特許第6240007号(P6240007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6240007フレキシブルプリント基板の製造方法およびフレキシブルプリント基板の製造に用いられる中間生成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6240007
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】フレキシブルプリント基板の製造方法およびフレキシブルプリント基板の製造に用いられる中間生成物
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20171120BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H05K3/46 G
   H05K3/46 B
   H05K1/03 670Z
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-54823(P2014-54823)
(22)【出願日】2014年3月18日
(65)【公開番号】特開2015-177164(P2015-177164A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年1月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230249
【氏名又は名称】日本メクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雅郎
【審査官】 ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−094191(JP,A)
【文献】 特開2002−064271(JP,A)
【文献】 特開2006−173530(JP,A)
【文献】 特開2004−152964(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/040393(WO,A1)
【文献】 特開2009−260186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
H05K 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状であると共に電気的な絶縁性を備える第1ベース材と導電性を有する第1導体層を有する連続ベース材を引き出して、その連続ベース材に各層を積層して多層化を行うフレキシブルプリント基板の製造方法であって、
前記連続ベース材に対して矩形状の接着材シートを積層する接着材積層工程と、
電気的な絶縁性を備える第2ベース材と導電性を備える第2導体層を有し、かつ矩形状のビルドアップ基材を前記接着材シートに対して位置合わせしつつ貼り合わせ、その貼り合わせの後に加圧・加熱を行うビルドアップ基材積層工程と、
を備え、
前記接着材シートは、前記ビルドアップ基材よりも長く裁断されると共に、
前記接着材積層工程では、隣り合う前記接着材シートの端部同士が重なり合う重ね合わせ部が形成される、
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のフレキシブルプリント基板の製造方法であって、
前記接着材積層工程では、前記重ね合わせ部が形成されるのに先立って、その重ね合わせ部において前記第1ベース材側に位置する前記接着材シートから保護材を剥がす、
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載のフレキシブルプリント基板の製造方法であって、
前記接着材積層工程では、前記接着材シートのうち前記重ね合わせ部が形成されない端部側には粘着ローラが押し当てられて前記保護材を前記接着材シートから剥がすきっかけを形成する、
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント基板の製造方法であって、
前記ビルドアップ基材積層工程では、大気圧よりも低い10000Pa以下の圧力下で前記接着材シートに対して前記ビルドアップ基材が貼り合わされる、
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント基板の製造方法であって、
前記接着材積層工程では、前記接着材シートのうち重ね合わせ部が形成されるのとは反対側の端部を前記連続ベース材よりも突出させ、その突出部分が前記連続ベース材の端部側を覆って覆い部を形成する、
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法。
【請求項6】
長尺状であると共に電気的な絶縁性を備える第1ベース材と導電性を有する第1導体層を有する連続ベース材を引き出して、その連続ベース材に各層を積層して多層化を行うフレキシブルプリント基板の製造に用いられる中間生成物であって、
前記連続ベース材に対して矩形状の接着材シートが積層され、
前記接着材シートに対して、電気的な絶縁性を備える第2ベース材と導電性を備える第2導体層を有し、かつ矩形状のビルドアップ基材を前記接着材シートに対して位置合わせしつつ貼り合わされていて、
隣り合う前記接着材シートの端部同士を重ね合わせて重ね合わせ部が形成されている、
ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造に用いられる中間生成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント基板の製造方法およびフレキシブルプリント基板の製造に用いられる中間生成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フレキシブルプリント基板(Flexible printed circuits;以下、基板とする)においては、電子機器の小型化および高機能化に伴って、高密度化の要求が高まっている。かかるフレキシブル基板には片面基板、両面基板、および多層基板があるが、片面基板と両面基板はロールトゥーロールの連続工法で製造する方が大量生産には好ましい。反面、多層基板は厚みが増すことから製品の巻き取りが難しく、連続工法での流動は困難とされているため、裁断した矩形状のシート材を張り合わせて流動する短冊工法が一般的となっている。このことから、片面基板、両面基板を製造するラインと多層基板を製造するラインは異なっている。
【0003】
ところで、連続工法で製造できる両面基板は、層間の接続にめっき手法を採用する場合においても連続めっきラインを適用できることから、厚みばらつきが小さく均一なめっき皮膜(±10%以内)を形成することが可能である。一方で、多層基板の場合は、短冊工法を用いるので、電界集中のばらつき等が影響して、厚みばらつきが大きなめっき皮膜(±30%以上)となってしまう。
【0004】
そのため、上述の連続めっきラインでめっき皮膜の形成ができる多層基板の製造方法が求められている。
【0005】
このような連続ラインで多層基板を製造するための技術としては、たとえば特許文献1〜3に開示のものがある。これらのうち、特許文献1には、NCドリル加工の効率化を図るべく複数枚の基板を重ねてドリル加工を行い、樹脂テープで連続化し、その後に層間の接続を形成するために連続めっきラインでのめっき皮膜を形成する手法が開示されている。また、特許文献2には、短冊工法でパターニングした基材(内層回路)をロール状の基材(接着材層)でラミネートして連続化する手法が開示されている。また、特許文献3には、積層する基材の端部が階段状に形成する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4838155号公報
【特許文献2】特開2002−164651号公報
【特許文献3】特許第5075568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、連続ベース材に矩形状の基材をビルドアップして連続的に流動させながら多層のフレキシブル基板を製造する場合、矩形状の基材の端部側にポケット状の空間部が形成される場合がある。その場合、たとえばエッチング等のようなウェット処理での薬液の持ち出しが生じ、その薬液の持ち出しによる不具合が発生する虞がある。また、上述のようなポケット状の空間部が形成されると、導電化皮膜形成時に不連続点が発生し、その不連続点の発生によって、めっきの付きまわりが悪化してしまう。
【0008】
ここで、ビルドアップする矩形状の基材が、ベース材の片面に導体層が設けられているような、厚みがたとえば40〜50μmのような片面積層板の場合には、矩形状の基材間の段差が比較的小さいので、上記のようなポケット状の空間部が形成されても、水洗槽での洗浄によって薬液の持ち出しを抑制することはできる。しかしながら、ビルドアップする矩形状の基材が、両面積層板、3層積層板や4層積層板のような多層基板になると、基材間の段差が100μmを超える場合がある。また、ビルドアップする矩形状の基材の間の間隔が、当該基材や接着材シートの貼り付けばらつきにより狭くなってしまうことがある。すると、水洗槽での洗浄性が悪化すると共に、導電化皮膜の形成時に不連続点が形成され易くなる。そのため、かかるポケット状の空間部が形成されないことが望まれている。
【0009】
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、多層基板をビルドアップする場合でも、ポケット状の空間部が形成されるのを防止することが可能なフレキシブルプリント基板の製造方法およびフレキシブルプリント基板の製造に用いられる中間生成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によると、長尺状であると共に電気的な絶縁性を備える第1ベース材と導電性を有する第1導体層を有する連続ベース材を引き出して、その連続ベース材に各層を積層して多層化を行うフレキシブルプリント基板の製造方法であって、連続ベース材に対して矩形状の接着材シートを積層する接着材積層工程と、電気的な絶縁性を備える第2ベース材と導電性を備える第2導体層を有し、かつ矩形状のビルドアップ基材を接着材シートに対して位置合わせしつつ貼り合わせ、その貼り合わせの後に加圧・加熱を行うビルドアップ基材積層工程と、を備え、接着材シートは、ビルドアップ基材よりも長く裁断されると共に、接着材積層工程では、隣り合う接着材シートの端部同士が重なり合う重ね合わせ部が形成される、ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法が提供される。
【0011】
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、接着材積層工程では、重ね合わせ部が形成されるのに先立って、その重ね合わせ部において第1ベース材側に位置する接着材シートから保護材を剥がす、ことが好ましい。
【0012】
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、接着材積層工程では、接着材シートのうち重ね合わせ部が形成されない端部側には粘着ローラが押し当てられて保護材を接着材シートから剥がすきっかけを形成する、ことが好ましい。
【0013】
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、ビルドアップ基材積層工程では、大気圧よりも低い10000Pa以下の圧力下で接着材シートに対してビルドアップ基材が貼り合わされる、ことが好ましい。
【0014】
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、接着材積層工程では、接着材シートのうち重ね合わせ部が形成されるのとは反対側の端部を連続ベース材よりも突出させ、その突出部分が連続ベース材の端部側を覆って覆い部を形成する、ことが好ましい。
【0015】
また、本発明の第2の観点によると、長尺状であると共に電気的な絶縁性を備える第1ベース材と導電性を有する第1導体層を有する連続ベース材を引き出して、その連続ベース材に各層を積層して多層化を行うフレキシブルプリント基板の製造に用いられる中間生成物であって、連続ベース材に対して矩形状の接着材シートが積層され、接着材シートに対して、電気的な絶縁性を備える第2ベース材と導電性を備える第2導体層を有し、かつ矩形状のビルドアップ基材を接着材シートに対して位置合わせしつつ貼り合わされていて、隣り合う接着材シートの端部同士を重ね合わせて重ね合わせ部が形成されている、ことを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造に用いられる中間生成物が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、多層基板をビルドアップする場合でも、ポケット状の空間部が形成されるのを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施の形態の第1工程を示す図であり、連続ベース材の構成を示す斜視図である。
図2】第2工程を示す図であり、連続ベース材に対してフォトレジスト層を形成した状態を示す側断面図である。
図3】第3工程を示す図であり、内層パターンを形成した状態を示す側断面図である。
図4】第4工程を示す図であり、導体層を覆うように矩形状のカバーフィルムをラミネートした状態を示す側断面図である。
図5】第5工程を示す図であり、接着材シートを仮接着して重ね合わせ部が形成される前の状態を示す側断面図である。
図6】接着材シートを仮接着して重ね合わせ部が形成された後の状態を示す側断面図である。
図7】開口が形成された接着材シートの構成を示す平面図である。
図8】保護材の一端側に粘着ローラを粘着させて保護材を剥がすきっかけとなる部分を形成するイメージを示す側断面図である。
図9】第6工程を示す図であり、接着材層の上方にビルドアップ基材を貼り合わせた状態を示す側断面図である。
図10】第7工程を示す図であり、キュア処理後の中間生成物に貫通孔および有底穴を形成した状態を示す側断面図である。
図11】第8工程を示す図であり、導電皮膜を形成した状態を示す側断面図である。
図12】第9工程を示す図であり、回路パターンの形成および裁断を行った状態を示す側断面図である。
図13】比較例に係り、重ね合わせ部が形成されない状態で接着材シートをラミネートした状態を示す側断面図である。
図14】比較例に係り、接着材層の上方にビルドアップ基材を貼り合わせた状態を示す側断面図である。
図15】比較例に係り、キュア処理後の中間生成物に貫通孔および有底穴を形成した状態を示す側断面図である。
図16】比較例に係り、導電皮膜を形成した状態を示す側断面図である。
図17】比較例に係り、回路パターンの形成および裁断を行った状態を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態に係るフレキシブルプリント基板Pの製造方法について、以下に説明する。なお、以下の説明においては、第1工程から第9工程について順次記載するが、各実施の形態におけるフレキシブルプリント基板Pの製造方法では、これ以外の種々の工程が存在していても良いのは勿論である。
【0019】
(1)第1工程:連続ベース材10の準備
図1は、連続ベース材10のロール状の状態を模式的に示す斜視図である。まず、図1に示すような連続ベース材10を準備する。連続ベース材10は、矩形状の基板ではなく、ロール状に巻回された部分から連続的に引き出し可能なものであり、処理後に再びロール状に巻回されるものである。
【0020】
かかる連続ベース材10は、図2に示す構成では、可撓性および電気的な絶縁性を有するベース材11の両面に導体層12を有している。ベース材11は、第1ベース材に対応する。ベース材11は、たとえばポリイミドフィルムから形成されているが、その材質は、可撓性および絶縁性を備えていれば、他のものであっても良い。また、導体層12は、第1導体層に対応する。導体層12は、たとえば銅箔等の金属箔であるが、導電性を有していれば、その材質は他のものであっても良い。
【0021】
また、連続ベース材10は、たとえば両面銅張積層板のような、ベース材11の両面に導体層12が設けられている両面積層板には限られない。たとえば、ベース材11の片面に導体層12が設けられている片面積層板(たとえば片面銅張積層板)であっても良い。また、両面積層板と片面積層板とを張り合わせた、導体層12が3層存在する3層基板であっても良く、両面積層板と両面積層板とを張り合わせた、導体層12が4層存在する4層基板であっても良く、それ以上の多層の導体層12を有する多層基板であっても良い。
【0022】
(2)第2工程:フォトレジスト層20の形成
図2は、連続ベース材10にドライフィルム(フォトレジスト層20)が積層された状態を示す側断面図である。上述のような連続ベース材10に対して、図2に示すように、導体層12をパターニングするために、ラミネータ等の装置を用いてドライフィルムを貼り付けて、フォトレジスト層20を形成する。そして、このフォトレジスト層20に対して紫外線等で露光を行う。図2では、上側のフォトレジスト層20に対しての露光により回路パターンが転写され、さらに現像によって未感光部分のフォトレジスト層20が除去された状態が示されている。なお、図2に示すような連続ベース材10にフォトレジスト層20が形成されたものを、中間生成物C1とする。
【0023】
(3)第3工程:内層パターン30の形成
次に、図3に示すようにエッチングを行って、現像後のフォトレジスト層20の存在しない導体層12の除去を行う。それにより、後にフレキシブルプリント基板Pの内部に存在する内層パターン30が形成される。以下では、図3に示すような導体層12の除去がなされたものを、中間生成物C2とする。
【0024】
なお、上記では、全体的に導体層12が存在する状態から不要部分を除去するサブトラクティブ工法について説明している。しかしながら、後のめっき等によって内層パターン30を形成するセミアディティブ工法を採用しても良い。
【0025】
(4)第4工程:カバーフィルム40のラミネートについて
次に、図4に示すように、導体層12を覆うように、矩形状のカバーフィルム40をラミネートする。それぞれのカバーフィルム40には、絶縁層41と、接着材層42が設けられている。絶縁層41は、電気的な絶縁性を有するフィルム状の部分であり、たとえばポリイミドフィルム等が該当する。また、接着材層42は、接着性を有すると共に加熱によって軟化して導体層12を覆う部分である。この接着材層42も、絶縁層41と同様に電気的な絶縁性を有している。以下では、図4に示すようなカバーフィルム40で覆われたものを、中間生成物C3とする。なお、本明細書においては、カバーフィルム40、後述する接着材シート50、および後述するビルドアップ基材60等は矩形状に形成されているが、その「矩形状」には「正方形状」や細長い「短冊状」が含まれることがあるものとして説明する。
【0026】
なお、以下の説明においては、隣り合うカバーフィルム40の間や、隣り合うビルドアップ基材60の間に形成される隙間を隙間Sとする。隙間Sは、通常、1mm〜2mm程度に設定されているが、隙間Sは1mmよりも狭くても良く、2mmよりも広くても良い。
【0027】
(5)第5工程:接着材シート50の仮接着について(接着材積層工程に対応)
次に、図5および図6に示すように、フィルム状の接着材シート50を仮接着(ソフトラミネート)する。図5は、接着材シート50を仮接着して重ね合わせ部53が形成される前の状態を示す側断面図である。また、図6は、接着材シート50を仮接着して重ね合わせ部53が形成された後の状態を示す側断面図である。
【0028】
以下では、この仮接着がなされたものを中間生成物C4とする。図5における接着材シート50は、接着材層51を有し、その接着材層51の表面側には、セパレータ等のような保護材52が貼り付けられている。しかしながら、以下の説明においては、接着材シート50から保護材52を剥がしたものも、ここでは接着材シート50とする。
【0029】
この仮接着では、フレキシブルプリント基板Pの基板構造によっては、接着材シート50に図7に示すような開口54が形成されている場合と形成されていない場合がある。開口54が形成されている等で接着材シート50の貼り合わせ精度が要求される場合には、たとえば画像認識装置を用いた画像認識により開口54やマーキングといった貼り合わせの際のターゲットを中間生成物C2と接着材シート50との間で確認しつつ貼り合わせを行う。また、貼り合わせ精度がさほど要求されない場合には、そのような画像認識を行わずに、たとえば接着材シート50が連続ベース材10側に向かう移動をガイドするガイドピンを用いる等により、貼り合わせを行うようにしても良い。
【0030】
ここで、図5および図6において、カバーフィルム40および接着材シート50(接着材層51)のうちX1側を一端側、X2側を他端側とすると、接着材シート50(接着材層51)の一端側は、カバーフィルム40の一端側よりも突出している。たとえば隙間Sの長さ(X方向の寸法)を1mmとした場合、接着材シート50の一端側を、カバーフィルム40の一端側よりも2mm程度長く突出させることができる。この場合、隣り合う接着材層51を1mm重ね合わせることができる。すなわち、本実施の形態では、隣り合う接着材層51の一端側と他端側を重ね合わせることで、重ね合わせ部53(図6参照)が形成されている。
【0031】
なお、重ね合わせ部53の長さは、後述するビルドアップ基材60の厚みに応じて、適宜変更することが可能である。その一例としては、0mmよりも大きいが5mm以下とするものがある。
【0032】
ここで、接着材シート50としては、接着材層51の両面にセパレータ等の保護材52が付与されているものが好ましい(図5では片面のみ図示)。そして、ロール状に巻回されている接着材シート50のうち片面側(一方の面側;下面側)の保護材52を剥がしながら接着材シート50の裁断を行い、所定の大きさのシート状部材として連続ベース材10に位置合わせを行いながら連続ベース材10に貼り合わせる。
【0033】
接着材シート50を順次貼り合わせる場合、先に貼付されている接着材シート50の他方の面側(上面側)の保護材52を剥がし、その後に次の接着材シート50を貼り合わせる。そのようにしないと、保護材52が重ね合わせ部53に挟まれてしまい、ビルドアップ基材60を接着材層51に接着する際の支障となるためである。
【0034】
上記のように、他方の面側(上面側;ベース材11から見て接着材シート50が位置する側)の保護材52を剥がす場合、先ず、保護材52を剥がすきっかけとなる部分を形成する。本実施の形態では、きっかけとなる部分は、図8に示すように、粘着ローラRを用いて形成している。図8に示すように、保護材52の一端側(X1側)に粘着ローラRを粘着させることで、剥がすためのきっかけとなる部分を形成することができる。たとえば、接着材層51と保護材52の間の粘着力よりも、保護材52と粘着ローラRとの間の粘着力が高くなるような粘着ローラRを、接着材層51が重ねられない端部側に粘着させて、その粘着ローラRを上方に持ち上げるか、または回転させることで、保護材52の剥がしを行うことができる。なお、かかる剥がしを行う場合、バキューム吸着を適用して連続ベース材10側を保持することが好ましい。
【0035】
なお、かかる他方の面側(上面側)の保護材52を剥がす場合、上述以外の手法を適用しても良い。たとえば、連続ベース材10およびカバーフィルム40のうち接着材シート50がラミネートされる部位に、あらかじめ直径1mm〜3mm程度の貫通孔を形成しておく。そして、その貫通孔に直径0.5mm〜2.5mm程度のピンを突き上げて接着材層51を貫通させ、それによって接着材層51の片面側(他方の面側)の保護材52の端部側を、接着材層51から浮き上がらせ、その浮き上がった部分をバキューム吸着等の手法で把持して剥がすようにしても良い。なお、かかる貫通孔が形成される部位は、重ね合わせ部53以外の部位が望ましい。
【0036】
また、たとえば先が曲がった針状の鈎状部材を用いて、上記の保護材52の端部を引っ掛けることで、当該保護材52を剥がすようにしても良い。
【0037】
ところで、図6では、接着材シート50(接着材層51)の一端側(X1側)に重ね合わせ部53が形成されている。一方、図5および図6に示すように、接着材シート50(接着材層51)の他端側(X2側)は、カバーフィルム40(連続ベース材10)の端部側を覆う覆い部55が設けられている。かかる覆い部55は、次のような機能を有している。
【0038】
連続体ではない矩形状のベース材に、カバーフィルム40を積層し、さらに接着材シート50を積層する場合、カバーフィルム40や接着材シート50において貼りずれが生じると、接着材シート50にはみ出し部分が生じ、そのはみ出し部分が他の製品等がくっついたりしてしまう。そのため、矩形状のベース材に対してカバーフィルム40および接着材シート50を貼り付けた後に、枠抜きによって、カバーフィルム40および接着材シート50の外縁側をカットして、外縁側を整えている。
【0039】
しかしながら、連続ベース材10を連続的に引き出し、その連続ベース材10にカバーフィルム40および接着材シート50を積層する場合、そのような枠抜きは行えない。一方で、上述のような貼りずれは、連続ベース材10においても生じる場合がある。そこで、本実施の形態では、カバーフィルム40よりも接着材シート50の寸法が若干突出するようにして、その突出部分がカバーフィルム40(連続ベース材10)の端部側を覆う覆い部55となっている。それにより、上述のような多少の貼りずれ等が生じても、はみ出し部分が他の製品等に貼り付いてしまうのを防止可能となる。また、覆い部55は接着材層51の余裕部分としても機能させることができるので、貼りずれによってカバーフィルム40が接着材層51で覆われない部分が形成されるのを防止可能となる。
【0040】
(6)第6工程:ビルドアップ基材50の貼り合わせについて(ビルドアップ基材積層工程に対応)
次に、図9に示すように、接着材層51の上方に、ビルドアップ基材60を貼り合わせる。図9は、ビルドアップ基材60を貼り合わせた状態を示す側断面図である。以下では、図9に示すようにビルドアップ基材60が貼り合わされたものを中間生成物C5とする。
【0041】
図9に示すビルドアップ基材60は、たとえば両面銅張積層板のような、絶縁性を有するベース材61の両面に導体層62が設けられている両面積層板となっている。しかしながら、ビルドアップ基材60は、両面積層板には限られず、絶縁性を有するベース材61の片面側に導電性を有する導体層62が存在する、たとえば片面銅張積層板のような片面積層板であっても良い。また、ビルドアップ基材60としては、両面積層板と片面積層板とを貼り合わせた、導体層が3層存在する3層基板であっても良く、両面積層板と両面積層板とを貼り合わせた、導体層が4層存在する4層基板であっても良く、それ以上の多層の導体層を有する多層基板であっても良い。
【0042】
なお、ベース材61は、第2ベース材に対応すると共に、導体層62は、第2導体層に対応する。
【0043】
かかるビルドアップ基材60の接着材層51に対する貼り合わせにおいても、上述した接着材シート50のラミネートにおける場合と同様の手法を用いることができる。すなわち、ビルドアップ基材60の貼り合わせ精度が要求される場合には、たとえば画像認識装置を用いた画像認識により開口54やマーキングといった貼り合わせの際のターゲットを確認して貼り合わせ、その貼り合わせの後にラミネートを行うようにしても良い。また、貼り合わせ精度がさほど要求されない場合には、そのような画像認識を行わずに、たとえばビルドアップ基材60が接着材層51側に向かう移動をガイドするガイドピンを用いる等により、貼り合わせを行うようにしても良い。
【0044】
また、貼り合わせたビルドアップ基材60をラミネートする手法としては、上述のような加熱・加圧ロールを有するロールラミネータを用いて加熱と加圧を行って実行しても良く、面状の加熱・加圧部材を用いて加熱と加圧を行うようにしても良い。かかる加熱と加圧を行うことにより、重ね合わせ部53が流動して流れ出す。それにより、図9に示すように、隙間Sが接着材層51で充填される状態となる。このとき、隙間Sに存在していた空隙にも、流れ出した接着材層51が入り込んで、接着材層51が充填される。それにより、隙間Sには、ウエットエッチング等の際に、薬液を持ち出す部分となるポケット状の空間部が形成されるのが防止される。
【0045】
なお、上述した面状の加熱・加圧部材を用いる場合、その加熱・加圧部材が隙間Sを跨ぐように位置することが好ましい。このように、加熱・加圧部材が隙間Sを跨ぐ場合、隙間Sにおける接着材層51の流動性を向上させることが可能となり、ポケット状の空間部が形成されるのを一層確実に防止可能となる。
【0046】
また、面状の加熱・加圧部材としては、ゴムマットのような柔らかい柔軟部材を用いる場合がある。かかる柔軟部材を用い、さらに柔軟部材を挟んでビルドアップ基材60の反対側からエア圧または流体圧を及ぼすことにより、ビルドアップ基材60を押圧する際の圧力を均一にすることが可能となる。また、柔軟部材を用いる場合、その柔軟部材は隙間Sに入り込むように追従させることができる。それにより、接着材層51の流動性を一層向上させることが可能となり、ポケット状の空間部が形成されるのを一層確実に防止可能となる。
【0047】
ここで、図9に示すラミネートは、大気圧下で行うようにしても良いが、真空吸引を行って大気圧よりも圧力の低い状態でラミネートするようにしても良い。このような大気圧よりも低い圧力としては、たとえば10000Pa以下とするものがある。
【0048】
なお、図9に示すラミネートを行う好適な例としては、面状の加熱・加圧部材を用い、雰囲気を10000Pa、加熱・加圧部材の温度を170度、積層プレスの圧力を2MPaとするものがある。また、上記のラミネートの後にはキュア処理を行い、接着材層51を加熱硬化させる。
【0049】
また、ビルドアップ基材60の導体層62のうち隙間S側に位置する端部は、接着材層51が流れ出す前には隙間Sに露出するものとしても良い。この場合、接着材層51が流れ出すと、導体層62が完全に接着材層51により覆われる(隠れる)状態としても良いが、導体層62が接着材層51で覆われずに完全に露出する状態としても良く、導体層62の一部が接着材層51で覆われる状態としても良い。
【0050】
ところで、上述のような重ね合わせ部53を形成しない場合、たとえば長さ1mmの隙間Sの落差(段差)は、100μmとなる場合がある。しかしながら、20μmの接着材シート50を用いて重ね合わせ部53を形成して試験した結果としては、隙間Sの落差(段差)を50μmまで低減することが可能となっている。なお、隙間Sの落差(段差)は50μmよりも低減されても良く、50μよりも大きくても(低減されなくても)良い。
【0051】
(7)第7工程:貫通孔71および有底穴72の形成について
続いて、図10に示すように、キュア処理後の中間生成物C5に対して、電気的な接続のための貫通孔71を形成し、さらに有底穴72を形成して、中間生成物C6を形成する。ここで、貫通孔71や有底穴72の形成は、たとえばUV−YAGレーザ、CO2 レーザ、エキシマレーザ等の各種のレーザを用いる手法がある。また、レーザ以外の手法として、NC装置を用いてドリル加工(孔開け加工)を行うようにしても良い。なお、たとえばUV−YAGレーザを用いて、さらには紺フォーマルマスク法におけるマスクを用いずに、レーザを直接照射することで、貫通孔71や有底穴72を形成することも好適である。
【0052】
(8)第8工程:導電皮膜80の形成について
次に、図11に示すように、中間生成物C6に対してめっきが付着し易いように導電化処理を行い、その後にめっき処理によりめっき皮膜(導電皮膜80)を形成する。かかる導電皮膜80の厚みとしては、たとえば12μmとするものがある。以下では、図11に示すような導電皮膜80が形成されたものを、中間生成物C7とする。
【0053】
ここで、上記したように、ビルドアップ基材60の導体層62のうち隙間S側の端部は、その隙間Sに露出している場合もある。その場合、導電化処理を行う際に、露出している導体層62を伝って導電化処理の際に皮膜が形成され易くなり、それによって導電皮膜80の付きまわりの安定性を向上させることができる。
【0054】
(9)第9工程:回路パターン90の形成および裁断について
次に、図12に示すように、めっき処理後の中間生成物C7に対して、上述したようなエッチング等の通常のフォトファブリケーション手法を用いて回路パターン90を形成する。その後に、回路パターン90が形成された中間生成物C7を裁断して、フレキシブルプリント基板Pを得る。図12では、一点鎖線Aを境に裁断されて、2つのフレキシブルプリント基板Pが形成された状態が図示されている。なお、回路パターン90は、上述の導体層12と同様に、サブトラクティブ工法で形成しても、セミアディティブ工法を採用しても、いずれでも良い。
【0055】
以上の製造方法をまとめると、連続ベース材10を用い、その連続ベース材10が裁断されずに連続的な状態を維持したままで多層の導電部を有する中間生成物C7まで形成し、その中間生成物C7に回路パターン90を形成した後に裁断することで、フレキシブルプリント基板Pを得る。この製造過程の途中において、接着材層51の重ね合わせ部53が形成され、その重ね合わせ部53に対して加熱・加圧することで、重ね合わせ部53の接着材層51が流れ出す。それにより、ポケット状の空間部が形成されるのを防止可能となる。
【0056】
[比較例について]
次に、本実施の形態に対する比較例につき説明する。比較例においては、上述の第1〜第4工程と同様の製造プロセスを行う。その後に、図13に示すように、フィルム状の接着材シート50をラミネートする。このとき、重ね合わせ部53は形成しない状態とする。すると、図13に示す例のように、カバーフィルム40に対する接着材シート50の位置ずれが生じる場合がある。
【0057】
次に、図14に示すように、接着材層51の上方に、ビルドアップ基材60を貼り合わせる。なお、かかる貼り合わせ工程は、上述した第6工程と同様である。このビルドアップ基材60の貼り合わせにおいても、図14に示すように、接着材シート50(接着材層51)に対して位置ずれが生じる場合がある。図14に示す構成では、このような位置ずれによって、接着材層51側の端部がカバーフィルム40およびビルドアップ基材60よりも相対的に窪み、その窪みによってポケット状の空間部Vが形成されている。
【0058】
そして、ポケット状の空間部Vが形成されてしまうと、たとえばエッチング等のようなウェット処理での薬液の持ち出しが生じ、その薬液の持ち出しによる不具合が発生する虞がある。また、ポケット状の空間部Vが形成されると、導電化皮膜形成時に不連続点が発生し、その不連続点の発生によって、めっきの付きまわりが悪化してしまう。
【0059】
以上のようなポケット状の空間部Vが存在したまま、続いて、図15から図17に示す工程を順次行う。図15は、上述した図10に示す第7工程と同様であり、図16は、上述した図11に示す第8工程と同様である。また、図17は、上述した図12に示す第9工程と同様である。そのため、これらの工程の詳細についての説明は省略する。
【0060】
(10)本実施の形態における効果
以上のように、本実施の形態では、第5工程(接着材積層工程に対応)において、隣り合う接着材シート50の端部同士が重なり合う重ね合わせ部53が形成されている。そのため、この重ね合わせ部53の存在により、当該重ね合わせ部53が存在しない場合と比較して隙間Sにおいて接着材層51の体積を多く確保することが可能となる。
【0061】
それにより、重ね合わせ部53を形成した後の第6工程(ビルドアップ基材積層工程)において、加熱・加圧を行うことで、重ね合わせ部53が流れ出す。そして、この流れ出しによって、隙間Sが接着材層51により充填される。また、この流れ出しに際しては、ポケット状の空間部Vにも接着材層51が充填される。それにより、図14等に示すようなポケット状の空間部Vが形成されたままの状態とするのを防止可能となる。このため、ポケット状の空間部Vに、ウェットエッチング等の際に用いられる薬液が入り込んで、その薬液が持ち出され、後の工程での薬液汚染等の不具合が生じるのを防止可能となる。
【0062】
また、ポケット状の空間部Vが接着材層51で充填されて、そのポケット状の空間部Vが形成されたままの状態とするのを防止できるので、後の第8工程における導電化処理の皮膜の付きまわりが悪くなるのを防止可能となり、導電皮膜80を形成する際に不連続点が発生するのを防止可能となる。それにより、導電皮膜80を形成する際に不連続点が発生するのを防止可能となる。
【0063】
さらに、重ね合わせ部53の存在により、隙間Sにおいて接着材層51の体積を多く確保できるので、第6工程で加熱・加圧を行うことで、隙間Sに接着材層51が流れ出す。それにより、隙間Sの段差を低減可能となる。かかる段差の低減によっても、導電皮膜80を形成する際に不連続点が発生するのを防止可能となる。
【0064】
また、本実施の形態では、第5工程(接着材積層工程に対応)では、重ね合わせ部53が形成されるのに先立って、その重ね合わせ部53において接着材層51から保護材52を剥がしている。このため、重ね合わせ部53を良好に形成することが可能となる。すなわち、重ね合わせ部53が形成されるのに先立って、保護材52を剥がさないと、重ね合わせ部53では保護材52が挟み込まれた状態となるが、重ね合わせ部53の形成に先立ち保護材52を剥がすことで、そのような挟み込みが防止され、重ね合わせ部53を良好に形成することが可能となる。
【0065】
さらに、本実施の形態では、第5工程(接着材積層工程)では、接着材シート50のうち重ね合わせ部53とは反対側の他端側(X2側)には、図8に示すように粘着ローラRが押し当てられて、保護材52を接着材シート50から剥がすきっかけを形成している。このため、接着材シート50側には、別途に貫通穴を形成する等の作業が不要となり、工数を削減可能となる。また、連続的かつ自動的に保護材52を剥がすことが可能となり、生産効率を向上させることが可能となる。
【0066】
また、本実施の形態では、第6工程(ビルドアップ基材積層工程)では、大気圧よりも低い10000Pa以下の圧力下で接着材シート50に対してビルドアップ基材60が貼り合わされている。このため、ビルドアップ基材60と接着材シート50(接着材層51)等の間に気泡が入り込むのを防止可能となる。
【0067】
ここで、接着材シート50においては、図7に示すような開口54が、接着材シート50の端部側に近く設けられる場合もある。そのような状態で、ビルドアップ基材60と接着材シート50(接着材層51)の間に気泡が入り込むと、後に気泡が膨れる等によって、開口54の周囲においてビルドアップ基材60が接着材シート50(接着材層51)から剥がれ、その剥がれが接着材シート50(接着材層51)の端部まで到達してしまう場合がある。そして、剥がれた部分から開口54に向かい薬液が入り込んでしまう場合がある。
【0068】
しかしながら、上述のような圧力下で接着材シート50に対してビルドアップ基材60が貼り合わされることで、開口54の周囲における剥がれが防止され、それによって開口54に向かい薬液が入り込んでしまうのを防止可能となる。すなわち、薬液の持ち出しを一層確実に防止可能となる。
【0069】
さらに、本実施の形態においては、第5工程(接着材積層工程)では、接着材シート50(接着材層51)のうち重ね合わせ部53が形成されるのとは反対側の他端側(X2側)を連続ベース材10よりも突出させている。そして、その突出部分が連続ベース材10の端部側を覆う覆い部55となっている。そのため、カバーフィルム40に対する接着材シート50の多少の貼りずれ等が生じても、貼りずれによる接着材層51のはみ出し部分が他の製品等に貼り付いてしまうのを防止可能となる。また、覆い部55は接着材層51の余裕部分としても機能させることができるので、貼りずれによってカバーフィルム40が接着材層51で覆われない部分が形成されるのを防止可能となる
【0070】
<変形例>
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
【0071】
上述の実施の形態においては、導電皮膜80は、めっきにより形成されるものとしている。しかしながら、導電皮膜80は、めっき以外により形成されても良い。たとえば化学的蒸着法や物理的蒸着法により導電皮膜80を形成しても良い。なお、導電皮膜80をめっきにより形成する場合、無電解めっきでも電解めっき他、どのようなめっきを用いても良い。
【0072】
また、回路パターンや導電皮膜80の形成には、インクジェット方式のような印刷手法を用いるようにしても良い。
【0073】
また、上述の実施の形態では、請求項における接着材シートに対応するものとして、接着材シート50を挙げている。しかしながら、請求項における接着材シートに対向するものとして、カバーフィルム40が含まれるようにしても良い。
【符号の説明】
【0074】
10…連続ベース材、11…ベース材(第1ベース材に対応)、12…導体層(第1導体層に対応)、20…フォトレジスト層、30…内層パターン、40…カバーフィルム、41…絶縁層、42…接着材層、50…接着材シート、51…接着材層、52…保護材、53…重ね合わせ部、54…開口、55…覆い部、60…ビルドアップ基材、61…ベース材(第2ベース材に対応)、62…導体層(第2導体層に対応)、71…貫通孔、72…有底穴、80…導電皮膜、C1〜C7…中間生成物、S…隙間、P…フレキシブルプリント基板、V…ポケット状の空間部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17