(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
陳列状態から顧客が手にとって操作可能な電気機器(1)と、前記電気機器に結合される機器側装置(2)と、店舗の所定個所に設置される店舗側装置(5)とから成り、前記機器側装置と店舗側装置の相互に両装置の所定間隔距離を検出するワイヤレスの距離検知手段(18)を構成し、前記所定間隔距離を検出したとき、前記電気機器と共に機器側装置が所定許容領域から持ち出されたと判定し、警報音を発生するように構成した盗難防止システムにおいて、
前記機器側装置(2)に該機器側装置の外側表面に照らされる光の明暗を検知する明暗センサ(29)を備えた明暗検知手段(19)と、該機器側装置(2)から警報音を発生する警報手段(16)を設け、前記明暗センサ(29)が「暗」を検出したとき前記警報手段(16)により警報音を発生するように構成し、
前記機器側装置(2)は、前記距離検知手段(18)の作動開始及び作動停止を可能にする距離検知ON/OFF手段(28)と、前記明暗検知手段(19)の作動開始及び作動停止を可能にする明暗検知ON/OFF手段(30)を設けており、
前記機器側装置(2)を遠隔操作するワイヤレスのリモートコントローラ(6)は、前記距離検知ON/OFF手段(28)をONにした状態で、前記明暗検知ON/OFF手段(30)をOFFにすることができる明暗検知OFF専用操作手段(33)を備えて成ることを特徴とする陳列電気機器の盗難防止システム。
陳列状態から顧客が手にとって操作することにより商品を発注するタブレット携帯端末機により構成された電気機器(1)をケーシング(3)に内装した状態で店舗の各テーブルに移動自在に配置して成る商品オーダーシステムにおいて、
前記ケーシング(3)に機器側装置(2)を内装すると共に、店舗の所定個所に店舗側装置(5)を設置し、
前記機器側装置と店舗側装置の相互に両装置の所定間隔距離を検出するワイヤレスの距離検知手段(18)を構成し、前記所定間隔距離を検出したとき、前記電気機器と共に機器側装置が所定許容領域から持ち出されたと判定し、警報音を発生する盗難防止システムを構成しており、
更に、前記機器側装置(2)に該機器側装置の外側表面に照らされる光の明暗を検知する明暗センサ(29)を備えた明暗検知手段(19)と、該機器側装置(2)から警報音を発生する警報手段(16)を設け、前記明暗センサ(29)が「暗」を検出したとき前記警報手段(16)により警報音を発生するように構成し、
前記機器側装置(2)は、前記距離検知手段(18)の作動開始及び作動停止を可能にする距離検知ON/OFF手段(28)と、前記明暗検知手段(19)の作動開始及び作動停止を可能にする明暗検知ON/OFF手段(30)を設けており、
前記機器側装置(2)を遠隔操作するワイヤレスのリモートコントローラ(6)は、前記距離検知ON/OFF手段(28)をONにした状態で、前記明暗検知ON/OFF手段(30)をOFFにすることができる明暗検知OFF専用操作手段(33)を備えて成ることを特徴とする陳列電気機器の盗難防止システム。
【背景技術】
【0002】
近年、ワイヤレス通信機能を具備したタブレット携帯端末機と称される携帯端末機が普及しつつあり、例えば、飲食店等において、顧客は、各テーブルに応じて陳列されたタブレット携帯端末機により、商品メニューを参照すると共に、所望の商品を発注することが行われている。
【0003】
また、家電量販店等においては、携帯電話機やデジタルカメラ等の製品に関して、顧客が商品を自由に手にとって操作できる展示サンプルを多数陳列している。
【0004】
前記タブレット端末機や展示サンプル等の電気機器は、盗難防止のため、繋留ワイヤーによりテーブルや棚等の固定部位に繋留されている。しかしながら、繋留ワイヤーが雑然と連結されているので、陳列雰囲気の美観を損ない、しかも、顧客の操作を妨げるという問題がある。
【0005】
そこで、電気機器に繋留ワイヤー等の索条を取付けることなく、該電気機器を自由に移動できるように構成することが望ましい。しかしながら、その場合、不正者が電気機器を店外に持ち出すことが可能となるので、盗難に遭遇するという問題がある。
【0006】
このような盗難を防止するため、電気機器に機器側装置を結合し、店舗の所定個所に店舗側装置を設置し、前記機器側装置と店舗側装置の相互に両装置の所定間隔距離を検出するワイヤレスの距離検知手段を構成することにより、前記所定間隔距離を検出したとき、前記電気機器と共に機器側装置が所定許容領域から持ち出されたと判定し、警報音を発生するように構成した盗難防止システムが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献の盗難防止システムによれば、電気機器は、繋留ワイヤー等の索条により拘束されておらず、自由に移動可能であるから、例えば、飲食店等におけるメニューを表示するタブレット携帯端末機の場合、テーブルを囲む複数人の顧客に手渡しながら操作することができる利点がある。そして、不正者が電気機器を店外に持ち出そうとしたときは、前記ワイヤレスの距離検知手段により検知され、警報音を発生することにより、盗難を防止できる利点がある。
【0009】
前記ワイヤレスの距離検知手段は、機器側装置と店舗側装置の一方に設けた発信機から発信される信号を他方に設けた受信機により受信するように構成することができ、例えば、店舗側装置を所定許容領域の境界位置等の盗難危険領域に設置することにより盗難防止システムを構築する。この場合、機器側装置が前記盗難危険領域に移動させられ、受信機が発信機に近づくと、受信機が発信機の信号を受信することにより、所定間隔距離を検出し、これを異常と判定して、警報を発生することにより盗難を防止する。
【0010】
或いは、前記ワイヤレスの距離検知手段は、一般的に店舗で使用されている防犯タグにより機器側装置を構成すると共に、防犯ゲートにより店舗側装置を構成し、防犯ゲートを所定許容領域の境界位置等の盗難危険領域に設置することにより盗難防止システムを構築することも可能である。この場合、防犯タグが所定間隔距離となる位置まで防犯ゲートに近づいたとき、特定周波数の磁場に反応し、警報音を発生させることにより盗難を防止する。
【0011】
しかしながら、このようなワイヤレスの距離検知手段は、電波方式又は磁気方式により構成されているため、来店した不正者がアルミ箔のラミネート等によりシールドされたバッグを持ち込み、該シールドバッグに電気機器を収容した状態で店外に持ち出すときは、距離検知手段が正常に機能せず、盗難防止の目的を達することができないという問題を提起する。
【0012】
このため、本発明は、ワイヤレスの距離検知に加えて、不正者が電気機器をバッグ等に収容したとき、それを検知して警報音を発生することにより、好適に盗難を防止できるようにしたシステムの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、本発明が
第1の手段として構成したところは、陳列状態から顧客が手にとって操作可能な電気機器と、前記電気機器に結合される機器側装置と、店舗の所定個所に設置される店舗側装置とから成り、前記機器側装置と店舗側装置の相互に両装置の所定間隔距離を検出するワイヤレスの距離検知手段を構成し、前記所定間隔距離を検出したとき、前記電気機器と共に機器側装置が所定許容領域から持ち出されたと判定し、警報音を発生するように構成した盗難防止システムにおいて、前記機器側装置に該機器側装置の外側表面に照らされる光の明暗を検知する明暗センサを備えた明暗検知手段と、該機器側装置から警報音を発生する警報手段を設け、前記明暗センサが「暗」を検出したとき前記警報手段により警報音を発生するように構成し、
前記機器側装置は、前記距離検知手段の作動開始及び作動停止を可能にする距離検知ON/OFF手段と、前記明暗検知手段の作動開始及び作動停止を可能にする明暗検知ON/OFF手段を設けており、前記機器側装置を遠隔操作するワイヤレスのリモートコントローラは、前記距離検知ON/OFF手段をONにした状態で、前記明暗検知ON/OFF手段をOFFにすることができる明暗検知OFF専用操作手段を備えて成る点にある。
【0015】
また、本発明が第2の手段として構成したところは、陳列状態から顧客が手にとって操作することにより商品を発注するタブレット携帯端末機により構成された電気機器をケーシングに内装した状態で店舗の各テーブルに移動自在に配置して成る商品オーダーシステムであり、前記ケーシングに機器側装置を内装すると共に、店舗の所定個所に店舗側装置を設置し、前記機器側装置と店舗側装置の相互に両装置の所定間隔距離を検出するワイヤレスの距離検知手段を構成し、前記所定間隔距離を検出したとき、前記電気機器と共に機器側装置が所定許容領域から持ち出されたと判定し、警報音を発生する盗難防止システムを構成しており、更に、前記機器側装置に該機器側装置の外側表面に照らされる光の明暗を検知する明暗センサを備えた明暗検知手段と、該機器側装置から警報音を発生する警報手段を設け、前記明暗センサが「暗」を検出したとき前記警報手段により警報音を発生するように構成し、
前記機器側装置は、前記距離検知手段の作動開始及び作動停止を可能にする距離検知ON/OFF手段と、前記明暗検知手段の作動開始及び作動停止を可能にする明暗検知ON/OFF手段を設けており、前記機器側装置を遠隔操作するワイヤレスのリモートコントローラは、前記距離検知ON/OFF手段をONにした状態で、前記明暗検知ON/OFF手段をOFFにすることができる明暗検知OFF専用操作手段を備えて成る点にある。
【0016】
更に、本発明が第3の手段として構成したところは、陳列状態から顧客が手にとって操作することにより商品を発注するタブレット携帯端末機により構成された電気機器をケーシングに内装した状態で店舗の各テーブルに移動自在に配置して成る商品オーダーシステムにおいて、前記ケーシングに機器側装置を内装すると共に、店舗の所定個所に店舗側装置を設置し、前記機器側装置と店舗側装置の相互に両装置の所定間隔距離を検出するワイヤレスの距離検知手段を構成し、前記所定間隔距離を検出したとき、前記電気機器と共に機器側装置が所定許容領域から持ち出されたと判定し、警報音を発生する盗難防止システムを構成しており、更に、前記機器側装置に該機器側装置の外側表面に照らされる光の明暗を検知する明暗センサを備えた明暗検知手段と、該機器側装置から警報音を発生する警報手段を設け、前記明暗センサが「暗」を検出したとき前記警報手段により警報音を発生するように構成し、前記タブレット携帯端末機から成る電気機器は、スタンドに載置することによりディスプレイを起立状態で表示する起立姿勢と、背面をテーブルの上面に載置することによりディスプレイを伏臥状態で表示する伏臥姿勢から選択した状態で使用可能となるように構成されており、前記ケーシングは、電気機器を挟んでサンドイッチ状に取着する背面側の基盤部と正面側の額縁状カバー部を相互に着脱自在に固着し、前記基盤部に前記機器側装置を内装するハウジング部を設けると共に、前記ハウジング部の両側に位置して前記基盤部の背面から突出する台座部を設け、前記台座部をテーブルの上面に載置することにより前記伏臥姿勢とされるように構成し、前記伏臥姿勢とされた状態で、前記台座部を介して店舗内の照明光を前記ハウジング部に導く導光路を形成すると共に、前記明暗センサを前記ハウジング部の内部から前記導光路に向けて
設けて成る点にある。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、繋留ワイヤー等で拘束することなく、電気機器1をケーシング3に内装した状態で、顧客が自由に手にとって移動自在に操作可能となるように構成しているので、商品オーダーシステム等において、電気機器1を活用することができる。
【0019】
そこで、不正者が電気機器1を店外に持ち去ろうとするときは、電気機器1に結合した機器側装置2のワイヤレスの距離検知手段18により検知し、警報音を発生することにより、盗難を防止する。
【0020】
ところで、不正者が電気機器1をバッグに収容することにより隠した状態で店外に持ち去ろうとするときは、ワイヤレスの距離検知手段18が良好に作動しないおそれがあり、特に、アルミ箔のラミネート等によりシールドされたバッグに収容すると、ワイヤレスの距離検知手段18による検知が至難となる。この点に関して、本発明は、前記機器側装置2に明暗検知手段19を設けており、バッグに収容されたときの「暗」を検知することにより、警報音を発生するので、これにより好適に盗難を防止することが可能である。
【0021】
使用に際して、電気機器1を内装したケーシング3は、顧客が手にとって使用する他、該ケーシング3をスタンド4に載置することによりディスプレイ1aを起立状態で表示する起立姿勢P1と、該ケーシング3の背面をテーブルTの上面に載置することによりディスプレイ1aを伏臥状態で表示する伏臥姿勢P2との何れの状態でも使用可能となるように構成されているので、商品オーダーシステムの端末機として便利に使用できる利点がある。
【0022】
この際、ケーシング3は、伏臥姿勢P2に関して、該ケーシング3の基盤部3aのハウジング部8の両側に台座部9、9を設けることにより導光路10を形成し、該導光路10に向けて明暗センサ29を設けているので、顧客等が正常な方法で電気機器1を使用している限り、明暗センサ29が「暗」を検知することはなく、誤って警報音を発生させることはない。
【0023】
そして、明暗検知手段19は、距離検知手段18をONにした状態のままで、独立してOFFとすることができるように、明暗検知ON/OFF手段30を設けると共に、リモートコントローラ6の明暗検知OFF専用操作手段33によりOFFとすることができるので、例えば、店舗でコンサート等のイベントを行う等、店舗内の照明を暗くした状態で営業を行う場合は、明暗検知手段19の機能をだけを停止させ、暗闇状態で電気機器1を使用しても、警報音が発生しないように制御することができ、極めて便利である。
【0024】
更に、機器側装置2に接離検知手段17を設けておけば、不正者が電気機器1をケーシング3から取り出そうとしたときも警報音が発生されるので、盗難防止の効果が完璧となる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0027】
(電気機器)
図面において、電気機器1は、上述したタブレット携帯端末機を示しており、例えば、飲食店等において、各テーブルに応じて配置し陳列することにより、顧客が商品メニューを参照すると共に、所望の商品を発注するために供される。従って、電気機器1のそれ自体は、公知のものであり、既に飲食店等において商品オーダーシステムのために現に使用されているものが含まれる。
【0028】
(ユーザ側のユニット)
図1に示すように、前記電気機器1は、後述する機器側装置2を設けたケーシング3に内装されており、該ケーシング3を設置可能としたスタンド4と組み合わせることによりユーザ側のユニットを構成し、例えば、飲食店の場合、各テーブルに各ユニットが配備される。この際、電気機器1は、ケーシング3に内装された状態で、顧客が自由に手にとって操作可能であり、不使用時にはスタンド4に設置される。
【0029】
前記ケーシング3に内装されたタブレット携帯端末機から成る電気機器1は、顧客が手にとって使用する他、
図6(A)に示すように、該ケーシング3をスタンド4に載置することによりディスプレイ1aを起立状態で表示する起立姿勢P1と、
図6(B)に示すように、該ケーシング3の背面をテーブルTの上面に載置することによりディスプレイ1aを伏臥状態で表示する伏臥姿勢P2との何れの状態でも使用できるように構成されている。
【0030】
(店舗側のユニット)
図1に示すように、店舗の所定位置には店舗側機器5が設置され、前記機器側装置2を遠隔操作するワイヤレスのリモートコントローラ6と共に、店舗側のユニットを構成し、店舗管理者の支配下に置かれる。
【0031】
(ケーシングの構成)
図2に示すように、ケーシング3は、タブレット携帯端末機から成る電気機器1を挟んでサンドイッチ状に取着する背面側の基盤部3aと正面側の額縁状カバー部3bを相互に合掌させた状態で、ビス等の固着具7により着脱可能に固着される。
【0032】
前記ケーシング3の基盤部3aは、
図3に示すように、前記機器側装置2を内装するハウジング部8を設けると共に、前記ハウジング部8の両側に位置して前記基盤部3aの背面から突出する台座部9、9を設けており、前記台座部9、9をテーブルTの上面に載置することにより、
図6(B)に示すような伏臥姿勢P2とされるように構成している。
【0033】
この際、
図6(B)に示すように、台座部9は、ケーシング3の背面がテーブルTの上面に重なり合うことなく、浮き上がり状態で隙間を形成すると共に、角度θで示すような傾斜姿勢となるように、設置面にテーパ面9aを設け、ディスプレイ1aを視認しやすい傾斜姿勢に保持する。そして、台座部9、9により、ケーシング3の上り傾斜端部とテーブルTの上面の間からハウジング部8に向けて店内の照明光が導かれる導光路10が形成されるように構成している。
【0034】
(ケーシングとスタンド)
電気機器1を内装したケーシング3は、前述のように、スタンド4に載置することによりディスプレイ1aを起立状態で表示する起立姿勢P1を保持され、この状態で、電気機器1に内装された蓄電池を充電する。図示省略しているが、スタンド4は、電源ケーブルを介して店舗の交流電源に接続される。尚、スタンド4に充電可能な蓄電池を内装した構成としても良い。
【0035】
図4に示すように、前記ケーシング3のハウジング部8に設けられた機器側装置2は、市販の電池等による電源13を備えており、スタンド4に載置されたとき、該スタンド4の電力供給手段11から供給される電力を受取り、電気機器1に内装された蓄電池を充電するための充電部12を備えている。尚、スタンド4の電力供給手段11と前記充電部13の接続は、図示の場合、接触端子11a、12aによる接触式を構成しているが、誘導コイルによる非接触式を構成しても良い。
【0036】
前記充電部12は、タブレット携帯端末機から成る電気機器1に電力を供給する電力供給部15を備えている。図示実施形態の場合、
図2に示すように、ケーブル15aと接続端子15bにより電力供給部15を構成しており、ケーシング3に電気機器1を内装する際、前記接続端子15bを電気機器1の端子に接続される。
【0037】
(機器側装置の構成)
更に、
図2に示すように、機器側装置2は、前記電源13から電力の供給を受けることにより作動する警報発生手段16と、接離検知手段17と、距離検知手段18と、明暗検知手段19を備えている。
【0038】
(警報発生手段)
前記警報発生手段16は、前記接離検知手段17と距離検知手段18と明暗検知手段19の何れかにより検知信号が入力されたとき、駆動されるように構成され、メモリに記憶した電子合成音のデジタル信号をアナログ変換することにより警報音として出力する警報音作成器20と、出力された警報音を増幅する増幅器21と、警報音の音量を制御する可変抵抗器22と、警報音を外部に向けて放出するスピーカー等の警報音発生器23を備えており、警報音の発生を停止可能とする警報ON/OFF手段24を設けている。
【0039】
前記可変抵抗器22の操作部22aは、
図2に示すように、ケーシング3の内部に臨んで配置され、所定の治具によってのみ操作可能なように構成されている。従って、ケーシング3の外部から顧客等が勝手に操作することはできない。
【0040】
前記警報ON/OFF手段24は、後述するように、リモートコントローラ6のワイヤレス操作により制御されるように構成されており、警報音が発生中に、一時停止を必要とするとき、店舗管理者が遠隔操作により警報ON/OFF手段24をOFFすることができる。
【0041】
(接離検知手段)
前記接離検知手段17は、ケーシング3の基盤部3aと額縁状カバー部3bが正常に合掌された状態から、不正者が分解することにより離反させたとき、これを検知して前記警報発生手段16に検知信号を入力する接離センサ25を備えている。接離センサ25は、図示実施形態の場合、
図2に示すように、基盤部3aの縁部の内側に設けられたプッシュボタン式のセンサから成り、額縁状カバー部3bを合掌させたときプッシュボタンが押し込まれることによりOFFとされ、額縁状カバー部3bを離反させたときプッシュボタンがスプリングで突出方向に移動させられることによりONとされ、検知信号を出力するように構成されている。
【0042】
好ましくは、前記接離センサ25をON/OFFする接離検知ON/OFF手段26が設けられており、該接離検知ON/OFF手段26は、後述するように、リモートコントローラ6のワイヤレス操作により制御されるように構成されている。
【0043】
(距離検知手段)
距離検知手段18は、機器側装置2と店舗側装置5の相互において、両装置2、5の所定間隔距離を検出するワイヤレスの距離検知手段を構成している。従って、図示省略しているが、距離検知手段18は、機器側装置2に設けられた手段と、店舗側装置5に設けられた手段の1組により構成されている。上述のように、このようなワイヤレスの距離検知手段は、例えば、機器側装置2と店舗側装置5の一方に設けた発信機から発信される信号を他方に設けた受信機により受信するように構成することができ、機器側装置2が盗難危険領域に設置された店舗側装置5に向けて移動させられると、受信機が発信機の信号を受信することにより、所定間隔距離を検出して異常を判定し、警報発生手段16に検知信号を入力することにより、警報音を発生させる。図例の場合、店舗側装置5に発信機を設け、機器側装置2に受信機を設けた構成を例示し、該受信機により距離センサ27が構成されているとみなし、
図4に示すように、該距離センサ27を距離検知手段18に設けた構成を図示している。
【0044】
或いは、前記ワイヤレスの距離検知手段は、一般的に店舗で使用されている防犯タグを機器側装置2に設け、防犯ゲートにより店舗側装置5を構成しても良く、防犯タグが防犯ゲートに向けて所定間隔距離まで近づいたとき、特定周波数の磁場に反応することにより、防犯タグから警報発生手段16に検知信号を入力し、警報音を発生させるように構成しても良い。従って、この場合、機器側装置2に防犯タグを設ければ良いので、該防犯タグにより距離センサ27が構成されているとみなし、
図4に示すように、該距離センサ27を距離検知手段18に設けた構成を図示している。
【0045】
好ましくは、前記距離センサ27をON/OFFする距離検知ON/OFF手段28が設けられており、該距離検知ON/OFF手段28は、後述するように、リモートコントローラ6のワイヤレス操作により制御されるように構成されている。
【0046】
(明暗検知手段)
前記明暗検知手段19は、受光素子から成るフォトセンサ等の明暗センサ29を備えており、受光状態を「明」とすると共に、非受光状態を「暗」として、「暗」を検知したとき、異常を判定し、警報発生手段16に検知信号を入力することにより、警報音を発生させる。
【0047】
前記明暗センサ29は、
図3及び
図6に示すように、ハウジング部8の内部から上述の導光路10に向けて露出するように設けられている。従って、ケーシング3に内装された電気機器1が正常に使用されている限り、明暗センサ29は、受光状態にあり、異常を判定することはない。即ち、
図6(A)に示すように、スタンド4に起立保持された起立姿勢P1のみならず、テーブルTの上面に載置した伏臥姿勢P2の状態でも、台座部9、9により形成された導光路10を進入する光を好適に受光し、誤って警報音を発生させることはない。
【0048】
しかしながら、不正者が窃盗の目的で、ケーシング3に内装された電気機器1をシールドバッグ等のバッグに収容すると、明暗センサ29は、非受光状態により「暗」を検出し、警報発生手段16に検知信号を入力することにより、警報音を発生させる。
【0049】
図示実施形態の場合、前記明暗センサ29をON/OFFする明暗検知ON/OFF手段30が設けられており、該距離検知ON/OFF手段30は、後述するように、リモートコントローラ6のワイヤレス操作により制御されるように構成されている。
【0050】
この点に関して、リモートコントローラ6は、後述するように、上記の接離検知ON/OFF手段26及び距離検知ON/OFF手段28から独立して、単独で明暗検知ON/OFF手段30を制御可能とする明暗検知専用の操作手段(
図5のボタンB)を設けている。そこで、例えば、店舗でコンサート等のイベントを所定時間行う等、店舗内の照明を暗くした状態で営業を行う場合、店舗管理者が明暗検知ON/OFF手段30をOFFにすることにより、明暗センサ29の機能を停止させ、暗闇状態で電気機器1を使用しても、警報音が発生しないように制御することが可能である。
【0051】
この際、
図4に示すように、明暗検知手段19は、明暗センサ29のON/OFFに対応してON/OFFされる表示灯31を設けており、ケーシング3の外部から表示灯31を視認することにより、明暗センサ29の作動状態又は停止状態を確認できるように構成することが好ましい。
【0052】
(リモートコントローラの構成と作用)
図5に示すように、機器側装置2をワイヤレスで遠隔操作するリモートコントローラ6は、A、B、C、Dで示す4個の操作ボタンを備えている。
【0053】
前記ボタンAは、上記警報ON/OFF手段24と接離検知ON/OFF手段26と距離検知ON/OFF手段28と明暗検知ON/OFF手段30の全てを同時にONにする全部ON操作手段32を構成している。従って、店舗が営業を開始するとき、店舗管理者は、店舗側機器5を作動させると共に、リモートコントローラ6のボタンAを押すだけで、機器側装置2における接離検知手段17と距離検知手段18と明暗検知手段19による全ての盗難防止機能の作動を開始させ、警報発生手段16を作動可能な状態で待機させることができる。
【0054】
電気機器1は、ケーシング3に内装された状態で、繋留ワイヤー等により拘束されていないので、顧客が自由に手にとって移動させながら容易に操作可能であり、
図6(A)に示すようにスタンド4に設置した状態でも操作可能である。スタンド4に設置したとき、充電部12を介して電気機器1に内装された蓄電池が充電される。
【0055】
タブレット携帯端末機から成る電気機器1は、
図6(A)に示すように、ケーシング3をスタンド4に載置することによりディスプレイ1aを起立状態で表示する起立姿勢P1と、
図6(B)に示すように、該ケーシング3の背面をテーブルTの上面に載置することによりディスプレイ1aを伏臥状態で表示する伏臥姿勢P2の何れの状態でも操作可能であり、この状態で、明暗センサ29は、正常な受光状態にあるので、警報発生手段16を作動させることはない。
【0056】
不正者がケーシング3から電気機器1を抜き取るため、ビス等の固着具7を離脱させ、基盤部3aと額縁状カバー部3bを離反させると、接離センサ25が作動して警報発生手段16から警報音を発生する。
【0057】
不正者が電気機器1をケーシング3に内装された状態で持ち去るため、店舗の所定許容領域の外に移動すると、機器側装置2と店舗側機器5の相互により構成された距離検知手段18が作動して警報発生手段16から警報音を発生する。
【0058】
不正者が電気機器1をケーシング3に内装された状態で持ち去るため、バッグに収容したときは、明暗検知手段19が作動して警報発生手段16から警報音を発生する。この場合、不正者がアルミ箔のラミネート等でシールドされたシールドバッグに収容したとき、前記距離検知手段18は作動しないおそれがあるが、明暗検知手段19が作動するので、好適に盗難を防止することができる。
【0059】
不正者の不正行為があったとき、警報音は、当該ケーシング3に内装された機器側装置2の警報発生手段16から発せられる。つまり、不正者の手元から不正者自身に警告すると共に、鳴り響くことにより店員等に通告する。警報音の発生源を探求することにより、店員等は、多数の顧客により混雑した店舗においても、何れの電気機器から警報が発せられているのか容易に特定することができる。
【0060】
前記ボタンBは、上記明暗検知ON/OFF手段30だけを独立してOFFにする明暗検知OFF専用操作手段33を構成している。従って、例えば、店舗でコンサート等のイベントを所定時間行う等、店舗内の照明を暗くした状態で営業を行う場合、店舗管理者が明暗検知ON/OFF手段30をOFFにすることにより、明暗センサ29の機能を停止させ、暗闇状態で電気機器1を使用しても、警報音が発生しないように制御することができる。このように明暗検知手段19がOFFとされた状態でも、接離検知手段17及び距離検知手段18はONの状態で待機しているので、両手段17、18の防犯機能は失われていない。尚、再度、明暗センサ29を作動状態とするためには、前記全部ON操作手段32を構成するボタンAを押せば良い。
【0061】
前記ボタンCは、上記警報ON/OFF手段24だけを独立してOFFにする警報OFF専用操作手段34を構成している。従って、不正者の不正行為により警報発生手段16から警報音が発せられ、店員等が不正者を特定した後は、ボタンCを押すことにより、直ちに警報音を停止させ、他の顧客の不快感等を防止できる。再度、警報ON/OFF手段24をONにするためには、前記全部ON操作手段32を構成するボタンAを押せば良い。
【0062】
前記ボタンDは、上記警報ON/OFF手段24と接離検知ON/OFF手段26と距離検知ON/OFF手段28と明暗検知ON/OFF手段30の全てを同時にOFFにする全部OFF操作手段35を構成している。従って、店舗が営業を終了するとき等、店舗管理者は、リモートコントローラ6のボタンDを押すだけで、機器側装置2における全部の盗難防止機能を停止させることができる。