する方法としては、たとえば、圧延板から切削などによって機械加工する方法や、鍛造、ダイカスト等で形成する方法が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。また、流路15の幅や高さは本発明の効果を奏する範囲で適宜選択され、たとえば、幅が約1〜2mmの細溝であってもよいし、約5mmの中程度の幅を有する溝などであってもよい。
【0021】
また、図3に示すように、中間断熱層部材10は、その内部に、断熱層12と、孔30と、複数の開口部4と、を備える。上述のように、断熱層12は、第一の流路部9および第二の流路部11とは隔てられた空気層を有する空間である。複数の開口部4は、空気層からなる断熱層12内部の空間を介して貫通するように(すなわち、図2中、奥行き方向に断熱層12内部の空間を貫通するように)設けられており、断熱層12内部の暖められた空気の冷却器100の外への排出を容易にし、断熱層12による断熱の効果を持続させる効果を有する。開口部4の寸法および数は、本発明の効果を有する範囲で適宜選択され、寸法は、たとえば、深さ1〜3mm×幅5〜15mm×長さ20〜40mmなどが採用され、また、図3および後述する図4においては開口部4の数は2つであるが、3つでもよいし、4つでもよいし、それ以上の数であってもよい。また、開口部4がなくてもよい。
【0022】
以下、冷却器100の製造方法(組み立て方法)を説明する。冷却器100の製造方法(組み立て方法)は本発明の効果を奏する範囲で適宜選択され、以下に限定されるものではないが、たとえば、NB(Nocolok Blazing)ロウ付け法等を用いることができる。以下、NBロウ付け法を用いた冷却器100の製造方法を説明する。
【0023】
はじめに、蓋部材1を、たとえば、圧延などによって作成する。また、第一の流路部9および第二の流路部11を、上述のように、たとえば、圧延板から切削などによって機械加工する方法や、鍛造、ダイカスト等で形成する方法によって作成する。また、中間断熱層部材10も、第一の流路部9および第二の流路部11と同様、たとえば、圧延板から切削などによって機械加工する方法や、鍛造、ダイカスト等で形成する方法によって作成する。また、冷却媒体用の流入口2および流出口3を、たとえば、切削、鍛造、ダイカスト等で形成する方法によって作成する。
【0024】
次に、下から順に、第二の流路部11、中間断熱層部材10、第一の流路部9、蓋部材1を積層し、第二の流路部11の下に流入口2および流出口3を設ける。積層する際、これらの構成部材の間に、たとえば、フッ素系化合物などのフラックスを塗布したブレージングシートなどを配置する。また、積層する際、流入口2、流出口3、孔30を冷却媒体が通るようにそれぞれの位置を合わせる。ブレージングシートの材質、寸法などは本発明の効果を奏する範囲で適宜選択され、以下に限定されるものではないが、たとえば、厚さが0.1mm以上0.2mm以下で、ロウ付け可能なJIS A1000系合金あるいはJIS A3000系合金の芯材の両面にJIS A4045合金を10%クラッドされたものなどが用いられる。また、接合用のロウ材は本発明の効果を奏する範囲で適宜選択され、ブレージングシートに限らず、ペーストロウ(たとえば、粉末のロウ材、バインダー、および、フラックスの混合物)等を用いてもよい。
【0025】
ついで、積層された上述の構成部材を、たとえば窒素雰囲気環境で、たとえば580℃以上630℃以下の温度に加熱したロウ付け炉に入れて加熱し、たとえば、1分間以上5分間以下保持して、ブレージングシートのロウ材を溶融させて、上述の構成部材を一体に接合する。
【0026】
以上の工程によって、冷却器100が製造される。
【0027】
上述のように、ロウ付け法を用いて冷却器100を製造することによって、安価かつ効率的に、冷却媒体が漏れないように上述の構成部材を一体に接合することができる。また、冷却器100の製造工程においては面接合が用いられるため、構成部材間の接合に十分な強度が得られ、必ずしも接合部分にフィレットが必要ではなく、接合に必要なロウ材の量を低減することができる。
【0028】
以下、冷却器100の構造の効果を述べる。
【0029】
従来の冷却器においては、たとえば、使用温度が高温側の半導体モジュールの温度が80℃で、低温側の半導体モジュールの温度が30℃の場合、両面の温度が均一にはならないものの、低温側の温度が上昇してたとえば50℃になり、高温側の温度が低下してたとえば60℃となるように、冷却器の一方の面ともう一方の面との間で伝熱されてしまうことがあった。また、このような伝熱を抑制するための冷却器の構造は、半導体モジュールなどの素子の配置をずらすことが必要であったり、発熱量が異なる素子毎に放熱体が必要なために搭載効率を高くすることが難しく、多数の発熱素子を冷却することが困難であったりしていた。
【0030】
一方、図2に示すように、冷却器100は、第一の流路部9の流路15と、第二の流路部11の流路15からなる2層の流路の間に、断熱層12が設けられた中間断熱層部材10を備える。そのため、冷却器100は、平板状の冷却器100の厚さ方向の略中央部の断熱したい箇所に空間からなる断熱層12を備え、断熱層12内部の空気によって第一の流路部9と第二の流路部11との間を断熱することによって、特別な部材を設けることなく、高温半導体モジュール6を第二の流路部11によって冷却し、低温半導体モジュール7を第一の流路部9によってそれぞれ冷却することができる。すなわち、冷却器100は、第一の流路部9と第二の流路部11との間に、断熱したい部分のみを薄く加工した平板部材(中間断熱層部材10)を挟むことで、両面の流路(第一の流路部9の流路15と第二の流路部11の流路15)同士の、図2中、矢印14で示される方向の伝熱を抑制することができる。
【0031】
また、冷却器100は、板厚方向の略中央部に断熱層12を備えることで、冷却器100の面内で伝熱させたい部分と伝熱させたい部分とが混在している場合でも、所望の断熱および伝熱の効果を得ることができる。すなわち、図2に示すように、通常の温度の半導体モジュール5が配置された箇所には断熱層12がなく、高温半導体モジュール6および低温半導体モジュール7が配置された箇所に断熱層12が設けられているため、半導体モジュール5が配置された箇所では矢印14の方向に伝熱させることができ、高温半導体モジュール6および低温半導体モジュール7が配置された箇所では矢印14の方向の伝熱を抑制することができる。
【0032】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、使用温度が違う複数の発熱素子(たとえば、パワー半導体モジュール等)が両面に配置されている場合などにおいても、反対側の面からの伝熱によって温度が上昇することなく効率的に冷却可能であり、かつ、搭載効率に優れた冷却器100を実現できる。すなわち、本発明の実施形態によれば、素子からの発熱量の増大に対応することが可能であり、なおかつ、省スペース化を可能とする冷却器100を実現できる。
【0033】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば種々の変形が可能である。たとえば、本発明の実施形態においては、冷却媒体として、水や不凍液を用いた形態について説明したが、空気や二酸化炭素などの気体を用いてもよい。
【0034】
また、上記実施形態においては、断熱層12の空間が空気を含むことで断熱する形態について説明したが、空気以外によって断熱してもよく、本発明の効果を奏する範囲で適宜選択され、以下に限定されるものではないが、たとえば、酸素や二酸化炭素などの気体によって断熱してもよいし、ポリスチレンフォームなどのプラスチック系の断熱材や、グラスウールなどの鉱物系の断熱材を空間内に充填することによって断熱してもよい。また、上記実施形態においては、開口部4が空間を介して貫通している形態について説明したが、開口部4が空間を介して貫通していない形態においても、断熱層12は断熱効果を奏し、冷却器100は本発明の効果を奏することができる。
【0035】
また、図4に示すように、冷却器110の第三の流路部17(高温側)および第四の流路部18(低温側)が、冷却媒体が通る流路部にインナーフィン16を備えていてもよい。インナーフィン16を備えることによって、冷却媒体が冷却器110の内部を通過する際の第三の流路部17および第四の流路部18の内部での伝熱性能を向上させることができる。インナーフィン16を設ける空間19(高温側)および空間20(低温側)を形成する方法としては、圧延板から切削などによって機械加工する方法や、鍛造、ダイカスト等で形成する方法が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。また、インナーフィン16に使用されるフィンには、コルゲート加工されたフィンや押出による櫛フィン、鍛造によるピンフィンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
また、図5に示すように、中間断熱層部材10の断熱層12の外縁部にロウ溜まり部21を設けてもよい。こうすることによって、断熱層12の部分や開口部4が溶融した余剰なロウで塞がれることを抑制することができ、冷却器の冷却効率を一層高めることができる。
【0037】
また、図6に示すように、中間断熱層部材10のロウ溜まり部21に、溶融したロウが溜まりやすいよう、たとえば数十〜数百μmの長さのアルミニウム繊維22を設けてもよい。こうすることによって、溶融した余剰なロウが発生した場合に、毛細管現象によってアルミニウム繊維22にロウが吸着されるため、断熱層12や開口部4が余剰なロウで塞がれることを一層抑制することができ、冷却器の冷却効率をより一層高めることができる。
【0038】
また、図7に示すように、中間断熱層部材10のロウ溜まり部21に余剰なロウが溜まりやすいよう、たとえば、溝の幅が1〜3mm、長さが10mmなどの多数の微細溝23を設けてもよい。こうすることによって、溶融した余剰なロウが発生した場合に、毛細管現象によって微細な溝の部分にロウが吸着されるため、断熱層12や開口部4が余剰なロウで塞がれることを一層抑制することができ、冷却器の冷却効率をより一層高めることができる。
【0039】
また、上記実施形態においては、複数の開口部4が貫通する形態について説明したが、複数の開口部4の接続形態は貫通に限定されるものではなく、たとえば、複数の開口部4が連通することによって断熱層12の内部の熱を冷却器の外に排出してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 蓋部材
2 流入口
3 流出口
4 開口部
5 半導体モジュール
6 高温半導体モジュール
7 低温半導体モジュール
9 第一の流路部
10 中間断熱層部材
11 第二の流路部
12 断熱層
14 伝熱による熱の移動方向
15 流路
16 インナーフィン
17 第三の流路部
18 第四の流路部
19 空間
20 空間
21 ロウ溜まり部分
22 アルミニウム繊維
23 微細溝
30 孔
100 冷却器
110 冷却器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7