(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
室内の一部の所定位置に第一吸入口が配置されて前記第一吸入口より戻り空気として第一空気を吸入する第一吸入路と、室内に供給空気を供給する供給路と、運転の開始および停止の操作を行うコントローラとを備えるとともに、結露検出装置を備えた除湿装置であって、
前記結露検出装置は、
前記第一空気の絶対湿度を測定する第一絶対湿度測定部と、
前記供給路を通流する供給空気の絶対湿度を測定する供給絶対湿度測定部と、
前記第一絶対湿度測定部により測定された第一絶対湿度と、前記供給絶対湿度測定部により測定された供給絶対湿度とに基いて、前記所定位置に結露が発生していると判定する結露判定部と、を備えており、
前記結露判定部により結露が発生していると判定された時に、結露の発生を報知する報知部を前記コントローラに備えることを特徴とする除湿装置。
室内の一部の所定位置に第一吸入口が配置されて前記第一吸入口より戻り空気として第一空気を吸入する第一吸入路と、室内の前記所定位置以外に第二吸入口が配置されて前記第二吸入口より戻り空気として第二空気を吸入する第二吸入路と、運転の開始および停止の操作を行うコントローラとを備えるとともに、結露検出装置を備えた除湿装置であって、
前記結露検出装置は、
前記第一空気の絶対湿度を測定する第一絶対湿度測定部と、
前記第二空気の絶対湿度を測定する第二絶対湿度測定部と、
前記第一絶対湿度測定部により測定された第一絶対湿度と、前記第二絶対湿度測定部により測定された第二絶対湿度とに基いて、前記所定位置に結露が発生していると判定する結露判定部と、を備えており、
前記結露判定部により結露が発生していると判定された時に、結露の発生を報知する報知部を前記コントローラに備えることを特徴とする除湿装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来例においては、空調機器の内部の結露を検出することはできるが、室内の結露を検出するものではないため、使用者は目視以外に結露を認知することが困難なものであった。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、簡単な構成で、室内の結露の発生を精度よく検出するとともに、使用者が結露を認知することができる除湿装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、
室内の一部の所定位置に第一吸入口が配置されて前記第一吸入口より戻り空気として第一空気を吸入する第一吸入路と、室内に供給空気を供給する供給路と、運転の開始および停止の操作を行うコントローラとを備えるとともに、結露検出装置を備えた除湿装置であって、
前記結露検出装置は、
前記第一空気の絶対湿度を測定する第一絶対湿度測定部と、
前記供給路を通流する供給空気の絶対湿度を測定する供給絶対湿度測定部と、
前記第一絶対湿度測定部により測定された第一絶対湿度と、前記供給絶対湿度測定部により測定された供給絶対湿度とに基いて、前記所定位置に結露が発生していると判定する結露判定部と、を備えており、
前記結露判定部により結露が発生していると判定された時に、結露の発生を報知する報知部を前記コントローラに備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、
室内の一部の所定位置に第一吸入口が配置されて前記第一吸入口より戻り空気として第一空気を吸入する第一吸入路と、室内の前記所定位置以外に第二吸入口が配置されて前記第二吸入口より戻り空気として第二空気を吸入する第二吸入路と、運転の開始および停止の操作を行うコントローラとを備えるとともに、結露検出装置を備えた除湿装置であって、
前記結露検出装置は、
前記第一空気の絶対湿度を測定する第一絶対湿度測定部と、
前記第二空気の絶対湿度を測定する第二絶対湿度測定部と、
前記第一絶対湿度測定部により測定された第一絶対湿度と、前記第二絶対湿度測定部により測定された第二絶対湿度とに基いて、前記所定位置に結露が発生していると判定する結露判定部と、を備えており、
前記結露判定部により結露が発生していると判定された時に、結露の発生を報知する報知部を前記コントローラに備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、
通常の除湿運転を行う通常モードと、結露解消のために前記通常の除湿運転よりも強い除湿運転を行う結露解消モードと、を有し、
前記コントローラは、前記結露解消モードの開始および停止の操作を行う結露解消モード操作部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、請求項1〜3に係る発明において、デシカントシステムを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に係る発明にあっては、結露後に結露部周辺の空気の絶対湿度が低下することを利用したもので、第一絶対湿度測定部と供給絶対湿度測定部と、これらで測定される絶対湿度に基いて結露判定を行う結露判定部を設けるだけの簡単な構成で、室内の結露の発生を精度よく検出することが可能となり、更に、コントローラにより結露の発生が報知されて、使用者が結露を認知することができる。
【0012】
また、請求項2に係る発明にあっては、結露後に絶対湿度が低下することを利用したもので、第一絶対湿度測定部と第二絶対湿度測定部と、これらで測定される絶対湿度に基いて結露判定を行う結露判定部を設けるだけの簡単な構成で、室内の結露の発生を精度よく検出することが可能となり、更に、コントローラにより結露の発生が報知されて、使用者が結露を認知することができる。
【0013】
また、請求項3に係る発明にあっては、結露を認知した時に、結露解消モードを開始して、結露の解消を行うことができる。
【0014】
また、請求項4に係る発明にあっては、強力な除湿が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の結露検出装置を備えた除湿装置1について、
図1に示す第一実施形態に基いて説明する。結露検出装置は、室内の結露を検出するものである。
【0017】
除湿装置1は、換気機能、または、循環機能、または、換気機能および循環機能を有し、室内に除湿処理を施した供給空気SAを供給する。更に、除湿装置1は、前記に加えてヒートポンプを備えた冷凍装置、冷房装置(または暖房装置、冷暖房装置)であってもよいし、ヒートポンプを備えずに熱交換を行うものでもよい。
図1に示す第一実施形態では、外気OAを取り入れて室内に供給空気SAとして供給するとともに、室内空気(戻り空気RA)を取り込んで排気EAとして室外へ排出する換気機能を有する。除湿処理は、様々な方法が適宜用いられるが、デシカントシステムが用いられると、強力な除湿が可能となる。
【0018】
除湿装置1は、
図1に示すように、第一吸入路2と、第二吸入路3と、供給路4と、を備えている。
【0019】
第一吸入路2は、上流端に、戻り空気RAを吸入する第一吸入口20を備え、下流端は除湿装置1に接続されている。第一吸入口20は、室内の一部の所定位置に配置される。ここで、所定位置とは、窓際等、室内において結露が発生し易い箇所7(主に、窓や壁等を介して室外の冷気に接し易い箇所や、室内における冷部等)の近傍である。この第一吸入路2(および第一吸入口20)は、一般の除湿装置1は備えていない。
【0020】
除湿装置1は、第一吸入口20より吸入されて、第一吸入路2を通流する戻り空気RA(特に第一空気RA1とする)の絶対湿度(特に第一絶対湿度x1とする)を測定する第一絶対湿度測定部21を備える。絶対湿度の測定には、赤外線センサにより直接的に測定するものや、相対湿度と温度とから算出するもの等、様々な手段が適宜利用可能であり、特に限定されない。
【0021】
第二吸入路3は、上流端に、戻り空気RA(特に第二空気RA2とする)を吸入する第二吸入口30を備え、下流端は除湿装置1に接続されている。第一吸入路2と第二吸入路3の下流端は、合流してもよい。第二吸入口30は、室内の所定位置以外、すなわち、特に結露が発生し易いわけではない箇所に配置される。この第二吸入路3は、一般の除湿装置1が備えている。
【0022】
供給路4は、室内に供給空気SAを供給する流路であり、下流端に室内への吐出口40を備える。そして、第一実施形態の除湿装置1は、循環機能を有し、第一吸入路2および第二吸入路3から吸入された第一空気RA1、第二空気RA2は、加湿や除湿等の処理が行われて、供給空気SAとして供給路4より供給される。吐出口40は、その一部または全部が、結露が発生し易い箇所7の近傍に配置され、結露が発生し易い箇所7に向けて供給空気SAを吐出可能としてもよい(
図1参照)。
【0023】
除湿装置1は、図示しないが、送風手段と、マイクロコンピュータ等からなる制御部と、を備えている。送風手段は、ファンと、ファンを駆動するモータ等の駆動手段を備え、制御部により駆動が制御される。第一実施形態では、除湿装置1はデシカントシステムにより除湿処理を行う。
【0024】
デシカントシステムは、図示しないが、放湿流路と吸湿流路とからなる二つの流路と、この流路間に跨って回転するデシカントロータと、デシカントロータを駆動するモータ等の駆動手段と、を備え、吸湿流路を流れる気体に対し吸湿を行うとともに、放湿流路を流れる気体に対し放湿を行うものである。駆動手段は制御部により制御される。
【0025】
デシカントロータは、通常は円盤状をしたもので、その中心軸(回転軸)方向に通気性を有する。なお、デシカントロータは円盤状に限定されない。そして、デシカントロータの表面に吸湿材(デシカント)が担持されている。また、放湿流路には、デシカントロータの上流側に、デシカントロータを再生するための加熱手段からなる再生手段を備えている。加熱手段(再生手段)としては、例えば気−液熱交換器と、熱媒と、循環路と、ポンプと、ポンプを駆動するモータ等の駆動手段と、熱媒を加熱するガスバーナ等の加熱部と、を備えた温水コイルが好適に用いられるが、特に限定されず、電熱ヒータ等であってもよい。再生手段は、制御部により制御される。
【0026】
このデシカントシステムは、除湿対象とする気体を吸湿流路に流通させ、除湿対象となる気体がデシカントロータを通過すると、吸湿材に液体の蒸気が吸収され、除湿された気体となって流出する。放湿流路においては、再生手段(加熱手段)によりデシカントロータが加熱され、気体がデシカントロータを通過する際、デシカントロータの吸湿材が吸収していた液体を気体中に蒸気として放出し、吸湿材が再生される。
【0027】
吸湿流路と放湿流路とを流れる気体の流量と、加熱手段による加熱量と、場合によってはデシカントロータの回転速度を制御部により制御することで、吸湿流路から流出する除湿気体の量、湿度が調節可能である。第一実施形態の除湿装置1は、通常の除湿運転を行う通常モードと、結露解消のために前記通常の除湿運転よりも強い除湿運転を行う結露解消モードと、を有している。
【0028】
第一実施形態では、除湿装置1は、供給路4を通流する、吐出口40より吐出される供給空気SAの絶対湿度(特に供給絶対湿度x3とする)を測定する供給絶対湿度測定部41を備える。この供給路4および供給絶対湿度測定部41は、一般の除湿装置1が備えており、既存の供給絶対湿度測定部41を好適に用いることができる。
【0029】
除湿装置1は、結露判定部を備える。第一実施形態の結露判定部は、第一絶対湿度x1と、供給絶対湿度x3とに基いて、所定位置に結露が発生しているか否かを判定するものである。結露判定部は、第一実施形態では、制御部がその機能の一部として備えるものであるが、制御部とは別に設けられてもよく、特に限定されない。以下、結露の判定について、
図2に基いて説明する。
【0030】
除湿装置1は、運転の開始および停止の操作を行うコントローラ10とを備える。コントローラ10は、制御部と有線または無線により通信可能であり、操作等の信号を制御部(および結露判定部)に送信し、制御部からの指令等の信号を受信する。
【0031】
コントローラ10は、除湿装置1の運転の開始および停止の操作を行う開始/停止操作部11を備える。開始/停止操作部11は、第一実施形態では一の押し釦からなり、停止中の押し操作により運転が開始し、運転中の押し操作により運転が停止する。なお、開始/停止操作部11は、複数の押し釦を備え、開始と停止とが別の押し釦の押し操作により行われてもよいし、押し釦でなく他の操作手段であってもよく、操作の形態、方法は限定されない。
【0032】
またコントローラ10は、結露判定部により結露が発生していると判定された時に、結露の発生を報知する報知部12を備える。報知部12は、表示によるものや、音声によるもの、特に限定されないが、第一実施形態では、LED等による点灯、点滅や、液晶による文字や図形の表示が可能な表示部からなる。
【0033】
またコントローラ10は、結露解消モードの開始および停止の操作を行う結露解消モード操作部13を備える。結露解消モード操作部13は、第一実施形態では一の押し釦からなり、運転中において、結露解消モードの停止中の押し操作により結露解消モードが開始し、結露解消モード中の押し操作により結露解消モードが停止する。なお、結露解消モード操作部13は、複数の押し釦を備え、結露解消モードの開始と停止とが別の押し釦の押し操作により行われてもよいし、押し釦でなく他の操作手段であってもよく、操作の形態、方法は限定されない。
【0034】
結露判定部は、第一絶対湿度x1と、供給絶対湿度x3とを読み込んだ後、(S1)絶対湿度の低下の条件を満たすか、すなわち、第一絶対湿度x1が、供給絶対湿度x3より所定値Δx以上低いか(すなわちx1≦x3−Δxか)を判定する。ここで、第一絶対湿度x1と供給絶対湿度x3の単純な比較ではなく、その差が所定値Δx以上かを判定している。
【0035】
所定位置において結露が発生すると、所定位置の近傍での空気(第一吸入口20より第一吸入路2に吸入されて、第一空気RA1となる空気)の絶対湿度が低下する。この時、第一空気RA1が結露後に絶対湿度(第一絶対湿度x1)が低下していれば、結露の発生により絶対湿度が低下したとして、結露が発生しているとの判定(結露判定とする)を行う。そして、第一空気RA1の結露が発生する前の空気は、室内の所定位置以外の空気、すなわち、結露が特に発生し易くない室内の所定位置以外の空気と同じであり、この空気の絶対湿度x0を、結露前の空気の絶対湿度として、第一絶対湿度x1の比較対象とすることが好ましい。
【0036】
しかし、第一実施形態では、第一絶対湿度x1と比較する絶対湿度として、既存の供給絶対湿度測定部41を用いて測定可能な供給絶対湿度x3を用いている。このため、本来好ましい絶対湿度x0と供給絶対湿度x3との間に差が生じる。この差を考慮して、所定値Δx(>0)が適宜定められる。
【0037】
第一実施形態では、除湿装置1が循環機能を有し、戻り空気RAが処理されて供給空気SAとして供給路4より室内に供給されている。このため、第一実施形態での供給絶対湿度x3は、外気OAを取り入れた後に供給空気SAとして供給する場合の供給絶対湿度x3よりは、絶対湿度x0に近いと考えられ、Δxが小さくてすむ。冬季においては通常、室内の全体の平均的な湿度である絶対湿度x0は供給絶対湿度x3よりも低く、この状況に応じてΔxが適宜定められる。
【0038】
そして、結露判定部は、(S1)の絶対湿度の低下の条件を満たしている場合、(S2)で結露判定を行う。
【0039】
上記
図2に示すフローが、第一実施形態における基本的な判定手順である。なお、上記(S1)の判定においては、第一実施形態ではx1≦x3−Δxか否かの判定を行っているが、他の判定式により判定を行ってもよい。
【0040】
また、フロー(
図2のフローをはじめ、後述する
図3、
図6のフローも同)は、終了後、一定時間をおいて次のフローを開始したり、終了後に直ちに次のフローを開始してもよいし、開始と終了との間にループを形成して繰り返すようにしてもよい。
【0041】
上記結露検出装置にあっては、結露後に絶対湿度が低下することを利用したもので、絶対湿度を測定するだけでよいものである。このため、第一絶対湿度測定部21と供給絶対湿度測定部41とを備えるとともに、これらで測定される第一絶対湿度と供給絶対湿度とに基いて結露判定を行う結露判定部を設けるだけの簡単な構成で、室内の結露の発生を精度よく検出することが可能となる。この結果、従来例のように内部の結露を検出するのみならず、室内の結露の発生を精度よく検出することができる。
【0042】
第一実施形態では、コントローラ10が報知部12を備えており、結露判定が行われると報知部12に報知される。このため、コントローラ10を操作する使用者は、結露を認知することが可能である。そして上記のような結露判定部を備えることにより、精度よく結露を知ることができる。
【0043】
使用者は、報知部12による報知により結露を認知すると、結露解消モード操作部13を操作して結露解消モードを開始する。結露が解消して、結露判定がなされなくなると、報知部12による報知がされなくなり、使用者は、結露の解消を認知する。そして、結露解消モード操作部13を操作して結露解消モードを停止する。これにより、使用者は、結露を認知した時に、結露解消モードを開始して、結露の解消を行うことができる。
【0044】
なお、コントローラ10が報知部12と結露解消モード操作部13とを備えず、制御部が、結露判定が行われると自動で結露解消モードを開始し、結露判定がなされなくなると、自動で自動で結露解消モードを停止するようにしてもよい。
【0045】
次に、第一実施形態の別の例について説明する。除湿装置1は、
図1に示すように、循環機能に加えて換気機能も有しており、外気吸入路5と、排気路6とを備え、更に、第一温度測定部22と、第二温度測定部42と、外気温度測定部51と、を備えている。
【0046】
第一温度測定部22は、第一吸入路2を通流する第一空気RA1の温度(第一温度t1)を測定するものである。
【0047】
第二温度測定部42は、供給路4を通流する供給空気SAの温度(第二温度t2)を測定するものである。
【0048】
外気温度測定部51は、外気吸入路5を通流する外気OAの温度(外気温度t3)を測定するものである。
【0049】
この別の例では、
図3に示すように、結露判定部は、(S11)で、第一温度t1が外気温度t3よりも高いか(冬季の条件を満たすか)否かを判定する。(S11)で条件を満たす場合、(S12)で、第一温度t1が第二温度t2より所定値Δt以上低いか(漏気の条件を満たすか)否かを判定する。そして、上記(S11)で冬季の条件を満たすとともに(S12)の漏気の条件を満たす場合は、所定位置に結露が発生していると判定しないものである。
【0050】
(S11)の冬季の条件を満たすか否かの判定は、t1>t3か否かを判定している。これは、第一温度t1が外気温度t3よりも高い場合、冬季であると判定するものである。すなわち、夏季においては、通常は結露の可能性は低いため、結露判定はなされない。
【0051】
(S12)の漏気の条件を満たすか否かの判定は、t1≦t2−Δtか否かを判定している。これは、第一温度t1が第二温度t2よりも大幅に低い場合、窓が開けられる等の漏気があるとみなすもので、所定値Δtは、この場合のt1とt2の差の閾値として適宜設定される。(S1)の絶対湿度の低下の条件を満たす場合、通常は(S2)において結露判定を行うところ、(S11)の冬季の条件を満たすとともに(S12)の漏気の条件を満たす場合には、漏気が発生しているとして結露判定を行わない。このようにすることで、冬季に漏気がある場合に、誤って結露判定を行うことが抑制される。
【0052】
次に、第二実施形態について、
図4に基いて説明する。なお、第二実施形態は、
図1に示す第一実施形態と大部分において同じであり、同じ部分については同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0053】
第一実施形態では、一般の除湿装置1が備える供給絶対湿度測定部41を有効利用して、この供給絶対湿度測定部41が測定する供給絶対湿度x3と、第一絶対湿度x1とに基いて、結露判定を行っていた。これに対し、第二実施形態では、供給絶対湿度測定部41を用いず、代わりに、第二吸入路3を通流する戻り空気RA(特に第二空気RA2とする)の絶対湿度(特に第二絶対湿度x2とする)を測定する第二絶対湿度測定部31を備える。
【0054】
第一絶対湿度x1との比較する絶対湿度は、結露が特に発生し易くない室内の所定位置以外の空気の絶対湿度x0を用いることが好ましく、第二吸入口30は所定位置以外に配置されていることから、第二空気RA2は所定位置以外の空気であり、第二絶対湿度x2は絶対湿度x0と同じとみなせる。
【0055】
この場合、(S1)絶対湿度の低下の条件を満たすかの判定が、第一絶対湿度x1が、供給絶対湿度x3ではなく第二絶対湿度x2より低いかの判定となる以外は、第一実施形態と同じであり、
図2、
図3に示すフローも同様である。第二実施形態では、(S1)の絶対湿度の低下の条件を満たすかの判定が、第一絶対湿度x1と第二絶対湿度x2の単純な比較でよい上、判定精度も向上する。
【0056】
次に、第三実施形態について
図5、
図6に基いて説明する。なお、第一実施形態および第二実施形態と異なる部分について説明する。
図5に示すように、第三実施形態においては、除湿装置1は、外気吸入路5に外気絶対湿度測定部52を備えている。
【0057】
第一実施形態および第二実施形態では、結露の前後で絶対湿度が低下することを利用したものである。これに対し、第三実施形態では、結露判定部は、(S21)第一絶対湿度x1が、外気絶対湿度測定部52で測定される外気絶対湿度x4より高いか(湿度過多の条件を満たすか)否かを判定する。なお、これに先立ち、第一温度t1が外気温度t3よりも高いか(冬季の条件を満たすか)否かを判定し、冬季の条件を満たさない場合には、結露判定を行わない。
【0058】
図6に示すように、(S21)で湿度過多の条件を満たす場合、(S22)で第一絶対湿度x1から第一空気RA1の露点温度t4を求め、(S23)で露点温度t4が外気温度t3より所定値Δt1以上低いか(露点より低下している可能性の条件を満たすか)否かを判定する。(S23)で条件を満たす場合、結露判定を行わないものである。
【0059】
第三実施形態においては、露点温度t4と外気温度t3とを比較するだけでよく、簡単な構成で、室内の結露の発生を精度よく検出することが可能となる。